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2016年10月06日 (木)

【ライヴレポート】<CLØWD 1st Full Album Release Tour「関東無礼区行脚-KANTO BREAK TOUR-」>9月30日(金)高田馬場AREA

REPORT - 00:06:06

 

「叶わない夢などないことを俺達CLØWDが証明するよ」

CLØWDがツアーのファイナル公演を実施。

楽園の先に辿り着いた熱狂の無法地帯(TENDERLOIN)。
1stフルアルバム『TENDERLOIN』を手にスタートしたCLØWD 1st Full Album Release Tour
「関東無礼区行脚-KANTO BREAK TOUR-」。

メンバーそれぞれが対バン相手を指名し、毎回2マンスタイルで実施。
レイヴ/ベル/ぞんび/Neverland/Develop One’s Facultiesをライバルに
5本行ったバトルの先に待ち受けていたのは、
9月30日(金)高田馬場AREAを舞台にしたワンマン公演「東京最終無礼区」だった。

ライヴは、1stアルバム『TENDERLOIN』の冒頭を飾った『Child’s Dream』からスタート。
「初めて出逢う君に魅せよう 夢を見る胸の内側を」。
この歌に込めた想いこそ自分たちが音楽を奏でる理由だと、CLØWDは宣言。
その言葉は、確かな力と躍動を持って気持ちを熱く疼かせていた。
『それでも、愛している』でも彼らは、「夢を見たくて両手伸ばした~そう君も賜れるさ」と
CLØWDを支える人たちへ想いを届けるように。
何より、ともに明日へ鼓動を鳴らそうとKØUは歌いかけてきた。

「独裁しようかー!!」 魂が嬉しさに打ち震えて止まらない!! 進撃の狂騒曲『独裁Rhapsody』が
火照りだした感情を熱く高ぶらせてゆく。
KØUと観客たちとの絶叫のバトルが勃発した『BXXXes』を通し、
CLØWDは荒ぶるロックな衝動を叩きつけてきた。
重厚な音を背にした『狼煙』では、鋭い牙を剥き出しながら「暴れろ」と観客たちの感情を煽り続けてゆく。

タオル振りまわす熱狂を生み出した『レッドホット・ディスコ』を通し
場内をダンスフロアへ塗り変えれば、業火の中で踊り狂う興奮を与えた『セブンスセンス』や
観客達が左右へモッシュし続けた『CHECK MATE』を通し、
誰もが魂を熱く掻きむしる宴の中で恍惚に溺れていた。
KØUは歌った、「時代を作りだせ」と。その答えの一つを熱した空間が証明していた。
なんてお洒落なムードだ、繊細な音の絨毯を紡いだミッドメロウな『Tomorrowland』。
一転、轟音を響かせたダークでラウドな『エイジレス』を通し、
会場には頭を振り乱す暴れの空間が生まれていた。どんどん熱を溜め込んでゆく場内。
興奮した想いを優しく包みこむよう、CLØWDはふたたびメロウで美しいバラード『Thank you for coming』を紡ぎだした。
火照った気持ちが少しずつ優しさに癒されてゆく。
はしゃいでいた動きさえ止め、誰もが心を温かく抱きしめる歌へ身を委ねていた。

CLØWDが連れ出したのは、刺激を孕む楽園だった。
豪快に躍動するシンフォニックロック『RUDENESS RESORT』が、
大きな唸りを持って観客たちを一気に呑み込んだ。
雄大な音の波に溺れながら観ていたのは、神々しい楽園の風景?! いや、病みに蝕まれたパラダイス。
常夏の島なんかより、闇を抱いた無頼な空間こそ、観客らにとっては最高の無法地帯(TENDERLOIN)だ。
「引き金弾いてやる、撃たれる覚悟は出来てるから」。彼らは捨て身の闘いを仕掛けてきた。
『Way to…』を通し5人が突き刺した音の弾丸。ダイナミックな音の塊が炸裂。
『ワットインテンション』に飛び乗り、場内中の観客達が雄叫びを上げ騒ぎだした。
「俺たちの理想としているライヴがもう少しで出来上がる、やれんのかっ?!」
「俺たちの目覚めを見せてやる!!」。樹の叩きつける重厚で華激なダンスビートが炸裂。
『WAKE UP』に飛び乗り、会場中の人達が一斉に跳ねてゆく。
その衝撃は、感情の奥底に隠していた本性を目覚めさせていった。
理性をぶっ壊し、誰もが心の野生を剥きだしに騒いでいた。

『Worry?』に身を預け、全力で身体を揺さぶり、を舞台へ絶叫ぶつけてゆく観客たち。
荒れ狂う嵐の中へ巻き込むように、CLØWDは『#夏の微熱』を突きつけた。
夏の台風以上に制御の効かない熱した暴風が場内を包みこんでゆく気分?!
ただただ、無邪気に暴れ狂えばいい。互いに裸になって本性をさらけ出してこそ、
一体化し交わる熱狂のエクスタシーが生まれる。それこそが、人の持つ本能だ。

これまでの熱狂を昇華するよう、CLØWDは最後に『Film of Life』を演奏。
「君と生きる」。その言葉を笑顔で一緒に交わしながら、
誰もが『Film of Life』に詰め込んだ想いを分かち合うよう躍動する楽曲に抱かれていた。
アンコールでは、樹のDrums soloが炸裂し、猟平とのRhythm sessionへとつながる。
そしてメンバー皆が呼び込まれ、切っ先鋭い音を突き付けた『傷声』が飛び出した。
ダークでラウドな姿勢のもと、観客たちへ挑みかかるメンバーたち。
業火ならぬ轟火な演奏に触発されないわけがない。舞台最前列に逆ダイの光景が生まれれば、
何度も繰り返される煽りに触発された庵と冬真のギター陣は、客席へ身を預け演奏。
なぜかベースの猟平は、みずからのスマホで暴れる観客たちを撮影し続けていた。
ギュウギュウ状態の中でさえもみくちゃになってはしゃぎ続ける観客たち。
その煽りが止まない限り、絶叫も途切れることはなかった。

「叶わない夢などないことを俺達CLØWDが証明するよ」。
KØUの言葉に続き、ともに未来へ進もうと約束を交わすよう、
最後に心地好く駆ける『キミトボクラ』を披露してくれた。

CLØWDが高田馬場AREAに描いたのは、熱狂渦巻く無法地帯(TENDERLOIN)。
そこは、病み付きになる刺激が満載の楽園だった。
この日、CLØWDから新しい情報として、12月21日に新しいシングルの発売。
さらに、2017年1月より初の東名阪ワンマンツアーを行なうことを告知してくれた。
熱狂の続きを来年早々に味わえるなんて最高の年明けじゃない?!
すでにワクワクが高鳴り出してるよ。

 

PHOTO:西槙太一
TEXT:長澤智典

 

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CLØWD 関東無礼区行脚-KANTO BREAK TOUR- 東京最終無礼区
9月30日(金) 高田馬場AREA
SET LIST

M-1『Child’s Dream』
M-2『それでも、愛している』
M-3『独裁Rhapsody』
M-4『BXXXes』
M-5『狼煙』
M-6『CHECK MATE』
M-7『レッドホット・ディスコ』
M-8『セブンスセンス』
M-9『Tomorrowland』
M-10『エイジレス』
M-11『Thank you for coming』
M-12『#0507RRR』
M-13『RUDENESS RESORT』
M-14『Way to…』
M-15『ワットインテンション』
M-16『WAKE UP』
M-17『Worry?』
M-18『#夏の微熱』
M-19『Film of Life』
-ENCORE-
M-1『Rhythm Session』
M-2『傷声』
M-3『キミトボクラ』

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CLØWDオフィシャルサイト
http://clowd.tokyo/

 

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<CLØWD INFORMATION>

■2016/12/21(水)
New Single リリース決定!
※詳細は後日発表いたします

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■CLØWD 2nd Anniversary & 1st ONEMAN TOUR「Happy Birthday 2 You」

2017/1/7(土)大阪 FANJ
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)FANJ 06-6120-6800

2017/1/8(日)名古屋 ell size
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)ell size 052-211-3997

2017/2/4(土)Zirco Tokyo
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

2017/2/5(日)Zirco Tokyo
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

【チケット料金】
 前売り ¥3,500 / 当日 ¥4,000 ※税込・オールスタンディング・ドリンク代別
 ※営利目的の転売禁止 / 未就学児童入場不可

【各公演 HP先行受付中(抽選)】
 受付期間:10/1(土)12:00~10/28(金)23:59
 http://clowd.tokyo/news_detail/news_270.html 

【チケット一般発売】2016/11/19(土)

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■イベントスケジュール

10/8(土)、10/9(日) 仙台darwin OPEN 15:30 / START 16:30
MY little HEARTS. Special Edition Vol.8

10/14(金) 幕張メッセホール 9-11ホール OPEN 8:00 / START 9:00
VISUAL JAPAN SUMMIT 2016

10/15(土) 大阪BIG CAT OPEN 15:30 / START 16:30
MY little HEARTS. Special Edition Vol.8

10/16(日) 名古屋E.L.L OPEN 15:30 / START 16:30
MY little HEARTS. Special Edition Vol.8

10/22(土) TSUTAYA O-EAST OPEN 15:30 / START 16:30
MY little HEARTS. Special Edition Vol.8

10/31(月) 高田馬場AREA OPEN 16:30 / START 17:00
『ハメ外し大変身2016 』

11/5(土) 品川ステラボール OPEN 16:00 / START 17:00
MAVERICK DC GROUP 35th Anniversary JACK IN THE BOX mini

11/13(日) SHIBUYA REX OPEN 16:30 / START 17:00
【beauty;tricker】vol.51

11/17(木) 池袋EDGE OPEN 18:00 / START 18:30
Force Wars vol.1

11/21(月) 池袋EDGE
Member Birthday Live「FIVE THE BIRTHDAY!!」~冬真Day~

12/1(木) TSUTAYA O-WEST OPEN 16:00 / START 16:30
Autumn Cup TOUR 2016 FINAL

12/05(月) 池袋EDGE
Member Birthday Live「FIVE THE BIRTHDAY!!」~樹Day~

12/30(金) 池袋EDGE
Member Birthday Live「FIVE THE BIRTHDAY!!」~KØUDay~

 







2016年10月04日 (火)

【ライブレポート】INORAN TOUR 2016-Thank you-「B-DAY LIVE CODE929/2016>2016年9月29日(木)新木場 STUDIO COAST!〜良い景色—…みんなに感謝です。〜INORAN、46歳の誕生日に「Thank you」ツアー完走!

REPORT - 12:22:32

9 月 29 日、INORAN TOUR 2016 -Thank you-<B-DAY LIVE CODE929/2016>が新木場 STUDIO COAST で行われた。

 

8 月 24 日にリリースされた INORAN ソロワークスによる 11 枚目のアルバム「Thank you」を 提げて開催された全国ツアーの最終日であり、46 歳の誕生日当日ということで、平日にも関わ らず会場には多くのファンが集まり開演を待ち望む。

白 T シャツにジーンズと爽やかなスタイルで登場した INORAN。

一曲目は最新作のタイトルト ラックであり、これまでの全てに感謝を告げる「Thank you」を披露。

 

“ヘイ、東京!!”と煽り、新曲「Get a feeling」に続いて「might never see, might never reach」を歌い上げると会場は熱気に満ち溢れ、「some way」では INORAN の優しい歌声とアコー スティックギターの音色が暖かな空間を生んだ。

6 年振りの新木場 STUDIO COAST。ステージに立った INORAN は

“40 の俺に言ってあげたい。あんま頑張りすぎんなよって(笑)”

と当時を振り返りながら、毎年恒例のバースデーライブを 本日迎えられたことへの感謝を述べた。

 

中盤では、ハッピーバースデーの合唱にのせてバースデーケーキが登場し会場中の祝福を受け、 「One Big Blue」のブレイクに LUNA SEA の「TONIGHT」を挟み歌唱するなどのサプライズ に沸いた。

この日は INORAN 本人の「46 歳になった日の INORAN を瞬間瞬間をファンのみんなに切り取っ てもらいたい」との意向で全曲撮影し放題という大盤振る舞いのライブであったが終始、撮影 に固執するファンは少なく、(もちろんポイントポイントで皆撮影をしていたが)、目の前の INORAN を脳裏に焼き付け、その音、光、空気を全身で感じ、受け止め、一心不乱にライブを 楽しむファンの姿が印象的だった。

 

“全身全霊で駆け抜けてきた「Thank you」ツアーで、素晴らしい景色を見せてくれたみんなに 感謝です。物語はあるものではなく、人の手で紡ぐもの。また、次の物語まで…”と、最後に 前作「BEAUTIFUL NOW」のラストナンバー「All We Are」に。

大団円を迎えるその会場は一 体となり、喜びの日の幕は閉じた。

2017 年はソロ 20 周年を迎える INORAN。MC で“来年は小休止をしようと思う。またこの季節にみんなと会えると思うよ”との言葉も残した。

 

M1.Thank you

M2.Get a feeling

M3.might never see, might never reach

M4.Awaking in myself

M5.Let It All Out

M6.because of you

M7.2lime s

M8.some way

M9.Wherever I go

M10.Come Away With Me

M11.Dr & Ba & Gt

M12.Beautiful Now

M13.One Big Blue

M14.Rightaway

M15.grace and glory

M16.Get Laid

M17.All We Are

 

 

上3点:LIVE写真◎菊池茂夫

 








2016年10月01日 (土)

【ライブレポート】2016年9月28日(水)渋谷REX<その認識間違ってますよ!!>Neverland・Develop One’s Faculties・グリモア★東名阪スリーマンツアー 我々を観ろ!

REPORT - 18:07:14

 

 928()、渋谷REXを舞台にNeverland/Develop One’s Faculties/グリモアの3バンドによるイベント「その認識間違ってますよ! Neverland DOF グリモア 東名阪スリーマンツアー 我々を観ろ」が行われた。

40分ステージと、各々のライブも何時もよりも長く堪能。最後には、3バンドによるセッションも繰り広げられた。

この日の模様を、ここにお届けしよう。

 

◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 

グリモア

 

 幕が開くと同時に、そこには灯を携えた4人の姿が。その灯も、合図と共に一つ一つ消えてゆく。すべての光が途絶え会場中が闇に包まれたのを合図に、舞台上から流れだしたレトロなワルツの調べ。そのリズムに呼ばれヴォーカルのRyNKが舞台上に姿を現した。

 

  演奏は一気に重い衝動を持って走りだした。『プラスティックシアター』が会場をダークで怪しい黒い宴へと塗り上げてゆく。間奏では優しいワルツの調べも奏でつつ、グリモアが示したのは闇の中、心も身体も捩じらせ踊り祭る狂乱の宴だった。

 

 Melの躍動的なドラムビートに乗せ、猛り始めた演奏。グリモアは観客たちを煽っては、ノイジックな音の洪水の中へと巻き込みだした。煽りに続きRyNKがホイッスルを鳴らすや、演奏は次の演目『ブラッディマイパレード』へ。 このパレードは、とても毒々しい。荒れ狂う演奏へ身体は嬉しく呼応しながらも、脳髄を掻き乱すヒステリカルでメロディアスな歌は意識を笑顔でとろけさせていた。このひねくれた感覚が妙に心地好い。

 

  激烈なパーティロックがファンキーに炸裂。ギターを中心とした演奏はヘヴィだが、楽曲自体が弾む躍動を意識下に与えてゆく。『タロットゲーム』が示した、ハード/メランコリックな音で身体を揺らす快楽。グリモアは闇の世界を舞台に、次々と頭を攪乱させる恍惚の音楽を注入していった。

 

  螺子を巻いた音が次の演目への合図。絶叫も交え、激しく煽るRyNK。痛い刺激を満載に、グリモアは黒い衝動を叩きつけていく。過激/メロウ/デスロマンティックと、一曲の中で次々と表情を変えてゆく『からくりパルム』に合わせ、客席前方ではファンたちが荒ぶり続けていた。

 

 ダークでメランコリックなSEから、一変。観客たちを奈落へ次々と引きずり落とすように、グリモアは激烈な音を叩きつけた。一転、歌が始まるや、楽曲は黒い切なさを醸すバラードへ。『ネバーエンド』は、闇で蠢く人達へ捧げた病みの乞狂曲。朗々と歌いあげるRyNKの歌声が、聞き手を痛い世界へ誘い続けていた。

 

  『「シン」せかい』は、観客たちをヘドバンや折りたたみの空間へと導く豪圧高揚曲。重く唸る音に身を委ねていたら、何時しか身体が大きく揺さぶられていた。激しく頭を振り乱して逝た。

 

  高ぶった熱狂へ、さらに毒を持った熱を注入するように、グリモアは病みを抱えて疾走する『エデンのそこ』を突き付けた。その衝撃に触れたら跳ねずにはいれない。だから、後ろの人達も何時しか跳ねたり、手を揺らしていた。

 

  最後の『ぼくとタルパ』でもグリモアは、荒ぶった衝動を激烈な演奏に変え、観客たちに突き付けていた。楽曲の中から垣間見えるメランコリックな香りが嬉しいスパイスとなり、激しさの中にも親しみを覚えさせていた。グリモアのライブ、闇に包まれた遊園地の中、楽しく病んで逝った気分だった。

 

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Develop One’s Faculties

 

   尖ったギターの音が連なり、物語を紡ぎだした。いや、すぐに演奏は乾いた音を尖らせ走り出していた。Develop One’s Facultiesが示したのは、病んだ心の闇を叫ぶように歌う『ご想像にお任せします』。「嫌いだ嫌いだ、お前なんて死ねばいい」とヴォーカルのyuyaはがなり立ててゆく。何より、空間を活かしたギターロックな音がとても胸を熱く掻き立ててゆくスリリングな演奏なんだ。

 

  Develop One’s Facultiesが示したロックスタイルの刺激はかなり強烈だ。なんてソリッドでスリリングだ、切れ味鋭い音をダイレクトに突き付けた『残念な唄』が示した衝撃には、初期衝動という言葉が相応しい。その痛い音は、魂をグッと握りしめてくれた。

 

 ヒステリカルでフリーキーな演奏が爆発。イカれたソリッドなロックナンバー『隣町の人』が、意識をグチャクチャに掻き乱し恍惚に変えてゆく。サビや間奏ではタオルを振りまわし熱狂する人達も。熱を持って疾走し続ける音に身を預けていると、一緒にエクスタシーを感じてイケそうだ。マジに気持ちのいいパーティな空間じゃないか!!

 

  飛び跳ねずにいれない、声を上げて騒ぎたくてしょうがない。Develop One’s Faculties流カラフルなパーティロックチューン『psychedelic modulation』が、どんどん恍惚の舞台へ連れてゆく。何時しか場内でも、無邪気に跳ねてゆく人たちが続出。ホント、お洒落な音楽を突き付けるとっぽい連中だぜ。

 

  「飛び跳ねれるかー!!」。身体をズクズクと揺らすヘヴィファンクなビートをブースト。ヒステリカルでサイコティック、思いきり変態ロックしているからか、その演奏はかなり刺激の強い毒を持っていた。プログレッシブでスタイリッシュな『この世界が嫌いな人へ』が、触れた人達の感覚さえも恍惚に捩じ曲げていた。上質かつ理論的なのに、ヤバいくらいにぶっ飛んだハイソな音楽だ!!

 

  『正常とは』は、Develop One’s Facultiesの突き付ける演奏に身を預け、頭を空にして騒ぎ狂うこと。疾走する演奏が、身体中へアドレナリンを流入させてゆく。誰もが、頭上高く掲げた手を下げることなく熱狂に溺れていた。熱気を携えながら、いや、さらにパワーとスピードを倍増させ、Develop One’s Facultiesはソリッド&ハードに『斑』を突き付けた。研ぎ澄ました鋭利なギターの音に、どれくらい身体や感情をスパッと切り刻まれたことか。ヤバい、上がりたした熱が火照り続けている。

 

 深いリバーブの効いたギターの調べを合図に、Develop One’s Facultiesはハイポテンシャルなダンスロック『結果論』を奏でだした。理屈じゃない、身体が勝手に反応しては跳ね続けていた。極上なダンスビートが、気分までもゴージャスに盛り立ててゆく。最後に叩きつけたヘヴィミクスチャーなビートナンバー『insert memor』まで、Develop One’s Facultiesは終始気分をアッパーに導く衝動と刺激的な衝撃を。何より、ロックで踊る興奮を教えてくれた。ビジュアルロックで踊る。その楽しさを、ぜひDevelop One’s Facultiesを通して味わい尽くしていただきたい。

 

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Neverland

 

  眼前に現れたスクリーンに映し出されたのはNeverlandのステージは、最新ナンバー『SECRET WORLD』のMVの上映からスタート。その衝撃を引き継ぐよう、映像で流れた音を数倍激しさを増した形のもと、ライブは『SECRET WORLD』から幕を開けた。挑むように、観客たちへ喧嘩をふっかけるくらいの気迫を持って、涼太は歌い叫んでいた。演奏陣のプレイも、何時も以上にぶっ太い音の衝撃を突き付けていた。いや、ぶっ太い音のこん棒をブンブン振りまわしているような凄まじさだ。最後の涼太のスクリーモの存在感の、なんて壮絶だったことか。

 

  勢いへさらに華激さを塗り重ねるように、Neverlandはヒステリカルでサイコティックな『666Hz』を突き付けた。舞台上もフロアーも、感情を剥き出しに騒ぎ立ててゆく。いや、そうすることが、この空間では最上級に愉快な快楽であり、恍惚なんだよ。

 

  「踊れー!!」。『ハイカラ輪舞曲』が連れ出したのは、ゆらゆらと身体を揺らしながら快感に溺れてゆく心地好さ。Neverland流のダンスロックと言えば良いだろうか、歪んだ演奏なのに身体を弾ませてゆく感覚は、螺子の曲がった彼らだからこそ生み出せる味。ぶっちゃけ理屈なんかどーでもいい、たとえ歪んでいようと、その歌や演奏が気持ちいいから、みんな飛び跳ねているんだもの。

 

  ソリッギなギタービートが炸裂、演奏は一気に駆けだした。Neverland流怪しく妖しいシャッフルナンバー『絶交×キャンディ』が、ヤバイ嗜好の世界へと導き出した。そこは、開けてはいけない禁断の社交場。極彩色な照明の下、怪しく入り乱れる人達の感覚を酔わせる音楽として『絶好×キャンディ』は最高に似合う表情だ。人なら誰もが持つ快楽のツボを、この歌が怪しく貫いていた。

 

  その白昼夢が見せたのは、頭を空にして、流れる演奏に身を任せ身体を揺らしていくこと。哀切な歌が胸をギュッとつかみながら、躍動し続ける演奏はしっかりと身体を揺らしていた。ミッドメロウな『Daydream』が見せたのは、気持ちをグッとつかんで離さない魂震える喜びだった。最後に生まれた合唱が、一緒に分かち合いたい想いがそこには確かにあったことを証明していた。

 

  「俺は一瞬一瞬を大切にして歌ってる。後悔ないくらいに楽しんでくれよ」。ヴォーカル涼太の言葉に続き、心をキュッと嬉しくときめかせる『ココロアンブレラ』が流れだした。その歌や演奏に触れている間中、ずっと顔が笑みを浮かべていた。何時しか大きく手を揺らし跳ね続けていた。心が一つに結ばれ合う瞬間、それを、このとき確かに感じていた。

 

  「ブチあげようか!!殺っちまえー!!」、ダークにワイルドにブッ太い音を突き付けながら、Neverlandは闇の熱狂空間へ『アグリマン』を導いた。豪圧な演奏に挑むように激しく身体を折り畳んでゆく観客たち。哀愁抱いた歌なのに、身体を思いきり揺さぶらないことには気持ちが許さないんだ!!

 

 「俺とヤリたい?!、激しいのイコうぜ!!」。最後にNeverlandは『憂鬱チェリー』をブースト。爆裂した演奏に身も心も預けながらフロアー中の人達の身体が大きく波打ってゆく。誰もがありったけの気持ちを舞台上へぶつけていた。途中、グリモアやDevelop One’s Facultiesのメンバーも乱入。楽器を持ち替えたり、歌い手3人がマイクをまわしながら、場内へさらに爆裂した興奮の宴を作りあげていた。何度も何度も繰り返される煽りの風景。メンバーたちが入り乱れ観客たちを煽ってゆく際の表情が、なんてキラキラ輝いていたことか。それくらい一緒に入り乱れ騒ぐことが嬉しかったということだ。

 

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SESSION

 

 最後にNeverlandの涼太(Vo)/てら(B)Develop One’s Facultiesyuya(G)、グリモアのメル(Dr )という特別編成で、Neverlandの『Merry go land』をセッション。三拍子のロックナンバーが、熱狂に火照った観客たちの身体や意識を優しく抱きしめていた。「また一緒にこの3バンドで騒ごうぜ」と約束をするように、音楽を通して心と心で指切りを交わしていた。

  

  3バンドともに、「ふたたびこのメンツで、しかも規模を拡大してやりたい」と語っていた。ということは、来年辺りまたもこのメンツで実現することを、今は願おうか。この熱狂をもっともっと大きな形で各地へ届けるためにも

 

TEXT:長澤智典

 

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グリモア http://www.gri-moire.com/

Develop One’s Faculties http://d-o-f.jp/

Neverland http://planet-child.jp/neverland/                            

 

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●set list

 

★グリモア

『プラスティックシアター』

『ブラッディマイパレード』

『タロットゲーム』

『からくりパルム』

『ネバーエンド』

『「シン」せかい』

『エデンのそこ』

『ぼくとタルパ』

 

★Develop One’s Faculties

『ご想像にお任せします』

『残念な唄』

『隣町の人』

psychedelic modulation

『この世界が嫌いな人へ』

『正常とは』

『斑』

『結果論』

Y insert memor

 

★Neverland

SECRET WORLD

666Hz

『ハイカラ輪舞曲』

『絶交×キャンディ』

Daydream

『ココロアンブレラ』

『アグリマン』

『憂鬱チェリー』

 

★セッション

Merry go land