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2016年05月06日 (金)

【ライブレポート】MASK 一夜限りの復活ライブ「GOAL」~ループ開き~2016年5月1日(日)ZEPP TOKYO!

REPORT - 12:47:26

 

2006年5月1日、ZEPP TOKYO。悲しみに暮れる2千人を越すファンたちの嗚咽と絶叫を身体中に染み込ませながら、「卒業(解散)」という言葉を持ってMASKは活動を止めた。当時、ヴォーカルの尽(HERO)は、まだ10代だった。リーダーの未散は、この日を最後に表舞台からは姿を消してしまった。

時の流れは、様々なドラマを生み出してゆく。解散後、メンバー全員が音楽に携わり続けてきたからこそ「有り得ないこと」が「現実」にもなる。

 

10年の歳月を経て…。10年後となる2016年5月1日にMASKは、ZEPP TOKYOを舞台に「一夜限りの復活」ライブを行った。MASKは、第一期/第二期メンバーという2つの形態を持って活動してきたバンド。その2つのスタイルをこの日披露することから、かつてMASKに熱狂してきたMASKER(ファン)たちは、その事実を知ったときから、この日をずっと心待ちにしていた。MASK解散後にメンバー個々が活動を続けていく中、それぞれのファンになった人たちも、彼らのルーツに色濃く刻印されたMASKの存在へ興味を示し、チケットを手にしていた。中には、時の流れを経て「伝説」と化したバンドに興味を抱き、この日足を運んだ人たちもいた。

チケットは発売後、瞬く間に完売。つい先日も、求める声の多さから使用予定の無かった場所まで開放。そのチケットも売り切れたように、会場は大勢のファンで詰め尽くされていた。

 

この日は「GOAL~ループ開き~」と題したように、未散率いたLOOP ASH時代のバンドが集結。現在も活動中のアンティック-珈琲店-を筆頭に、SCISSOR、HeaRt、カミカゼ少年團が期間限定で復活。MASKの復活に華を添えてくれた。

 

ライブは、「MASK第一期」から幕を開け、それぞれのゲストバンドのライブを挟み、「MASK第二期」のライブが行われる形で進行。

 

SE『お通しパレード』を背にしての登場。「真の終わりを迎えるには始まりを知ることが大切、俺たちがMASKだ!!」、AOIの言葉を受け『赤裸々ノイローゼ』から幕を開けたAOI(Vo)+SANA(G)+MICHIRU(G)+KAZUTAKE(B)+NANA(Dr)による「MASK第一期」のステージ。当時はダークでハードエッジな音楽スタイルを軸に据えていたように、終始突き刺さる激しい音を突き付ければ、AOIに至ってはデスボイス混じりに観客たちを煽り続けていた。激しくワイルドに、暗鬱な色に塗りつぶしたロックナンバーの『赤裸々ノイローゼ』を用い、5人はMASKERたちを煽りだした。

「合わせ鏡の中…」。『Gemini』が導いたのは、激しさと、その中に隠し持った哀切な表情。デスボイス混じりに攻めの姿勢でMASKERたちを煽り続けてゆくAOI。演奏陣もソリッドでダークな音を次々と放ち、MASKERたちに痛い恍惚を突き付けていた。闇を携えたMASK、その姿はなんて黒く華やかなんだ!!

「壊れちまえよ!!」。激しいブラストビートが炸裂。理性を一気に破壊するように、狂気の刃を剥きだし『XxxXマスター』が襲いかかってきた。今の時代のダークさとは異なる、そこには妖しい華がある。いくら激しく攻めようが、身体が黒いウネリに溺れようと、そこには痛い優しさを覚えてゆく。

 

「10年ぶり、俺とNANAくんは13年ぶり。まさか13年後にこの日が訪れるとは夢にも思っていませんでした。今、この瞬間はこう名乗らせてください、MASKです。10年、13年と月日が経つと、俺たちは美化されていくと思うんです。君たちがこの瞬間に期待して集まってくれてた以上の姿でいけるか不安だったけど。久しぶりにこのメンツの顔を見た瞬間「いける!!」と思いました。この5人のMASKが最高だよな、そうだよな!!最初からクライマックス迎えちゃっていいよな!!俺たち5人の13年分の想い、余すことなく持っていけよ!!」

 

場内を染め上げた真っ赤な光。『赫い盲目』が流れ出すと同時に、会場中の人たちが思いきり頭を振り出した。痛い痛い奈落へ引きずり込むよう激しく妖しい調べを持って、MASKが満員の観客たちを赤い熱狂の中へ巻き込んでゆく。サビで響いた嘆きの歌、激しく狂わせるだけではない、心をチクチクと涙な思いを持って突き刺してゆく。咲かずにいれない。酔わずにいれない、何より、嘆き騒がずには、この高ぶる衝動を抑えるなんて出来やしない!!

ヒステリカルなギターの旋律が高鳴りだした。MASKERたちを挑発するように流れたのが『一見氏』。理性という言葉はすでに忘れてしまったよ。ただただ黒い刃剥きだした音楽へ、興奮した感情をぶつけてゆくのみ。それが、感情を壊した人たちにとって一番最適なルールなんだもの。

MICHIRUの哀切なギターの旋律の上で、切々とAOIが歌いあげてゆく。涙気分誘う幕開け。だが、ドラムカウントが加わると同時に、楽曲は一気に黒い唸りを上げて駆けだした。エキセントリックな『東京トリックシアター』が理性の螺子をどんどん緩めていく。激しさと嘆く想いが交錯する中、MASKが描き出したドラマへ、誰もが熱狂携えつつも魅入っていた。何時までも、夢見る少女でいてもいいよねと5人へ伝えるように。

「俺たち5人はこれで終わっちまうぞ!!イケるかー!!!!!。色鬼、始めましょう」。第一期MASKの最後を飾ったのが、つねにライブで絶叫と絶頂の宴を繰り広げてきた『色鬼』だ。「鬼さん」「こちら」「手のなる」…メンバーの誰もがステージ前ギリギリまで駆け出しては、MASKERたちを煽り続けていた。舞台最前線では逆ダイのバトルを繰り広げれば、大勢の人たちがガンガン身体を折り畳んでゆく。巨大なZEPP TOKYOがまるでO-WESTクラスの会場に見えてきたように、誰もが狂った鬼と化し、煽り続けるMASKの演奏へ溺れ続けて逝った。君が今騒ぎ続けているビジュアル系のライブスタイルのルーツが、この日、この会場に甦っていたんだよ。この5人の導きによって…。

 

SE『WE ARE MASKER』での登場。10年前の感動を再現するように、ステージ場へ桜舞い散る演出を施した『桜』からスタートした尽(Vo)+SANA(G)+未散(G)+和矛(B)+MINAMI(Dr)による「MASK第二期」のステージ。天空から降り注ぐ無数の桜の花びらを浴びながら、尽はたおやかに、艶やかに『桜』を歌いかけてきた。なんて、美しも華やかな幕開けだ。駆けだした演奏に合わせ、会場中を埋めつくした手の花も大きく大きく咲き誇ってゆく。この瞬間だけは、この会場に満開の桜の風景が広がっていた。

SANAの奏でた美しい旋律。「逆ダイだ、飛んで来い!!」、尽の叫びを合図に、演奏は一気に激しさを持って走りだした。MASKERたちの騒ぎたい衝動を『Boys be ambitious』が熱く熱く煽ってゆく。舞台前方では逆ダイの風景広がれは、場内には無数の荒れ狂う髪や大きく揺れる手の花が咲き続けていた。

 

「10年前みたいに声をくれっ!!」と叫ぶ尽。「MASK、10年ぶりですね。AOIさんハードル上げ過ぎ、俺たちがMASKだと。そのとき袖にいた俺の心境考えてください。あなたもMASK、私もMASK、一緒だと」。ここで尽がAOIを巧みにいじってゆく。そこが、尽らしさ。

「10年前のライブに来た人」の問いかけへ手を上げた人たちに対し「ばばぁ……ばっはぁーと言っただけだから」など、何時も通りの壊れたMCで、尽は場内を爆笑の渦に包みこんでいった。

「老いに負けるなー!」の声に続いたのが、『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』。気持ちをガンガン煽る演奏に刺激されたMASKERたちも、手バンしながら高ぶった想いを舞台上へふつけていた。どんどん上がってゆく会場の熱。

歌始まりの『C』が優しく場内に響きだした。哀切な想いを吐きだすように、切々と歌い上げてゆく尽。触れた人の心に悲しい涙を呼び起こす、なんて哀愁な表情なんだろう。

気持ち潤す様を受け継ぐ形で、SANAの爪弾くギターの旋律が優しく流れだした。ゆったりとビートを刻むMINAMI、その上へソッと音を重ねてゆく和矛と未散。尽が「『空』」と叫んだとたん、楽曲は一気に青春の息吹携え、心地好く駆け始めた。「10年前みたいに咲け!!」、尽の言葉へ呼応するように、場内を中を埋めつくした揺れる手の花・花・花。MASKERたちを煽りながらも、愛情を込めて歌いかけてゆく尽。その優しさが嬉しいじゃない。誰もが、笑顔で想いを返したくなるのも納得だ。

「また何時かやれたらいいな」。尽の言葉に続いて、ライブは終盤戦へ。轟くドラムビートに合わせ、ダークな装いを持った楽曲が激しく流れだした。『求めたゆえに残ったもの』に合わせ跳ね続けるMASKERたち。最前線では逆ダイしてゆく人たちも。時には挑みかかるように、時には朗々と歌いあげてゆく尽。♪ARE YOU READY♪と歌いかけながら、彼はMASKERたちの 感情をどんどん高ぶらせていた。

「今日絶対に悔い残すな。今日を全力で生きろ!!」。明るく開放的な表情と、激しく華激な様を様替えながら気持ちを煽ってゆく『ローズ・マリー』に合わせ、場内に産まれた暴れ祭る風景。開放的な表情抱いたサビでは、超高速な手バンも炸裂。尽の歌が招くままにはしゃぎ続けるMASKERたち。場内の熱はどんどん上がってゆく。誰もが心を笑顔で開放しながら。そして…。

第二期MASKの最後を飾ったのは、やはりこの曲。心に光をを射してゆく『未来への翼』だ。尽はWAVEを導こうと左右に走りだした。誰もが、感情を嬉しく弾ませる歌へ寄り添っては、空に向かって両手を羽ばたかせていた。騒ぐだけがライブじゃない、気持ちへいくつもの希望の羽毛を与え心を翼に変えてくれるのも、音楽の楽しさ。それを10年以上前から示していたことを、改めてMASKに教えられた。自分の想いが光へ向かってさえいれば、何時だって飛べる。誰もが頭上高く大きく両手を広げ、舞台上の5人へ「ありがとう」の気持ちを届けていた。

ふたたび、第二期MASKがアンコールに登場。「10年ぶりです。ここまで10年間別々の道を歩いたけど、最終的にここに集まれて良かったです。何時まで歩けるかわかんないけど、メンバーみんなこれからも一生懸命歩いてくから、また一緒に歩いてくれたら嬉しいなと思います」と語ったのは尽。その言葉を受けて奏でたのが、メンバーの名前を叫ぶ『コ~ルナンバ~』。会場中の人たちが、尽の煽りに合わせ、各メンバーへ熱いエールを送り続けていた。終盤には第一期メンバーのNANAとAOIも参加。ついにここで計7名による第一期/第二期MASKが誕生!!

 

「AOIさん、俺もMASKです」「尽くん、いろいろあるんです」と会話したのは、尽とAOI。「GOALは未来へのSTARTへ繋がっている」とAOIが述べつつ、総勢7人となったMASKが最後にぶつけたのが、ライブで熱狂と絶叫を作りあげるに相応しい『色鬼』だ。

「鬼になれますか!!」とAOIが煽れば、NANAが「鬼さんこちら 手のなるほうへ」と煽りだした。そして、AOIの「色鬼始めましょう」の声を合図に演奏がスタート。AOIと尽の歌の掛け合いや煽り、演奏陣の轟く激しいプレイに煽られ、会場中の人たちが一斉に暴れだした。「鬼さん」「こちら」「手のなる」の叫び声に合わせ、場内に生まれた大きな逆ダイの光景。2千人を越す観客たちがフロアー中で暴れ続ける様のなんと壮観なことか。SANAに至っては客席へダイブ。MASKERだけじゃない、メンバーらも理性を壊し、身体が導くがまま狂った鬼に成り暴れ続けていた。

 

MASKとしての伝説は、これで永遠に封印されるのだろうか!?。今のシーンに刺激を与えてゆくに相応しい個性を持った音楽に触れながら、つい勝手な夢を求めてしまう。そう思っているのは僕だけじゃないはず。そんな僅かな希望を抱きつつ、再発されたベスト盤『MASKING』を聴きながら、この日の余韻に浸ろうか。。。

            PHOTO:菅沼剛弘

TEXT:長澤智典

 

―セットリスト―

<MASK第一期>

~SE~『お通しパレード』

『赤裸々ノイローゼ』

『Gemini』

『XxxXマスター』

~MC~

『赫い盲目』

『一見氏』

『東京トリックシアター』

『色鬼』

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<MASK第二期>

~SE~『WE ARE MASKER』

『桜』

『Boys be ambitious』

~MC~

『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』

『C』

『空』

~MC~

『求めたゆえに残ったもの』

『ローズ・マリー』

『未来への翼』

———————–

EN(MASK7名セッション)

『コ~ルナンバ~』

~MC~

『色鬼』

 

MASK Web

http://www.loopash.com/

MASK twitter

https://twitter.com/mask20160501 





2016年05月03日 (火)

【ASAGI】D主催イベント「Mad Tea Party」EX THEATER ROPPONGIにて、圧倒的な世界観を見せつけたお披露目ライヴ。

REPORT - 02:00:21

 

Dが主催するイベント「Mad Tea Party」が、4月15日 EX THEATER ROPPONGIにて行われた。
この日は、4月27日にソロデビューを控えたDのVo.でもあるASAGIのお披露目ライブでもある。

 

民族調のSEと共に幕が開くや否や飛び込んで来たのは、白い衣装に身を纏ったASAGI、そして豪華なサポートメンバー(Gu.咲人(NIGHTMARE)Ba.SHUSE(†яi¢к / La’cryma Christi)Dr.Shinya(DIR EN GREY))の姿であった。会場に大きな歓声があがる。
また目を見張るのはそれだけではない。
彼らを支えるようにそびえ立つ左右の白き円柱、そして意識的に構成された幻想的なライティング。
舞台は一転し、異世界に迷い込んだかのように思える。
ソロライブとはいえ、彼らのあまりにも完成された演奏とステージはバンドさながらに同調し合っているようにも感じた。

 

通常盤にのみ収録されている「ZERO」からスタートし、続く「アンプサイ」「Seventh Sense」「屍の王者」の3曲は白いバックにMVが映し出され、ASAGIの伸びやかで艶のある歌声とリンクする。
わずか4曲という短い時間ながら圧倒的な世界観を見せつけてくれた。

 

終演後はASAGIがサポートメンバーを称賛し、互いに抱き合う姿も見られた。
ASAGIの活動20周年を祝すこのソロライブは、キャリアを積み、熟練された仲間やファンと共に華々しく幕を閉じた。

 

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~ASAGI セットリスト~
1.ZERO
2.アンプサイ
3.Seventh Sense
4.屍の王者

 

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■ASAGIリリース情報

 

2016年4月27日

Major 1st Single

「Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ」
Release

 

【限定盤A-TYPE】\1,800(+税) / VBZJ-16
[CD]
1. Seventh Sense
2. 屍の王者
3. アンプサイ
4. Seventh Sense (Instrumental)
[DVD]
1. Seventh Sense(Music Video)
2. Seventh Sense (Music Video with lyrics)
3. Seventh Sense (Music Video Making)

【限定盤B-TYPE】\1,800(+税) / VBZJ-17
[CD]
1. 屍の王者
2. アンプサイ
3. Seventh Sense
4. 屍の王者(Instrumental)
[DVD]
1. 屍の王者(Music Video)
2. 屍の王者(Music Video with lyrics)
3. 屍の王者 (Music Video Making)

【限定盤C-TYPE】\1,800(+税) / VBZJ-18
[CD]
1. アンプサイ
2. Seventh Sense
3. 屍の王者
4. アンプサイ(Instrumental)
[DVD]
1. アンプサイ(Music Video)
2. アンプサイ(Music Video with lyrics)
3. アンプサイ (Music Video Making)

【通常盤D-TYPE】\1400(+税) / VBCJ-30007
1. Seventh Sense
2. 屍の王者
3. アンプサイ
4. ZERO
5. ZERO(Instrumental)

ASAGI SOLO WORKS OFFICIAL WEBSITE
http://www.god-child-records.com/asagi/

ASAGI SOLO WORKS OFFICIAL Twitter
https://twitter.com/ASAGI_SOLO

 






2016年04月30日 (土)

【ライヴレポ】2016年4月29日Chanty「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー」ファイナル★東京・TFMホール!

NEWS - 23:05:09

 

Chantyのワンマンツアー「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー」のファイナル公演が、芥(Vo)の誕生日でもある429日に東京・TFMホールにて行われた。

 

タイトルでキミが待ってるというだけあって15都市17箇所と全国をまわったロングツアー。芥(Vo)と千歳(G)が各地で路上弾き語りを行うという新たな試みもなされていた。開演前のフロア内には「一年生になったら」などの童謡が流れ、和やかな雰囲気でバンドの登場を期待しながら待つファンたち。

 

開演時刻をやや過ぎた頃、SEが鳴り響く中フロアの手拍子に迎えられ、千歳(G)、shia.G)、野中拓(B)、成人(Dr)、そして最後に芥がステージに立ち「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアーファイナル、東京公演始めます」とつぶやき、1曲目「フライト」へ。最初から前回のバンドに拳で応えるフロア。祭り囃子のようなイントロの「流星群」ではタオルがまわり、「いっせーの」ではモッシュが発生し、序盤からアッパーチューンで盛り上げていく。

 

フロアのファンにTFMホールのアルファベットを手で作らせようとするも一度失敗し、「隣の人がやらないとやらないのは、日本人の悪い習性だ!」と芥。しかし今度は芥が「T!M!」呼びかけてしまい、お詫び(?)に何故か

 

T.M.Revolution

 

の「HIGH PRESSURE」をワンフレーズ歌うことに。そして無事「T!F!M!」が成功すると、続いて「やんなっちゃう」へ。

 

「今日は日本のどこかでニコニコ(超会議)してるから……、俺たちもニコニコしようと思います! 今日はおまえたちをニコニコさせて帰そうと思います! 全力でニコニコしてください!」と、メンバー全員10秒間満面の笑みに。

 

そして「ソラヨミ」「ひどいかお」と、Chanty節というべき畳み掛けるようなリズムと疾走感あるバンドサウンドでフロアを魅了していく。

 

渾身の力で歌い上げる芥、千歳のノリノリのギターソロ、深い表現力のあるshia.のギター、そして野中拓はドラム台に乗っかりフロアにアピール、終始笑顔の成人。バンドメンバー全員が、Chantyの音楽が好きで、楽しんでいることがステージからひしひしと伝わってくる。そこにフロアの熱量も加わり、ライヴのボルテージが高まっていく。

 

monorium」から「誰」、そして芥の囁くような、呻くような歌い出しから始まった「ダイアリー」、「貴方だけを壊して飾ってみたい」と、情念と気迫を感じせる楽曲が続き、「天翔る」の幻想的な照明を相まって、音ひとつひとつが空間に広がっていき、この日いちばんの魅せる演奏を聴かせてくれたように思う。

 

「もう絶対逃げたりなんてしないから……聴いてください」という芥の声から始まったのは「終わりの始まり」。バンドの始まりであるこの曲を堂々と力強く響かせる彼らの姿はある種の決意表明のように見えた。

 

軽やかな「ミスアンバランス」、「絶対存在証明証」の後には、芥のアカペラから「冷たい手のひら」と、静と動のコントラストが際立つ。

 

芥が今日のお礼を述べ、昨年の初めての全国ツアーや年末の東名阪での踏まえての、今回のツアーは悩んだり厳しかったこともたくさんあったが、それがすべて自信に繋がっていると語ると、フロアからは大きな拍手。「大きな力をもっているわけではないけど、伝える力はどこのバンドにも負けない」と、最後は「犬小屋から愛をこめて」でエモーショナルに締めくくった。

 

アンコールではまずメンバーがそれぞれツアーについての感想を語る。

 

「ツアーファイナルでこんなに髪(エクステ)が伸びた! 天井高い! こんなホールでできるのは皆のおかげ、ありがとうございます。道というのは作ってもらうのではなく、切り開いていくのだなと今回のツアーで思いました」(千歳)

 

「さっき『犬小屋』やっている時、ツアーまわってきた記憶が蘇ってきて、アイ・ウォーター、涙が出てきて、ガチ泣きしてしまいました。恥ずかしいんですけど、ストレートにいうとお前たちが可愛すぎて仕方がないんです」(shia.

 

「ツアーをするということはバンド業界当たり前になっていて、でもこのツアーに出て、地方で待っていてくれる人、ついてきてくれる人、東京に集まってくれる人がいるということは素晴らしいことだな。次はもっと大きくなって、今回行けなかった場所にも行きたい。」(野中拓)

 

「ファイナルですか? 楽しい時間はあっという間ですね。ファイナルっていう気がまったくなくて、楽しい気持ちがずっと続いていて、初めての規模のツアーだったけど、待ってくれる人、駆けつけてくれる人がいて、いつからこんなに愛されていたのかな? 愛されているからこその気付きなんですけど、日々感謝をしております」(成人)

 

「人って多分自分の悪いことをほじくり返す癖があると思うんだけど、去年のツアーもあんなに楽しかったのに、しばらくすると反省することが山程出てきて、今日のライブもきっとそういう風に反省点が出てくる。それは悪いことじゃなくて、本当にChantyは進化していて、今悔しかったことは、去年悔しいと思えなかったことだと思うんです。これまでのツアーファイナルのワンマンってゲスト奏者が来たりしてたんですけど、今回のライブだけは僕らだけで、ツアーで培ったものを出しきりたかった。今できることを出しきったつもりです」(芥)

 

続いての「ALIVE」から、「ひどいかお2」に差し掛かる前に演奏がストップ。ケーキが登場し、芥のバースデーを祝うサプライズも。

 

そして、”Chantyからの大事なお知らせとして、お手製の横断幕でO-WESTでの3周年記念ライヴ、全国2DAYSづつまわるツアー「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」、ミニアルバムのリリースを発表。フロアからは歓声や拍手があがる。

 

そして気を取り直ししての「ひどいかお2」でフロアはカオス状態に。最後は「自分は主人公には向いていないけど、Chantyという主人公を育てていきたい」という芥の誠実な宣言から始まった「赤い糸」。フロアのシンガロングとバンドの音が混ざり合い、優しい空気に満ち溢れた彼ららしい等身大のツアーファイナルだった。今後の展開も告知された通り盛りだくさんだ。次はどんな物語が彼らを待っているのだろうか。

 

TEXT:藤谷千明

PHOTO:インテツ

 

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セットリスト

1.フライト

2.流星群

3.いっせーの

4.やんなっちゃう

5.ソラヨミ

6.ひどいかお

7.monorium

8.

9.ダイアリー

10.貴方だけを壊して飾ってみたい

11.天翔る

12.交差点

13.終わりの始まり

14.ミスアンバランス

15.真相

16.絶対存在証明証

17.衝動的少女

18.m.o.b.

19.冷たいてのひら

20.犬小屋より愛を込めて

アンコール

en1.ALIVE

en2.ひどいかお2

en3.C

en4.赤い糸

 

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Chanty 3rd Anniversary onemanChantyの世界へようこそ」
2016916() TSUTAYA O-WEST

OPEN 18:00 / START 19:00
前売 4,000 / 当日 4,500

 

★チケット:
[チケット先行]最速先行抽選受付中!
1.モバイルファンクラブ先行 (A1)
受付期間:429() 22:0058() 23:59
スマートフォンにて、http://chanty.jp/ (Chanty Official Smartphone Site)にアクセス下さい。
お申込みには、Chanty Official Smartphone Siteの有料会員登録が必要です。
チケット申込数が先行予定枚数を上回る場合は抽選となります。予めご了承ください。

2.HP先行 (モバイル先行Aの続き)
受付期間:521()10:0065()23:59

3.DG先行 (B1)
受付期間:66()69()

4.PG先行 (C1)
67()

[チケット一般発売]
625()

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Chantyワンマンツアー「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」
20160919(月祝) 名古屋ell.SIZE
OPEN 17:00 / START 17:30
20160920() 名古屋ell.SIZE
OPEN 18:00 / START 18:30
20160923() 大阪RUIDO
OPEN 18:00 / START 18:30
20160924() 大阪RUIDO
OPEN 17:00 / START 17:30
20160929() 福岡DRUM SON
OPEN 18:00 / START 18:30
20160930() 福岡DRUM SON
OPEN 18:00 / START 18:30
20161002() 広島BACK BEAT
OPEN 17:00 / START 17:30
20161003() 広島BACK BEAT
OPEN 18:00 / START 18:30
20161009() 札幌スピリチュアルラウンジ
OPEN 17:00 / START 17:30
20161010(月祝) 札幌スピリチュアルラウンジ
OPEN 17:00 / START 17:30
20161015() 仙台BIRDLAND
OPEN 17:00 / START 17:30
20161016() 仙台BIRDLAND
OPEN 17:00 / START 17:30

[チケット]
前売 3,800 / 当日 4,300
[チケット先行]最速先行抽選受付中!
受付期間:429() 22:0058() 23:59
スマートフォンにて、http://chanty.jp/ (Chanty Official Smartphone Site)にアクセス下さい。
お申込みには、Chanty Official Smartphone Siteの有料会員登録が必要です。
チケット申込数が先行予定枚数を上回る場合は抽選となります。予めご了承ください。

2.二次先行 (B1)
受付期間:521()10:0065()23:59

[チケット一般発売]
625()

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リリース情報
2016914() 初のミニアルバムリリース決定!
詳細後日

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Chantyオフィシャルサイト
http://chanty.jp/