2023年06月15日 (木)
【ライヴレポート】<DEZERT × vistlip 2MAN TOUR “でざとりっぷ!”>2023年6月11日(日)恵比寿LIQUIDROOM◆
REPORT - 18:00:06
6月11日、東京・恵比寿リキッドルームにて<DEZERT × vistlip 2MAN TOUR “でざとりっぷ!”>のファイナル公演が開催された。
同公演のオフィシャルレポートを届けたい。
2007年結成のvistlipと2011年結成のDEZERTは、各々の世代で共にシーンを盛り上げてきたバンドだが、ツーマンライヴという形で対面するのは、今回が初。
名古屋、大阪での公演をすでに大盛況に終え、ツアー開催前よりも距離の縮まった状態で迎えたのが、本公演である。
この日の先攻はvistlip。SEと会場中に響く大きな手拍子に迎えられてメンバーが登場すると、あちこちから歓声が飛び交う。
智(Vo)が「踊れ」とクールに言い放ち、歪んだギターのリフから「HEART ch.」がスタート。
真っ赤に照らされたステージでは、初っ端から手加減なしのアグレッシブなパフォーマンスを見せる5人。
華やかで激しい幕開けだ。続く「FIVE BARKIN ANIMALS」は、vistlipのメンバー紹介をラップで披露する、対バンライヴにぴったりの曲。
観客たちはヘヴィなサウンドに合わせて飛び跳ね、タオルを振り回して暴れる。
5人の音が生み出す熱は冷めることなく、そのまま「GLOSTER IMAGE」へ。Tohya(Dr)の正確かつ激しくダイナミックなドラミングが始まると、フロアはヘドバンの嵐に。
Yuh(Gt)が速弾きで煌びやかなギターソロを披露すると、上手を中心に観客たちが咲き乱れる。
海(Gt)はデスボイスを繰り出しながらライヴを盛り上げ、瑠伊(Ba)はステージ前方まで歩み出て華麗なプレイを見せつけた。
「BGM「METAFICTION」」では、これまでとは異なる大人っぽく怪しげなムードに会場が飲み込まれていく。
雨の風景と切ない恋心を歌った「アンサンブル」は、あいにくの雨降りとなったこの日にぴったりの一曲。
キャッチーな歌メロは、智の美しい歌声をより一層輝かせ、観客たちを魅了した。
「空が晴れたらきっと幸せになれる。ここにいる全員、幸せになる権利がある。今日は、この時間だけは、俺たちが世界で一番幸せにしてやる!」。
智のドラマチックな言葉から始まったのは、「Recipe」。
歌詞に合わせて智と観客が一緒にお辞儀をしたり、掛け合いをしたり、声を合わせて歌ったりと、微笑ましいやりとりは見ているだけで多幸感が込み上げてくる。
MCでは、「(vistlipは)あんまりツーマンをやってなくて、俺たちがこうやって扉をあけたらDEZERTがそこにいて、真正面からぶつかってきてくれて。俺は本当に楽しかったです。この気持ちのまま、七夕にやる16周年ライヴ、Zepp DiverCityに向かっていこうと思います。力をもらいました」と、DEZERTへの感謝の気持ちとこの先への意気込みを改めて伝える智。
さらに、「でも名古屋も大阪も本当にすごかったんだよね。だから今日はファイナルならここで一番とろうぜ!」と気合いを入れなおす。
再び会場に火をつけたのは、「DANCE IN THE DARK」。観客はもちろん、メンバーも髪を振り乱し、ステージ上を縦横無尽に駆け回る。
フロアもステージ上も本能を剥き出しにしてどんどんと熱が高まっていく中、「Timer」を投下。「オイ! オイ!」と叫びながら拳を突き上げる観客たちからはすさまじい気迫が伝わってくる。
さらに、「LION HEART」、「彩」と続けざまにライヴで定番の暴れ曲を披露し、最後まで熱狂の渦を巻き起こし続けた。
「お前たちの心に穴が開いたとき、いつでもこの空間に戻ってきて。そしてまた明日も生きてください。だからそのために絶対また会おうな!」と智が最後に大きな愛を込めたメッセージを残し、メンバー全員が“全て出し切った”と言わんばかりの晴れやかな表情を浮かべながらvistlipのステージは幕を下ろした。
後攻はDEZERT。SEはなく、ファンの叫び声をBGMにメンバーが登場する。
ドラム台を中心に4人が顔を突き合わせ、「DEZERT始めます」という千秋(Vo)の呟きを合図に、「「絶蘭」」がスタート。
<僕は殺されました 君に殺されました>と不気味な歌詞をヘヴィなサウンドに乗せてぶちまける。
vistlipの華やかな幕開けとは裏腹に、ぞくぞくするような独特の緊張感が漂う、DEZERTのライヴの始まりだ。
キレの良い動きと爆音、鋭いシャウトから、このステージに向けた気合いが伝わってくる。
「楽しむ準備できてる?」という千秋の煽りから「再教育」へ。これまでの重たい空気からアッパーなムードへ一気に切り替わり、フロアには拳ヘドバンの波が起こる。
ライヴで披露されることの少ない「胃潰瘍とルソーの錯覚」のイントロが始まると、悲鳴のような大歓声を上げ、嬉々とした様子で髪を振り乱す観客たち。
“DEZERTのスーパーギタリスト“と千秋に紹介されたMiyako(Gt)は、輝く笑顔で妖艶なギターソロを披露し、会場中を魅了した。
「音楽、楽しみましょうよ」。ギターを手にした千秋のそんな誘い文句から始まったのは、「神経と重力」。
真っ暗闇の中にSORA(Dr)の力強い咆哮が響き渡り、4人によるジャムセッションのような演奏からうねるようなグルーヴが生まれていく。
この強烈な印象を残すステージに、観客たちの視線は釘付けになったまま離れなかった。
ダウナーな「異常な階段」、キャッチーで壮大な「The Walker」と、方向性の違うバラード曲をじっくりと聴かせたあとは、「カメレオン」で再び会場のボルテージを上げていく。フロアには無数の拳が一斉に上がり、まるでワンマンライヴのような一体感を醸し出していた。
休む間もなく始まった「大塚ヘッドロック」では海がゲストとして登場。千秋に“vistlipの眼鏡っ子”と紹介された海は、ステージに現れて早々、千秋に蹴りを入れて教育。
曲中にも向かい合ってギターを弾くなど仲の良さが垣間見える。そんな中、フロアでは横モッシュ改め“奇跡の大移動(千秋命名)”が起こり、ステージ下手ではSacchan(Ba)と海がなぜかX JAPANの「紅」をリコーダーで吹くなど、まさにカオスな空間が出来上がっていた。
再び4人のステージに戻ると、ラストスパートと言わんばかりに「「君の子宮を触る」」「脳みそくん。」と立て続けにキラーチューンを投下。
ヘドバン、ジャンプ、拳と暴れ狂う観客たちのボルテージは最高潮に達し、フロアは湿度が高まり熱気が立ち込めていた。
「汗かいた? 頭振った? それだけで終わりたくないんですけど! あなたたちの人生に良かったらDEZERTっていう文字を刻んでいただければ幸いです」。
興奮冷めやらぬ観客たちに千秋が告げたのは、その場の楽しさよりもさらに深い部分に触れたいという、アーティストとしての真っすぐな思い。
その気持ちを込めて最後に届けたのは、「ミザリィレインボウ」だ。フロアには、DEZERTの音楽を求める者たちのいくつもの手が高く掲げられていた。
対照的ともいえる各々のパフォーマンスで、これまで積み重ねてきたキャリアで培ったバンドのカラーを見事に表現した本編に対し、アンコールではツーマンライヴの醍醐味でもあるコラボステージを見せる。
まずは、大阪公演でvistlipがカバーして大いに盛り上げたDEZERTの「モンテーニュの黒い朝食」を、智と海を迎えて披露。
智と千秋のボーカルの掛け合いは、まさにこのステージでしか見られないレアな光景だった。
さらに、Yuh、瑠伊、そしてSacchanのコスプレをした“Macchan”ことTohyaが登場。爆笑に包まれる会場に、9人全員で届けたのはvistlipの「EVE」。
SORAがドラムの代わりにギターを弾いたり、YuhとMiyakoが背中合わせで一緒にお立ち台に上ったり、海とSacchanが向かい合ってパフォーマンスをしたり、千秋が智と肩を組んだりと、どこを見ても笑顔があふれる特別なステージが出来上がっていた。
そしてラストは、千秋による「俺はここに本気の綺麗事をvistlipと残していく! 届け、俺の熱い思い!」という盛大な前振りから始まった「「殺意」」。
智の強烈なシャウトも飛び出し、最後の最後まで熱いステージを繰り広げた。
今後、vistlipは7月7日にZepp DiverCityで16周年記念ライヴを、DEZERTは6月17日のCLUB CITTA’公演を皮切りに全国でワンマンツアーを行う。
互いに大きなスケジュールを前に開催した、この濃密なツーマンツアーは、今後の活動をさらに勢いづかせるものになったに違いない。
PHOTO◎西槇太一
TEXT◎南明歩
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DEZERT × vistlip 2MAN TOUR “でざとりっぷ!”
2023年6月11日(日)恵比寿LIQUIDROOM
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<vistlip SETLIST>
01 HEART ch.
02 FIVE BARKIN ANIMALS
03 GLOSTER IMAGE
04 BGM「METAFICTION」
05 アンサンブル
06 Recipe
07 DANCE IN THE DARK
08 Timer
09 LION HEART
10 彩
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<DEZERT SETLIST>
01 「絶蘭」
02 再教育
03 胃潰瘍とルソーの錯覚
04 神経と重力
05 異常な階段
06 The Walker
07 カメレオン
08 大塚ヘッドロック
09 「君の子宮を触る」
10 脳みそくん。
11 ミザリィレインボウ
EN1 モンテーニュの黒い朝食
EN2 EVE
EN3 「殺意」
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▼DEZERT INFORMATION▼
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≪LIVE SCHEDULE≫
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■DEZERT LIVE TOUR 2023 “きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”
2023年6月17日(土)CLUB CITTA’ OPEN 17:00 / START 18:00
2023年7月1日(土)新潟NEXS OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月9日(日)仙台Rensa OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月15日(土)福岡DRUM Be-1 OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月16日(日)福岡DRUM Be-1 OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月22日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月23日(日)高松MONSTER OPEN 17:30 / START 18:00
2023年7月29日(土)札幌ペニーレーン24 OPEN 17:30 / START 18:00
2023年8月26日(土)名古屋DIAMOND HALL OPEN 17:15 / START 18:00
2023年8月27日(日)なんばHatch OPEN 17:15 / START 18:00
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【チケット料金】 6,000円(税込・ドリンク代別)
スタンディング(大阪公演以外の9公演)、全自由/座席有り(8月27日大阪公演のみ)※入場整理番号付き
【チケット一般発売中】
イープラス(全箇所) https://eplus.jp/dezert2023/
ローソンチケット(川崎・新潟・福岡・札幌・大阪) https://l-tike.com/dezert/
チケットぴあ(川崎・新潟・福岡・札幌・大阪) https://w.pia.jp/t/dezert-t/
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■LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-
9月23日 (土) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※詳細は後日発表。
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≪最新リリース情報≫
★会場限定 NEW SINGLE 2023年6月17日(土)発売
「僕等の脊髄とブリキの夜に」 <CD>DCCA-1109 / 1,500円(税込)
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【CD収録曲】
1. 君の脊髄が踊る頃に
2. 僕等の夜について
3. 君の脊髄が踊る頃に (instrumental)
4. 僕等の夜について (instrumental)
5. デザートの楽しいラヂオ~みんなの脊髄がビシバシ震える編~
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【CD販売会場】
・DEZERT LIVE TOUR 2023“きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー” 全公演
・DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-
2023年9月23日(土)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※上記会場のみでの販売となります。他公演、店舗、通販での販売はございません。
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【デジタル配信】
1. 君の脊髄が踊る頃に
※各配信サイトにて6月17日~配信開始
※1曲のみの配信となります。
※配信サイトによって、配信開始時間が異なりますのであらかじめご了承ください。
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▼vistlip INFORMATION▼
≪LIVE SCHEDULE≫
■vistlip 16thAnniversary live [ INDEPENDENT BLUE FILM ]
2023年07月07日(金) Zepp DiverCity OPEN 18:00 / START 19:00
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【チケット一般発売受付中】
イープラス https://eplus.jp/vistlip/
ローソンチケット https://l-tike.com/vistlip/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/vistlip-16th/
<公演詳細> https://www.vistlip.com/posts/ticket/iichvl
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■「DRESSCODE:EYEWEAR second」
2023年07月21日(金) NAGOYA CLUB QUATTRO OPEN 17:45 / START 18:30
※眼鏡を着用されていない方のご入場をお断りいたします。
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【MEMBERS LiSTチケット先行予約受付】
<受付期間> 2023年6月12日(月)16:00~2023年6月18日(日)23:59
<詳細・受付URL> https://www.vistlip.com/posts/pages/hdxeux
【オフィシャル先行予約受付】
<受付期間> 後日ご案内いたします
<受付URL> https://eplus.jp/vistlip/
【一般発売】7月8日(土)10:00~
▼公演詳細 https://www.vistlip.com/posts/news/alehwc
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■「Butterfly Allure 零重力場」
2023年07月28日(金) Veats Shibuya OPEN 17:45 / START 18:30
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【MEMBERS LiSTチケット先行予約受付】
<受付期間> 2023年6月12日(月)16:00~2023年6月18日(日)23:59
<詳細・受付URL> https://www.vistlip.com/posts/pages/yqhimg
【オフィシャル先行予約受付】
<受付期間> 後日ご案内いたします
<受付URL> https://eplus.jp/vistlip/
【一般発売】7月8日(土)10:00~
▼公演詳細 https://www.vistlip.com/posts/news/alehwc
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2023年06月03日 (土)
【ライヴレポート】<The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”>2023年5月9日(火) [神奈川] CLUB CITTA’ ◆全国7大都市14公演ツアー初日!ツアー初日とは思えない完成度の高さと、音楽性の幅広さを活かして魅せた様々な表情。そして感じさせる強力な“病みつき感”──。
REPORT - 12:00:59今年、結成&デビュー5周年を迎えたThe Brow Beatが、全国ツアー<The Brow Beat Live Tour 2023“The Five Senses”>を5月9日からスタートさせた。ツアー初日を飾り、ウィークデーながら多数のファンが集い、華やかに盛り上がった[神奈川] CLUB CITTA’公演の模様をお届けしよう。
そして、6月3日・4日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されるツアー・ファイナルが本日より開催される。5月31日にニュー・シングル「ラブレター」がリリースされ、MVも解禁されたこともあり、ファイナル2デイズがより熱いライブになることは間違いない。LINE CUBE SHIBUYAに足を運ぶことを、強くお薦めしたい。
そして、遠方の方へはリアルタイム配信も実施されるので、チェックして欲しい。
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気鋭の若手俳優として高い評価を得ていた佐藤流司が“Ryuji”としてアーティスト活動も行うことを決意し、その思いの丈をHAKUEI(PENICILLIN)に語ったことで誕生したThe Brow Beat。2018年1月1日に1stアルバム『ラグナロク』をリリースしたThe Brow Beatは始動と同時に大きな注目を集め、1月17日から始まった<The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarök”>は全公演ソールドアウトとなり、同年5月18日には日比谷野外大音楽堂の単独公演も成功させるという華々しいスタートを切った。
その後もThe Brow Beatの勢いが弱まることはなく、多くのリスナーから熱い支持を得ている。Ryujiがシンガー/コンポーザーとして高いスキルを備えていることに驚嘆した人やHAKUEIのプロデュース能力の高さを、あらためて感じた人は多いに違いない。
そんなThe Brow Beatは今年デビュー5周年を迎え、アニバーサリーを飾る全国ツアー<The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”>が5月9日から始まった。ツアー初日のCLUB CITTA’公演はウィークデーにも拘わらず満員となり、場内は開演前から華やかな空気に包まれていた。
場内に煌びやかなオープニングSEが流れ、サポートメンバーに続いてRyujiがステージに姿を現した。客席から大歓声と熱い拍手が湧き起こり、ライブはメロディアスかつ爽やかな「アイリス」からスタート。ブラック・スーツに赤いネクタイ、レザーの黒い手袋というスタイリッシュな姿で抒情的な歌声を聴かせるRyujiのカッコよさに目を奪われるし、躍動感を湛えたサウンドも心地いい。客席のボルテージは一気に高まり、オーディエンスは1曲目から熱いリアクションを見せる。ライブが始まると同時に場内は濃密な空間と化し、CLUB CITTA’が小さいライブハウスのように感じられるという不思議な感覚に襲われた。
その後は「OK、声出していきましょう!」というRyujiの言葉も挟みつつ高速で突き進む「ジセイノク」と力強さと洗練感を併せ持った「Scarlet Syndrome」をプレイ。今回のツアーはアニバーサリー公演ということでオープニングに最初期の楽曲3曲を持ってきたわけだが、こういった曲達を聴くとThe Brow Beatは立ち上げ当初から良質かつ幅広い楽曲をラインナップしていたことを再確認させられる。同時に、Ryujiの歌唱力や表現力にさらなる磨きが掛かってもいることも実感できた。
「こんにちは、The Brow Beatです! いよいよ大手を振って声出しOKということで、5周年のライブがやってきました。でも、今までどおり変わらないです。棒立ち大歓迎でございます。なにもしなくても大丈夫。仏像みたいに、お地蔵さんみたいに突っ立っていても全然大丈夫ですからね。
でも、せっかく声出しOKになったし、いつもよりはちょっと口ずさんでみたり、声を出してみたりしてみてもいいかもしれません。届ける自信があるヤツはついてこい。いけるかい? じゃあ、いってみようぜ!」
というRyujiのMCに続いて、セカンド・ブロックではダンサブルなサビ・パートを配した「Hide and Seek」やRyujiの痛みを感じさせる歌声が胸を打つ「Brilliant Transparency」「仮面の告白」などが届けられた。ライブが進むに連れてより深みを増していくThe Brow Beatの世界にオーディエンスが惹き込まれていくことが感じられる中、続く「Adam」でHAKUEIがステージに登場。客席から歓声が湧き起こり、場内の熱気はさらに高まった。
この流れからは、元々は自身が表に出る気はなかったHAKUEIに対してツイン・ボーカルでやっていくものだと思っていたRyujiが一緒にステージに立つことを望んだという経緯が思い返される。長いキャリアを持つHAKUEIと並び立っても引けを取らない存在感を発するRyujiはさすがの一言だし、妖艶かつミステリアスという己のパーソナリティーを余すことなく発揮するHAKUEIも実にいい。今回のライブでも正統的なロック・シンガーの魅力を備えたRyuji(とはいえ、彼はそれだけの存在ではないが)と異彩を放つHAKUEIという異なる個性が生み出す唯一無二のケミストリーやハイ・クオリティーなツイン・ボーカルを、たっぷりと味わせてくれた。
ライブ中盤では緊迫感を発する「サザンクロス」や和を香らせつつパワフルに疾走する「ヤタガラスの影踏み」、スリリングな「404」といったハード・チューンを相次いでプレイ。この辺りのナンバーではフィジカルなステージングを展開しつつファットなシャウトを連発させるRyujiに圧倒される。ライブ前半で見せたエモーショナルな雰囲気とハード・チューンで発露するアグレッシブさという二面性を持っていることはRyujiの大きな魅力といえる。ステージを行き来して、客席に煽りを入れながら歌うRyujiに牽引されてオーディエンスの熱気はどんどん高まっていった。
「俺に届けられるならと言ったけれども、もうちょいだと思うんですよね。前のほう、もうちょいだと思うんですよね。上手! 下手! センター! もうちょいですよね。もっと響かせろ! 人生を!!」というRyujiのアジテーションに続けて、ライブは後半へ。ここでは激しさとキャッチーさを併せ持った「銃声」を皮切りに、RyujiとHAKUEIがラケットを使ってカラーボールを客席に打ちというパフォーマンスで場内を湧かせた「爆風」、爽快感に溢れた「ハレヴタイ」が畳みかけるように演奏された。
メンバー全員が織りなす激しいステージングと気持ちを引き上げるサウンドの連続にオーディエンスも熱狂的なリアクションを見せ、CLUB CITTA’の場内は膨大なエネルギーに満たされる。本編を締め括った「ハレヴタイ」を演奏し終わってThe Brow Beatがステージから去った場内は笑顔で溢れ返っていた。
ツアー初日とは思えない完成度の高いライブで<The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”>の幕明けを飾ってみせたThe Brow Beat。音楽性の幅広さを活かして様々な表情を魅せ、中だるみなどは一切ない凝縮感のあるライブを披露したのは実に見事で、彼らのライブには強力な“病みつき感”があることをあらためて感じさせられた。
もうひとつ、アンコールで新曲の「ラブレター」と「な訳ねぇだろ」が演奏されたが、2曲ともにリリース前にも拘わらず、場内が怒涛の持ち上がりを見せたことも印象的だった。これまでのThe Brow Beatとはまた一味違った爽快感やキャッチーさを持った両曲は注目といえるし、ここにきてまた新たな魅力を提示したことには本当にワクワクさせられる。
今回のツアーを通してファンのThe Brow Beatに対する愛情が一層深まると同時に、The Brow Beatがより多くのリスナーを虜にしていくことは間違いなさそうだ。
ライター 村上 孝之
写真 菅沼 剛弘
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<リリース>
★2023年5月31日(水)
The Brow Beat 5th Anniversary NEW SINGLE
「ラブレター」
全5形態 絶賛発売中!
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●「ラブレター」Official Music Video
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●配信&サブスクリプション
https://lnk.to/tbb_loveletter_digital
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<LIVE>
◆The Brow Beat Live Tour 2023
“The Five Senses”7大都市14公演
ツアーファイナル
2023年6月3日(土)LINE CUBE SHIBUYA
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開場17:00/開演18:00
先行販売時間14:00~
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2023年6月4日(日)LINE CUBE SHIBUYA
開場16:00/開演17:00
先行販売時間13:30~
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開場時間より当日券売場にて販売!
10,450円(税込)
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<配信>
■The Brow Beat Live Tour 2023
“The Five Senses”
6月3日(土) LINE CUBE SHIBUYA
6月4日(日) LINE CUBE SHIBUYA
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上記2日間のステージのリアルタイム配信を実施します。
アーカイブ配信もありますので、生配信以降も期間内であれば何度でも試聴可能です。
どうしても現地に足を運べない方も、是非配信にて白熱のライブご覧ください。
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1dayチケット
【視聴料金】
¥3,500(税込)
Streaming+ https://eplus.jp/thebrowbeat-st/
FC限定 2daysチケット
【2days 視聴料金】
¥6,000(税込)
https://thebrowbeat.jp/news/detail/PI9zeunLI1hXs+5LPpvsd1RhRuuO8PYrF+RW9SX1lyA=
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★The Brow Beat OFFICIAL SITE★
2023年05月29日 (月)
【ライヴレポート】<PENICILLIN 30 th Anniversary Tour「30 -thirty-Universe」Final>2023年4月16日(日)新宿BLAZE>◆「ここからもさらにPENICILLINの快進撃は続いて参ります。みなさん、これからもどうぞよろしくお願いいたします!」
REPORT - 18:00:08ツアー千秋楽に、7月17日・渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)での結成30周年ファイナルワンマンを発表!
転禍為福とは、まさにこういうことを言うのだろう。今年2月から全15本の全国ツアー[30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」]にいそしんでいたPENICILLINが、このたび4月16日の新宿BLAZE公演をもって無事にツアーファイナルを締めくくった際、そのステージ上においてフロントマン・HAKUEIがダブルアンコールの場面で語った言葉には、万障を繰り合わせながらここまで邁進し続けてきた頼もしきロックバンドだからこそ伝えられる、強く確かな説得力が充ち満ちていたのだ。
「PENICILLINはここまで“30th anniversary”にまつわる企画を2年くらいかけてお届けして来たんですが、ご存知のとおりちょうどその期間がコロナ禍と重なってしまいまして、当初予定していたようにはなかなか物事が進まなかったり、試行錯誤をしながらやってきたところもありました。でも、去年は『パライゾ』という新譜も出せましたし、今年2月にはベスト盤『30 -thirty- Universe』を出すことも出来ましたからね。結果的にはツアーも今回を含めて2回やれたので、我々としては非常に充実したアニバーサリーイヤーになったなと感じています。これもひとえにみなさんの応援のおかげです。どうもありがとうございます!!」(HAKUEI)
つまり。1992年2月14日に始動したPENICILLINは、厳密に言えば既に31周年のタームに突入していることになるものの、律義な彼らはコロナ禍だからといって“やり残す”ことをよしとはしなかったというわけである。それゆえ、期間としては30周年の間におさまらずとも新作アルバム『パライゾ』で最新型のPENICILLINを提示し、ベスト盤『30 -thirty- Universe』ではPENICILLINのたどってきた長い歴史を統括したうえ、それぞれの音源発表のあとにはそれに付随したツアーも敢行してきた彼らの“揺らがずブレない姿勢”は、もちろんこの夜のステージ上で繰り広げられたライヴパフォーマンスの随所にも色濃く滲んでいた。
1曲目の「地球」で壮大なスケール感をヴォーカリゼイションによって醸し出していたHAKUEIといい、中盤の「パライゾ」で重いどっしりとしたリズムをドラマティックに展開していったO-JIROといい、本編終盤の「快感∞フィクション」で激熱にして超エモなギターソロを放ってみせた千聖にしても、彼ら3人が今宵それぞれに体現してくれた音楽の中には30年の時を凝縮したような貫録が篭っていたと言っていい。
ちなみに、今回の[30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」]ではベスト盤に収録されていた約60曲をほぼ被りナシの3パターンに振り分けたうえでセットリストを構成していったそうで、全15本のツアーとは言えど実質的には3本のツアーをやったも同然だったことになる。バンドにとっての楽曲は貴重な財産であるだけに、PENICILLINは今回のツアーでそれを最大限に有効活用したことになるのではなかろうか。
「もしかしたら、次にお会いする時にはみなさんの声を聴くことが出来るようになってるんですかね?そう考えると、ある意味こういった「声出せません」みたいなライヴは名残り惜しいくらいです(笑)」(HAKUEI)
チケット発売時期なども含めた諸事情から、今ツアーではまだ声出し解禁公演とはならなかったとはいえ、いまやコロナ禍勃発の当初とは全く異なる心持ちでバンド側がライヴに臨めているという事実は実に尊く、このときHAKUEIが発していたある種の余裕は、ここまでの熾烈なサバイブによって勝ち獲ってきた戦果そのものであったはず。
「今日のツアーファイナルで30周年の締めくくりとは言っていますが、PENICILLINにとってこれはあくまでも通過点のひとつでございます。区切りの良いところで一旦振り返ることも大事かなということでこうして振り返らせていただきましたが、ここからもさらにPENICILLINの快進撃は続いて参ります。みなさん、これからもどうぞよろしくお願いいたします!!」
なお、PENICILLINのキャリアを語るうえで欠かすことの出来ない楽曲「ロマンス」も含めた1回目のアンコールが終わったあと、一向に拍手の鳴り止まないフロアに向けてダブルアンコール曲として演奏されたのは1994年5月にリリースされた、彼らのファーストミニアルバム『Penicillin Shock』の1曲目であった「God of grind」。そして、この曲の前にHAKUEIから語られたのが冒頭に記したMCだったことになる。今あらためて思うと…PENICILLINのたどってきた30年という歳月は何もコロナ禍に限らず、ここまでにも何度かの転禍為福を超えてきたとも言える気がして、この[30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」]が「God of grind」で締めくくられたことに、ひとしおの感慨を感じてしまったのは何も筆者だけではあるまい。
もっとも、HAKUEIが「ここからもさらにPENICILLINの快進撃は続いて参ります」とのたまったとおり、この夜のライヴではエンディングにおいて〈止まらない 止められない 此処からはキミ次第さ〉という歌詞が印象的に響いた「Time Machine」をBGMにしてエンドロール的な映像が流されたあと、なんと来たる7月17日(月・祝) に[30th anniversary tour real final]と冠された次回ライヴが、渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)にて開催されるという大吉報がもたらされた。
渋谷公会堂といえば、PENICILLINにとってはかつて初のホールワンマンを行った場所であると同時に、以前には20周年記念のライヴを行った場所でもあるほか、リニューアル後の渋公に関しては初見参ともなるという。PENICILLINが31周年へのあらたな一歩を踏み出すには、リアルに最高にして絶好の舞台だ。これを見逃す手はない。絶対に!!
PHOTO:折田琢矢
TEXT:杉江由紀
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【全ての情報はこちら】
PENICILLIN Web
↓↓
【ファンクラブ入会案内はこちら】
↓↓
https://www.penicillin.jp/fanclub/enrollment
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<ライヴ>
■PENICILLIN 30th anniversary tour real final
「渋谷公会堂」
2023年7月17日(月・祝) LINE CUBE SHIBUYA
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開場17:15/開演18:00
…………………………………………
全席指定
3歳以上有料(3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで膝上に限り無料。但し座席が必要な場合は要チケット)
【SS席】20,000円(税込)1F席・終演後メンバーによる特典(未発表曲CD、他)の手渡し※特典の引換は当日会場限定(発送不可)
【S席】10,000円(税込)1F席
【A席】9,000円(税込)2F・3F席
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=TICKET=
【オフィシャル先行(抽選)】受付期間:5月22日(月)12:00~6月4日(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/penicillin30th/
対象席種:SS席・S席制限枚数:お1人様1申込2枚(第2希望までエントリー可)
【一般発売(先着)】6月17日(土)10:00
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=問い合わせ=
ディスクガレージ
サイレンエンタープライズ03-3447-8822
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<SET LIST>
■30 th Anniversary Tour
「30 -thirty-Universe」Final
2023年4月16日(日)新宿BLAZE
1、地球
2、CRASH
3、幻想カタルシス
4、ボニー&クライド
5、パライゾ
6、ハカナ
7、one star
8、Stranger
9、Too young to die!
10、RAINBOW
11、Japanese Industrial Students
12、SAMURAI BOY
13、快感∞フィクション
14、Dead Coaster
15、NEW FUTURE
En1
1、Tommorrow
2、SEX
3、ロマンス
En2
1、God of Grind