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2016年10月26日 (水)

【ライブレポート】Chanty★「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」追加公演★10月21日(金)東京・恵比寿LIQUIDROOM

REPORT - 13:42:02

 

 

今年の9月で3周年を迎えたChanty。彼らは9月から全国6箇所を2日間づつまわるワンマンツアー「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」を行ってきた。その追加公演が10月21日(金)東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。

 

時計の秒針音が響く中、まずステージに現れたのはshia.(Gu)と成人(Dr)。スポットライトに照らされる中、それぞれが優しく音を奏でる。そして千歳(Gu)、野中拓(Ba)も演奏に参加。最後にゆらりと芥(Vo)が登場し、マイクを握りフロアをじっと見据える。

 

「おやすみなさい」

彼のその一言で始まったのは『今夜未明』。

所狭しと暴れまわるメンバーがリズムに合わせてピタリと止まる。そして成人のカウントからまたサビに流れ込む。静と動のバランスが心地よい。

 

続いて『滅菌、消毒、絆創膏。』ではフロアからは全力のヘドバンが発生。曲間ではshia.によるリコーダーソロ(?)も。続いてロックンロールな『いっせーの』を披露。

 

「見えてるか! 吐き出せ! Chantyの世界へようこそ!」

大きく腕を広げる芥。

 

ファンのメンバーを呼ぶ声がフロアに響く。

芥がマイクをとり「このワンマンツアー、最後の最後、LIQUIDROOMに集まっていただいてありがとうございます。このツアーめちゃくちゃ楽しかったので、今日の日を迎えるのが幸せです」と語り、拍手で迎えるファン。

「本当の夜にお前たちを引きずり込んでやろうと思います。眠れない夜を想像しながら最後まで楽しんでください」と続け、「正直くやしいけど(LIQUIDROOMを)埋めることができませんでした。けど今日は俺たちのこの声とこの演奏でこの会場を埋めてやろうと思います、お前たちも力を貸してくれ!」という芥の叫びから『おとなりさん』へ。

それに応えるようにフロアからは拳と声があがり、テンションは高まっていく。

 

間髪入れずに『君と罰』、そして『天翔る』で空間いっぱいに音が広がり、一転してドラマチックな『monorium』と“Chantyの世界”を見せてくれる。

 

マイクを通さずにアカペラで『ねたましい』のサビを歌い上げる芥。

『ひどいかお』『ミスアンバランス』とアッパーチューンが続き、フロアを揺らす。

 

『やんなっちゃう』のサビではタオルが舞い、「昨日も今日も明日も明後日も不確かなものばかりだけど、信じられる自分さえ疎かにしてしまったら、誰がお前を助けるっていうんだ? お前たちの明日を邪魔する、最悪の敵をぶち壊せ!」という芥の言葉から『無限ループ』が始まり、フロアにマイクを向ける芥。感情を絞り出すようにコーラスをするshia.。ギターのハウリングから『ダイアリー』へ、「私は可も不可もなくここに生きてる」と歌い上げる芥に呼応してフロアから叫び声にも似た声があがった。『m.o.b.』、『貴方だけを壊して飾ってみたい』と疾走感のあるナンバー大きな盛り上がりをみせ、そして本編最後に「この名も無き歌にお前らの声を突き刺してくれ!」と叫び『【3.0.17】』で締めくくった。

 

アンコールではメンバーそれぞれがツアーの感想やファンに対して感謝の言葉を述べ、春にはニューシングルがリリースされることを発表。それに伴い2Daysワンマンライヴ、New Single Release記念2days Oneman Live「今年も春が希望という名の嘘をつく」が開催されることが告げられると大きな歓声があがった。

久々に演奏された1stシングル『終わりの始まり』から始まり、最後は『世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない』が演奏された。そしてカーテンコールとしてメンバー全員で手をつなぎ「(冒頭の『おやすみなさい』とかけて)おはようございます!」という声で終演となり、会場は暖かな雰囲気に包まれた。

 

もちろん数字が全てではないが、LIQUIDROOMが埋まらなかったことに対して悔しさを隠さなかったメンバーたち。これからも挑戦し続けると宣言し、「俺たちが諦めることを諦める!」という芥の言葉に強く胸を撃たれた一夜であった。

 

TEXT:藤谷千明

PHOTO:インテツ

 

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◆リリース情報

2017年春 New Singleリリース

 

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◆ライヴ情報

New Single Release記念2days Oneman Live「今年も春が希望という名の嘘をつく」

-理想day-

2017年4月1日(土) 高田馬場CLUB PHASE

OPEN 17:30 / START 18:00

前売 \4,000 (D代別)

 

-現実day-

2017年4月2日(日) 高田馬場CLUB PHASE

OPEN 16:30 / START 17:00

前売 \4,000 (D代別)

 

【チケット最速先行受付】

2017年1月7日(土)10:00~Chantyモバイルファンクラブにて最速先行受付開始

【チケット一般発売】

2017年1月21日(土) より一般発売開始

 

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Chanty Presents「自家製忘年会」

12月7日(水) 高田馬場AREA

12月8日(木) 高田馬場AREA

 

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2017年「自家製生誕祭~東京巡り~」

~成人の日~

2017年3月26日(日) 新宿RUIDO K4

 

~千歳の日~

2017年4月20日(木) 渋谷Rex

 

~芥の日~

2017年4月29日(土祝) 高田馬場CLUB PHASE

 

~野中拓の日~

2017年5月17日(水) 高田馬場AREA

 

~shia.の日~

2017年8月29日(火) 池袋EDGE

 

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◆オフィシャルサイト

http://chanty.jp/

 







2016年10月24日 (月)

【Waive】解散10周年特別企画の全公演を終了。残すは、最終公演の映像化のみ!

REPORT - 19:59:13

 

解散10周年を掲げ、発表から約1年をかけて行われてきたWaiveの特別公演が、10月22日の赤坂BLITZをもって、いよいよ終演を迎えた。

 

えも言われぬ緊張感の漂う中、オープニングS.E.が鳴り響きメンバーが1人ずつステージに現れると同時に、将棋倒しさながらにフロア上手(カミテ)の観客がグッとすし詰め状態になる。

4月の東京公演では見られなかった光景だけに、このツアーでWaiveが、いかにライブバンドとしてファンとの距離を埋めてきたのかが伺える瞬間だった。

 

この日の1曲目として演奏されたのは、2005年の解散ライブと同じく『HEART.』だった。

そして『Baby, I LOVE YOU.』や『FAKE』など序盤からWaive得意のビートの効いたアップテンポロックが続いた。

続いて奏でられた『そっと…』や、ボーカル田澤が「当時はバラードだと思っていたけれど今は違うように思う」と語った『銀河鉄道』では、優しくもアツく、それでいて切ないサウンドが場内を包み、このバンドの本領が発揮されていくようだった。

 

解散以前は、ほとんど披露されなかったというプログレッシブでありつつポップな『みずいろ』、そのタイトルが発表されたときには想像だにできなかったポジティブな光景を生む新曲『END ROLL』、Waiveのパブリックイメージを根底から覆すかのようにコミカルな『ペーパードレスレディ』など、ジャンルに縛られることのない奔放さと、それを「無し」と言わせない自信をバンド自体がしっかりと見せてくれる。

 

中盤のハイライトは、Waiveが最初に生んだ曲である『spanner』。

田澤の骨太かつテクニカルなボーカルに、杉本の叫ぶようなギターが呼応する光景は、曲が鳴り止んでもしばらく超満員の赤坂BLITZが無音で静まり返るほどに圧倒的であった。

 

後半戦はWaiveの持つもう1つの顔とも言えるパンキッシュなナンバーが続いた。

『Lost in MUSIC.』では、お決まりのメンバー紹介が行われたが、ここで「ギター、杉本善徳」と紹介された杉本が、おもむろに取り出した黄色いハンカチを赤いハンカチに変えるマジックを見せたり、Waiveの楽曲の中でも上位にハチャメチャな『ドミソファイター』では田澤と杉本の不協和音だらけのツインギターが鳴り響き渡り、「こんなバンドが、この10年で他にあったか?」と、唯一無二の揺るがない独自性が場内を支配していく。

 

解散時の焦燥が赤裸々に綴られた『Sad.』では田澤のボーカルと杉本のコーラスワークがヒリヒリとするほど刹那的に流れ、Waiveのライブと言えばこの曲と言っても過言ではないであろう『ガーリッシュマインド』では、この広い空間の酸素がなくなってしまうのではないかというほどにステージとフロアが呼応しあい、一転して明るい世界に飛び出したかのような『バニラ』では、この特別公演のクライマックスは暗いものではないと暗示してくれるかのようにキラキラと銀テープが舞い、この曲と歌詞で何人の心が勇気づけられ救われただろうと思える屈指の名曲『いつか』で、すべての灯りが点灯しているのからなのか、この光景がそう思わせているだけのか、わからなくなってしまう程に眩しい中、ライブは本編を終えた。

 

鳴り止まないアンコールの中、再びステージに姿を現したWaiveの4人は、ゆっくりと、各々の想いを真面目に、ときに照れ笑いを含めながら語った。

 

「今が一番楽しい」というベースの高井、「奇跡を胸に生きてきた」というギターの貮方。

そして、「たくさんの人の笑顔を奪った」と解散時のことを話し、深々と頭を下げる田澤。

「過ごした日々が濃すぎても薄すぎても、この今はない」と、罪も悲しみも含めて受け入れる杉本。

各々の思うことも立ち位置も違えど、その結果が今日この日なんだということは紛れもない事実であろう。

 

重ねて杉本が「終わって、始めて、また終わって、また始めてと、Waiveは変なバンドだけど、これしかできない。普通に活動を続けても、また悲劇的な結果を迎えてしまう。文章を書くにもマルを打たないと次の文章にはいけないし、次の文章が始まらない限りは、その前の文章が最後の文ということになる。それと同じ。だから次の文を書こうと思える、書ける状態にあるということが大事」と、この特別公演とされた今回のWaiveの活動を〆ることと、またこの形で会える日があるようにするため、メンバーそれぞれの日々が最後の文章にならないように信じ、求め、支えあって欲しい、とまとめた。

 

我々には事前に、この日の演目が記されたメモが渡されていたのだが、その演目上は上記の「いつか」を最後としてあった。

アンコールに登場したからには何か曲が用意されているのだろうし、中でも11年ぶりの新曲である『Days.』が披露されていないことからも、自ずと曲目は予想できたのだが、曲を始めるにあたって

 

「今から演奏する曲は、この数年の自分の集大成。音楽としては、もっといろいろなことを身につけたけれど、それでもやっぱりこの曲がそう。この曲に、ここ数年間の自分の思いの丈が集約されている」

 

と、いつもは流暢に話す杉本が言葉を詰まらせながら、慎重に丁寧に話した後、『Days.』が披露され、この日一番ラフで、けれど「これが今のWaive」という姿がはっきりと見えてくるような演奏の末、奇跡の公演は幕を閉じた。

 

メンバーがステージから消え、ダブルアンコールを求めるファンも数多くいる中、あらためて『HEART.』がCD音源として場内に流れはじめた。

2005年の解散当時、この曲の作詞/作曲、そしてラストアルバムの収録順を手掛けた杉本が各所のインタビューで

「このアルバムは、HEART.で始まってC.で終わっているけれど、そのあとにリピート再生で頭のHEART.にもう一度戻って聞くのが本当に正しい曲順」

と、しきりに話していたのだが、

《僕らはたくさん廻り道をして、もう一度巡り会う奇跡を信じたい》

という歌詞は、まさにWaiveというバンドの運命そのものであり、その言葉を記した杉本のみが計り知る「また巡り会う奇跡を信じたい、信じていいんだ」と思わせてくれる優しさと愛に満ちた演出だったのではないだろうか。

 

終演後に配られたフライヤーにて、この日の公演〈GIG「Days. – in the future -」〉の模様は、Waiveオフィシャルサイトにて通信販売限定にてBlu-rayとなってリリースされることが発表された。

 

また同時に配られた別フライヤーにて、杉本善徳のソロライブの告知と、ソロの代表曲の1つ『オフホワイト』の新録バージョンが収録されたシングルCDが無料配布された。

この新録版『オフホワイト』は、杉本曰く「会場に来れなかった人や、突然の配布決定で告知がなかったため」として、YouTube上でも視聴が可能となっている。

 

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■〈Waive GIG「Days. – in the future -」〉

2016/10/22@赤坂BLITZ セットリスト

SE

1. HEART.

2. Baby, I LOVE YOU.

3. FAKE

4. will

5. わがままロミオ

6. そっと…

7. 銀河鉄道

8. 君と微笑おう

9. みずいろ

10. END ROLL

11. PEACE?

12. ペーパードレスレディ

13. spanner

14. あの花が咲く頃に

15. Lost in MUSIC.

16. ドミソファイター

17. assorted lovephobia

18. Sad.

19. ネガポジ

20. ガーリッシュマインド

21. バニラ

22. いつか

 

[ENCORE]

1. Days.

 

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▼リリース情報

・Blu-ray「Days. – in the future -」

2016.10.22 at AKASAKA BLITZ

【収録曲】本公演で演奏された全曲収録

【受注期間】2016年10月22日~12月2日(23:59)まで

【価格】¥8,500-(税込み)

※詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください

 

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▼Waiveオフィシャルサイト

http://www.waivewaive.com/

▼Blu-ray「Days. – in the future -」申し込みページ

http://www.waivewaive.com/blu-ray/

▼WaiveオフィシャルTwitter

https://twitter.com/Waive_info

▼WaiveオフィシャルLINE@

http://line.me/ti/p/%40waive_info

▼杉本善徳オフィシャルサイト

http://www.ys1126.com

▼杉本善徳「オフホワイト(新録)」視聴ページ

 










2016年10月23日 (日)

【ライブレポート】FREAKMAN. 1st ONE-MAN LIVE「A NEW HOPE」2016年10月20日(木)池袋EDGE!

REPORT - 16:41:33

 

来年6月に結成10周年を迎えるDaizyStripperが“10th Anniversary Project「decade」”の一環として、バンドの更なる向上を願いメンバー各自のソロ・プロジェクトを立ち上げたのは今夏の事。
それぞれに個性的な活動内容が並ぶ中、ギターのなおは、以前から親交を深めてきたNeverlandのボーカル・涼太とユニットを結成することを発表した。

奇抜な音楽やルックスを好む2人が出逢い意気投合し、お互いのバンドの枠を越えた世界観と音楽を表現するというコンセプトの下に立ち上げられたこのユニット、名は“FREAKMAN.”と言う。
ただし、このユニットはあくまでも期間限定。
それだけに、オフィシャルHPでは、10月20日の始動前から活動休止日(来年1月16日東京・渋谷TSUTAYA O-WESTにて活動休止ワンマン「炭素冷凍」が行われる)が既に告知されていたのが何とも面白い。
しかも、FREAKMAN.にとって初の音源がリリースされる日にワンマン・ライヴをやってしまうというのだから、この2人、只者ではない。

 

東京・池袋EDGEで行われたFREAKMAN.初のワンマン「A NEW HOPE」は、なおと涼太の他に、LiN(G/ユナイト)、眠花(B/ペンタゴン)、KAZI(D/FEST VAINQUEUR)がサポート・メンバーとして参加し、バンド形式でライヴが行われた。
SEと共にゆっくりと幕が開くと次々とメンバーが登場。
全員が揃ったところで、なおと涼太がステージ中央に置かれたお立ち台へと上り、ガッチリと握手を交していく。
なおが自分の定位置でもある上手側へと戻った後、「お前ら、よく来たな。俺達がFREAKMAN.だ。最高にイカれた世界へようこそ。さっそく始めようか!」と涼太がフロアに向かってあおると、1曲目の「Dreamcrusher」がスタート。
曲調に合わせ観客は手拍子とモッシュを繰り返していく。

 

決して、ステージからこうしてくれと提示されたわけでは無い。
それでも、ここにいる誰もが初めて観るFREAKMAN.のライヴを全身で楽しんでいる。
そうやって、音に合わせて自由に体を揺らす事が出来るのは単純に、ステージにいるなおと涼太の2人から、音楽が好きだという感情が痛いぐらいに伝わってくるからだ。

 

「さぁ、もっとぶつかりあっちまえ!」と再度あおりを挟んで演奏されたのは、「ジャパニーズインフェルノ」。
ハードな曲展開の中で、終始眼力で魅せる涼太と、やんちゃな中にも芯の通ったギタープレイで観客を惹き付けていくなお。
お互いの理性が吹っ飛んだ瞬間、FREAKMAN.の音楽は輝きを放つ。
だからこそ、次の「Seize. the day.」では、一層の盛り上がりを見せてくれた。
曲が始まった瞬間に拳を一斉にあげた観客を始め、サポート・メンバーを含めたステージは一体感をもって曲を演奏していく。
その光景たるや、ここにいる全員、本当に音楽が好きなのだと感じられた場面でもあった。

 

こうして一気にオリジナル曲を披露。実に、完成度の高い3曲だった。
持ち曲はこれで全てだが、ワンマンだけあって、これで終わるわけにはいかない。
ここからは、音源に収録された「BLACK DROPPer」(DaizyStripper)をはじめ、それぞれが所属するバンドの代表曲をFREAKMAN.として演奏。
その中には、なおと涼太が敬愛してやまないバンド・kannivalismの「大好き」も含まれていたのが印象的だった。
また、アンコールでは、もう一度オリジナル曲を披露しフロアを盛り上げていく。
「最高だったぜ東京、また会おうぜ!(涼太)」「楽しい1日になったよ、ありがとうな!(なお)」と言ってステージを去っていった2人の表情は晴れやかで、次のライヴも観てみたいと心から思わせる内容となっていた。

 

尚、活動休止までに行われるライヴは、ラストを含めて残り3本。
今日以上に盛り上がる事は間違いないので、是非とも会場に足を運んでいただきたい。

 

(取材・文●水谷エリ)

 

★FREAKMAN. Twitter★

https://twitter.com/FREAKMAN_