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2024年01月04日 (木)

【ライヴレポート】<LM.C YEAR END LIVE ’23>2023年12月26日(火)渋谷PLEASURE PLEASURE◆春のツアー・5年ぶりの企画「Club Circuit」に向けた新アー写解禁!

REPORT - 18:00:56

 「生きてここにたどりついてくれて、ありがとう!」と、フロントマンであるmayaが観衆に向けて力強く叫んだのは、このたび渋谷PLEASURE PLEASUREで開催された[Team☆LM.C Presents LM.C YEAR END LIVE ’23]の2曲目として、ハイエナジーなロックチューン「The BUDDHA」が奏でられた時のことだった。

 ちなみに、この楽曲は2017年に発表されたアルバム『VEDA』で冒頭を飾っていたものであると同時に、普段から彼らのライヴではここぞ!という場面で演奏されることが多く、その歌詞中には〈山あり谷ありの紆余曲折ばかりの人生 心電図と同じさ生きてるって証拠だろ〉という表現が出てくる。

 

 

 

 

 そして、話は前後するものの今宵の1曲目としてブチ上げられたのはド派手なダンスチューン「Chameleon Dance」で、こちらはこちらで歌詞の最後を締めくくるのが〈遅かれ早かれ We all die〉というフレーズだったりもした。

 もちろん、今回のライヴはそのタイトルどおりにTeam☆LM.C=ファンクラブ主催の年末を締めくくるライヴであったわけだが、セットリストの内容やさまざまな状況をかんがみると、その主旨は単なる忘年会的なライヴというより、とびきりのキラーチューンばかりを詰め込んだうえで、コアファンに向けたLM.Cからのメッセージを発信していくような、いつものライヴ以上に濃密なコミュニケーションがはかられる場となっていたのではなかろうか。

 

 

 

 久々にライヴの場で聴けた気がする「Brainwashing」での、やけに印象的に響いた〈大丈夫だよ〉という一節。以前アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN! 』のOP曲に起用されたことから、サブスクサービスでは最も多く聴かれている「88」の中の〈泣いた痕も 傷跡も 抱えたまま歩いてゆけば良い〉というくだり。

 はたまた、シングルのカップリング曲でアルバムには未収録でありながらも、隠れた名曲である「Dolce Vitter」の〈いつかまた そっちで遭えるその日まで〉という願いを込めたような歌詞。さらには、バラード「僕らの未来。」での〈いつだって僕らは手を伸ばし どこにでも飛べるんだ〉という部分も、何時にも増して聴き手の胸に深く響いてきたのは言うまでもない。

「こうしてライヴをやっていると、我々は今とても幸せな時間を過ごしてるんだなとあらためて思えます。ありがとうございます。まぁ、いろいろあったよね。今年もさ。つらいこともあったり、楽しいこともあったり。そういうのを経て我々みんながここにたどりついたわけで、ほんと偉いなぁって思うんですよ。だからこそ、こういう楽しい気持ちを持って年を越したいです」(maya)

 

 

 

 

 基本的にLM.Cの楽曲というのはどれも秀逸なポップセンスにあふれ、楽しくハッピーな雰囲気を持ったものが多い。ただ、その中で歌われているのは生きて行くうえでの悲喜こもごもや、時に誰もが忘れがちな死生観についてでもあって、意外と一筋縄ではいかないところがあるのもまた事実となろう。ある意味、今回のライヴではLM.Cの持つそんな核心部分がより明確になっていたように感じられ、FC主催ライヴだからこそのディープな味わい方を出来た気がする。

 

 

 

 

 

 なお、mayaが〈狂騒へ繰り出そう〉という歌詞を〈渋谷へ繰り出そう〉と歌い替えた「Panic Time」あたりからはいよいよ佳境に突入し、真摯なる愛の歌「The LOVE SONG」、「行こうぜ、俺たちの始まりの歌!」との言葉を受けてから始まった「☆Rock the LM.C☆」では、その高揚感に満ちた音やmayaのエモいヴォーカリゼイションから LM.Cとしての矜持を感じ取ることも出来た。

 

 

 

 くわえて、ラストに放たれた「星の在処。-ホシノアリカ-」での〈同じ惑星 同じ時代に生まれ出逢えた奇跡を忘れない〉という訴え掛けには、もはや尊さを感じてしまったほど。この曲の持つキラメキは、つくづく何年経っても全く色あせない。

「今日はいつものライヴ以上に、家族が集まったなという感じがしてリラックスしてやれました(笑)。すぐ2月からは次のツアーが始まるんですけけど、プライベートも含めて初めて行く場所や、コロナのリベンジで行くところもあるんでね。ぜひTeam☆LM.Cのみなさんも、盛り上げに来てください。というわけで、2023年もたくさんお世話になりました。来年もみんなで楽しくハッピーをつかみ取りに行こうと思います!」(Aiji)

 

 

 

「ほんと、今日のライヴ楽しかったぁー(笑)。別にさ、今年だけに関わらずLM.Cで活動してきたこの17年もそうだし、生まれてから今に至るまでって、日々いろんなことが起こってきたわけじゃない?それは自分たちのまわりだけじゃなく、地球上のどこか遠いところで起きてることも含めてね。そして、そんな中でもこうやってウチらは楽しんでるわけだけど、ちょっと大げさに言うと多分みんな、どこかでそのことに対して“後ろめたさ”みたいなものを感じることっていうのもあると思うんだ。とはいえ、だからってライヴをやらないとかじゃなくてさ。そういう矛盾みたいなものは今までもずっとあったなと思うし、これからもきっとあるんだろうけど、みんなとこうして楽しい時間を過ごしたり、生きてて良かったなって思える時間を今年もたくさん持つことが出来て良かったなと思ってます。来年のツアーでも、そういう素敵な時間を積み重ねていきたいし、みんなが「LM.Cのライヴに来て良かったな」って思ってくれたらそれが何よりです。みんなどうもありがとう。これからもよろしくね!」(maya)

 

 

 

 前述した「星の在処。-ホシノアリカ-」の一節に続くのが〈輝きながら 泣いて笑った この居場所は誰にも譲れない〉という詞であることを思うと、2月から始まる次回ツアー[LM.C Club Circuit ’24 -Spring-]でも、彼らはまた我々にとって最高の居場所を各地で創りだしてくれるに違いない。そこに生きてたどりつき、幸せを謳歌することの出来る日が待ち遠しい。

 

 

Text:Yuki Sugie
Photo:Mirai Yamashita (Progress-M)

 

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★LM.C OFFICIAL SITE★

https://www.lovely-mocochang.com/

 

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<RELEASE>

★NOW ON SALE
[JOKER -2023-] https://linkcloud.mu/0a7bdf82
MV→https://youtu.be/K5QXeXh2q1k

[Knight Bus] https://linkcloud.mu/417442bf


 

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<LIVE>

 

■LM.C Club Circuit ’24 -Spring-

2月13日(火)渋谷 Veats
2月16日(金)埼玉 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
2月25日(日)札幌 SPiCE
2月26日(月)札幌 SPiCE
3月2日(土)台北 THE WALL LIVE HOUSE / 5年振り台湾!!
3月3日(日)台北 THE WALL LIVE HOUSE / 5年振り台湾!!
3月8日(金)川崎 Serbian Night
3月14日(木)柏 PALOOZA
3月17日(日)仙台 MACANA
3月30日(土)佐賀 GEILS / 初上陸!
3月31日(日)長崎 DRUM Be-7 / 初上陸!
4月6日(土)松阪 MAXA / 初上陸!
4月7日(日)名古屋 Electric Lady Land
4月13日(土)出雲 アポロ / 初上陸!
4月14日(日)大阪 ESAKA MUSE
4月25日(木)恵比寿 LIQUID ROOM

 

・Ticket
ファンクラブ・Team☆LM.C先行受付中!!



2024年01月03日 (水)

【ライヴレポート】<SID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」>2023年12月27日(水)日本武道館◆「シドの第二章は今日から始まると俺は思っています」──マオ(Vo)

REPORT - 12:00:23

「シドの第二章は今日から始まると俺は思っています」

20231227日東京・日本武道館で開催された、シドの結成20周年を締め括るSID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」>公演での大ラス「いちばん好きな場所」を歌う前に、マオ(Vo)はそう語った。

 

「いちばん好きな場所」というタイトルは、2008年のインディーズラストツアーのタイトルであり、2018年の結成15周年を飾るツアーでも使われた。

その15周年を終えてからの5年間は、コロナ禍でのライブ自粛や、マオの喉の不調によるライブ活動の休止と、シドにとって試練が続いた。

そして20231月、結成20周年の開幕とともにライブ活動を再開し、このアニバーサリーイヤーを感無量の思いで駆け抜けてきた。

そのファイナルを迎えたこの日本武道館は、15年前、メジャーデビューの始まりに立った場所でもある。冒頭のマオの言葉に、並々ならぬ決意を感じた。

 

ステージにはドレープを作った大きな白い布がかかり、天井からは大きなシャンデリアのようなモチーフとミラーボールが下がっている。

BGMが消えて会場が暗転すると、ミラーボールが光の粒を放った。白い布がライティングで虹色に輝いた頃、ゆうや(D)、ShinjiG)、明希(B)、マオと順に登場。

20秒の時を刻む時計の針の音が緊迫感を煽ると、Shinjiの憂いのあるギターイントロから「紫陽花」が始まった。

マオが歌い始めると、武道館の天井に紫陽花が咲くように淡い青が広がる。

この日のステージは、楽曲の世界観を押し広げるような、または感情と呼応するような、ライティングと演奏とのシンクロが見事だった。

再会の歌である「NOMAD」、未来に光を照らす「ANNIVERSARY」ではShinjiと明希が左右の花道を歩み、マオは観客と一緒に拳を上げる。

アクティブなステージングに会場のテンションは上がったまま、「アリバイ」「罠」「妄想日記」と初期の人気曲が連投されると、メンバーにも観客にも笑顔が広がった。

 

 

 

 

一体感が高まったところで突入したMCコーナーでは、Shinjiが「一つだけみなさんにお願いがあります。

『今日も1日』と言ったら、『小粋に決めなきゃ』って言ってほしいんです」とコール&レスポンスを求めると、続くゆうやも『何がなんでも』のコールに、『やるぞー!!』とレスポンスを求め、明希もマオも自分の名前を呼ぶ大きな声を求めた。

欲しがるシドに、愛を持って応える観客の姿がとても健気だ。

そんな観客に向けて「今日はこの日のためにシドの新しい挑戦ということで、メドレーを作ってきました」と、「SID 20th Special Medley」を披露。

「モノクロのキス~乱舞のメロディ~嘘~V.I.P」と、アニメタイアップのついた4曲を繋いだ。

 

その後はソロコーナーへ。ゆうやが繰り出す軽快なリズムと光がシンクロしたドラムソロ、骨太なベースが唸りを上げる明希のソロでは会場から「オイ、オイ」の掛け声が上がり、Shinjiは叙情的でテクニカルなギタープレーを聴かせた。

 

 

 

 

続いてステージに登場したのはゲストの葉山拓亮。グランドピアノでたおやかなメロディを奏でると、マオが一人ステージに立ち、「声色」を情感豊かに歌唱。

特に後半のマオの声一つ、アカペラで歌い上げるシーンは、息をするのも忘れるほど心を惹きつけるものがあった。

武道館でアカペラをするのに必要なものは「度胸です」と笑いを誘ったマオは、葉山について「俺の息遣いだったり、呼吸や背中の動きだったりをしっかり汲み取って演奏してくれました。ありがとうございました」と感謝を述べた。

そして楽器隊も入れた5人で202418日(月・祝)に配信シングルとしてリリースする新曲「面影」を披露。

切なさとオリエンタルな雰囲気をもつミディアムナンバーに、観客は静かに耳を傾けていた。

 

 

 

 

大きな拍手の後、開口したのは明希。「今の曲、めっちゃいい曲じゃない?……まあ、俺が作りました。2024年のシドの何か道標になってくれると思います」と語った。

「いけるかー?」とマオの煽りを起爆剤に、ここから本編ラストに向けて怒涛のアップチューンを畳み掛ける。

まずはメンバーコールから「循環」で「回れ~!」と観客をぐるぐる回転させたところに、「そろそろ結婚しようか!」とハードロックナンバーの「プロポーズ」、ラウドな「park」で翻弄する。

ステージの前方で大きな炎の玉が上がった「眩暈」でさらにボルテージを上げると、ラストはハードコアチューンの「吉開学17(無職)」でカオス展開。

巻き舌でシャウトするマオ、一心不乱に楽器を鳴らすShinji、明希、ゆうや。

そんなメンバーの様子に意識を集中していたので、最後にドカーンと上がった特効の大きな音に心臓が止まりそうになった。

興奮さめやらぬ状態のマオは、何やらイケナイ言葉を連呼しながらステージを降りていった。あー、楽しかった。何か憑き物が落ちたように、純粋にそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

20周年の思い出を何か曲に残したいなと思って、一曲作ってきました。新曲です」と、アンコールの一曲目に126日にリリースしたばかりの「微風」を演奏。

バンドを始めた頃の情景や感情を綴ったナンバーに、観客もクラップや合唱を乗せてその思いを共有する。

「夏恋」ではShinjiや明希に絡みにいったり、ステージ上にいたカメラマンに絡んだり、ランニングマンや(新しい学校のリーダーズの)首振りダンスをやってみせたりと、誰よりも楽しんでいる様子のマオ。

Dear Tokyo」では、Shinji、明希、ゆうやと観客と、会場が一体になってのコーラスに多幸感が広がった。

そんな温かな空気の中で、「ここ数年はうまく歌えるかなとか、喉は大丈夫かなとか、そういうことばっかり考えていたけど、今日のライブは始まる前からずっと楽しみだった」と素直な心情を吐露。

「俺が生きる場所はここだし、俺がいちばん好きな場所はこのライブのステージです。そこにはみんながいないとダメだし、スタッフのみんなやメンバーがいないとダメだし、うまいとかヘタとか取っ払って、気持ちで歌います」と大ラスの「いちばん好きな場所」へ。

優しくも力強いアンサンブルが胸を打つ。ステージにはキラキラと光る紙吹雪が舞い、感慨深そうにそれを見上げながらプレーするメンバーの姿が印象に残った。

 

すべての演奏を終えた後、名残惜しそうな表情でステージに残る4人。

「最高の景色をどうもありがとう。もっといい曲を書いて、もっとかっこいいバンドになってくるから、また会おうぜ!20年の声援と20年の拍手に感謝いたします」(明希)、

「最高の締め括りができたと思ってます。来年またかっこよくなっちゃうんで、よろしくお願いします」(Shinji)、21年目もシドいっぱいやっていくと思うので、またこういう大きいところへみなさんを招待できるように頑張っていこうと思います」(ゆうや)と、思い思いの言葉を残してステージを降り、最後に一人残ったマオは「最新のシドがいちばんかっこいいって言ってもらえるように頑張っていくので、みんなよろしく」と語った後、マイクを通さず「愛してます!」と叫ぶと、ギューっと抱きしめるポーズをして捌けていった。

 

終演後、スクリーンにはこのライブの模様が20244月にWOWOWで独占放送・配信されることや、シングル「面影」の情報、そして518日(土)、19日(日)山梨・河口湖ステラシアターにて<SID LIVE 2024 -Star Forest->の開催が発表された。

ファンからたくさんの愛を受け取ったこの結成20周年を経て、“シドの第二章”はどんなストーリーを紡ぐのだろうか。

光あふれる彼らの未来を楽しみにしている。

 

 

 

 

 

PHOTO◎今元 秀明・西槇 太一

TEXT◎大窪 由香 

 

 

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SID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」

1227日(水)@日本武道館

SET LIST

 

01.紫陽花

02.NOMAD

03.ANNIVERSARY

04.アリバイ

05.

06.妄想日記

07.SID 20th Special Medley(モノクロのキス~乱舞のメロディ~嘘~V.I.P

08.声色

09.面影

10.循環

11.プロポーズ

12.park

13.眩暈

14.吉開学17(無職)

 

En01. 微風

En02. 夏恋

En03. Dear Tokyo

En04. いちばん好きな場所

 

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<ライブ情報>

 

SID LIVE 2024 -Star Forest-

 2024518日(土) 河口湖ステラシアター

 2024519日(日) 河口湖ステラシアター

 OPEN 1600 / START 1700

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【チケット料金】 全席指定 ¥8,800(税込)   4才以上有料

ID-S BASIC優先予約】受付期間 20231228日(木) 1200202419日(火) 1600       

詳細はコチラ https://special.sid-web.info/starforest2024/ 

 

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シド オフィシャルサイト http://sid-web.info/ 

シド オフィシャルX https://twitter.com/sid_staff 

シド オフィシャルInstagram https://www.instagram.com/sid_official_jp 

シド オフィシャルWeibo https://www.weibo.com/sidofficial 


2024年01月01日 (月)

【ライヴレポート】<MUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End to「Timeless」&「WORLD」>2023年12月28日(木)東京国際フォーラム ホールA◆──「ここにいる全員、そしてここに来れなかったヤツら、関わってくれた全てに愛を!」

REPORT - 00:00:01

 20225月に結成25周年を迎えたMUCC。アルバム『新世界』の発表をはじめ、その作品のアウトテイクなどで構成した『新世界 別巻』のリリース、さらに過去の8作品を再現するシリーズ・ツアー<Timeless>の開催など、1年半以上に渡って怒涛の活動を繰り広げてきた。

そんな25周年イヤーの締めくくりとして、20231228日に東京国際フォーラム ホールAMUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End toTimeless&WORLD」>を行なった。

 

 

数千人が集まったにも関わらず、やけに静かな会場。

この1年半やMUCCへの想いを噛みしめながら、おごそかにその時を待つ夢烏(MUCCのファン)ばかりだ。

186分、その時は来た。SEと共に夢烏たちのハンドクラップが巻き起こり、ステージを覆う紗幕に赤いライトでぼんやりと浮かぶステージセットや機材群。

そして紗幕にレーザーライトで描き出されるバンドロゴ、さらにライヴ・タイトル。そのたびに歓声があがり、最後に大歓声が会場を揺るがした。

 

直後、AllenDr)のキックが響き始め、紗幕にはステージの向こう側のメンバーのシルエットも。

キックに合わせてセッションでも始めるようにフレーズを弾くミヤ(G)。

YUKKEB)や吉田トオル(Key)も音を重ね、徐々にバンドサウンドが厚みも増していく中、サイレンが鳴り響き、紗幕も振り上がり、ライトで真っ赤に染まったステージが目の前に広がった。

ステージのひな壇の中央に現れた逹瑯(Vo)は、夢烏たちの大歓声を浴びながら、ゆっくりと階段を降り、存在感たっぷりに歌声を響かせていく。

その歌声とグルーヴするバンドサウンドに酔いながら、覚醒の時を迎える夢烏たち。

 

 

 

 

こうして、同日リリースのアルバム『Timeless』の「サイレン」からスタートしたライヴだが、2曲目からMUCCは牙を剥く。

「フォーラム! 今日はカラダもノドもクビも、筋肉痛でいくぞ!!

 

ミヤの煽り文句を合図に突入するのは「咆哮」。逹瑯のシャウトとスパークするバンドサウンドに、全身を快感で痙攣させながらMUCCとひとつになっていく夢烏たち。

逹瑯の「カッコいいとこ見せてやっからよ、カッコいいとこ見せてちょうだい。イケる?」という言葉で、上半身を折りたたむヘドバンも巻き起こる。続く「99」でも、すさまじいエネルギーが渦巻き続けた。

 

 

 

 

 

しかし、ここから曲が続いていく中で気が付くことも。

ある種の儀式めいた静粛さで開演の時を待っていた夢烏たちだったが、MUCCのメンバーにとっても今日は特別な日。

結成以来、この25年間に生んできた我が子とも呼べる楽曲の数々を、メンバーも様々な想いを噛みしめながら、キャリアに裏打ちされた安定感あるプレイで、丁寧に鳴らしていく。それぞれの楽曲に改めて命を吹き込むMUCCがステージにいる。

「ついにここまで来たね。大変でしたね。みんなも大変だったでしょ。お疲れ様でした。

泣いても笑っても、25周年の<Timeless>というツアーが今日で終わりますんで。精一杯、思いっきり何も残さず楽しんで帰ってください」

 

 

 

 

 

 

ミヤの弾く摩訶不思議な旋律から入っていく「路地裏 僕と君へ」では、悲しみを背負った歌や曲をエモーショナルに響かせる。

さらに続く「ガーベラ」ではMUCCらしいウェットな質感で夢烏たちの気持ちも濡らしていった。

かと思えば、夢烏たちの振るMUCCLED扇子の光が、色鮮やかに会場を彩りながらダンサブルに展開した「アンジャベル」。

悲しさと寂しさを幾重にも折り重ねる「想 -so-」など、一瞬で引き込み、そして魅了していくMUCC

12人編成のストリングスも加わった「雨のオーケストラ」では、胸に手を当て、眼を閉じ、感情的に歌い上げる逹瑯に誰もが心を奪われた。

 

 

 

だが、その曲のエンディングで、ミヤがコードやフレーズをつま弾くにつれ、ライヴの色合いは変化していく。

悲しみをまとっていたフレーズが、しだいに呪術的なトーンも放ち始め、ステージの照明も怪しげなものに。

すると、ひな壇の上にはいつの間にかセットされたパーカッションが。

そこに現れた奏者はSakuragibkiy gibkiy gibkiyRayflowerTHE MADCAP LAUGHSZIGZO)だった。

 

 

 

コンガやシンバルなどを叩くSakura、陶酔するようにコードを鳴らすミヤ。

二人の神秘的なセッションが繰り返され、そのムードを保ったまま始まったのは「25時の憂鬱」である。

赤、緑、青のライトが生命力を持ったように点滅するステージで、表情を妖しく浮かび上がらせながら演奏するMUCC

精神に作用も及ぼすようなドラッギーな世界へと夢烏たちを引きずり込んでいった。

さらに続く「志恩」では、Sakuraのパーカッションが融合することで土着的な響きも持ち、密教の世界まで口開いた感じだ。

ステージから炎も吹き上がるが、シャーマンのごとく炎を自在に操る逹瑯でもある。ときおり見せる不適な笑みも恐ろしい。

 

 

 

 

「ツアーのグランドファイナル、もっとバン!とかピカピカ!!とか、派手なのを想像してた? 頭おかしくなりそうだよね。

こういう感情、こういうテンションって、どんなバンドでもいいわけじゃないし。

MUCCというバンドをやってなかったら、きっと死ぬまで味わうことなかったようなテンションとか場所に行くことができてるなと思います。

凄いよ。来年からどんどん30周年に向けて、バチッと行こうと思いますんで。

ここから思いっきり、心もカラダも分かりやすく楽しめるやつ行こうか!」

 

そんな言葉からライヴは後半へ。心を躍らせる「G.G.」では、夢烏たちのハンドクラップと大きなコーラスも曲の重要な要素になり、ライヴらしい熱気も一気に高まっていく。そして曲が「アゲハ」へ差し掛かったときだ。

ミヤがイントロのテーマメロを弾き始める中、ステージに現れたのはKenL’ArcenCiel)だった。

 

 

 

「アゲハ」はKenがプロデュースしたMUCCの曲のひとつだが、MUCCが依頼して実現したのではなく、デモを聴いたKenが自らプロデュースを買って出たというのは有名な話だ。

ステージでの共演は夢烏たちにとって、夢が現実になった瞬間だろう。

テーマメロを弾くミヤに、ハモりながら交わるKen。衝撃と衝動の歓声が巻き起こりながら「アゲハ」へ突入した。

激しく揺れる夢烏たちの姿を目にしながら、ミヤとKenは背中合わせでヘヴィリフを刻んだり、ギターソロではツインでハモりながら決めたりと、見どころも聴きどころもたっぷり。

ソロを弾き終えたときには、ミヤの頭をクシャクシャとなでるKen

そんなコミュニケーションも微笑ましく、そして観ているだけで嬉しい。

 

 

 

 

「もう1曲、弾いていっていい?」とKenが言えば、メンバーも夢烏たちも大歓迎。

そしてKenが弾くフレーズが、今は亡きゲイリー・ムーアも彷彿とさせる切ないフレーズの数々。ビブラートやチョーキングまで泣かせる。

 

 

 

そこからミヤのカッティングを合図に始まったのは「気化熱」。ところがリハとは拍数の違うところからKenが弾いたらしく、さあ、大変。

みんな、戸惑って、演奏を中断という事態に。Kenは「俺が早かった?」と言えば、

逹瑯も「Kenさん、弾かなきゃいい。…いや、好きなところで入ってください」と謙虚に言い放つ。

このハプニングで和やかなムードに包まれる中、改めて「気化熱」へ。

互いにアイコンタクトを交わしながら、まずミヤがソロを弾き、Kenがチョーキングも絡めたソロで流れを作る。

笑顔で腕を上げて、夢烏たちを煽るKen25周年のサプライズが続くライヴに鼓動は早まるばかりだ。

 

「長い長い時間を掛けて、ここまで来たと思っています。それでもまだ途中。

これからも長い長い時間を掛けて、共に旅をしようじゃねえか! 行けるところまで行こう!!

 

MUCCで活動をスタートさせて25年以上、すでに四半世紀の付き合いを超えているメンバー。ここまでの長い道のりでは紆余曲折もあった。

もがくことだって数知れず。それでも突き進もう。そうした意思を描き出した「耀 -yo-」をはじめ、

前向きな思いや願いを自分たち自身にも向けた曲を次々に響かせるMUCC

共に声を出し、歌い、叫び、ポジティブなエネルギーでいっぱいの会場だ。

 

「全力で俺の列車に乗ってこいやー! いくぞ、出発進行!!

 地獄の煽り番長=YUKKEによる振り切った煽りも連発され、歓声も笑いも歌声も渋滞状態になることもあったが、

ステージ上も含めて、どこもかしこも笑顔だけが輝くライヴとなった。

 

 

 

 

本編ラストをストリングスも加わった「リブラ」で感動的に締めくくったが、当然、アンコールは鳴りやまない。

それに応えて再登場したMUCCは夢烏たちに感謝しながら、しかし、いつものようにアンコールでは話題に事欠かない井戸端会議も。

さらに、変な顔やポーズでもこの照明ならカッコよく見えるかを競うという、妙な催しまで開催。

そのポーズから始まった狂乱の「蘭鋳」、MUCCの原点にして始まりの曲「娼婦」と続き、

このツアーで彼らが締めくくりの曲として常に響かせてきた「WORLD」が広がる。

 

 

 

コロナ禍の真っ只中に作ったこの曲は、音源のままでは未完の状態でもあった。ライヴでみんなと一緒に歌ってこそ完成する曲だからだ。

今回のツアー<Timeless>の初期は、ライヴで声出しもできない世の中で、ずっと未完のままだった。

それがツアー途中から声出しも解禁され、ようやく完成へと歩みを進めていく。

今、国際フォーラムでは夢烏たちの大きな合唱が鳴り響き、その歌声を幸せそうに浴びるメンバー。

そしてこの素晴らしい光景を未来へとつなげるため、さらに気持ちを込めて演奏し歌うMUCC

「ここにいる全員、そしてここに来れなかったヤツら、関わってくれた全てに愛を!」

 

全員でのコーラス・ハーモニーの中、グランドファイナルの最後にMUCCが用意していたのは「Timeless」。

自然に溢れるものが零れ落ちないように、ときおり、表情を上向きにしてライヴするメンバーの姿も胸を打つ。

感謝の思いが詰まった音と歌が、いつまでも全員の心を震わせ続けた。

 

またライヴの終了と同時に、20246月にニューシングルを発表することや、

202469日=東京・渋谷Spotify O-EASTを皮切りに<MUCC 2024TOUR>の開催などが、オフィシャルサイトで発表されている。

 

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20231228() 東京国際フォーラム ホールA

MUCCMUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End toTimeless&WORLD』」

SETLIST

 

01. サイレン

02. 咆哮

03. 99

04. 謡声

05. ファズ

06. 最終列車

07. 路地裏 僕と君へ

08. ガーベラ

09. アンジャベル

10. -so-

11. 雨のオーケストラ with Sakura

12. 25時の憂鬱 with Sakura

13. 志恩

14. G.G.

15. アゲハ with Ken

16. 気化熱 with Ken

17. 耀 -yo-

18. フライト

19. ニルヴァーナ

20. 名も無き夢

21. リブラ

<アンコール>

22. 蘭鋳

23. 娼婦

24. WORLD

25. Timeless

 

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LIVE>

 

■『MUCC 2024TOUR

202469()   Spotify O-EAST ※朱ゥノ吐+会員限定公演

2024610()  Spotify O-EAST ※昼公演

2024615()  GORILLA HALL OSAKA

2024616()  GORILLA HALL OSAKA

2024622()  山形ミュージック昭和session

2024623()  仙台Rensa

2024629()  名古屋ボトムライン

2024630()  名古屋ボトムライン

202473()   渋谷WWW X

202476()   福岡BEAT STATION

202477()   福岡BEAT STATION

2024711()  PALOOZA

2024720()  浜松窓枠

2024721()  浜松窓枠

2024726()  東京キネマ倶楽部

2024727()  東京キネマ倶楽部

202483()   水戸VOICE

202484()   水戸VOICE

※詳細後日発表

 

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RELEASE>

 

NEW SINGLE 20246月発売予定

※詳細は後日発表

 

NEW ALBUM 「Timeless」発売中

<収録曲> 1.サイレン 2.G.G. -Timeless Ver.- 3.under the moonlight 4.99 5.リブラ -Timeless Ver.- 6. -so-

 7.ガーベラ -Timeless Ver.- 8.死の産声 9.耀 -yo- 10.路地裏 僕と君へ -Timeless Ver.- 11.Timeless 12. -ku- (JaQwa Remix)

【特別特装盤(朱ゥノ吐+会員限定生産盤 )】6,900円(税込)※送料別

   ※受付中(残り僅か) https://fanicon.net/web/shops/4122   

【通常盤】 3,520円(税込)

Timeless Music Video https://youtu.be/CXTD8sAHz1Q  

 

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<映像作品>

 

★「MUCC ライヴ クロニクル5 25TH ANNIVERSARY上巻」 2024214()発売

【朱ゥノ吐+会員限定盤 】 39,250円(tax in) 特製68Pブックレット付

<収録公演>

 202254日「MUCC 結成記念日?Beginning of the 25th Anniversary?Special Acoustic in 味園ユニバース公演」

  2022822日「MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~京都KBSホール公演」

  20221031日「MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~是空・朽木の灯~ CLUB CITTA’公演」

  2022115日「MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~是空・朽木の灯~ 神戸 Harbor Studio公演」

  20221214日「MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~是空・朽木の灯~ KT Zepp Yokohama公演」

  2023214日「MUCC 25th Anniversary Special Liveムック試験導入公演その5.暴れて、感じて、声出しOK。『咆哮』GORILLA HALL OSAKA公演」

※主要公演のみを収録した通常盤も発売予定です。

 

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★「MUCC ライヴ クロニクル5 25TH ANNIVERSARY 下巻」 2024424()発売

【特別特装盤(朱ゥノ吐+会員限定生産盤 )】39,250円(税込) 特製68Pブックレット付

 ※受注受付 2023 1228日(木)2100?202429日(金)2359 https://fanicon.net/web/shops/4122 

 

<収録公演>

202348日 MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~鵬翼・極彩~ -Official Bootleg- 大阪城音楽堂公演

202356日 MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~鵬翼・極彩~ 日比谷野外大音楽堂公演

202381日 MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~志恩・球体~ -Official Bootleg- 浅草花劇場公演

2023821日 MUCC 25th Anniversary TOURTimeless」~志恩・球体~ 水戸市民会館公演

2023104日 MUCC 25th Anniversary TOUR Timeless?カルマ・シャングリラ? -Official Bootleg- 渋谷 CLUB QUATTRO公演

20231111日 MUCC 25th Anniversary TOUR Timeless?カルマ・シャングリラ? なんばHatch公演

 

※主要公演のみを収録した通常盤も発売予定です。

※詳細は後日発表致します。

 

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BOOK

■アニバーサリーブック 結成25周年記念スペシャルエディション「MUCC 不朽」発売中 3,960(税込)

 

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