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2024年01月23日 (火)

【ライヴレポート】<Luv PARADE Tour 2024 -WAKE UP and REVOLT>◆2024年1月24日(水)SHIBUYA DIVE◆「これからも新しい世界を一緒に、未来を切り開いて行こうぜ!」

REPORT - 12:00:13

「今までLuv PARADEは過去作った曲やカバー曲を中心に、それぞれがサイドプロジェクトとしてやってきましたが、新しい気持ちでLuv PARADEをやりたいなと思っています」

 

アンコールでのKaryuGt)の言葉。それが『Luv PARADE Tour 2024 -WAKE UP and REVOLT-』における大きな決意であった。2024124日、本ツアーのファイナルを迎えたSHIBUYA DIVEのステージは、ツアーを通してさらに絆を深め、よりロックバンドとして進化した4人の姿があった。

 

照明で赤く染まった会場、無機質に鳴らされるSEともに4人が登場すると大きな歓声が巻き起こる。Karyuがおもむろに弾く粘り気のあるリフから、ビートがけたたましく打ち鳴らされる。新曲「MIDNIGHT SUN」でライブは幕を開けた。どこかオリエンタルな匂いを放つメロディと激しくヘヴィネスなサウンドが絡み合い、一気に解き放たれる伸びやかなサビへと向かう。強靭と柔軟のバランスに優れるLuv PARADEの真骨頂といえるべき楽曲だ。堂々たるバンドの姿を初っ端から魅せつけた。

 

「ようこそぉぉ!」TAKAVo)が吠えると「Toxic」、「Poker Face」と、もはやオリジナル曲というべきものへと昇華された洋楽カバー楽曲で妖しく美しく魅了していく。

 

「一緒に最強のファイナルを掴み取ろうぜ!!」

 

煌びやかなシンセサウンドとダンスビートにフロアが揺れた「LOVE IS DEAD」、無機質なデジタルサウンドに絡むZEROBa)の堅牢なグルーヴのうねりと、TSUKASADr)のがっしりとタイトなビートが映える「BORN」、D’ESPAIRSRAY楽曲でライブのボルテージを容赦なく上げていく。そして「少し古い曲を」とのTAKAの言葉で披露されたのはthe Underneathの楽曲「インソムニア」だ。Luv PARADEとしては本ツアー途中から初披露となった。ダークさを帯びたサウンドにTAKAの艶っぽい低音ボーカルがまどろみ、ファルセットが舞う。そうした妖艶さはそのまま「BAD GUY」に流れる。グラマラスなボーカルと貫禄と自信に満ちたアンサンブル。地鳴りを起こす重低音で曲を締めるとKaryuが不穏なフレーズを奏でた。「DAMNED」へ傾れ込むとフロアのオーディエンスの頭が一斉に振り乱れる。異国情緒に溢れた同曲の世界へと誘われていく。

 

 

 

 

Luv PARADEの妖艶な世界に魅せられたブロックから一変。続くは「My Heart Will Go On」、そして「Hyperballad」と神秘的なサウンドが閃光とともに放たれ、優美な世界が広がっていく。前曲のドラマチックで壮大なアレンジ、後曲の情景に時を刻むかのようなTSUKASAの華麗なドラミングに惹き込まれる。そしてTAKAの美声にただただ圧倒され、その表現力に会場全員が酔いしれた。

 

「このツアーがあったおかげで、我々年末年始もあったもんじゃねぇというようなそれ以上に年明け早々ツアーを始められるということを楽しみにしていました。今日は高いところまで一緒に登って2024年最高のスタートにしようぜ! 行けるところまで行こうぜ!」

 

TAKAの煽りで始まった「Dub-I-Dub」。軽快なリズムに合わせて、フロアは上下に揺れていく。「DEVILS’ PARADE」(D’ESPAIRSRAY)、「BITE THE BULLET」(the Underneath)と、両バンドの関係を確かめ合う攻めの2曲で会場の熱気は最高潮に達した。

 

 

 

 

「いい顔になってきてんな! いい声出てきたな! 行けるかー! 行けるかー!」

 

フロアの様子をTAKAは満足げに眺めるもさらに煽っていく。「Forbidden」からのラストスパート。煌びやかなサウンドと眩いメロディが交差していく「BRILLIANT」でバンドアンサンブルの圧倒的な強さを見せ、ラストナンバー「MIRROR」ではソリッドに、エッジィに、駆け抜けた。

 

“Luv PARADE”コールに迎えられたアンコール。「たった5本のツアーでしたけど、自分たちにとっても応援してくれる皆さんにとってもひとつ上の段階に行けたツアーだった」と語るTAKA12年ほど前、Luv PARADEとしてこの4人で初めてステージに立ったときにやっていた曲だというBUGのカバー「NEW WORLD」で古くからのファンを喜ばせ、「sk8er boi」ではち切れんばかりのビートを熱く届けた。

 

 

 

 

各メンバーそれぞれの言葉で感謝を述べる。Karyuの「サイドプロジェクトではなく、新しい気持ちでLuv PARADEをやりたい」という言葉を受け、TAKAは「ゲストボーカル TAKA“という形で書いてありますけど、この座を誰かに譲る気持ちは全くありません! 代わりにできるやつなんていないと思ってます!」と強く口にし、オーディエンスを沸かせた。さらに推しのメンバーがいるバンドではなく、推しのバンドLuv PARADE”として活動していきたと宣言した。

 

「俺たちがLuv PARADEだ!」

 

そう言って、「The NeverEnding Story」を投下。TAKAのカウントで会場一体となりジャンプし、掲げられた両手が右へ左へと大きく揺れた。

 

「俺たちにとっても、みんなにとっても始まりの日になりました。これからも新しい世界を一緒に、未来を切り開いて行こうぜ!」

 

ラストはLuv PARADE初のオリジナル曲「NEW WORLD」。ヘヴィでラウドで、かつ美しい同曲。低い重心とアタックの切れ込むようなメリハリの効いたサウンドが狂い咲き、サイドプロジェクトではない、本格的なバンドとしての宣言をその演奏で高らかに示した。

 

ダブルアンコールでは、あくまでライブは終わったとして、事前告知されていたオーディエンスのスマホ撮影OKでの「MIDNIGHT SUN」を再び披露した。最初よりもいい意味でラフに、荒々しく、狂おしく奏でる。

 

「オン・ドラムスTSUKASA、オン・ベース ZERO、オン・ギター Karyu、オン・ボーカル、TAKAでした。また会いましょう! Luv PARADEでした」

 

TAKAがメンバーを1人ずつコールしていく姿に新たなLuv PARADEの始まりを感じた。初ライブ、再結成ライブの記念月である6月から始まる、音源を提げてのツアー『Luv PARADE TOUR 2024JOKER」』がもう楽しみで仕方ない。

 

 

(ライブレポート・冬将軍/写真・堅田ひとみ)

 

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【配信情報】

Luv PARADE Tour 2024WAKE UP and REVOLT

120日(土)SHIBUYA DIVE公演アーカイブ配信中

チケット販売:2024219日(月)21:00まで

アーカイブ視聴期間(最長):2024219日(月)23:59まで

配信はこちら

https://parade.zaiko.io/e/WAKEUPandREVOLT

【ライブ情報】

Luv PARADE TOUR 2024JOKER

 

601() 新横浜NEW SIDE BEACH!! 開場16:30開演17:00

602() 西川口Hearts開場16:30開演17:00

608() 名古屋 SPADE BOX 開場16:30開演17:00

609() OSAKA MUSE 開場16:30開演17:00

616() 新宿ReNY開場16:15開演17:00「★U-19

FC優先受付中!

オフィシャルサイトはこちら

https://parade.bitfan.id/contents/144583

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Luv PARADE Official SITE

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2024年01月22日 (月)

【ライブレポート】2024年1月6日(土)新宿BLAZE◆ν[NEU]主催イベント「タイムカプセル」開催!──「今が“最高”だと言える場所を作りましょう」

REPORT - 21:00:48

ν[NEU]主催イベント『タイムカプセル』の初日となる東京公演が、1月6日に新宿BLAZEにて開催された。今回のイベントは全3本立てとなっており、2月11日に大阪MUSE、3月17日に名古屋名古屋ReNY limitedでも開催を控えている。2024年の幸先の良いスタートを切ったと言える、東京公演の模様をレポートしたい。

 

 

   ◆     ◆     ◆ 

 

 

「あの頃が最高だったじゃなくて、今が最高だと言える場所を作りましょう」――mitsu

 

いきなり結論からで恐縮だが、今回のν[NEU]主催イベント『タイムカプセル』の開催趣旨は本公演の最後にmitsuが残した言葉通り、“こういうこと”だ。過去に対バンしたことがあるバンド、ν[NEU]と同じように解散から復活を経験したバンド、そして今を生きているバンドたちといった顔ぶれが揃い、東京・大阪・名古屋にて行われる。その中でも、イベント初日でもあり2024年のスタートでもあった東京公演には、同じ時代を生きてきた言わば“戦友”が集結していた印象だった。

 

 

 

 

 

ソロヴォーカリストとしてのmitsuのステージから幕を開けたイベントは、HERO、DaizyStripper、ユナイト、Royzへとバトンを繋いでいき、そのステージのどれもがとにかくアツかった。2013年のν[NEU]解散以降、ソロに転身して歌う事をやめなかったmitsuのソウルフルなステージに続いて、10年越えのキャリアのあるバンドがそれぞれの“戦い方”を30分に凝縮。“よく対バンしていたあの当時”を思い出させる楽曲と最新の楽曲とが、バンド活動を続けてきたからこそのドラマや貫禄をもって届けられると、もはやSOLD OUTと言ってもいい程につめかけた観客は熱のこもったライブステージを受けて、ダイレクトに感情を声や体で表すことで生まれる圧巻の一体感を生み出していた。

 

そのバトンを最後に受け継いだのが、今回のオーガナイザーでもあるν[NEU]だ。新年一発目のライブという事でメンバーは袴姿で登場し、幕開けと同時にスタートした「恋模様」からハートフルかつポップに会場を包み込んでいく。以降、この日用意されていた楽曲は「Jumping Lady!」や「cube」といったハードな面と、「YES≒NO」や「ピンクマーブル」といったライブではキラーチューンと位置付けられる楽曲を交互に繰り出すという“攻め”なセレクトだった。容赦ないアプローチに場内に広がるキラリンパ(光る指輪)のカラフルなライトは終始揺れ続け、ラストは「The 25th Century Love」でν[NEU]とその他の出演バンドのタオルが一面に旋回する情景を生み出しながら、まさにこの曲が歌う“素晴らしい世界”を望む形での締めくくりとなった。しかし、mitsuが「あともう1曲、やっちゃおうかな」と言うと、出演者をステージへ呼び大セッションタイムへ。ドンペン(ドン・キホーテ公式キャラクター)もゲストで登場し、「ピンクマーブル」で半ばハチャメチャなダンスホールと化した中で迎えたエンディングとなった。

 

 

 

 

 

現在のν[NEU]の活動において大きなテーマとなっているのが、“〈過去〉を〈今〉に連れてきて、さらに〈今〉を〈未来〉へと繋げる”こと。その中で今回の『タイムカプセル』という対バンイベントは、非常に多くのものを感情として与えてくれる事を確信した初日だったとも言える。かつて素晴らしいバンドが生まれ、初期衝動のもとに切磋琢磨していた事。そしてなにより、彼らは今もなお存在している事。さらに、彼らが作り上げる音楽を通したエンターテインメントにはまだまだ可能性があって、その魅力を信じて追いかけるべき未来がある事。そんな“時間”をキーワードにヴィジュアル系シーンに心躍る時間を体感できる『タイムカプセル』と題されたイベントは、大阪・名古屋へと続いていく。また、各公演の翌日には“ドン・キホーテ”との斬新なコラボイベントも開催予定だ。しかしこれだけにとどまらず、本公演終演後には「Re:2man」と題し、4月にFEST VAINQUEUR、GOTCHAROCKAとの2マンライブをいずれも原宿RUIDOにて開催することが新たに発表された。

 

いよいよ、ν[NEU]が定めた“ゴール”となる2024年12月29日まで1年をきった。紆余曲折を経て、このメンバーで今だからこそできるν[NEU]の形でベストを目指していく。「いろんなこと、諦めちゃダメだよ。ちゃんと楽しい事を探していくんだよ、ここからが楽しいんだからな!」とmitsuが言う通り、こうしている間にも動き続けている時間の中で“今”感じている最高潮は、ここからの楽しみを作る大いなる源となるはずだ。

 

 

 

Text:平井綾子
Photo:前田俊太郎

 

 

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【ν[NEU] SCHEDULE】

 

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2024年2月10日(土)ドン・キホーテ 大阪 梅田本店

ハイタッチ&限定ポストカード プレゼント会・直筆サイン会

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2024年2月11日(日) 大阪MUSE

ν[NEU] 主催イベント『タイムカプセル』

出演:ν[NEU]、DaizyStripper、零[Hz]、THE MADNA、グラビティ、mitsu

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2024年3月2日(土) 渋谷REX

mitsu&ν[NEU] 2MAN LIVE

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2024年3月16日(土)ドン・キホーテ 名古屋 栄本店

ハイタッチ&限定ポストカード プレゼント会・直筆サイン会

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2024年3月17日(日) 名古屋ReNY limited
ν[NEU] 主催イベント『タイムカプセル』

出演:ν[NEU]、DaizyStripper、カメレオ、DIV、ダウト、mitsu

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2024年4月13日(土) 原宿RUIDO

「NEU FEST」~FINAL~

出演:ν[NEU]、FEST VAINQUEUR

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2024年4月21日(日) 原宿RUIDO

<GOTCHA≒NEU> FINAL

出演:ν[NEU]、GOTCHAROCKA

 

 

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▼ν[NEU] Official X
https://twitter.com/neu_official

▼ν[NEU] Official Web Site

https://neu-official.com/


2024年01月15日 (月)

【ライヴレポート】アンティック-珈琲店- <LIVE CAFE 20th Anniversary Final NYAPPY FOREVERo(≧∀≦)o Thank you all caffekko thank you all staff>2024年1月6日(土) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)◆「またこうやって集まれる時はみんなの顔を見たいですし、それまでどうか幸せに暮らしていてください。」──みく(Vo)

REPORT - 18:00:31

 201916日をもって活動を休止したアンティック珈琲店’22624日に約3年半ぶりとなる復活ライブを行ったことは、カフェっ仔(アンティック珈琲店ファンの愛称)に限らず、多くのリスナーから注目を集めた。<OSAKA MUSE 35周年イベント“OUR CANVAS”>への出演依頼を受けて実現した同公演を経て、彼らはアンティック珈琲店20周年を迎える’23年に活動を行うことを決意。活動再開を信じて待ち続けていたカフェっ仔や’19年以降にアンティック珈琲店を知った人達が快哉の声をあげたことは想像に難くない。

 

‘23年に入ってからのアンティック珈琲店15日・6日にZepp Haneda(TOKYO)で<LIVE CAFE 20th Anniversary「令和で初NYAPPY o(≧∀≦)o>」と銘打ったライブを行い、8月には東阪ツアーとなる<LIVE CAFE 20th Anniversary NYAPPY SUMMER NIGHT o(≧∀≦)o「アンカフェ、二十歳の夏~思い出せよ無邪気な頃~」>を開催。さらに、1025日にドラマCD『バンドる!~バンドでアイドルしようぜ~』の主題歌となる「Fly again」をリリースするなど、充実した動きを見せた。

 

ライブは毎回大盛況で、「Fly again」も高い評価を得るなど、アンティック珈琲店20周年は華々しいものとなった。そして、そんなアニバーサル・イヤーを締め括る公演<LIVE CAFE 20th Anniversary Final NYAPPY FOREVER o(≧∀≦)o Thank you all caffekko thank you all staff>が、’2415日・6日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われた。今回の再集結は20周年限定だったことから、同公演は以降のスケジュールなどが完全に白紙の状態で開催。両日ともに多数のオーディエンスが集まり、大団円の16日公演はカフェっ仔の2デイズでよかった。1日だと気持ちの整理がつかないから」といった声が聞こえてくる中でのライブとなった。

 

落ち着いた雰囲気のオープニングSEが流れ、ステージ前面に下ろされた紗幕にメンバー達のシルエットが浮かびあがる。客席から起こる大歓声と拍手を圧するように「気合い入れていこうぜ、渋谷!」というみくの声が響くと共に紗幕が落ちて、「メープルガンマン」からライブは始まった。眩い光に染め上げられたステージにメンバー5人が並び立った情景とアッパーなサウンド、そしてオーディエンスが身につけた七色のサイリウムの光が揺れ動く客席。ライブが始まった瞬間からLINE CUBE SHIBUYAの場内は、アンティック珈琲店ならではの華やかな空気で満たされた。

 

その後は「ニャッピーo(≧∀≦)o!アンティック珈琲店です!集まってくださって、本当にありがとうございます。20周年イヤーを一生懸命走り続けて来て、丸々1年経ったのかな。会えない時間とかも多くて思いが沢山胸の中にあると思うけど、それを余すことなく僕らにぶつけてもらいたいと思うし、僕らもしっかり届けたいと思います」というみくのMCを挟みつつ緊迫感を湛えた「逃避回路」やスタイリッシュ&パワフルな「生きるための3秒ルール」、’90sが香る「千年DIVE!!!!!」などが演奏された。

 

圧倒的なピッチの良さや絶妙の抑揚などが光るみくのボーカルと楽器陣による鉄壁のアンサンブルが生む上質なサウンドは心地よさに溢れているし、フィジカルなステージングを展開しながら演奏するメンバー達の姿に目を奪われずにいられない。オーディエンスも一体感のあるリアクションを見せ、場内の熱気はどんどん高まっていった。

 

ライブ中盤では「坊(アンティック珈琲店の旧ギタリストであり、バンドの創立者)くんへの沢山の感謝を込めて歌います」というみくの言葉と共に届けられた「オレンジドリーム」やウォームな「YOU」を経て、楽器陣にスポットをあてた「エトセトラ」を披露。お正月太りした身体を引き締めるエクササイズやこの人生で1度は言ってみたい甘いセリフなどで、客席を大いに沸かせた。「ダックのマジカルアドベンチャー」で挿入されたそれぞれが思うアンティック珈琲店のライブの定番曲を同時に言って、外したメンバーは罰ゲームという企画なども含めて、メンバーの素顔に触れられることも彼らのライブの大きな魅力といえる。今回のライブも大がかりな演出などに頼ることなく、等身大でオーディエンスを楽しませるメンバー達の姿が印象的だった。

 

ハイテンションな「モウソウモモウソロソロ」で幕を開けたライブ後半では、勢いと爽やかさを融合させた「Fly again」や疾走感を放つサウンドとキャッチーなメロディーを活かした「覚醒ヒロイズム」などが畳みかけるように演奏された。暴力的な激しさではなく、爽快感を湛えていき上げていくアプローチは気持ちを引き上げる力に溢れていて、オーディエンスの熱気もさらに高まっていく。本編のラストを飾った「スマイル一番イイ」で盛り上がりは最高潮となり、アンティック珈琲店がステージから去った場内は華やいだ余韻に包まれていた。

 

数年のブランクをものともせず、1年間に亘ってより魅力を増していることを見せつけ、上質なライブで20周年を締め括ったアンティック珈琲店。エモさや心地よさを備えたハイ・クオリティーな楽曲や秀でた演奏力、メンバーのキャラクターを活かしたエンターテメント性などが折り重なった彼らのライブは、他では味わえない魅力に満ちている。アニバーサル・イヤーで唯一無二の存在であることをあらためて示しただけに、彼らが再び終結してくれることを強く願わずにいられない。

 

最後にアンコールを終えたメンバー達がステージ上で語った言葉を記しておこう。

 

 

「みんなのお陰で、本当に幸せな1年間をいただけました。この1年でメンバー全員音楽が好きで、アンティック珈琲店が好きだということと20年間なにがあっても支え続けてくれたみんなへの思いがあって、このバンドをやっていることを感じました。この後の僕達の予定はなにも決まっていないけど、僕達とみんなの中にある今の思いが次のライブにつながっていくと信じて、その日を楽しみに待っていようと思います。また、必ずアンティックカフェのライブで会いましょう。本当に、ありがとうございました」(輝喜)

 

 

 

「みんなに感謝しているし、このライブをしていてもこんな幸せを味わっていていいのかなと思うくらい幸福感に包まれていました。これだけファンのみんなとメンバーとスタッフが仲よしのバンドが終わることはないと思う。だから、またいつか会いましょう。20年間支えてくれて、ありがとうございました!」(ゆうき)

 

 

 

 

「この1年間、久しぶりの撮影だったり、久しぶりのスタジオだったり、いろんな経験をしてきて。この1年を通して、やっぱりバンドはすごく面白いなと思った。でも、20周年で活動しますと言った時にお客さんが1人だったら開催されなかったと思う。開催できたのはこれだけ集まってくれる皆さんのお陰だと思います。本当に、ありがとうございました」(カノン)

 

 

 

 

 

「今まで本当に沢山いろんな景色を見せてもらって、11つが大切な思い出で、今日のライブも10年後、20年後、お爺ちゃんになっても忘れることはできないんじゃないかな。すぐに思い出せる、すごく幸せなライブだったと思います。さよならを言うつもりはなくて、またみんなで楽しい思い出をいっぱい作れたらいいなと思っています。また、会いましょう。ありがとうございました」(takuya

 

 

 

 

「ずっと僕らのことを応援してくれて、心配してくれて、一緒にいてくれて、ありがとうございました。沢山活動を止めちゃったりして、いろいろ心配かけて。けど、戻ってくれて、待ってくれて、本当にありがとう。僕はたまに言われるんです、アンカフェを守ってくれてありがとうみたいなことを。僕はそんなことは全く1ミリも思っていなくて、守ってくれていたのは本当に皆さんです。だから、僕の中ではメンバーと同じくらい大切な存在です。僕にとって家族のような存在で、本当にみんなの幸せを願っています。またこうやって集まれる時はみんなの顔を見たいですし、それまでどうか幸せに暮らしていてください。遠くから幸せを祈っています。ありがとうございました」(みく)

 

 

 

 

 

取材:村上孝之

写真:菅沼剛弘

 

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LIVE CAFE 20th Anniversary Final

NYAPPY FOREVERo(≧∀≦)o

Thank you all caffekko thank you all staff

202416()

LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

<セットリスト>

 

 

SE

01.メープルガンマン

02.逃避回路

MC

03.生きるための3秒ルール

04.千年DIVE!!!!!

05.テケスタ光線

06.スノーシーン

MC

07.恋のディペンデンス 

08.オレンジドリーム

09.YOU

10.エトセトラ

11.NYAPPY in the world

12.AROMA

13.モウソウモモウソロソロ

14.ダックのマジカルアドベンチャー

15.Fly again

16.覚醒ヒロイズム~THE HERO WITHOUT A “NAME”

17.スマイル一番イイ♀

 

EN.1

18.ラフ・ソング

19.BondS ~絆~

 

EN.2

20.世界にたった一つの温もり

 

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YouTubeチャンネルURL

https://www.youtube.com/c/ancafe20th

Official Web Site

https://ancafe-20th.com/