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2016年06月10日 (金)

【ライブレポート】2016年6月5日(日)★DaizyStripper全国47都道府県制覇TOUR FINAL & 9th Anniversary Special Live「KISS THE FUTURE〜47 Runners High FINAL〜」in 日比谷野外大音楽堂

REPORT - 17:26:07

 

今年2月からスタートした、全国47都道府県制覇ツアーの最後を締めくくるのは、バンドにとって(ワンマンで)初めての野外公演とあって、観る側のワクワクも倍増していた。

朝まで雨が降っていた東京も、このライヴの為に…と言わんばかりに、開演前には晴れ渡る空を用意。

ステージ後方に、この約4ヶ月間の全国各地での模様が映し出されると、早くもこみ上げてくる何とも言えない感情の大きさに驚く。

『トレゾア』のイントロに促されるようにメンバーが集結して、ワクワクの扉を一気に開け放った。

 

最初の1~2曲は、リハーサルとは違う、観客が入って大きなレスポンスがある状態での野外という状況に、少し難しさを感じているようにも思えた。

実際に直後のMCで「外に声が流れていく」ことへの不安があったと夕霧が吐露。

それでも、「最高にかっこいい、胸に残るライヴをしような!」「ただのファイナルじゃないんだよ!!」と鼓舞して叫ぶ。手探りであっても常に怯むことなく突き進む彼らだから、そのすぐ後から自分たちの世界を得意げに作り上げていく。5人の笑顔は、未知の領域を存分に楽しんでいることを物語っていた。

『SUMMER VACATION』でチアガールが舞台に散らばり踊り出すと、一気に夏のビーチ感が広がって、そこにいた誰もが掛け声と共にウキウキモードへ突入し中盤まで駆け抜ける。

折り返し地点となる『Wind of Venus』では、それまでの雰囲気を一転。歌詞を映像で流しながら、聴覚と視覚でじっくりと9年分の「愛しています」を伝える時間を作った。

 

このツアーの全ヶ所で言ったという『ARREST』の曲紹介と振り付け講座を受け、お馴染みとなったサビの“心臓マッサージ”パフォーマンスは、メンバーから見たら圧巻の光景だったろう。

そこからは、ラストに向けて煽りを何度も挟んで激しく加速。

『BLACK DROPPer』には、なおのやんちゃさは増々炸裂。野外だろうと客席にダイブするその純粋さが微笑ましい。

まゆは、ツアー中で培ったギターを回す技を披露。腰を低く落とし、静かに…でも熱くプレイしていたReiも、ステージを動き回ってシャウトしたり笑顔を見せながら、観客だけでなくメンバーにも時折寄り添って心を通わせている。

「俺が水をやるから綺麗に咲きな!!」と、夕霧はウォーターガンを客席に向けて勢いよく噴射してドヤ顔を垣間見せた。

風弥も一瞬ドラムセットから離れ、夕霧のウォーターガンを受け取ると、それまで後方で見守ってきた分、フロントで興奮を爆発させる。

そして、ありったけの想いを最後の『decade』で放出。この曲が好き過ぎるからと、10年目突入を機に録り直したいと発表し、ファンの声をそのまま収録。

歴史ある代表曲の生まれ変わりに参加できる喜びは素敵なサプライズとなったはずだ。

 

アンコールはまず、ツアーを経験しここで5人がバンドの9歳の誕生日を迎えた素直な想いをそれぞれに語る。

 

「9年間いろいろな人に支えられてきた。

47都道府県にありがとうと言えるツアーだった。

そして9年経った今、まだまだやりたいことがあるなと思えた」(まゆ)

 

「9年続けるのは大変なこと。

本気でケンカできるこのメンバーだからできたこと。

こいつらじゃなかったらココにいない。

この居場所をずっと守り続けていきたい」(Rei)

 

「今日を迎えられたことが本当に嬉しい。

俺が9年続いたことってDaizyStripperしかないから、メンバーにもみんなにも感謝しかない」(なお)

 

「ゴールって、俺らの言葉で言うと“未来”だなってツアーを通して思った。

お前らがいてくれたら、10年後も20年後も笑っていられる」(風弥)

 

「ファンもメンバーも関係が本当に温かいのがDaizyStripperのいい所。

あのバンドのライヴに行くと元気になるっていう存在でありたいと思ったツアーだった」(夕霧)

 

その言葉を噛みしめて聴く『SMILE WORLD』は、ミラーボールの放つ輝きが、日が落ち暗くなってきた会場を満天の星のように彩りとても幻想的。

その後は対照的に、メンバーの笑顔の花が咲き誇るエンディングとなった。

Wアンコールの『BIRTHDAY SONG』は、スクリーンにこれまでの9年間の活動の軌跡やMV、メンバーの幼い頃の写真が曲と一緒に次々と流れ、タイトルに相応しい演出に歓喜の声があがる。

曲が終わり、『BIRTHDAY SONG』のカラオケを合図にメンバーが舞台中央に集まると、音楽に合わせてファンが大声で歌のお返しをし始めた。

肩を寄せ合って聴き入ったメンバーは心を動かされたのか、もう1曲プレゼントをくれた。

やっぱり聴きたかったDaizyStripperのスタートの曲『ダンデライオン』! 

 

私事であるが、初めて彼らを取材したのは、結成から約1年、スタジアムでのイベントライヴで、リリースして間もないこの曲を披露する姿だった。

今日と同じように空の下でのびのびと演奏し歌う5人の目は、あの時も今も変わらずキラキラしていて、「9歳…早いな。昨日のことのようです」と言っていたメンバーと同じ気持ちになった。

進化をし続けながらも、核の部分に全くブレがないこの希望にあふれたDaizyStripperだからこそ、「9周年と言わず100周年目指してるから、死なずについてこいよ!! 俺たちはお前らが生きがいなんだ!!」という言葉に、誰もが真剣に「YES!!」の返事をしたことだろう。

照明が落ちてから改めてライヴを振り返り、なんて愛にあふれたバンドなのだろうと思った。

彼らのライヴはいつも、ファンをはじめ、バンドに関係する全ての人から受けた愛情を、音楽という愛で恩返しをしているように見える。

そしてその愛に応えるたくさんの想いが、声援に溶け込んで彼らを包み込んでいる。

だから毎回、会場全体がものすごく愛に満ちているのをひしひしと感じるのだ。

その愛の強さが、これまでで一番とも思えるアニバーサリーのステージだった。

 

「結成1年目に、10年やれるバンドにしようと言っていた。

人間は、100個褒められても1個けなされたら潰れちゃう。

DaizyStripperも心無いことを言われたこともあるけど、こうして今でもDaizyStripperを貫いている。

(だから今は)涙の数より笑顔の数が勝ち越した気がしている。

俺たちよりかっこいいバンドはいくつもあるけど、俺たちでしか埋められないものがある」

 

…この先何度も迎えるであろう誕生日の度に、この彼らの強い意志を思い出し、みんなでこの愛を大きく育て、喜びと愛しさをお互いに感じ続けていくのだと確信した。

 

 

ライター:袖山綾子

 

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10th Anniversary Project 「decade」追加発表!

 

第6弾

DaizyStripper主催2マンLIVE「2007」開催決定!

 

 

10月3日(月)TSUTAYA O-EAST 

DaizyStripper×ダウト

 

11月9日(水)TSUTAYA O-WEST 

DaizyStripper×HERO

 

11月15日(火)新宿BLAZE 

DaizyStripper×Mix Speaker’s,Inc.

 

11月16日(水)新宿BLAZE 

DaizyStripper×vistlip 

 

and more

 

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第7弾 男限定ライブ、女限定ライブ開催決定!

 

 

8月20日(土)目黒鹿鳴館「男魂祭り」

8月21日(日)目黒鹿鳴館「女魂祭り」

 

第8弾 New Single & 5人でのFull Album Release決定!

第9弾 2017年47都道府県TOUR開催決定!

 

TOUR FINAL 2017年6月5日(月)Coming soon…

 

第10弾 2017年ついに・・・!!

 

★DaizyStripper★

https://daizystripper.com/

 










2016年06月08日 (水)

【ライブレポート】DEZERT ONEMAN LIVE TOUR 2016【楽しい食卓ツアー】FINAL 6月5日(日)Zepp Tokyo。千秋は叫んだ、「すべてが無意味だ」と。満員の観客たちに呼びかけた、「生きているか?」と。

REPORT - 01:30:49

              

 1月に発売したアルバム『最高の食卓』を手に行い続けてきた全国ツアーも、65()Zepp Tokyoでついにファイナル公演を迎えた。「DEZERT presents DEZERT ONEMAN LIVE TOUR 2016【楽しい食卓ツアー】FINAL】」と題されたこの日のライブ、会場にはびっしりの観客たちが蠢いていた。

 

  よくDEZERTのライブに対して「狂気を孕んだ」という言葉が用いられるが、彼らのライブには、むしろ希望や光が満ちている。この世界には、闇や絶望へ浸ることへ快楽や未来を求める人たちもいる。そう、すべては解釈の仕方だ。こんなにもドス黒くて生々しくて痛い幸福は、ここにしか無いと先に伝えておこう。

 

 この日のライブのアンコールで、千秋は「バンドを演ることも、生きることも無意味だ!!」と叫んでいた。同時に、何度も彼は「生きてるか!!」と声を張り上げていた。それは、自分自身へも向けた言葉だったのか!?DEZERTは絶望を歌う。だけど、その歌に触れていると心に救いを覚えてゆく。その理由…!?。それを、今から説き明かそうじゃないか。

 

 絶望の淵から彷徨い出るように流れ出した黒い演奏。巨大なスクリーンには音がブレイクするたびにメンバーの姿がシルエットで浮かび上がっていた。幕の降りた場内。miyakoの歪みを上げたギターと衝撃を与えた破裂音を合図に、DEZERTのライブは始まりの咆哮を上げた。緩急活かした暗鬱な『「あー。」』に合わせ、会場中の人たちが一斉に頭を振りながら暴れてゆく。「この歌には救いはない」「この場所には救いはない」。救いがないなら狂えばいい。舞台上の絶叫に立ち向かう形で騒ぎ奉ればいい。

 

 「始めましょう」。身体中から魂を振り絞り暴れ狂えと言わんばかりに、千秋の声が熱狂を連れてきた。『「君の子宮を触る」』が、観客たちを絶望の奈落へとガンガンに引きずり込んでゆく。痛い衝動が、なんて快楽を呼び起こしてゆくことか

 

  腹の奥底へと響く音の衝動。黒く重く唸る調べが、身体を揺さぶってゆく。絶望のシュプレヒコールを上げろとでも言わんばかりに。『「肋骨少女」』が精神に鈍い衝撃を与えていた。その音の拳は、舞台上へ傾づきたくなるくらい甘美な嬉しい痛みと慈愛に満ちていた。手を上げ踊り狂う観客たち。放たれる音の痛みが、とてもとても心地好い。

 

 「お前たちの遺書を書こう」。彼らは歌いかけてきた「暗い未来ですか??」と。DEZERTの歌は、絶望という奈落の底から光を見ていた。会場中の人たちも、闇の宴の中、射し込む希望を肌に感じながらも、『「遺書。」』というドス黒い激情に触れ、理性を壊し、ただただ暴れ狂っていた。これぞ快楽を導く昂揚歌だと言わんばかりに。そう、「これが暗い未来ですか??

 

  唸りを上げて駆けだした演奏。『大塚ヘッドロック』を合図に、満員の観客たちが一斉に左右に走り出した。千秋の指示に導かれるように大勢の観客たちが熱狂の中で蠢いていた。踊り狂えばいい、ただただ感情へ導かれるままに騒ぎ尽くせばいい。なんて頭を震撼させる、嬉しいくらいに昂揚を連れ出す黒いグルーヴなんだ。

 

  「愛すべきみなさんのため、僕は本気でこのラブソングをここに届けます」、その言葉を合図に、激烈で重厚な『「殺意」』が鉄槌を食らわすほどの衝撃を持って襲いかかってきた。客席で歌い叫ぶ千秋。螺子の外れた感情を持って、その絶叫を誰もが愛おしく受け止めていた。理性はとっくに壊れている。その勢いを、止めるなんてとてもナンセンスだ。

  一転、刹な色を携えながらも、闇の底を這いずりまわるように、DEZERTはゆったりと『「追落」』を響かせだした。絶望に包まれながら、底へ底へと沈みながらも、何処か浮遊してゆく感覚が気持ちいい。黒く心を塗りつぶし堕ちてゆく感覚の、なんて心地好い良いことか。絶望に浸りたい人ほど、絶望を導く旋律は愛おしい子守歌になる。

 

  ともに歌おうと鼓舞するように流れたのが、ヘヴィなマーチングナンバー『おはよう』だ。スクリーンには、次々と言葉が映し出されてゆく。お前なりの生きるための答えを導き出せと言わんばかりに。今日が終わる前にその意味を感じとれと突き付けんばかりに。DEZERTの歌はとても希望に満ちている。ただ、その言葉が常軌や常識を否定しているだけのこと

 

  空間を活かした痛いセッション。刺を射す音に包まれながら、千秋は歌いかけてきた『包丁の正しい使い方~思想編~』を。清濁活かした演奏が、狂気と狂喜に支配された頭をガンガン攪拌してゆく。なんてサディスティックな快楽だ。SaZの重くうねるベース音が場内に染み渡ってゆく。「生きてる奴は声あげろ」「死んでる奴も声あげろ」!!。鋼のような豪音を轟かせた歌と演奏が会場中を支配した。凄まじい音の唸りに抱かれ、この身さえもぶち壊してくれと言わんばかりの勢いで、誰もが身体を折りたたみ快楽に溺れていた。まさにここは狂った宴の場。「何度も何度も同じことを繰り返す」「直視しろ」とけしかける千秋。観客たちは逆ダイし、何度も何度も雄叫びを繰り返していた。途中、千秋がSaZからベースを奪い取り演奏。SaZが、ベースを手にした千秋が客席に降りて客たちを煽れば、今度はmiyakoからギターを奪い取り、千秋がふたたび客席へ降りて煽っていた。そう、狂うことにルールなんかいらない。必要なのは野獣な感覚。導かれるがまま、ただただ狂えばいい。

 

  「俺はお前たちが嫌いだ、これが君たちへの教育だ」。観客たちの歌と絶叫のやり取りを通し、場内をヘドハンの渦へと染め上げた『「教育」』。「ぶっ潰す!!」、轟音な衝撃を次々とぶつけながら、場内を暴れ奉る様に変えた『「不透明人間」』。理性を叩き壊す気狂った宴は、沸点した熱をもっともっとと煮え立たせていた。

 

 「すっげぇ汚くてうざくて偽物っぽくて、だけどこれが僕たちの正しい歌だ」。場内中から沸き上がった雄叫び。誰もが、自分たちの心に光を指し示す昂揚のエールとして『「セイオン」』を熱狂で抱きしめていた。醜い音が、汚い音が、最高の快楽のように。

 

  深い深い奈落の世界へと導いた演奏。「答えはきっと真ん中にあると思うんだよ」 客席中央で絶叫する千秋へ左右に分かれた観客たちが突進してはグチャグチャにまみれだした。もみくちゃにされながらも、客席のど真ん中で千秋は叫び続けていた。それが至上の快楽だと言わんばかりに。『包丁の正しい使い方~終息編~』が連れ出した狂った絶頂の奉り。続く『「秘密」』でも、ヘドバンのバトルに酔い狂う観客たち。「まわりに流される日本人どもめ、お前らが世の中を悪くするんだ。せいいっぱい息をしろ!!」。4人に煽られ、観客たちは狂い続けてゆく。

 

 舞台上で大きく揺れる無数のかがり火。「苦しいのはお前たけじゃない」。ふたたび奈落の闇の中へDEZERTは観客たちを引き込みだした。感情の振幅に合わせ大きさを変えてゆく炎。『「擬死」』は、4人の心臓へと繋がる動脈のような歌。感情が苦しそうに揺れ動くごとに、その血流は、汚れた音となって触れた人たちの心を汚していく。その血がないともはや誰も生きられないと知っているからこそ、彼らはどんどん黒い血を注ぎ込んでいた。

 

 ゆったりと、闇の底を流れるように場内へ浸透し始めたのが、『脳みそくん。』。静かなる狂気の波紋が会場へと広がる中、アンコールの物語は優しく幕を開けた。

 

 「なんでバンドをやっているのか?!」「全部が無意味なんだ。この言葉の意味が3年後わかるバンドになりたいと思います」「無意味なことをずっと繰り返していこうと思うんです」「無意味に飛んじゃって」。轟きを上げた『MONSTER』に合わせ、無邪気に飛び跳ね、頭を振りまくる観客たち。感情をガンガンに上げてゆく歌が、騒がずにいれない衝動と衝撃を与えてゆく。

 

  理屈なんか消してしまえ、脳味噌をイレースしてこそ、ここに居て狂う意味がある。「意味ありげに騒げ!!」。鋭い刺を生やした雄大な音が襲いかかってきた。演奏が進むごとに高ぶってゆく感情。昂揚の歌『doze.』が歓喜を身体に刻んでいった。「勝負しようぜ!!」「ブチ上がって!!」。場内中に蠢く無数の首振る狂人たち。『『doze.』に合わせ、咆哮せずにいれなかった。千秋の煽りに喧嘩をふっかけなきゃ生きれなかった。もはや、舞台上とフロアーのどちらが先にくたばるか、そんな闘いが繰り広げられていた。

 

  「無意味だと確信したけど、一個だけ聴いていい?? 生きてるかっ?!」。重く重く、これでもかと言わんばかりに黒い重厚な音を突き付け、生きてることを実感するように、誰もが『切断』に合わせ、叫び狂うことで生を享受していた。

 

  火照った身体をびしょ濡れのタオルで包むように、千秋の高ぶる雄叫びを合図に、DEZERTは最後に『「ピクトグラムさん」』を叩きつけてきた。気持ちに高ぶるエナシーと昂揚を与えてゆく楽曲だ。傷ついた心に寄り添う、傷だらけな傷を癒す歌に心が笑顔を浮かべていた。「生きていればいい」。その言葉が確かな、明日への約束の指切りのように響いていた。

 

2時間半に渡り、「生きる」力を授けてくれたDEZERTのライブ。彼らが交流を求めようが、マスターベーションだろうと、そんなの関係ない。ただただ、全力で生を感じとれる濃密な時間を共有出来たのだけは間違いないんだから。ここに来ると理性を投げ捨てられる。それが単純に嬉しいんだよ。

 

 

PHOTO:インテツ、Takuya Orita

TEXT:長澤智典

 

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DEZERT LIVE INFORMATION

 

DEZERT SPECIAL LIVE「サマーチョップ 2016 in OSAKA 

2016827() 

大阪BIGCAT 

 

16:30/17:30 

前売:¥4,320 

e+  http://eplus.jp/dezert-bc/ (PC・携帯)

受付期間

66日(月)12:00620日(月)23:59まで

お一人様4枚まで

 

★DEZERT★

http://www.dezert.jp/home/










2016年06月08日 (水)

【ライブレポート】ギャロ★新音源集『DIAVOLO』発売記念単独公演『THE TOKYO SOLOMON CIRCUS ALDEBARAN-新宿篇-』平成28年05月06日(金)新宿ブレイズ

REPORT - 01:22:42

昨年、アクシデントに見舞われたギャロ。バンドの活動を一時的に止めることもやむを得ない状況だったが、彼らはそのまま活動を継続する道を選び、最新アルバム『DIAVOLO』を完成させ、主催ツアーを始めとした多数のライブも行って、4人編成で先へ進んでいく姿勢を示した。その結果、5月6日に予定されていた【ギャロ新音源集『DIAVOLO』発売記念単独公演】は、レコ発ライブという枠を超えて、新生ギャロのここまでの集大成を見せると同時に、今後の彼らを占う重要なライブとなった。そこで、ギャロはどんなライブを見せることになるのか……期待と不安がない交ぜになった状態で、会場の新宿BLAZEへと足を運んだ。

 

 場内が暗転して重厚なオープニングSEが流れ、ギャロのメンバー達がステージに姿を現した。客席から大歓声が上がる中、SEがアッパーな曲調に変わったのを機に、早くも客席に向けてアグレッシブなシャウトを発するジョジョと、それに熱いリアクションで応えるオーディエンス。続いて、バンドが発する轟音とジョジョの『腹減ったなあああーッ!』という声が響き、ライブは「夢魔-INCUBUS-」から始まった。強い毒気とファンタジックな味わいが混ざり合った曲調と炸裂するようなサウンド、メンバー全員が織りなす激しいステージングにオーディエンスのテンションも一気に高まり、オープニングから客席はヘッドバンギングの嵐と化した。

 

 「夢魔-INCUBUS-」1曲で場内をギャロの世界に染め上げた後は、パンクに通じる“尖り”を放つ「獄魔-ASTAROTH-」や、ダークな「嬲魔-BELIAL-」、ジョジョとカエデのツインボーカルをフィーチュアした高速チューンの「殲魔-ZIZ-」などが相次いで演奏された。艶やかなオーラを発しながら、それぞれの楽曲に合わせて様々な表情を見せるジョジョ。キュートなルックスで笑顔を浮かべているにも拘わらずミステリアスという不思議な雰囲気と、ソリッドなギター・プレイのマッチングが光るワジョウ。内面の感情を露わにしたワイルドなステージングとファットにドライブするベース・サウンドで、オーディエンスを魅了するアンディ。躍動感に溢れたリズムでバンド・サウンドを牽引しつつ、余裕の表情でテクニカル&パワフルなドラミングを決めるカエデ。大きく異なる4つの個性が一つになって生まれる強固なバンド感とタイトなサウンドは実に魅力的で、強くステージに惹き込まれずにいられなかった。

 

 ライブ中盤では、「今日は、いつもと違う試みに挑戦します」というジョジョの言葉に続けて、ジョジョのボーカルとサポート・キーボードのマスクが奏でるピアノのみというスタイルで「姦魔-LEVIATHAN-」と「星屑」を披露。澄んだピアノの音色をバックに全身を振り絞り、訴えかけるように歌うジョジョのボーカルは圧巻だったし、歌とピアノだけのシンプルな形態ながらいろいろな情景が浮かんでくるのも見事。ライブを通して熱い盛り上がりを見せていたオーディエンスもこの時ばかりは息を潜めて、ジョジョの歌に聴き入っていた。

 

 カエデの華やかなドラム・ソロで客席を沸かせた後は、ライブ前半でサポート・ギターを務めたヱンからバトンタッチしたnob.(DADA)とサックスのデヴ、キーボードのマスク、さらに2人の女性ダンサーという面々が登場。ステージを覆うヤバい空気がさらに増した状態で、「東京破廉恥劇場-ヱデン-」と「眠神-HYPNOS-」が演奏された。退廃的な雰囲気のセクシー&ゴージャスなステージは魅力的だったし、“驚くほど濃い人達”の中にあっても強い存在感を発するギャロのメンバーは「すごい!」の一言に尽きる。特に、「眠神-HYPNOS-」で何かに憑依されたように歌うジョジョの姿は観応えがあって、目を奪われずにいられなかった。

 

オープニングから11曲聴かせたところで、初めてジョジョの正式なMCが入った。「ギャロの単独公演に、ご来場ありがとうございます。本当に感謝しています。今日は楽しむことしか存在しないと思うので、みんなも全身全霊で楽しんでください」と挨拶。続いて演奏された「淫魔-BELPHEGOR-」からライブは後半に入り、「葬魔-LUCIFER-」や「蚯蚓」といったハード・チューンが畳み掛けるようにプレイされた。肉感的なリズム・セクションとキレの良いギター、パワフルなボーカルをフィーチュアしたギャロのサウンドは独自の攻撃性に満ちていて、感情を駆り立てられずにいられない。オーディエンスのボルテージもさらに高まり、場内は膨大なエネルギーが渦巻く状態となった。さらに、本編のラストを飾った「神風型駆逐艦・闇風」では、ジョジョとワジョウ、アンディの3人が客席に降りてオーディンスをアジテートするという型破りのパフォーマンスを展開。場内を大いに熱狂させて、ギャロはステージから去っていった。

 

バンドにとって大きな節目になる単独公演で、充実感に溢れたライブを披露したギャロ。プレミアム・ライブにふさわしいアイディア豊富な内容も楽しめたが、それ以上にバンド自体の力強さや説得力を随所で見せつけたことが印象的だった。危機を乗り越えたバンドならではの強靭さを身につけたことを実感できただけに、ギャロの次の展開にも大いに期待したい。今回のライブを経て、今後の彼らがさらなるスケールアップを果たすことを確信させられたステージだった。

 

 

文◎Takayuki Murakami
写真◎YAMADA(MIYAVI,Inc)

 

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平成28年 秋
ギャロ新音源集『LUCIFERO』
発売決定

 

平成28年07月15日(金)
新宿ルイードK4
ギャロ主催公演
「極東黒社会連合大闘争・四」
※ギャロから御知らせが御座います

 

平成28年10月25日(火)
池袋エッジ
ギャロ単独公演
『THE TOKYO SOLOMON CIRCUS ANTARES』

 

★ギャロ★

http://9allo.jp/