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2017年05月12日 (金)

【ライヴレポート】<MUCC『家路 〜Happy Birthday to MUCC〜』>5月4日(木・祝) 茨城県立県民文化センター大ホール◆“今日まで関わってくれたすべての人達に心から、心から感謝を———。”

REPORT - 12:30:00

初めてライヴをした1997年5月4日から地元である茨城水戸ライトハウスを中心に活動を始めたMUCCは、2017年5月4日に20回目の誕生日を迎えた。

 
彼らは、バンド結成から20周年という節目のライヴを行うため、地元である茨城県立県民文化センター大ホールを選んでいたのだが、それは、単なる凱旋公演ではなく、20年という歴史を築いてこれたMUCCというバンドの現在と、自らの過去を対面させるための特別な想いからだったのだ。

 
彼らがここに立つのは、2007年11月25日の10周年記念ライヴ『MUCC 10th Anniversary Memorial Live”家路”』以来、実に10年ぶりであった。

当時は、オープニングに『残酷な天使のテーゼ』を用い、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役である緒方恵美氏の影アナで意表を付くなど、何かとサプライズを仕掛ける彼ららしい演出はあったものの、子供の頃から在った憧れの地元大ホールでのライヴということもあり等身大の自分たちで向き合った純粋な凱旋公演だった。
そこからさらに10年。オーディエンスを楽しませる技量が増した彼らは、確実に“この日、この場所でしか出来ないライヴ”を残したと言えるだろう。

 
10分押しで始まったライヴは、会場備え付けの開演ブザーを合図に、緞帳がゆっくりと上がるというクラッシックなオープニングからスタートした。
頭から暴れる覚悟で構えていたオーディエンスにとっては、少し拍子抜けな始まり方であったことだろう。
 
しかし、緞帳の向こうに見えて来たのは、ナント、教卓と4つ並んだパイプ椅子と、天井から吊り下げられた【MUCC成人おめでとう】と書かれた看板だったのだ。
 
そう。彼らはこの日のライヴを成人式に見立てていたのである。
メンバーの思惑を察したオーディエンスは、その光景に“おめでとう”の言葉と拍手を贈った。
影アナによって呼び込まれた紋付羽織袴姿の逹瑯(Vo)、YUKKE(Ba)、SATOち(Dr)、は静粛にステージに並ぶも、ミヤ(Gt)はド派手な羽織袴姿で場内から遅れてプロレス入場し、あげくステージによじ登るという、昔ヤンチャだった頃そのままを再現した演出でオーディエンスを楽しませた。
この成人式には、水戸市マスコットキャラクター「みとちゃん」から納豆の贈呈や、“MUCC村の村長”としてムック(ひらけ!ポンキッキ)から祝辞がのべられたのだった。
 

成人式を終え、いよいよライヴの本編がスタートした。
その始まりは「アカ」。紗幕の向こうで奏でられる彼らの初期曲にオーディエンスは聴き入った。
2曲目に置いた「ファズ」へと曲が移ると、ナント、ミヤとYUKKEがステージ後方から勢い良く飛出し、逹瑯がステージ下からゆっくりと迫り上って登場したのである。
意表を突かれたオーディエンスはさらに大きな歓声を寄せた。
「アカ」でダミーを立て、裏で本人たちが演奏をしていたというカラクリだったのだ(※SATOちは移動不可能な為ダミーではありません)。
 
とにかくオープニングから遊び心満載でオーディエンスを楽しませたMUCCだったが、この日は過去曲だけを中心に届けていくというノスタルジックなものでもなく、最新楽曲と、普段のライヴではあまりやることのない旧曲たちを実に上手く構成したセットリストで“現在のMUCC”を見せつけてくれた。
 
この日、特別な演出で魅せたのは「砂の城」。
ゲストキーボーディストの吉田とおるのピアノ伴奏と、ミヤのアコースティックギターに乗せて届けられたこの曲は、激しくディープな音を放つパブリックイメージからはかけ離れた、実にフォーキーな雰囲気で唄い上げられたものだったが、これぞ彼らが原点、サウンドと同じく重んじる歌詞に用いた言葉の運びの美しさが、しっかりと聴き手に届いた時間であったと言える。
そして。彼らは、何よりも、この日、この場所に響かせたかった楽曲であったに違いない「家路」へと音を繋げたのである。
 
何もかもが自由で、手放しでそのすべてを楽しむことができた古里の中の自分を思い返しながら、都会や社会に揉まれ、いつしか“その頃”のように笑えなくなった自分へと問いかける、誰もが重ねることができる、戻ることの出来ないかけがえの無い時間と現在の自分との間に出来た距離が歌われたこの曲は、彼らが21歳の頃に作った楽曲である。さらにそこから歳を重ね、“無くしたくないものがある”時代から、また一層距離が出来たことで、説得力が増していた気がしてならなかった。
 
また、水戸という場所で聴けたことも、より情景を鮮明に浮かび上がらせたのだろうと思う。
ここから繋がれたMCでは、5月1日に『石岡市ふるさと大使』と、『水戸大使』へのダブル就任したことを改めて報告し、石岡市と水戸市を全力で盛り上げていくことを誓った。
 
そして、アンコール。彼らのサプライズはまだまだ終ってはいなかった。
アンコールではSATOちがヴォーカル、YUKKEがギター、逹瑯がベース、ミヤがドラムというパートチェンジで「世界の終わり」と「蘭鋳」を届け、その後に、MOON CHILDの「ESCAPE」、LUNA SEAの「Dejavu」、16歳の頃に作ったという「NO!?」が届けられた。
「ESCAPE」前に流れたSEも、カヴァー曲の選曲も、顔に“神”のペイントを描いた逹瑯の出で立ちも、20年前の島村楽器 水戸マイム店 Aスタジオ(通称 マイチカ)でやった初ライヴの完全再現であったというから、そのこだわりたるや脱帽である。
 
そして彼らはこの日のラストを、最新アルバム曲の1曲目の「脈拍」で締めくくった。
この曲を飾った今作のヴィジュアルドロップが、誇らしげに4人を見守る中、ミヤのつま弾くギターの音に、逹瑯は“今日まで関わってくれたすべての人達に心から、心から感謝を———。ありがとう”という言葉を乗せた。
 
この日の「脈拍」は、いつも以上に艶やかな鼓動であった。
最近のライヴでは1曲目に置かれていることが多いこの曲をラストに持ってきていた意味。
すべてがこの地から始まったことを意味していたように感じたのは、私だけではないはず。
 

そして再び。この日、彼らはこの地から未来へと羽ばたいたのである。

 
6月20日21日に日本武道館で行われる、『MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 〜そして伝説へ〜」と題された20周年集大成ライヴでは、いったいどんな未来を魅せてくれることになるのだろう?
 
 

文◎武市尚子

写真◎西槇太一
 
 
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<< LIVE情報>>

■MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 〜そして伝説へ〜
第㈵章 97-06 哀ア痛葬是朽鵬6
6月20日(火)日本武道館 OPEN PM5:00 START PM6:09
 
第㈼章 06-17 極志球業シ終T
6月21日(水)日本武道館 OPEN PM5:00 START PM6:09
 
【チケット発売中】
<イープラス> https://goo.gl/W0U2mr 
<ローソンチケット> https://goo.gl/Lvehfd 0570-084-003(L:75674)
<チケットぴあ> https://goo.gl/JGhAIS 0570-02-9999(P:320-743)
<楽天チケット 海外向けチケット販売> https://goo.gl/M2YDsW 
 
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
 
 

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■哀愁とアンティークと痛みも葬るツアー
6月30日(金)水戸ライトハウス  OPEN 18:30 START 19:00
7月1日(土)水戸ライトハウス OPEN 16:30 START 17:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
 
7月4日(火)新潟GOLDEN PIGS RED OPEN 18:30 START 19:00
7月5日(水)新潟GOLDEN PIGS RED OPEN 18:30 START 19:00
(問)FOB新潟 025-229-5000
 
7月8日(土)札幌DUCE OPEN 16:30 START 17:00
7月9日(日)札幌DUCE OPEN 16:30 START 17:00
(問)WESS 011-614-9999
 
7月12日(水)仙台MACANA OPEN 18:30 START 19:00
7月13日(木)仙台MACANA OPEN 18:30 START 19:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
 
7月15日(土)青森Quarter OPEN 16:30 START 17:00
7月16日(日)青森Quarter OPEN 16:30 START 17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
 
7月19日(水)ESAKA MUSE OPEN 18:30 START 19:00
7月20日(木)ESAKA MUSE OPEN 18:30 START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
 
7月22日(土)福岡DRUM Be-1 OPEN 16:30 START 17:00
7月23日(日)福岡DRUM Be-1
OPEN 16:30 START 17:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
 
7月25日(火)広島SECOND CRUTCH OPEN 18:30 START 19:00
7月26日(水)広島SECOND CRUTCH OPEN 18:30 START 19:00
(問)夢番地広島 082-249-3571
 
7月29日(土)名古屋ボトムライン OPEN 16:30 START 17:00
7月30日(日)名古屋ボトムライン OPEN 16:30 START 17:00
(問)ジェイルハウス 052-936-6041
 
8月1日(火)神戸太陽と虎 OPEN 18:30 START 19:00
8月2日(水)神戸太陽と虎
OPEN 18:30 START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
 
8月5日(土)目黒鹿鳴館 OPEN 16:30 START 17:00
8月6日(日)目黒鹿鳴館 OPEN 16:30 START 17:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
 
【チケット料金】
前売券 6,920円(税込)
※オールスタンディング・ドリンク代別
※未就学児童入場不可
 
【朱ゥノ吐チケット先行受付】 5月16日(火)12:00〜5月18日(木)16:00
【虚無僧DU MODEチケット先行受付】 5月23月(火)12:00〜5月25日(木)16:00
【一般発売日】2017年6月10日(土)
 

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<< イベント情報>>
■THE BACK HORN「KYO-MEI対バンライブ in KAWASAKI Vol.3」
5月31日(水)川崎CLUB CITTA’
 
■DEAD POP FESTiVAL 2017
7月2日(日)川崎市東扇島東公園特設会場
 
■ART POP ENTERTAINMENT PRESENTS CRUSH OF MODE-PREMIUM HOT SUMMER’17-
8月27日(日)心斎橋BIGCAT
 

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◎RELEASE情報
■会場限定Single『家路』
MSHN-026 ¥1,667+tax
 
<販売公演>6月20日(火)、21日(水)「MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 〜そして伝説へ〜」@日本武道館
<購入者全員特典>「見開きガキムック 〜無垢なMUCC〜」 ※A5変形片抜きサイズ
 
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■Album『新痛絶』&『新葬ラ謳』発売決定
 
【会場限定盤】「哀愁とアンティークと痛みも葬るツアー」公演会場限定販売
『新痛絶』会場限定盤(2CD+特典CD)¥3,000(tax in)
『新葬ラ謳』会場限定盤(2CD+特典CD)¥3,000(tax in)
 
【流通盤】8月9日(水)Release
『新痛絶』完全限定生産盤(2CD+PLUS)¥4,649+tax ※3,000枚限定販売
『新痛絶』通常盤(2CD)¥3,500+tax
『新葬ラ謳』完全限定生産盤(2CD+PLUS)¥4,649+tax ※3,000枚限定販売
『新葬ラ謳』通常盤(2CD)¥3,500+tax
 

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◎書籍情報
ヒストリーブック「M」
7月19日(水)発売
 ※タワーレコード独占販売
 ※一般発売分のみ特殊仕様予定
【価格】3,200+tax
 
<オンライン予約>http://tower.jp/item/4496335
※先行発売の予約は不可
 
<先行発売>6月20日(火)、21日(水)「MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 〜そして伝説へ〜」にて先行発売
(問) 音楽と人販売係 03-5452-4266
 
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<Official Twitter> https://twitter.com/muccofficial 
<Official Facebook> https://www.facebook.com/facemucc 
<Official HP> http://www.55-69.com/ 
 
<MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 “飛翔”> http://www.55-69.com/20th/ 







2017年05月11日 (木)

【ライヴレポート】<Sick2『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。8』「恵比寿、切断。」>2017年5月5日 恵比寿リキッドルーム!

REPORT - 16:33:09

  2ndアルバム『ENIACMANIAC』を手に行い続けたワンマンツアーも、55日に恵比寿リキッドルームで行われた『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。8』「恵比寿、切断。」でファイナルを迎えた。

 

 客席前方に、「たくま」「大志」「ジェネ★」「祭まつり」と区切られた4つのブロックを設置。その後ろはフリースペースとして開放。客席を4つに分断ならぬ切断。それが、彼らが提示した「切断」という言葉の理由だ(開演前に仕切っていたバーは、暴れやすいように取り外された)。観客たちはメンバーの息吹を身近で感じようと、開場と同時に、お目当てのブロックへ駆け込んでいった。

 

  「踊れ、踊り明かそう」、Sick²のライブは、派手な音の花を咲かせるように『CRAZY TOKYO』から幕を開けた。場内に舞う無数の扇子。なんて華やかな風景だ。ジェネ★の煽りを受け、熱い声を返す観客たち。この熱気と熱狂が覚めるまで騒ぎ続けようじゃないか。会場中の人たちが一つになって跳ね、咲き誇る風景のなんと彩り鮮やかだったことか。

 

  花開いた熱狂へさらに熱を加えるように、Sick²は『イケナイコドモ』『(8-bit)ch』と刺激的な楽曲を突きつけ、フロアーをモッシュ生まれる空間に染め上げた。脳内パラノイアナンバーの『CLUBSICK』や『Pentimento Homme』が理性をどんどん消し去り、会場中の人たちを、本能のままにはしゃぐ姿へ変えてゆく。熱狂にとろける、まさにそんな感覚だ。

 

 陶酔した観客たちを、さらにディープな熱狂へ導くように『VOID』が炸裂。混沌とした演奏、カオスな熱狂、まだまだ前半部にも関わらず、そこには終盤の風景にも似た、火照った空気と汗を抱いた匂いが渦巻いていた。

 

  「ここまで来れたのもみんなのおかげです。せっかく来てくれた以上、この広い会場を使って思いきりガンガン暴れてもらおうと思います、いいかー!!

(ジェネ★)

 

  「飛べ!飛べ!!飛べ!!!飛べ!!!!」と煽るジェネ★。サイコティックな『ロデオドライヴ』に攻められ、意識がどんどん真っ白になる。上がり続ける熱気に刺激され、はしゃがずにいれない気分だ。

 

  「何時までも君と二人一緒にいたいね、永遠に」。キラキラとした音の羽根を羽ばたかせ、Sick²は『絶対天使領域』を演奏。なんて美しく華やかな歌と旋律だ。広げた翼を羽ばたかせ、心は笑顔で大空を飛び続けていた。それまでの熱狂を優しく抱くように『眼球』を演奏。妖しい微睡みを与える歌声や音色が身体をゆっくり浸食していく。次第に熱へ冒されてゆく感覚がとても心地好いい。

  「誰かがやってるから、何かが流行ってるから、自分も真似をする。最初からオリジナリティを持ってやってりゃいいけどさ、後から真似した奴ら全部切断します!!」。

 

  物真似だらけの今のビジュアルシーンに、ジェネ★は皮肉交じりのメッセージを突き付け、その後に『切断』を叩きつけた。ポップ/華やか/激烈/けばけばしいなど目まぐるしく変わる表情に合わせ、はしゃぎ、踊り、騒ぐ観客たち。続いて流れたのが、ダークメルメン/ゴシックメロウな『妄想悪魔審判』だ。身体へ突き刺さる音の刺激が、騒げとばかりに感情を煽りだす。「殺せ!殺せ!!」と叫びながら興奮をむさぼり喰らい、黒い熱狂に陶酔していたい。さらに興奮を高めるように、『フレゴリの錯覚』が闇の奥底へと意識を引きずり込んでゆく。余計な考えを消し去り、重く黒い熱気に呑み込まれ一緒に騒ぎ狂えばいい。とことんまで墜ちてゆけばいい。

 

  鞭を手にしたジェネ★。「君は小悪魔、僕は」「悪魔」のやり取りを合図に、カオティックな演奏が爆発。『罪と罰とマゾヒスト』を突き付けたとたん、観客たちが全身を震わせ思いきり暴れ出した。「可愛いうさぎさんになってもらおうか」、観客たちが両手をうさぎの耳に見立て、その姿勢のままピョンピョン跳ね出した。黒い音が唸る中、うさぎどころじゃない、誰もが理性を壊した野獣となりヘドバンしながら快楽に溺れていた。その熱狂を攪拌するように、Sick²は『鬼畜カレシ』を突き付けた。喧騒抱いたまま走り続ける演奏へ観客たちは全力で立ち向かう。こんな興奮導く攻めなら、いくらでも身体も心も捧げて構わない。むしろ、熱く痛い興奮の刺激をもっともっと喰らわせてくれ!!

 

  横モッシュや折りたたみを繰り返しながら煽り続けるメンバーたち。興奮が熱く熱く蒸気したところで、ライブは『deep:sleep』へ。サイコトランシーな『deep:sleep』の持つ刺激に浸食され、観客たちが全力で頭を振り乱す。両手をかかげ、右へ左へゾンビのように行進する姿も。このままSick²のメンバーに操られるがまま、熱狂に恍惚覚えるモンスターになっていたい。

 

  凄まじい音の衝撃が身体を呑み込んでゆく。『ぐり×ぐり』に冒された観客たちが頭を振り乱し暴れ続けていた。螺子の壊れたキョンシーのようにピョンピョン跳ねていた。このカオスな空間が、とても気持ちいい。そこへ『Dr.Earache』が飛び出した。隊列を保ったまま観客たちはジェネ★の動きを真似、彼と一体化し、熱狂の踊りに身を捧げていた。その様は、まるでジェネ★ズブートキャンプのようだ。

 

  込み上がる情熱。「もっともっと満足出来るように、俺たちと一緒に騒いでくれるよな。俺とお前らどっちが先にぶっ壊れるが勝負しような、最高の夜にしようぜ!!」。

 

  最期は会場中をカオスな空間へ導く『ヴィデオドローム』だ。破壊的な音に意識を壊された観客たちは、無我夢中で暴れ続けていた。いや、感情を振り絞り、Sick²へ闘いを挑んでいた。どちらが先に限界を向かえるか。むしろ、どれだけ一緒に絶頂を感じれるかだ。ジェネ★は上半身裸になり、観客たちを熱くけしかけてゆく。熱狂にまみれたこのカオスな空間こそ、最高の快楽だ。現実を彼方に吹き飛ばし、騒ぐことで本当の自分のあるべき素顔をみんなが晒していた。クシャクシャとしたその笑顔、最高じゃないか!!

 

  アンコールは『シュレーディンガーの猫』からスタート。想いを届けるように歌うジェネ★。妖しい香りを振りまき、Sick²は場内へ赤い淫らな空気を染み渡らせてゆく。ねっとり絡み付くステージングに、誰もが視線を真っ直ぐに注ぎ見入っていた。ライブは一気にラストスパートへ。華やかな、まぶしい光を抱いた開放ナンバー『Fiv Five』が、場内に笑顔広がるパーティ空間を描き出した。ときに煽る表情も交え、ふたたび場内へウキウキやドキドキとした高揚をSick²は与え出した。

 

 最期にSick²は『Lavi』を叩きつけ、観客たちの身体を心地好く揺らし、身体をくるくる回しながら、会場中を華やかで眩しいキラキラとした笑顔の空間に染め上げた。胸はしゃぐこの熱狂を、次の47都道府県を舞台にした500円ワンマンツアーへ繋ぐように

                                

  Sick²は、830日に最新シングル『デリバリー・メンタルヘルス』を発売。その後すぐに、「47都道府県ワンコインツアー『デリバリーヘルスケア』を各地で500円で開催する。ファイナルは、201814日に赤坂BLITZと決定。まさかのワンコイン「47都道府県ワンマンツアー」、しかも本数が計50本。この機会一度Sick²のライブへ触れ、この楽しさを実際に体感していただきたい。

 

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PHOTO:Emiri

TEXT:長澤智典

 

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201755日 恵比寿LIQUIDROOM

SET LIST

 

CRAZY TOKYO

イケナイコドモ

(8-bit)ch

CLUBSICK

Pentimento Homme

VOID

MC

ロデオドライヴ

絶対天使領域

眼球

~セリフ~

切断

妄想悪魔審判

フレゴリの錯覚

MC

罪と罰とマゾヒスト

鬼畜カレシ

~煽りセクション~

deep:sleep

ぐり×ぐり

Dr.Earache

ヴィデオドローム

-ENCORE-

~映像~

シュレーディンガーの猫

MC

Fiv Five

Lavi

 

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Official Site

http://planet-child.jp/sick2/

 

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2017830日発売シングル

『デリバリー・メンタルヘルス』

 

PCM-212A 初回盤 2,000(税抜)

[CD]1.デリバリー・メンタルヘルス 2.タイトル未定

[DVD]1.デリバリー・メンタルヘルス(MUSIC VIDEO)

 

PCM-212B 通常盤 1,500(税抜)

[CD]1.デリバリー・メンタルヘルス 2.タイトル未定 3.タイトル未定

 

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■Sick2 47都道府県500円ワンマンツアー

『デリバリー・ヘルスケア』

 

入場者に『デリバリーメンタルヘルス』デリバリー処方箋盤を無料配布!!

1公演につき、お一人様一枚とさせていただきます

 

9/3()渋谷REX

9/6()山形ミュージック昭和Session

9/7()秋田LOUD AFFECTION

9/9()札幌Crazy Monkey

9/10()札幌Crazy Monkey

9/12()青森ROXX

9/13()盛岡Club Change

9/15()前橋DYVER

9/16()浦和ナルシス

9/18()宇都宮HELLO DOLLY

9/24()Thumb Up

9/25()水戸SONIC

9/30()福島#9

10/1()新潟CLUB RIVERST

10/3()富山Soul Power

10/4()福井CHOP

10/6()滋賀BARI-HARI

10/7()神戸ART HOUSE

10/9()和歌山CLUB GATE

10/10()浜松FORCE

10/14()岡山CRAZYMAMA 2nd Room

10/15()広島セカンドクラッチ

10/29()甲府KAZOO HALL

10/30()横浜BAYSIS

11/6()沖縄Output

11/7()沖縄Output

11/15()仙台BIRDLAND

11/17()金沢AZ

11/18()長野J

11/20()鳥取米子BEXX

11/21()島根松江B1

11/23()山口Rock country

11/25()鹿児島speed king

11/26()宮崎floor R

11/28()熊本Drum Be-9 V2

11/29()福岡DRUM SON

12/1()大分Drum Be-0

12/2()佐賀GEILS

12/3()長崎Drum Be-7

12/9()HOLIDAY NEXT

12/11()高知X-pt.

12/12()松山サロンキティ

12/14()高松DIME

12/15()徳島Crowbar

12/23()京都ARC DEUX

12/24()心斎橋VARON

12/26()奈良NEVER LAND 

12/27()三重Club Chaos

12/28()岐阜ants

 

TOUR FINAL

「女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。9

201814()赤坂BLITZ






2017年05月07日 (日)

【ライヴレポート】NoGoD ツアー『W/O-U』ファイナル:5月6日(土)渋谷WWW X「俺たちがやってきたことは正しかったって、お前らの顔をみたらわかる!」

REPORT - 16:51:37

NoGoDが最新SingleMissing」を引っ提げたツアー「NoGoD -2017-SPRING ATTACK W/O-U』」のファイナル公演を渋谷WWW Xで行った。

 

暗闇で胸を深くえぐるようなKのドラムが鳴り響く。赤い照明がともりKyrieのギターが重なり、「Missing」による幕開け。冷たい風が吹き抜けたように肌を泡立たせ、華凛のベースとShinnoのギターが重力を増加させる。団長の自問のような歌声が入ると金属の冷たさではなく青く揺らめく炎の冷たさへ。それが団長の持つ歌声そのものの持つ情感が一気に確かな温度をもってサビのロングトーンで解放される。NoGoDとしては異例のバラードのリード曲となった「Missing」をライヴ1曲目に持ってくるその斬新さは、吐息がでるほどのNoGoDの色気を会場に満たし、ライヴバンドであるNoGoDがシングルリリースからツアーを経て得てきた進化をしょっぱなから魅せつける。

 

しかし続く「Strawberry Night」は会場の空気をジェットコースターのように激しく甘い闇の世界へ突っ込ませる。客席の温度は一気にぶちあがり、頭は不可避に前後左右へ振られる。「燃えろ渋谷!」の声を軽く凌駕して燃えるようだ。シングル「Missing」のカップリングに収録された「不完全肯定論」で空気は陽の様相に。会場も縦に横に踊りだす。ゴリゴリのメタルサウンドとサビのエモーショナルさの対比がNoGoDの持ち味を実感させる「Passion Play」から無力さと切なさ迫る団長のファルセットが美麗な「金糸雀」へと。NoGoDのヒストリーの良いとこどりの新旧織り交ざったセットリストに曲が始まるたびに歓声が起きる。

 

中盤も全く休む暇を与えない。なりふり構わず踊りだしたくなるチューンが目白押しとなった。フロアにたくさんの花が咲いた「球根」。シャッフルビートでありながらおしゃれさよりロックさが鮮明な「Nightmare」、突き上げられる拳が力強くも美しい「STAND UP!!。フロアはさらに奇妙でどうしても抜け出せないサーカスに様変わりしていった。

 

濃密な蒸気の中、団長から会場を埋め尽くすファンに向けて、今夏7/26にリリースとなるNew Singleのタイトルが発表された。『道化師』という意味を持つ「Arlequin」と名付けられたシングルは、「Missing」で新しい顔を魅せたNoGoDが次はどんな顔を魅せてくれるのか、ファンを今からうずうずさせるだろう。

 

老若男女が認める男前ヴォイスで「祈れますか」の団長の一言にヘッドバンギングが回る「World Ender」で鋼鉄のサウンドをぶつけたそのあとに、希望の光を連想させる「パンドラ」、そして会場が拳と声が同期する「神風」。もうずっとこの夢を見続けていたくなる「野に咲く君へ」で会場は多幸感の極みで本編は終了した。

 

NoGoD』呼ぶ声が嵐のように鳴り響く中登場したNoGoD。披露された熱く激しいNoGoD流の祭り「Carnival」で再びヴォルテージを急上昇させたのち、まだ音源化されていない新曲「dreamer」をドロップ。ドライヴ感あふれるサウンドが心地よく疾風のように身体を突き抜けていく。その先に待ち構えるのは色気たっぷりに招待される「桃源郷へようこそ」。もう完全にNoGoDのワールドで全員が悦楽の中で迷子だ。

 

アンコール、ラストナンバー「ノーゴッド」で興奮冷めやらぬ会場に向けて、「俺たちがやってきたことは、正しかったって、お前たちの顔を見ればわかる!」と満面の笑顔で叫ぶ団長。メンバーも最高の笑顔で同意を示した。

 

メンバーがステージを後にし、客電もすっかり点いている中、その場を離れたくない、もっとNoGoDの世界に浸かりたいファンから熱いアンコールの呼び声が止まらない。それに導かれて再び登場したNoGoDのメンバーに大きな歓声が沸いた。実はすでに今回の団長のメイクのポイントでもある長いまつ毛をすっかり取ってしまっていた団長。さっきまでと様子が違うが「どこの呪怨だよって感じだけど(笑)」と自虐的なコメントもしつつ、「お前たちが好きなのは俺たちの音楽だよな?」の言葉に会場の全員が拳で応える。

 

今日の本当の最後の曲は、メンバーの素が出まくった「最高の世界」。NoGoDと会場が完全に融合した「世界」の合唱は、今年まだまだ様々な世界を魅せるだろうNoGoDの未来を祝福するようだった。

 

写真◎大塚秀美

 

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【リリース情報】

 

NoGoD New SingleArlequin」(ヨミ:ハーレクイン)

KICM-1784 定価:1,600円+税

2017726Release!!

 

Arlequin」含む新曲2曲・ライヴ音源2曲(予定)

<発売中>

NoGoDMissingKICM-1765 定価:1,600円+税 発売中

収録内容:

1. Missing

2. Nightmare

3. 不完全肯定論

4. emotional disorderlive version

5. 桃源郷へようこそ(live version

 

【『MissingMusic VideoShort ver.)】

 

Profile

2005 年結成。インディーズ時代から精力的なライヴ活動を経て、類い稀な歌唱力、曲の魅力を

何倍にも増幅させる演奏スキルをもつメンバーによって、J-ROCK、ハードロック、メタル、ヴィ

ジュアル系と様々なシーンのそれぞれに男女関係なく多くのファンを得ているロックバンド。

ラウドなサウンドの中にいて埋もれないメロディセンスと、メッセージをダイレクトに伝える

日本語を大切にしたためた詞や、時にエモーショナルに、時にこの上なく硬質に、時に一陣の

風のように、ただ一つに止まらず表情を巧みに柔軟に変えていくサウンドに定評がある。ヴィ

ジュアルも常にファンの関心を集め、その奇抜さに一歩も劣ることないエンターテイメント性

溢れるライブパフォーマンスは圧巻。またアザーサイドとして、団長のバイタリティ溢れるトー

クも度々メディアの注目を集め、音楽シーン外からの視線も熱い。

 

Information

Official Website   http://www.nogod.jp

Twitter @NoGoD_Official