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2017年07月10日 (月)

【ライブレポート】<Jin-Machine>ワンマンツアーFINAL、満員御礼!ベースの水月は笑顔で卒業。

REPORT - 18:00:31

自称“日本一面白いヴィジュアル系バンド”として新ジャンル“プログレッシヴ・コミック・ロック”を繰り広げるJin-Machineが、7月9日に原宿アストロホールで<TOUR 2017 kiss-キス- 〜愛 miss 優〜>のツアーファイナル公演を開催した。

ツアーの集大成ということと、4月に脱退を発表したベースのブッシュドノエル・水月・アリッサ(以下、水月)のラストステージということもあり、彼の卒業をその目に焼き付けようと、ソールドアウトした同公演の会場は満員の平民(ファン)で埋め尽くされた。

定刻から5分が過ぎ、客席の照明が静かに落ちてミサ(ライブ)がスタート。SEとともにメンバーが登場。大きな歓声が上がる。

“みんな〜げんき? ここから先は、ぼくもわたしもおともだちも、みんな今からヴィジュアル系だよ。”というMCのfeaturing16(以下、16)の語りかけから始まる「僕らはみんなヴィジュアル系」で演奏はスタート。

平民のテンションを一気に上げる「さよなら†黒歴史」、「ようこそJAPAN」とテンポよく進んでいく。

 

水月の脱退に関して、“なんでこんなに楽しく、面白いチームがなくならなければいけないんだろう?”と涙したという16の話から、一緒に歌ってみんなの心に刻みこんで欲しい一曲として珠玉のバラード「夢の中で」を演奏、16とギターのマジョリカ・マジョルカ・マジカル☆ひもり(以下、ひもり)のダブルボーカルが響きわたった。

続けて感動の雰囲気に包まれた中で「キミノテ」を披露した。

ここからはスクリーンが下り、「みっちゃんの歴史を振り返るのコーナー」と題し、水月の写真で思い出を語りあう映像が流れ、平民からは笑いと驚きの声が上がった。

スクリーンが戻るとヤンキースタイルに扮した16、水月が再登場。

今回のツアーで定番となったヤンキーコントを展開し、「チャンプロード」を熱唱。

平民とのコールアンドレスポンスが見事に決まりどんどん会場が一つに。

続いて警察に扮したドラムのルーベラ・木村・カエレ(以下、木村)が登場し警察コントから「警察24時」を演奏。

続けて水月がセレクトした全7曲のJin-Machineメドレー、水月&破壊のあっつtheデストロイ(以下、あっつ)による演歌ソング「death海峡のdeath岬」、Jin-Machine最短ソング「ゆずサワー」と披露した。

ライブは終盤に入り、さらにテンションが上昇していく。

今回のツアーでグッズとしても販売している電車のつり革を使った動きが楽しい「通勤モッシュはエブリディ」、「Vanilla eyes」では各メンバーに平民から起こる大きなコールが溢れた。

16の煽りから一気に会場のボルテージが上がった「救声」、平民との大合唱から始まった「がんばれ!桜、アディオス」ではヘドバン、モッシュなどで満員の会場のテンションはマックスとなった。

 ツアー当初は感情的になっていたものの、後半になるにつれて“泣いている場合じゃない、思い出を作らなければ!”という気持ちに変わっていったという16。

“みんなでで新しい門出をむかえる水月に光をともして送り出して欲しい”と告げると、無数のサイリウムが点灯され、ラストの楽曲「FIVE」はJin-Machineと平民が一体となるパフォーマンスとなった。

感動のフィナーレとなったミサには、まだまだ続きが残されていた。
アンコールは本編の衣装とはかけ離れた顔はススだらけの作業員服スタイルに。

作業員アイドルグループという設定でヴィジュアル系を度外視したパフォーマンスが楽しめるのもJin-Machineの魅力だ。

楽曲はおそらく猛練習をしたであろうダンスを取り入れた「ヘビー重労働」、「フライングユンボ」の2曲。

MCではメンバーそれぞれが今回のツアー、水月とまわった最後のツアーについて言葉を残した。

最後に今やJin-Machineの代表曲にもなっている「マグロに賭けた男たち」を演奏。

“ラッセラー!ラッセラー!”という掛け声にのって平民は躍動し、マグロが会場を飛び交った。

さらに、鳴りやまぬ水月コールに応えてメンバーが再登場。

ダブルアンコールは、水月セレクトによる2曲「さよならアキラメロン」、「スーパーハッピー」で感動の幕を下ろした。

ライブ終演後には、“Jin-Machineツアー2017秋 「じんましーんのプンプンガッツマン!」”の開催が発表された。

既に決定しているイベントを含めてJin-Machineは歩みを止めることなく進んでいく。

16、あっつ、ひもり、木村の4人はこれから向かう未来を確実に描いている。

ヴィジュアル系バンドを一番愛していた水月の気持ちを携えてさらに大きくなっていくことだろう。

今後の彼らに期待したい。

 

写真:大参久人

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■セットリスト

1. 僕らはみんなヴィジュアル系
2. さよなら†黒歴史
3. ようこそJAPAN
4. 夢の中で
5. キミノテ
 〜みっちゃんの歴史を振り返るのコーナー〜(映像)
6. チャンプロード
7. 警察24時
8. メドレー
  じんましーんのテーマ2 〜 レッツゴー介護 〜 アルティメットジェラシー 〜
  違法コピーしたら殺す 〜 バーニング俺ファイヤー 〜 じんましーんのくるくるロックンロール 〜
  きみの好きな人は無職
9. death海峡のdeath岬
10. ゆずサワー
 〜16手紙コーナー〜
11. 通勤モッシュはエブリディ
12. Vanilla eyes
13. 救声
14. がんばれ!桜、アディオス
15. FIVE

〜アンコール〜
En1. ヘビー重労働
EN2. フライングユンボ
EN3. マグロに賭けた男たち

〜ダブルアンコール〜
WEN1. さよならアキラメロン
WEN2. スーパーハッピー

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■Jin-Machineツアー2017秋 「じんましーんのプンプンガッツマン!」
10月15日(日)東京・渋谷DESEO
10月18日(水)宮城・仙台MACANA
10月21日(土)大阪・OSAKA MUSE
10月22日(日)愛知・名古屋RAD HALL
10月27日(金)広島・SECOND CRUTCH
10月29日(日)福岡・DRUM SON
11月03日(金・祝)埼玉・HEVEN’S ROCK さいたま新都心VJ3
11月12日(日)東京・渋谷チェルシーホテル
※チケット発売スケジュールは近日発表予定

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■その他イベントライブ情報

●ジャックケイパー主催「ゆーせいたんさい」
2017年07月16日(日)池袋EDGE
●MAKAI PRESENTS『魔夏のヘドバン祭り 2017』
2017年07月23日(日)東京キネマ倶楽部
●ART POP ENTERTAINMENT PRESENTS「CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER’17-DX 」
2017年07月29日(土)TSUTAYA O-EAST
●FWD PRESENTS「【beauty;tricker】〜渋谷が大変2017〜」
2017年08月03日(木)
TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-nest / TSUTAYA O-Crest / clubasia / shibuya duo MUSIC EXCHANGE(全6会場) 
●OTODAMA SEA STUDIO 2017 〜灼熱グリッターロック2017〜
2017年08月19日(土)OTODAMA SEA STUDIO (神奈川県 三浦市三浦海岸)
●アメリカ村の変〜アメリカ村 DROP 14th ANNIVERSARY〜
2017年08月22日(火)アメリカ村DROP
●「オゲレツ戦国ハナクソ無双」KATANA
2017年08月24日(木)下北沢GARDEN
●「オゲレツ戦国ハナクソ無双」OROCHI
2017年08月25日(金)下北沢GARDEN
●FEST FES 2017
2017年08月27日(日)名村造船所跡地(STUDIO PARTITA / Black Chamber)
●Ains PRESENTS「Dark in the Dark Vol.62〜ジャック in the ハンター2017〜」
2017年09月16日(土)池袋CYBER
●Ains PRESENTS「Dark in the Dark Vol.63〜ジャック in the ハンター2017〜」
2017年09月17日(日)池袋Black Hole

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■商品情報

【SINGLE】がんばれ!桜、アディオス<全6曲>
2017.03.15 RELEASE / \1,296 + tax / YCCW-30060
01. がんばれ!桜、アディオス
02. おれおれ詐欺に気をつけろ!!
03. death海峡のdeath岬
04. ヘビー重労働 starring DKT148
05. フライングユンボ starring DKT148
06. がんばれ!桜、アディオス(カラオケ)

【ALBUM】全日本おもしろ選手権(タイツA)<全15曲>
2017.03.15 RELEASE / \4,167+Tax / YCCW-10300/B
DISC 1(CD)
01. 僕らはみんなヴィジュアル系
02. ゴリラ(album ver.)
03. ようこそJAPAN
04. がんばれ!桜、アディオス
05. パンチ伝説
06. †夏☆大好き!ヴィジュアル系†
07. NEVER SAY NEVER
08. さくら〜NEVER DIE〜
09. 通勤モッシュはエブリデイ
10. 絶滅危機!成人向け雑誌 *タイツAのみ収録
11. 二次元シンドローム *タイツAのみ収録
12. locking for prevention of crime *タイツAのみ収録
13. ロックミュージックシンドローム *タイツAのみ収録
14. はじめてのフォーク *タイツAのみ収録
15. チャンプロード *タイツAのみ収録

DISC 2(DVD)
01. 『ゴリラ』Music Video
02. 『NEVER SAY NEVER』Music Video
03. 『†夏☆大好き!ヴィジュアル系†』Music Video
04. 『がんばれ!桜、アディオス』Music Video

【ALBUM】全日本おもしろ選手権(タイツB)<全16曲>
2017.03.15 RELEASE / \4,167+Tax / YCCW-10301/B
DISC 1(CD)
01. 僕らはみんなヴィジュアル系
02. ゴリラ(album ver.)
03. ようこそJAPAN
04. がんばれ!桜、アディオス
05. パンチ伝説
06. †夏☆大好き!ヴィジュアル系†
07. NEVER SAY NEVER
08. さくら〜NEVER DIE〜
09. 通勤モッシュはエブリデイ
10. きみの好きな人は無職 *タイツBのみ収録
11. 新曲です、聞いて下さい *タイツBのみ収録
12. マグロジャズ *タイツBのみ収録
13. BLUE MOUNTAIN *タイツBのみ収録
14. じんま日本昔話 *タイツBのみ収録
15. さいごのフォーク *タイツBのみ収録
16. キミノテ *タイツBのみ収録

DISC 2(DVD)
01. Jin-Machine全米デビューの軌跡

 

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■Jin-Machine「がんばれ!桜、アディオス」振り付け講座
https://youtu.be/CTSxaV31jAI

 

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Jin-Machine OFFICIAL WEB SITE http://jin-machine.net/
Jin-Machine OFFICIAL Twitter https://twitter.com/jin_mastaff
Jin-Machine OFFICIAL Youtube Ch http://www.youtube.com/c/JinMachineofficialch







2017年07月10日 (月)

【ライヴレポート】<怪人二十面奏>7月8日(土)東京キネマ倶楽部<結成2周年記念単独公演「命日」>「俺らのことを知らん人たちを好きにさせてやろうと思ってる」

REPORT - 12:47:11

 

ここは東京キネマ倶楽部。うらぶれた劇場の雰囲気は、パノラマ島からタイムトリップしたような怪人二十面奏の出で立ちにピッタリだ。

 

 7月8日(土)、みずからのユニット名を冠に付けた最新アルバム『怪人二十面奏』を手に、怪人二十面奏は結成2周年を記念した単独公演「命日」を東京キネマ倶楽部で行った。

 

 

 昭和の香り漂ういなたい音色へ導かれ、KENとマコトが時空を超え迷い込んだように舞台へ姿を現した。

彷徨い人(ファン)たちを妖しいまやかしの世界へ連れ出すように、ライブは『消心叫奏シネマ』から幕を開けた。

哀愁と高揚を抱いたマコトの歌、彼のうらぶれた感情を、演奏陣は荒々しい音を通し後押ししてゆく。

時空を超え現れた一夜の劇場が舞台だからこそ、今は現世を忘れ、踊り騒げばいい。

ここは東京キネマ倶楽部に現れた、気持ちをとろけさせる一夜限りの社交場。ここは現代の鹿鳴館。

気取りを捨て、楽しく宴に興じればいい。今宵は怪人二十面奏が、その先頭者たちとなる。

 

激しさへさらに熱を注ぐように、怪人二十面奏は『NUMBER TWENTY』を突き付けた。

メガホンを片手に、台の上に右足を乗せ、マコトはがなるように観客たちを煽り続けてゆく。

熱狂の中で興奮という夢を見せてやる。

これぞ、怪人二十面奏流の魂を熱く滾らせる社交ダンスだ。

 

  「さぁ、キネマ踊れ!」

怪人二十面奏は『アヴストラクト シニシズム』を通し極彩色な音色を響かせ、フロアーで騒ぐ観客たちをもっともっと激しく身体を身悶えられるだろうと煽り立ててゆく。

笑顔で身体を揺らす観客たち以上に、舞台上のメンバーたちはもっともっと狂いやがれと激しく歌と演奏をけしかけてきた。

その喧騒の中から漂うまどろんだ昭和歌謡の香りが、胸を心地好く刺激していた。

 

 

 「来ましたねぇ、本日「命日」となりました。

非常に頭からワクワクしているんですけど、すごくドキドキもしてて。

けど、みんなの姿を見て安心したせいか、ドキドキが気持ち良さに変わってきました。

今日はありったけの声を僕らにぶつけてください。

僕らも2年間の想いを全部ここにぶつけていこうと思ってます。

いくぞー!もっともっと想いをぶつけやがれ!」

 

 

マコトの煽りを受け、シャッフルビートが軽快に流れだした。

『デカダンス ゴーゴー』に合わせ、身体を激しく揺さぶる観客たち。

黒い衝動を背負ったシェイクナンバーを、メンバーたちは舞台上から熱を降り注ぐようにぶつけてきた。

マコトの手振りに合わせ一緒に大きく手を振り、観客たちは頭の螺子をどんどん緩めていく。

今はマコトの煽りへ導かれるまま身体も気持ちもシェイクさせればいい。

それで身体が火照ったなら最高じゃない。

何故ならそれが、先へ待ち受けている恍惚と絶叫のための前戯なのだから。

 

躍動するジャングルビートに合わせ、会場中の人たちが飛び跳ね出した。

いや、跳ねているのは観客たちだけじゃない、何時しかメンバーたちもその場で飛び跳ね、躍動するダンスビートを挑発するようにぶつけてきた。

『無理ゲー論』が、緩めた意識の螺子を振動で次々床へ落としていく。

理性なんて、どんどん身体から振り落としてしまえ。

何故ならここは、熱狂を描く社交場なのだから。

 

 

 舞台は一変。ここは場末のうらぶれたサーカス小屋。

妖しい見せ者たちが、『儚夢』を通し、見せてはいけない禁断の宴の扉を開放。

その演奏へ、微睡む憂国な音色に身を預け、今はただ無邪気に踊ろうか。

その楽しさへ、何時しか想いを捧げたくなる。

そう意識が妄走してゆく。

 

いなたい昭和な匂いを嗅ぐわせ、派手な音が会場中を覆いだした。

激しく踊る演奏の上で、マコトが哀愁抱いたメロディに乗せ『エフ』を歌いだした。

禁断の世界を覗き見ながら、何時しかその楽しさに惹かれ踊り狂っていた。そんな気分が、なんとも快哉じゃない。

 

 

熱を抱きながら、怪人二十面奏が連れ出したのは哀愁に身悶え、ねっとり妖しく溺れる快楽の空間。

『嘘憑きと盲目と』に身を委ね、互いに密接に心を寄せ合い、火照った熱を感じながら交わり続けたい。

この禁断の熱狂が、気持ちを恍惚へ導いてゆく。

マコトの熱く告白するような想いに刺激され、沸きだす熱に心が侵されていた。

忘れたくない心地好い熱にずっとずっと溺れていたかった。

 

 ヒステリカルでフリーキーな音色が交錯する空間の中、マコトは『透明。』を歌い、観客たちを高揚した熱狂の行進へ連れ出した。

マコトのねっとり絡み付く歌声に導かれ、気持ち揺れるままに身も心もとろけたい。

何時しか誰もが、その演奏へどっぷり浸っていた。激しいマーチングの演奏に今は心地好く従いたい。

 

『一銭五厘ノ命ノ価値ハ』が意識を酩酊させたまま、観客たちを微睡みの空間へ墜としてゆく。

誰もが恍惚に溺れていた。

理性なんかとっくに忘れた身体へ、優しい呪縛のような歌声と音色が絶頂を得るための交響曲として響いてきた。

時間も時代も忘れ、今はただたた目の前にある快楽をむさぼり喰べていたい気分だ。

 

 

「最高のアルバムが出来たと思っています。

久しぶりに聴いたら安心したでしょ、痒いところに手が届くアルバムでしょ。

僕らは変わらず、進化だけを遂げたアルバムを作りました。

今日は周年公演です、こうやって2周年をワンマンで迎えられるなんてホントに嬉しいです。

ここで怪人二十面奏のワンマンを見たことを、今後誇れるようにしていきます。

今日は伝説のライブを見たということにしておきましょう。

ここからもっと一つになりましょう、いいかー!」

 

 

 マコトの声が、さらに新しい空間の扉を開く合図だった。

『新宿』が流れたとたん、そこには愛憎抱く妖しくも甘美な世界が広がっていた。

何処かギラついたヤバい輝きを放ちながら、でも、スリリングでエッジ鋭い演奏から意識を離したくはなかった。

甘さと危険を隣り合わせにした曲世界へ、何時しか身体は虜になっていた。

 

 両腕をクロスさせ、観客たちを煽動してゆくマコト。

彼は『哀しきトリックスター』?それとも触れた人たちを興奮へ誘う雄々しきロックスター?

それがリアルでもフェイクでもどっちだっていいじゃない。

今は、ただただ身体を刺激する演奏に煽られ騒いでいたい。舞

台最前線に躍り出て煽るKENの姿が、とても雄々しく見えていた。

 

 

裸足になったマコトが、昂る感情のまま絶叫を上げた。

沸き上がる興奮を怪人二十面奏は『劣等感』へぶつけてきた。

今にも客席へ落ちそうな勢いで観客たちへ挑みかかるマコト。

なんて挑発的なステージングだ。

マコトが手にしたナイフ型の赤いサイリウムを振ると同時に、会場中にも赤いサイリウムの海が誕生。

その海は大きく波打っていた。それだけ怪人二十面奏の演奏に刺激を受け、踊り騒がずにいれなかったということ。

感情のストッパー?!。そんなものとっくに捨てちまったよ。暴走した気持ちは、もはや止められない。

 

「あなたを殺したい」、沸騰した感情へ強烈な愛憎を注ぐように哀愁激烈歌謡ナンバー『愛憎悪』を怪人二十面奏は突き付けた。

胸を痛く揺さぶる切なさを抱きながら、その演奏は火照った身体を強烈に愛撫していった。

その刺激に心はむせびながら、身体は身悶え続けていた。

外と内から受けた刺激に、ただただ絶叫を覚えていた。

KENも舞台最前線へ躍り出て、激しくギターの音を突き刺していた。

 

 

「ありがとう、それに尽きるわ。この2年間の憎しみやつらさや楽しみも全部ここでに詰め込んだつもりです」

 

 

それまでの熱狂を、天空(ソラ)へ昇華するよう、怪人二十面奏は最後に切ないバラードの『命日』を優しく響かせた。

心に渦巻く喜怒哀楽様々な感情をすべて燃やし尽くすように、何もかも一度滅してゆくよう、マコトは…怪人二十面奏は祈りを捧げるよう、今にも壊れそうな気持ちのままに『命日』を歌いあげて逝った。

 

 

 

「今日ここで2周年のワンマンが出来たことに意味があったと思ってる。

みんなも、ここに来てくれたことに意味があったと思う。それを本当に嬉しく思います。

ここで自分の納得のいくアルバムとワンマンができたらもう音楽を辞めてもいいかなと思ってたけど、こんな長く音楽に携わってきたら辞めないよね。

それを決めた瞬間、めっちゃ「やったろう」と思って。今は、俺らのことを知らん人たちを好きにさせてやろうと思ってる。

今の時代のビジュアル系バンドが好きな人たちにも、絶対に俺らの音楽って刺さると思ってるし、そういう人らが増えていったらもっと面白いことが出来るはず。

怪人二十面奏の音楽なら絶対に刺さると思うから、「もっとやったれー」と思っていますし、ガツガツ行きます。

そのためにも、大切なこの日に集まってくれたみなさんの力が大事になります。

ホンマにありがとう。

どうか、これからも怪人二十面奏をよろしくお願いします」(マコト)

 

 

   アンコールは、怪人二十面奏流刹那興奮煽りナンバー『想望カルト』からスタート。

哀愁浪漫と激烈高揚な感情を混ぜ合わせた演奏へ…観客たちを激しく挑発してゆくステージングに刺激を受け高揚を覚えた観客たちが、ふたたび身体中から熱を発し全身でメンバーらを迎え入れていた。

 

その演奏は、触れた人たちの心に翼を授けてくれた。妖しい鱗粉を振りまきながら、薄闇の中へ見える光へ向かって羽ばたきたい。

気持ちを恍惚へ連れ出すよう、『蝶』が心地好い旋律の翼をはためかせ会場の中を舞い踊っていた。

誰もがその両手を笑顔で羽ばたかせていた。

 

最後は、みずからの存在の証を示すように怪人二十面奏は『其の証』をぶつけてきた。

己の存在を熱く身体へ刻みつけるように、彼らは荒ぶる感情を哀愁歌謡ロックに乗せ彩色派手に突き付けた。

ここで感じた熱狂と絶頂を、忘れられない興奮の記憶として身体の奥底へ記すよう、彼らは最後まで熱狂を突き刺してくれた。

最後の最後に場内を覆い尽くした「ラーララララ」の合唱が、その証を示していた。

 

 

 

 怪人二十面奏は10月から11月にかけ、大阪公演「D’坂の殺人事件」、名古屋公演「大須地獄」、東京公演「オルガン坂に見る夢は」と題し、東名阪を舞台にワンマン公演「昼は夢 夜ぞ現」を行う。

ファイナル公演は、マコトのバースデーを兼ねて実施。

こちらも楽しみにしていて欲しい。

 

 

TEXT:長澤智典

 

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<セットリスト>

 

『消心叫奏シネマ』

『NUMBER TWENTY』

『アヴストラクト シニシズム』

MC

『デカダンス ゴーゴー』

『無理ゲー論』

『儚夢』

『エフ』

『嘘憑きと盲目と』

『透明。』

『一銭五厘ノ命ノ価値ハ』

MC

『新宿』

『哀しきトリックスター』

『劣等感』

『愛憎悪』

MC

『命日』

-ENCORE-

『想望カルト』

『蝶』

MC

『其の証』

 

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★LIVE情報★

 

 

■怪人二十面奏 東名阪単独公演

「昼は夢 夜ぞ現」(ひるはゆめ よぞうつつ)

 

全公演オープニングゲスト:The Benjamin

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大阪公演「D’坂の殺人事件」

2017年10月14日(土)大阪LIVE HOUSE D’

 

名古屋公演「大須地獄」

2017年10月29日(日)名古屋UNLIMITS

 

東京公演「オルガン坂に見る夢は」

2017年11月26日(日) 渋谷STARLOUNGE

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開場/開演:17:00/17:30

料金:adv.¥3,800/door.¥4,800  *1DRINK別途

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★チケット:

 

先行発売1【BadeggBox先行】ライブ会場

受付期間: 2017年7月29日(土)~ チケットNo.A001-(シャッフル配券)

7/29 TSUTAYA O-EAST公演から各ライブ会場物販にて販売開始 ※お一人様3枚まで

 

先行発売2【BadeggBox先行】バデッグボックスオンライン

受付期間: 2017年7月29日(土)00:00~8月15日(火)23:59

チケットNo.A001-(シャッフル配券)※複枚数の場合連番

購入URL: http://badeggbox.shop-pro.jp/?pid=119986909

 

一般発売日:2017年9月2日(土)~

チケットNo.B001-

 

入場順:番号順:A→B→当日券

 

主催/企画/制作:BadeggBox

問い合わせ: info@badeggbox.jp

 

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怪人二十面奏 Web http://k20.jp/

マコト Blog : http://ameblo.jp/makotopia-max/

Twitter : @doremimakoto

instagram : beethoven_makoto

THE BEETHOVEN OFFICIAL SITE : http://thebeethoven.net

KEN Twitter : @doremiken

 

 






2017年07月08日 (土)

【ライヴレポート】<ギャロ>ノヴ聖誕祭アコースティックワンマン「日頃の不安や不満の中で、ギャロというバンドにすがってくれているならうれしい」

REPORT - 15:06:16

シックなドレス、スーツ、和服。

201773日、思い思いの「正装」に身を包んだ黒い雌鶏たちが続々と集結し、「SHIBUYA BLACK CIRCUS-ACUSTICO-」が開催された。

いつもは、多くの黒い雌鶏たちが身軽な恰好で開演を待ち構えている光景が見られるが、この日はいつものギャロのライブとはうってかわり、フロアに備え付けられた椅子に着席。どことなくお澄まし感が漂う。

開演前のフロアには落ち着いたジャズが流れている。

まるで、これからディナーショウが始まるような感覚に陥る。

 

開演時間となり、ビシッとスーツでキメたメンバーが登場。

なぜかミュージックステーションのBGMが流れ、そのBGMとのアンバランスさにフロアから笑いがこぼれる。

ノヴ(Gt.)とワジョウ(Gt.)、アンディ(Ba.)は椅子に着席し、カエデ(Dr.)はカホンにまたがった。

 

オープニングナンバーは『東京シンデレラ』。アコースティックギターの音が美しく鳴り響く。

いつもはアンプからガンガンに響く轟音の中、いかに身体と一体化させるかを楽しむ黒い雌鶏たちが多いであろうが、この日はじっと感覚を研ぎすますようにして聴き入っている。

続いて『詐欺師』へ。

アコースティックというとギター1本のイメージだが、カエデの打ち鳴らすカホンのおかげで音に厚みが出て、メリハリのついた楽曲として耳に絡み付く。

 

普段なら大いに身体を動かして暴れ歌うジョジョ(Vo.)であるが、今日はアコースティックということで動きが制限されている。

そうなると、表現力が欠けてしまうのではないかという心配は、次の瞬間に吹き飛んだ。

大きな動きがないからこそ、普段だと聴き落としてしまっている細やかな息づかいに思わずうっとりする。

 

2曲終えたところで、『笑っていいとも!』のオープニング曲が流れてMCへ。

今回、タモリ関連のBGMを選曲したのはこの日誕生日であるノヴ。

「カチッと正装で来たBGMがこれですよ」とジョジョ。

ノヴが主役ということで、話題はノヴの欲しいものへ。

「自家製ジェット機がほしい。こないだ、シビレバシルとのツアーで沖縄行ったじゃない。沖縄いいなと思って。ジェット機があればいつでも行ける」と言うノヴに「自家製? 自家用じゃなくて、作れるの?」とワジョウが突っ込む。

 

なんとも緩いMCであるが「今日は緩い感じですよ。でも演奏はきっちりしますから」とジョジョ。

そして、タモリさんが拍手を止める際に行う「パンパパパン」のリズムでジョジョがキメポーズを試みるも、タイミングとポーズがうまく合わず、さらに和やかなムードに包まれた。

 

そんなユル~いMC明けはワジョウのギターから始まった『東京市下谷区少年盗賊團・虎徹』。カホンのリズムが心地良い。

間奏ではワジョウのギターソロが染み入る。

そして、背中にギターを回して手元を全く見ずに演奏する見事なパフォーマンスも披露してくれた。

色っぽいジョジョの声とカエデのハモリがさらにエロティックな雰囲気をかきたてる『魔王残光』。

『極東恋時雨・紅』では、しっとりと歌っているかと思ったら突然ジョジョがシャウト。

シャウトはヴィジュアル系や激しいジャンルの音楽ならではのパフォーマンスだが、アコースティックに加えると、また味と変化があってそれはそれで、個性と呼べそうだ。

 

そして、2度目のMCBGMはタモリ倶楽部のオープニング。話題は、メンバーそれぞれの、ノヴとの思い出話となった。

 

「こないだ沖縄で飲んだとき、泡盛を飲み干したノヴの様子が突然おかしくなって暴れ始めたんですよ。

それで、『まだ俺飲めますよ~!』と暴れるノヴを抱えて外に出たんだけど、きちんと歩かないの。

で、『俺、ジョジョさんのこと大好きなんですよ~!』って。

俺のこと好きならちゃんと歩けって!(笑) 

その後ホテルに連れて帰って、ノヴはカエデ君に怒られたっていう」(ジョジョ)

 

ノヴ自身記憶が飛んでいて覚えていないという、とんでもない醜態を黒い雌鶏たちの前で暴露されてしまった。

しかも誕生日というおめでたい日に。このエピソードだけでなく、アンディやワジョウからも酒癖の悪さを暴露されてしまい「みんなが介抱してくれたから今日まで生き延びられました」と、ノヴは苦笑いをするばかりだった。

 

23曲ごとにMCを挟むセットリストとなっていたこの日の公演。

『夢葬』、『極東恋時雨・鼠』と続く。

口の奥に空間を作って発声するような、艶っぽいジョジョの声が、演奏がシンプルだからこそ顕著に響き、普段以上の妖婉さを醸し出していた。

また、『極東恋時雨・鼠』ではカエデがウィンドチャイムと呼ばれる金属の棒が下がった打楽器で繊細な効果音を作り上げる。

どれもていねいな演奏で、1曲終わるごとに客席からは拍手が沸き起こる。

 

3度目のMCでは、オールナイトニッポンのBGMが流れ、ノヴが番組を進めて行く体の進行に。

そして、またもやノヴの醜態が暴露された。ヴィジュアル系バンドマンにあるまじき姿であったが、これはこの日のライブに足を運んだ方だけの秘密としておいた方が彼のためかもしれない……

 

「次の曲はノヴ編みたいな感じ」と紹介されて始まったのは『魔王輪廻』。

ノヴがコーラスを担当すると、フロアから手拍子が上がった。

緩くて長いMCの後だったが、ぱっと演奏モードに切り替わるのはさすがである。

続く『大日本黒鶏主義者聯盟行進曲嬰ハ短調』は思わず横揺れしたくなる歌謡曲のようなノリやすさ。

先ほどからのタモリ関連の流れから、思わずここはミュージックステーションなのかと錯覚しそうになる。

 

「思いのほかおもしろおかしくしてしまったなと反省していますが、楽しくできたなと思うので、また新しいジョジョが見られたかなと思います」そう語ったジョジョ。

あっという間にラストの『夢魔-INCUBUS-

四拍子のリズムでオシャレなアレンジとなっていた。

 

演奏終了後はみんなでバースデーソングを歌い、ケーキでノヴをお祝い。

ノヴはうれしそうに顔をほころばせている。

 

「日頃の不安や不満の中で、ギャロというバンドにすがってくれているのならうれしいし、みんなの居場所を守れるようにしたい。

みんながいてギャロだと本当に思うので、これからもよろしくお願いします」(ジョジョ)

 

そう感謝の言葉を述べたジョジョ。

アコースティックでの演奏は初の試みだったという。たまにはこのようなギャロでおしとやかに聴き入るのも、日常のしがらみやストレスから開放され、明日からもまた頑張っていこうという糧になるはずだ。

 

なお、ライブ終了後に行われた「黒鶏式晩餐会」の模様のレポートは、後日オフィシャルサイトで掲載予定なので、そちらも要チェック。

 

 

TEXT 姫野ケイ

PHOTOTAMA

 

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【セットリスト】

 

  • 東京シンデレラ
  • 詐欺師

−MC—

  • 東京市下谷区少年盗賊團・虎徹
  • 魔王残光
  • 極東恋時雨・紅

−MC—

  • 夢葬
  • 極東恋時雨・鼠

−MC—

  • 魔王輪廻
  • 大日本黒鶏主義者聯盟行進曲嬰ハ短調
  • 夢魔-INCUBUS-

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平成290716()

渋谷プラグ

ギャロ単独公演

SHIBUYA BLACK CIRCUS-NERO-

 

開場:1730 / 開演:1800

前売:3500 / 当日:4000

ドリンク代別途

 

★『SHIBUYA BLACK CIRCUS-NERO-』★

シングル『夢宴』アルバム『NERO』収録曲が中心の公演と為ります

 

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平成290802()

渋谷オークレスト

ギャロ無料単独公演

SHIBUYA BLACK CIRCUS-RINASCIMENTO-

 

開場:1800 / 開演:1830

前売:0 / 当日:0

ドリンク代別途

 

★『SHIBUYA BLACK CIRCUS-RINASCIMENTO-』★

シングル『無題』『ALICE IN WORLD`S END』ミニアルバム『東京シンデレラ』『東京破廉恥大サーカス新世界』『黒鶏論 -NEO JAPANESQUE BEAUTY AND DESTROY-』収録曲が中心の公演と為ります

 

無料入場用ウェブチケット

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上記の画像を携帯電話等に保存の上、当日受付に御提示頂くだけで入場可能です