2019年02月01日 (金)
【ライヴレポート】<Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』>2019年1月25日(金)マイナビBLITZ赤坂◆君と小さな花になろう。二人で揺れていよう────。 この4人の結晶全25曲を展開、最高のフィナーレ! そして、nextメルヘン解禁!
REPORT - 13:00:4617年前の9月11日、Kraはこの世に産声を上げた。
景夕(Vo)、舞(G)、結良(B)、靖乃(Dr)の4人は「ファンシー&メルヘンポップ」を掲げ、当時のヴィジュアルシーンの中へ「ファンタジックでメルヘン」な毒を隠し持ちながらも愛らしい世界観を投影しながら、彼らの音楽へ触れた人たちにたくさんの夢を与えてきた。
2011年には新たにタイゾ(G)を迎え、今の体制に。その頃には「ファンシー&メルヘン“ロック”」な姿へと進化。
より多様な表現幅を描きながら、触れた人たちの心へ夢から悪夢まで色とりどりな物語を映し出していった。
その本に綴られた物語へ惹かれるのは、読んでいる間中「この先どうなるのだろう?」と期待に胸を膨らますワクワクがずっと続くからだ。しかも長編作品ほど予測もしなかった展開や悲劇が起こり、期待や願望を裏切られることも往々にしてある。
むしろ読者の期待を裏切る展開が、また新たな期待を膨らませることにも繋がってゆく。
4人で物語を綴り続けてきたKraは、1月25日にマイナビBLITZ赤坂を舞台に行った<Kra LIVE 2019『創りし者/FOUR CHILDREN』>を通し、一つの読点を打った。
そこは“一つの章の終わり”と言ったほうが正しいだろうか。
今回の「章の終わり」は、「次の章」へ向け、とても大きな物語の改変を成すきっかけとなった。
何よりKraとして歩んだ17年間の歴史の歩みや足跡の大きさを、演奏を通しメンバー自身がその身で感じ続けていた。
この日、マイナビBLITZ赤坂で何が起こったのか。
その模様をここへ記したい。
====================
今宵は身体が求めるまま、熱した演奏と景夕の歌声に合わせ、思う存分に暴れようじゃないか!
====================
メンバーが登場するたびに響く大きな黄色い歓声。
4人に向けて叫ぶ声が4つの名前を告げ終わると同時に、景夕、タイゾ、結良、靖乃、4人の雄姿を刻むライブが幕を開けた。
冒頭を飾ったのが、Kraの活動初期頃からライブに熱狂を描き続けてきた「artman」だ。
歪みを上げた激しい演奏に合わせ、思いきり頭を振る観客たち。
景夕は時に荒ぶる声を上げ、時に甘い誘いをかけながら、観客たちを自分たちの懐へと導いてゆく。
時空を超え、時代の流れを自由に行き来するように、大勢の人たちが自分の体感してきた思い出の中のKraの姿を今の4人に重ね合わせ、笑顔で歌い、拳を振り上げ、声を上げていた。
騒げ、騒げ。
今宵は身体が求めるまま、熱した演奏と景夕の歌声に乗せ思う存分に暴れようじゃないか!
「君たちの心に眠っている小さな声を胸いっぱいの力で叫んで欲しい。
その声を、我々が世界へ届けよう」。
景夕の声を受け流れたのが、「覚醒ディストーション」。
胸の奥底に閉まっていた荒ぶる感情や歓喜の想いを外へ一気に連れ出すように、観客たちを煽る4人。
光を携え走る演奏に身を預け、誰もが気持ちを素直に開放してゆく。
心の叫びをもっと歪ませろ、身体を振動させながら昂る気持ちを響かせろ。
それこそが、自分を開放してゆく最強の手段。
その楽しさを、彼らが熱した演奏を通して教えてくれた。
とてもたおやかな表情と激しく疾走する勢いをミックスアップ。
「無拓と無択と」が、はしゃぎたい観客たちの身体や感情を右へ左へと揺らしていく。
心へ温かな色を塗り重ねる景夕の歌声へ素直に心を委ねたい。
駆ける演奏に身を預けながらも、気持ちは自由を謳歌する景夕と一緒に、おおらかな心のままこの空間の中で揺らめいていた。
「今日は大事なライブですけど、何時もと変わらないテンションでやらせていただきます。
赤坂BLITZは8年ぶりですよ」(景夕)
「アルバム『ナロとトルテ』ツアーのファイナル以来」(タイゾ)
など、赤坂BLITZにまつわる思い出を語るメンバーたち。
靖乃は、当時のステージで着たカボチャの衣装について「着にくかった」など、8年ぶりの告白も告げれば、「舞台中央に設置していた大きな薔薇が、靖乃がドラム台へ足を運ぶと同時に消え去ったのにはビックリした。あれは靖乃用のセット?」(結良)など、とりとめのない…いや、何時も通りのたわいもない会話が舞台上から飛び交っていた。
====================
感情の扉を開くよう、触れた人たちの気持ちも思いきり外へ解き放ってゆく。
====================
「今日は精一杯、4人の力を振り切ってやります。
別れもあれば出会いもあります。
でも我々は、待ち人のように何があっても待ち続けます。」
景夕の言葉を受けて奏でたのが、「待ち人」。
ソリッドなギターの音色へ導かれ駆けだした演奏の上で、哀切な心模様を歌い叫ぶ景夕。
スリリングな楽曲なのに胸を優しく揺らすのは、景夕の歌声が暖かな想いの熱を発していたからだ。
ピンク色の光に包まれた妖しい空間。
会場中の人たちを微睡みの世界へ連れ出すように届けたのが、「上海遊戯」。
心を惑わす妖しく艶めいた世界へ触れていると、そのまま夢の舞台へ堕ちてゆくようだ。
しばし心地好さ覚える宴へ身を委ね、ゆったとり微睡んでいたい…。
タイゾのカッティングギターの旋律を合図に、熱を持って飛び出したのが「Alice」。
「もうこれ以上独りにしないでよ」「僕もそこへ行けるよね」など、心に渦巻いていた想いを解き放つように歌う景夕。
感情の扉を開くような力強い心の叫びが、激しさと浪漫を重ね合わせた演奏が、触れた人たちの気持ちも思いきり外へと開放していった。
「俺とタイゾが脱退するのを発表してから、ここまであっと言う間。
だけど、何時も通り“なんて最高な場所におるんやろう”と感じながらライブをやらせてもらっています。
ほんと、最高!」(靖乃)
「自分で心拍数が上がっていくのを感じててね。
今日だけで3日くらいは寿命が縮んだ。それくらいライブ前は緊張したよ」(結良)
「Kraを長年やってきた上で言うけど、俺はクールじゃないの。
Kraにいると会話に入る隙間がないからクールに見えるの」(タイゾ)
など、何時も通りのとりとめもない会話をしてゆくところがKraらしさ。
3人の会話へ絡む景夕の言葉がちょっとうざ…激し過ぎたので、ここでは控えておきます(笑)。
====================
一触即発なこの熱した空間に触れているだけで、身体が激しさを求め叫びたくなる。
====================
「向こうから何かがやってくるぞ、サァカスだ!」
景夕の言葉を、これから始まる物語への期待感を、雄々しい演奏が後押ししてゆく。
Kraが招き入れたのが「サァカス」だ。
何かが起きそうなスリリングな演奏の上、道化のような仕種や語りを魅力に、景夕が観客たちを自身の懐の中へ呑み込んでゆく。
ドキドキとした好奇心が膨らみだす。
さぁ、今宵のKraはどんな興奮と熱狂を届けてくれるんだい?
妖しくうねる結良のベースへ導かれ、心地好い緊張感を持って飛び出したのがクールかつダークでスリリングな「カラスノマクラ」だ。
景夕の叫びを合図に、勇猛さと躍動を増す演奏。
妖しい熱に侵された心や身体が、景夕の誘いに合わせ小刻みに揺れ続ける。
熱を携えたその調べが、心地好くてたまらない。
会場に撒き散らした熱をさらに沸騰させるように、続いて「LOAD MY HEART」を突き付けた。
痛みさえ忘れるくらい昂る感情を胸に、荒ぶる気持ちのままに攻めるメンバーたち。
景夕の誘いへ、身体を折り畳み想いを投げ返す観客たち。
一触即発なこの熱した空間に触れているだけで、身体が激しさを求め叫びたくなる。
「まだまだいこうかー!これこそが現実だ!」
景夕の叫びに続いて届けたのが、雄々しき感情を描き出した「It is What It is」だ。
その演奏は理性を脱ぎ捨て、裸の気持ちでぶつかってこいと誘いをかけ、共に暴れようぜ!と熱狂の戦いを挑んでいた。
誰もがワイルドな演奏へ飛び乗り、全力で跳ね続けていた。
沸き立つ感情をすべて解き放たないことには、ここにいる意味がない!
そんな高ぶる感情を唸るグルーヴを通して熱く揺らすように「GUSTAV」を演奏。
激しくファンキーにうねる野性味たっぷりな楽曲の上で、景夕が全身を震わせ、気持ちの奥底に閉まっていた感情をえぐり出すように叫んでいた。
なんて狂おしいほどに高揚した歌声だ。
情熱を携えた歌声と演奏がどんどん理性を狂わせてゆく。
====================
熱狂のタクトを振る景夕が、会場中の人たちを淫らな男と女に変えてゆく。
====================
「頭ー!」
重く激しく疾走した「ダーリンインザダーク」の登場だ。
すべての障害をなぎ倒すように、会場中の人たちが狂ったように身体を揺らし、拳を振り上げ、彼らの作りあげる熱狂の戦いの地へ全力で挑んでいた。
今宵のKraはファンタジックでロマンティックな顔を極力隠し、毒々しい魔性の魅力を持って観客たちの感情を熱狂と興奮という色に染めあげていた。
「いこうぜ、赤坂!」
挑発するように響く結良のベース。
そこへ絡むのは、ヒステリックな旋律を奏でるタイゾのギター。
雄々しい靖乃のドラムビートも重なる中、「恋情フィソロフィ-」を奏で、観客たちの感情を酩酊した音の中へ落としてゆく。
なんて艶めいた景夕の歌声だろう。
雄々しく唸る演奏の上、激情と抑揚など感情のハンドルを巧みに操りながら、景夕は笑顔で観客たちを熱狂の中へグイグイ引き込んでゆく。
微睡みの中で熱を覚える、心地好いこの感覚に溺れそうだ。
ファンキーなブラスの音色が高らかに鳴り響いた。
さぁ、もっともっと妖しい宴の中、心を淫らに染めあげ、Kraと一緒に踊り祭ろうか。
「Cab.D」が連れ出したのは、心を妖しく塗り替える極彩色な宴の園。
華やかなのにスリリングな演奏に乗せ熱狂のタクトを振る景夕が、会場中の人たちを淫らな男と女に変えてゆく。
さぁさぁ心の騒ぐまま、彼らの奏でる華やかでファンキーな演奏に心を染め、踊り続けようじゃないか!
====================
4人が望むことは、信念を曲げずに奏でていくこと。
====================
騒ぐ気持ちやはしゃぐ身体へ熱狂のエナジーを注ぐように投下されたのは「ロック~兵定法」。
その歌は瞬く間に理性の留め金をぶち壊し、会場中の人たちの感情の螺子を緩め、暴れ騒ぐ人形へ変えてゆく。
激しく煽る演奏へ触発され、無邪気に騒ぎ狂う観客たち。
誰もが全力で頭を振り乱し、化粧も心も崩していた。
そこから見えてきたのは、熱狂に身を浸しはしゃぐ観客たちの本性。
終盤には感情と感情を、絶叫と絶叫を、魂と魂をぶつけあうバトルも勃発。
続く「ショータイム」でも、誰もが全力で気持ちを一つにKraの4人に熱狂の戦いを挑み続けていた。
それにしてもここまで魔性の牙を剥き出しに彼らが観客たちに挑みかかるとは。
すでに会場は暴れ狂う人たちが入り乱れる、熱した闘技場と化していた。
「今日でこの4人は最後ですけど、おのおのがそれぞれの道を探して、またみんなのところへ戻ってくると思います。
そのときは笑顔で迎え入れてください。
みなさんの心の中には大きな、けっして曲がることのない旗が一つあると思います。
この4人が望むことは、その信念を曲げずに奏でていくこと」
Kraが最後に届けたのは、活動初期からKraの顔として輝きを放ち、彼らを揺るぎない存在として支え続けてきた「ブリキの旗」だ。
眩いミラーボールの輝きを全身に浴びながら、自分たちの強い意志を彼らはこの「ブリキの旗」へすべて注ぎ込み、その場にいる一人一人の心の大地へその旗をしっかりと突き刺していった。
けっして倒れることのない「ブリキの旗」が心の中ではためき続ける限り、僕らも、Kraのメンバーたちも、一緒に旗の袂へ小さな花を咲かせていけるはず。
「君と小さな花になろう 二人で揺れていよう 想いを告げ告げられて...そんな二人でいつづけていよう」と、何度も繰り返される観客たちの合唱。
その声がとても温かく胸に響いていた。
その温かい声をじっと受け止める4人。
その想いは、4人の心へもしっかり届いていた。
Kraは僕らの心に、小さいけど枯れることを知らない、未来へ向かって揺れる花を確かに咲かせてくれた。
====================
野生な感情を剥き出した演奏に、心が熱く騒いでゆく。
====================
「アンコールは、この4人から始まったこの曲から。」
景夕の言葉に続いて飛び出したのが、タイゾが加入して初めてシングルとしてリリースした「不思議な世界からの招待状」だ。
華やかで激しいダンスロックへ飛び乗り、フロア中の人たちがふたたび理性のスイッチをパチンパチンと切りながらはしゃぎだす。
舞台上のメンバーも「奇跡をみさせてあげよう」と心弾む演奏を突き付けてゆく。
何時しか演奏は、華やかでゴージャスな姿に変貌。
今宵は、このまま一緒に騒ぎ尽くそうか。
止まることなく演奏は「ミセス」へ。
はしゃぐ気持ちへ熱狂を注ぐように、マジカルでファンタジックな演奏へ熱した感情を重ねあわせ、彼らはフロア中の人たちを妖しく挑発。
甘えたように歌う仕種も魅力的だ。
そして歌が進むごとに熱を持って騒ぎだす演奏が、気持ちを嬉しく掻き乱してゆく。
結良の激しいベースに導かれ、メンバーたちがワイルドでスリリングな演奏を繰り出した。
怪しさも携えた景夕の歌声へ微睡みを覚えながら。
それ以上に、妖しい熱狂を携えた「彷徨えど夜」に触発され身体が熱く火照り続ける。
覚めない熱へどんどん熱を描き加えてゆくメンバーたち。
野生な感情を剥き出した演奏に、心が熱く騒ぎだす。
====================
何度も何度も、終わりを迎えることを忘れたように「HELLO!!」と叫び続けていた。
====================
「この4人で最後のライブになります。
楽しんでいただけたら、それが我々の幸せでございます。
我々は、みなさんが楽しかったと言ってくだされば十分でございます。
4人でやってきて、2人が新しい場所へと向かっていくけど、2人を力強く見送ってくださいね」
景夕の言葉に続いて届けたのが、「例え」だ。
タイゾの荒々しいカッティングビートへ飛び乗り、光をつかむように、大空へ駆け上がるよう、彼らは大らかな気持ちと雄々しく躍動する想いを携えながら、観客たちと一緒に音の空間を自由に漂っていた。
演奏に合わせ飛び跳ねずにはいられない。
なんてスカッと晴れた気持ちへ導く歌だろう。
このまま眩い輝きの中、彼らと一緒に楽しく人生を謳歌しようじゃないか。
「雨の」「告白」のやり取りから、演奏は「雨の告白」へ。
激しく跳ねる演奏の上で、明るく挑発するように歌う景夕。
心揺れるまま、身体の騒ぐままにはしゃぎ倒したい。
気持ちを心地好くフワフワと揺らす景夕の歌声に合わせ、このまま跳ね続けようか。
胸を弾ませる、とてもロマンティックな「空中ブランコ」の登場だ。
気持ちを嬉しく騒がせる演奏に合わせ、右へ左へ身体を揺らす観客たち。
間奏では両隣の人たちと手を繋いで飛び跳ねる場面も。
景夕と観客たちとの歌の交わしあい。
何よりこの歌が、会場中の人たちを開放した気持ちへ導いてゆく。
それが嬉しいじゃない。
「暴れていこうかー!」「ぐっちゃぐちゃにしていこうぜ!」
ふたたびこの会場を熱狂の闘技場へ様変えようと、Kraは荒ぶる煽りナンバー「明日屋」を叩きつけた。
終始、攻めの姿勢で観客たちへ挑みかかるメンバーたち。
景夕の叫ぶ「HELLO!」の声はもちろん、靖乃や結良、タイゾの叫んだ「HELLO!」の声へ応えるように何度も何度も「HELLO!」と熱い声を返す観客たち。
叫びを交わしあうたびに、感情のレベルゲージがぐんぐん上昇してゆく。
誰もが気持ちの奥底から沸き上がる声を張り上げ、両手を思いきり花咲かせ、何度も何度も、終わりを迎えることを忘れたように「HELLO!」と叫び続けていた。
====================
一人一人に夢があれば、我々は何時だって花になれる。
====================
「いつも通りがいつも必ずあるわけじゃないからこそ、そのときそのときを大切に生きてください」(結良)
「今日は終わりというよりも、次へ繋げる日。
それぞれのメンバーの人生を応援してくれたら俺は嬉しいなと思います。
みなさんも素敵な人生を、幸せに生きてください。」(タイゾ)
「最高に気持ちいいっすね。みんなの笑顔と共に今日を過ごせて最高ハッピーです」(靖乃)
「この先も自分たちの人生はまだまだ続いていきます。
今日のライブが終わっても、それぞれに夢は続けば、君たち一人一人にだっていろんな夢があるでしょ。
その一人一人に夢があれば、我々はいつだって花になれるはず。
そのためにも我々は旗を掲げ、夢を絶やすことなく、それぞれに決めた人生を生きたいと思います。
この4人のこの先も、どうぞよろしくお願いします。
Kraといえばメルヘン、そんな世界を作ったこの曲でお別れしましょう。」(景夕)
景夕、タイゾ、結良、靖乃。この4人のKraとして最後に届けたのが、Kraらしいメルヘンかつファンタジックでカラフルな香りを満載した「エキストラキングダム」だ。
いつも笑顔を届けてくれる彼ららしい、温かく華やかなメルヘンワールドをKraはこの空間に描いてくれた。
誰もが演奏に飛び乗り、くしゃくしゃな笑顔で跳ね続けていた。
キラキラと輝く音をつかんでは、今宵手にした素敵な想いを胸に詰め込みながら、彼らと一緒に夢の景色の中、無邪気にはしゃぐキッズに戻っていた。
ここで物語の一つの章は幕を閉じた。
でも、物語自体はまだまだ続いてゆく。
その夢の続きを、ふたたび一緒に描こうじゃないか。
そして…。
この日、これからのKraの展開を成す様々な行動が発表になった。
彼らは、新たな展開を発表するに当たり「絶えず有り続ける事、それが答え」と言葉を投げかけてきた。
それが、終わらない物語を綴り続けているKraに対する景夕と結良の回答だ。
その物語の続きを、これからも共に見続けていこうではないか。
PHOTO: NORl
TEXT:長澤智典
====================
◆Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』
2019年1月25日(金)マイナビBLITZ赤坂
セットリスト
-SE-
『artman』
『覚醒ディストーション』
『無拓と無択と』
-MC-
『待ち人』
『上海遊戯』
『Alice』
-MC-
『サァカス』
『カラスノマクラ』
『LOAD MY HEART』
『It is What It is』
『GUSTAV』
『ダーリンインザダーク』
『恋情フィソロフィ-』
『Cab.D』
『ロック~兵定法』
『ショータイム』
-SMC-
『ブリキの旗』
-ENCORE-
『不思議な世界からの招待状』
『ミセス』
『彷徨えど夜』
『例え』
『雨の告白』
『空中ブランコ』
『明日屋』
『エキストラキングダム』
====================
★赤坂BLITZ映像化!ライブDVDリリース決定!
LIVE DVD
「Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』@2019.01.25 マイナビBLITZ赤坂」
*ONLINE SHOP完全受注販売*
[仕様予定]:DVD+20P BOOKLET
[お届け予定]:4月下旬
[価格]:特典付き¥8,000 (税込、送料別)
※特典 OFF SHOT DVD
・PS COMPANY ONLINE SHOP http://psshop.jp/
※予約期間: ~2019年02月28日(木)23:59
====================
■Kra 主催 イベント『エキストラキングダムvol.1』
2019年3月26日(火)池袋EDGE
[開場/開演] 16:00/16:30
[ゲスト] heidi. / ラッコ
——————————-
■Kra SPRING LIVE 『ショータイム2019』
4月14日(日)高田馬場AREA [開場/開演] 16:00/16:30
5月11日(土)町田The Play House [開場/開演] 16:00/16:30
5月18日(土)静岡Sunash [開場/開演] 16:00/16:30
5月25日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!! [開場/開演] 16:00/16:30
[前売] 各5,000円(税込、D代別、スタンディング)
☆FINAL
6月22日(土)サンリオフェアリーランドシアター
公演詳細後日
——————————-
■Kra LIVE 『サタデーナイトフィーバー2019』
8月03日(土)西永福JAM
8月10日(土)西永福JAM
8月17日(土)西永福JAM
8月24日(土)西永福JAM
公演詳細後日
——————————-
■Kra 18th anniversary LIVE【 続・花の青春18切符 】
2019年 9月11日(水) TSUTAYA O-EAST 公演詳細後日
——————————-
■MIMIZUQ主催EVENT TOUR「ナミダの森の木の下で」
[出演] MIMIZUQ / Kra / Braymen / umbrella
4月06日(土) アメリカ村BEYOND [開場/開演] 16:30/17:00
4月07日(日) 名古屋ell. FITS ALL [開場/開演] 16:30/17:00
4月15日(月) TSUTAYA O-WEST [開場/開演] 17:30/18:00
====================
★Kraオフィシャルサイト★
http://www.pscompany.co.jp/kra/
★OFFICIAL FAN CLUBコロポックル★
入会ご希望の方は http://fckra.emtg.jp/(PC・スマホ・携帯) にてお手続きください。
★ ブリキのサーカス団★
2019年01月23日 (水)
【ライヴレポート】2019年1月20日 Billboard Live TOKYO<INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE>◆全ファンが酔いしれる特別なアコースティックライブ──。
REPORT - 14:38:44Photo by:ヤマダマサヒロ
「シンガーとして、やっと自分らしくステージに立てるようになった…」ライブ終了後の楽屋で、INORANは晴れ晴れした表情で、自身の想いを語った。
ビルボードライブ東京で行われた、INORANにとって今年最初のライブ『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』は、従来のバンドスタイルではなく“歌とアコースティックギターで自身の音楽性を表現する”という、新たな試みが行われたスペシャルな内容となった。
このアコースティックライブのルーツとなるのは、17年『SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017-INTENSE/MELLOW-』で披露された、アコースティック編成による演奏セクション“Bar Mellow”である。Bar Mellowは、静と動の異なる音楽性をエレクトリックなINTENSE、アコースティックなMELLOWで描き出したセルフカバーベスト作『INTENSE/MELLOW』の世界観を、ライブで表現するためのものであったが、その演奏には普段のロックな激しさと異なるフォーキーな素朴さが宿っており、改めてINORANというミュージシャンの“奥深さ”に気付かされた。
INORAN自身も、このBar Mellowの演奏に確かな手応えを感じたようだ。17年ツアーの際、筆者は、ライブ後の楽屋で楽しそうにアコースティックギターを弾くINORANを目撃し、今もその光景が強く記憶に残っている。そう考えると、今回彼がアコースティック編成で、『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』を行ったことは、やはり必然だったのだろう。
アコースティックライブということで、今回はボーカルとアコースティックギターがINORAN、ピアノがTourbillonの“盟友”葉山拓亮、ヴァイオリンがYui、チェロが島津由美という、普段のバンドとは異なるアンサンブル編成になった。
ファンにとっては“従来のバンド編成と今回のアンサンブルでは、どれだけサウンドが変わったのか?”が、非常に興味のあるテーマだろう。これは、筆者の個人的な見解ではあるが、14年リリースのミニアルバム『Somewhere』のバラード「Sakura」は、今回のサウンドイメージが上手く表現されている曲だと思う。ライブでも「Sakura」は披露されたが、色彩豊かな鍵盤の音色、情緒的なストリングスのコントラストが描き出す柔らかで、温かみのあるサウンドは、間違いなく本アンサンブルの核といえるものだった。
冬の寒さが一段と厳しさを増す大寒の始まりが嘘のように、1月20日のライブ会場がある六本木は、日中の最高気温が13度と暖かな陽気だった。会場には満員のオーディエンスが集結し、ビルボードのお洒落なカクテルや絶品な料理を楽しみながら、リラックスしたムードで会話を弾ませていた。
開演時間になり、ステージに葉山、Yui、島津、アコースティックギターを手にしたINORANが登場すると、オーディエンスから一際大きな歓声が起こる。オープニングナンバーに選ばれたのは、『BEAUTIFUL NOW』のタイトル曲「Beautiful Now」だ。
この曲は、普段のバンド編成だと開放的で力強いサウンドを宿しているが、今回は葉山のリリカルな鍵盤のハーモニー、Yuiと島津の優雅なストリングスが加わることで、ソフィスティケートされた優しい雰囲気になり、曲の表情がガラリと変わっていた。INORANは、愛用のマーティンD-28をストロークしながら、会場の観客を笑顔で見つめ、ありったけの感情を込めて歌う。
その後、披露された人気曲「千年花」では、INORANがギターを背中に回して、ステージ中央にあるマイクを手に取り、さらに力強くエモーショナルなボーカルを披露し、観客をグッと曲の世界観に引き込んでいく。この日の彼の歌力は圧巻で、表現力、声量、グルーヴの全てにおいて、筆者がそれまでに抱いていたボーカリストとしてのINORANのイメージを軽く超え、実に堂々としたものだった。ライブでボーカリストとしての自分を、ここまでストイックに表現する彼の姿を見たのは、これが初めてかもしれない…。
MCで、INORANは「ギターを始めてから30年とか凄い年月が経つけど、その中でバンドを始めて、自分のとなりにはRYUICHIという凄いボーカリストがいた。バンドが終幕した時に、自分で歌うってことで俺のボーカルは始まったんだ。続けることは大切で、あれから20年以上が経った今、こうして素晴らしいミュージシャンが演奏してきたビルボードにボーカリストとして立つ勇気というか、自信が湧きました。そう思うと少し感極まっています」と語る。
セットリストは一新され、現在のINORANの音楽性を語るのに重要な「Beautiful Now」「Sakura」「Shine for me tonight」「Thank you」という、強力なナンバーが前半、中盤、後半の重要な位置を占める。ミディアムテンポとスローテンポの曲を中心にセットリストが組まれているのも、INORANの歌と優美なこのアンサンブルを楽しむのには、ベストなチョイスだと思う。
また「I swear」「I’ll be there」「Come closer」という、近年の英語詞とは異なった、日本語によるポジティブな歌詞のメッセージが印象的な楽曲が披露されたが、こういった優しい雰囲気もINORANらしい音楽性であるし、どの曲でも彼らしいオリジナルなメロディセンスがキラリと光る。
その中でも、特に強く印象に残ったのが「I swear」だ。この曲は、ソロ10周年記念のベストアルバム『THE BEST』のラストを飾る曲で、「舞い落ちる刹那は悲しみを溶かし流す静寂の中〜」という情緒的な歌詞が印象的なナンバーだ。そんなの歌詞の世界観を活かす、葉山の鍵盤とストリングスのアレンジセンスが秀逸で、ライブでもボーカル、ピアノ、ストリングスのハーモニーが見事に調和し絶品だった。
その後、MCでINORANが「俺がこんなに歌ったら、皆ドン引きするよね(笑)。でも、ビルボードという素晴らしい場所で演奏する機会に恵まれたことに本当に感謝しています」「今年は本当に色々なことがあると思う。普段何気なく生活して、ギターを弾いて、曲を作るという、日常の全てがとても尊いものだなって。それでも、今日こうして会えたし、せっかくだから皆も美味しいお酒を飲んで、最高な時間を過ごしてください。次はカバーをやります」と語り、Mr.Childrenのバラード「車の中でかくれてキスしよう」を披露。この予想外な曲のチョイスに、会場のファンから大きなどよめきが起こった。
このカバーについてINORANに尋ねると、「理由はね、ちょっと言えないくらい思い入れがあるんだよ(笑)。ミスチルの桜井さんは本当に尊敬するシンガー。そして、RYUICHIもそうだし、FAKE?で一緒だったKEN LLOYDもそうだし、今まで本当に素晴らしいシンガーに巡り合った。そういう彼らを見てきたから、最初の頃は自分のボーカルなんて、もう彼らの足元にも及ばないって思っていたけど(笑)、そんな自分でも続ける中で今やっとビルボードで歌いたいと思えるようになった。そういう意味を込めたのかもしれないね」と、コメントしてくれた。そういった曲とアーティストへの深いリスペクトを込めて、INORANはこの日のライブで「車の中でかくれてキスしよう」を、彼らしいグルーヴと抑揚をつけて丁寧に歌いあげた。
終盤のMCでは、葉山と息の合ったトークを披露するINORAN。その中で、「RYUICHIと話をしたけど元気そうだったよ。彼らしい回復力で元気になると思うから、またTourbillonの3人でツアーをしたいね」と語り、1月11日に肺腺がんの手術を受けた、もう一人の“盟友”RYUICHIにエールを送り、またの再会をステージで誓い合った。
ライブ終盤は、「後半戦は参加型でお願いします」とオーディエンスに語りかけ、「Come closer」では手拍子とシンガロングを求め、次第に強さを増していく観客の反応を嬉しそうに眺めながら、より想いを込めて情熱的に歌い上げる。その盛り上がりがピークとなった、ラスト「Thank you」の熱を帯びた会場の一体感は、ライブの大きなハイライトとなった。
ライブ終了後にメンバー紹介をしたINORANは、「本当に素晴らしい時間をありがとう。今日演奏して、またこのビルボードというステージに立ちたいと思いました。また会いましょう!」とオーディエンスにメッセージを残し、会場を後にした。
INORANのボーカリストとしての実力が遺憾無く発揮された、『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』。東京公演のセットリストは、これまでの彼とは違ったアコースティックな一面に触れることができる、とても魅力的な内容だった。2月1日のビルボード大阪では、今回と異なる曲を重要な場所に置くということなので、大阪公演も、ここでしか見られないスペシャルなライブになるのは間違いない。
そして、この『INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE』を終えた3月から、INORANはいよいよ、今年夏に完成予定のニューアルバムのレコーディングをスタートさせる。
18年の充実したツアーを経て、さらに磨き込まれたロックな初期衝動、そして今回のアコースティックライブで垣間見えた、シンガーソングライターとしての素晴らしい“歌心”。INORANのワンアンドオンリーな音楽性は、今後も更なる深化を続けていく…。
次の新作で、彼がどんなサウンドを我々に届けてくれるのか、今からとても楽しみで仕方ない!
取材・文:細江高広
写真:ヤマダマサヒロ
====================
LIVE・EVENT
■INORAN 2019 NEW YEAR PREMIUM ACOUSTIC LIVE
2019年2月1日(金)Billboard Live OSAKA
[1st] 開場17:30/開演18:30
[2nd] 開場20:30/開演21:30
[料金・税込] サービスエリア¥7,900 / カジュアルエリア¥6,900(1DRINK付)
====================
■HAPPY JACK 2019〜H-FINAL EDITION〜
2019年3月16日(土)
[会場] 熊本B.9 / Django / ぺいあのPLUS’
[OPEN/START] 11:30/12:00
[料金] 1DAY TICKET¥5,000 2DAY TICKET¥9,000(税込・DRINK代別)
INFO. HAPPY JACK事務局 096-363-6175(平日10:00〜17:30)
※INORANの出演会場は後日発表
====================
■LUNA SEA The 30th Anniversary Special Live日本武道館2days
2019年5月31日(金)OPEN 17:30 / START18:30
2019年6月1日(土)OPEN 16:00 / START17:00
[料金] 全席指定 ¥9,800 (税込)
2階後方立見 ¥9,800 (税込・整理番号付)
ファミリーシート 大人¥9,800(税込)・ 高校生以下¥2,200(税込)
SLAVE VIPシート ¥50,000(税込)) ※一般発売はございません。
SLAVEシート ¥21,600(税込) ※一般発売はございません。
※3歳以上有料 ※座席はステージ横、後方を含みます。
====================
RELEASE
「Override」2018年8月22日(水)発売
【DVD版】KIZB-281/¥6,000+税/DVD+CD
[DVD]
■SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017 -INTENSE / MELLOW-<B-DAY LIVE CODE929/2017>
at SHINKIBA STUDIO COAST ライブ映像
■INORAN 20th DOCUMENTARY(約53分収録)
[CD]M1.I’m Here for you M2.Turn It Around
====================
INORAN「I’m Here for you」Music Video>>https://youtu.be/KNADB2eJWfk
INORAN「Override」Trailer>>https://youtu.be/u4WdzPNW6c8
INORAN OFFICIAL FAN CLUB「NO NAME?」>>http://inoran.org/no-name/
INORANオフィシャルサイト>>http://inoran.org/
2019年01月22日 (火)
【ライヴレポート】2018.12.21 『D Tour 2018「Deadly sin」TOUR FINAL & D結成15周年 メジャー10周年Year Grand Final』豊洲 PIT!
REPORT - 12:21:12結成15周年/メジャー・デビュー10周年となるアニヴァーサリー・イヤーを迎えたDによる、この1年の活動を締め括る東京公演。この日のライヴに冠されていた“Grand Final”という言葉は、何らかの区切りとも受け止められるものだった。折しも直前の12月19日にはベスト・アルバム『Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~』がリリースされており、キャリアを総括する内容で魅せる、万人の満足度を抽象するような内容にすれば、確かに意味合いとしては頷ける。
しかし、結論から言えば、彼らはそんな安易な選択はしなかった。11月から始まったシングル『Deadly sin』を引っ提げたツアーの最終日を、どんな位置づけにするのか。セットリストを含めて、熟考を重ねたパフォーマンスは、自身の歴史を踏まえながら、明らかに新たなDの姿を印象づけるものでもあった。
ポイントはいくつかある。まずはオープニングからの畳み掛けだ。1曲目に「In the name of justice
が聞こえてきた時点で、大きな流れを予測した人も少なくなかっただろう。ヴァンパイアの王、ドライツェンの息子の名前がジャスティスであることが明らかにされた楽曲である。続く「弾丸」も彼に連関する物語であり、なおかつ「メテオ ~夢寐の刻~」はジャスティスが駆る馬を採り上げたものだ。今年6月に発表されたシングル「Revive ~荒廃都市~」で告げられた、Dの主軸たるコンセプト<ヴァンパイア・ストーリー>の第2章の始まりへと向かう前段である。
「みんなの支えがあってステージに立てていることに感謝します」(ASAGI)といったMCを経て、もちろん「Revive ~荒廃都市~」とそのカップリング曲である「Next Generation」「エトワール ~白き異端者~」へとつながれていく。ここでジャスティスと恋人であるブランシェの関係性を描いた「Lapis lazuli ~君を思うほど僕は欲しくなる」を配した流れも頷かされる。
こういった構成の巧さはDのライヴにおいては通常のことだが、この日は話の連関や時系列をより精緻に見せていたように映る。単に“盛り上げる”ためだけのセレクトとは一線を画し、ヴァンパイア・ストーリーを立体化させることだけに主眼を置いた、純粋な取り組みだ。細かなこだわりの強さは、その後のセットでも一切ブレることはなかった。その面白さは、当日の曲目表を改めて一覧してみればよくわかる。個々にどのような立ち位置にあるのか、歌詞に描かれた内容を踏まえつつ振り返ってみると、またその奥深さも再確認できるに違いない。
ただ、それも影響を及ぼす要素の一つだったのかどうかはわからないものの、驚かされたのは5人のステージングだった。とにかく序盤から、これまでにないほどのアクティヴさで攻めてくる。上手側も下手側も縦横無尽に動き回るのみならず、時には客席フロアにまで降りてくることなど、誰が想像しただろう。コンセプターであるASAGIの意図は確認していないが、ジャスティスと四騎士たちが次なる闘いへと突き進む様を体現したとも解釈できる。演出として考えられたものはあるにしても、それだけでは説明がつかない躍動感だった。混沌とした情勢に蜂起する登場人物たちの心理描写が、自ずからメンバーを鼓舞したのだとしても興味深い。
中盤からはインストゥルメンタルが挟み込まれる場面も多かった。この選択がまたDらしい。他の歌曲の存在とも無関係ではないものの、今回のテーマ設定において四騎士の活躍が欠かせないことを暗に物語る。この魅せ方は、今後の彼らのライヴで従来以上にクローズ・アップされてくるかもしれない。演奏力に定評のあるバンドならではの強みだが、どのような光景を音だけで提示できるのか、器楽的アンサンブルに依らない表現手法を始め、Dにとっての新たな挑戦であり、まだまだ広がる可能性も見出せる。
当日の発表が明らかにされていた20分を超える『組曲「狂王」』は、その予感を朧気ながらにも知覚させた。事前に試聴できる環境は整えられたとはいえ、初めて取り組んだ組曲形式の大作を、音源リリース前にライヴの場で初披露する大胆さ。歌詞に綴られた内容については、バンド側からの公式なアナウンスを待ちたいところだが、「ジャスティスとして最後の曲」と説明をして「Deadly sin」を歌い、一旦舞台袖へと消えたASAGIの言葉にも、『組曲「狂王」』の性格が見えてくる。“大罪”がいかなる結末を導くものなのか、想像は様々に膨らむはずだが、目の前で行われている実演は、シアトリカルな演出も加わった壮大なサウンドスケープを生み出していった。
現在のDが形作った音楽劇。極論を言えば、この7編からなる『組曲「狂王」』の再現こそが、この日のあるべき姿だった。過去にもコンセプチュアルなパフォーマンスで沸かせたことはあったが、それらとはまったく異なる感触である。個々のポテンシャルを初演ゆえの緊張感の中で表出させていく5人。豊洲PITという会場を選んだのも、このスケール感の大きな楽曲を完全再現するに相応しいという理由からだろう。「この先もDを守っていきたいという気持ちが、比べ物にならないほど強くなっている」「他人の声なんて気にしない。我が道を行く」(ASAGI)という気概が高密度で集約された時空間だった。
すでに<D 16th Anniversary Special Premium Live 2019 東名阪ワンマン「狂王」>のスケジュールも発表になったが、『Revive ~荒廃都市~』以降の作品に耳を傾けるだけでも、自身のクリエイティヴィティが新たな視点で高まりを見せているのは容易に想像できる。今後の彼らの理想の探究を大いに期待しておきたい。
TEXT:土屋京輔
PHOTO:TAKUYA ORITA
——————————-
-SET LIST-
-オープニングSE-
01. In the name of justice
02. 弾丸
03. メテオ ~夢寐の刻~
04. Revive ~荒廃都市~
05. Next Generation
06. エトワール ~白き異端者~
07. Lapis lazuli ~君を思うほど僕は欲しくなる~
08. STAR SAPPHIRE
09. Crystal Crown
10. The Secret Rose Garden
11. 微熱 ~雨の幻想曲(ファンタジア)~
12. Another Kingdom
13. 千夜一夜のダラブッカ
14. Quartet ~真夜中の四重奏~
15. Ghost in the mirror
16. 花惑
17. 鬨の声
18. Deadly sin
19. ザハブを継ぐ者(Dr.solo)
20. Blood war
21. Stray children
22. 組曲「狂王」
第一番 ~灯火(とうか)の雄馬~
第二番 ~死の影を運ぶ鳥~
第三番 ~美醜なる不死の獣~
第夢番 ~旅鼠(レミング)の行進~
第幻番 ~死出虫の舞踏会~
第四番 ~黒羊は忠誠の夢を見る~
第五番 ~落陽に哭(な)く蝙蝠~
====================
●豊洲PIT公演、そして年明けにFC限定として開催された新春スペシャルミニライブ(ファン投票制)&餅つき大会&アフターパーティー を終えたDは、バンド結成月である4月に東名阪ワンマン『D 16th Anniversary Special Premium Live 2019 東名阪ワンマン「狂王」』を開催する。
豊洲PIT公演で初披露となったD史上初の組曲「狂王」(通販受付中)は、Dが描き続けているヴァンパイアストーリーの最新作であり、染み渡るような繊細な歌唱から突き刺さるような激しい歌唱も自在に操り、様々な感情や思いを込めたASAGIの歌声と歌詞が深く物語へと誘う、全てが美しく完成された最高傑作と呼べる作品になっている。楽曲を通して、ヴァンパイアの王・ドライツェンの壮絶な様相が強烈に伝わるのは間違いない。
アートワーク、そして各楽章の副題からもASAGIが描くこの組曲の物語の壮大さや奥深さが感じ取れるはずだ。情景をイメージした楽器隊の織りなす音像やフレーズも、聴きごたえ抜群の仕上がりとなっているので、ぜひ手に入れて、ヴァンパイアの王・ドライツェンを主軸に捉えたツアー、16周年を記念した特別なライブに参加してほしい。
さらに4/29~5/5にかけて、D結成16周年を記念してゴールデンウィーク7Daysワンマンが決定!
「Vampire story “7 Days force”」と名付けられたこの7日間連続ワンマン。各日のタイトル通り、Dが描くヴァンパイアストーリーの登場人物がそれぞれの日の主人公となるので、披露される楽曲はもちろん、ライブの構成にも要注目だ。
そして現在、1/13 品川インターシティーホールでボーカルASAGIによる「“浅葱” 新春特別企画 二部制単独公演」にて初披露された未発表曲「もののあはれ」が通販受付中。こちらは月界の御子の昼の姿である「和菓子・うさぎや」からお客様へ向けた温かく優しい曲となっているので、手に入れて、浅葱による包み込むような、思いをたっぷりと込めた情感のある歌声と四季になぞらえて描かれた美しい歌詞に是非、浸って頂きたい。
2019年もDの活動、そしてメンバーソロの動きを見逃すな!
====================
【 D 16th Anniversary Special Premium Live 2019 東名阪ワンマン「狂王」決定!!! 】
■2019年4月12日 (金) 名古屋Electric Lady Land
[OPEN / START]18:30 / 19:00
[料金]前売¥5,000 (税込¥5,400) / 当日¥5,500 (税込¥5,940)
(問) サンデーフォークプロモーション / 052-320-9100
■2019年4月14日 (日) ESAKA MUSE
[OPEN / START]16:30 / 17:00
[料金]前売¥5,000 (税込¥5,400) / 当日¥5,500 (税込¥5,940)
(問) SOGO大阪 / 06-6344-3326
■2019年4月17日 (水) TSUTAYA O-EAST
[OPEN / START]18:30 / 19:00
[料金]前売¥5,500 (税込¥5,940) / 当日¥6,000 (税込¥6,480)
(問) DISK GARAGE / 050-5533-0888
※全会場D代別途必要
※3歳以上有料
<D Official Fan Club Ultimate lover会員先行>
※2019年1月25日(金) 時点でD official Fan club「Ultimate lover」に入会されている方対象(当日消印有効)
◎受付期間:2/6(水)12:00~2/13(水)23:59
◎受付URL:https://pia.jp/v/d-k19fc/
◎枚数制限:お1人様4枚までお申込可 ※複数公演お申込み可
◎当落結果発表:2/15(金)18:00頃~
◎入金期間:2/15(金)18:00頃~2/18(月)23:59
※お申込は抽選となります
<HP先行>
◎受付期間:2/19(火)12:00~3/1(金)23:59
◎受付URL:https://w.pia.jp/s/d19hp/
◎枚数制限:お1人様4枚までお申込可 ※複数公演お申込み可
◎当落結果発表:3/5(火)18:00頃~
◎入金期間:3/5(火)18:00頃~3/7(木)23:59
※お申込は抽選受付となります
<一般チケット>
3月9日(土)~
チケット詳細はこちら
D official website http://www.d-gcr.com
====================
【 D 16周年記念 ゴールデンウィーク7Daysワンマン決定!!! 】
D 16th Anniversary Special Premium Live
「Vampire story “7 Days force”」
4/29(月・祝) 「Dahlie」
4/30(火・祝)「Wilderness」
5/1(水・祝)「Carbuncle」
5/2(木・祝)「Justice」
5/3(金・祝)「Rafaga」
5/4(土・祝)「Kircheis」
5/5(日・祝)「Dreizehn」
【会場】高田馬場AREA
【Open / Start】16:30 / 17:00
【チケット料金】前売¥4,500 / 当日¥5,000 (税込・オールスタンディング ※D代別)
【ファンクラブUltimate lover会員先行一次受付】
※1月11日(金)時点でD official Fan club「Ultimate lover」に入会されている方対象
受付期間:1月23日(水)12:00~1月31日(木)23:59
受付URL:https://pia.jp/v/d-vs19fc/
枚数制限:お1人様4枚までお申込可
当落結果発表日時: 2月2日(土)18:00
※お申込は抽選となります。
【ファンクラブUltimate lover会員先行二次受付】
※1月25日(金)時点でD official Fan club「Ultimate lover」に入会されている方対象
受付期間:2月7日(木)12:00~2月14日(木)23:59
受付URL:https://pia.jp/v/d-vs19fc2/
枚数制限:お1人様4枚までお申込可
当落結果発表日時: 2月16日(土)18:00
※お申込は抽選となります。
【オフィシャルHP先行受付】
受付期間:2月19日(火)12:00~2月26日(火)23:59
受付URL:http://w.pia.jp/t/d–16th/
枚数制限:お1人様4枚までお申込可
当落結果発表日時:2月27日(水) 18:00
※お申込は抽選となります。
<一般チケット>
3月1日(金)~
◆組曲「狂王」通常盤 全曲試聴開始
URL : http://www.d-gcr.com/discography/discography.html
※こちらは試聴版として音声データを圧縮しております。
製品版はさらにハイクオリティーな音質にてご試聴いただけます。
◆2018.12.21(金)Release 組曲「狂王」通常盤 通販受付中!!!
組曲「狂王」通常盤(会場、通販限定販売)
GOD CHILD RECORDS / GCR-175 / ¥2,500(税込み) / CD 1DISC
http://www.rosen-kranz.jp/shop/
【収録内容】
1.組曲「狂王」第一番 ~灯火(とうか)の雄馬~
2.組曲「狂王」第二番 ~死の影を運ぶ鳥~
3.組曲「狂王」第三番 ~美醜なる不死の獣~
4.組曲「狂王」第四番 ~黒羊は忠誠の夢を見る~
5.組曲「狂王」第五番 ~落陽に哭(な)く蝙蝠~
◆2018.12.19(Sat.) Release「Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~」
<初回生産限定盤 2CD+2DVD+豪華写真集28P+12inch LPサイズ特殊仕様BOXパッケージ>
「Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~」+ LIVE DVD 2018.4.22「Narrow Escape」Final Live at SHINAGAWA INTERCITY HALL
品番:YICQ-10408~9/B~C
POS:454211410409/1
価格:¥10,000(本体価格)+税
<通常盤>
「Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~」
品番:YICQ-10414~5
POS:454211410414/5
価格:¥3,000(本体価格)+税
「Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~」収録曲・内容詳細、収録未発表曲 試聴ページはこちら
URL : http://www.d-gcr.com/discography/discography2.html
※こちらは試聴版として音声データを圧縮しております。製品版はさらにハイクオリティーな音質にてご視聴いただけます。
「Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~」収録未発表曲 試聴動画
URL : https://youtu.be/yhcCsvw0Z1k
※こちらは試聴版として音声データを圧縮しております。製品版はさらにハイクオリティーな音質にてご視聴いただけます。
◆2018.11.14(Wed.) Release D New Single「Deadly sin」
「Deadly sin」収録曲・内容詳細、全曲試聴ページはこちら
URL : http://www.d-gcr.com/discography/discography.html
※こちらは試聴版として音声データを圧縮しております。製品版はさらにハイクオリティーな音質にてご視聴いただけます。
「Deadly sin」MV SPOT公開
URL : https://youtu.be/S3_NxPzhCfM
※こちらは試聴版としてデータを圧縮しております。製品版はさらにハイクオリティーな画質・音質にてご視聴いただけます。
「Deadly sin」全曲試聴動画
URL : https://youtu.be/EKYqjF87Swk
※こちらは試聴版として音声データを圧縮しております。製品版はさらにハイクオリティーな音質にてご視聴いただけます。
「Deadly sin」特設サイト
URL : http://d-gcr.com/deadly-sin/
◆D Official Fan Club主催 Ruiza Birthday Live
「Ultimate lover ~第三十三夜~」
2019年2月16日(土) 高田馬場AREA
[OPEN / START]16:30/17:00
[料金]前売¥4,500/当日¥5,000 (税別・オールスタンディング※DRINK代別)
※3歳以上チケット必要
◆D Official Fan Club主催 Tsunehito Birthday Live
「Ultimate lover ~第三十四夜~」
2019年3月3日(日) 目黒鹿鳴館
[OPEN / START]16:30/17:00
[料金]前売¥4,500/当日¥5,000 (税別・オールスタンディング※DRINK代別)
※3歳以上チケット必要
◆Ruiza solo works ONEMAN LIVE
2019年2月17日(日) 新宿Ruido K4
「Two sides」
一部 : 1st side [Input]
[OPEN / START]13:00/13:30
[料金]前売¥3,000/当日¥3,500 (税別・オールスタンディング※DRINK代別)
二部: 2nd side [Output]
[OPEN / START]17:30/18:00
[料金]前売¥4,000/当日¥4,500 (税別・オールスタンディング※DRINK代別)
二部通し券 ¥6,800 (税別・各部DRINK代別)
※3歳以上チケット必要
※各部ライブ終演後 物販購入者対象特典会有り
◆Tsunehito Produce Live
「Tsunehito Birthday Live~再び春に叫ぶ!!!~」
2019年3月2日(土) 目黒鹿鳴館
出演 : Vo & Ba.Tsunehito(D)、Gt.Ruiza(D)、Gt.HIDE-ZOU(D)、Dr.HIROKI(D)
※詳細近日発表
※ライブ終演後 物販購入者対象特典会有り
[OPEN / START]16:30/17:00
[料金]前売¥4,500/当日¥5,000 (税別・オールスタンディング※DRINK代別)
※3歳以上チケット必要
各公演チケット詳細はこちらhttp://www.d-gcr.com
◆VAMPIRE STORY 年表・相関図・キャラクター紹介文(2014年度版)公開
URL : http://www.d-gcr.com/news/
◆D結成15周年 メジャー10周年記念アイテム、D Tour 2018「Deadly sin」グッズ通販受付中
詳細・ご購入はこちら→http://www.rosen-kranz.jp/shop/
◆“浅葱” 未発表音源「もののあはれ」・新春特別企画 二部制単独公演」グッズ通販受付中!
二千十九年一月十三日発売
「もののあはれ」(会場、通販限定販売)
GOD CHILD RECORDS / GCR-176 / 1Song CD / ¥700
【もののあはれ】GUEST MUSICIANS
Gt : HIRO (La’cryma Christi / Creature Creature)
Gt : you (Janne Da Arc)
Ba : 人時 (黒夢 / Creature Creature)
Dr : Sakura-櫻澤泰徳 (gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower / THE MADCAP LAUGHS / ZIGZO)
琴 : 菊富士 純子
音源詳細・グッズ詳細等、ご購入はこちら→Rosen Kranz http://www.rosen-kranz.jp/shop/
◆D official website http://www.d-gcr.com
◆GOD CHILD RECORDS website http://www.god-child-records.com
◆ASAGI solo works website http://www.god-child-records.com/asagi/
◆Ruiza solo works website http://www.d-gcr.com/profile/solo_ruiza.html