2021年08月07日 (土)
【ライヴレポート】<Crack6「真夏のSPEED FREAKER」>2021年7月18日(日)渋谷REX◆猛暑以上に灼熱の熱狂で会場中を覆い尽くしたライブの模様を、熱した感情のままにレポート!
REPORT - 18:00:542枚の豪華パンフレット付きCD『SPEED FREAKER ~Blood Type;C~』 SPEED FREAKER ~Blood Type;6~』の発売を記念し、Crack6が「外の暑さ以上に、身体も気持ちも燃え滾らせるライブをぶつけてやるぜ」と、渋谷REXを舞台に「真夏のSPEED FREAKER」を7月18日(日)に開催した。
今やCrack6のライブではお馴染み、有観客/配信ライブという形で開催。
現地へ足を運べない人たちも、モニター越しに会場に生まれた熱気と熱狂を感じれたのも嬉しかった。
ここからは、当日のライブの模様をお伝えしたい。
会場内に鳴り響いたのは、最新シングル「SPEED FREAKER」のSE version。
これから何かとんでもない衝撃が目の前で起きそうな…。とてもスリリングな音の流れる幕開けだ。
その音色は、次第にスビートを上げ、そこへMSTRの声が重なり合う。
さぁ、ここからどんなドラマが始まるのか、胸がドキドキ鳴り出した。
短いブレイクを置き、それまで舞台を覆っていた幕が開くのに合わせ、MSTRがスペイシーな音に乗せ語るように歌いだす。冒頭を飾ったのは「Cry For Truth」だ。
MSTRが、Crack6のメンバーたちが、いきなりこの空間を美しく壮麗な宇宙空間に染め上げた。
そこへMSTRの歪むギターの音が重なり、高らかに鳴り響くのを合図に楽曲が激しく揺れだした。
クリーンと歪む音を巧みに切り換えながら、MSTR自身も温かく語りかける歌声と煽るような勇ましい歌声とを使い分け、渋谷REXという場に壮大なドラマを描き出す。
MSTRのギターの音や歌声が、ライブハウスという空間に色を塗る絵筆となり、会場中やモニターの先で見ていた人たちの気持ちを絵の具に、1曲ごと様々な音の風景を描き出してゆく。
その様に刺激を受け、早くも心が奮えていた。
唸るMSTRのギター。そこへメンバーらがマシンガンのような気持ち騒がすビートを重ねだした。
MSTRのギターが雄大な景観を描くように響くのを合図に、楽曲は「Change the World」へ。
Crack6は多彩な音色の絵の具を通し、1曲ごとこの空間に多色多様な熱を抱いたスケールの大きな世界を描き出す。
「Change the World」が、気持ちを熱く沸き立てる。身体中から熱が沸きだし、興奮を求めたくてウズウズしてゆく。
フロアでも観客たちが身体を揺らしながら、頭上高く掲げた手を大きく左右に振っていた。
けっして剥きだした感情をぶつけているわけではない。むしろ破裂寸前の熱を持った歌声や演奏を通し、もっともっと興奮しちまいなよと、Crack6は見ている人たちの心のギアをチェンジアップさせていた。
「君は何を求めているの」と、MSTRが熱情した歌声を突きつける。
冷静という言葉を瞬時に消し去るよう、爆裂した演奏に乗せ「Loveless」が飛びだした。とてもスリリングだ。鋭利な歌声と演奏がグサグサと身体を突き刺す。
しかしそれは痛みではなく、胸を騒がせる興奮に変わってゆく。
叫びたい、思いきり騒ぎたい。その場に縛りつける今のライブ環境は、とても罪だ。こんな激しい愛の告白を、冷静に受け止められるわけがない。
一緒に絶叫しながら絶頂を、熱い音楽の口づけと抱擁を、求めたい。
それを誰もがCrack6に、MSTRへ強く求めていた。
演奏が終わったとたん、熱い拍手が鳴り響き続けていたのも納得だ。
「非常に真夏日和で素晴らしい。本当はこのライブタイトル「女は愛狂、男は怒狂」というタイトルも考えたんですけど(笑)。結局「真夏のSPEED FREAKER」というタイトルにしました」とMSTRの洒落の効いたトークは、この日も冴えていた。
「熱いライブにしましょう」の言葉を合図に飛び出したのが、「What is TRUE?!」。
ザクザクと熱い音を切り刻むギターの音が、爆走する演奏の上で炸裂。
MSTRも観客たちへ挑みかかる勢いで歌い、ギターを掻き鳴らしてゆく。フロアからも多くの拳が突き上がる。なんて激しくもスリリングな演奏だ。
高いテンションでぶつけてゆく歌声と演奏に触れた身体はうずうずしっぱなし。
灼熱の野外の暑さ以上に気持ちの温度を上げる演奏に触れているんだもの、身体の熱を制御するなんて不可能だ。
メンバーたちの「 WOW WOW WOW」の熱い声を合図に飛びだしたのが、「Break The Darkness」。
ド頭からMSTRの破壊力満載なギターの音が演奏の上で暴れまくる。激しく昂る気持ちをぶつけるかのように。
目の前の閉塞感を一気にぶち壊し、見ている人たちの気持ちを共に輝く世界へ解き放つよう勇ましい歌声と演奏が、一緒にこの暗闇を吹き飛ばそうぜと呼びかけていた。気持ちを激しく騒がせる楽曲だ。
本当なら、彼らと一緒に「WOW WOW WOW」と拳を振り上げ、共に声を荒らげたい。
そのもどかしさが膨らむたび、逆に興奮が心の中で次々と積み重なり、涙腺を熱くゆるめていく。
演奏は止まることを知らない。今度はSHIGE ROCKSのギターの音が響き渡り、雄大な横ノリでポップな演奏を通し、MSTRは大きく左右に手を揺らしながら「Daisies」を歌っていた。
これまでの感情を剥きだした歌声とは色を変え、温かく包み込むような歌声を通し、見ている人たちと心の手を繋ぎ合っていた。
心地好いグルーヴに身を浸していると、自然とニヤつく笑顔になる。
でも、そんな風に心を素直にしてくれる歌と演奏が最高じゃない。
会場中の誰もが終始、掲げた手を左右に大きく振りながら、MSTRと「喜びの歌」を笑顔で分かち合っていた。
「最新作の「SPEED FREAKER」ではおでこを全開。みんなの心を全開にするのか、おでこを全開にするのか…と言いながら、今日はバンダナをしておでこを隠してますけど」「音楽でみんなの心を開放するんだ」と、最新作に込めた想いをMSTRはMCで語っていた。
その言葉に続いて披露したのが、もちろんこの曲だ。
ズクズクとしたMSTRらしいギターの音が鳴るのを合図に、最新曲の「SPEED FREAKER」が熱したままに駆けだす。とてもスリリングな演奏だ。
MSTRの歌声が 勇ましく駆ける演奏の上で、想いを凛々しく、雄々しく突き刺してゆく。
今宵はスリリングな楽曲が多めに感じるメニューだが、その中でもひと際、スリリングさと生々しくも熱情した想いが交錯してゆく様をこの曲が描き出していた。
爆走する演奏へ共に飛び乗り、高ぶる気持ちのまま、熱狂のその先の景色へ飛び込みたい。
荒ぶる気持ちのまま、一緒に理性を壊してしまいたい。
SHIGE ROCKSとMSTR、2本のギターの掛け合いから楽曲は新曲の「Starry Dance」へ。
こちらはヘヴィグルーヴでダンサブルな、Crack6流ラウドなダンスロックナンバー。
Crack6のことだもの、甘く身体を揺らすわけがない。腹の奥底へズシンと響く重厚なビートを武器に、見ている人たちの心をノイズの中に身を浸し身悶え狂う踊り子に変えていった。
間奏ではオーディエンスを挑発する、攻撃的でハードロックな香りを満載したMSTRのギターソロも登場。
轟音渦巻く音のウネリの中へこのまま身を浸し、心地好く溺れていたい。
観客たちを熱く煽るTENZIXX。その声を合図に飛びだしたのが「衝撃~warning666~」だ。
タイトル通り、その楽曲は、理性を木っ端みじんにする衝撃を満載していた。
重さも、速さも、高揚感も、スリリングさも、どれもMAXな激しさを持っている。
この演奏を身体中に浴びている間、思いきり頭を振らずにいれなかった。
人間という感情を掻き消し、野獣のような本能を剥き出しにしてゆく…と書くと大仰になってしまうが、それくらい理性をかなぐり捨て、暴れたい気持ちに身体中が染まっていた。
「外の気温に負けない、ハートが熱いライブにしようぜ!」
MSTRの煽りを受け演奏したのが、「Mstr A 2 Z」。MSTRはギターを置き、マイクを手にヴォーカリストに徹して歌唱。
この楽曲ではメガホンを手に、観客たちにディストーションボイスを突きつけ煽る場面も登場。
ギターを置いたことで身軽になった理由もあるのか、MSTRはモニターに足を乗せ煽る姿も見せていた。
時にメガホンを用いながら、歌声の牙を剥き出しに襲いかかるその姿がとても勇ましい。
「キラキラ揺れてシャララ」。MSTRの歌始まりで幕を開けたのが「キラ☆キラ」だ。
SHIGE ROCKSの突きつける重厚な音をエナジーに、キラキラどころかギラギラ、ドスドスとした様を示しながら、MSTRはモニターに足を乗せ、観客たちを煽り続けていた。
もちろんフロアからは拳や揺れる手が終始上がり続けてゆく。
本編ラストは「so faraway 消えない思いよ羽ばたけ いつか散りゆくものとしても」とMSTRのアカペラがフロア中に響きだす。
そこへ熱い演奏が重なりだすのを合図に、楽曲は一気に重い鋼鉄の翼をはためかせ、大空へ向かって羽ばたき出した。
どんな環境へ身を置こうと、たとえそこが闇の中だろうが、「faraway」が触れた人たちの心に翼を授けてゆく。
MSTRの歌声を道標に、共に光へ向かって飛び立つ気持ちになれる。
本編最後に心を感動で揺さぶってくれるとは、さすが口説き上手なMSTRらしいドラマの作り方じゃないか!
アンコールは、幻想的でプログレッシブなMSTRのギターソロがフロア中を包み込む。
「Re-Born」を奏で、ふたたび熱を上げるように始まりを告げた。
そこから演奏は「ZEROから始めよう」へ。
今宵のタイトルを「真夏のSPEED FREAKER」と名付けたように、おおらかな楽曲の中にさえCrack6は熱を蓄えながら届けてゆく。
ふたたび高鳴る思い。次第に気持ちが上がりだす。そして…。
ギターを置き、マイクを握りしめたMSTRが観客たちをけしかけるよう、最後に「BANG!」を歌い、ラップ(言葉)を突きつけた。
ラッパーの魂を宿したMSTRが、荒ぶる演奏に乗せ、フラッグを振りかざし、観客たちを挑発していた。
Crack6流のラップメタルもまた、魂が奮い立つほど刺激的だった。
ライブ配信はここまで。Crack6は2回目のアンコールとして、ふたたび舞台へ。
最後に会場に足を運んだ人たちへ向け「電撃ミサイル2006」を突きつけ、またも熱く観客たちを煽っていった。
まさか最後の最後に、それまで以上に熱い姿を示すとは…。
そこがCrack6らしさ、熱い心を持つMSTRらしさだ!
そして最後にMSTRが「今年の10月中旬辺りで何か起こるかもしれないから、一応スケジュール空けておいて!」と言っていたのが気になるところだ。
PHOTO:折田琢矢
TEXT:長澤智典
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★インフォメーション★
2021年10月中旬に何かあるかも?
後日、詳細が発表される可能性アリ
各オフィシャルWEB、SNS要チェック!!
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<セットリスト>
「SPEED FREAKER(SE ver.)」
「Cry For Truth」
「Change the World」
「Loveless」
<MC>
「What is TRUE?!」
「Break The Darkness」
「Daisies」
「SPEED FREAKER」
「Starry Dance」
「衝撃~warning666~」
「Mstr A 2 Z」
「キラ☆キラ」
「faraway」
-ENCORE-
「Re-Born[Synth]」
「ZEROから始めよう」
「BANG!」
-ENCORE 2-
「電撃ミサイル2006」
2021年08月02日 (月)
【ライブレポート】<Waive 2Øth Anniversary Again #1 GIGS「The Land of Beginnings -新宿-」>2021年7/31(土),8/1(日)新宿BLAZE◆Waive 始まりの地「新宿」より、結成20周年記念イヤーを再スタート!
REPORT - 12:28:58“解散中”のロックヴバンドWaiveが、7/31(土),8/1(日)の2日間に渡り、Waive 2Øth Anniversary Again #1 GIGS「The Land of Beginnings –新宿–」 と題し、21年前にバントが初ライブを行った場所「新宿」にて、一度はコロナ禍で失われた20周年記念イヤーの再スタートを熱く飾った。
発売即日ソールドアウトで迎えた新宿BLAZE 2Daysは、2000年10月にリリースされたWaive初のCD音源『PINK DISTORTION』収録のオープニングインストナンバー「FEEL(S)」でメンバーが登場すると、新宿でバンド初ライブが行われた2000年4月にカセットテープで無料配布された「TRUE×××」で本編がスタート。その後も「FAKE」「PLACE」「spanner」「assorted lovephobi」など、結成初期のナンバーを惜しげもなく散りばめたセットリストを披露し、20年の歴史を振り返るような懐かしさと同時に、解散中にもかかわらず進化を続けるWaiveの現在が凝縮された、見ごたえ、聴きごたえ満載の熱いステージが繰り広げられた。
アンコールのMCでは、リーダーでコンポーザーのギター杉本善徳が「この状況下での楽しみ方をみんなが学び、考え、少しずつ新しい楽しみ方が生まれてきて来てるような気がします。これからツアーも回っていくけど、俺たちきっと化けると思います!この先のライブを通じて一皮むけたWaiveを見せられると思う。」と語り、ボーカル田澤孝介は「自分のまわりでも何が正解か見えない中、攻めあぐねているプロジェクトも多いけど、謎に一番攻めているのが解散中のWaive(笑)。まだまだ試行錯誤しながらになるけど、この状況を切り開いて前に進んでいくためにも、これからもみんなの力を貸してほしい」と思いを告げた。
そんなWaiveは、7/30に今年2/23にLINE CUBE SHIBYAで開催されたライブの模様を収録した最新Blu-ray Waive 20th Anniversary Special GIG
「ライブハウス渋谷公会堂へようこそ。」をリリース!
そして9/12(日)からは、柏パルーザ公演を皮切りに6都市6公演を巡るTOUR「NEED…?」を敢行し、昨年から先送りとなった20周年イヤーの集大成として開催される来年2022年1月29日(土)渋谷公会堂の再演に向かって、また新たなページを刻み付けて行く。
写真:田辺佳子
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Waive 2Øth Anniversary Again #1 GIGS「The Land of Beginnings –新宿–」
7/31, 8/1新宿BLAZE
◆セットリスト
1. TRUE×××
2. FAKE
3. will
4. わがままロミオ
5. PEACE?
6. One
7. PLACE
8. Just like me.
9. spanner
10. そっと…
11. HONEY
12. あの花が咲く頃に
13. バニラ
14. ASIAN「noir」GENERATION(7/31)/ Baby, I LOVE YOU(8/1)
15. assorted lovephobia
16. ネガポジ
17. Sad.
18. ガーリッシュマインド
19. いつか
(EN.)
20. Days.
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【最新ライブ情報】
Waive 2Øth Anniversary Again #2
TOUR「NEED…?」
9月12日(日) 柏 PALOOZA 開場16:30/開演17:00
9月18日(土) 大阪 BIGCAT 開場16:30/開演17:00
9月19日(日) 名古屋 BOTTOM LINE 開場16:30/開演17:00
10月2日(土) 横浜 BAYHALL 開場16:30/開演17:00
10月9日(土) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1 開場16:30/開演17:00
11月23日(火・祝) 渋谷 TSUTAYA O-EAST 開場16:15/開演17:00 (全席指定)
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※スタンディング・税込:¥6,800(ドリンク代別)
※渋谷 TSUTAYA O-EAST公演のみ全席指定・税込:¥6,800(ドリンク代別)
現在チケット最速先行受付中!
https://eplus.jp/waive21-official/
受付期間:7/15(木)18:00~8/2(月)23:59まで
チケット一般発売:8/14(土)~各プレイガイドにて発売開始
【総合問合せ】LIVE EXSAM:03-5575-5170(平日 月・火 13:00~17:00)
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【最新リリース情報】
LIVE Blu-ray Waive 20th Anniversary Special GIG
「ライブハウス渋谷公会堂へようこそ。」
2021年2月23日(火・祝)
LINE CUBE SHIBUYA
価格:8800円(税込)
7/30(金)よりWaiveオフィシャルショップにて発売中!
【Waive Official Shop】http://waive.shop/
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Waive 2Øth Anniversary Again
GIG「2Ø22 –俺たちの戦い(20周年)はこれからだ–」
2022年1月29日(土)
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
詳細は決定次第オフィシャルサイトにて公開!
【Official HP】http://www.waivewaive.com
2021年08月02日 (月)
【ライヴレポート】<SARIGIA「新体制始動公演 悪魔降臨~THE SEVEN DEADLY SINS~」>2021年7月26日(月)赤羽ReNY alpha◆悪魔に魂を捧げてから1年。単独公演を通し、涙声で思いをぶつけた一夜
REPORT - 11:03:39今年1月より、「7ヶ月連続MV制作」を続けてきたSARIGIA。すべては、この日に向けての行動だった。3人が悪魔に身を捧げたことを宣言してから、ちょうど1年を迎えた7月26日(月)、SARIGIAは「新体制始動公演 悪魔降臨~THE SEVEN DEADLY SINS~」と題したワンマン公演を赤羽ReNY alphaを舞台に行なった。その日の模様を、ここにお伝えしたい。
悪魔たちのカーニバルが始まる。そんな物語を追いかけたくなる映像も印象的だ。悪魔たちのライブは,訪れた人間(悪魔見習い)たちと魔界で楽しく…いや、荒々しく宴を繰り広げようと、轟音渦巻く「Devil Carnival」から幕を開けた。身体を縦に揺さぶる生音と横に揺らすデジタルな旋律が絡みあい、カオスなのにドラマ性を抱いた楽曲を作り出してゆく。気持ちを掻き立てる跳ねた演奏に触発され、観客たちも跳ねだした。ときに大きく手拍子をすれば、身体を激しく折り畳むなど、バンドの演奏と観客たちの感情がシンクロしながら、宴は踊り騒ぐ景色を作り始めてゆく。
続く「憤怒-wrath-」でも、荒れ狂う演奏に負けるものかと、観客たちが大きく頭を振り乱してゆく。メンバーらも攻撃的な演奏と荒ぶる声を張り上げ、観客たちを挑発。時に大らかな演奏の表情も見せながら、振幅大きな曲調を通し、彼らは観客たちの姿も自由に操りだしていた。
感情に熱した火を付けたライブは、観客たちに突き上がる拳を求めてゆく。「傲慢-arrogance-」の演奏に合わせ大きく飛び跳ね、両手を咲かせ、身体を折り畳む観客たち。轟音の中にも胸揺さぶるメロウな歌が生きているからか。身体は熱狂に身をひれ伏しながらも、気持ちはアスカの歌を強く求めていた。
「赤く塗りつぶせ!!」。燃え盛る「嫉妬-envy-」が、思いきり熱狂を求め猛々しい音を響かせる。重厚かつサイコヒステリックな演奏とは裏腹に、耳心地好い歌を届けるところが嬉しい。身体は喧騒に溺れながら、にやつついてしまうのも、愛おしさを示す歌に心が惹かれてゆくからだ。
続くブロックは、民俗音楽的な要素も組み込んだエスノサイコティックかつ轟音響き渡る「色欲-lust-」から。跳ねながらも気持ちを重く揺さぶる音に触発され、大勢の人たちがその場で大きく跳ね続けていた。その轟音は、心に黒い翼と赤い角を生やし、見ている人たちの心を漆黒の闇の空へ解き放つ。漆黒の闇広がる空間で踊り騒ぐ宴こそ、SARIGIAらしい姿だ。
意識を歪ませる痛々しいフレーズが飛び出した。激しさを伴いながらも速度を増した演奏を全身に浴びた観客たちは、「Hide&Seek」に合わせ身体を大きく折り畳み続けてゆく。サビ歌で観客たちが飛び跳ねるのも、SARIGIAのライブでは見慣れた光景。「頭を回転させろ!!」の煽りを受けヘドバンに興じる様も、SARIGIAらしい宴の様だ。
「感情と本能の中、ここにあるすべての罪を、俺たちに捧げろ」。人が胸に抱える七つの罪の意識を、轟音のハンマーで叩き壊すような衝撃を「S.D.S」が与えてゆく。舞台最前では頭を振り乱す人たちによる大きな波のウネリのような風景が生まれていた。
「魂の救済を」…呪詛を唱える言葉を受けて流れだしたのが、「怠惰-sloth-」。奈落の底を這いずりまわるような痛苦しくも不思議と心地好い感覚を、その歌と演奏は与えてくれた。ヘヴィ&ミドルメロウな楽曲が、妖艶さも加えながら、身体中へ恍惚という意識をたっぷりと塗りたくる。いつの間にか、演奏と重なるように頭を揺らす人たちが、そこには大勢生まれていた。
「1年前の今日、3人になって初めてワンマンをしました。そこからこの1年、いろんな葛藤や心折れることを経験。ここに来れなかった仲間もいれば、あきらめそうにもなったこともありました。それでも、この日まで止まることなく3人で歩み続けてこれたことを嬉しく思っています。それも、、ここにいるみんなのおかげだと思っています。そんな1年前に3人になって初めて作った、本当の始まりの曲。それを捧げたいと思います」(アスカ)
新体制となった今のSARIGIAの進むべき道を照らす楽曲として生まれた「終わりと未来」を、演奏。壮大な景観を描いたリリック映像も印象的なこの曲は、重厚さの中へ様々なドラマを描き出している今の音楽性と比べたら、歌を聞かせる楽曲として成り立っている。でも、そういう歌になったのも納得だ。ここには、当時の彼らの心の中へと渦巻いていたいろんな心模様が映し出されている。だからこそ彼らは、想いを何よりも強く届けたくてこの歌を生み出した。その気持ちを改めて確認しようと、新たな旅立ちから1年後の日に、この曲を熱情した気持ちのままに歌い演奏していった。
時代を遡るように、SARIGIAは同じくヘヴィでミドルグルーヴな歌系ナンバーの「ANEMONE」を歌いあげる。この2曲を立て続けに聴くことで、改めてSARIGIAが歌心を持ったバンドであるという姿勢を確認。沸きだす感情のままに歌い奏でる彼らの想いを、観客たちはしっかりと受けとめていた。
「突きあげろ!!」、「Deep;er」を合図にふたたび重厚な音が轟いた。でも、そこには胸を揺さぶるメロウな歌も生きている。身体は熱を求めながらも、大勢の人たちが手の花を揺らし、咲かせていたのも、彼らの想いを身体だけではなく心でも受けとめていたからだ。
妖しくジャジーな音色が響き渡る。それまでの風景を塗り替えるように、SARIGIAは重く跳ねたファンキーな「暴食-gluttony-」を演奏。親しみを覚える楽曲にみせかけ、とてもスリリングな狂気を抱いているところがSARIGIAらしさ。激しく攻めるだけがライブではない、テクニカルな演奏を通し、心地好く身体をスウィングさせてゆくのも、SARIGIAが持つ冴えた手腕の一つ。
「悪夢へ案内しよう」。会場へ足を運んだ観客たちを暗黒の世界に生まれたカーニバルの場へと導くように、SARIGIAはデスセンチメンタルでホラームードを満載した「in NIGHTMARE」を演奏。この日のために作り上げた映像が、まるでHALLOWEENの夜、夢魔の世界へ迷い込んだような幻想的かつ幻惑的な内容。フロア中の人たちを大きく上へ上へと跳ね続ける宴の中へと引き込んでゆく。ここはすっかり、闇夜に恋する悪魔たちによる魂を開放する場に塗り変わっていった。
「ここにある空間に全部置いてけ!!」。飛びだしたのが、SARIGIAのライブへ常に熱狂の風景を作りあげてきた「鴉」だ。黒い轟音の洗礼を受けた観客たちが激しく頭を振りながら騒ぎ立てる。サビでは拳を振り上げ、ときに黒い両腕の翼をはためかせ、黒い熱の渦巻く宴へ酔いしれていた。
場内に生まれた熱狂を、さらに熱く焚きつけるよう、最後にSARIGIAは「自己愛的自虐思想の歌」をぶつけ、フロアにいる人たちを踊り騒ぐ黒い祭り人に仕立て上げていった。大きく両手を広げ跳ね続ける観客たちの姿を通し、この日の公演がしっかり悪魔的なカーニバルの場となったことを証明していった。
アンコールは、黒い宴へ華やかな色を塗り重ねるように、カラフルな鍵盤の旋律も耳心地好い「強欲-greed-」からスタート。ヘヴィながらも気持ちを揺らす跳ねた演奏と耳をくすぐるメロディアスな歌が、気持ちを嬉しく騒がせる。騒ぎたいよりも、はしゃぎたい。そんな楽しさを、SARIGIAはアンコールの最初に示していった。
サイレンの音が鳴り響く場内。メンバーらが舞台の上へ横一列に並び、「逆罪行進曲」に合わせ思いきり頭を振りながら歌い演奏。その様に触発され、フロアにも同じ光景が広がる。アスカの絶叫や、Natsuと翔磨の攻めた演奏をエナジーに変えながら、フロア中で大勢の人たちが飛び跳ね、頭を振り乱していった。
「最高だったと言える1日にしようぜ!!」。アスカの言葉を受け、翔磨のスラップベースが火を噴いた。最後にSARIGIAは「クルエル・シンフォニー」を歌い奏で、この会場にアガる意識をたっぷりと注入。心騒ぐ華やかな宴の様へ塗り上げていった。
止まぬ熱狂を受け、三度(みたび)メンバーらが舞台へ登場。
「めちゃくちゃ内容の濃い1年間を過ごしてきました。この1年で作った20曲すべてを披露したワンマンになりました。この1年みんなにも感謝しているけど、2人にもすごく感謝しています。ありがとう」(Natsu)、
「ここでやると決めてから、SARIGIA裏チャンネルや7ヶ月連続MVなど、生活をかなり犠牲にしてここまで突っ走りました。いろいろ背伸びしたぶん、いろんな方に迷惑もかけました。昨年7月に3人でふたたび活動を始め、今年1月にみやびくんが入ってくれて…出来れば4人でここに立ちたかったなと思っています。心残りもあるし、もっと出来たという気持ちもある。それでも今日ここに立てたのは、みなさんがいたからです。もっともっと先に進んで、またいつかここに立って、これがSARIGIAだという姿を見せたいなと思っています」(翔磨)。
「この1年間、本当にいろんなことを考えて、ここを決めたときからずーっと、自分たちのエゴだけでやっているんじゃないかと思ったり、でも違うと葛藤したり。ときには身の丈に合ってないとも言われてきました。でも、今日ここに立って感じたことは、本当に意味のある、やってきて良かったなと感じれた時間でした。それはみなさんのおかげです。ありがとうございます」(アスカ)
「この1年つらいことばかりだったからこそ、この日を迎えてライブが出来て本当に幸せです。だからこそ、今日一緒に最高の1日にしよう」。アスカの涙声を受け、まだまだ熱狂は終わらないと宣言するように、SARIGIAのライブには欠かすことのない楽曲を立て続けにぶち噛ましてきた。
ザクザクとしたNatsuのギターの旋律を合図に、これまで以上に猛々しい轟音を叩きつけた「Die,Die,DIE」。メンバーらの煽りに合わせ、観客たちも腕を大きく交錯しながら熱したい想いを舞台上へぶつけてゆく。フロア中に生まれた想いが一つに重なり合う。舞台の上とフロアの人たちの気持ちが一つに繋がり、大きく膨れ上がってゆく。そして…。
最後にSARIGIAは「VENOM」を突きつけた。熱した想いを注ぎ込む感情的な歌と演奏に触発され、頭を激しく振り乱す観客たちの姿がフロア中に広がっていた。これが、彼らが求めていた熱狂。SARIGIAが理想としていた一体化したライブの光景だ。最後の最後にSARIGIAは確かな手応えを感じながら、ここで得た想いを、次の舞台へと繋げていく約束を仲間たちと交わしていった。ライブ中、背景に流れていた映像には、ライブ映像を中心に据えたこの1年間の彼らの日々を投影。その映像と激しいライブが重なりあっていたことも、熱く胸を揺さぶった大きな理由になっていた。この日流れた、幾つかのオリジナル映像も、ぜひYouTubeで公開して欲しい。
PHOTO:大西基・高橋まりな
TEXT:長澤智典
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★インフォメーション★
8/16 悪魔的完全無料ワンマン第二弾
東高円寺二万電圧
9/3 翔磨生誕祭ミニワンマン
東高円寺二万電圧
10/1 2年ぶりのハロウィン主催
HOLIDAY SHINJUKU
10/27 ハロウィンワンマン
高田馬場AREA
●ライブ日程は、以下まで。
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SARIGIA ONLINE SHOPにて
【7ヶ月連続MV Single 第6弾】
New Single「憤怒-wrath-」
【7ヶ月連続MV Single 第7弾】
New Single「怠惰-sloth-」
同時 Release!!
【SARIGIA ONLINE SHOP】
http://sarigiainformation.stores.jp
怠惰 – sloth – Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=lO_Rq0KE7jQ
「憤怒 -wrath-」Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=_Og_jJKqtrA
暴食 – gluttony – Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=ennJ_a67jUI
傲慢-arrogance- Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=6DW-u8N5Ytc
強欲-greed- Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=xPUhQgthC7w
色欲-lust- Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=iWxp69E7Sf8
嫉妬-envy- Music Video【FULL】
https://www.youtube.com/watch?v=AEa-IkE6R2E
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SARIGIA Web
SARIGIA twitter
https://twitter.com/SRGA_Official
SARIGIA 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCUOlqJdaraafZu2QEEBHQ5g/videos
SARIGIA ONLINE STORE
https://sarigiainformation.stores.jp
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―セットリスト―
「Devil Carnival」
「憤怒-wrath-」
「傲慢-arrogance-」
「嫉妬-envy-」
「色欲-lust-」
「Hide&Seek」
「S.D.S」
「怠惰-sloth-」
「終わりと未来」
「ANEMONE」
「Deep;er」
「暴食-gluttony-」
「in NIGHTMARE」
「鴉」
「自己愛的自虐思想の歌」
-ENCORE-
「強欲-greed-」
「逆罪行進曲」
「クルエル・シンフォニー」
-W ENCORE-
「Die,Die,DIE」
「VENOM」