2021年09月17日 (金)
【ライヴレポート】<YURAサマ バースデーライブ2021「I need」>2021年9月12日(日)赤羽ReNY alpha◆「明るい未来を想像するのが苦手な人は、僕に触れてください!」
REPORT - 13:19:019月12日は、YURAサマの誕生日。今年でYURAサマも42歳になった。今は40代のミュージシャンも多く活躍しているように、脂の乗っている時期。活き活きと輝くその姿を形にしたのが、YURAサマの最新シングルの「I need」だ。同作品を手にYURAサマが42歳の誕生日当日に赤羽ReNY alphaで行ったのが「YURAサマ 42nd Birthday Live♪」になる。サポートメンバーにGt.加藤透/Ba.進藤渉/Dr.村田一弘/ダンサー.高橋のりひこ&森野憲一を迎えた、当日の模様を紹介したい。
ライブは、あらかじめ舞台に用意してあったケーキに灯った蝋燭の火を消すところから始まった。その蝋燭が、葬祭用の消えにくい蝋燭という事に気づき必死に息を吹きかけ、火を消したYURAサマの姿がなんとも微笑ましい。人に楽しんでもらってナンボ、人が笑顔になってこそYURAサマの生きる使命という姿を示すように,YURAサマのライブは「My Destiny」から幕を開けた。2人のダンサーを従えYURAサマは舞台上に、そしてこの空間に幸せの風を吹かせだした。フロアは早くも総立ち状態。YURAサマのダンスに合わせ、みんなで心と振りを合わせ、この幸せを胸いっぱい掻き集めていた。“誰も傷つけないどころか、“人の傷口に率先して薬を塗りこんでゆく“とっても“いい人“なYURAさま。笑顔しかないYURAサマらしい、笑顔と楽しいがあふれだす始まりだ。
幸せの配達人YURAサマは、いろんな表情を通して人を笑顔にしてゆく才人だ。「皐月の雨」でYURAサマはムード歌謡シンガーとなり、まわらないこぶしを唸らせ?ながら、哀愁たっぷりに歌唱。「TAKESHI」の掛け声に合わせ、背景に「TAKESHI」ときらびやかな電飾が光る演出も素敵だ。ギラギラと輝く電飾は、まるでパチンコ店の看板のよう。しかも今回の衣装、どこかムード歌謡シンガーのようにも見える。まさか、それも狙っていた?? 2人のダンサーは、傘を持ってパフォーマンス。「皐月の雨」のような心染みる哀愁歌も、今のYURAサマにとても似合う。
次に披露したのが、「まさか逆さま」。右から読んでも左から読んでも同じ言葉を歌詞の軸に据えた楽曲という理由もあり、この曲の魅力を最大限に伝えるため、歌詞やイラストも背景のスクリーンに映していた。歌詞に込めた意図を知るほど深くはまってゆく楽曲のように、観ている人たちもクスッとしながらこの時間を楽しんでいた。それにしてもYURAサマ、こういうネタをよく思いつきますよね。さすが根っからのエンターテイナーだ。
1曲ごとに歌の表情を塗りかえながら、YURAサマのライブは進んでいく。初恋の人との想い出を歌にした「初恋のヒト」の登場だ。結局は別れてしまうが、大人になって再会したときにYURAサマは初恋の人と両思いになり、一緒に東京で暮らしていた。そんな淡い想い出も振り返るようにYURAサマは歌っていた…と書きたいところだが、少しセンチな歌の世界に陶酔しながら歌うYURAサマが、そこにはいた。
「男女が喧嘩をしたら、すぐに謝りましょう。そのときは手をついて頭を下げて…」と語りながらYURAサマが歌いだしたのが、わちゃわちゃ楽しく弾けたポップでダンサブルな「Tsutae Ai-Ai」。お客さんたちも、YURAサマやダンサーらの動きに合わせ楽しく「I’m Sorry」と謝り続けてゆく。こんなに気持ち弾ませながら「ごめんなさい」できたら、世の中には笑顔の許ししか生まれない。さすが、気づかいのプロYURAサマらしい楽曲だ。最後にみんなでモンキーダンスに興じたときの楽しいの度数も、かなり高かった。
勢いに拍車をかけるように、YURAサマは激しく疾走する「CODE010-004」を力強く歌いだす。どんな楽曲にも、真似しやすくも独特の振りを描き出すYURAサマ。Daccoで見せるダンスも華やかだが、それに負けないインパクトの強い振りをこの曲でも見せていた。意外と燃焼効果の高い踊りの数々も、ライブを楽しむうえで大切なポイント。もしかして、見てる人たちを痩せさせようとしています??それ、嬉しいですけどね。
次のブロックでは、胸に染みるハートフルな歌を立て続けに披露。最初に歌った「ヒヨドリ」は、Daccoでも歌っている楽曲。それをYURAサマのソロバージョンとして歌唱。今にも壊れそうな切ない声で、ノスタルジーな気分を胸にYURAサマは歌いだした。でも、力強い演奏が飛びだしたとたん、未来へ向けて光を射すような温かい声と笑顔に変わってゆく。淡いあの頃の想い出も、青かったあの当時の自分も、今となっては大きな愛で包み込める大人へと成長。この曲は、ぜひ「初恋のヒト」と一緒に、続きを成す物語として聞いてほしい。この歌を聞いていると、初恋の人との悲喜こもごもいろんな想い出が浮かびあがっては、胸をキュッと鳴らしていくはずだ。街も、人の心も変わっていくけど、変われない想いもある。YURAサマは「ヒヨドリ」を通し、少しノスタルジーへ浸りながらその気持ちを伝えてくれた。
そんな淡く切ない想い出も、春の風に乗せて想い出に昇華しようか。でも、もう少しだけセンチな気分にも浸っていたい。胸をキュッと鳴らすように、YURAサマは温かい歌声で「春の歌」を歌っていた。背景に映し出されるたくさんの春の花の映像が、心をセンチメンタルな色に染めあげる。さすがロマンチストなYURAサマらしい歌だ。YURAサマの温かい歌声は、優しく咲く春の花のようだった。
流れだした楽曲に合わせ、演奏陣が楽器を置いて「サマ体操」を躍りだす。リズム遊びの好きなYURAサマらしい遊び心あふれた楽曲に、メンバーも、観客たちも一緒になって参加。この曲の間、主役のYURAサマは舞台上にいなかったけどね。この曲も、YURAサマらしい軽めのエクササイズナンバー。曲が進むにつれ踊りが難しくなっていくのも、らしい展開だ。
「キンコンカンコーン」と歌いながら、YURAサマは観客たちと一緒に楽しくお遊戯をするように「Opening bell」を歌いだした。途中、歌詞を忘れ、ハミングからの替え歌で誤魔化す様もYURAサマらしさ。お客さんたちも口には出さないだけで、心の中では、YURAサマと一緒に「キンコンカコーン」と歌っていた。一緒に遊びの輪へ参加しながら、心はしゃぎ、無邪気な笑顔になれるこのひとときが、大好きだ。
続く「セ/カイ」では、千葉繁のナレーションを合図に、まるで短い組曲のような展開を描きながら楽曲は突き進んでゆく。YURAサマも、行進するように力強く足踏みし、ときに哀愁へ浸るなど、物語の主人公に成りきりながら、短い舞台劇を演じるようにライブを描いていった。
このまま最高の笑顔とハッピーな気分を携え走りだそうか。YURAサマは、眩しい青春の風景の中へ向かうように、ダンサーたちと一緒にその場で駆けながら「Let’s Go!」を歌っていた。さぁ、進め!進め!!道なき道も、仲間たちと一緒に駆けだせば、すべて輝く道に変わっていくはずだ。
明るい未来をみんなで作っていく。それをあえて言葉にして伝えてゆくのが大事なこと。世の中には、上手いかないことが多いのは誰もが知ってるし、経験していること。誰にだって、同じように未来はやってくる。ただし、明るい未来は、ただ待っていても来ることはない。自分で作るからこそ明るい未来はやってくる。YURAサマは、この場でそう述べていた。YURAサマ自身は、むちゃくちゃ前向きな性格だ。それを、YURAサマは自分の魅力や武器にしていれば、活動を通して、その姿勢を伝え続けている。
YURAサマは言った、「明るい未来を想像するのが苦手な人は、僕に触れてください」と。YURAサマはいつだって楽しい未来を作っては、みんなへ分け与えようとしてゆく。YURAサマは、みんなで明るい未来を見たいと願っている。人類をすべて巻き込むなんて不可能だとわかっているからこそ、せめてYURAサマの人生に触れている人たちとくらいは一緒に明るい未来を見たいし、一緒に作りたい。そんな願いを込めながらYURAサマはふたたび歌いだした。
明るい未来計画を作るように、YURAサマが届けたのが、雄大な音の景観を描き出す「Life is beautiful」。YURAサマの人生観を真っ直ぐに投影した楽曲だ。YURAサマは、自分の生き方を示すように、そして、自分の心へ語りかけるように「Life is beautioful」を歌っていた。YURAサマの「みんなで未来を作るんですよ」の言葉が、胸に希望の光の矢として突き刺さり、心に輝きを与えていった。不思議と晴れた笑顔になっていたのも、それが理由かも…。
今の僕らに必要なのは、YURAサマのような陰ることのない太陽のような存在なのかも知れない。だから、もっともっとYURAサマの想いが欲しい。今の僕らにはYURAサマと同じハートが必要だ。ダンサーたちと一緒に力強く飛び跳ねながら、YURAサマは力いっぱい「I need」を歌っていた。眩しい、楽しいという光に刺激を受け、フロア中の人たちが、高く手を掲げ、その場で大きく膝を屈伸しながら、制限下の中で精一杯はしゃいでいた。心の中では誰にも縛られることなく自由に、心置きなく大きく飛び跳ねていた。
最後にYURAサマは、会場中とライブ配信を観ている人たちみんなと心の手を繋ぎ、晴れ渡る青空のもとで無邪気に戯れだした。YURAサマの歌う「あおぞらのわ」を聞きながら、そんな光景を頭の中へ想い浮かべていた。心はいつだって自由だ。楽しい持ちは誰も縛ることはできない。そんな超前向きな気持ちにYURAサマが染めあげてくれた。
次の開催は45歳の誕生日になるのだろうか。それはよくわからない。でも、この楽しさを、そんな遠くない時期にまた味わたい。こんな閉塞した時代だからこそね。YURAサマ、42歳の誕生日おめでとうございます。最高に若いおっさんです!!
TEXT:長澤智典
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★インフォメーション★
『Ineed』ライブ配信チケット(「Ineed」音源DL付き)アーカイブでライブが視聴できます。
https://twitcasting.tv/yurasamatakeshi/shopcart/91556
「I need」MV
「セ/カイ」lyric video
YURAサマ曲DLサイト・ストリーミングサービス
https://www.tunecore.co.jp/artists/YURAsama
<セットリスト>
「My Destiny」
「皐月の雨」
「まさか逆さま」
「初恋のヒト」
「Tsutae Ai-Ai」
「CODE010-004」
「ヒヨドリ」
「春の歌」
「サマ体操」
「Opening bell」
「セ/カイ」
「Let’s Go!」
「Life is beautiful」
「I need」
「あおぞらのわ」
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<関連リンク>
ツイッター/YURAsamaTakeshi(http://ur0.link/M9qm)
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2021年09月16日 (木)
【ライヴレポート】<HOWL 東名阪LIVE TOUR『絶景FLAGS』>2021年9月14日(火)西永福JAM◆愛いっぱいの会場、ツアーを経て、渋谷WWWへ──!
REPORT - 09:46:3210月に結成3周年を迎えるHOWL。
2周年を締め括るべく、バンド初の東名阪ワンマンツアー「絶景FLAGS」がスタート。ボーカル・真宵、ギター・よっぴ、ベース・ゆうと、ドラム・yukiが繰り広げるツアーの1本目が、9月14日、西永福JAMで開催された。
10月1日の3周年ワンマン前、最後の東京でのライブとなる本公演の様子をお伝えしたい。
定刻を少しすぎた頃、映像から幕を開けた。メンバーが車内でトークするほんわか映像が披露され、アーティスト写真とのギャップも感じさせた。
待ちに待った1曲目は「生きてるだけで褒められたい。」。
MVが世界一見にくい?としても話題の楽曲だ。
メンバー全員がマイクを持つキャッチーなナンバーで、早速HOWLの世界観を打ち出した。
「DARLN’!!」「先天性君症候群」と続き、初っ端から会場を熱く盛り上げる。
MCでは、初ワンマンツアー初日への思いを届ける。
“ドキドキ感を共有したい”という真宵(Vo)。思わず笑いが溢れてしまう瞬間もあり、会場は笑顔でいっぱいになった。
MC明けは、キラキラリングをつけた“はうるんるん”(HOWLファンの愛称)の綺麗な手拍子から始まる「Mr,Moonlight」。
途中マイクトラブルもあったが、そんな真宵のもとに駆けつけるよっぴ(Gt)が微笑ましい。
続けて「迷宮ディスコニック」を届け、さらに会場をひとつにしていく。
「メルティナイト」では会場をしっとりとしたムードで包み込んだ。
ここまでの「可愛い」HOWLとは一変し、「かっこいい」HOWLを披露した。
ここで本日2回目のMCへ。
そう、HOWLのライヴは楽曲の良さだけでなく、MCでも楽しませてくれる。
ちょっと間の抜けたBGMをバックに、のほほんとしたメンバーの会話が繰り広げられる。
よっぴ、ゆうと、yukiの順番でグッズを紹介。
デザインした真宵より、Tシャツとトートは行った会場にチェックがつけられるようになっているデザインだとの解説も。
全員でグッズの紹介を行い、脱線も大いにしつつ、メンバーの仲の良さが感じられる心温まる時間となった。
MCの空気を一転させ、「アーティスト」へ。
よっぴの華やかなギターが鳴り響き、ゆうとのベースも心地よく低音を鳴り響かせ、yukiは心躍るリズムをテクニカルに響かせる。
そこに真宵の美しくも甘い歌声がのり、会場も一気にライブの力強さに引き込まれていった。
続く「UNVENUS」では、攻撃的に“はうるんるん”を盛り上げる。真宵が誘導し、盛り上がりは絶頂に!
さらに「PRAYER」、「極楽浄土」へと続き、フロアのヘドバンが綺麗に波を打つ。yukiも頭をふりつつ、リズムを刻む。
そして本編ラスト「An inch ahead」。
声が出せない“はうるんるん”に変わって、真宵は何度も何度も「東京!」と大きく呼びかけた。
声が出せない現状がもどかしい──。
そんな気持ちがいっぱいになりつつ、本編が幕をおろした。
アンコール。
まずはよっぴがステージに登場。なかなか出てこないメンバーを待ちながら、再びグッズの話へ。
会場限定で発売されるキーホルダーに、自分のメンバーカラーの紫がないのを嘆くよっぴ。
そして1stワンマンの思い出を話したり、「#HOWLしようぜ」を盛り上げたいとも語った。
もうよっぴ1人で耐えられなくなった時に、yuki、続けて真宵が登場。
“ツアーで行きたいところ”の話へ。ゆうとも登場して楽しいトークを続け、会場を笑顔でいっぱいにした。
まもなく誕生日のスタッフ「Amoさん」を加え、「本当は5人バンドがしたかった」真宵の夢を叶えるべく、念願の5人体制で「ふぁぼって人生」からアンコールのステージがスタート!
間髪入れずに「honey ♡drunker」を披露。
お決まりのメンバーコールに合わせて、ぴょんぴょん飛び跳ねる“はうるんるん”!
「Amoさん」のメンバーコールも!
5人体制ラストは「愛情絶対値」。会場をHOWLの愛でいっぱいにした。
いつもと違う5人の音を、メンバーも“はうるんるん”も楽しんでいたように感じられた。
ここで最後の本日MC。
メンバーそれぞれからコメントがあり、「ボクラノシンフォニー」で幕をおろした。
本当は声を出してもらいたい楽曲ではあるが、代わりに真宵が歌い上げる。
“はうるんるん”の声が、確かに聞こえたような気がした。
MCで何度もメンバーが口にしていたように、HOWLは10月1日に結成3周年記念の渋谷WWWワンマンを控えている。
この日はきっと、ツアーで成長した姿を見せてくれることだろう。
なおチケットに関しては絶賛一般発売中だが、メンバーが手売りをすることもあるので、是非各メンバーのTwitterもチェックしていただきたい。
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<セットリスト>
1.生きてるだけで褒められたい。
2. DARLN’!!
3.先天性君症候群
<MC>
4.Mr.Moonlight
迷宮ディスコニック→締め
drum~
5.メルティナイト
<MC>
6.アーティスト
7.UNVENUS
8.PRAYER
9.極楽浄土
煽り
10. An inch ahead
<en>
1.ふぁぼって人生
2.honey ♡drunker ~メンバーコール
3.愛情絶対値
<MC>
4. ボクラノシンフォニー
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OFFICIAL WEBSITE
公式 @HOWL_staff
Vo.真宵:@myi_howl
Gt.よっぴ:@yoppy_howl
Ba.ゆうと:@yuto_howl
Dr.yuki:@yuki_howl
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■東名阪LIVE TOUR『絶景FLAGS』
2021.09.14 西永福JAM
2021.09.21 名古屋今池3star
2021.09.23 大阪 アメリカ村Clapper
■HOWL 3rd ANNIVERSARY ONE MAN LIVE 「あの日からずっと この心を離してくれないモノ」
2021.10.01(Fri) 渋谷WWW
2021年09月15日 (水)
【ライヴレポート】<SID TOUR 2021 ~peep of 2022~>2021年9月12日(日)Zepp Haneda◆「こうやってライブに立つことの大切さ、 そしてみんなに直接会うことの大切さ、これに俺たちが気づけたことはよかった」──マオ(Vo)
REPORT - 13:04:55シドの約2年ぶりの全国ツアー「SID TOUR 2021 ~peep of 2022~」が、9月3日(メンバーズクラブ限定)・9月12日の東京・Zepp Haneda公演よりスタートした。
「本当に大変なことや嫌なことばかりだけど、中にはいいこともあって、こうやってライブに立つことの大切さ、そしてみんなに直接会うことの大切さ、これに俺たちが気づけたことはよかったなと思っています。
もともと俺たちはライブ1本1本全力でやっていたんですけど、その全力でやっていたもっと奥深くのものを、このコロナ期間で俺たちの中から引きずり出されたような気がします」
9月12日公演でのアンコール1曲目を歌い終えたマオ(vo)は、2020年から続くコロナ禍での活動を通して向き合った思いをこんなふうに言葉にした。
マオの言う“もっと奥深くのもの”とは何か、さらに言葉は続く。
「だからこのツアーは、きっと今まで以上に俺たち4人の魂の叫びが一人一人にしっかりと伝わったらいいなと思います。
みんなの魂の叫びも今日すごく俺に、メンバーに、伝わってきています。俺たちが一つに結ばれた感じがしています。ありがとう」
ライブを開催すること、それ自体に賛否の声が向けられる現状がある中で、マオは今回のツアーの意義をそう提示したのだ。思いっきり中指を立てたり、満面の笑顔でピースサインを掲げたり、歌や演奏以外でも感情を形にして表現するメンバーと、声は出せなくても手を上げたり大きな拍手で思いをメンバーに届ける観客。
双方の熱い思いが行き交う会場には、一体感と大きな笑顔が溢れていた。
ツアーが始まったばかりなので、この記事ではセットリストや演出の詳細は極力避けるが、聞けば初日のメンバーズクラブ限定公演と2日目の12日の公演とではセットリストも違ったそうで、きっと彼らはこれ以降のツアーも一期一会の内容で楽しませてくれるに違いない。
「ANNIVERSARY」や「ほうき星」「循環」など、会場のテンションを一気に引き上げるアッパーチューンや、Shinji(G)、明希(B)、ゆうや(Dr)の卓越したアンサンブルと、情感豊かなマオのヴォーカルが映えるバラードナンバーなど、幅の広いシドの楽曲をギュッと凝縮した構成で魅せる。
特に注目すべきは、7月に配信リリースしたばかりの明希作曲の「慈雨のくちづけ」の初生演奏と、新曲2曲の初披露。
「慈雨のくちづけ」はオリエンタルな調べに乗せた慈愛に満ちたマオの歌声、Shinjiのエモーショナルなギターソロ、雄大さを感じさせる明希のベースライン、そして感情を掻き立てるゆうやのドラミングと、どれをとってもドラマチックで大きな余韻を残した。
新曲の2曲はどちらもミディアムテンポで、1曲目はイントロのサックスの音色が哀愁を誘う、ゆうや作曲の歌謡ロックナンバー。
マオは「ちょっと懐かしいような曲調で、なおかつ今のシドをしっかりと表現するような曲です」と紹介した。
2曲目は、切なさと温かみが同居する秋ナンバー。「この曲はメロディをしっかり考えて作った曲です」と作曲者のShinji。
曲中、観客もクラップで参加できるところもポイントだ。
「バンドのメンバー3人が作曲できるってやっぱり強いよね」とマオもMCで語っていたが、改めて3人のコンポーザーのいるシドの楽曲の多彩さを感じさせられるステージだったと思う。
さらに、今年5月に河口湖ステラシアターで開催した「SID LIVE 2021 -Star Forest-」でも披露したShinji、明希、ゆうやによるソロコーナーでも、それぞれの鮮やかな技巧と際立つ個性を見せつけていた。
「一緒にもっともっと夢見ていこう!諦めんなよ!諦めんなよ!俺たちは諦めないからな!」。ファンへ向けて、そして自分たちにも言い聞かせるようにマオは叫んでいた。
“今朝発の 羽に乗り 飛び越えた未来は 想像もつかない“──旅立ちの場所であるこの羽田で聴いた「one way」は格別であった。
タイトルの「~peep of 2022~」に託したのはきっと、未来への希望だろう。
光ある未来への架け橋となるこのツアーを、メンバーにもファンにも存分に楽しんできてもらいたいと心から思う。
写真◎今元秀明
文◎大窪由香
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SID TOUR 2021 ~peep of 2022~
9月3日(金) Zepp Haneda ~ID-S限定LIVE~
9月12日(日) Zepp Haneda
9月17日(金) Zepp Nagoya
9月18日(土) Zepp Nagoya
9月22日(水) Zepp Osaka Bayside
9月23日(木・祝) Zepp Osaka Bayside
10月3日(日) Zepp Sapporo
10月9日(土) SENDAI GIGS
10月15日(金) Zepp DiverCity TOKYO
10月16日(土) Zepp DiverCity TOKYO
10月31日(日) Zepp Fukuoka
【チケット料金】
全席指定 ¥7,500(税込/ドリンク代別)
※4才以上有料
チケット購入はコチラ https://sid.tix.to/SZUGsL
詳細はコチラ https://sid-web.info/event/336294
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<Release>
■ニューシングル 『慈雨のくちづけ』配信中
※配信リリースとなります。
Music Video https://youtu.be/hV0Po_nXR7k
配信&購入まとめURL https://kmu.lnk.to/JiuNoKuchizuke
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