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2021年11月03日 (水)

★びじゅなび特別レポ★【Ashmaze.】初となるワンマンツアー「Black Jack」ファイナルTSUTAYA O-WESTの様子を独占レポート!誰しもが感じている現実への葛藤と希望をテーマにした最新楽曲を公開!

REPORT - 22:00:49

去る2021年10月22日、Ashmaze.がバンドとして初となるワンマンツアー<Black Jack>のファイナル公演をTSUTAYA O-WESTで行った。

 

コロナ禍により予定していた活動が制限され、苦しみもがき続けた末に見出した一つの答えを示す場所が、奇跡的にも1st Single「Phantom Shell」のテーマにもなっている『雨』の降るTSUTAYA O-WESTとなった。

 

荘厳な雰囲気を漂わせるバンドロゴをあしらった巨大な垂れ幕が天井から吊るされたステージにSEが鳴り響き、楽器隊4人が足早に登場。

アピールすらも最小限に1曲目の「渇き」をスタートさせた。

静と動が詰め込まれているこの楽曲は、ライブの一発目にはふさわしすぎる選曲でオーディエンスをライブ空間という非日常に一瞬で引きずりこんだ。

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一瞬の静寂の中、時計の音が響き始め、Vo.双真が高らかにツアーファイナルのスタートを唱え、「ペンデュラム」、「ヒガンの花」とそれぞれ激しいながらも色の違う楽曲で、より深くAshmaze.の世界にオーディエンスを沈めていく。

 

続いてこのコロナ禍の最中に生まれた楽曲「時代」では、Ashmaze.らしさとも言える、他のバンドでは見られない楽器隊の個性がぶつかり合いながらも、決してメロディの邪魔をする事のない持ち味を見せつける。

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この日最初のMCでVo.双真は「会いたかったぜWEST!」と心からの想いを叫び、オーディエンスと顔を合わせられた喜びを伝え、事前にアンコールはせずに持ち曲すべてを披露する事、ツアーファイナルにこの場所を選んだ理由は、2020年にコロナで行うことが叶わなかったWESTワンマンの雪辱を果たすためであったと告げた。

 

MC後半からステージ上に雨が降り始めるかのような照明と共に奏で始めた「Phantom Shell」は、彼らが降らせたと言っても過言ではない、東京に降り注いでいる雨と当然のようにリンクする。

そこから激しい楽曲を立て続けに披露。オーディエンスとの一体感を増した会場はヒートアップし、「見せかけの正常はバルーンの中身だった」でこのセクションにアクセントをつける。

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「ゆらり」の前奏に合わせVo.双真は「Ashmaze.は癖が強いメンバーが揃っていて、その癖が強い楽曲も『いいところ』」と語り「そんなAshmaze.にどっぷり、ゆったりと浸っていってね」と続け、そのまま曲へ。

ここからは言葉通りオーディエンスに楽しみ方を委ね、未音源化楽曲「Q」をしっとりと聴かせて「シャボン玉」へと繋げる。

そしてツアー前に発表された2nd Mini Albumの表題曲「GENOM」でバンドのテンションを一気に爆発させた。

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その後はVo.双真の砕けたMCで「楽しんでますか皆さん?君たち以上にこの空間を楽しんでますよ」と素直な感想を述べ、ツアーの思い出やエピソード、そしてオーディエンスに「苦悩の出口」へ届くようなライブをすると誓った。

テンションをさらに上げたまま全力で4曲を駆け抜け、オーディエンスも声が出すことが出来ないという環境の中でその想いに全身で応える。

この日のラストにはAshmaze.の初公開楽曲でもある「カゲロウの錯覚」を選曲。

「錯覚でもいい!このクソッタレな世界を踊り狂え!」と楽曲に込められたメッセージと共にステージを締めくくった。

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宣言通りアンコールはなく、代わりとして静かにスクリーンが下ろされ最新楽曲「INNOCENCE」のMVが映し出された。

会場に吊るされた垂れ幕は次回作への伏線でもある事と共に、この楽曲を駆けつけたオーディエンスに誰よりも早く送り届けることとなった。

 

最新楽曲「INNOCENCE」は、抑圧された「現実への抗い」「やり場のない感情」「未来への希望」を表現する。

その新たなメッセージは衣装やヴィジュアル、そして楽曲制作にも込められており、Vo.双真の言葉通り、オーディエンスそれぞれの希望を感じ取ってほしい楽曲。

2022年は4ヶ月連続2マン公演やメンバーバースデーワンマンなど、楽しみな企画もたっぷり用意されている。

ぜひ彼らの想いを受け止めて、Ashmaze.と共に歩んでみて欲しい。

 

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SET LIST

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M01.渇き

M02.ペンデュラム

M03.ヒガンの花

M04.時代

M05.Phantom Shell

M06.欺瞞

M07.Focus

M08.見せかけの正常はバルーンの中身だった

M09.ゆらり

M10.Q  ※未音源化楽曲

M11.シャボン玉

M12.GENOM

M13.羨望

M14.シニカルパレード

M15.ラベル

M16.INSIDE MY HEAD

M17.カゲロウの錯覚

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文章:神崎 要

写真:Lestat C&M Project

 

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最新RELEASE「INNOCENCE」

https://youtu.be/rkxqECTZCic

 

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【OFFICIAL SITE】https://www.ashmaze.com/

【OFFICIAL Twitter】https://twitter.com/AshmazeOfficial

【Ashmaze. Online Shop】https://ashmaze.buyshop.jp

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◆PICK UP LIVE

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Ashmaze.  Presents S1TK Birthday ONEMAN「Saitaku ga 1ban Totemo Kakkoii2」

2022.03.05(土) 渋谷REX

※O.A有(後日発表)

OPEN18:00 / START18:30

前売¥3,110 / 当日¥4,000

・チケットe+ 2022.02.12(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3516950001-P0030001

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Ashmaze. Presents 詩結Birthday ONEMAN「SPACE SEAL」

2022.05.22(日) 池袋EDGE

OPEN18:00 / START18:30

前売¥4,500 / 当日¥5,000

・チケットe+ 2022.04.23(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3517160001-P0030001

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4ヶ月連続2マン公演「22dim(トゥエンティートゥーディミニッシュ)」

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2022.01.10(月・祝) 池袋EDGE

【出演】Ashmaze. / Develop One’s Faculties

OPEN17:30 / START18:00

前売¥4,500 / 当日¥5,000

・チケットe+ 2021.11.27(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3517000001-P0030001

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2022.02.05(土) 池袋EDGE

【出演】Ashmaze. / JILUKA

OPEN17:30 / START18:00

前売¥4,500 / 当日¥5,000

・チケットe+ 2022.01.08(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3517030001-P0030001

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2022.03.19(土) 池袋EDGE

【出演】Ashmaze. / Rides In ReVellion

OPEN17:30 / START18:00

前売¥4,500 / 当日¥5,000

・チケットe+ 2022.02.19(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3517060001-P0030001

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2022.04.16(土) 池袋EDGE

【出演】Ashmaze. / ザアザア

OPEN17:30 / START18:00

前売¥4,500 / 当日¥5,000

・チケットe+ 2022.03.12(土)10:00~

https://eplus.jp/sf/detail/3517120001-P0030001

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2021年11月03日 (水)

【ライヴレポート】<シド全国ツアー「SID TOUR 2021 ~peep of 2022~」>2021年10月31日Zepp Fukuoka◆「なんて素敵な人たちに囲まれて俺は歌ってこれてるんだろうと思いました」──マオ(Vo)

REPORT - 12:14:34

 

SID TOUR 2021 peep of 2022

1031日(日)@Zepp Fukuoka

 

 

シドが、1031日にZepp Fukuokaで全国ツアー<SID TOUR 2021 peep of 2022~>のファイナル公演を開催した。

ここ福岡はヴォーカルのマオの出身地。約2年ぶりのツアーで訪れた故郷のステージで全力を尽くしたマオは、ラストナンバーの「one way」を歌い上げた後、「この景色、一生忘れないよ」とあふれる思いを噛み締めるように言葉を残した。

 

SID TOUR 2021 peep of 2022~>と題したシドのこのツアーは、Shinji、明希、ゆうやの3人のコンポーザーがそれぞれに作った3曲の新曲を携え、コロナ禍という困難を乗り越え、2022年へ向かうシドの少し先の未来が覗き見できるツアーとしてスタートした。

彼らが提示する少し先の未来は間違いなく光が射していて、初演から笑顔で満ちていたのが印象的だった。

ライブハウスから歓声が消えてしまった今という時代でも、思いっきり心から音楽を楽しむことができれば、一つになれるということ、心は通じ合えるということ、全身で歌えるということ、満たされるということ、あなたのその思いは音になって必ず届くということを、このツアーを通して彼らは教えてくれた。

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SEに合わせて観客のクラップが響く中、ゆうや(D)、明希(B)、ShinjiG)、マオ(Vo)の順にメンバーが登場すると最初に鳴らしたのは「声色」だった。目の前にいるファンに向けて、「声が聞きたい」と語りかけるように情感を込めて声を響かせるマオ。

寄り添うように柔らかなリズムを鳴らす明希とゆうや。

間奏のShinjiのギターソロは感情が溢れ出したようにエモーショナルで、切なさを増幅させた。

続く「ほうき星」では一転して軽快なパフォーマンスを見せるメンバー。

変えることのできない現状や、行き場のない思いを、コロナ禍で生まれた「声色」「ほうき星」が早速浄化してくれた。

それは、その後に披露した「delete」も然り。

このツアーでは優しく力強く、心を掬い上げるようなナンバーがラインナップされているような気がする。

ANNIVERSARY」ではパッと花が咲いたように音が弾けると、マオ、Shinji、明希の3人がステージ前方へと軽やかに歩みを進める。

ラストでマオが笑顔でピースを繰り出すと、思わずこちらも笑顔になってしまったものだ。

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Shinji_YDS_7225

定番のメンバーによるMCリレーも絶好調で、マスクをして拍手で応えてくれるファンに向かって

「こういう行為がバンドのことを守ってくれてるって感じるんですよ」と明希が言えば、Shinjiは「恥ずかしがり屋なんでマイク通して言えないんですけど」と前置きをして「愛してるぞー!」と生声を届け、“福”という縁起のいい漢字が入っている福岡で「最高のファイナルを迎えることができてとても嬉しいです。ありがとう!」とゆうやが叫んだ。

そんなメンバーを眺めながら、「今日は楽しいね」と笑うマオ。

「ちょっと懐かしい曲をお届けします」と披露したのはムーディーなイントロから始まる「土曜日の女」。

「淡い足跡」では、Shinjiと明希、ゆうやが奏でる一音一音の音粒がキラキラと流れていて、そこにマオが柔らかなファルセットを乗せる。それはとても美しいサウンドスケープだった。

ステージはそのまま楽器陣によるソロコーナーへと突入。まずは、ゆうやのドラムソロから。

ピアノの調べに乗せて情感たっぷりに叩いていたかと思えば、一転してヘヴィーチューンに合わせてアグレッシブなドラミングを見せる。

明希は観客のクラップをリズムに、滑らかな指さばきで芳醇なサウンドを響かせた。

そしてShinjiは明希とゆうやのリズムに乗せて、華やかかつ重厚なギターソロで魅了した。

 Shinji_YDS_7962

明希_YDS_8318

ゆうや_YDS_8897

マオが再びステージに登場すると、新曲3曲を披露。ゆうや作曲の「13月」は、失ってしまった人への後悔を歌うシリアスなバラードナンバー。

サックスの音色とShinjiの泣きのギターフレーズが哀愁を誘う。

AOR調の秋ソング「街路樹」はShinji作曲。歌い終わりはマオが「センキュー!」と締めるのだが、この「センキュー!」に対してメンバーから横槍が入る。

「もうちょっと優しい方がいいよ」とShinjiが言い始めると、ゆうやも「俺も同じ意見だよ」と同調。

これに対して「うすうす気づいてきたけど、バカなんじゃないか?明希以外」とマオが反論すると、「俺ももうちょっとソフトがいいかなと」と、味方してくれると思っていた明希もあっさりShinji側についた。

これにより、ソフトな「センキュー!」を練習してみるものの、「俺の中では『センキュー!』はあんまりないんだよね。

『ありがとう』でいきたいの、本当は」と、最終的に観客を味方につけたマオ。

次回から、この「街路樹」の締めくくりがどうなるのか、引き続き注目したいところだ。

そして異国情緒あふれる「慈雨のくちづけ」は明希作曲。ゆうやのダイナミックなドラミングや、明希が多弦ベースで聴かせる間奏、滋味深いマオのヴォーカルも聴きどころだ。

ここで本来ならMCが入る予定だったようだが、「このままいっちゃおうか」と、その熱量を逃さないように、「V.I.P」「ドラマ」「夏恋」とアッパーチューンを連打する。

明希が華麗にターンを決めたり、マオがピョンピョンと飛び跳ねたり、Shinjiが激しくヘドバンを繰り返したり。

そして、その背中をゆうやが笑顔で見つめる。「夏恋」の時にマオが満面の笑顔でやってみせたランニングマンが、全然ランニングマンじゃなかったけれど、楽しそうにステージを闊歩するメンバーの姿を見ながら、コロナ禍の2年間、熱望してきたこの空間が帰ってきたのだと胸が熱くなった。

ラストは「プロポーズ」。歌い出しは「あれからもう二年とひと月」。なんとも憎い選曲だ。

狂気を孕んだスリリングなアンサンブルとマオのシャウトで永遠の愛の契りを交わし、本編を締めくくった。

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アンコールは、福岡から上京するまでの思いを綴った「星の都」から始まった。

ヴォーカリストとしての出発点であるこの福岡で大切に歌い上げた後、マオは「周りが全員違う道の方へ行った時の怖さみたいなものをたくさん経験してきたけど、その経験がきっとこのシドという道に繋がっていたんだなって思います。

あの時、怖い方の道、暗い方の道をひたすら歩き続けてよかったなと心から思います」と、歌うことを選んで歩んできた道のりを振り返った。

そして、「君たちに俺たちができることはライブでこうやって元気付けること。

遠慮せず俺たちに思いっきり頼って、思いっきり俺たちに守られて、最高のライブをして一緒にツアーファイナルを終えましょう。一緒にシドしよう!」と鳴らしたのは「エール」。

ステージから見えた景色がどういうものだったのか、客席側からは知り得ないが、「泣くなー!!笑え!!」と、曲中で笑いながらマオが叫んだ。

きっと彼らの思いが、真っすぐに観客の胸に響いたのだろう。そんなフロアに向けてマオがもう一つ叫ぶ。

「俺の目に最高の景色を焼き付けさせてください。そうじゃないと迷った時にまたポキッと折れちゃいそうです」。

守ったり守られたり、こんなふうに素直に弱音も吐ける関係性を羨ましく思った。

シドとファンとの深い絆を再確認する。ラストナンバーは「one way」。

曲中、マオがShinjiと明希を呼んでゆうやを囲もうとするシーンがあった。

しかしギタープレーに没頭中のShinjiはそれに気がつかない。

諦めたマオと明希は笑いながらShinjiの横に並び、触れ合う距離で歌い鳴らしていた。

彼らはきっとこの先も、こんな感じで笑いながら、未来へと続く一本道を4人で歩んでいくのだろう。

 

 

このツアーを記録するにあたって避けて通れないのは、マオの喉の不調のことだ。

ツアーの初日からそうだった。その時から彼は腹を括っていたのかもしれない。

或いは自信があったのかもしれない。どんなことがあっても最後まで目の前の人たちを楽しませる、ということに。

それでも不甲斐なさにいたたまれなくなったのか、セミファイナルの東京公演では全て歌い終えた直後、両手を合わせた謝罪のポーズのまま、いの一番にステージを降りた。

いつも最後に残って愛を叫ぶマオを見てきたファンにとって、それは衝撃の出来事だった。

そして迎えたこのファイナル公演。ステージに登場した彼に笑顔が戻っているのを見て正直ホッとした。

マオがそういう状態であったにも関わらず、このツアーは間違いなく素晴らしいものだったと声高に言おう。

なぜならば、このツアーに参加した人たちは目の当たりにしたからだ。

歌うこともシャウトすることも扇動することもMCを楽しむこともメンバーにツッコミを入れることも、どれ一つ手を抜くことなく全力で楽しんでいたマオの姿を。

そして、Shinjiのギターが、明希のベースが、ゆうやのドラムが、今まで以上に歌っていたことを。

4人が寄り添い合い、支え合い、笑顔を交わしていたことを。

そしてファンも一緒にこのステージを盛り上げていたことを。

マオは最後のMCで、一緒に“シドをしてくれた”フロアに向かって感謝の言葉を述べた。

「最高のライブをどうもありがとう。こんなに思うように歌えないのに、こんなに楽しそうにしているヴォーカリストは俺だけなんじゃないかなと思いました」。

 

 

すでに発表されているソロライブの中止に触れ、しばらく歌を休むことを明かしたマオ。

「足を止めるっていう決断がこんなにも怖いんだって、毎晩毎晩苦しんでもがいてたんですけど、やっぱりすごいなと思ったのは、みんなに俺の心の中を言っちゃった途端、みんなの声がブワッと届いて、なんだかホッとしたんだよね。みんなもホッとしたって言ってくれて、なんて素敵な人たちに囲まれて俺は歌ってこれてるんだろうと思いました。

なので、このバンドを俺の手でつぶすことは絶対にしたくないので、だからこそ少しだけお休みをいただこうと思っています。

必ず最強のヴォーカリストとしてまた帰ってきますので、楽しみに待っていてください」と、胸の内を吐露。

そして、いつも通りマイクを通さない生声で「愛してまーす!」と叫ぶと、愛おしそうに手を振ってステージを降りた。

 

 

シドが提示する少し先の未来は予想外の展開を迎えたが、マオが最強のヴォーカリストとして戻ってくることを、そしてシドが最強のライブバンドとして戻ってくる日を楽しみに待っていたいと思う。

その頃には、「お帰りなさい!!!!」と大きな声で迎えられる未来であってほしいと願う。

 

 

写真◎田中 紀彦

文◎大窪 由香 

 

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SID TOUR 2021 peep of 2022

20211031日(日) Zepp Fukuoka

 

SET LIST

01. 声色

02. ほうき星

03. delete

04. ANNIVERSARY

05. 土曜日の女

06. 淡い足跡

07. Instrumental

08. 13

09. 街路樹

10. 慈雨のくちづけ

11. V.I.P

12. ドラマ

13. 夏恋

14. プロポーズ

 

En01. 星の都

En02. エール

En03. one way

 

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Release

 

★ニューシングル 『慈雨のくちづけ』配信中

 アニメ「天官賜福」オープニングテーマ

Music Video https://youtu.be/hV0Po_nXR7k 

配信&購入まとめURL https://kmu.lnk.to/JiuNoKuchizuke 

 

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シド オフィシャルサイト http://sid-web.info/ 

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2021年11月01日 (月)

【ライブレポート】<有村竜太朗 5th Anniversary Tour-トライアングル->2021年10月23日(土)Zepp Tokyo◆ノスタルジックな世界観とマッチする季節──“深まる秋”の一夜。

REPORT - 21:00:44

 Plastic Treeのボーカリスト、有村竜太朗がソロとしてミニアルバム『個人作品集1996-2013「デも/demo」』をリリースしたのは20161123日のこと。気づけばこの11月で、彼の個人活動も5周年を迎えた。

そんな節目に発表された「有村竜太朗 5th Anniversary Tour-トライアングル」。

トライアングルという言葉が示すように、東京、大阪、京都の3ヶ所をめぐるソロとしては久々のツアーである。

本来、9月に行われる予定だったが、有村自身の新型コロナウィルス感染のため、延期となり、振替公演として10月から11月にかけての日程で行われることになった。

トライアングルには夏の大三角形の意味も込められていたが、当初予定されていた時期に比べ、グッと秋が深まったタイミングでの開催に……

ただ、結果的には彼の楽曲の持つノスタルジックな世界観とマッチする季節でのライブになったと思う。

 

 ここでは初日となった1023日、夜の部の模様をお伝えしたい。

 

 実はZepp Tokyo202211日をもって営業が終了することが決定している。

その前に、慣れ親しんだ会場のステージに立てるとは、まさに出来すぎのお膳立てだったのではないだろうか。

開演時間となり、有村の活動には欠かせないDEMONSTRATIONs(デモンストレーションズ)のバンドメンバーがステージへ。

最後に有村が登場し、ステージ中央にセットされたキーボードで「幻形フィルム/genkeifuirumu」のイントロを弾き始める。

会場には独特の緊張感が流れ、どこか懐かしく、意識の深いところを刺激する音世界に引き込まれていく。2曲目は有村の繊細な歌声と歪んだギターサウンドが見事なコントラストをなす「19/jukyusai」。

じっくり聴かせたあとは、軽快なテンポで展開する「くるおし花/kuruoshibana」で、観客をジワジワと熱くしていく。

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 最初のMCでは、「延期してしまった公演なので、胸にたぎる思いもありますので――」と、ライブへの思いを語った。

そして「今日は月も綺麗だと思います。秋晴れですから」と、前置きして「また、堕月さま / mata,otsukisama」へ。

ライブは再びゆったりとしたテンポで流れ始めたが、続く「猫夢 / nekoyume」ではバンドも一体感のあるプレイを聴かせ、グッとテンションを高めていく。穏やかに展開する「鍵時計 / kagidokei」も、ステージのエネルギーが遠赤外線のように客席に浸透。どの曲もこの5年のあいだに、熟成されてきた印象だ。

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 後半にさしかかるところで2回目のMCタイム。

「今日は2部構成ということで、結構早起きしました。早起きって言っても8時くらいですけど……早起きは1日が長くていいですね」と、前置きして後半ブロックへ。

軽快な「憑影と月風/tsukikagetotsukikaze」では、観客も手を動かすなど、体で反応していく。

郷愁感炸裂の「日没地区/nichibotsuchiku」では後半、エモいギターが場内に響き渡り、幻想的なライブ空間を盛り立てる。

こうして本編は「浮融/fuyuu」でクライマックスとなった。浮遊感と轟音のはざまで漂う有村のボーカルは圧巻。

酔いそうなまでのノイズの余韻を残し、本編は終了。

この5年間、何度となくライブで磨かれてきた曲達の成長ぶりも頼もしく感じられた。

 

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 アンコールでは「猫夢/nekoyume」と「19/jukyusai」をアコースティックバージョンで披露。

本編ではバンドセットで聴かせた2曲が、また違う印象で会場に響く。

温もりのあるアンコールを終えても、なお拍手は鳴り止まず、そのままダブルアンコールへ。

この日、ラストナンバーに選ばれたのは「恋ト幻/rentogen」。穏やかな出だしから、ハードな間奏につながるスリリングな楽曲だ。

有村はライブが終わるまで濃密な時間を紡ぎ出し、トライアングルツアーの初日を締めくくった。

このあと、ツアーは1119日にumeda TRAD1121日に京都FANJへと続く。

ソロとしても久々の地方公演となるだけに、お時間のある方はぜひ足を運んでいただきたい。

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 終演後、ファンには嬉しい告知がスクリーンに映し出される。

2022122日、有村竜太朗 5th Anniversary Single「円劇/engeki」のリリースがアナウンスされたのだ。

この曲がまた、ライブでどのように育っていくのか……

引き続き注目したいと思う。

 

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★有村竜太朗 OFFICIAL SITE★

https://arimuraryutaro.com/

★有村竜太朗 OFFICIAL Twitter★

https://twitter.com/armr_r_official