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2023年12月16日 (土)

【ライヴレポート】<Psycho le Cému FINAL episode LIVE「RESISTANCE~新色~」>2023年12月15日(金)Zepp Shinjuku◆約2年にわたったコンセプト「RESISTANCE」の最後。 5人のメンバーとファンが共に闇を乗り越え、たどりついた光の世界──。

REPORT - 20:00:43

2023年も残りわずかとなった1215日。Psycho le CémuZepp Shinjukuで、今年のライヴ納めでもあるFINAL episode LIVERESISTANCE~新色~」を行った。このライヴは、約2年にわたったコンセプト「RESISTANCE」の最後を飾るものであり、コロナ禍という苦難の終わりのひとつを示すものにもなった。5人のメンバーとファンが共に闇を乗り越え、たどりついた光の世界をレポートしよう。

 

 

   ◆     ◆     ◆ 

 

 

Psycho le Cémuと言えば、派手なヴィジュアルと作り込まれた世界観、ダンスやお芝居を取り入れた楽しいライヴでおなじみ。けれども、「RESISTANCE」というコンセプトでは、人の過ちの数だけ雨が降り続ける世界という闇を心に抱えた少年が主人公のシリアスなストーリーを軸に、ロックバンドらしく音楽や演奏中心のライヴを展開してきた。彼らにとって挑戦だったコンセプトのラストにふさわしく、この夜のライヴも極めて意欲的な内容であった。

 

 

 

 

 

 

それはまず、9月リリースのアルバム『RESISTANCE』の1曲目を飾った「ECLIPSE~双星の記憶~」で重々しく始まったセットリストに顕著に現れていた。「Paranoia Flying Fish」から「パノラマ」「もう一度、くちづけを」と、大人っぽい雰囲気たっぷりな楽曲を3曲続けたのも、彼らのチャレンジ精神ゆえだろう。これまでの彼らのイメージを更新した魅力を改めて堪能させてくれた。

 

さらに中盤では、DAISHI×Lidaのアコースティックパート、続いてAYA×seek×YURAサマのインストパートを盛り込み、ミュージシャンとしての成長ぶりを余すことなく披露した。幼馴染として40年来の付き合いがあるというDAISHILidaの二人が選んだ曲は、「哀の雨」。アコースティックギターの哀愁漂うしらべと艶のある歌声が、物悲しくも美しい。二人寄り添うように演奏し、笑いを交えて語り合う姿を目にすると、心が温かくなるのを感じた。

 

 

 

 

 

入れ替わって登場したAYAseekYURAサマから届けられたのは、四季をテーマにしたメドレー形式による「Prism」「想い出歩記」など4曲のインスト。緊張している様子はうかがえたものの、3人で視線を交わしながら丁寧に、それぞれの曲が持つ世界を音で表現し、美しい春夏秋冬を描き出してみせた。

 

 

 

 

 

演奏面では、イントロのアレンジを大幅に変えた「アカツキ」も特筆すべきポイント。スローテンポで始めてAメロをたっぷりと聴かせ、一気に曲の世界へと引き込んでいく。そして、「もう一度行こうぜ」の一言から、テンポアップ。まさにもう一度歩み始めるかのように前へと突き進んでいく躍動感が心地よく、ライヴの大きなヤマ場となっていた。

 

「アカツキ」は、202111月にコロナ禍で最初に発表した新曲だ。未知の感染症という、誰もが想像しえなかった状況で、これまでのようにライヴができず、たとえライヴをしても足を運べないファンもいるという苦渋の選択を迫られる中でも、彼らは前へ進むことを諦めなかった。だからこそ、工夫を凝らした無観客配信ライヴを経て、ライヴハウスを回り、活動を続けてきたのだ。「アカツキ」は、そんな彼らと、彼らを応援し続けてきたファンの心をずっと照らしていたのだろう。以前と同様に楽しめるようになったライヴハウスで耳にする「アカツキ」は、感慨深いものがあった。

 

そんな「アカツキ」から本編ラストの「君がいる世界」へと、心を闇に覆われていた少年が明日へと目をやるストーリーに従うように展開する。歌詞に現れる新しい扉の先は、少年の目の前に開けていると同時にPsycho le Cémuの目の前に広がっているものだ。心地よい高揚感に包まれる中、オーディエンスの歌声が響き渡る。差し伸べられた無数の手の先には、Psycho le Cémuの5人がいた。

 

 

 

 

 

楽曲や演奏面以外にも、コンセプトの集大成に相応しい趣向はライヴ全体に散りばめられていた。特に、ステージ後方とフロア左右の壁面に映し出された映像は効果的で、目を奪われた。主人公の少年と少女のアニメーションや、歌詞の言葉、歌詞を描写する映像などが、曲やコンセプトが物語る世界を広げ、華やかで美しい照明も含めて、視覚的にもおおいに楽しめた。

 

 

 

 

見どころとしては、メンバーの衣装も挙げられる。アンコール含め2回の衣装チェンジを行い、「RESISTANCE」で使用した3パターンの衣装を全て披露。おそらくステージ裏は大変なことになっていただろうが、ファンには嬉しい演出だっただろう。

 

もちろん、おなじみの5人並んで踊るダンス曲や、元気いっぱいの「おっは~!」で始まるAYAMCといった、Psycho le Cémuならではの魅力も忘れてはいない。「MurdererDeathKill」「LOVE IS DEAD」、アンコールの「銀狼」といった楽曲では、フロアを波がうねるようなヘドバンが繰り広げられ、seek2回もその人の渦へダイブ。激しく暴れるのも彼らのライヴの楽しみ方だが、そんな光景もコロナ禍を乗り越えて戻ってきている。

 

 

 

 

闇の果てに光があふれる光景は、この夜の最後を飾った「命のファンファーレ」で最高潮のきらめきを見せた。生の喜びを歌うような祝祭感に満ちた楽曲が、DAISHIMCを受けてモッシュするファンの姿と、そのさまを照らし出す煌々と輝く照明に彩られ、幸せいっぱいの空間が広がる。大団円のフィナーレだった。

 

RESISTANCE」というコンセプトを掲げ、コロナ禍で活動し続けたこの時間は、メンバーやファンの心に深く刻まれるだろう。けれども、Psycho le Cémuはもう未来を見ている。来たる2024年には結成25周年を迎える彼ら。アンコール前には、新コンセプト「Galaxy’s 伏魔殿」と、結成記念日である53日に神田明神ホールで25周年記念ライヴを行うことが発表された。

 

さらには、2025年5月2、3日には、姫路で何か「デカいこと」(DAISHIMCより)を計画しているという匂わせも。鬼が大笑いしそうな再来年の話ではあるが、楽しみが多いに越したことはない。闇の向こうには輝きに満ちた光が待っているのだ。それをこれから思い切り楽しみたい。この夜を迎えて、そんな思いを新たにした。

 

 

Text:Miyuki Murayama

Photo:Sayaka AokiPROGRESS-M

 

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■Psycho le Cému

Mobile FC LIVE 2024 TOKYO VISUAL WORLD~LOVE SONGS~

24日(日)新宿BLAZE

開場:17:00開演17:30

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Mobile FC LIVE 2024 Bad boys, be ambitious!

25日(月)新宿BLAZE

開場:18:00開演18:30

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¥ 8,800

DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

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先行受付中

http://fc-psycholecemu.com

 


 

 

■25th ANNIVERSARYQUARTER CENTURY

Galaxy’s 伏魔殿~銀河を駆け抜けろ~

202453日(金祝)神田明神ホール

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開場18:00開演18:30

FC特典付き ¥11,000 FCチケット ¥6,600 一般チケット ¥6,600 当日券 ¥1,100

一般チケット発売日:331日(日)

DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

 


 

25th26th

2025.05.02(金)姫路XXX

2025.05.03(土)姫路XXX

 

 

https://psycholecemu.com


2023年12月14日 (木)

【ライヴレポート】<PENICILLIN・千聖 Birthday「ROCK ROCK 19Z!(行くぜ!)」>2023年10月 7日(土)、8日(日)恵比寿LIQUIDROOM◆「Happy Birthday Dear 千聖!」 アグレッシブに、そしてエモーショナルに──。PENICILLINの魅力を余すことなく伝えた2デイズ。

REPORT - 19:00:41

 昨年2月に結成30周年を迎えたPENICILLINは、同年2月にアニバーサリー・イヤーの始まりを告げるライブ<The beginning of 30th anniversary>を新宿ReNYで行なったことを皮切りに、ニュー・アルバム『パライゾ』をリリースし、同作をフォローする全国ツアーを行い、さらにパンフレットCD『カタストロフィ』を制作し、’232月にはベスト・アルバム『30 -thirty- Universe』をリリース、同作の全国ツアーの実施等々、密度の濃い動きを見せた。

 

 そして、23717日に30周年を締め括るライブ<PENICILLIN 30th anniversary tour real final 渋谷公会堂>をLINE CUBE SHIBUYAで開催。同公演も大成功に終わり、PENICILLIN30周年を華々しく飾ってみせた。

 

 30周年を祝した活動が約1年半に及んだこともあり、<PENICILLIN 30th anniversary tour real final 渋谷公会堂>を終えた後はしばらく休むかと思いきや、86日には「祭り」、916日・17日はO-JIROBIRTHDAY LIVE 「とのさまGIG」そして、107日・8日に恵比寿LIQUIDROOMで<PENICILLIN 千聖 BIRTHDAY LIVE ROCK ROCK 19Z!」と銘打たれた公演が行われた。30年という長いキャリアを誇っていながら休むことなく活動に勤しむ彼らの意欲は驚異的ともいえる。そんな彼らがファンの方々と一緒に千聖の誕生日を祝ったライブの模様を、108日の公演を軸にしてお届けしよう。

 

 

   ◆     ◆     ◆ 

 

 

 LIQUIDROOMの場内が暗転し、「ハッピーバースデー」をモチーフにしたオープニングSEが流れるとPENICILLINのメンバー達がステージに姿を現した。ビッシリとオーディエンスで埋まったフロアから盛大な拍手と歓声が湧き起こり、ライブは「Time Machine」から始まった。HAKUEIのエモーショナルな歌声と楽器陣が奏でるしなやかなサウンドで、瞬く間に抒情的な世界を創出する辺りは実に見事。ライブが始まると同時にオーディエンスの心がグッとステージに惹き寄せられたことが如実に感じられた。

 

 

 

 

 ちなみに、初日はアグレッシブなファスト・チューンの「Rosetta」をオープニングに据えて、一気に場内のボルテージを引き上げるスタイルが採られていた。テイストの異なる幕開けでいながら、どちらも魅力的なのはさすがといえる。

 

 

 その後は、「こんばんは、PENICILLINです。今日は千聖のバースデー・ライブでございます。素晴らしいリーダーの誕生日を沢山お祝いしますので、思いきり楽しんでいってください。いいですか!」というHAKUEIMCも挟みつつパンキッシュに疾走する「幻想カタルシス」や痛みを感じさせる翳りを纏った「XXX」、スタイリッシュな「prison」などが相次いで演奏された。

 

 

 

 ロングコートに白いブラウスというドレッシーな姿で、強く心に響く歌声を聴かせるHAKUEI。王道的なロック・ファッションとテクニカル&ホットなギター・プレイのマッチングが最高にカッコいい千聖、シックかつオシャレな衣装を身に纏い、フレキシブルなドラミングを展開するO-JIRO。強い存在感を発する3人が並び立ったステージに目をくぎ付けにされるし、仲良し3人組という雰囲気ではなくビシッ!とした緊張感が漂っているのも実にいい。PENICILLIN3名が生み出すケミストリーの魅力を、あらためて感じさせられた。

 

 

 

 

 

 ライブ中盤では翳りを帯びた「Perfect Flame」や爽やかな「still alive」、緊迫感を湛えた「透明人間パルサー」などをプレイ。初日と同じく1曲ごとに表情を変えながら散漫さを感じさせることなく、逆に世界を深めていく彼らのライブは見飽きることがない。“PENICILLIN=破天荒なバンドというイメージを持っているリスナーは多い気がするが、彼らの楽曲は非常に良質だし、演奏力も高い。元々持っていたヤンチャ感とベテランにふさわしい円熟味を併せ持った現在のPENICILLINは本当に魅力的で、今なお多くのリスナーから篤い支持を得ていることも頷ける。

 

 「Rosetta」で幕を開けたライブ後半では、刺々しさを放つ「Desire」や、切迫感に満ちた「快感フィクション」などが畳みかけるように演奏された。メンバー全員が織りなすフィジカルなパフォーマンスとパワフルなサウンドの連続にオーディエンスも熱いリアクションを見せる。ステージ、客席共にボルテージはどんどん高まっていき、ライブ後半の場内は熱狂的な盛り上がりとなった。

 

 その後は本編のラストソングとして、光を感じさせる躍動感を打ち出した「Fantasia」をプレイ。初日の「Blue Impulse」同様、激しくいき上げた後にこういった柔らかみのある楽曲を持ってくるのは心憎い。エモーショナルな余韻を残してステージからPENICILLINが去った後、間髪入れることなく客席からアンコールを求める声が湧き起こった。

 

 

 

 

「♪ Happy Birthday To You, Happy Birthday Dear 千聖!」とオーディエンスが繰り返し歌う声に応えて、アンコールはまずは千聖がステージに登場。「軽く余興を、やらせてください」という言葉に続けて、ギター・ソロを披露した。メタリックかつテクニカルなフレージングの応酬から抒情的な「TOP GUN ANTHEM」に移行する流れは絶妙で、ソロを終えた千聖に向けて客席から温かみに溢れた拍手と歓声が贈られた。

 

 その後は誕生日を祝うライブにふさわしく、バースデー・ケーキのロウソク消しや記念写真の撮影などが行われた。続けて、千聖がマイクを持って「誕生日というと、20才の誕生日だったな祝ってくれた本人は忘れているかもしれないけど、HAKUEIくんが当日突然家にやってきまして。HAKUEIくんと友達と、みんなでお祝いをしてくれたんだ。面白かったのが誕生日を迎えたお祝いをしてくれた友達が、みんな男だった。女性が一切いない(苦笑)。しかも、最後にSOFT BALLETの音楽を俺ん家で爆音でかけるんですよ。で、裸になった友達がそれに合わせて踊り続けるというのを見させられた(笑)」という思い出話を披露。くったくのない笑顔を浮かべるHAKUEIO-JIROの姿も印象的で、メンバーの素顔に接することができたこのシーンはファンの方にとって忘れられない情景になったに違いない。

 

 爽快感に溢れた「JUMP#1」とバラードの「Limelight」を聴かせたアンコールで配信は終了となったが、会場ではダブル・アンコールを実施。「自分達は、みんながいないと進んでいけない。これからも全力でロックンロールするので、着いてきてください」というHAKUEIの言葉と共に「天使よ目覚めて」が届けられた。爽やかかつエモーショナルなサウンドにオーディエンスは一体感に溢れたリアクションを見せ、終演後の場内は温かみのある空気に包まれていた。

 

 アニバーサリー・イヤーの疲れなどを一切感じさせることなく、2日間にわたって上質なライブを披露してみせたPENICILLIN。今回の2デイズは両日でセットリストが大きく異なり、初日はアグレッシブな印象だったのに対して、2日目はエモーショナルな雰囲気になっていた。どちらも非常に観応えがあり、2デイズという形態を活かしてPENICILLINの魅力を余すことなく伝える手腕が光る公演だったといえる。

 

 また今回のライブを観て、他アーティストと同じことをするのを嫌い、自分達の個性を押し出すことで生まれたPENICILLINの音楽は時代やジャンルを超える魅力を纏っていることを、あらためて実感できた。そんな彼らだけに、今後も目を離せない存在であり続けることは間違いなさそうだ。

 

 

 

 

 

文章:村上孝之

写真:折田琢矢

 

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<セットリスト>

 

ROCK ROCK 19Z!(行くぜ!)

恵比寿LIQUIDROOM

2023107日(土)

…………………………………………

1、Rosetta

2、SOL

3、CRASH

4、赤裸の境界

5、No Control

6、marionnette

7、one star

8、CROSS HEART

9、prison

10、still alive

11、Japanese Industrial Students

12、JULIET

13、快感フィクション

14、NEW FUTURE

15、Blue Impulse

 

En 1

1、Gt Solo TOPGUN ANTHEM

2、Imitation Love

3、Virginal

 

En

1、FBMHL

 


 

2023108日(日)

…………………………………………

1、Time Machine

2、幻想カタルシス

3、記憶の固執 ~融けゆく時間~

4、XXX

5、花

6、one star

7、prison

8、Perfect_Flame

9、still alive

10、透明人間バルサー

11、夜をぶっとばせ

12、Rosetta

13、Desire

14、快感フィクション

15、fantasia

 

En

1、Gt Solo TOPGUN ANTHEM

2、JUMP#1

3、Limelight

 

En

1、天使よ目覚めて

 

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★PENICILLIN
「永遠と花束を」
配信リリース!
https://orcd.co/peni202311

 

PENICILLIN
「永遠と花束を」
ビデオクリップ Full ver.

https://youtu.be/qvLoH1rSpvc?si=35PqltUyXfU7gdWz

 

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2023 WINTER TOUR「永遠と花束を」

THAKS

1123(/) 埼玉 西川口Hearts
FC[QUARTER DOLL]会員限定

1125() 神奈川 新横浜NEW SIDE BEACHI!!
1126() 千葉 PALOOZA
121() 愛知 名古屋ell.FITl ALL
122() 大阪 江坂MUSE 


 

 

 

 

HAKUEI Birthday LIVE SUPER HEART CORE’23
1216() 神奈川 横浜1000 CLUB

開場16:45/開演17:30

【絶賛発売中】
・イープラス  https://eplus.jp/penicillin2023/
・チケットぴあ  https://t.pia.jp/
・ローソンチケット  https://l-tike.com/

[]サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822

 

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2023年12月14日 (木)

【ライヴレポート】<H.U.G Karyu BirthDay Live -CORE->2023年12月9日(土)横浜みなとみらいブロンテ◆「“H.U.Gの核”であるKaryuを全力で祝いたい」。 H.U.Gらしいヘヴィなバンドサウンドを高鳴らす、祝福感のあるステージ。

REPORT - 19:00:04

 ギタリストのKaryuex.D’ESPAIRSRAYAngelo)、ボーカリストのryoHOLLOWGRAM)、マニピュレーターの横山和俊の3人からなるバンド、H.U.G。今年は6月に1stアルバム『HELIOS』、10月に1stシングル「CORE」を発表し、3月に行なった初ワンマンを皮切りに、計2本のツアーを開催。2022年の結成から、いよいよ本格的に活動をスタートさせた彼らが、今年最後の単独公演『Karyu BirthDay Live』を、129日(土)に横浜みなとみらいブロンテにて行なった。

 

 この日はサポートメンバーに、MASASHIBa.Versailles)と、TAKEODr.PIERROTAngelo)を加えた前ツアー『HELIOS』の布陣になっていたのだが、さらにこの日はゲストとして、アルバム『HELIOS』に参加していたΛrlequiΩ(アルルカン)の祥平(Ba.)が登場。「“H.U.Gの核であるKaryuを全力で祝いたい」というryoの宣言通り、H.U.Gらしいヘヴィなバンドサウンドを高鳴らす、祝福感のあるステージを繰り広げた。

 

 1曲目の「DON’T DOUBT」から凄まじい重音を轟かせていくメンバー達。高揚を煽るギターリフに合わせ、フロアにはヘッドバンギングが吹き荒れる。そこから「横浜、付いてこいよ!」とryoが叫び、「HUG」へ。力強く突き進んでいく5人の音に、拳を振り上げて応えたオーディエンスに向けて、「今日がみんなにとって特別な日になるように騒いでいきましょう!」と、本日の主役であるKaryuが告げると、大歓声が上がった。そこで生み出した熱狂を、続く「DROP」のアッパーな空気感がより濃密なものに引き上げていく。

 

 

 

 

 H.U.Gの楽曲は、ヘヴィ・サウンドが生み出す興奮と快感に満ちていて、かつ、耳にしっかりと残るキャッチーさがしっかりとあるところが特徴だ。艶やかな歌声でメロディを歌い、凶暴なシャウトを響かせるryoも、ときに笑みを浮かべてフロアを見渡しつつ、重量感のあるギターサウンドとダイナミックなパフォーマンスで魅了するKaryuも、鍵盤、ドラムパッド、サンプラーを駆使して様々な色を与えていく横山も、強烈な熱と説得力を持ってフロアに音を投げかけていく。

なかでも、凄まじい轟音が渦を巻いたのが「熾-OKI-」。リズム隊が生み出すずっしりとしたグルーヴの上で、横山がパッドを叩いてインダストリアルな音を放てば、ryoは讃美歌を思わせる美麗なハイトーンと獰猛なシャウトを巧みに切り分けて旋律を紡ぎ、Karyuも膝をついて豪快にギターをかき鳴らすという、ディープな世界へフロアを誘なった。

 

 

 

 

 また、この日は新曲「ロゼ」が初披露された。跳ね感の強いグルーヴや、感傷をなぞるように歌い上げるメロディも心地よく、メランコリックな空気がフロアに満ちていく。これまで彼らが発表してきたヘヴィな楽曲群とは少し毛色が異なるのだが、そんな「ロゼ」に続けて届けられた「LOVE THAT NEVER ENDS」との繋がりが、とても美しかった。

それは、新曲でいつもと違うことを唐突にやってみたのではなく、確実にH.U.Gというバンドに似合うものとして構築された楽曲であることを物語る証左だったと思う。それと同時にこの曲もまた、多くの人の耳と心を掴む可能性を強く感じさせるものでもあった。

 

 ゲストの祥平はアンコールで登場。この日のMCで明かしていたのだが、祥平とKaryuが初めて出会ったのは、共通の知人を交えたオンライン飲み会だったそう。そこから親交が始まり、アルバム『HELIOS』に参加することになったそうだ。登場するなり準備万端といった感じの祥平は、「BLOOD PIN」ではryoKaryuと絡みながら、どっしりと構えて太い音を放つと、TAKEOも気持ちよさそうにビートを刻む。

 

 

 

「ブチ上げて行くぞ!」というryoのアジテートから突入した「HELIOS」では、横山が高鳴らす煽情的なシンセリフに、オーディエンスは力強く飛び跳ねたり、タオルを宙に投げたり、ヘッドバンギングをしたりと、楽しそうに暴れ回っていた。

そして、美メロをたたえた「SEEDS」へ。ちなみに、祥平がアルバムで参加した楽曲は「DROP」だったのだが、この日はなぜか祥平がその曲をプレイしないという状況に笑い声が上がっていたのだが、いつかまた、彼が同曲を弾くところを観たいと願わずにはいられない、相性抜群のパフォーマンスだった。

 

そんな祥平と入れ替わる形で、MASASHIKaryuのバースデーケーキを持ってステージに姿を現すと、オーディエンスから祝福の声が上がり、瞬く間に本日のラストナンバーへ。

 

 

 

 

 

「最高潮の激しさを一緒に味合わせてください!」というryoの叫びから「HEART」を披露し、凄まじい興奮の中で祝祭を締め括った。

なお、このライヴの模様は、202418日(月)23:59までアーカイブ配信されている。

 

 

 H.U.Gはこの日のライヴのエンディングで、来年3月に全国5カ所を廻るツアー『H.U.G TOUR 2024-VERSE-』を開催することを発表。今回のサポートメンバーは、ドラムは引き続きTAKEOが担当、ベースは新たにNiyaNIGHTMARE)を迎えることがアナウンスされると、場内からは驚きと歓喜の声が上がっていた。

また、ツアーファイナルとなる330日(土)赤羽ReNY alpha公演は、公演日時点で19歳以下の来場者はドリンク代(600円)のみで入場可能となっているので、詳しくはH.U.GオフィシャルサイトならびにSNSをチェックしていただきたい。

アルバム『HELIOS』にも参加していたNiyaと共に、HUGのメンバー達はステージの上でどんな化学反応を起こすのか。期待が高まる。

 

 

 

 

 

文・山口哲生

写真・折田琢矢

 

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[SET LIST]

 

01. DON’T DOUBT

02. HUG

03. DROP

04. BLOOD PIN

05. Flash dancers

06. Marry of the blood

07. -OKI-

08. VENUS

09. ロゼ

10. LOVE THAT NEVER ENDS

11. BUTTERFLY

12. MEMBER CALL

13. WHO IS THE ROMEO

14. HEART

 

En

01. BLOOD PIN

02. HELIOS

03. SEEDS

04. DROP

05. HEART

 

 

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<H.U.G>

VocalryoHOLLOWGRAM/DALLE)

GuitarKaryuAngelo/Luv PARADE/ ex.D’ESPAIRSRAY)

ManipulateKeyboardpercussion:横山和俊(YokodieS)

サポートBassMASASHI (Versailles) 

サポートDrumsTAKEOPIERROT/Angelo)

ゲストBass:祥平(ΛrlequiΩ

 

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【最新情報】

 

<配信ライヴ>

最幸のバースデーライヴを何度でも!

H.U.G Karyu BirthDay Live -CORE-

配信チケット発売中!

https://hug.zaiko.io/item/361220
配信チケット料金:¥4,000(税込)
チケット販売:~202418日(月)17:59まで 最長
アーカイブ視聴期間(最長):アーカイブ作成後より202418日(月)23:59まで

 

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<ツアースケジュール>

 

H.U.G TOUR 2024 -VERSE-

…………………………………………

[サポートメンバー]

BassNiyaNIGHTMARE

DrumsTAKEOPIERROT/Angelo

…………………………………………

38() OSAKA MUSE

開場18:30/開演19:00

…………………………………………

39() 名古屋SPADE BOX

開場16:30/開演17:00

…………………………………………

317() 仙台ROCKATERIA

開場16:30/開演17:00

…………………………………………

323() 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE

開場16:30/開演17:00

…………………………………………

330() 赤羽ReNY alpha

開場16:15/開演17:00「★U-19

…………………………………………

スタンディング 7,000(税込/D)

3歳未満入場不可

…………………………………………

<<赤羽ReNY alpha公演限定>>

★春休み特別企画「U-19」★

・公演日時点で19歳以下のお客様はドリンク代(600)のみでご入場可能

・チケットの購入は不要

・入場時に生年月日記載の身分証の提示が必要 [運転免許証・マイナンバーカード・保険証・学生証は可。

定期券(Suica,PASMO)]

・有料チケットの後の入場となります

[総合問]サイレン・エンタープライズ03-3447-8822

 

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Karyu Official Fan ClubK’RONEVIP/ベーシック 会員先行予約受付中!

受付期間:129()22:001218()23:59

受付URLhttps://karyu-official.com/contents/697304

制限枚数:各公演1会員様1申込4

…………………………………………

【オフィシャル先行】

1次受付:1220()12:001225()23:59

2次受付:1229()12:0019()23:59

受付URL

https://eplus.jp/hug2024/

制限枚数:各公演お1人様1申込4

…………………………………………

=一般発売(先着)

127() 10:00

https://eplus.jp/hug2024/

 

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<イベントライヴ出演>

 

Eins:Vier Presents “KATHARSIS 2023”
1222日(金)赤羽ReNY alpha
出演:Eins:Vier、メリー、H.U.G
H.U.Gサポートメンバー:NAOKIBFANTASISTAex.Kagrra,)、TAKEODrPIERROTAngelo

 

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