2021年12月26日 (日)
【ライヴレポート】<メタナイト premium Christmas Live 2021>2021年12月24日(金)渋谷STAR LOUNGE◆爆誕、そして封印──。
REPORT - 11:00:28ついに爆誕!!
キリストの誕生日の前日となる12月24日、渋谷StarLoungeにて「メタナイト」が始動ワンマンを行った。
体調不良の予定により、10月にクリスマスライブのキャンセルを発表したHOWL。
代わりに公演を行ったのが“メタナイト”の4人だ。
Voは血迷–チマヨイ–、Gt.はT.T、Baはハーデス、Dr.はゆきX辛。
名前もどこかHOWLに似ている・・・?
厳かなSEが流れる中、メンバーが登場し、ライブが幕を開けた。
そこにはHOWL・・・ではなく、メタナイトが!
血迷「オマタセ・・・」の一言でライブは始まった。
会場からはまさかの笑い・・・。
1曲目はHOWLの「UNVENUS」。
会場に駆けつけた“はうるんるん”改め“メタルンルン”たちも、慣れた様子で会場を盛り上げる。
続けてHOWLでも人気の「迷宮ディスコニック」、「honey♡drunker」と続く。
会場は最初から一丸となって、盛り上がっている。
爆誕ライブとは思えない盛り上がりで、さすがメタナイト!!
「honey♡drunker」ではもちろんHOWLでお馴染みのメンバーコールも。
慣れない名前ではあるものの、慣れ親しんだ楽曲でのメンバーコールで、メタルンルンもメンバーの思いに応える。
「ごきげんよう、メタルンルン。」という一言からMCは始まった。
HOWLの真宵とは違った血迷の話し方に、会場にもどよめきが。
続けて血迷がお友達(=メンバー)を紹介。
各メンバー、いつもと異なる話し方で、キャラ作りもバッチリ!!
「続きする?ライブする?拍手が小さいな。お前たち、まだまだメタナイトしたいのか?」と会場を盛り上げ、カバーゾーンへと突入した。
まずはシドの「吉開学17歳(無職)」。「脳タリン」の懐かしいフレーズに胸躍る。
これまでのHOWLの明るくポップなイメージを一変させた。
続けてBORNの「RADICAL HYSTERIA」。会場にヘドバンの嵐が起こる。
どの曲も自身の曲ではないのに、まるで自分たちの楽曲かのような完成度である。
サビのコーラスはT.Tとハーデスも参加し、会場を盛り上げる。
HOWLでは聞けない血迷のシャウトも聞くことができた。
「渋谷~!メタルンルン、お前たちのマスターは誰だ?メタナイトのドラムは誰だ?メタナイトのベースは誰だ?メタナイトのギターは誰だ?メタナイトのボーカルは誰だ?いくぞ、渋谷。Please call your master。」という血迷の呼びかけからDIAURAの「MASTER」へと繋がる。
落ちサビでは血迷がしっとりと歌い上げ、楽曲の振り幅の広さに、ただただ驚かされる。
なぜか3年●組金八先生かのような口ぶりで、T.Tが物販の紹介。そこからハーデスの話に。
HOWLのゆうととピアスが一緒なことや、ベースを持っていないこと、出身地がスペインであることなど、ネタの宝庫な彼。
MC明けは「Freezy Pumpkin Knight」。HOWLのハロウィン楽曲で、メタナイトにもぴったりな楽曲だ。
HOWLでも頻繁にはライブでは聴けない楽曲なので、会場に駆けつけた“はうるんるん”は嬉しかったのではないだろうか。
続けてHOWLの「先天性君症候群」を披露。会場が一体になるフリのある楽曲が続き、会場の一体感は最高潮!
ライブ後半なのが惜しくなり、もっとメタナイトを見ていたくなる。
誕生からワンマンを行うメタナイト。いくらHOWLのピンチヒッターとはいえ、いきなりワンマンとは大物の予感しかしない。
「まだまだメタナイトしたいか?今日、元々ワンマンする予定だったHOWLさんがやる予定だった新曲を、俺たちが先にやっちゃいたいと思います!」とまさかの宣言!新曲の「ENIGMA」を初披露。
今までのHOWLのように明るく楽しい楽曲ではなく、メタナイトにやってもらうために作っていたのかと思えるほどに、アグレッシブでロックな楽曲が誕生した。
初めて聴くとは思えないメタルンルンの適応力が発揮され、今後、HOWLでこの楽曲が育っていくと思うと、楽しみで仕方ない。
メンバーが事前に告知をしていた「Wolf Lady」が続き、メタナイトのカッコイイ姿を渋谷に集まったメタルンルンに見せつけることとなった。
本編ラストとなるのは「生きてるだけで褒められたい。」。
「メタナイトも生きてるだけで褒められたい」そうだ。本編ラストで明るくポップな楽曲を持ってくるあたり、やはりHOWL・・・?
「渋谷!メリークリスマス、ありがとう、メタナイトでした。」と血迷がライブを締めくくった。
「お待たせ。アンコールしてくれたのかな?ありがとね。」とメンバーが登場。
「ここでメタナイトからお知らせ。3月の頭らへんにインストアやります。新宿らへん」とのこと。詳細は追って発表になるので、楽しみに待っていただきたい。
続いて「アンコールが終わったら、メタナイトは・・・封印されます。助かります。ありがとうございます。ただし、全員のフォロワーの合計が500になったら復活します。」と早くも封印が発表された。
「さっきやらせてもらったHOWLさんの「ENIGMA」が明日くらいにサブスクで配信になります。」との嬉しい発表が!
“メタナイト”ではなく、“HOWL”で検索をして欲しい。
喋りすぎたのアンコールが短くなってしまったそうなのだが、いつもMCが盛り上がるのはHOWLと同じではないか・・・?
HOWL楽曲である「極楽浄土」でアンコールを盛り上げる。和風な楽曲と、ゴシックな衣装のメタナイトのギャップがおもしろい。
ラストは「愛情絶対値」。これでメタナイトは封印となる。
「メタナイトの誕生の日に集まってくれた、あなたたち、メタルンルンたちに捧げる」との血迷のメッセージで始まった。
きっとメタナイトの、そして今日は登場しなかったがHOWLの、愛情は会場に集まったメタルンルンに伝わったことだろう。
「また会いましょう。メタナイトでした。」と血迷が言い放ち、幕を閉じた。
クリスマスイブという日に、クリスマスライブをやるバンドが多い中、「メリークリスマス」と数回、言ってはいたものの、全く関係のないライブを行ったメタナイト。
メタナイトは爆誕、そして封印となってしまったが、このロックなバンドをまた見れる日はやってくるのだろうか?
Photo by 千佳 @cka_photo
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<セットリスト>
SE
1.UNVENUS
2.迷宮ディスコニック
3.honey♡drunker
MC
4.吉開学17歳(無職)~シド cover~
5.RADICAL HYSTERIA~BORN cover~
6.MASTER~DIAURA cover~
MC
7.Freezy Pumpkin Knight
8.先天性君症候群
9.ENIGMA(新曲)
10.Wolf Lady
11.生きてるだけで褒められたい。
EN
1.極楽浄土
2.愛情絶対値
END SE
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OFFICIAL WEBSITE
公式 @HOWL_staff
Vo.真宵:@myi_howl
Gt.よっぴ:@yoppy_howl
Ba.ゆうと:@yuto_howl
Dr.yuki:@yuki_howl
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【ONE MAN LIVE】
<2022年>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
●新春初詣ワンマン「共鳴ル初メ。」
2022年1月12日(水)池袋EDGE
●ゆうとBDワンマン「ROCK!!HERO!!」
2022年2月12日(土) 新宿clubSCIENCE
●真宵BDワンマン「一蓮托生」
2022年2月15日(火)渋谷Starlounge
●よっぴBDワンマン「よぴバサウルスTOKYO2022」
2022年3月1日(火) ZircoTokyo
●最大キャパワンマン「メルヘンオーディション『 /150』」
2021年4月8日(金)渋谷club asia
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【RELEASE】
●配信限定「ENIGMA」
2021年12月25日(土)より各種配信サービスにて配信中。¥
●1st single「絶景FLAGS」
2021年11月24日(水) RELEASE
Music Video https://youtu.be/ml3DU9ep_Kg
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【EVENT】
●HOWLと初詣に行っちゃおー2022!!
日時:1月16日(日)
時間:(第一部)14:00~/(第二部)17:00~
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02edpkn1f3321.html
●HOWLオンライン推参りトークイベントat ZOOM
日時:2022/1/23(日) 19:00-25:00
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02nnp1pkb9321.html
2021年12月25日 (土)
【ライヴレポート】<PENICILLIN「Arise to Euphoria」>2021年11月23日(火・祝)新宿ReNY◆パンフレットCD第2弾「Euphoria」を軸にPENICILLINが描いたのは、轟音渦巻く黒い熱狂。
REPORT - 15:00:062021年度パンフレットCD第2弾作品として販売した「Euphoria」。そのEuphoriaの発売記念ライブ「Arise to Euphoria」が、11月23日(火 祝)に新宿ReNYで開催された。
O-JIROのドラムソロを合図に、舞台の幕がゆっくりと上がり始めた。
千聖のいななくようなギターの音が響き渡る。その音を身に感じながらHAKUEIが厳かに歌いだした。冒頭を飾ったのは、2021年度パンフレットCD第1弾「Utopia」へ収録していた「パライゾ」だ。
重々しい音と歌声が会場中へ響き渡る。雄叫びのような千聖のギターの音が刃と化し、身体へ突き刺さる。緊張感を抱いた、重厚な音が支配するライブだ。
でも、その姿や演奏、何より、惑う気持ちの答えを探すように歌うHAKUEIの声に、耳が強く引き寄せられていた。
O-JIROのドラムが力強くタイトなビートを刻むのに合わせ、千聖もKING-Vを豪快に掻き鳴らし、ザクザクとした音を突きつける。「Quarter Doll」だ。
闇を抱いた今宵の重厚な空気に、この曲は、さらに危険な刺激を与えてゆく。
加速する演奏に触発され、気持ちがどんどん高ぶりだす。後半へ進むに従い、メンバーらが身体中から熱を発してゆくのが伝わってくる。
攻撃的なPENICILLINが「Quarter Doll」を通してその刃をグッと剥きだした。
荒ぶる牙を剥きだした音に乗せ、HAKUEIが「Blood Type:S」を雄々しく歌いだす。
理性の螺子を次々と外してゆくメンバーらの演奏に導かれ、HAKUEIも理性というストッパーを緩めながら、沸き立つ気持ちのままに歌い叫んでいた。
いつしか気持ちが騒ぎだす。それまで会場中に渦巻いていた黒い熱が、いつの間にかギラギラとした真っ赤な熱に塗り替えられていた。
次のブロックで最初にぶつけたのが、「VOID」。地の底を這うような音から始まった楽曲は、サビで一気に走りだす。でも、「VOID」自体は終始重い衝撃を持ってせまっていた。
続く「飛翔遊戯」でも、PENICILLINは重苦しい演奏をぶつけてきた。そこへ潜むマグマのような熱源を感じるたびに、気持ちが熱い刺激を受ける。闇を彷徨う感覚を覚えながらも,ずっと身体や感情が熱に浮かされていたのも、それが理由だ。
これまでの空気を変えたのが、スカ&スラッシュナンバーの「ファイブ」だ。この楽曲も重厚な音をまとっている。
でも、O-JIROのビートがすさまじい勢いで走り続けるように、その演奏に触発されたメンバーたちや観客たちが感情のアクセルをグッと踏み込み、熱情した演奏に思いきり気持ちを預け、身体を揺らしていた。
HAKUEIの歌声も、今までにも増して情熱的だ。身体が騒ぎだす。もっともっと熱を身体へ放り込んでくれよと言いたくなるくらいに心が火照っていた。
MCでは、千聖がライブのタイトルへ記した「Arise to Euphoria」の意味を伝えていた。
O-JIROは、MC中に割れたシンバルを交換しに、一度舞台裏へ。そのシンバルを持ってきたのがO-JIROではなくHAKUEIだったところにも、このメンバーらしいお茶目さを感じた。
ここからは、最新作「Euphoria」のコーナーへ。最初に届けたのが、東京オリンピックの非公式応援ソングの「Tokyo glory」。
今の時代の風景を切り取り、歌にしてゆくことの多いHAKUEIらしく、夏のオリンピックを迎えようとしていた時期に、この楽曲をHAKUEIは手がけていた。
PENICILLINなりにオリンピックを盛り立てる曲として作ったこの歌は、攻撃的な姿勢を持ちながらも、気持ちを内側から熱く沸き立てるところが特徴的だ。そこもPENICILLINらしいスタイル。「Tokyo glory」に触発され、気持ちが騒ぎだす。
沸き立つ気持ちへ、眩しい輝きと、夏の太陽の日射しのような熱を降り注ぐように、PENICILLINは「Euphoria」収録曲の「still alive」を披露。メンバーらは高らかに歌い、演奏していた。
それまで会場を覆っていた闇を一気に吹き飛ばすように、「still alive」が、会場中の人たちの心へ光を降り注いでいった。
間奏で見せた千聖のギターも、眩しい音の光をキラキラと振りまくように鳴り響いていた。何より、この曲自体が、触れたみんなの気持ちを前へ前へと押し上げてゆくパワーを持ってる。
勢いづいた演奏へ、重く激しい衝動をぶつけるように、PENICILLINは荒ぶる音を吐き散らしながら「Too young to die!」を演奏。重いハンマーを叩きつけられたように、身体が大きく揺れ動く。
見ている人たちの感情の奥の奥を、PENICILLINは刺激的な演奏や歌声で揺らし続ける。
激しくも浪漫を覚えるのは、楽曲へ込めた生きざまに嬉しく刺激を受けていたからに違いない。
早くも、ライブは終盤戦へ。MCでは、「もう一つオリンピック非公式応援ソングがある」とHAKUEIが説明。
飛びだしたのが、感情を熱く掻きむしる轟音ヘヴィロックナンバーの「Justice」だ。
「Fate! fate!」とがなるHAKUEIの声が、「フレー!フレー!」と聞こえていたのは、耳の錯覚か?!煽る様などパンキッシュな要素も備えた楽曲のように、HAKUEIの煽り声へ千聖も煽り声を重ねながら、観客たちの身体を騒がせてゆく。
上がった気持ちを、もっともっと燃え滾らせようと、PENICILLINは「太陽」を演奏。
HAKUEIは「忘れないよ 忘れないよ」と熱情した気持ちを吐き散らすように歌っていた。
サビでは、フロア中の人たちが大きく両手で花を咲かせ、その手を揺らしていた。
終盤に突きつけた、快感へと繋がる熱狂への道。HAKUEIの歌声が熱情に駆られるたびに、フロア中で咲いた手も、大きく華やかに揺れていた。
興奮を止められず、声を張り上げ続けるHAKUEI。その姿を煽るように、PENICILLINは最後に「快感∞フィクション」を突きつけた。
パンキッシュで攻撃的な演奏が、もっともっと騒げと気持ちを掻き立てる。
HAKUEIも高陽したメロディーに熱情した歌声を乗せ、「キミハキレイサ キミハステキサ」と歌いながら、快感と興奮、高陽の世界へ見ている人たちを連れていった。
どんな表情で物語を描き始めようと、最後にしっかり熱情や熱狂という景色の中へ観客たちを導いてゆく。
だから、彼らのライブから離れられなくなる。もっともっと、この快楽が欲しくなる!!!
アンコールは、「Euphoria」に収録しているバラードの「想創シンドローム」から演奏。美しく、でも淡い光を感じさせながら、心を晴れた景色へ連れだす楽曲だ。
気持ちにジンと染み込むバラードも胸を揺さぶるが、「想創シンドローム」のような、心を輝く世界へ連れだす楽曲も欠かせない。
輝きを掻き集めるように音の手を広げた千聖のギターソロも、とても優しさに満ちていた。
何より、HAKUEIの歌声が,愛しい人へ思いを語りかけるように温かかった。この歌に触れている間中、ずっと包まれるような温もりを覚えていた。
暖かな温もりに抱かれて幕を閉じるのも悪くはないのはわかっている。でも、PENICILLINのライブは、気持ちを思いきり解き放ってこそ。
彼らは最後に「BVB」を叩きつけ、観客たちの身体中へ熱い衝動を注ぎ込んでいった。
千聖やO-JIROの「Burn Van Bang」の煽り声も、嬉しく気持ちを沸き立てる。
熱狂を描きながら、配信ライブはここで終了。
何時ものように会場へ足を運んだ人たちだけに届けるサプライズとして、2回目のアンコールがスタート。飛びだしたのが「99番目の夜」。
まさか最後の最後に、身体を思いきり揺らし、騒がずにいれないスリリングな熱狂高陽曲を持ってくるとは。それがあるから、PENICILLINのライブは現場で味わいたくなる。
フロア中でも、誰もが少年少女の頃に戻り、この曲に熱狂していた頃の自分の気持ちで華やかに手の花を咲かせていた。
千聖とO-JIROの荒ぶるセッション演奏でのエンディングも、今やお馴染みの景色になってきたようだ。
むしろ、その姿を見なければライブは終えられない!!!
PHOTO:折田琢矢
TEXT:長澤智典
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<セットリスト>
「Supernova」(SE)
「パライゾ」
「Quarter Doll」
「Blood Type:S」
<MC>
「VOID」
「飛翔遊戯」
「ファイブ」
<MC>
「Tokyo glory」
「still alive」
「Too young to die!」
<MC>
「Justice」
「太陽」
「快感∞フィクション」
-ENCORE 1-
「想創シンドローム」
「BVB」
-ENCORE 2-
「99番目の夜」
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★インフォメーション★
■PENICILLIN HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2022
『The beginning of 30th anniversary』
…………………………………………
2月12日(土) 新宿ReNY
開場17:30/開演18:00
全席指定10,000円(税込/D別)
…………………………………………
2月13日(日) 新宿ReNY
開場16:30/開演17:00
全席指定10,000円(税込/D別)
サポートBASS:Chiyu
https://amagasaki-rockstar.com/
詳細は、こちらへ。
https://www.penicillin.jp/schedule
SNS
https://twitter.com/PENICILLIN_info
2021年12月22日 (水)
【ライヴレポート】<Takadanobaba AREA Presents ”DEZERT Special Live in Takadanobaba AREA”>2021年12月19日(日)高田馬場AREA ◆「アンコールの曲をやり始めたら、このライヴもう終わっちゃう。まぁ、とにかく!AREAおつかれさま!」──千秋(Vo)
REPORT - 22:06:30なにかを失ってしまったときに、感じる寂しさの深さ。きっとそれは、そのなにかに対しての愛着の度合いと比例するのだろう。
「お久しぶりです。どうせもう、ほかのバンドが高田馬場AREAへの愛とか歴史とかはいろいろ語ってるんでしょ。
「凄く世話になってきました。家が無くなるような気持ちです!復活待ってます!!」とかさ。
正直、俺はあまり高田馬場AREAとは仲が良くないというわけではないけれども、とりあえず高田馬場AREAに育ててもらったことはない!単に、自分たちが育っていく過程で“そこにいた”っていう感じ。
感覚的には、クラスで仲は良くなくても告白されたらワンチャン気になる人っていたじゃん。
アドレス聞かれたら「えっ?別にいいけど」って教えちゃうみたいな。夜、お風呂で「なんて返そう?」って考えちゃうくらいの。
あ、アドレスっていうところに世代感出ちゃったな。でも、大体おまえらだってアドレス世代だろ!っていうことで(笑)。
俺にとってのAREAはわりとそんな存在です」
このたび、2021年末をもってテナントビルの老朽化を理由に閉店することが決まっている高田馬場AREAにて、DEZERTがなんと約4年ぶりに行った凱旋ワンマンライヴ[Takadanobaba AREA Presents ”DEZERT Special Live in Takadanobaba AREA”]において、フロントマン・千秋が最初のMCで語ったのは前述の言葉たちだった。
相変わらずのシニカルなトーンではあるものの、そもそもハコ側から呼ばれていそいそと出演していること自体が
先ほどのメールの話になぞらえれば“デートのお誘いに対して返信をし、待ち合わせ場所にも来てしまっている”ような状態なわけで、結局は千秋もあれこれと思い出のある高田馬場AREAに対しての餞(はなむけ)となるようなライヴをやっておきたい、という気持ちでいたものと思われる。
ちなみに、2000年代を生き抜いてきたヴィジュアル系バンドたちにとっての聖地にして殿堂である高田馬場AREAが営業最終月間を迎えているこの12月については、DEZERTのみならず数々のバンドが恩返し・お礼参り的な意味でのワンマンをそれぞれに行っているのだが、なんでも彼らの場合はなんとチケット応募が4000件以上も殺到したそうだ。おそるべし。
そして、それだけのプラチナチケットを手に入れることが出来たデザギャおよびデザギャ男(※いずれもDEZERTファンに対する愛称)たちに対して今宵のDEZERTが供してくれたのは、まさにライヴタイトル通りのスペシャルなメニューで、まず冒頭を飾ったのは2014年発売の現在入手不可なマキシシングル『僕の「誤解」と右折禁止のルール違反』に収録されていた「「誤解」」。
この段階から場内では俗に言われる“折りたたみ”ヘドバンの嵐が起こり、これぞ高田馬場AREAという光景がいきなり生まれることに。
途中には比較的近年の曲である「Call of Rescue」や、最新音源『RAINBOW』からの「カメレオン」がはさまれたりもしたが、基本的にはDEZERTがよく高田馬場AREAに出演していた頃によく演奏していたのであろう往年の楽曲が連打されていくことになり、かなり久しぶりでの演奏となった「胃潰瘍とルソーの錯覚」や、サビでデザギャおよびデザギャ男たちがそろいのフリをみせた「脳みそくん。」、シックなスカートスーツ姿で徐にテレキャスを肩にかけた千秋・珍しいデニムパンツ姿と持っていたテレキャスがやけにマッチしていたMiyako・ライヴが始まった早々からタンクトップ姿になり気合い充分な姿でのドラムプレイに興じるSORA・奇抜な衣装と謎の金ぴかアクセでドレスアップしたSacchanの4人がメンバー紹介をかねてのプチセッション展開したうえで聴かせてくれた「白痴」など、この場だからこそ聴けた曲たちがずいぶんと多かったことはもちろんファンにとっても、彼ら自身にとっても、またもしかしたら高田馬場AREAのホールスタッフたちにとっても、素敵な“Special Live感”を醸し出していたのではなかろうか。
とはいえ、ただただ今宵のDEZERTが過去を懐かしむことだけに注力していたのかというと、決してそうではない。
「まだ俺たちの人生は続くから。別に頑張らなくてもいいけど、生きようぜ!!」
という言葉を千秋が発してから歌った「「遺書。」」が、飛び降り自殺を企図しながら主人公が遺書を書いていくうちに、やがて〈さぁ 今を生きよう〉という言葉にたどりついていく過程を描いたものであるということ。
また、本編ラストを締めくくる曲として選ばれていた「TODAY」の歌い出し直前に「もうこの場所では会えませんが、今日をもっと深く生きよう!」という言葉を千秋が添えてみせたこと。
この2点からだけでも、DEZERTが今回のライヴに対してどのようなスタンスを持っていたのかは明白だった。
なお、アンコールでは各メンバーたちがそれぞれに高田馬場AREAにまつわるエピソードを語らう場面があり、ここでは10年前のDEZERT創成期の話、始動当初は高田馬場AREAに憧れるも敷居が高くてまともに相手にされなかった話、ようやく出演することが出来るようにはなったものの千秋がライヴ中に水をまいたりダイブをしようとしてスタッフに怒られた話、Miyakoが在籍していたMoranでの出演回数も含めると「ここは人生で最多出演しているライヴハウス」という話、その昔に高田馬場駅近くのしまむらで千秋がSacchanと衣装に使えそうなアイテムを一緒に探した話、SORAがその昔に所属していたSacrificeやXodiackでもこのステージに出たことがあるという話、高田馬場AREAでの恒例シリーズイベント[森羅万象]や[桜花乱舞][地中楼閣]の話などが30分以上にもわたって和気あいあいと語られ、その端々にも彼らが高田馬場AREAに対して持っている愛着心がダダ漏れしていたことは言うまでもない。
「ほんと、AREAとは仲良くなかったんだけどさ。でも、実際にはめちゃくちゃ世話になってんのよ。
主催イベントもむちゃくちゃやらせてもらったし。…どうしよう。なんか、やっぱり悲しくなってきちゃった(苦笑)。
アンコールの曲をやり始めたら、このライヴもう終わっちゃう。まぁ、とにかく!AREAおつかれさま!!!」
千秋が安定のツンデレぶりを発揮しだしたうえで、アンコールの1曲目として約30分ぶりに演奏され出したのは〈水曜日の朝だれもいない高田馬場 右腕を食べられた小学生も泣いてたんだ〉という歌詞が印象的に響いた「大塚ヘッドロック」。
そして、デザギャおよびデザギャ男たちによる、壮絶なるしゃがみ回転ヘドバンが炸裂した「包丁の正しい使い方~終息編~」などをまじえながら、最後の最後は殺伐とした「doze.」を派手にブチあげることにより、DEZERTは高田馬場AREAでの最後のワンマンを見事に完遂してみせたのである。
なにかを失ってしまったときに、感じる寂しさの深さ。それが愛着の度合いと比例することを、彼らがこの場であらためて知ることになったのだとしたら。DEZERTには高田馬場AREAでの経験と思い出たちを糧にしながら、これからも続いてゆく日々をより謳歌していってもらいたいものだ。
写真◎柴田恵理
文◎杉江由紀
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Takadanobaba AREA Presents ”DEZERT Special Live in Takadanobaba AREA”
2021年12月19日(日)高田馬場AREA
<SETLIST>
01 「誤解」
02 Call of Rescue
03 胃潰瘍とルソーの錯覚
04 カメレオン
05 脳みそくん。
06 「軽蔑」
07 浴室と矛盾とハンマー
08 白痴
09 「宗教」
10 「あー。」
11 「不透明人間」
12 遮光事実
13 「遺書。」
14 「ピクトグラムさん」
15 TODAY
En1 大塚ヘッドロック
En2 秘密
En3 包丁の正しい使い方~終息編~
En4 「切断」
En5 doze.
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≪DEZERTライヴ情報≫
■DANGER CRUE 40th Anniversary JACK IN THE BOX 2021 supported by MAVERICK DC GROUP
2021年12月27日(月) 東京・日本武道館 open14:00 / start15:00
【チケット料金】 全席指定:前売¥8,800 (税込) / 当日¥9,900 (税込)
【チケット一般販売中】
ローソンチケット https://l-tike.com/dangercrue40th
イープラス https://eplus.jp/jitb2021/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/jitb2021/
チケットボード https://ticket.tickebo.jp/jitb2021/
【問】 SOGO TOKYO 03-3405-9999
JACK IN THE BOX 2021オフィシャルサイト http://www.jack-itb.com/
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≪DEZERTリリース情報≫
■ALBUM『RAINBOW』発売中
【初回限定盤】 <レイ盤>(CD2枚+DVD)DCCL-238~240 ¥5,500(税込)
【通常盤】 <ンボウ盤> DCCL-241 ¥2,750(税込)
サブスク/ダウンロード https://dezert.lnk.to/KWTntAhQ
『Your Song』 Official Music Video https://youtu.be/3L-8OE7UU1I
『ミザリィレインボウ』 Official Video https://youtu.be/B6qOHpx9stA
『カメレオン』 Official Video https://youtu.be/jLVHx_P7-sM
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