2022年06月11日 (土)
【ライヴレポート】<MUCC 朱ゥノ吐+会員限定ライヴ[新世界完全再現]>2022年6月9日(木)川崎クラブチッタ◆「この『新世界』の新曲たちが我々にとってここからどんどん血となり肉となっていく過程を、皆さんにも一緒に感じていってもらいたいなと思ってます。」(逹瑯)
REPORT - 16:34:246月9日はロックの日でもあるのだろうが、MUCCと彼らを愛する夢烏(ムッカー)たちにとってのこの日は、25年前からムックの日と決まっている。
そう、遂に今年の6月9日でMUCCは結成25周年の大きな節目を迎えたのだ。
そして、その機に彼らは現体制での初アルバムであり通算16枚目のアルバムともなる『新世界』を発表したうえで、朱ゥノ吐+会員限定ライヴ[新世界完全再現]を川崎CLUB CITTA’にて開催し、まさに文字通りの新たなる世界をキャリア四半世紀ならではの威風堂々たる面持ちをもって、我々へと見せつけてくれることになったのだった。
なにしろ、この夜の公演については開演する前からMUCCの新世界秩序を告げるインフォメーションが会場ロビー内に大きく掲出されており、そこでは6月9日のみならず2日後にあたる11日から開始された[MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~]にも通ずるものとして、以下の文面が来場した人々に向けて伝えられることに。
《ライヴフロアではスマートフォン、携帯電話の緊急時以外の使用を禁止させていただきます。電源を切って新世界をお楽しみください》
《どうしても携帯を使わないといけない場合、モバイルエリアがございますのでそこで使用をお願いします。それがMUCC新世界法です》
《新世界は夢烏の皆様の心が、猛スピードで、急旋回、急上昇、急降下するアトラクションです。
MUCCの新世界を心身ともにご堪能ください。それではいってらっしゃいませ》
では、実際にこの夜の川崎CLUB CITTA’においては何がどのように起こっていったのか。
これを言葉で端的に表現するのはなかなか難しいところがあるものの、たとえるならば“IMAX3Dシネマにも似た没入感および迫力感を備えたライヴパフォーマンス”がそこに具現化されていた、ということになるのではないかと思う。
また、本公演に限っては[新世界完全再現]とうたわれていただけあり、演奏曲目が完全に新作『新世界』の内容に基づいていたのも特徴で、当然のごとく冒頭を飾ったのは表題曲にして序章的な役割も持つインストルメンタル「新世界」と、歌詞の中に〈狂いそうな新世界 綺麗だった?旧世界〉という象徴的なフレーズが織り込まれている「星に願いを」。
ちなみに、一般的に「星に願いを」と言えばディズニーのアニメ映画『ピノキオ』の主題歌がつとに有名なわけだが、MUCCの描く「星に願いを」はファンタジックどころか刺々しいほどにリアルかつシニカルな描写の歌詞と、
重苦しいほどのヘヴィサウンドが混濁したかたちで一体化した、厳然たるロックチューンとなる。
ただ、その厳然たるロックチューンは斬新な視覚演出を含めた“IMAX3Dシネマにも似た没入感および迫力感を備えたライヴパフォーマンス”をともなうことにより、MUCCの生み出す新世界へのゲートとしての意味合いをもこの場で持つことになっていたとも言えそうだ。
コロナ禍の勃発以降、ライヴは“配信でも楽しむことが可能なエンタテインメント”という認識が随分と広まったところはあるが、少なくともMUCCがここで体現してみせた“Feel the music or be part of one”な贅沢ステージングは、絶対に生のライヴでしか体験することが出来ない極上体験だと断言出来る。
前述したバンド側からのインフォメーションの中に、アトラクションという単語が見受けられたのはつまりそういうことだったらしい。
「MUCCです。『新世界』へようこそ。ということで、今日アルバムが出ました。ありがとうございます。
これから『新世界』を連れてツアーに出るわけですが、やっぱり何十回、何百回とリハをやるよりも、こうしてライヴ一本をやることの方が曲を急成長させるんじゃないでしょうか。
この『新世界』の新曲たちが我々にとってここからどんどん血となり肉となっていく過程を、皆さんにも一緒に感じていってもらいたいなと思ってます。
今夜のライヴはその最初の血の一滴になるわけなので、存分に楽しんでいってね。よろしくお願いします。じゃあ、行こうか!」(逹瑯)
こうした今宵最初のMCをはさんでの「HACK」では新曲ながらに夢烏たちが途中にはさまれるクラップ部分ですかさず加勢したり、オールドスクールなロックンロールをMUCCが現代的に再構築して聴かせてくれた「NEED」ではグルーヴにあわせて場内が揺れたりと、アルバム発売当日とは思えぬエモいバイブレーションが発生していったのもライヴならではの醍醐味だったところで、当然このあたりはツアーが始まって進行していくごとにより濃度を増していくことになるのは必須だろう。
また、懐かしき90年代UKロックの香りが漂う逹瑯作曲の「R&R Darling」や、
作曲者でもあるYUKKEがアップライトベースを駆使しながらアンニュイな空気感を醸し出してくれた「COLOR」、昨年からMUCCファミリーの一員となったサポートドラマー・Allenがミヤと共に作ったという「Paralysis」、ミヤが珍しくKillerギターを使ってみせた夢烏お待ちかねのコテコテなメタル色と泣きのメロが炸裂する「零」と、彼らの生演奏ならではの魅力がより表出しやすい楽曲たちについても、ここからライヴを重ねていくたびに熟成度合が高まっていくことは間違いない。
ちょうど世界情勢が激変した時期に作られていたことになるせいか、特に詞の面で考えさせられるところが多い「いきとし」では、これまたグラフィカルな視覚演出が加わることで強烈なメッセージ性が生まれていたこと。
それを受けての「WORLD」が、この場内に居合わせた人々の心を浄化するような美しく力強い歌として聴こえてきたこと。
そうしたことも全て含めて、今回の[新世界完全再現]は単にアルバム通りに曲を演奏をしていくライヴという域をゆうに超え、紛うことなきMUCCによる新世界の全貌を堪能することが出来るものであったと言えるだろう。
なお、当夜の公演では予定外の「蘭鋳」を含む計2曲がアンコールとして演奏されたほか、終演後には出口にてQRコードがプリントされたフライヤーが来場者全員に配布されたのだが、あらかじめスマホ使用を禁止しておきながらの“QRコード”とはこれいかに。
この計らいはMUCCからの心憎いファンサであると同時に、『新世界』をより『新世界』たらしめるものとして機能しているため、これから[MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~]に参加される方については、終演まで使用禁止となるがQRコードリーダー付デジタル端末のご持参を推奨しておきたい。
25周年での6月9日・ムックの日を経たMUCCが、今夏いっぱいをかけ各地で展開していく『新世界』は、あなたの訪れを必ずや歓迎してくれるはずだ。
文◎杉江 由紀
写真◎冨田 味我
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『新世界完全再現』(朱ゥノ吐+会員限定ライヴ)
2022年6月9日(木) CLUB CITTA’
SETLIST
1.新世界
2.星に願いを
3.懺把乱
4.GONER
5.パーフェクトサークル
6.HACK
7.NEED
8.未来
9.R&R Darling
10.COLOR
11.Paralysis
12.零
13.いきとし
14.WORLD
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≪NEW RELEASE≫
■NEW ALBUM「新世界」 発売中
<収録曲>
01.新世界
02.星に願いを
03.懺把乱
04.GONER
05.パーフェクトサークル
06.HACK
07.NEED
08.未来
09.R&R Darling
10.COLOR
11.Paralysis
12.零
13.いきとし
14.WORLD
【初回限定盤】 MSHN-161/162 4950円(税込)※CD+DVD
<初回限定盤収録> 「Documentary of 新世界」、「いきとし」Music Video
【通常盤】 MSHN-163 3520円(税込)※CD
<「星に願いを」MV> https://youtu.be/zjqGjlFXs_E
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≪TOUR≫
■『MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~』
2022年6月11日(土) 水戸VOICE
2022年6月12日(日) 水戸VOICE
2022年6月18日(土) 新潟LOTS
2022年6月19日(日) 金沢 EIGHT HALL
2022年6月25日(土) 神戸Harbor Studio
2022年6月26日(日) 大阪 BIG CAT
2022年7月2日(土) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2022年7月3日(日) 高松 festhalle
2022年7月10日(日) 仙台 GIGS
2022年7月16日(土) 札幌 cube garden
2022年7月17日(日) 札幌 cube garden
2022年7月23日(土) 浜松 Live House窓枠
2022年7月24日(日) 名古屋 DIAMOND HALL
2022年7月26日(火) 京都 KBSホール
2022年7月30日(土) 福岡 BEAT STATION
2022年7月31日(日) 福岡 BEAT STATION
2022年8月19日(金) Zepp Nagoya
2022年8月21日(日) Zepp Osaka Bayside
2022年8月28日(日) Zepp DiverCity TOKYO
【チケット一般発売中】※6-7月地方公演チケット https://mucc25th.55-69.com/live/
【朱ゥノ吐+SWAMP会員先行】 ※8月公演チケット 2022年6月1日(水)12:00~6月7日(火)21:00
【朱ゥノ吐+会員/虚無僧DU MODE会員先行】 ※8月公演チケット 2022年6月11日(土)12:00~6月17日(金)21:00
【一般発売日】 ※8月公演チケット 2022年7月16日(土)
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≪インストアイベント≫
■MUCC NEW ALBUM 「新世界」発売記念インストアイベント『生写真渡スンです会』
2022年6月14日(火) エンタバアキバ START 17:00 <参加メンバー> ミヤ
2022年6月15日(水) エンタバアキバ START 17:00 <参加メンバー> 逹瑯
2022年6月24日(金) タワーレコード 神戸店 START 18:00 <参加メンバー> YUKKE
2022年7月8日(金) タワーレコード 渋谷店 START 17:00 <参加メンバー> YUKKE
2022年7月9日(土) タワーレコード仙台パルコ店 START 16:00 <参加メンバー> 逹瑯
2022年7月18日(月/祝) HMV 札幌ステラプレイス店 START16:00 <参加メンバー> 逹瑯、ミヤ、YUKKE
2022年7月25日(月) タワーレコード京都店 START 18:00 <参加メンバー> ミヤ
2022年7月29日(金) HMV&BOOKS HAKATA START 18:00 <参加メンバー> YUKKE
2022年8月18日(木) fiveStars START 18:00 <参加メンバー> ミヤ
2022年8月20日(土) タワーレコード梅田NU茶屋町店 START 16:00 <参加メンバー> 逹瑯
2022年8月27日(土) タワーレコード新宿店 START 14:00 <参加メンバー> 逹瑯、ミヤ、YUKKE
【イベント概要】
NEWアルバム「新世界」の制作中、またはライヴツアー中に使い捨てカメラでメンバーを撮影した
レトロな生写真を参加メンバーが直接お渡しします。
▼インストアイベントの詳細はコチラ https://55-69.com/news/8189
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≪オンラインイベント≫
■MUCC NEW ALBUM 「新世界」発売記念オンラインイベント『ワンミニッツトーク!僕に願いを』
【イベント開催予定日時】 2022年6月22日(水)、7月12日(火)、7月21日(木)、8月14日(日)のいずれかを予定。
▼オンラインイベントの詳細はコチラ https://55-69.com/news/8213
≪「ROCK AND READ 101 発売記念パネル展」≫
【パネル展示期間】2022年6月8日(水)商品入荷時~2022年6月20日(月)
【対象店舗】 タワーレコード新宿店・タワーレコード名古屋パルコ店・タワーレコードあべのHoop店
詳細はコチラ https://tower.jp/store/news/2022/06/055005
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≪MUCC結成25周年特設サイト≫https://mucc25th.55-69.com/
<Official HP> http://www.55-69.com/
<Official Twitter> https://twitter.com/muccofficial
<Official Instagram> https://www.instagram.com/mucc_official/
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2022年06月10日 (金)
【ライヴレポート+新ヴィジュアル公開!】<HOWL yuki Birthday LIVE 「SnowPrince」>2022年6月2日(木)池袋EDGE◆2nd SINGLE「ボクは全肯定霊。」リリース&<HOWL SUMMER 2022>開催決定!
REPORT - 18:11:412月はベースのゆうととボーカルの真宵、3月はギターのよっぴのバースデーを迎えていたHOWL。
6月2日に4人目となる、ドラム・yukiのバースデーを迎えた。
今年は全員、誕生日当日にバースデー公演を行っているHOWLだが、もちろんyukiも当日に「SnowPrince」と銘打ったライブを池袋EDGEにて開催した。その様子をお伝えしたい。
定刻と同時にyukiのバースデー公演が幕を開けた。
タイトルの「SnowPrince」にあった壮大なSEが流れる中、メンバーが登場した。会場からは拍手が起こる。
そこには真っ白な、まるで王子様のようなメンバーが!
「ウリはメンバー全員が間違いなくイケメンなことですね」と断言してしまうHOWL・・・!!
SEが止まると、いきなりトークをはじめるyukiに会場からは笑いが起きたが、「この瞬間、ここを選んでくれたみんなに幸せな空間を送ります。」との意気込みが。今日のこの場所は、きっと素敵な空間になることだろうと思わせてくれる。
そしてそのコメントを受け、今年の2月に行われたゆうとバースデー公演から演奏されているバースデーソング「1/365 day」が届けられた。
続く「最高なライブを始める準備はできてるか!」と真宵の煽りで「ふぁぼって人生。」が始まった。これまでの“IDOLバージョン”ではメンバーが全員、前面に出てくるスタイルが多かったので、バンドバージョンは久し振りである。
「生きてるだけで褒められたい。」とHOWLの元気いっぱいさが伝わる楽曲が続き、会場も最初からテンションが上がりっぱなしなのが伝わってくる。
キラキラリングやキンブレがキラキラ光る光景は、全力でyukiの誕生日を祝っているようである。
「honey♡drunker」へと続き、サビではタオルがクルクルと回される。曲中にはお決まりのメンバーコールが繰り広げられる。
通常とは違ったゆうと→よっぴ→真宵、そして主役のyukiの順番でコールが繰り広げられ、バースデーボーイ・yukiをみんなでお祝いする。
「最高なライブにしましょう、よろしく!!」と真宵が叫び、MCコーナーへと突入。ライブ中に起きたゆうとのハプニングについて触れ、会場はのっけから笑いに包まれる。衣装の白スーツに関しても触れ、ネタには尽きない。
MC明けは「メルティナイト」。会場をジャジーな空気で包み込み、MCで爆笑を巻き起こしていたバンドと同じだとは思えないような空間を創り出す。
大人びた雰囲気のまま、「Starry Go Round」へ。会場の手拍子が暖かい曲の始まりである「Mr.Moonlight」。
「迷宮ディスコニック」が立て続けに披露され、“はうるんるん”もジャンプに手拍子にと曲に合わせて、体を動かす。メンバーの思いに応えているようである。
MCでは楽曲について語られ、直前に披露されたブロックでの楽曲たちが久しぶりだったことを話す。そして昨日は新作「ボクは全肯定霊。」の撮影だったという秘話が。そのため、yukiが誕生日を迎えた瞬間はメンバー全員が揃って一緒に迎えたようだ。
「yukiくんをまだまだお祝いできますか!」の掛け声で「An inch ahead」が披露される。メンバーの熱量に拳で応える“はうるんるん”。先ほど生まれた溝は、楽曲を通すことで、一瞬で解消される。HOWLの楽曲が持つパワーがいかに凄いかを物語っているようだ。
「一寸先の闇も 照らしてくれる魔法だよ 君が差し伸べた手のひらは」がまさにHOWLと“はうるんるん”との関係を物語っているようである。間髪入れず「ENIGMA」へ。まもなく終わるライブ本編を惜しむようにメンバーを含めた会場が一体となり、盛り上がっていく。
途中、真宵が「おい!」とがなる貴重な場面も。「ラスト!!かかってこい!」と本編最後の「PRAYER」が披露された。
アンコールはで、まずyukiが登場!誕生日恒例のドラムソロを披露。光るバスドラを使って「丸の内サディステック」に合わせた演奏から、アグレッシブな楽曲に合わせた演奏まで、yukiのオンステージを繰り広げた。
光るバスドラは、1年間温めた企画だったようだ。メンバーを呼び込むと・・・なんとケーキを持ったメンバーが登場!!yukiの誕生日をみんなでお祝いした。
ここでもゆうとの天然さが遺憾無く発揮され、のほほんとしたBGMに合わせて、ゆるい空気を放っていた。演奏しそうでやらない2nd SINGLEの楽曲の宣伝をしつつ、次の楽曲へと続く・・・はずが、ゆうとが煽り始めた関係で、なかなか始まらない。
ゆうとの一癖ある煽りで始まった「先天性君症候群」。会場が“はうるんるん”のジャンプで揺れていた。ゆうとがyukiのそばに遊びに行ったり、アットホームな空気が流れている。
「UNVENUS」へと続き、会場にいるみんなのテンションがガンガン上がっていく。メンバーの出立ちは王子様だが、その綺麗な見た目とは裏腹に、会場を男らしく煽っていく。
さらに続けて「メロドラマ」を披露。いよいよアンコールも終わりに近づいているのが感じられる。まさに「「あと少し」は知らないままで 無邪気に笑っておくれ」という歌詞がぴったりである。
「白馬の王子も カボチャの馬車も 辿り着けないところさ その身を預けたら」という歌詞のように、王子様のようなHOWLについていったら、素敵な空間が見えるに違いない。会場は、MCの時とは違った笑顔でいっぱいである。
「ラスト行けるか!」と真宵が呼びかけて、始まった「#prologue」。
「一人じゃないそばに君を感じる この場所を誰にも奪わせないよ」とHOWLの気持ちが痛いくらいに詰まったこの曲。こんな時代だからこそ、一緒に過ごせる素敵な空間がかけがえのないものだと感じることができる。ラストにこの楽曲を持ってくるyukiの今年の決意のようにも受け取れた。
「何か新しいことを始める」とyukiが抱負を語り、さらにHOWLの好きなところを語り、メンバーは退散となった。
全ての演奏が終わった後、スクリーンが降りてきた!そこには2nd SINGLEの「ボクは全肯定霊。」のジャケット写真とアーティスト写真、そしてHOWL SUMMER 2022の開催が発表された。
HEISTでの無料公演を皮切りに、ファンミーティングも予定されているようである。アーティスト写真は発表される毎に、会場が沸いていた。
この夏も走り続けるHOWL!彼らから、この夏も目が離せない!!
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<セットリスト>
SE
MC(yuki only)
1.1/365day
2.ふぁぼって人生。
3.生きてるだけで褒められたい。
4.honey♡drunker
MC
5.メルティナイト
6.Starry Go Round
7.Mr.Moonlight
8.迷宮ディスコニック
MC
9.An inch ahead
10.ENIGMA
11.PRAYER
アンコール
ドラムソロ
MC
12.先天性君症候群
13.UNVENUS
14.メロドラマ
15.#prologue
Live photo by 千佳 @cka_photo
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OFFICIAL WEBSITE
公式 @HOWL_staff
Vo.真宵:@myi_howl
Gt.よっぴ:@yoppy_howl
Ba.ゆうと:@yuto_howl
Dr.yuki:@yuki_howl
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<ONE MAN LIVE>
■HOWL SUMMER 2022
7月8日(金)新宿HEIST
8月31日(水)新宿HEIST
詳細は追って発表となります。
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■HOWL ONE MAN LIVE TOUR 2022「僕らだけの約束」
8月6日(土)新宿HEIST
8月8日(月)福岡graf
8月9日(火)広島Yise
8月10日(水)大阪・心斎橋VARON
8月12日(金)名古屋・今池3STAR
8月15日(月)池袋EDGE
https://howl-official.com/contents/50297
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<RELEASE>
★2nd single「ボクは全肯定霊。」
2022年6月21日(火)RELEASE
インストアイベント(予約会)開催中!!
https://howl-official.com/contents/50206
2022年06月07日 (火)
【ライヴレポート】<MIRAGE CD発売記念&25TH ANNIVERSARY LIVE 「Carve of BIOGRAPH」>2022年5月29日(日)目黒鹿鳴館◆遂に迎えたKISAKI率いる第三期MIRAGE──。 25周年を迎え、22年ぶりの復活。ここから新たな伝説が始まる。
REPORT - 19:02:39遂に迎えたKISAKI率いる第三期MIRAGE――。 25周年を迎え、22年ぶりの復活。ここから新たな伝説が始まる。
1997年に結成され、わずか3年という活動期間にも関わらず‘‘伝説のバンド‘‘として名を残したMIRAGE。2022年、結成25周年を迎える彼らは1月に第三期MIRAGEとして活動再開を発表し、待ち望まれたステージが「Carve of BIOGRAPH」と銘打って5月に大阪と東京で行われた。
東京公演は目黒鹿鳴館。鹿鳴館と言えば、コロナ禍でのライブハウス存続支援としてKISAKIが制作した『鹿鳴館伝説』が記憶に新しい。今、まさに伝説のバンドがまたロックの聖地、鹿鳴館のステージに降り立つ。
90年代から現在のヴィジュアル系シーンを牽引しているKISAKIが、自身のキャリアの中でも重要なバンドと語るMIRAGE。今回22年の時を経て新メンバーにGt.舜(覇叉羅~JILS)、Dr.YOMI ([zo:diaek])を迎えた第三期始動だ。 『GRAVE~古エノ眠リ~』から始まるステージは流石の貫録と神々しさに満ちていた。
シルエットが映る幕がゆっくりと引かれると、そこには真っすぐに見つめるメンバーの姿があった。
――ここからまたMIRAGEが始まる。
復活に先立って発売された1st FULL ALBUM「BIOGRAPH」にも収録されている 『…Air』が始まると空気が一瞬にして変わった。
真っすぐと前を見つめながらAKIRAは歌い、Dr.YOMIが力強く叩き、Gt.YAYOI、舜、Ba.KISAKIは 互いに見つめあいながら奏でていく。
MIRAGEが帰ってきた――。 そうはっきりと感じる瞬間だった。結成から25周年、各々に一言では言い難い歴史がある。それは この日集まったファンも同じだ。それぞれの時間を過ごし、共に迎えたこの一瞬。 待ちわびたこの瞬間を噛みしめるように一音一音奏でるYAYOIからは「待ってたよな?」と投げかけるような笑みがこぼれていた。今回加入となった舜からは、MIRAGEとして立てる喜びと心地よい緊張感が伝わる。 会場のこれまでの期待は高揚感となり、押さえきれぬ感情を開放していくように続々と上がる拳でフロアーは埋め尽くされていった。
さぁ、想いを確かめ合ったら後は突き進むだけだ。
『Wind Whisper』、『ESCAPE』、『流星』と次々と繰り出されるセットリストに興奮で息が止まりそうになる。舜とYAYOIの合わさる音色が真っすぐに会場を突き抜けていくと、フロアーからは次々と拳が沸いていく。
AKIRA「久々に鹿鳴館に帰ってきました。」 一時は解散の道を進んだMIRAGEが鹿鳴館でこう言ってくれるのをいったいどれほどの人が待っていただろうか。
そして美しいストリングスに引き込まれる『BURIAL』。 メロディアスな楽曲もMIRAGEの魅力の一つである。
「――君が見たこの世界の夢を いつの日か抱きしめて命をまた灯すよ――」 MIRAGEには様々にメンバーチェンジや死去があった。その歴史も全て、今のMIRAGEに繋がる大切な出来事である。
続く『Wheel of Fortune』ではDr.YOMIの叩き上げる振動が、また始まっていく物語をさらに漕ぎ進 めるように響き渡る。過去を振り返るだけでなく、第三期として新たに築き上げる決意を感じさせた。
新曲も交えながら披露されていく楽曲たちに会場内はグッと惹き込まれていた。 今、自分たちは凄いものを見ている――。そう確信させるステージが目の前にあった。 その興奮をさらに滾らせたのが『I.D』。 会場は一気に荒々しく、ヘドバンで埋め尽くされる。「そんなもんか?」と言わんばかりに煽る AKIRAを筆頭に、メンバーもそれぞれ前に乗り出していった。KISAKIの奏でるベースは図太く狂気じみた気迫を感じさせる。彼のようにバンドの中で、いや、ライブ全体の中でこんなにも存在感を感じさせるベーシストは希少な存在であろう。久しくステージに立っていなかったKISAKIの音が、 一気に放出されると共に感情も大きく投げ出され、会場全体が1つのエネルギーとして揺れ動く ――あとは狂い倒すだけだ。
ここでなんと大阪、東京と2公演共サポートしてきたLeetspeak monstersが乱入し、会場はステージもろとも一気にカオスな状態へ。 気が付けばKISAKIのベースはAKIRAの手元へ移り、KISAKI自身マイクを握っては直接畳みかけ(鹿鳴館でこの光景が見れるとは・・・まさにKISAKIがバンドを始めるきっかけになったというX JAPAN・YOSHIKIの煽りを彷彿させる)、乱入したmonster達は互いに腕を取り合い激しいヘドバンを繰り広げている。 フロアーは一心不乱に髪を振り乱す者、拳を振り上げる者でひしめきあっていた。もう誰にも止められない。・・・いや、止めたくないのか?何度も何度も、マイクや楽器を互いに奪うかのように繰り返される煽りに、観客たちはまだまだ!と言わんばかりに応戦する。 これこそまさに「ライヴ」であると感じずにはいられない。
ラストに捧げられたのはバンドの代名詞でもある『百花繚乱』。『I.D』でとっくに振り切ってし まった会場は『百花繚乱』でさらに燃料を注がれたように乱れていく。 危険な中毒性を帯びた曲に揺れる身体が心地よい…。咲き乱れ、恍惚の表情で身をゆだねるフロアーがなんとも印象的であった。
「まさか、MIRAGEで目黒鹿鳴館に戻ってくるとは思ってもいませんでした。」 KISAKIは、先ほどまでの白熱したステージで完全燃焼し今にも倒れてしまうのではないかという姿になりながらも感慨深く話す。 鹿鳴館店長PEPE氏をステージに招き、また戻ってくることを約束。ヴィジュアル系を、鹿鳴館を愛する彼らしい演出であった。 最後の最後まで手を差し伸べるファンたちを彼は目に焼き付けるように見渡し、名残惜しそうに去ってステージは終幕した。
夏にはすでにリリースと東名阪のツアーが発表されている。 当時のファンたち、そしてヴィジュアル系を愛してやまない者たち。 見届けた者たちには今回のステージどのように映っただろうか。 私たちの知っている伝説は、今も尚歩みを止めず時を刻んでいた。 マイペースに活動するとKISAKIは言っていたが、この日はきっと第三期MIRAGEの序章に過ぎないのであろう。
文◎茉奈佳
写真◎zoi