2022年09月01日 (木)
【ライヴレポート】<Houts 東阪ワンマン『来光と落日』>2022年8月23日(火)巣鴨獅子王◆新メンバー・Ba.一季を加え新生Houtsに──それでもHoutsはHoutsのまま、もっと高い場所へ。
REPORT - 22:00:562022年8月23日巣鴨獅子王にてHouts東阪ワンマン『来光と落日』が開催された。
8月2日に行われた『来光と落日』大阪編後にシルエットのみが映ったアーティスト写真が公開され、今まではHoutsは4名だったが、公開された写真にはシルエットが5つ映っており、新メンバーを期待したファンも少なからずいたことだろう。
会場BGMが落とされ、HoutsのSEが鳴り始めた。
なんといきなり新しいSEに変わっており、オーディエンスたちも驚きが隠せない中、新衣装で登場してきたメンバー達の中には新メンバーも現れた。
新生Houtsで奏でる1曲目は『RED』。
新しいことばかりで戸惑い気味のオーディエンスもいる中、Vo.@-atto-の「新しいHoutsが始まるんだ、臆せずかかってこい」との一言で早速会場の空気が変わり激しさを増していた。
▲Vocal.@-atto-
2曲目の『Nofate』はHoutsの楽曲の中でも1位2位を争う程激しい楽曲ということもあり、ヘドバンの嵐が吹き荒れ、序盤にも関わらず会場のボルテージが一気に上がっていた。
『Cattleya of sadness』、4曲目の『L.blind』でも激しいヘドバンや折りたたみなどで息切れしているファンも見られるくらい、この日のHoutsの意気込みが感じられるワンマンとなっていた。
5曲目にはワンマンでも演奏することが少ない『fiction』が披露され、先程までの激しい空気ではなく静かにHoutsの演奏に引き込まれていった。
続く『スターチス』でも@-atto-の心に突き刺さる唄声も相まって、この曲の切なさが痛い程伝わってきた。
『Monster』が鳴り始めると再び会場の熱が上がり始め、『アノキシア』でメンバーもオーディエンスも1つとなり会場の熱量は最高潮に近い状況になっていた。
『メーデー』、『ヒロイン』でも上がり切った熱量のまま会場が揺れるほどの盛り上がりをみせ、見ているこちらも自然と体が動いてしまっていた。
「今日共に生きてくれたお前たち一人一人にこの曲を捧げよう、ラスト…ALIVE」と@-atto-の一言で会場が更に一つになっていった。
@-atto-の感情的な言葉一つ一つが心に響き、それを音で表現する零のギターソロ、Gt.樹奴が歌うボーカルパート、Dr.柚葉の激しいドラムプレイ、そして加入初日とは思わないほどバンドサウンドに溶け込んだベースを奏でる新メンバー。
共に生き、これからさらに上を目指し歩いて行くというこの先を魅せてくれる、MCもないノンストップの怒涛の本編となった。
▲Guitar.零
▲Guitar.樹奴
▲Drums.柚葉
アンコールの手拍子が鳴り響き、アンコールで出てきたメンバー達。
ここでやっとこの日初めてのMCとなり、新メンバーBa.一季が紹介され、その後いつものHoutsらしい微笑ましいアットホームなMCが繰り広げられる中、「新生Houtsになったとはいえ、HoutsはHoutsのまま、もっと高い場所デカいステージへ貴女達を一人一人を連れて行きますので、しっかりついてきてください」と決意を伝えアンコール1曲目『Reckless』が始まった。
▲Bass.一季
新生Houtsを目の当たりにしたオーディエンスたちも笑顔で将来を楽しみにしているように見えた。
『Enter』もなかなか聞けない楽曲ということもあり静かにそして心地よく聴き入ってしまった。
この日最後に演奏されたのは『self…』。
Houtsにとって大切な楽曲の一つでもあるこの曲にこれからのHoutsの未知なる可能性を感じた。
新メンバーも加入し、フルアルバムの発売、無料ワンマンツアーも発表された新生Houtsから目が離せない。
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<セットリスト>
2022.8.23 Houts 東阪ワンマン 『来光と落日』
1. RED
2. No fate
3. Cattleya of sadness
4. L.blind
5. fiction
6. スターチス
7. Monster
8. アノキシア
9. メーデー
10. ヒロイン
11. Alive
En.1 Reckless
En.2 Enter
En.3 self…
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<リリース>
★2022年10月5日
1st FULL ALBUM RELEASE
『SHout』
…………………………………………
TYPE-A \3,500(税別)
[CD]Aタイプ
1.未解 2.アノキシア 3.L.blind 4.クロユリ 5.Cattleya of sadness 6.fiction 7.憧憬 8.スターチス 9.RED 10.self…
[DVD]
1.クロユリ(MUSIC VIDEO)
…………………………………………
TYPE-B \3,000(税別)
[CD]
1.未解 2.アノキシア 3.L.blind 4.クロユリ 5.Cattleya of sadness 6.fiction 7.憧憬 8.スターチス 9.RED 10.self… 11.シオン
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<ライヴ>
■『SHout』リリース記念2部制ワンマン
10月4日(火)心斎橋JUZA
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【1部】OPEN16:00 START16:15
【2部】OPEN18:15 START18:30
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通し券のみ販売5,000円(各部ドリンク代別)
当日入場無料(ドリンク代別)
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[チケット]8/27(土)12時~発売
LivePocket
https://t.livepocket.jp/e/houts1005
[出演]
Houts
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■無料ワンマンツアー
『beginning shout』
11月9日 福岡graf
11月14日 名古屋ell.SIZE
11月15日 巣鴨獅子王
11月23日 神戸KINGSX
11月28日 心斎橋FANJ
12月13日 巣鴨獅子王
12月16日 HOLIDAY NEXT
12月18日 心斎橋soma
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Houts official HP
https://kalmian-joker.jp/houts/
2022年08月31日 (水)
【ライヴレポート】<XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」>2022年8月27日(土)新宿BLAZE◆まだまだつかみたいものがあるから、前に進み続ける──次に追い求める理想郷、2023年8月31日の恵比寿LIQUIDROOM公演へ。
REPORT - 09:39:245月より始まった全国ワンマンツアー<XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK>も、8月27日(土)の新宿BLAZE公演でついにファイナルを迎えた。チケットはSOLD OUTを記録。彼らが積み重ねてきた経験は、しっかりと花咲く結果を導いた。開演前からフロア中に立ち込めていた期待に胸が踊る熱気。この空気が堪らない。
闇に包まれた会場へ流れだすSE。舞台前の幕が開くのに合わせ、メンバーたちが奏でたのが『独善』だ。彼らは冒頭からフロア中のΛ(観客)たちへ轟音の洗礼を浴びせだす。“最初から理性など投げ捨て、拳を高く振り上げ、心を野生に暴れろ!”と、いつものように熱い誘いをかけてきた。この日はVISIAL EFFECTで「NAIFF」が入っていることもあり、メンバーらの荒ぶる感情とシンクロするように、感情の色を具現化したレーザーや照明が作り込まれていた。メンバーらが心の牙を剥きだしに挑みかかる姿に合わせ、フロア中へ無数のレーザーの光が飛び交う。この日は、聴覚・視覚・感覚面で一層研ぎ澄まされた世界を味わえそうだ。
「約束を果たしに来た。さぁ、お前の夢の形を見せてくれ!」身体を大きく揺さぶり、派手なアクションを見せながらギターを掻き鳴らすYuhmaの姿が印象的だ。続く『デスパレート』でも、フロア中のΛたちが高く掲げた拳を下ろすことなく、心の中でメンバーらと一緒に声を張り上げていた。胸の奥底から、熱い衝動が何度も沸き起こる。この感情をぶちまけたい。メンバーらの叫び声に合わせ、共に心を解き放ちたい。
轟音を振りまくのがXANVALAのスタンダードなスタイルなら、それをさらに黒く重い衝撃音として具現化したのが『Bamby』や『ratchet』だ。轟音の洗礼を浴びせ、フロア中のΛたちをヘドバンの権化へ変えていく。激熱でキャッチーな『Bamby』のサビ歌に合わせ、拳を振り上げ、その場で大きく飛び跳ねるΛたちの姿も印象的だ。『ratchet』のリフやリズムに合わせ、身体を小刻みに揺らし演奏するメンバーらの姿も勇ましい。終始ヘドバンや折り畳みをしながらカオスな音に酔いしれる。この感覚が欲しくて。XANVALAのライブにこの身を捧げたくて、彼らの元へと集う人たちがこうやって増えてきた。最高じゃない、君たちの導きだした、その答えが!
「この場所へ帰ってくる強い意志があったから、ここまで走り続けてきました。俺たちらしい素敵な空間を作れたらなと思います。強くなったすべてを、君にぶつけにきました。行く先々で君たちが俺たちを支えてくれた。今日はその恩返し!最高に楽しくて笑える日にしようか!」(巽)
「笑ってくれるかい!?」巽のがなるような声へ導かれるように、演奏もノイズ交じりの轟音を響かせだす。巽は沸き立つ気持ちを声に乗せて突き刺すように『joke』を歌っていた。抑揚する巽の歌声に、重厚な音で寄り添う演奏陣。その音に刺激を受け、フロアのあちこちでΛたちが頭を振り乱し、高く掲げた手を大きく揺らしていた。
「さぁ、落ちていこう。」巽の歌を合図に始まった『左耳の悪魔』を通し、XANVALAは観客たちを闇へ落すのではなく、さらに高陽した気持ちを与え、バネの壊れた人形たちのようにΛたちの身体を跳ねさせていた。間奏で見せた、ギターソロを奏でる宗馬に絡む70.の姿。さぁ、もっともっと熱狂に包まれアガっていこうか!XANVALAは『モナ・リザ』を通しΛたちへ殴り倒すような轟音をぶつけ、意識を遠ざけ、ただただ恍惚に酔わせていった。
エレクトロでダンサブルな同期音を背景に、70.と知哉のリズム隊が強烈なダンスロックを描きだす。その演奏に刺激を受けその場で手拍子をするΛたち。荒ぶるギターの音が印象深いフレーズを突き刺すのに合わせ『ヒトリ舞台』が始まる。感情の鎖を解き放ったΛたちは、音が途切れるまでずっと跳ね続けていた。
XANVALAは、このブロックで『ヒトリ舞台』『ジャノメ』と、メロディアスな激熱感情高陽歌を立て続けに繰り出した。ライブという場を通し、触れた人たちをXANVALAの虜にしてきた曲たちの持つインパクトと破壊力は,本当に凄まじい。『ジャノメ』では吹き上がるCO2によって舞台上で白い噴煙に包まれる景色も登場。舞台上の巽は、Λたちを熱狂へ導くコンダクターだ。フロア中のΛたらが、巽の歌声へ導かれるままに感情を振り乱し騒ぎ続けていた。
踏み切りの音が流れだす場内。知哉のドラムの音を合図に、これまで以上に破壊的な音を響かせ、『ケ・セラ・セラ』が飛びだした。凄まじく速く重厚な演奏なのに、巽の歌声がとても耳心地好い。カオスと高揚など、いろんな要素が1曲の中で交錯しあう楽曲だ。常識を逸脱したところで生み出される狂気や破壊的な衝動が、今のXANVALAの個性を形作る一つの要因になっている。その様を、『ケ・セラ・セラ』が示してくれた。
同じ激しさでもミドルメロウな『ゆらゆら』はゆったりと、しかし確実に重いうねりの中へΛたちを巻き込み、闇の底へ底へと引きずり落していった。リズムに合わせ深く身体を折り畳み、重厚な演奏に溺れてゆくΛたち。その姿も印象的ならマイクを強く握りしめ、揺れ動く感情を振り乱すように歌い狂う巽の姿も印象深く見えていた。
ミラーボールに反射した白い光に包まれた場内。その空間へ「いかないで」と嘆くように歌う巽の声が響き渡る。楽曲は『Dearest』へ。XANVALAの中では数少ないメロウな歌だ。それは凄まじい熱と刹那を孕んだ楽曲として、その存在を突きつけていた。曲を重ねるごと巧みに想いの景色を塗り替えながら、XANVALAは気持ち揺らす物語を次々と見せてゆく。
「君らが目の前で楽しそうに笑っている姿を見ると、この瞬間が永遠に続けばいいなと思います。」
「何かで一番になったり、自慢出来ることもありません。それでも、俺にしか言えない言葉や歌があると信じて、今日もここに立っています。その言葉があなたの元に届いたら幸せです。まだまだつかみたいものがあるから、前に進み続けます。」(巽)
次に届けたのが、この日の会場で無料配布した新曲の『アーティスト』。ヒステリカルな跳ねた演奏の上で、巽が自らの感情を前へ前へと突き動かすように「私は今も、此処にいる」と『アーティスト』を歌っていた。みずからの存在する意味を、XANVALAがΛたちと共に掲げた夢に向かって突き進む意志を示すように、巽は心の声をすべてこの曲に乗せて歌っていた。両手を広げ、その想いを受け止める人たちの姿が、フロアのあちこちにあった。
ライブもクライマックスへ。『キネマ』の演奏に合わせ、手にした扇子を振りまわし、身体を大きく揺さぶるΛたちがフロアのあちこちに登場。終始沸き立つ感情を上げ続け、エモい空間の虜にしてゆく楽曲だ。演奏に合わせ揺れ続ける扇子の波も,とても華やかだ。XANVALAは、夏を舞台にした『キネマ』を通し、この夏はXANVALAとΛたちのためにあった日々だったと伝えるように、Λたちの心に思い出を焼きつけていった。
超アッパーでエモい、高陽シンガロングナンバーの『ΛLIVE』では、巽の歌声に合わせ、フロア中で熱いクラッフが飛び交う。「届いてくれ」と歌う巽の歌声をつかむように、フロア中のΛたちがその場で高く飛び跳ね、大きく手を伸ばし、この空間に生まれた熱情を分かち合っていた。
互いに手を結び笑顔で戯れる姿も大切だ。しかしXANVALAには、鋭い心の牙で互いに感情を剥きだしに噛みつきあう姿こそが一番似合う。
「確かに俺たちは今、一緒に生きている。生きていくことこそ、わたしの聖なる戦争だ!」
最後にXANVALAは『聖戰』を叩きつけ、フロア中のΛたちの理性を壊し、熱狂に溺れる獣たち──理性で行動するんじゃない、本能が導くままに身体や心を動かす野獣に変えていく。会場にいるほとんどの人たちが激しく身体を折り畳み、大きく両手を広げ、熱狂に溺れていた。これこそが、XANVALAのライブにいつも満ちている”互いに生きる喜びを分かち合う”景色だ。本能と本気をぶつけあう中で感じあえる、魂を奮わすこの気持ちこそが、XANVALAのライブで生を謳歌している確かな証だ。
「素晴らしい景色をありがとうございます。決まったときは現実味もなかったけど、やってみたら思ったほど緊張しなかったです。24本やってきた景色と何も変わらないことに安心しました。ここがスタート地点だと思っているので、これからもよろしくお願いします!」(知哉)
「新宿BLAZEのステージは、僕のワンマン人生の中で一番大きいところ。こんなにたくさんの方々からの拍手を通して、人生の中で一番大きな音を聞けて感動でいっぱいです。今日は遊び心を押し殺してずっとギターを弾いてます!僕のリミッターが外れたらお許しください!」(Yuhma)
「続けてきて良かったなと思います。これからも僕らは爆進していきます。一緒に人生を楽しんでいきましょう!」(宗馬)
「ほんとに嬉しくて『ΛLIVE』でボロ泣きしたわ。感動させてくれてありがとう。ここは俺らにとって特別な場所。この時代にバンドをやるのは馬鹿みたいなこと。でも、馬鹿でいいんだよ。夢をいつまでも持ち続ける格好いい馬鹿でい続けます。すごい道を君達に示していく。これからもXANVALAを見続けていてください!」(70.)
「関わってくれた人たちすべてに感謝しています。ここまで来ました。なにもかも諦めようしとしていた人間が、ここまで来ました。夢を追うこと。それは耐えることだと以前は思っていました。苦しいことやつらいことばかりの中、それを耐えることが、俺にとって夢を追いかけていくことでした。でもXANVALAを始めてから、夢を追うことが楽しくてやめられない。あなたが、俺たちを見つけてくれた。そのせいで楽しくてやめられないんだと思います。まだまだXANVALAは続きます。2年半前に(新宿BLAZEのステージにイベントを通して)ここに立ったとき、もう一度ここに戻ってくる、ここでワンマンライブをする、と誓いました。最初は途方もない夢だったけど、みんなを信じて自分たちの足でここに帰ってきたぞ。俺たちの正しい道をいこう!」(巽)
「ここが俺たちの理想郷だ!」アンコールは、巽の叫び声を合図に『XANADU』からスタート。ギラギラとした極彩色の音を振りまきながら、XANVALA流のロックを突きつけ、フロア中に数多くの拳が突き上がる理想郷を作りあげていった。跳ねたリズムに合わせ2STEPを踏むΛたち。凄まじいレーザーの輝きが舞い踊る中、彼らが求めた理想郷を今ここにしっかりと描きだしていた。ここは、XANVALAが求めた理想郷のひとつ。でも,その先に広がる次なる理想郷へ向かうためにクリアすべき1st STAGE。その舞台を最高の熱狂でXANVALAは制覇していた。
エモい歌系ビートロックチューンの『DAYS』でも、疾走する演奏に合わせ、フロア中から突き上がった拳が揺れ続ける。XANVALAには珍しい輝きに向かって想いを解き放った明るい楽曲だ。このキャッチーさも嬉しい魅力。しかし、やはりXANVALAのライブは轟音に身を預けてこそ。「俺たちは、君が見つけてくれたこのバンドを死ぬ気で守ります。また何度でもここから始めよう!」XANVALAは始まりを告げた『鮮やかな猛毒』を通し、ふたたび轟音の洗礼を浴びせていった。頭を“ザンバラ”と揺らし続けるこの光景が堪らない。もう少し側にいて、この熱狂に激しく微睡んでいたい。
「俺たちと同じ夢を見ることがあなたにとっての幸福だと言ってくれるよな?この曲が,俺達とお前の為の幸福論だ!」XANVALAは『誰が為の幸福論』を歌い奏でながら、共に熱情を分かち合っていた。ΛたちがXANVALAというバンドを選び、彼らの夢を一緒に追いかける意志を示した理由は、XANVALAの歌が魂を熱く揺さぶるからだ。生きていく意味や理由を示す想いも大切だ。それ以上に、ひとつひとつの歌が魂を歓喜に導いていく。いつだって彼らの歌は、心を笑顔にする。体感的な衝動も大切だが、それ以上に心を楽しい色で隅々まで染め上げていく、その音楽に惚れ込み、XANVALAと一緒に理想郷を求めようと、こんなにもたくさんの人たちが集まった。その気持ちを、改めて思い返していた。
XANVALAは最後の最後に『CREEPER』を全力で叩きつけ、フロア中を暴れ騒ぐ狂乱の宴の場に染め上げていった。誰もが理性を消し去り、髪の毛を振り乱しながら、熱狂にその身を焦がして逝った。
やまない拍手を受けダブル・アンコールとして『悪辣が君を襲う』を演奏。最後の最後まで激しく乱れ狂う楽曲を突きつけ、この興奮をΛたちの身体へしっかりと焼きつけて、この物語を次のステージへと繋げていった。
次にXANVALAが掲げた大きな理想郷は、2023年8月31日(木)に恵比寿LIQUIDROOMで行うワンマン公演だ。その頃には、“キャパちっせぇな”と言えるライブになっていることを信じながら、これからも5人と歩み続けたい。
photo by @a_kwsk_1985
TEXT:長澤智典
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<セットリスト>
『独善』
『 デスパレート』
『Bamby』
『ratchet』
『joke』
『左耳の悪魔』
『モナ・リザ』
Dr.Ba.リズムソロ
『ヒトリ舞台』
『 ジャノメ』
『ケ・セラ・セラ』
『ゆらゆら』
『Dearest』
『アーティスト』
『キネマ』
『ΛLIVE』
『聖戰』
-ENCORE-
『XANADU』
『DAYS』
『鮮やかな猛毒』
『誰が為の幸福論』
『CREEPER』
-W ENCORE-
『悪辣が君を襲う』
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<ライヴ>
■XANVALA ONEMAN TOUR
「ANS」
#1 “ANNIVERSARY”
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2022
12/4(日)新潟CLUB RIVERST
12/11(日)金沢gateBlack
12/14(水)札幌CrazyMonkey
12/15(木)札幌CrazyMonkey
12/18(日)仙台spaceZero
2023
1/9(月祝)福岡graf
1/11(水)広島SECOND CRUTCH
1/12(木)岡山IMAGE
1/20(金)心斎橋soma
1/21(土)HOLIDAY NEXT NAGOYA
…………………………………………
《TOUR FINAL》
1/31(火)渋谷clubasia
…………………………………………
#2 #3
COMING SOON
…………………………………………
《GRAND FINAL》
8/31(木)恵比寿LIQUIDROOM
▼LIVE SCHEDULE
▼INFORMATION
2022年08月30日 (火)
【ライヴレポート】<MUCC TOUR 2022『新世界』~Beginning of the 25th Anniversary~>2022年8月28日(日)ZeppDiverCity◆四半世紀の歴史を紡いできたMUCCが進みゆく、新たなる世界──。
REPORT - 18:08:06新世界とは真なる世界であり、どこか神がかり的な世界でもあり、何よりも進み続けることの意味を感じさせてくれる世界でもあった。
今年の6月9日に結成25周年の大きな節目を迎えたMUCCが発表した、現体制による初のアルバムであると同時に通算16枚目のアルバムともなった『新世界』。
その内容はまさにタイトルのごとく、MUCCというバンドが提示する新世界秩序そのものであったのではなかろうか。
新体制での緻密かつ濃密なグルーヴ。今の体制になったからこそ繰り出せるさらに洗練されたサウンドメイク。
フェイクとリアルが雑に混ぜあわせられ氾濫する市井のタイムラインを横目に、巧妙な表現をもって彼らにとっての現実と願望が織り交ぜられていく歌詞たち。
それらが渾然一体の様相で供されることにより、アルバム『新世界』の中には“四半世紀の歴史を紡いできたMUCCが進みゆく、ここからの新たなる世界”の姿が描かれていたに違いない。
また、アルバム『新世界』のリリース直後から始められた[MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~]について言えば、なんと彼らは今までになかったアプローチでライヴ自体を“アトラクション”として定義する、というなかなかに斬新な手段を選択。
最新鋭のライティングシステムや、随所にまでこだわった演出をしていくことで、生演奏の迫力や臨場感を前提とはしつつも、そこに完成されたエンターテインメントとしてのショー要素を盛り込んでいくことになったのである。
ゆえに、このたびツアーファイナルを迎えたZepp DiverCityの場内においては開演前に日本語・中国語・韓国語で順次
《新世界は夢烏(ムッカー=MUCCファンのことをさす愛称)の皆様の心が、猛スピードで、急旋回、急上昇、急降下するアトラクションです。
みなさま、MUCCの新世界を心身ともにご堪能ください。それではいってらっしゃいませ》という、テーマパークでよく耳にするようなアナウンスが流されていた点も演出としてなかなかに粋だったかと。
そして、アルバム『新世界』と同じようにインスト「新世界」をイントロダクションとするかたちで、象徴的な〈狂いそうな新世界 綺麗だった?旧世界〉というフレーズがスケール感のある音像の中で歌われていった「星に願いを」、いかつい重低音が轟く中で曲にあわせ夢烏たちがクラップで加勢した「懺把乱」、昨秋に現体制でのあらたな一歩として世へ発表された楽曲である「GONER」までの3曲が新譜のとおりの流れでプレイされていった場面は、観衆たちの意識が一気に新世界という名の異世界へと誘い込まれることに。
だが、フロントマン・逹瑯は我々がただただ彼らの音楽に漫然と魅了されていくことを許してくれるわけもない。
「Tokyo!ひとり残らず、全員で暴れ狂えよ。いいか!!」(逹瑯)
ここで投入されたのは、かれこれ20年前に発表されたセカンドアルバム『葬ラ謳』に収録されていた、根強い人気曲として夢烏から長く愛されている「スイミン」。
逹瑯が派手に煽ったこともあり、ここでは夢烏たちの飛び跳ねぶりによってZepp DiverCityの2階席が激しく振動しだしたのだが、コロナ禍以降に筆者が同会場にて臨場したさまざまなライヴと比較してもこの時の震度は限りなく随一であった気がする。
以降、今回のツアーファイナルではアルバム『新世界』の流れを下敷きにしながらも、絶妙な配分と配置をなされた楽曲たちが続々とオーディエンスを楽しませていくことになったのだが、本編中盤にてYUKKEがアップライトベースを使うことで艶っぽくアンニュイな空気感を醸し出してくれた「COLOR」、そこはかとなく90年代UKロックの香りが漂う「R&R darling」の2曲は中でもすこぶる秀逸で、特に後者に関しては音源だとフェードアウトするところをフリーの尺でアウトロセッションをしていった展開が胸熱すぎた。
優しく穏やかなミッドテンポの揺れがひたすら心地よく、かれこれ後半のセッション部分だけでも約4分半が費やされ、ミヤが楽しそうにインプロヴィゼイション的にソロを弾き、YUKKEが小気味よくジャンプしながら指弾きフレーズを響かせ、逹瑯が観客たちの顔を見わたしながら踊ったりフェイクをしたり、かと思うとメンバー同士が笑顔でアイコンタクトをとりあったり、というその様子は、時を忘れるくらいに素晴らしいもので、その様は彼らがさぞかしこのツアーで充実した時間を過ごしてきたのであろうな、ということをよく証明していたと言える。
「…今日の(アウトロ)はこのツアーで一番長かったな(笑)。楽しかったね!というわけで、今回は『新世界』というアルバムを作って良いツアーを廻れたと思います。
今日でひとまずツアーは終わりますが、まだ君たちの声を聴くことが出来ていないので。
本当の意味で『新世界』を完成させるのは、もうちょっと先のことなのかなと思ってますから、その時はまたよろしくお願いします」(逹瑯)
この言葉の後には以下のような意思表明が付け加えられたことも、このライヴにおいては重要なポイントだったように思う。
「そしてね。25年前に始まったMUCCというバンドは、最初の頃ずっと「現実なんて最悪だ、絶望だ。未来なんてくそくらえ!」という感じで歌ってきていましたが、ここに来て「現実を噛みしめて、未来を見ようじゃねーか」という思いをのせた作った歌がたくさん出来ているというのは、非常に感慨深いなと。
てめーらの後悔も、失敗も、願いも、全部を連れてこの先の未来へ行こうと思います!」(逹瑯)
ここからの「咆哮」の歌詞にある〈響かせろこの決意を〉〈決意の時がきたのなら 声枯らして叫べ〉なるくだりは、当然ながら我々にとってもリアルな言葉として受け止めることが出来た。
サポートドラマー・Allenがミヤと共作した「Paralysis」、ミヤがサイケデリックペイントが施されたX JAPAN・hideモデルのモッキンバードを持ってパフォーマンスした「零」、この夜Zepp DiverCityに観客として来場していたというSATOちの存在を意識して選曲されていたとも推測出来る「前へ」と、相変わらず彼らの組むセトリは隙がなく完璧。
そのうえで、MUCCは勢いやノリだけにまかせて能天気に前進していくタイプのバンドではないことを本編の最後であらためて実証することになり、昨今の世界情勢ともリンクした残酷で辛辣な現実が綴られた「いきとし」では重苦しい空気がこの場に生み出されてしまう。
だからこそ、そのあとに「世界中に明かりが灯りますように…」という逹瑯の一言が添えられてから放たれた「WORLD」はこの場内に居合わせた人々の心を浄化し、温かく包容していく救いの歌として聴こえてきたのかもしれない。
なお、アンコールでは名は体を表すパワーチューン「爆弾」、MUCCのライヴには欠かせない「蘭鋳」、これまたSATOちが作曲に参加している「家路」、ツアー中に各地で披露されていったという新曲「終の行方」の計4曲が奏でられたのだが、終演後には会場出口にてQRコードがプリントされたフライヤーが来場者全員に配布され、これをデジタル端末で読み込むと“エンドロール動画”が再生され、それをもってこの日のライヴが終結するという締めくくり演出が観客たちのことを待ち受けていた。
ちなみに、その動画によると12月21日にはミニアルバム『新世界 別巻』が発表となり、12月22日と23日には恵比寿リキッドルームにて[新世界 完結編]と題されたワンマンライヴが開催されるという。
詳細が発表済みの10月から12月まで続いていく[MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~朽木の灯~]も含めて、MUCCの25周年はまだまだこれからもてんこ盛りらしい。
真なる世界であり、どこか神がかり的な世界でもあり、何よりも進み続けることの意味を感じさせてくれる世界でもあった、新世界を経て。
MUCCの前途が洋々たるものとしてこれからも続いていくことは、もはや約束されたも同然だ。
文◎杉江 由紀
写真◎冨田 味我
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2022年8月28日(日) ZeppDiverCity
「MUCC TOUR 2022『新世界』~Beginning of the 25th Anniversary~」
SETLIST
01.星に願いを
02.懺把乱
03.GONER
04.スイミン
05.パーフェクトサークル
06. KILLEЯ
07.NEED
08.HACK
09.未来
10.COLOR
11.R&R darling
12.咆哮
13.Paralysis
14.零
15.前へ
16.いきとし
17.WORLD
encore
en1.爆弾
en2.蘭鋳
en3.家路
en4.終の行方(新曲)
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■『MUCC TOUR 2022「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~』 Zepp DiverCity Tokyo公演アーカイブ配信
【配信プラットフォーム】 ニコニコ生放送 https://live.nicovideo.jp/watch/lv338215756
【視聴チケット価格】 4,500円(税込)
【チケット販売期間:】 2022年9月10日(土) 23時59分まで
【アーカイブ視聴期間】: 2022年9月11日(日) 23時59分まで
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≪LIVE≫
■『えん8』
2022年9月6日(火) CLUB CITTA’ OPEN 17:00 START 18:00
【出演】 MUCC、THE BACK HORN、COCK ROACH
【チケット料金】 前売7,500円 (税込) ※入場時ドリンク代別途必要
【チケット一般発売中】 https://eplus.jp/sf/detail/0036930010-P0030583P021001
■『MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~是空・朽木の灯~』
2022年10月9日(日) 高知 CARAVAN SARY
2022年10月10日(月•祝) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2022年10月16日(日)名古屋 Electric Lady Land
2022年10月17日(月)名古屋 Electric Lady Land
2022年10月23日(日)浜松 Live House窓枠
2022年10月25日(火)大阪 BIGCAT
2022年10月31日(月)CLUB CITTA’
2022年11月4日(金) 神戸 Harbor Studio
2022年11月5日(土) 神戸 Harbor Studio
2022年11月15日(火)鹿児島CAPARVOHALL
2022年11月17日(木)長崎 DRUM Be-7
2022年12月4日(日) 大阪 松下IMPホール
2022年12月14日(水)KT Zepp Yokohama
【チケット料金】 前売9,600円 (税込) ※入場時ドリンク代別途必要
【一般発売日】 9月10日(土)
■『MUCC TOUR 2022 「新世界」~Beginning of the 25th Anniversary~ 「新世界 別巻」発売記念公演 「新世界 完結編」』
2022年12月22日(木)、12月23日(金) LIQUIDROOM
※チケット詳細後日
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≪RELEASE≫
■「新世界」【アナログ盤】 2022年9月6日(火)発売
※2LP
※完全生産限定商品
6,900円(税込) MSHN-164~165
収録曲等詳細はコチラ: https://fanicon.net/web/shops/4122
■NEW MINI ALBUM 「新世界 別巻」
2022年12月21日(水)発売
※収録曲等詳細後日
■NEW ALBUM「新世界」発売中
【初回限定盤】 MSHN-161/162 4950円(税込) ※詳細https://55-69.com/discography/746
【通常盤】 MSHN-163 3520円(税込) ※https://55-69.com/discography/745
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≪インストアイベント≫
2022年9月14日(水) HMV&BOOKS HAKATA START 18:00 <参加メンバー> YUKKE
インストアイベントの詳細はコチラ https://55-69.com/news/8189
≪トークイベント≫
■『YUKKE!!孤独のトークライヴ2022!!「不安」』
2022年9月15日(木) 福岡 SQUARE GARDEN
OPEN:17:30 START:18:00 END:20:00 予定
【チケット料金】 前売り:3,948円(ドリンク代別)
※一般チケット発売詳細別途
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