2022年09月14日 (水)
【ライヴレポート】<INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022>2022年9月11日(日)渋谷WWW X◆ソロツアーがいよいよスタート!披露される曲たちは、どれも“ロックらしい強烈なエネルギー”をしっかりと宿していた──。
REPORT - 12:00:149月11日、LUNA SEAのギタリストINORANが、自身のソロツアー「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」を、渋谷WWW Xからスタートさせた。
今年2022年はソロ活動25周年の節目の年。この「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」は、INORAN、Yukio Murata(g)、u:zo(b)、Ryo Yamagata(ds)のバンド編成による、2019年以来3年ぶりのツアーとなる。
INORANは、7月にアコースティック編成でソロの代表曲をリアレンジした最新アルバム「IN MY OASIS Billboard Session」をリリース。今夏には、Billboard Live Tour「IN MY OASIS Billboard Session」を行ったばかりだが、今回の「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」は、よりロックな初期衝動と躍動感に満ちた内容となるのがポイントだ。
ライヴ後の談話でも、INORANは「今の自分達はとても青春しているし、それが音にも現れている」と話していたが、10年以上続いてきたこのバンドに対する“確かな自信”が、この日の演奏からも、ひしひしと伝わってきた。
印象的なタイトルの“BACK TO THE ROCK’N ROLL”は、21年秋のソロ公演「INORAN -TOKYO 5 NIGHTS- BACK TO THE ROCK’N ROLL」から掲げられてきたものだが、それに対して、INORANは「自分がこれまで出会ってきた人達、バンドメンバー、スタッフ、ファン、それらを繋ぐライヴ会場、その全てが最高にロックしている。そういう気持ちをもっと押し出してもいいと思った」と語ってくれたが、この“BACK TO THE ROCK’N ROLL”というワードは、本ツアーを象徴する重要なテーマのひとつだ。
“Episode ZERO!?!?!!?!”と銘打たれたツアー初日の本ライヴは、8thアルバム『Teardrop』から、12thアルバム『2019』にかけてINORANが磨き上げてきた、グランジ/オルタナティヴな要素がストレートに表現され、全編を通して荒々しくも疾走感に溢れた、ダイナミックなアンサンブルが存分に楽しめる。
開演時刻を少し過ぎた頃、ステージにINORANが登場。Murata、Ryo、u:zoと共に円陣を組んだ後、「ヘイヘイ東京、元気だったか? 1年ぶりに帰って来ました」と、嬉しそうに観客に語りかけ、9thアルバム『Dive youth, Sonik dive』の「One Big Blue」で、ライヴはスタートした。
リハーサルでも、常に確かな手応えを感じてきたという「One Big Blue」は、u:zoとRyoのパワフルなリズム隊のコンビネーション、INORANとMurataの呼応し合う絶妙なギターワークなど、このバンドで長年鍛え上げることで結実した鉄壁のアンサンブルに、INORANのエモーショナルなヴォーカルが合わさり、圧倒的なエネルギーと熱量を誇る。そんなバンドサウンドに刺激されるように、ライヴ開始直後から、会場のボルテージも一気に上がっていく。
印象的だったのは、今も続くコロナ渦の影響で観客に対する声出しの制限があったものの、大勢のオーディエンスは手拍子やウェービングをしたり、ジャンプをしたりして、見事にコールアンドレスポンスを行っていたことだ。
演奏中、INORANは「声が無くても、お前らの気持ちは絶対にわかるからな。みんな、思い思いに今日を楽しんでくれ」と観客に語りかけていたが、会場に広がったその堂々たる光景を見て、ライヴの一体感は、声以外の行為でも充分に共有が可能なのだと実感した。
ツアー中につき詳細な記載は控えるが、「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」で披露される曲たちは、どれも“ロックらしい強烈なエネルギー”をしっかりと宿していた。そして、バンドのポテンシャルがフルに発揮されていく前半から、INORANがステージ中央でマイクを持って歌でオーディエンスを煽りまくる中盤までの2段階で、ライヴはより大きな盛り上がりをみせていった。
そこから、アコースティックな楽曲を挟みライヴは少しクールダウンし、終盤でさらにドラマティックな展開へと向かう。「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」は、ライヴの流れが非常に緻密に練られていた。
セットリストは、INORAN、Murata、u:zo、Ryoという、現在のメンバーが集結した『Dive youth, Sonik dive』、そこから10年もの歳月を経て、音の世界観をさらに研ぎ澄ましていく中で完成した充実作『2019』まで、このバンドを象徴する様々なスタイルの曲をバランス良く内包。それにより、INORANの音楽性とこのアンサンブルの進化が、より明確に把握できる仕組みになっていた。
アンサンブルのロックな魅力が最大限に発揮されたライヴ序盤で特に感じたが、今回のバンドサウンドはさらに骨太でタフな仕上がりになっており、INORAN、Murata、u:zoの厚みのあるコーラスワーク、オーディエンスを躍動させるRyoの巨大なバスドラムやタムによるグルーヴなど、アレンジ面でも、ライヴバンドとしてより一層の深化を感じさせる。
ライヴ中盤には、ソロのキャリアを集約した人気曲が並ぶ。このセクションで、INORANは「ライヴを通してみんなと繋がることは、ライヴハウスでもアリーナでも、どんな場所でも変わらない。自分は音楽が、ライヴが好きだという気持ちを今日ここに持って来ました。これまで、結構ルーティンになっていた部分もあって反省して、今、ここでやりたいと思い持って来た曲です」と語り、『Dive youth, Sonik dive』にも収録され、今も根強い人気を誇るFAKE?時代のナンバー「LEMONTUNE」をプレイ。より屈強なバンドアレンジで鮮やかに蘇った「LEMONTUNE」のイントロでは会場から一際大きな拍手が起こり、ここから終盤へと向かってバンドのパフォーマンスは、さらにスケール感を増していった。
終盤、INORANは「このバンド、カッコ良いでしょ? ライヴ前、久しぶりに1年ぶりに音を出したんだけどさ、その時、このバンドは家族みたいなものだって。ケンカをしない家族というか(笑)、スタッフも今日来てくれたみんなも含めてさ、そういう人達がいてくれるから、自分はこのバンドをもっと続けていきたいと思っています」と感謝の念を述べる。そして、彼が「声じゃなくても、気持ちは伝わるからな」と語る中、オーディエンスがウェーブでその気持ちに応え、ファンとバンドが強固な絆で結ばれた「All We Are」のピークを経て、ライヴは感動的なラストを迎えた。
終演後、会場からは鳴り止まない拍手が巻き起こり、INORANはそれを満ち足りた表情で眺めながら「ありがとうございました、渋谷! ここから大阪、名古屋、水戸とツアーを回って、最後は東京の恵比寿に帰ってきます。色々な会場で、そしてラストの恵比寿でまた会おうな。どうもありがとう!」と自身の想いを伝え、笑顔でステージを後にした。
INORANらしいロックな音楽性が最大限に発揮され、ライヴならではの大迫力なバンド演奏がたっぷりと堪能できる「TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022」。このツアーは、これから9月18日に梅田CLUB QUATTRO、19日に名古屋CLUB QUATTRO、25日に水戸LIGHT HOUSE、29日&30日に恵比寿LIQUIDROOMの5公演が行われ、これらのライヴを経ていく中、彼らのパフォーマンスは、より密度の濃いものになっていくのは間違いない! 本ツアーでINORANと彼のバンドの音楽性がどのように変化していくのか、リアルタイムで追いかけて体験してみて欲しい。
Photograph:Yoshifumi Shimizu
Text:Takahiro Hosoe
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<LIVE INFORMATION>
◆solo works 25th anniversary special act.3-
INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022
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9月18日(日) 梅田 CLUB QUATTRO
[OPEN]17:15 [START]18:00
[お問合せ]
ソーゴー大阪 Tel 06-6344-3326 (平日14:00~16:00)
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9月19日(月・祝) 名古屋 CLUB QUATTRO
[OPEN]17:15 [START]18:00
[お問合せ]
サンデーフォーク名古屋 Tel 052-320-9100 (12:00~18:00)
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9月25日(日) 水戸 LIGHT HOUSE <追加チケット発売中!>
[OPEN]17:30 [START]18:00
[お問合せ]
クリエイティブマン Tel 03-3499-6669(月・水・金12:00~16:00)
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9月29日(木) 恵比寿LIQUIDROOM
[OPEN]18:15 [START]19:00
[お問合せ]
クリエイティブマン Tel 03-3499-6669(月・水・金12:00~16:00)
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<NO NAME? MEMBERS’ LIMITED LIVE>
9月30日(金) 恵比寿LIQUIDROOM
[OPEN]18:15 [START]19:00
[お問合せ]
NO NAME? Tel 03-5333-1014(平日14:00~18:00)
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[チケット料金]
オールスタンディング
前売¥6,300(税込)/当日¥6,800(税込)
※ドリンク代別(水戸¥500/その他の公演¥600)
※3歳以上有料
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★各プレイガイドにてチケット好評発売中!
イープラス https://eplus.jp/inoran22/
ローソンチケット https://l-tike.com/inoran/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/inoran/
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<リリース>
★INORAN「IN MY OASIS Billboard Session」
NOW ON SALE
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[通常盤](CD)
定価:¥3,300 (税抜価格:¥3,000) | KICS-4067
商品情報はこちら:https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=33839
サブスク&ダウンロードはこちら:https://lnk.to/INRN_Billboard
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★INORAN OFFICIAL SITE★
★INORAN OFFICIAL Twitter★
https://twitter.com/INORAN_OFFICIAL
2022年09月11日 (日)
【ライヴレポート】<Luv PARADE主催 DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2>2022年9月8日(木)Spotify O-EAST◆演者たちが、それぞれに蠱惑的なパフォーマンスの数々で魅了していく、悪魔的な一夜──。
REPORT - 12:00:30悪魔的な魅力、という類の言葉が抗い難いほどに人を惹きつける何かのことを指す表現となるように。このたび、今年6月に続いて渋谷Spotify O-EASTにて盛大にLuv PARADEのオーガナイズによって開催された[DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2]もまた、そこに集う人々の心をある種の絆で結ばれた演者たちが、それぞれに蠱惑的なパフォーマンスの数々で魅了していくまさに悪魔的な一夜となった。
ちなみに、Luv PARADEとは2011年6月に惜しまれつつ解散したD’ESPAIRSRAYのメンバーであるKaryu(Angelo)、ZERO(THE MICRO HEAD 4N’S/OFIAM)、TSUKASA(THE MICRO HEAD 4N’S)が集うバンドで、今回の[DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2]が行われた9月8日はD’espairsRayの結成日=9月9日の前日でもあった。そればかりか、前回と同様にこのイベントに出演したのはいずれも何らかのかたちでD’ESPAIRSRAYとの縁を持つアーティストばかり。
そうしたお膳立てがあった中、今宵まず舞台上に姿を現したのはD’ESPAIRSRAYでフロントマンをつとめていたHIZUMIがMASATO(defspiral)、岸利至と共に組んでいるユニット・NUL.だ。もっとも、ユニットとは言えど現在の彼らはサポートとしてベースにKOHTA(Angelo) 、ドラムにLiSAやLM.Cなどのツアーメンバーとしても知られる石井悠也を迎えての5人編成にて目下[LIVE TOUR 2022 “EVILA”]にいそんしでいる最中であり、8月にリリースされたセカンドアルバム『EVILA』にもKOHTAと石井悠也は何曲かでレコーディング参加しているのである。
当然、この場では最新アルバム『EVILA』からの楽曲たちを集中的に披露してくれることととなり、我々は現在進行形にしてちょうど旬を迎えているNUL.の濃密に熟したサウンドをあれこれ堪能することが出来たと言えよう。
「こんばんは。はじめましての人も多いと思うんですけど、NUL.です。今日は昔の仲間が集まっているこういうイベントなんで、とにかく思いっきり楽しんだヤツが勝ちだからな(笑)。メチャクチャ楽しませてやるから!」(HIZUMI)
D’ESPAIRSRAYが解散してからというもの、2019年にNUL.が始動するまでは喉の回復につとめていた一方でデザイナーとしての活動を行っていたHIZUMIは、6月に行われた[DEVIL’S PARTY]でも出演者としてではなくデザイナーとして全面協力をしてくれていたわけだが、ここに来てその彼がヴォーカリストとしてLuv PARADEの主催イベントのステージに立ちその歌声を堂々と聴かせている、という尊き現実はこれまでの経緯を知るオーディエンスの多くの胸を熱くさせ、何よりそのパフォーマンスをもって全ての観客たちを楽しませてくれたに違いない。
そもそも、やはり今も変わらずHIZUMIの放つ声はそれこそ悪魔的なほどの魅惑をたたえ続けているのだ。10月1日の横浜Bronthまで続くという今回のツアーでも、きっとNUL.は各地で待っているファンの心を派手にかき乱してきてくれるものと確信する。
▲NUL.
さて。このあと2番手として登場したのはH.U.G。このなんとも目新しい名前を掲げた彼らの正体とは前回の[DEVIL’S PARTY]でKaryu Session BANDとして登壇していたKaryu、ryo(HOLLOWGRAM)、マニピュレーター・横山和俊の3人にほかならず、今思えば6月の時点で新曲「HUG」をプレイした際にKaryuが「これから長く愛される曲になっていくと良いなと思ってます」と発言していたのだった。
「今日この場所から、我々はあらたにH.U.Gとしての活動をスタートさせます。せっかくなのでみなさん、祝っていってください。よろしくお願いします。そして、短い時間ではありますが新曲も持ってきたので聴いてください」(ryo)
「DROP」と題されたこの楽曲はH.U.Gの幕開けを飾るにふさわしい明るいトーンのもので、Karyuが得意とする美麗なメロディラインをryoが鮮やかに歌いあげる様や、横山和俊の描き出すセンスフルな音像から生まれる彩りたちが、H.U.Gの未来を予兆させるような突破力と魔力を醸し出していたと言っていい。
前回のステージでも演奏された、微妙な陰影を映し出した音世界が印象的な「熾-OKI-」や、D’ESPAIRSRAYの原曲を横山和俊がリミックスしてKaryuがあらたにギターアレンジを施したという「Mary of the blood」など、ダークな雰囲気をまとったH.U.Gの音も素敵ではあるが、なんでもH.U.GとはHyper Undead Geniusの略であるそうなので、彼ら3人の擁する才覚からは何にもとらわれることのない様々な可能性がここから次々と提示されていくことになるのかもしれない。H.U.G…末恐ろしい!!!
現状では次の予定として12月17日に赤羽ReNY alphaにて開催されるLuv PARADEとの2マンが決まっているそうなので、彼らの持つ不思議な魔力をさらに感じたいという方はぜひとも現場へ足をお運びいただきたい。
▲H.U.G
さて。前回の[DEVIL’S PARTY]にはLuv PARADEのメンバーと同世代もしくは彼らの先輩にあたる面々が多く参加していた一方、Vol.2となった今回の[DEVIL’S PARTY]にはLuv PARADEの後輩にあたるバンドとしてGOTCHAROCKAがこのイベントに佳境を前にしたここぞのブースター役として見参してくれることに。ただ、後輩とはいえ彼らも気付けば今年5月でめでたく10周年を迎えているため、経験値に裏付けされたステージングの完成度は実に圧倒的だった。
最新シングル『愛錠』が7月に発表されているにも関わらず、敢えてその収録曲たちを外してイベント向けの楽曲を取り揃えたと思われるセトリの組み方からも、彼らのライヴバンドとしての手腕の高さは強くうかがえたのだが、特に1曲目にこのイベントタイトルと被せたのであろう「BRAND NEW DEVIL」を持ってくるあたりの忖度力(これは純粋な褒め言葉の意としてご理解いただきたい)はお見事の一言。
「こんばんは、GOTCHAROCKAといいます。まずはラブパ(Luv PARADE)の皆さん、今日は呼んでいただいてありがとうございます。知ってる人も知らない人もいると思うんですが、ラブパの御三方とNUL.のHIZUMIさんとは僕が前にやっていたバンドで一緒の事務所にいたことがありました。あれから月日が経ってもう10年以上が過ぎましたけど、こうやってまた同じステージに立てることをとても光栄に思います」(樹威)
ということで、簡潔に[DEVIL’S PARTY]への参加へ至った説明がなされたMCの内容もさすがといった印象。もちろん、それ以上にさすがだったのは彼らの繰り広げてくれた実演ぶりそのもので、「サプライズ」で聴けた貫録ある樹威のヴォーカリゼイションや、「OUT OF SERVICE」で見ることの出来た文字通りに頭の先から爪先まで全身を真っ赤でコーディネートしたド派手ギタリスト・JUNと、シックな装いで粋かつ実直なギターワークをキメていく十夜によるツインソロなど、GOTCHAROCKAの美味しいところを凝縮して彼らはここに届けてくれた次第だ。11月より来年1月まで続くという[winter tour ’22~’23「Once upon a time」]にも、今から期待がかかる。
▲GOTCHAROCKA
こうしてキャリアと実力を兼ね備えたアーティストが相次いで臨戦していった中で、本編のトリとして現れたのは当イベントの主宰者であるLuv PARADEにほかならない。
今回もゲストヴォーカリストとしてTAKA(defspiral)を迎え、初っぱなは先日の来日公演が話題になっていたレディ・ガガのカバーとなる「Poker Face」からスタート。以降はブリトニー・スピアーズのカバー「Toxic」、そしてビョークの「Hyper-Ballad」と大御所女性海外アーティストたちの楽曲が連打され、それらをこのメンツだからこそ叶うLuv PARADEならではのデカダンなモードで聴かせていく秀逸なスタイルは、おそらく他のどこにもない唯一無二のものだ。
「お待たせしました、Luv PARADEです。今夜もゲストヴォーカリストとして参加させていただいていますが、本当に回を重ねるたびに僕もLuv PARADEの一員としての想いが芽生えているとかいないとか(笑)。(中略)今日は[DEVIL’S PARTY]なので、みんなの中の悪魔的なものをもっと見せてもらいたいなと思ってます。おい、見せてくれよ!じゃあ行こうか!!」(TAKA)
と、ここでフロアを揺らすことになったのは[DEVIL’S PARTY]の語源になったとも推測出来るD’ESPAIRSRAYの「DEVILS’ PARADE」。〈種族越えて不思議な音を引き連れて〉という歌詞は[DEVIL’S PARTY]の真髄と主旨を表すことにもなっており、この曲についてはもはやこのイベントに不可欠なテーマ曲と考えても良さそうだ。
なお、前回に引き続いてこの後にはdefspiralではなく前身バンド・the Underneathの「GETTING CLOSER」がラブパver.にて披露されるくだりもあり、ここではかつて全米イベントツアー[Taste of Chaos 2008]を通じD’ESPAIRSRAYとthe Underneathが親交を深めた頃のことをあらためて回想した方も多いのでは?
最後の曲として選ばれていたアゲ系チューンの「LOVE IS DEAD」も含めて、かなりD’ESPAIRSRAYのようでいてそれでも決してD’ESPAIRSRAYではないLuv PARADEの独自世界は、この場に集った人々をこぞって心酔させたはず。
「アンコールありがとうございます。前回の時は2階の関係者席で盛り上がっていたヤツが約1名いましたけど(注・HIZUMIのこと)、みなさん今回はアンコールでアイツが出てくるんじゃないかと予想していた人もいるんじゃないかと思います。ただ、僕らは今日Luv PARADEとしてここに出ていますし、Luv PARADEのヴォーカルはTAKAさんなのでそこは汲んでいただければと思います。またいつかHIZUMIと一緒にステージに立つ日がやってくる時には、きちんと事前にみなさんにお伝えしますので、その時まで震えて待っててください(笑)」(ZERO)
この言葉のあとに続けられたのは、意図してLuv PARADEの3人のみで奏でられたD’ESPAIRSRAYの「DEATH POINT」と「MIRROR」の2曲。これらについては観客に対してスマホでの動画撮影が許可されたことを考えても、長い年月を経てもいまだにずっとD’ESPAIRSRAYのことを支持してくれている人たちに向けた、彼らからの真摯なファンサービスであったのではなかろうか。
▲Luv PARADE
とりあえず、来たる12月17日に赤羽ReNY alphaで行われるLuv PARADEとH.U.Gの2マンを今は何よりも心待ちにしていたいが、やがて訪れる2023年には…[DEVIL’S PARTY 2023 Vol.3]が実現することを切に願いたいところ。悪魔的な魅力にあふれた夜は何度あってもいい。
文◎杉江由紀
撮影◎Lestat C&M Project
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2022年12月17日 (土)Luv PARADE vs H.U.G 公演決定!!
AKABANE ReNY alpha
詳細は後日!!
■Luv PARADE
Official Site
Official Twitter
https://twitter.com/parade_official
■H.U.G
Official Twitter
https://twitter.com/hug_official89
★GOTCHAROCKA OFFICIAL SITE★
★NUL. OFFICIAL SITE★
2022年09月10日 (土)
【ライヴレポート】<Petit Brabancon Tour 2022「Resonance of the corpse」>2022年9月8日(木)Zepp Nagoya◆満を持して初ライヴ開催。新曲含む超高密度のステージに感じる、刺激と可能性──。
REPORT - 18:00:34Petit Brabancon初のツアー「Resonance of the corpse」が始まった。
初日の9月8日ZEPP NAGOYAのライヴを見た帰りの新幹線でこれを書いている。興奮を抑えながら。
彼らのライヴは昨年末の武道館でのイベント「JACK IN THE BOX 2021」、そして年明け川崎CLUB CITTA’に続き3度目だ。
私はその両方とも見ることができたが、武道館はわずか3曲のみ、CLUB CITTA’はビデオ・シューティングが主目的のライヴで、観客数もごく限られていた。
どちらもバンドのポテンシャルの一端はうかがわせたもの、その巨大な全貌が明らかになったとは到底言えなかった。
8月31日に待望のファースト・アルバム『Fetish』をリリースして、この日の名古屋で初めてフル・サイズの、通常の観客を前にしたライヴが行われたのである。
長いキャリアを持つ一騎当千のメンバーが揃ったとは言うものの、新バンドの実質初ライヴなのだ。
当のメンバーも、スタッフも、もちろん我々オーディエンスも、どんなライヴになるのかわからない。
このバンドがどんな可能性を秘め、どんなものを見せてくれるのか、まだわからない。
幸いにもこの日のライヴ本番前のリハーサルを見学することができた。サウンド・チェック、照明、演出や特効のチェック。
既に何度かの音合わせや通しリハーサルを終えていることもあり、メンバーはそれぞれ自分が何を為すべきか、どんな音を出せばいいのか十分わかっているようだった。各自モニターのバランスなどをチェックしエンジニアに注文を出す。
ミヤはステージを降りて客席でギターを弾きながら、出音を確認している。どこにでもあるようなリハーサル風景である。
初日ということで難航も予想されたがあっさり時間通りに終了。
ここから本番のライヴがどうなるのか予測するのは難しいが、しかしなぜか私は、この日のライヴがとんでもなく凄いものになるのを確信した。
そしてそれは正しかったのである。
会場が暗転し、定刻よりやや遅れてライヴは始まった。最初の方はPAの関係か楽器やヴォーカルのバランスが少々聞きづらかったこと、メンバーの演奏も最初はやや固さがあったこと、そしてオーディエンスも椅子席、声出し禁止という状況でどうやって自分の気持ちや感情を表せばいいのか戸惑いもあったのか、会場の雰囲気はいまひとつほぐれない感じもあったが、ライヴの中盤、某曲の最後で、ミヤとantzが2人だけでアンビエントでシューゲーザーでフリーキーなギター・ノイズを奏で始めたあたりで演奏も会場の雰囲気ががらりと変わり、オーディエンスの反応もホットになって、その後は一気呵成にクライマックスまで突っ走ったのである。
このギター・ノイズ・パートは完全な即興ということだったが、ミヤとantzという2人のタイプの異なるギタリストが醸しだす微妙なズレがモアレとなって、Petit Brabanconのヘヴィなサウンドに奥行きと広がりを与えていた。
実際にライヴで見るとこの2人の呼吸やタイミングの合わせ方が絶妙で、これはCDを聞いているだけではわからない部分だった。
高松浩史のベースはしっかりバンドの根幹を支え分厚いサウンドを形作っていたし、yukihiroのドラムはわりあいシンプルなリズム・キープに徹しながらも、バンド全体の力強いグルーヴの核になっていることがはっきりわかる。
そして何より、ヴォーカリスト・京の圧倒的な存在感である。巧みに感情と衝動をコントロールしながらも全く予測のできない動きと強靱そのものの喉でその場を支配する京から、目を離せない。DIR EN GREYやsukekiyoの時とはまた異なる荒ぶるカリスマぶりは、このバンド、このメンバーだからこそ発揮できたものだろう。つくづく凄まじいヴォーカリストである。
MC一切なし、音楽と照明だけで見せるストロング・スタイルはこのバンドらしい。詳しいセットリストや演出などはネタバレになるので書けないが、これまでリリースした曲はすべて演奏し、おまけに新曲も1曲やったので演奏曲は15曲。
それでいてコンサートのサイズは通常のライヴよりかなり短めだったのは、1曲がほぼ2~3分台、長い曲でも6~7分と比較的短いからだ。
それでも物足りないという印象を一切受けなかったのは、演奏の密度とスピード感が、放射するエネルギーが凄まじかったからだ。
徹底してヘヴィでハードだが、しかし同時に美しく繊細でエモーショナルでもある。
多忙なメンバーゆえライヴ前のリハーサル回数はそれほど多くとれなかったと聞くが、演奏に一切の破綻を感じさせなかったのは、さすがに歴戦のプロフェッショナル揃いだった。強いて言えば出音が少し小さい気がしたが、爆音よりもバランスのとれた音を目指したのかもしれない。
とはいえこれは第一歩に過ぎない。我々オーディエンスが凄いと思ったそのはるか先に、彼らの目指す場所がある。
終演後のメンバーの表情からはひとまず無難なスタートが切れたことへの安堵感がうかがえたが、同時にまだまだこんなものじゃない、という自負を漂わせてもいた。
ツアーは残すところあと4公演、この記事が出るころにはあと3公演しか残っていないが、彼らの進化は急である。
演奏、音響、視覚効果、オーディエンスとの呼吸の合わせ方。この日の成果と反省を踏まえ、次はさらに完成度の高いものを見せてくれるはず。
最終日は9月21日Zepp Haneda。その時彼らはどんな進化と変貌を見せてくれるのか。楽しみでならない。
文◎小野島大
写真◎尾形隆夫(尾形隆夫写真事務所)
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<LIVE>
■<Petit Brabancon Tour 2022「Resonance of the corpse」>
2022年9月8日(木) 愛知・Zepp Nagoya
2022年9月9日(金) 大阪・なんばHatch
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2022年9月13日(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama
OPEN 18:00 START 19:00
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
…………………………………………
2022年9月16日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
OPEN 18:00 START 19:00
[問]キョードー西日本 0570-09-2424
…………………………………………
2022年9月21日(水) 東京・Zepp Haneda
OPEN 18:00 START 19:00 ※SOLD OUT
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
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【チケット料金】
SS席 グッズ付 ¥25,000(税込・ドリンク代別)
・刺繍ベルト付きショルダーバッグ
・各日会場限定デコレーションワッペン
・各日会場限定ステッカー
こちらに加え会場での特典サービスを予定しております。詳細は追ってお知らせいたします。
S席 ¥15,000(税込・ドリンク代別)
A席 ¥6,500(税込・ドリンク代別)
2階席 ¥15,000(税込・ドリンク代別)
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【チケット一般発売中】 イープラス https://eplus.jp/pb22/
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<オリジナルアパレルブランド>
●ROYAL FLASH POP UP STORE
<開催店舗>神宮前店、名古屋PARCO店、大阪梅田店、福岡VIORO店
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・ROYAL FLASH名古屋PARCO店 開催日程:9月2日(金)~9月11日(日) 営業時間: 11:00~20:00
・ROYAL FLASH梅田店 開催日程:9月2日(金)~11日(日) 営業時間: 11:00~21:00
・ROYAL FLASH神宮前店 開催日程:9月10日(土)~25日(日) 営業時間: 11:30~20:30
・ROYAL FLASH福岡VIORO店 開催日程:9月9日(金)~9月18日(日) 営業時間: 9:00~20:00
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<通販> US ONLINE STORE ROYAL FLASH https://www.us-onlinestore.com/Royalflash/
Petit Brabancon Brand Concept Movie https://youtu.be/guTOjb2mfxI
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<Petit Brabancon 京×yukihiro Special Interview>
1/5『Petit Brabancon誕生のきっかけ』 https://youtu.be/sA92iSRWLbE
2/5『バンド結成について』 https://youtu.be/s3kLu0QFAd8
3/5『Petit Brabanconで実現したいこと』 https://youtu.be/xLfLF5EFOEg
4/5『Tour 2022「Resonance of the corpse」に向けて』 https://youtu.be/j1OsQkNrEeg
5/5『Petit Brabanconの将来像』 https://youtu.be/NIkMYPLpuqg
※本インタビューはTour 2022「Resonance of the corpse」最終日9月21日までの期間限定公開となります。
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<RELEASE>
★1st Album「Fetish」 発売中
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1.Don’t forget 作詩:京/作曲:ミヤ
2.疑音 作詩:京/作曲:ミヤ
3.OBEY 作詩:京/作曲:ミヤ
4.Ruin of Existence 作詩:京/作曲:antz
5.主張に手を伸ばす修羅 作詩:京/作曲:antz
6.刻 作詩:京/作曲:ミヤ
7.come to a screaming halt 作詩:京/作曲:yukihiro
8.I kill myself 作詩:京/作曲:ミヤ
9.Pull the trigger 作詩:京/作曲:ミヤ
10.非人間、独白に在らず 作詩:京/作曲:antz
11.Isolated spiral 作詩:京/作曲:ミヤ
12.無秩序は無口と謳う 作詩:京/作曲:antz
13.渇き 作詩:京/作曲:ミヤ
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<完全限定盤>(CD+Blu-ray+フィギュア)品番: DCCA-108/109 ¥9,900 (税込)※CD特殊パッケージ仕様
[Blu-ray]2022年1月14日にCLUB CITTA’川崎で行われたPetit Brabancon The 1st Premium Live「渇き」を収録
【収録曲】1. 非人間、独白に在らず2. 刻3.OBEY 4.A Praying Man 5.疑音 6.渇き
[フィギュア]MAVERICK STORE限定デザイン ※SOLD OUT/ GALAXY BROAD SHOP限定デザインの2種類からいずれか
[スペシャルパッケージ仕様]映画「パペット・マスター」シリーズ、「ZOMBIO/死霊のしたたり」等をリリースしている是空が、ディレクション、ミヤジリョウヘイ氏がデザインを担当
[ステッカー]1種ランダム封入(全5種)
[完全限定盤購入者限定オリジナルTシャツ]購入サイトページアクセスコード封入
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<通常盤>品番: DCCA-107 ¥3,300 (税込)
[ステッカー]1種ランダム封入(全5種)
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※CD特殊パッケージ仕様 完全限定盤のCDはフィギュアと同梱された特殊仕様となります。
※完全限定盤はGALAXY BROAD SHOPのみで購入可能商品となります。
※完全限定盤MAVERICK STORE限定デザインはSOLD OUT
※MAVERICK STORE限定 デザインフィギュア/ GALAXY BROAD SHOP限定 デザインフィギュアは購入ストアごとにデザインが異なります。
※通常盤はAmazon、TOWER RECORDS(店舗/ONLINE)でも購入可能な商品となります。
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