2022年10月08日 (土)
【ライヴレポート】<Chanty 9th Anniversary Oneman「Chantyの世界へようこそ」>2022年9月16日 Spotify O-WEST◆「当たり前にそばに居られるバンドになりたい。」1人でも多くの人のもとにChantyの音楽を届けるため、そしてChantyを愛してくれる人達を1人残らず迎えに行くため、彼らは進んで行く──。
REPORT - 21:06:55見上げると、どこまでも澄み渡る青空。
快晴と呼ぶにふさわしい天気に恵まれた2022年9月16日、Chantyが9周年を迎えた。
9年という月日が長かったのか短かったのかは彼ら自身にしかわからないけれど、それだけの時間をひとつの目標に向かって全力で走り続けることがどれだけ難しいかは想像に難くないだろう。
ここ数年の周年公演はコロナ禍の影響により無観客配信での開催を余儀なくされたり、バンドの体制が変化して間もなくであったり、何かとイレギュラーな状況が続いていたが(どのような状況であれ、バンドはその時点でのベストなパフォーマンスを展開してくれたことは言うまでもない)、幾多の困難に屈せず何度でも立ち上がり辿り着いた今日という日を空も祝福しているようだった。
ピアノの音色が印象的なオープニングSEと共に、パープルとホワイトを基調にした美しい新衣装を身に纏った3人が姿を現す。
「WEST、いけるかー!さぁ、確かめ合いましょう。」ギターを抱えた芥が気合い漲る第一声を響かせ、9周年は『透明人間』でスタートを切った。Chantyのアグレッシブでエモーショナルな魅力を詰め込んだライヴ曲で周年特有の緊張感が漂う場内の空気を一気にぶち破り、続く『ミスアンバランス』でもまだまだとばかりに「硬くないですか?もっと見せてください!」と煽ると、間髪入れずになだれ込んだ『不機嫌』では早くもフロアがヘドバンで埋め尽くされる。その様子を見た野中がモニターに座り込み挑発するような視線を送れば、白もステージ際まで歩み出て激しくギターを奏で、オープニングの3曲で場内のボルテージを急上昇させてみせた。
「聞こえていますか?見えていますか?俺達はここに居るぞ!おまえたちはそこに居てくれ!さぁ、一緒に作りましょう。Chantyの世界へようこそ!」
O-WESTに集まった人達、配信で見守っている人達。Chantyを愛してくれる全ての人達と大切な1日を作り上げるため、1人1人の存在を確認するように語り出す。
「Chantyの世界へようこそ。よくぞ集まっていらっしゃいました、ありがとう。この数年で稀に見る晴れではありませんか。今の季節の代名詞みたいな雨や台風を吹き飛ばすくらいの天気で今日を迎えられたことを感謝しております、ありがとう。」
それぞれの場所から足を運んでくれるファンを想い天候を心配していたメンバー達、カーテンを開けて清々しい青空を目にした時どれだけ安堵したことだろう。
「あっという間の9年だったけれど、“ずっとこの場所に居たい”という気持ちだけで歩いていたなら、ここまでこられなかったと思うんです。今この瞬間に命を懸けて、この場所を作っている。それを証明しに参りましたので、今日は今日にしかない時間を作ってまた未来に繋げていけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。」と、歩んできた月日の重みと誇りを言葉にして届けた。
逆光の中、ドラム台に集まった3人とサポートドラムの多村直紀(Yeti)が呼吸をひとつにして始まった『ファントムミュージック』を経て、メンバー全員の煽りが映えた『ダイアリー』へ。誕生した当初は絶望に満ちた表現で届けられていたが、活動の過程で幾度となく意味合いやアレンジの変化を繰り返し、バンドと共に成長してきた印象が特に強い曲だ。
ラストのサビの終わり、「消えたい今日も消えたい無かった事に・・・させるわけねえ!」と歌詞を変えて歌われたのを耳にした時、どんな壁にぶつかっても前進を続ける今のChantyの強さを感じて嬉しくなった。
葛藤を絞り出すように叫んだ芥がマイクスタンドを掴み膝をついて歌い出した『逆上のパルス』から、ライヴは中盤のクライマックスへと動き始める。焦燥感と疾走感を帯びた演奏と歌声はどんどん熱を増し、真っ赤に染まった世界はやがて真っ暗な闇に覆い尽くされた。
そこに響き始めた、心音。一筋の光が差し込んだ先、鼓動の中でうずくまった芥が感情を露にして『謳う心臓』をアカペラで歌い出すと、会場ごと大きな水槽の中に沈められたかのような感覚を覚えた。緊迫した重厚なサウンドが言いようのない不安を掻き立て、五感の全てを支配されていく。気付けば、オーディエンスである私達も水底に囚われ、身動きが取れなくなっていた。心と思考の奥深くに潜り込んで観る者を没入させていく圧倒的なライヴ展開は、Chantyの真骨頂と言えるだろう。
『monorium』で白のギターの音色が世界を蒼く塗り替えていく中、芥が震えながら掲げたその手は、濁った水槽の水底から光を求めるようにも、水面から差し込んできた光を遮るようにも映った。
「ねえ、僕の謳う心臓。凍てつく太陽に焼かれて歩き疲れたら、今日はもうおやすみ。」
おまじないのように囁かれた言葉、深い眠りへと誘う音の波が押し寄せ会場を包み込む。“せめて眠りの中では痛みや苦しみから解放されますように”。祈りにも似た願いはやがて、夜明けに向かって『-yureru-』の世界を駆け抜けていく。
「思考停止した僕達の目に映った、『群青』。」
目覚めた視界に映る青空、動き出した時計の針。思考が止まったままではその美しさに心を震わすことすらできないと気付き、“たとえ太陽に焼かれても、あの空を目指して飛び立とう”と滑走路を加速した彼に待ち受けている未来は———“わかるわけないでしょ。バカじゃない?”飛び立つその瞬間、ふと笑ってそう言った少年Aの姿が瞼の裏に映った気がした。
圧巻のストーリーを描いたセクションは最新のキラーチューンでエンディングを迎え、芥が「以上、“少年A”でした!」と締め括ると、割れんばかりの拍手が湧き起こった。
暫しのインターバルをおき、MCのバトンはChantyの太陽的存在である野中へ。
「WEST、本当に楽しいです。ありがとうございます!でも、“想い出に残る”と“楽しい”はまた違うと思っているから、この場所にしっかり“残して”いこう。WEST、遊ぼうぜ!」その言葉を受けた芥が「野中による野中のための曲!」と『インピーダンス』へと繋ぎ、野中のスラップベースと白のギターソロが共に炸裂すれば場内の一体感は更に増してライヴは再び加速していく。
白の鋭いカッティングを合図に会場が大きく揺れた『冤罪ブルース』から怒涛の勢いで『衝動的少女』に突入すると、ハードなサウンドに乗せて「おまえたちが欲しい!」と欲望のままに叫ぶ芥に無数の拳が振り上げられる。
「ほしいほしい、きみがほしい・・・ほしい。ほしい。君が。ほしい。」真っ赤な照明に照らされ膝を抱えて座り込み、うわごとのように繰り返す。次第に訪れた闇に柔らかなギターの音色が重なり、ピンスポットに照らされた芥がぽつりぽつりと呟いた。
「何で“好き”ってさ、一方通行みたいになるんだろうね。どんなに想い合っていても、一方通行みたいだなと思うことがあって。“好き”って本当に怖くて、良い所を見せたくなっちゃうじゃないですか?好きな人に見せる良い所は“本心”、好きな人に見せる悪い自分は“本性”なんじゃないかなと思ったりします。これから歌う曲、僕達の“本性”をちょっとだけ見せるね。受け取ってください、『おねがいごと』。」
“君に一つだけお願いがある おかしなことを言うけど聞いてね 笑っていてほしいけどできればほんのちょっと不幸せでいて”
本当に大切に思っているからこそ抱いてしまう愛情の深さ故の嫉妬心を包み隠さずストレートにメロディーに乗せた『おねがいごと』は、芥でなければ書くことができなかった歌詞とChantyでなければ表現できなかった音楽だ。
同時に、そこで歌われているのは“Chantyがファンに対して抱いている想い”というだけではなく、誰もの心の内に少なからず存在している感情なのだと芥が語った“本心”と“本性”の定義を通して気付かされた。自分の中にある密やかな想いを自覚して受け止めた『おねがいごと』は一層、胸の奥に響いて聴こえた。
「こんな僕らをいつも照らしてくれてありがとう。ラスト、『白光』。」
Chantyにとっての光はファン、ファンにとっての光はChanty。互いに大きく光を放ち照らし合うこともあれば、一方に影が差した時にもう一方が照らし出すこともある。全身全霊を込めて演奏するメンバーとそれに応えるオーディエンスの姿を見ながら、素敵な関係性で支え合ってきたことを改めて強く感じた。
“巡り巡って描いた今日が誰かにそっと届きますように”。ここまでの歩みを刻み付け、10周年に向けてまた新たな一歩を踏み出せるように。いつも以上にエモーショナルな歌声と演奏で願いと決意を確認し合うと、感慨深げな表情で深々と一礼した3人はステージを降りた。
会場に鳴り響く拍手は、アンコールを求める手拍子へと変化していく。
ほどなくしてステージに登場したのは、渋谷の街並みを描いた可愛らしいデザインの周年Tシャツに着替えた白と野中。ふたりによる物販紹介のコーナーを挟み、芥も加えて9周年について暫しのフリートーク。
習い事を9年続けたら全国大会に行けるのではないかという話の流れから、“Chantyが全国大会を目指すとしたら何の種目か?”を考え始めたメンバー達。芥が「コミュニケーション。」と答えを出せば、「予選敗退ですね、それは・・・(笑)。」と白が即答。「何年やっても予選敗退でしょ・・・(笑)。」と野中が追い打ちをかけ、テンポの良いやり取りで笑いを誘うと場内はアットホームな空気に包まれた。
「今日からChantyは10周年イヤーに突入します!これもひとえに皆様のおかげです、ありがとうございます!集まってくれたおまえたちにも、配信を観てお留守番してくれている人達にも、もっと届けられるようなバンドになりたいと思っていますので今後ともよろしくお願いします!」
改めて宣言しお礼を伝えると、穏やかな口調ながら真剣な瞳の芥がひとつの重大な決意を話し始めた。
「Chantyが3人体制になってから、今日サポートしてくれているなっちさんはじめ色々な人が僕らに力を貸してくれて。そういう環境の中で、今日この日に辿り着くのに“僕らは本当に挑めていたのか?”と頭の中にしこりになって残っているところがあります。元々は5人体制で始まって、4人体制になって、今の3人体制になって。たぶん、頭のどこかには言い訳があったし、“今はベストな状態でないのでは”とか“今の状態で夢が見られるのか”とか、特にここ半年間は凄く考えたりもしました。もしかしたら、そういう姿が皆に伝わってしまっていた時もあるかもしれません。考えに考え抜いて、僕らChantyは来年9月、O-WESTでの周年公演を一旦お休みして、自身最大のキャパを目指して活動していきます。さっきも言ったけれど、“続けよう”という気持ちだけで続けていたらたぶんこれから先も続けられないと思うから、もっと上を見て、改めて気を引き締めて歩いていきますので、今後ともChantyをどうぞよろしくお願いします。」胸の内を言葉にして頭を下げる彼らを、あたたかい拍手が包み込んだ。
「ずっと夢を見続けていたいから、この曲を届けたいと思います。『スライドショー』。」
以前のインタビューで芥は「自分の中の不安を純度100%で表現した歌詞。常に何かが終わる事に対する不安を抱いているし、ファンの人達がどう感じてどう見てくれているのかもわからないし、去る時に『さようなら』なんて言ってもらえないから。」と話していた。
繋いでいるのは“言葉”という不確かなものでしかなくて、目に見える確信があるわけではないからこそ感じてしまう不安。それは、きっとバンドとファンがお互いに対する愛情と共に常に抱いている感情なのだと思う。先程のMCを経て届けられた今日の演奏からはステージ上のメンバー達の想いがひしひしと伝わり、3人による決意表明のようにも感じられた。
じっくりと聴き入っていたフロアに再度燃料を投下するべく始まった『無限ループ』で視界一面にタオルが回ると、緩急をつけたギターを響かせ魅了した白も縦横無尽のステージングでフロアを巻き込んでいく野中も“楽しくてたまらない!”という表情を見せ、バンドとオーディエンスが触発し合って最高潮へと達していく。
『パッチワーク』のリズミカル且つテクニカルなサウンドに合わせてジャンプし揺れたフロアを愛しげに見まわした芥の「僕達が生きていられるのは、あなた達がいるからだと思っています。」という言葉と共に届けられた『フライト』。
“いつも悲しみだらけのこの街で 答えをくれたのはあなたでした 生きる意味さえなくしかけた時 ずっとそばにいてくれたから”。集まった1人1人と目を合わせるようにして歌う芥も、歌詞を口ずさみながら演奏する白と野中も、今この瞬間を噛みしめるように幸せそうな表情を浮かべている。
「次が最後の曲になります。今日しかない“色”を一緒に作ってくれてありがとう。これからも、僕らにしかない色を作っていきましょう。」
温かくて優しい時間の中、ラストに選ばれたのは『パレット』だった。
Chantyに“白色”のイメージを強く持っている人は、今でも多いのではないだろうか。よく“白は何にでも染まる色、黒は何にも染まらない色”なんて言葉を耳にするけれど、私は“どんな色とも混ざり合って新たな色を生み出せる白、そして黒にだってなれる白”は、あらゆる要素を取り込んで進化できる柔軟性と強さを持った色だと思っている。
9年間、Chantyは変わらぬ自身の“白”を基にたくさんの色を生み出してきたし、これからもまだ見ぬ色で描き続けてくれることだろう。
「どうもありがとうございました、Chantyでした!」演奏を終えたメンバーが一列に並ぶと、芥が口を開く。
「さっきのMC、来年の9月に関してまだ会場とかも未確定な状態で話してしまったけれど、そういう気持ちで進んで行くと見せておきたかった。信じてついてきてください、よろしくお願いします。」丁寧に付け加えられた言葉に再度大きな拍手が送られる。
フロアを見渡し「帰りたくなくなってしまうね。」と笑い合うと、「でも、10年が向こうで待っているから歩いて行かなきゃ。改めて、今日はありがとうございました。また必ず会いましょう。」と前を向き、最後は10周年を掴み取るべく「Chanty、めざせ10周年!」と全員でジャンプをして締め括り、9周年は笑顔で幕を下ろした。
「当たり前にそばに居られるバンドになりたい。」
常々メンバー達が口にしている言葉通り、1人でも多くの人のもとにChantyの音楽を届けるため、そしてChantyを愛してくれる人達を1人残らず迎えに行くため、彼らは進んで行く。
実験的要素を含んだイノベーション風ワンマン公演シリーズ“騒々しい想像”や、ベルとDevelop One’s Facultiesという同じシーンで切磋琢磨する盟友達との3MANツアー“二進化十進法”など、この先のスケジュールも盛り沢山だ。
どうか、大きな挑戦へと向けて走り出したChantyから目を離さないで欲しい。
そして、2023年9月。
10周年を迎えたその時、Chantyはどんな色彩で世界を彩っているだろうか。
メンバーが去った場内に流れる『シロクロのメロディー』とダブルアンコールを求めるオーディエンスの鳴り止まない拍手を聞きながら、彼らの未来に期待を募らせずにはいられない夜だった。
文:富岡 美都(Squeeze Spirits)
2022年10月03日 (月)
【ライヴレポート】<Psycho le Cemu Major debut 20th Anniversary Live RESISTANCE~もう一度、くちづけを~>2022年10月2日(日)新宿BLAZE◆たくさんの祝福と笑顔に満ちた一夜──。
REPORT - 18:00:582002年10月2日、Psycho le Cémuが「愛の唄」でメジャーデビューを果たした。デビュー曲はオリコン10位にランクイン、次々に話題のテレビ番組に出演するなど、人気と知名度を急上昇させた。その後、活動休止など山あり谷ありの活動を経て、デビューから20周年の2022年10月2日、新宿BLAZEで「Major debut 20th Anniversary Live RESISTANCE~もう一度、くちづけを~ 」を迎えた。たくさんの祝福と笑顔(プラス笑いも)に満ちた一夜の模様をお届けする。
メジャーデビュー20周年の当日リリースされたデジタルシングル「もう一度、くちづけを」でライヴは幕を明けた。20年の歳月を経て、年齢を重ねた現在の彼らの「愛の唄」とも言えるラヴソングは、ラテンのリズムに乗せた大人なムードでいっぱいだ。スーツを基調とした、彼らにしてはかなりシックな衣装に身を包んだメンバーの表情からは、強い気合いがうかがえる。
激しいヘドバンが繰り広げられた「インドラの矢」に続き、そのままの勢いで「銀狼」といった、メジャーファーストアルバム『FRONTIERS』収録曲を織り交ぜつつ、ライヴは進行。同じく『FRONTIERS』収録の「一億のパルチザン」は、YURAサマのドラムソロからseekのベースが加わり、それぞれの見せ場たっぷりにスリリングに始まった。経験を積んだメンバーから繰り出されるプレイによって、楽曲のカッコよさに磨きがかけられている。
20周年記念日の今日を特別な思いで迎えたのは、メンバーだけでなくファンも同様だった。ファンの手につけられたメンバーカラーのサイリウムがフロアを飾るのは、彼らのライヴにはおなじみの光景だが、その数が今日は一段と多く感じるほど、ソールドアウトしたフロアをカラフルな光が彩っていた。さらに、デビュー当時のうちわを持参してきたファンの姿も。紙で作られているうちわを20年間保存し続けてきたことに対し、笑いを交えて茶化していたseekだが、その声は明らかに喜びにあふれていた。
AYAの「オッハー!」から始まったMCは、メンバーそれぞれの20年間の変化を振り返る内容。20年という決して短くはない歳月には、さまざまな変化があった。そのうえで、この記念日を迎えることができたのは、メンバーとファンのPsycho le Cémuを愛する強い思いゆえだ。
瞬く星空のような美しい照明の光のもと、DAISHIの歌声が響き渡り、「この星に願いを…」が始まる。DAISHIの歌が、星に込めた切なる願いをまっすぐに届けてくれた。星空を模した照明の演出がとても美しい印象を残したが、現在のコンセプトである“RESISTANCE”の世界では雨が降り続いていたはず…? 11月2日からのツアーで物語の展開を見届けたい。
「そろそろぶち上げて行くぜ!」とseekが吠え、「まだまだ跳べるか」とLidaが煽ったところで、「one day」。ステージからあふれ出す荒々しい熱気が会場全体に広がっていく。熱いパフォーマンスの一方で、AYAはプレイに集中し、ギタリストとしての本分を全うする姿勢が目を引いた。
本編最後を飾ったのは「アカツキ」。コロナ禍でも前へ進み続けることを宣言したこの歌が、メジャーデビュー20周年の今夜、文字通り「もう一度行こうぜ」と高らかに響く。ここからまた彼らは前へと力強く進み続けるのだ。DAISHIの歌に込められたそんな思いが、真実味を帯びて耳に届いた。
アンコールに登場したメンバーはすっかりリラックスムード。自由にMCに興じているところから、終演時にステージからハケる順番を揉め始め、結局ジャンケン(!)で決めることに。が、5人ともチョキを出すというミラクル発生。メンバー5人の仲の良さに会場は爆笑に包まれた。
この特別な夜の最後を飾るのは、もちろん20年前の今日発売されたデビュー曲「愛の唄」。DAISHIの歌声からゆったりと始まり、楽器の音とともに大きく広がり、会場を包み込んでいく。そしてだんだんスピードを上げるさまは強い愛そのもの。力強く温かい愛が会場に満ちる光景は、美しく感動的でさえあった。
その幕切れに、とびきりの笑いを添えてくれたのはDAISHI。5人一緒にステージをハケようと決めたはずが、先頭を切ってソデへと去ったものだから、seekが慌てて追いかける。カッコよく終わらず笑いに包まれたのも、Psycho le Cémuらしいのかも。
最後に、YURAサマが、30周年、40周年をめざしていくと口にしたが、それは彼らにとって必然なのだろう。なぜなら、彼らは愛を届けるバンドだからだ。どれだけ時間が経っても年を重ねても、人は誰も愛なしに生きられない。Psycho le Cémuを愛し続けるファンに、彼らはきっと惜しみない愛を届け続けるだろう。そんな風に愛が交わされる温かい世界が、もっともっと広がることを期待したい。
文:村山幸
写真:青木早霞
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<リリース>
★2022.10.02 Digital Release
Digital Single「もう一度、くちづけを」
作詞・作曲:seek 編曲: Psycho le Cému
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「もう一度、くちづけを」
https://m.youtube.com/watch?v=CE5Iy4qGiv0
配信はこちらから
https://umj.lnk.to/Mouichido_Kuchizukewo
Major debut 20th Anniversary Mini Album
「もう一度、くちづけを」
2022.11.02 Release
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POCS-1899 ¥2,000(税込価格)¥1,819(税抜価格)
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メジャーデビュー20周年記念配信シングル「もう一度、くちづけを」と2022年5月3日のLINE CUBE SHIBUYAのライブ音源収録!
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<収録曲>
01「もう一度、くちづけを」 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
02「アカツキ(ライヴ)」 作詞:Lida 作曲:Lida 編曲:Psycho le Cému
03「2020(ライヴ)」 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
04「蒼い星(ライヴ)」 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
05「one day(ライヴ)」 作詞:seek 作曲:AYA 編曲:Psycho le Cému
06「哀の雨(ライヴ)」 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
07「ファイティング!(ライヴ)」 作詞:AYA 作曲:AYA 編曲:yorke.yamamoto
(03、04は 編曲with Hajime Okano)
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※ご購入は全国のCDショップまたはWEB ショップで
Universal Music Store
https://store.universal-music.co.jp/product/pocs1899/
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<TOUR>
■Psycho le Cému RESISTANCE~君がいる世界~
Day1 少年の右目 / Day2 少女の左目
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11月2日(水)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 開場18:00/開演18:30
11月3日(木・祝)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 開場15:30/開演16:00
11月12日(土)柏PALOOZA 開場17:00/開演17:30
11月13日(日)柏PALOOZA 開場15:30/開演16:00
11月22日(火)新横浜NEW SIDE BEACH!! 開場18:00/開演18:30
11月23日(水・祝)新横浜NEW SIDE BEACH!! 開場15:30/開演16:00
11月25日(金)浜松窓枠 開場18:00/開演18:30
11月26日(土)浜松窓枠 開場15:30/開演16:00
12月10日(土)OSAKA MUSE 開場17:00/開演17:30
12月11日(日)OSAKA MUSE 開場15:30/開演16:00
12月17日(土)名古屋ELL 開場17:00/開演17:30
12月18日(日)名古屋ELL 開場16:30/開演17:00
12月23日(金)Veats Shibuya 開場18:00/開演18:30
12月24日(土)Veats Shibuya 開場15:30/16:00
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前売 ¥8,800(ドリンク別)
一般発売:10月16日 10:00〜
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Official Site: https://psycholecemu.com
Official You Tube: https://www.youtube.com/user/PSYCHOLECEMUch/videos
Official Twitter:https://twitter.com/PLC_official
2022年10月02日 (日)
【ライヴレポート】<ν[NEU] 13thAnniversary ONEMAN「ファン感謝祭」>2022年10月1日(土)渋谷REX◆13周年記念ライブの第2弾は「ファン感謝祭」&ЯeIのバースデー!チケット完売の会場で「素敵な景色を見せてくれてありがとう」(ЯeI)
REPORT - 12:00:302022年10月1日、ν[NEU] 13thAnniversary ONEMAN「ファン感謝祭」が渋谷REXで開催!
ファンへの感謝を伝えるとともにЯeIの誕生日を祝うライブでもある今公演。ν[NEU]のホームといえるライブハウスのひとつ、渋谷REXでのライブだ。チケットは完売、フロアはこの日を楽しみに待っていたファンで満たされた。
ライブは「Lily」からスタート。「俺たちがファンに感謝しまくる日。今日の主役は来てくれたみんな!」とmitsu。もうひとりの主役であるЯeI は「今日は俺が誰よりも楽しもうと思っている」と宣言した。
この日のセトリは選曲、曲順ともにЯeIがひとりで考えたもの。セトリを知らされたメンバーは「ベストじゃん!」と大納得だったのだとか。確かに、どこを切り取っても盛り上がるしかない!というセトリだ。ヒィロ曰く「ЯeIさんの体に優しくないセトリ」であり、ファンにとっては最高に楽しい内容だった。
自他ともに「あの頃より今の方が歌が上手い」と認めるmitsuの歌唱は、懐かしい曲たちを当時とは一味違う曲にしていた。頑張って仕上げてきたと言っている彼らの演奏は、7月のライブ同様、不安に感じさせる点など何もなかった。
フロアが盛り上がりっぱなしなのはもちろん、ステージ上の彼らも終始楽しそう。MC中に次の曲のイントロが流れるというちょっとした機材トラブルもありつつ、タクミの“一番かっこいい言い方”で始まる「YES≒NO」や、「妄想する?」の応酬など、和気藹々としたやりとりが繰り広げられた。
MCでは武道館イベント後に開催された渋谷REXでのオールナイトライブの裏話など、当時を知るファンにとってはたまらないトークも飛び出した。また、バースデーケーキでお祝いするシーンもあり、ЯeIの生誕祭であることも忘れていない。
この日のライブはЯeIの「素敵な景色を見せてくれてありがとう」というメッセージで幕を閉じた。
ν[NEU] 13thAnniversary ONEMAN「ファン感謝祭」は残りあと2本、11月12日(土)と12月3日(土)に渋谷REXで開催される。どちらもメンバーのバースデー記念を兼ねたライブになる予定だ。懐かしくもあの頃とは一味違うν[NEU]に会いに来てほしい。
また、ν[NEU] ファン感謝祭の翌日にはソロで活動中のmitsuが渋谷REXにて無料ライブを開催。10月2日(日)、11月13日(日)、12月4日(日)の3公演を予定している。
こちらもお見逃しなく!
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【SET LIST】
1.Lily
2.スプラッシュ!
3.GoSick
4.RED EMOTION~希望~
5.カレイドスコープ
6.恋模様
7.ひとりじゃない
8.starting over
9.YES≒NO
10.in my secret…
11.LAB
12.妄想接吻
13.ピンクマーブル
14.The 25th Century Love
15.エンドロール
Text:板垣可奈子
Photo:Intetsu
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2022年10月1日(土) 渋谷REX
ν[NEU] 13thAnniversary ONEMAN「ファン感謝祭」
【出演】
ν[NEU]
【サポートメンバー】
Guitar:夢時(eStrial / HOLLOWGRAM)
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ν[NEU] Official Web Site