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2022年12月19日 (月)

【ライヴレポート】<Luv PARADE vs H.U.G>2022年12月17日(土)赤羽ReNY alpha◆「同じ時代を闘ってきた仲間たち」が集まった熱い夜──。

REPORT - 18:00:36

1217日、赤羽ReNY alphaにて『Luv PARADE vs H.U.G』が開催された。KaryuGt.)が主導する2組による2マンライブだ。Luv PARADEが再始動の狼煙として6月に行った主催イベント『DEVIL’S PARTY 2022』が初ライブとなった、Karyu Session BANDH.U.Gとして始動。そんなH.U.Gが今回、TAKEODr. PIERROT/Angelo)とNAOKIBa. FANTASISTAex Kagrra,)という強力なサポートメンバーを加え、初のバンド編成で出演することでも大きな注目が集まっていた。

先攻はH.U.G。ステージ後方のバックスクリーンに映像が流れ……の予定が、機材トラブルにより映像と音が流れず、ステージが明るくなったところで颯爽と5人が登場する。「イエー!!」とNAOKIが叫び、Karyuが轟音を掻き鳴らす。「さあ、はじめようかぁぁぁ!」とryoVo. HOLLOWGRAM)が叫ぶと、TAKEOのずっしりとしたリズムに乗せて重厚なリフが轟く。新曲「DON’T DOUBT」でライブはスタートした。鍵盤を弾き、振り翳した光るスティックを操り、生のビートに彩りを与えながらアンサンブルを扇動していく、マニピュレーター横山和俊。5人による完全バンド形態となった強靭なグルーヴがフロアを揺らす。そのままスペーシーな疾走感に溢れる「DROP」をドロップ。

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5人、初のバンド体制、H.U.Gになります、よろしくどうぞお願いします!」

ryoが威勢よく挨拶する。TAKEOが大きく振りかぶってリズムを打ち鳴らすと、ザクザクとKaryuがソリッドでヘヴィなリフを刻んでいく。そこに中低音の豊かな響きからファルセット、グロウルからホイッスルボイスまで、変幻自在の声色を艶めく怪しく操っていくryo。「熾 -OKI-」から「Marry of the blood」の不穏な流れに圧倒される。エレクトロビートに乗せた「Flash dancers」。キャッチーなメロディに合わせて、フロアから多くの手が上げられた。

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ryoがメンバーを1人ひとり紹介、さらに3月に渋谷・Spotify O-WESTでショーケースワンマンライブを開催することを告げると、フロアから喜びの拍手が巻き起こった。「ワンマンに向けて目標ができたので、新曲を作らなければいけません。そして、新しい新曲を持ってきたので」と新曲「LOVE THAT NEVER KNOWS」を披露。昨今の世界情勢を踏まえ、逃げ場がない人のための愛の歌だという同曲。無機的で退廃的な雰囲気が差配しながらも、ゆっくりと躍動していくメロディが印象的。戦場を表す映像がバックスクーンに流れる中、エモーショナルにryoが歌い上げ、その声に合わせてオーディエンスの無数の手がゆらめくように大きく揺れ動いた。

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堰を切ったようにTAKEOのドラミングが暴発すると、「騒いでください!」ryoがシャウトする。「HUG」のけたたましい轟音で、会場の熱はこれでもかというほどにヒートアップしていく。

「この曲を聴いてお別れします。ラストソング、心に響きますように、「HEART」」

ryoがバシッとキメたものの、鳴るはずのシーケンスが流れない。「今日は魔物が……」またもや機材トラブルに見舞われたようだ。横山の音を外に送るオーディオインターフェイスの電源が切れてしまったという。これにはさすがの横山も「こんなことあるんだねぇ」と驚きを隠せない様子。「みんなが盛り上がってくれたから、一緒にハメ外しちゃたんじゃない?」とryoKaryuがおもむろにリフを弾き出すと、TAKEONAOKIもそこにビートを合わせていく。さらにryoが歌声を重ね、H.U.Gの即興セッションが始まる。そうしたバンドらしい場面もドラムとベースがいる編成だからこそ。横山の機材復帰を確認すると、「324日、Spotify O-WESTでお会いしましょう」と気を取りなして「HEART」を披露。大雨のように降り注ぐ轟音と、大きな優しさの中に凛とした強さを感じるryoの歌声が場内いっぱいに響き、H.U.Gのステージは終わった。

デジタルなビートに合わせて、全身黒で固めたTSUKASADr.)、ZEROBa.)、KaryuGt.)の3人が現れ、それぞれが持ち場につく。最後に漆黒の羽根を纏い、レースアイマスクをつけた、ゲストボーカルのTAKAVo.)が悠然と登場し、Luv PARADEのライブがスタート。怪しく鳴り出したシーケンスに合わせて、TAKAが歌い出したのは、ビリー・アイリッシュの「BAD GUY」だ。同曲の無国籍な雰囲気とタイトなリズムが交錯していき、TAKAが妖艶に歌い上げる。けたたましく打ち鳴らさせる、ラストのヘヴィないななきに息を呑む。続く、エレクトロに咲き乱れるブリトニー・スピアーズ「Toxic」といい、海外の女性ボーカルのポップミュージックのカバーは、Luv PARADEの得意とするところだが、マニアライクではなく、あえてメインストリームの楽曲を選んでいるところにLuv PARADEのアイデンティティを感じ、ダークでヘヴィなサウンドを響かせようとも、キャッチー性を忘れていないという、彼ららしいロックバンドとしての矜持を垣間見る。

Luv PARADEに身を委ねて、楽しんで帰ってください!」

スペーシーなシンセに包まれるように始まったのはレディー・ガガの「Poker Face」。ニューウェイヴとインダストリアルがクロスオーバーしていく様相は見事で、各メンバーのタイム感とそこから生まれるバンドのグルーヴが心地よい。熟練味と貫禄を感じるアンサンブルで魅了していく。そしてTAKAのボーカルだ。天鵞絨のような滑らかさ、ふくよかな低音から伸びやかな高音の蠱惑的な歌声に会場は酔いしれた。

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異国情緒漂う旋律が走るD’ESPAIRS RAYDEVIL’S PARADE」でフロアの熱を一気に掌握すると、神秘的な響きに包まれる。TSUKASAが乱れ打ち、ZEROがメロディアスなパッセージを重ねていく。たっぷりとしたブレスからTAKAが歌いだしたのは、なんとビョークの「HYPER BALLAD」。印象的なメロディを追随するKaryuのオブリガード。オリジナル強度の高い同曲をLuv PARADE流に昇華している様に驚愕。アレンジの技量と演奏力、TAKAの歌唱力、そのスキルと貪欲な音楽探究に感服した一幕だった。

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6月に初めてライブをやって、9月にDEVIL’S PARTYやりましたけど、今日は2マンライブということでいつも以上に気合いを入れて参りました、Luv PARADEです!」

大きな拍手に包まれる中、「もっとちょうだい」と煽っていくTAKAが、東名阪ワンマンツアー『Tour PANDEMONIUM』の決定を告知すると、フロアから思わず歓喜の声が漏れる。

「マニア(D’ESPAIRSRAYファンの呼称)いるかー!!」の煽りで始まった後半戦。グラマラスなダンスチューン、D’ESPAIRSRAYLOVE IS DEAD」、ヘヴィリフと解放的なサビが襲い掛かる、the UnderneathBITE THE BULLET」と、楽器3人とTAKAの絆を確かめるアッパーなナンバーを畳みかけ、会場のボルテージは最高潮に達する。ラストはD’ESPAIRSRAYMIRROR」。インダストリアルなリズムに合わせてフロント3人が右へ左へとステージ上を縦横無尽に動き回る。ゲストボーカルであるとか、そんなことを感じさせない一体となったアグレッシヴなロックバンドのステージを魅せつけ、4人はステージを降りた。

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アンコールでは、Y2Kリバイバルと共に注目を浴びているアヴリル・ラヴィーン「sk8er boi」を披露。ノリのよいストレートなポップパンクナンバーを、16ビートやブレイクで緩急自在のアンサンブルアレンジに仕上げた妙たる業。本当にどんな音楽であっても、この4人が演奏すればLuv PARADEになることをまざまざと知らしめた。

「初の2マンライブということでセッションなんてしてみようかな?」TAKAの呼び込みでH.U.Gryoがステージに呼び込まれると、横山がケーキを持って登場。今月7日に誕生日を迎えたというKaryuへのバースデーサプライズだ。「こうやって活動できてるのもみなさんのおかげです、ありがとうございます」と、Karyuが感謝の意を述べると、最後の最後にD’ESPAIRSRAYDEATH POINT」が届けられる。TAKAryoの咆哮がせめぎ合い、TSUKASAZEROが重心の低いグルーヴが猛り、前屈みでモニターに足をかける臨戦態勢のKaryuが分厚いディストーションの壁を作っていく。獰猛で美しい重低音を轟かせ、ライブは大団円を迎えた。

TAKAの言葉を借りれば「同じ時代を闘ってきた仲間たち」が集まった熱い夜は終わった。両バンドのサウンドの要であるKaryuが、それぞれのバンドメンバーと別のベクトルで取り組んでいることがありありとわかる2マンであった。両バンドの次の展開も発表され、ますます期待は高まるばかりだ。

(冬将軍)

Photo : 岡本 麻衣(ODD JOB LTD.)

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<セットリスト>

●H.U.G

01. DON’T DOUBT

02. DROP

03. -OKI-

04. Marry of the bloodD’ESPAIRSRAY

05. Flash dancersTAG

06. LOVE THAT NEVER ENDS

07. HUG

08. HEART

●Luv PARADE

01. BAD GUYBillie Eilish

02. ToxicBritney Spears

03. Poker FaceLady Gaga

04. DEVILS’ PARADED’ESPAIRSRAY

05. Hyper BalladBjork

06. LOVE IS DEADD’ESPAIRSRAY

07. BITE THE BULLETthe Underneath

08. MIRRORD’ESPAIRSRAY

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アーカイブ配信中!!

Luv PARADE vs H.U.G STREAMING

ACT:

Luv PARADE [ゲストヴォーカル・TAKA(from defspiral)]

H.U.G [サポートメンバー・Bass NAOKI(FANTASISTA/ex Kagrra,)/Dr.TAKEO(PIERROT/Angelo)]

購入・視聴ページ:

https://parade.zaiko.io/e/akabane1217

配信チケット料金:¥4,000(税込)

チケット販売:~2023年1月16日(月)19:59

アーカイブ視聴期間(最長): 2023年1月16日(月)23:59まで

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Luv PARADE 初の東名阪TOUR

Luv PARADE Tour PANDEMONIUM

★来場者特典:終演後、来場者を対象に特製ミニポスターへのサイン会実施

ゲストヴォーカル:TAKAdefspiral

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202333() OSAKA MUSE

202335()名古屋 SPADE BOX

202338() duo MUSIC EXCHANGE

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スタンディング:7,000(税込/D)

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チケット

Luv PARADEKaryu FC同時先行(抽選)

1228()12:00110()23:59

<一般発売(先着)
128() 10:00

Luv PARADE OFFICIAL SITE

https://parade.bitfan.id

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H.U.G待望の1stワンマンライブが決定!
H.U.G 1st Showcase One-Man Live
SHOWCASE01

2023324日(金)
渋谷Spotify O-WEST

詳細は後日発表いたします。
FC先行販売は20231月を予定しております。

H.U.G OFFICIAL SITE
https://hug.bitfan.id/


2022年12月16日 (金)

【ライブレポート】<ν[NEU] 13th Anniversary ONEMAN 2022「ファン感謝祭~ヒィロ&タクミbirthday~」>2022年12月3日(土)渋谷REX◆枝分かれした道の先にあった、交わる運命。「ν[NEU]は、希望でなければいけない」

REPORT - 22:00:34

 ν[NEU] 13th Anniversary ONEMAN 2022「ファン感謝祭~ヒィロ&タクミbirthday~」が123日、渋谷REXにて開催された。

 

12月〉というのは、ν[NEU]νフリーク(ファン)にとってたくさんの〈きっかけ〉を生んだ、ある意味運命の月とも言える。昨年1211日、縁のあるライブハウスの閉店を受けて再びメンバーがν[NEU]としてステージに立ち、それを機に1年間限定復活の活動がスタートした。思えば2014年に解散をしたのも、その5年後に現メンバーでの活動開始から10年というタイミングで1年間のみバンド活動を再開することを発表したのも(※この時発表した事柄はコロナ禍で実施を断念)、そしてここでお伝えするライブにて「また、いつか」と再び幕を閉じたのも、12月だ。

 

一度、解散の道を選んだバンドが再び時を動かすことは、容易ではない。現にν[NEU]も、メンバーは〈今の生き方〉としてそれぞれの道を歩いているし、華遊(G)のポジションにギタリスト2人が兄貴と慕う夢時を迎えてステージに立つことを決断した背景があったことを踏まえると、例外ではなかったはずだ。しかし、かねてより〈希望〉をテーマに活動していた彼らが一度は違う道を歩み、時を重ね、それぞれの人生を充実さた上で〈出会って良かった〉と言える仲間としてステージから伝えてきたそれは、当時とは比べ物にならないほど明確な希望のメッセージだった。

それもそのはず。mitsuVo)は音楽の道を究め、タクミ(G),ヒィロ(Ba),ЯeiDr)は音楽以外の道で自分のやるべき事を全うし、ステージで再会することが叶わなかった華遊の気持ちもしっかりとそこにはあった。そんなメンバーがν[NEU]という共通認識の元に再び集結し、言わばアベンジャーズたちが見せるようなライブだ、最強以外の何物でもない。

 

1年間限定復活を締めくくるこの日のライブは、徐々に開いていく幕の向こうに堂々たる板付きの状態でメンバーが登場し、「Lily」から幕を開けた。光に憧れて進んでいく思いは、「The 25th Century Love」で目の前に広がる〈キラリンパ〉の輝かしい景色として具現化され、アグレッシブに「アマオト」へと一気に駆け抜けた。

 

「今日は2人(タクミ・ヒィロ)の誕生日であり、νフリークへの感謝祭でもあり、活動再開し始めてからの最後のライブとなります。どうかどうか、思い残しが無いように僕らもみんなも楽しんでいきましょう」――mitsu

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 この「ファン感謝祭」は7月と10月にも行われ、それぞれメンバーの誕生日のタイミングに合わせて行われていた。その理由は、ライブ毎に〈今回が最後かもしれない〉と感傷的になるのを払拭するために、楽しみを交えたかったからだという。合わせて、誕生日のメンバーがセットリストを決めることが恒例となっており、この日はヒィロが担当。〈まだやっていなかった曲〉と「LUNA」をせつなくも上品に聴かせると、「RED EMOTION~希望~」では照明によって赤く染まるステージで優しくも情熱に満ちた想いを届けた。笑える明日が来るからmitsuとヒィロが微笑み合った瞬間に、ふと思い出したことがある。一度目に活動を再開させようとメンバーが集まった時、初めて合わせたのがこの曲だったというエピソードだ。彼らにとってはメジャー・デビュー曲という大切なターニングポイントを担った曲でもあり、時が経っても各々が自分にとってのを掴むために意志を持って生きている強さを物語る大切な曲なのだろう。

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たくさんのハートが掲げられた「恋模様」に続き、〈年を重ねていく中でその時あった事とか思いとか人とか、そういう事をギュッと詰め込んだ作品を作っていたので、今の自分達と重ねながら歌わせてもらいました〉と語ったmitsuの言葉通り、「APOLLON」は今の状況にリンクする部分も感じられた。そして、ヒィロの〈イントロで咲いてください〉という要望に応えた場内の様子も手伝って華やかにベースがイントロを飾った「E.Y.E」がムーディーな空気を醸し出すと、「YESNO」では〇・×をサインしながらジャンプするアップテンポにシフト。そのテンションは、自らケーキを持って登場したヒィロとタクミのバースデーを祝う朗らかな一幕へと続いた。

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ラストスパートは、ν[NEU]王道と言うべき怒涛の展開が待っていた。まずは、ヒィロが強く希望していたという「New World」。バンドを通して抱く不屈な抒情詩は、ν[NEU]というバンドの根源を表すテーマソングのようでもある。それを戦友とも言えるメンバーとファンと分かち合えるという日が来るなんて、誰が想像出来ただろう……。さらに、「妄想する?」で可愛らしく沸かせた「妄想接吻」に続いた「ピンクマーブル」では、言わずもがなフルボルテージへ。このシーンにおいて、キレキレのエンターテイナーとしての金字塔を築いたと言っても過言ではないmitsuが先導する唯一無二のテクノテイストのパワフルさが、「エンドロール」で必ずまた逢えるから 今は笑ってと笑顔でメッセージするのに相応しい空気を生み出していた。そして、たくさんの〈ありがとう〉が詰まった、ミラーボールとキラリンパのまばゆい光の中で届けられた「スプラッシュ!」。メンバーの目には輝くものが覗け、mitsuはこみ上げる思いさえも声に乗せて今の彼だからこそある包容力という強さを持って歌い切った。

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ν[NEU]は、希望でなければいけない」――mitsu

 

ラストを飾った「ひとりじゃない」の演奏前に核心を突いた言葉を添えて、前を向いてこの先を歩んでいく皆が心強い呪文のように〈ひとりじゃない〉という言葉を噛みしめることが出来たエンディング。枝分かれした11人の人生を充実させていたからこそ、今回のようにその道が交わる可能性が生まれた。またいつかそこで起こる奇跡的なドラマを楽しみに、この瞬間からまたそれぞれの道を生きていこう。メンバーがそうであるように、私たちも。

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Photo
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Text:平井綾子

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ν[NEU] 13th Anniversary ONEMAN 2022

「ファン感謝祭~ヒィロ&タクミbirthday~」

2022123() 渋谷REX

 

セットリスト

 

1.Lily

2.The 25th Century Love

3.アマオト

4.LUNA

5.RED EMOTION~希望~

6.恋模様

7.APOLLON

8.E.Y.E

9.YESNO

10.New World

11.妄想接吻

12.ピンクマーブル

13.エンドロール

14.スプラッシュ!

15.ひとりじゃない

 

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https://neu-official.com/

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2022年12月14日 (水)

【ライヴレポート】<マオ from SID「X’mas Premium Live 2022」>2022年12月10日(土)大手町三井ホール◆「みんなに楽しんでもらえるようにワクワクしながら考えた」というセットリストであらわになったのは、変わらぬ表現欲と、さらなる進化を遂げた豊かな表現力──。

REPORT - 20:00:18

シドのヴォーカリスト・マオが、マオ from SIDとして「X’mas Premium Live」を2年振りに開催。
2022年12月10日、東京・大手町三井ホールにて行われた2公演のうち、<1st SHOW>の模様をお伝えする。

コンディション不良のため、2021年11月よりバンドとしてもソロとしてもライブ活動を休止していたマオ。
2022年9月にファンクラブ会員限定の「マオ Trial Live 〜再唱〜」を行ってはいたものの、本格復帰にあたり少しばかり案じていたが、結論から言えばまったくの杞憂だった。
「みんなに楽しんでもらえるようにワクワクしながら考えた」というセットリストであらわになったのは、変わらぬ表現欲と、さらなる進化を遂げた豊かな表現力だ。

ステージカーテンを照らす赤と緑の光、ステージ脇に飾られた白いツリーがクリスマスムードを高める中、バンドメンバーに続いて、ショートジャケットに細身のパンツを合わせた紳士コーデがよく似合うマオが登場。
客席に向かって手を振りながら、「座るの? 立たないの? ライブだよ?」と笑顔で呼びかけた1曲目は、「chandelier」だ。
バンドマスター&キーボードのnishi-ken、ギターの山口隆志、ベースの須長和広、ドラムのMomoko、サックスの佐藤公彦、バイオリンの門脇大輔、マニピュレーターの谷本健治が織り成す華やかで奥行きのあるバンドサウンドに心地よさそうに身を委ねるマオの歌声は、実に伸びやか。

7.22_m_omh_0620s_nishi-ken(Key)

8.22_m_omh_0184s_山口隆志(G)

9.22_m_omh_1253s_須長和広(B)

10.22_m_omh_1243s_Momoko(Dr)

11.22_m_omh_1309s_佐藤公彦(Sax)

12.22_m_omh_1275s_門脇大輔(Vio)

 

昭和歌謡テイストに映える艶っぽい歌声でドキっとさせた「Closet」。
離れてしまう二人、それでも相手を想い続けてしまう哀しい恋心があまりにも切ない「頬づえ」「違う果実」。
ダンサブルなリズムがオーディエンスのクラップを呼んだ「rule」。
マオとnishi-kenが見つめ合って声をそろえる“YEAH!”もばっちりきまった「朝帰り」。
幻想感漂うバンドサウンド、ファルセットやビブラートも交えた繊細な歌声で深い世界へといざなった「深海」。
恋する純真を真っ直ぐに届ける歌声とサックスの音色が好相性だった「最後の恋」。色彩さまざまな情景や感情を、言葉で歌声で鮮やかに描き出していくのがマオだ。

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オーディエンスと一緒に大きく手を振ったり、佐藤と隣り合って一緒にステップを踏んだりした「サヨナララスト」で弾みをつけ、ステージ後方の緞帳が上がりきらめく夜景を背に歌うこととなったのは「不埒な体温」。
nishi-kenの叩くタンバリン、山口の歪んだギター、リズム隊の生むグルーヴに呼応するように、幾度となくシャウトしたり、華麗にターンしたり、ジャケットをはだけたり、ラストは巻き舌になったり。
ロックでエモーショナルなマオにつられて、オーディエンスの熱量、一体感も最高潮に。

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ファンへの感謝と2023年に向けての頼もしい意気込みを語り、「最後に大切な曲を届けます」と前置きしたのは、<一緒に色褪せていこう>と誓う「月」だ。
バイオリンの奏でと美しく重なる、包容力ある歌声。何度聴いても胸が震えるラストのロングトーン、その余韻にいつまでも浸っていたかった。

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何度も「楽しい!」と顔をほころばせ、ステージに立つ喜びを噛みしめたマオがくれた、歌声という至高のクリスマスプレゼント。幸せで満たされた心は、しばらく温かい。

なお、前回のクリスマスライブに引き続き、世界の子供たちを支援するため、「未来サンタプロジェクト」と称し公演収益金の一部は『国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン』に寄付されるとのこと。
多くの人々の心に希望の火を灯してくれるマオの歌声と想いは、世界の子供たちの未来をも明るく照らしていく。

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2023年1月21日&22日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催の「ID-S限定 SID LIVE 2023 ~Re:Dreamer~」で、結成20周年の幕開けを飾るシド。
さらに、マオ from SIDとしては2月10日に甘いラブソングを中心とした「Premium Quartet Live ~Sweet Day~」を、3月3日に切ないナンバーを中心とした「Premium Jazz Live ~Bitter Day~」を、同じく東京・品川教会グローリア・チャペルにて行う。
マオの歌声が高らかに響く2023年、きっといい年になる。

なお、このライブレポートの完全版はマオ オフィシャルファンクラブ「Mao’s Room」にて公開。
未公開写真も掲載しているので、こちらも併せてチェックしていただきたい。

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写真◎石川 浩章
文◎杉江 優花

 

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X’mas Premium Live 2022
2022年12月10日(土)@大手町三井ホール <1st SHOW>
SETLIST

01. chandelier
02. Closet
03. 頬づえ
04. 違う果実
05. rule
06. 朝帰り
07. 深海
08. 最後の恋
09. サヨナララスト
10. 不埒な体温
11. 月

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<ライブ情報>

■Premium Quartet Live ~Sweet Day~
2023年2月10日(金) 品川教会グローリア・チャペル
<1st SHOW> OPEN 15:00 / START 15:30 ~Mao’s Room会員限定~
<2nd SHOW> OPEN 18:30 / START 19:00
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<参加ミュージシャン>
Piano&Bandmaster nishi-ken
Guitar 木島靖夫
1st Violin 門脇大輔
2nd Violin 山本大将
Viola 大嶋世菜
Cello 関口将史
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【チケット料金】
全席指定 ¥10,000(税込)
※特製シルエットグラスキャンドル(Sweet ver.)付き
※未就学児童入場不可

【Fanicon「Mao’s Room」会員2次受付】 ※1st SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
入会はコチラ https://fanicon.net/fancommunities/889

【ID-S BASIC先行予約】 ※2nd SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
※2022年12月14日(水)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
入会はコチラ https://sid-web.info/fanclub

【SID MOBILE先行予約】 ※2nd SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
入会はコチラ https://sp.sid-mobile.com/pc/index.html

詳細はコチラ https://www.maofromsid.com/live20230210.php

 

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■Premium Jazz Live ~Bitter Day~
2023年3月3日(金) 品川教会グローリア・チャペル
<1st SHOW> OPEN 15:00 / START 15:30 ~Mao’s Room会員限定~
<2nd SHOW> OPEN 18:30 / START 19:00

<参加ミュージシャン>
Piano&Bandmaster nishi-ken
Guitar 木島靖夫
Bass 須長和広
Drums Momoko

【チケット料金】
全席指定 ¥10,000(税込)
※特製シルエットグラスキャンドル(Bitter ver.)付き
※未就学児童入場不可

【Fanicon「Mao’s Room」会員2次受付】 ※1st SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
入会はコチラ https://fanicon.net/fancommunities/889

【ID-S BASIC先行予約】 ※2nd SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
※2022年12月14日(水)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
入会はコチラ https://sid-web.info/fanclub

【SID MOBILE先行予約】 ※2nd SHOWのみ
受付期間 2022年12月16日(金) 18:00~12月20日(火) 23:00
入会はコチラ https://sp.sid-mobile.com/pc/index.html

詳細はコチラ https://www.maofromsid.com/live20230303.php

 

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