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2023年01月14日 (土)

【ライヴレポート】<1st Anniversary逹瑯ONE-MAN SHOW『Kitchen Guys 1st Kitchen Party』>2023年1月8日(日)神奈川・CLUB CITTA’◆1周年アニバーサリーライヴで体現した新世界「行けるところまで!」3月15日にはニューシングル「残刻」のリリースを発表!

REPORT - 18:00:55

結成25周年を迎えたロックバンドMUCCの逹瑯が20231月8日、神奈川・CLUB CITTA’にて1st Anniversary逹瑯ONE-MAN SHOWKitchen Guys 1st Kitchen Party』」を行なった。

本公演は、2022年にソロデビューした逹瑯の1周年を記念したアニバーサリーライヴ。

ゲストヴォーカリストにガラ(メリー)を迎え、最新シングル「エンドロール」を含む全19曲を披露した。

 

「逹瑯がソロで展開する新境地は、極めて深い高揚感に満たされるもの」。

そう感じたのは、2022年に行われた初のソロ名義ライヴツアー「First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』」ファイナル公演だった。

あれから約1年。“新境地”という深みと高みを体現した逹瑯の1stアニバーサリーライヴのレポートをお届けしたい。

 

ライヴは荘厳な空気感を醸す導入、ゆったりとした三連のリズムに揺られながらの「ラプソディア」からスタート。

メンバーはメリー・結生(Gt)、ユナイト・LiNGt)、メトロノーム・リウ(Ba)、R指定・宏崇(Dr)、後藤泰観(Vn)、足立房文(Key)と、豪華顔ぶれだ。

逹瑯と始めとする7人はオレンジ色の衣装で揃え威風堂々と楽器を手に持ち、会場を徐々に温めるように音を重ねていった。

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青の照明の閃光に包まれつつテンポアップし、逹瑯は情念たっぷりに歌い上げ、序盤から早々にライヴのテンションを高める。

そして「一周年パーティーへようこそ!」という逹瑯の挨拶に続きステージに招き入れられたのは、ゲストヴォーカリストのガラ(メリー)。

ウサギの被り物をしたガラがギターリフに乗り軽快にステップを踏みつつ「CRASH MAN」へ突入。

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息の合ったコンビネーションで逹瑯とガラが交互にヴォーカルをとり、オーディエンス一斉のクラップが重なり、燃え上がるようなボルテージでライヴを走らせる。

2人のハーモニーもビシッと決まり、けたたましいロックサウンドと共にフロアは興奮の渦に包まれる。

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ロックサウンドから一転、HIP HOPグルーヴへ変化し、「TATTOO」での逹瑯の鋭いラップがバシバシと刻まれる。

そしてBPMがほぼ同一に近い「DYSTOPIA」へと繋げる絶好のミドルテンポの展開で魅せ、客席はオールハンズアップの多幸感あふれる光景が広がった。

さらに、ソリッドかつテクニカルなメインフレーズが印象的な「エンドロール」と畳み込み、逹瑯の情熱的な歌唱が力強く、深く、鳴り響く。

開始5曲でフロアは生命力あふれる逹瑯とメンバーのライヴエネルギーで満たされていた。

 

MCで逹瑯は「今年はこれ1本しかライヴがないということで思いっきり発散して――細かいことは気にせずに思いっきり楽しんで帰りたいと思います」と、伝える。

そして「逹瑯の曲をみんなの中で育てておいてください」と言葉にすると、オーディエンスの温かい拍手が会場中に鳴り渡った。

 

ライヴ中盤、「DESIRE」から勢いよく走り続け、憂いの感情あふれる逹瑯のヴォーカルが重厚なアンサンブルと絡みドラマチックな世界観を示した。

アンビエントな導入からの「壊れたピアノ」では、ややスローなハーフシャッフルのリズムの中で大人の色気漂う歌唱を響かせる。

frigidity」ではドラムの4つ打ち、ギターカッティング、グルーヴィーなベースラインとダンサンブルな空間が生み出され、ライヴの熱気はさらに上昇。

「踊れる?」という逹瑯の声に速攻で反応したオーディエンスは体を揺さぶりライヴ一体感を醸し出す。

立て続けに、絶妙なキーボードプレイから走り出す「surrender」へ繋がり、ストーリー性のあるライヴ構成を提示した。

 

ピアノとバイオリンの音色が美しく交差するイントロの「bloom」では、逹瑯は優しく歌い出し、ゆっくりと丁寧に、言葉を歌に乗せて重ねる。

激情も憂いも、様々な感情をダイナミックに歌い上げるヴォーカリスト・逹瑯のポテンシャルはどこまでも広がる。

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そして、「もう一度、呼んでみようか」という逹瑯の声から再びガラをステージに招き入れ「the love letter」を披露。

2人の声が情念激しいアンサンブルに溶け込み、ライヴの彩りはさらに煌めきを増していく。曲終盤の逹瑯とガラのユニゾン・アカペラは圧巻の一言だ。

 

ガラは次曲の「Mr.Countdown」でもマイクをとる。どこかノスタルジックな空気感からの激流のような展開の楽曲の世界観をより深く、鋭く表すと、

メンバーのテンションも激しく高まり、ライヴのハイライトのひとつと言えようパフォーマンスで魅了した。

そして、「cherry blossom」でのポップなフィーリングでライヴをさらに温め、曲中では逹瑯の豪儀のシャウトが轟く。

 

後半の曲目を前に逹瑯は「やべえ、あと数曲で終わっちゃうよ」と、名残惜しそうに述べる。オーディエンスも残りの時間を惜しむように、今を噛みしめるような温かい反応をみせた。

そして逹瑯は客席に、「こんな感じで、2023年になったばかりですけど、2024年にまたステージで会いましょう」という希望の言葉を投げかけた。

 

ライヴも怒涛の後半、パワフルな逹瑯の歌唱はまだまだ勢いを上げる。「新世界」で攻めのサウンドを叩き込み、新たな世界へ向かう逹瑯のヴォーカルが真っ直ぐ突き抜ける。

清涼感あふれるサウンドの「compass」との曲間では、逹瑯は「やっと1周年を迎えることができました。ありがとうございます」と、オーディエンスにお礼を伝え、客席からの温かい拍手に包まれる。

 

そして、「また違う表情、違う顔、違う言葉、違う空気、違う俺たち、たくさん見せたいし、たくさん見たいと思っていますので、これからも本当によろしくお願いします」と、意思表明し、「色んな想いを乗せて、行けるところまで行こうか!」と、笑顔をのぞかせて未来への舵を切った。

 

door」では、そんな未来への道しるべを示すような輝かしい光に包まれ、クールなアンサンブルと共に逹瑯は頼もしいヴォーカルを会場いっぱいに広げた。

そして、荘厳な出だしからマイナー調のメロディをしっとりと歌い上げ、サビで一気に情念が弾ける「朱色の月」で華々しく本編フィニッシュを決める。

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アンコールには2曲応え、逹瑯は「いよいよ今年最後のライヴが終わるぜ!」と、声高らかに意気込む。スリリングかつエモーショナルな「赤い糸」の歌詞の世界観をメロディアスに歌い上げ、ラストの「good night」は逹瑯・後藤・足立の3人でのプレイ。2022年に開催され好評を集めた『はじめてのアコースティックライヴ』を彷彿とさせるアコースティック編成だ。

ブルーとピンクのロマンチックなライトに照らされる中、ピアノとバイオリンの旋律に溶け込むように、逹瑯の歌唱は果てしなく広く、深く、雄大な輝きをみせた。

 

最後に逹瑯は深々とお辞儀をして「ありがとう」と一言。1周年アニバーサリー、そして2023年最後の逹瑯ソロライヴは幕を閉じた。

ロックからポップ、HIP HOP、バラードと、色彩豊かなありとあらゆる楽曲の数々をパフォーマンスし、芯の通った熱唱でオーディエンスを魅了した逹瑯。

今年、そして2024年以降の活動に、大いなる飛躍に、確かな期待を寄せられるライヴを提示した。

新世界を表現し続ける逹瑯の邁進は、これからもまだまだ続く――。

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PHOTO◎冨田味我
TEXT◎平吉賢治

 

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1st Anniversary逹瑯ONE-MAN SHOWKitchen Guys 1st Kitchen Party』」

2023年1月8日@神奈川・CLUB CITTA’

SETLIST

 

01. ラプソディア

02. CRASH MAN

03. TATTOO

04. DYSTOPIA

05. エンドロール

06. DESIRE

07. 壊れたピアノ

08. frigidity

09. surrender

10. bloom

11. the love letter

12. Mr.Countdown

13. cherry blossom

14. 新世界

15. compass

16. door

17. 朱色の月

 

ENCORE

EN1. 赤い糸

EN2. good night

 

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NEW SINGLE情報>

 

★2ndシングル「残刻」

315()リリース

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前作の「エンドロール」に続きサウンドプロデューサーに大島こうすけを迎えた第二弾のシングルは、より洗練された大人のロックサウンドを追求した作品。

※詳細後日発表

 

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★逹瑯 solo works official site★

https://www.tatsuro-soloworks.jp/  


2023年01月14日 (土)

【ライヴレポート】<DASEIN「DAI-DAN-EN~二虎を追う者は 一兎をも得る~」>2022年12月31日(土)初台DOORS◆Rickyの涙チラリも──。DASEIN恒例年末公演をレポート!

REPORT - 12:00:49

 毎年恒例、2022年1230日、1231日に初台DOORSで行うDASEINの年末公演。2022年度は、30日にBlack DASEINが登場。DASEINは、31日を担当する形で公演を行った。Ricky/JOEによるDASEINのライブのサポートとして、SCOTTIE(G)/(Mnp)お馴染みのメンバーが出演。さらにこの日は、長野典二/リウ/華凛と3人のベーシストが登場。二部構成による「DAI-DAN-EN~二虎を追う者は 一兎をも得る~」公演の模様を、ここにお届けしよう。

 

 厳かな幕開けだ。ベーシストに長野典ニを迎えた編成のもと、ゆっくりと熱を上げるようにミディアムメロウな『大切な人へ』を響かせ、DASEINのライブは幕を開けた。胸の奥から沸き出す思いを歌声に乗せ、Rickyは優しく、おおらかな声を持って歌っていた。彼の声やDASEINの演奏へ向け、伸ばした手を揺らす観客たち。キラキラとした穏やかな音色の波が押し寄せる空間の中、互いが、心を一つに結び始めていた。

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 「全員で幸せな時間を作りましょう」の声を合図に、楽曲は勇壮な音色を響かせる。祭り上がるのが好きなDASEINだもの、穏やかなままで進むわけがない。荒々しい演奏が駆け出した。フロア中から沸き立つ絶叫、数多くの拳が高く突き上がるフロアへ向け、DASEINは『ケリをつけろ』を叩きつけ、観客たちの理性を蹴り飛ばした。今にも客席へ飛び込みそうな勢いで煽るRickyJOEの重厚な高速ツーバスのビートが感情を高ぶらす。観客たちの突き上げた拳が小刻みに揺れている。フロア中から上がる声・声・声。この日は、マスク越しなら声出しがOK。二人の求めた景色が今、目の前に広がっていた。

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  身体を大きく揺らし、派手なアクション交じりにパフォーマンスをするRicky。彼自身が、己の身体を奮わせ、沸き立つ熱を増幅しながら『金輪際』を歌っていた。Rickyに煽られ、飛び跳ねる観客たち。ライブはまだ序盤。でも、場内には汗が滲み出る熱気が渦巻きだしていた。

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 ライブ空間に心地好いダンスの景色を作りあげる、心を酔わせるメロウな歌も印象的なDASEIN流のエレクトロなダンスロックナンバー『待宵影』の登場だ。誘いかける甘い歌声に少しでも心溺れたくて、フロア中からたくさんの手がRickyに伸びる。彼と同じ振りをしながら一体化した景色を作りあげるのも、今やお馴染み。ヤバい、ヤバいよ、歌と音に酔い乱れるこの感覚が

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   JOEの凄まじいツーバスの演奏が身体を熱く騒がせる。その上で、目の前の人たちへ告白するように甘い歌声の手を伸ばすRicky。『キ・ミ・ダ・ケ』でもDASEINは、フロア中にいる人たちを熱情した思いを通して口説き落とそうとせまる。熱いのに、でも、激しく揺れる楽曲に触れ、心も肌も嬉しい火照りを覚えていた。「君だけに歌い続けていたいよ」と、激しい音の中で抱きしめるように甘くせまるRicky。それって、落ちてしまえってこと?!

 

  ここで、2人目のベーシストとして華凛が登場。奏でたのが、2022年に配信リリースした『歩』。ゆったりとした音の中へ切なさも匂わせた、スケール大きな楽曲だ。まるで広大なシルクロードを、胸に痛みを覚えながらも眩しい光に向かって歩み続ける気分。たくさんの出会いと別れ、さまざまな経験を積み重ねた今だからこそ、すべてを飲み込み、支えてくれる仲間たちへの感謝の思いも伝えながら、DASEINは、これからも共に歩み続けようと語りかけていた。

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 『五月雨』も、今の二人の気持ちに似合う楽曲だ。重厚な演奏で身体を揺らしながらも、Rickyは、二人を支えてくれる仲間たちに伝えたい気持ちを、そして、千切れることのない二人の関係性を、改めて熱情した声と演奏に乗せて届けていた。楽曲に合わせて見せるRickyの繊細なアクションも、視線を引き寄せる嬉しい要素だ。

 

 観客たちをDARK SIDEへ導くように、DASEINは荒々しい音を撒き散らす『闇』を演奏。黒い音が渦巻く闇の中、Rickyと観客たちの手にしたサイリウムの輝きがその先を示す光となり、道を照らしていた。人は、闇に落ちることだってあるだろう。二人は、その闇を知り、その闇の中で踠き足掻いた先に美しい景色が生まれるのを経験したからこそ、このような力強い光を放てるのだろう。

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  『~再生-prologue-~』という言葉が相応しい、JOEのドラムプレイだ。多種多彩な打楽器の音を鳴らし、JOEは一人オーケストラともいうべき、荒々しくも表情豊かな楽曲を描きだす。巧みに音数やリズムに変化を与え、JOEは表情豊かな物語を作りあげる。途中、観客たちとのコール&レスポンスも投影。やがてその物語は、ライブ本編へ受け継がれていった。

 

  シンフォニック/雄大なエレクトロ音に導かれたメンバーたちが、荒ぶる音を響かせだす。楽曲は何時しか『唯、此処に在る事が愛しくて』に姿を変えてゆく。この曲でもRickyが、心の琴線を嬉しく鳴らす歌を通し、観客たちの気持ちを熱で満たしてゆく。心を高揚へと連れだす歌へ溺れるまま、『唯、此処に在る事が愛しくて』に温かく抱きしめられていた。

 

  ふたたび黒い音がフロア中に染み渡る。DASEINは、『今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ』を通し、この会場を熱狂の宴の様へ染めあげる。激しく煽るメンバーらの演奏と観客たちをけしかけるように歌うRicky。その気迫へ挑むように、拳を突き上げ暴れる観客たち。まさに、今に勝る熱狂はない様がそこには広がっていた。ここで第一部は終了。この熱気が、どんな風に第二部へ受け継がれるのか楽しみだ。

 

  第二部は、ベーシストにリウを迎えてスタート。冒頭を飾ったのが、『流離人』。闇の中、Rickyとフロア中の人たちの翳したオレンジのサイリウムの光が大きく揺れている。第二部でもDASEINは、ゆったりとした、長大な旅路のドラマの幕開けを彩るに相応しい雄大な楽曲からスタートした すぐに演奏は、熱を膨らませるように重厚な音を増す。破裂寸前の衝動をRickyは両手でギュッと抱き抱え、言葉のひと言ひと言を大切に紡ぐように歌っていた。Rickyへ招かれるように、フロア中の人たちが「行く先のない風に吹かれ~誰も知らない旅路の果てに~蜃気楼のように」と歌う場面も印象的だった。

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  SCOTTIEのギターが哀愁を抱いた野太い旋律を奏でるのを合図に、楽曲は『君の街に降れるオリオン』へ。バンド演奏が始まったとたんに楽曲は一気に輝きをまとい、明るく華やぎだす。サビ歌では、腕を左右に大きく振りながら朗々と歌うRickyの動きと気持ちを重ね合わせ、フロア中の人たちも同じ動きをし、心を夜空へと羽ばたかせていた。なんて、心の琴線を嬉し涙のメロディーと旋律で鳴らす歌だろう。

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  Rickyの朗々とした歌声が合図だった。「いこうぜ」の言葉をきっかけに、SCOTTIEのギターが唸り、楽曲は重厚な音を轟かせ、走り出した。激しさの中にも高揚感を覚える『BREAKSHAKEBRAIN』だ。輝きを持って力強く駆け続ける演奏が身体を直撃するたびに、気持ちが熱く奮い起つ。上がる熱情、突き上がる拳。もっともっと心を乱してほしい。そんな風に欲望が身体中を浸食していた。 

 

「頑張って生きてるかー、我思う故に我有り」のRickyの言葉とJOEの猛々しいドラムを合図に、楽曲は『COGITO ERGO SUM』へ。重さの中にも躍動する強靱なリズムを持ったダンスロックナンバーを魅力に、DASEINはフロア中の人たちの身体を激しく揺らし続ける。いや、身体と掲げた手をもっともっと大きく揺さぶり、熱狂に溺れてしまいなと誘いかけていた。それこそが、ここに生きている存在の証明だと言うように

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 本編最後を飾ったのが、今の二人の一番リアルな感情を詰め込んだ『泡沫なる夢幻』。まだ規制の多いコロナ過の時代の中で、この曲は生まれた。どんな逆境の中へ落とされようが、どんな遮る壁さえも壊し、向かい風にも逆らう強い意思を持って突き進む姿を、彼らは「今を辿る」と歌っていた。雄大かつ躍動した楽曲に刺激を受けた身体を熱く揺さぶりながらも、Rickyの歌う言葉のひと言ひと言をしっかりと胸に刻みたい。そんな思いをずっと抱きながら、熱狂に溺れていた。

 

 「みんなで笑いあいましょう」。アンコールでは、長野典ニがベースを担当。すべての煩悩を熱情したビートで吹き飛ばし、このまま祭り上がってしまえと、DASEINは笑顔の花をフロア中へ咲かせる『ワラウンダーランド』を演奏。歌のお兄さんになったRickyの腕の振りに合わせ、フロア中の人たちも真似、一緒に手を振りながら楽しんでいた。「もう誰も止められない」の歌詞のように、みんなが無邪気な笑顔を浮かべ、この時間中ずっと現実を蹴飛ばし、無垢な少女や少年に戻っていた。

 

  ここでベースに、華凛とリウも参加。トリプルベースというスタイルで、演奏。この日を逃したら、果たして次はあるのかという、とてもレアな編成だ。まったくどうなってんだ。出演者全員で届けたのが『Do NoT TENdER!?(実際に演奏していたのはリウのみ?)。たとえ2人は当てぶりでもいいじゃない。フロア中の人たちも身体を折り畳み騒げば、左右にモッシュし、声を張り上げてと、ここぞとばかりにみんなで祭り上がっていた。どうなってんだって?楽しく祭り上がってんだよ。

 

「在るがまま、定めのままにゆけ」。最後にDASEINは、仲間たちと生きている喜びを分かち合うように『我ここに在り』を届けてくれた。心に光と笑顔を降り注ぐ歌に触れたフロア中の人たちが、その輝きを舞台へ注ぎ返すように両手を大きく振り上げていた。汗振り乱して熱狂するのも楽しいが、優しい笑みを浮かべ、自然と身体揺れるままに沸くこの感覚も、とても楽しい。その気持ちが伝わったのか、一瞬、感動のあまり声を詰まらせるRickyの姿も。そんな感激屋な一面を、ここで見せてくれたのも嬉しかった。23回打ち鳴らすエンディングの音が、次の年へと思いを繋げていった。

 

 熱狂冷めやらぬSEINER(ファン)たちの熱を受け、最後の最後に、ベースを長野典ニが担当し、タオルナンバーの『明後日へ』を演奏。始まったとたんに、場内中の人たちが拳を突き上げ高く飛び跳ねれば、Rickyと同じ動きをしてゆく。サビ歌では、フロア中の人たちが手にしたタオルや腕を振りまわし、思いきり跳ねていた。DASEIN2022年最後を飾る歌として、心晴れ上がるアッパーチューンを演奏。最高で最強の笑顔の自分に一人一人を染めあげ、この楽しさを2023年へ繋げていった。

 

  2023年のDASEINは、楽曲制作へ主軸を置き、年内中に新しい音源を出すための活動を行う。もちろん、ライブ活動だってしてくれるだろう。その頼りを、まずは楽しみに舞っていようか。

 

 

 

PHOTO:Lestat C&M Project

TEXT:長澤智典

 

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20221231()

東京・初台DOORS

Shimekukul DASEIN 2022

DAI-DAN-EN

~二虎を追う者は 一兎をも得る~

 

出演

DASEIN

DrumsJOE

VocalRicky

SUPPORT MUSICIAN

GuitarSCOTTIE

Bass:リウ/長野典ニ/華凛

Manipulator:巧

 

 

<セットリスト>

Ba:長野典ニ

『大切な人へ』

『ケリをつけろ』

『金輪際』

MC

『待宵影』

『キ・ミ・ダ・ケ』

MCBa:華凛

『歩』

『五月雨』

『闇』

ードラムソロ~再生-prologue-ー 

『唯、此処に在る事が愛しくて』

『今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ』

ー休憩ー

Ba:リウ

『流離人』

『君の街に降れるオリオン』

BREAKSHAKEBRAIN

COGITO ERGO SUM

MC

『泡沫なる夢幻』

-ENCORE-

『ワラウンダーランド』 Ba:長野典ニ

MCー華凛 リウ IN

Do NoT TENdER!? Ba:リウ

MC

『我ここに在り』Ba:リウ

ーおまけー

『明後日へ』Ba:長野典ニ

 

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<ライヴ>

DASEIN_JOE

 

■DASEIN presents 
JOE Birthday LIVE EVENT
WELCOME TO THE FACE 2023
~祝・おJOEのお誕JOEだジョー!!!

2023312()東京・渋谷REX

…………………………………………
OPEN/16:00  START/16:30

スタンディング 前売券 7,800(D)

…………………………………………

<チケット>
【抽選先行受付】:115()12:00122()18:00

https://eplus.jp/sf/detail/3786040001-P0030001

【一般発売日】:24()10:00
https://eplus.jp/sf/detail/3786040001-P0030001

()SHIBUYA-REX TEL03-5728-4911

…………………………………………
出演

DASEIN

DrumsJOE

VocalRicky

 

SUPPORT MUSICIAN

GuitarSCOTTIE

Bass:リウ

Manipulator:巧

 

GUEST MUSICIAN

GuitarPANTHER (ELLEGUNS)

 

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DASEIN オフィシャルサイト

https://dasein-official.com/

DASEIN twitter
https://twitter.com/dasein_555

Official YouTube
https://youtube.com/c/HyperNeoSoloist

JOE BLOG

https://ameblo.jp/joe-doramusuko/

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http://hyperneosoloist.com/ricky/

Ricky BLOG
https://ameblo.jp/ricky-soloist

Ricky twitter
https://twitter.com/Ricky_A_Prmkv


2023年01月10日 (火)

【ライヴレポート】<lynch. 18th Anniversary Premium Live「THE IDEAL」>2022年12月31日Zepp Nagoya◆波乱の2022年を地元・名古屋での公演で締め括ったlynch.。待望のニュー・アルバム詳細も近日発表予定!

REPORT - 21:00:42

1231日、lynch.Zepp Nagoyaにて『18th Anniversary Premium LiveTHE IDEAL」』と銘打たれた公演を実施した。20048月に結成され、同年末に初ライヴを行なっている彼らにとって地元・名古屋での年末公演は恒例となっている。ただ、今回に限っては特別な意味の伴うものとなった。ご存知の通り、彼らは2021年の大晦日に同会場で行なわれた17周年のライヴ終了をもって一時的な活動休止期間に入り、2022年の大半の時間をlynch.としての表立った動きがない状態で過ごしてきた。そして1123日、『THE FATAL HOUR HAS COME』という象徴的なタイトルを掲げながら開催された自己初の日本武道館公演が復活の場となったわけだが、大盛況のうちに幕を閉じた同公演の余韻が残る中でのこの大晦日公演を、バンド自身もファンの側も、1年前の同じ場所でのライヴの際とは違った心境で迎えていたに違いない。

 

開演定刻の17時を2分ほど過ぎた頃、場内が暗転。聴こえてきたオープニングSE“sleepy flow”20054月に世に出たインディーズ・アルバム『greedy dead souls』からのセレクトである。それに導かれるように各メンバーがステージ上の配置に就き、最後に登場した葉月が「lynch.です。よろしくお願いします」と挨拶すると、まず炸裂したのは“UNTIL I DIE”20116月にリリースされたメジャー1stアルバム『I BELIEVE IN ME』に収録されていたナンバーだ。激しいビートと共に激音が押し寄せ、葉月は「名古屋!」と扇動の声をあげ、場内を埋め尽くしたオーディエンスは瞬時に同調していく。いまだにマスクの常時着用が求められ、声出しが解禁に至っていない環境でのライヴではあるが、スタンディングのフロアは確実に本来の状態を取り戻しつつある。

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冒頭から畳み掛けるように4曲を披露し終えると、葉月は「1年寂しい思いをさせたけど……18周年だそうですよ。すごくないですか? 高校3年、車の免許が取れますよ!」と語りかけて観衆を和ませつつ「18歳のお祝いをここ名古屋でできることを嬉しく思ってます」と感謝の言葉を述べ、拍手を浴びる。しかも彼がそこで明かしたのは、先頃の日本武道館公演とは楽曲の被りがほとんどないセットリストを用意してきたという事実。同公演ではアンコールも含めて全29曲が演奏されているが、それでも網羅しきれなかったキラー・チューンが彼らにはたくさんある。重複の少ない演奏メニューを用意するとなればそれなりに準備にも時間が必要になってくるわけだが、彼らがそうした手間を厭わないのは、帰還を待ち続けてきたファンに対する純粋な感謝の念の表れといえるだろう。

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以降も彼らは4~5曲ずつのブロックを、出し惜しみなく連続技を決めていくかのような小気味よさで駆け抜けていく。中盤、“an illusion”から“THIS COMA”“PHANTOM”“AMBIVALENT IDEAL”を経てリズム・セクションのセッションへと至る展開は、ステージ全体の流れにおいてはではなくではなくの部分にあたるはずだが、そこでも熱が冷めることはない。前傾姿勢で波状攻撃を続けることばかりではなく、重心を低く保ちながらヘヴィな闇を醸し出すことにも長けているのがこのバンドの強味のひとつであることを改めて実感させられる。そうした流れの先に炸裂するのが、この5人にとっての決意表明の曲ともいうべき“FIVE”だったりするのだからたまらない。

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葉月の「暴れたい人、行きましょう!」という扇動を合図に始まった終盤の必殺曲の連発は見事というしかなかったし、日本武道館公演との数少ない重複曲のひとつにあたる“pulse_”では、まさしくバンド側とオーディエンスの波長が完全に合致するのを感じさせられた。また、そこでの狂乱を経ながら「これからも自分を信じて進んでいくんで、力を貸してください」という言葉と共に披露された“I BELIEVE IN ME”、その直後に敢えて空気を鎮めるかのように演奏されたラティンメリア(『greedy dead souls』に収録)のうねるようなヘヴィさも象徴的だった。

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こうして約90分間に及ぶ本編が終わると、アンコールではまず各メンバーのパート・チェンジによる“CREATURE”が爆裂。葉月がドラム、玲央がベース、晁直と明徳がギターを演奏し、悠介がフロントに立ちヴォーカルをとるという光景に客席は沸いた。しかもその直後、3月4日に開幕するZepp Tourに先駆けて待望のニュー・アルバムが発売されるとの朗報が伝えられ、すでにそのレコーディングもヴォーカル録り以外はほぼ終了に近付いていることが明かされた。さらには武道館公演直前に玲央の音楽用PCと作業用のPCがともに故障したという話など、メンバー個々の口から近況報告的なエピソードも披露され、以降は各自が1曲ずつチョイスした楽曲を演奏。最後の最後は武道館公演の際もアンコールの終盤に配置されていた“Adore”が披露され、クライマックスの場面では大量の銀テープが宙を舞った。そうした経過の中で葉月が発した「すべて全力で、真摯にやっていく」「俺がおまえらの闇を照らすから、おまえらが俺の闇を照らしてくれ」といった言葉も印象的だった。

パートチェンジ

「来年もよろしく。良いお年を!」という言葉を残してメンバーたちがステージ上から姿を消した後も、観衆の手拍子が止まることはなかった。さらなるアンコールは残念ながら実現には至らなかったが、あの場所に居合わせたすべての人たちが約2時間半に及んだライヴに満足感を味わい、喜びを感じていたことだろう。葉月の言葉によれば、既報通り全メンバーが曲作りに関与している新作は、「今まででいちばん5人の色が交ざり合ったアルバム」に仕上がりつつあるという。誕生から満18年を経てきたlynch.の新たな起点となるべき同作の登場を、期待感を膨らませながら楽しみにしていたいところである。

 

 

Text:増田勇一

Photo:土屋良太

 

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LIVE情報】

 

■lynch.TOUR’23

304() Zepp Nagoya 17:00/18:00

305() Zepp Osaka Bayside 16:00/17:00

312() Zepp DiverCity(Tokyo) 16:00/17:00

318() Zepp Sapporo 16:00/17:00

321(火祝) SENDAI GIGS 16:00/17:00

402() Zepp Fukuoka 16:00/17:00

423() KT Zepp Yokohama 16:00/17:00

1Fスタンディング・2F指定 \7,700(税込/D)

未就学児入場不可

 

FC[SHADOWS] 先行(抽選)

受付期間:113()15:00122()23:59

受付URL:会員コンテンツ内にてご案内

対象席種:1Fスタンディング・2F指定 (2希望までエントリー可)

制限枚数:各公演1会員様1申込4

 

オフィシャル先行(抽選)

受付期間:124()15:00130()23:59

受付URLhttps://l-tike.com/st1/lynch2023tour-offtk

対象席種:1Fスタンディング

制限枚数:各公演お1人様1申込4

 

一般発売(先着)

211() 10:00

 

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media情報】

 

WOWOW 115日(日)17:00

WOWOWにて昨年1123日日本武道館にて行われた「“THE FATAL HOUR HAS COME”AT 日本武道館」公演を独占放送&オンデマンド配信

https://www.wowow.co.jp/music/lynch/

 

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lynchオフィシャルサイト】

http://pc.lynch.jp

YouTube lynch. Official Channel

https://www.youtube.com/@movielynch1