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2023年02月17日 (金)

【ライヴレポート】<PENICILLIN HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2023>2023年2月11日(土)新宿ReNY◆31周年を迎えたPENICILLINが、ロックバンドとしての現在進行形な姿をみせた生誕祭!

REPORT - 19:00:15

 20世紀末の世をその鮮烈な音と存在感でおおいに賑わせたばかりか、21世紀に入ってからはもちろんのこと、近年のコロナ禍においても常に尖ったロックバンドとしてのスタンスを音楽で表現し続けてきたPENICILLIN。彼らは先だって2月1日に30周年を記念するベスト盤『30 -thirty- Universe』を発表しているのだが、厳密には1992年2月14日に始動しているため今年で31周年を迎えることになるのだという。

 

 そんな彼らが、このたび2月11日と12日の2日間にわたり新宿ReNYにて開催したのは、そのタイトルどおりにPENICILLIN自体の生誕を祝うライヴであると同時にバレンタインの要素も盛り込むという贅沢な企画ライヴ[PENICILLIN HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2023]だ。

 

「ようこそ、新宿ReNYへ!ということで、いよいよPENICILLINの31周年が始まります。最初に宣言しておきますと、今日と明日のライヴでは来週から始まるツアーの曲はほとんどやりませんので。この2日間よろしくお願いします!」(千聖)

 ちなみに、千聖がここで口にした「来週から始まるツアー」とはベスト盤『30 -thirty- Universe』の発表を受けて2月18日から始まる全15本の全国ツアー[30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」]のこと。当然これはベスト盤の内容を軸にしたものとなっていくはずだが、あくまでも今回の2デイズライヴは毎年恒例となっているバンドの生誕を祝う場としてのライヴであり、ベスト盤には入っていなかったさまざま楽曲たちを堪能することが出来た場だった。

 

 今宵、ステージの幕が開いていくのと共に奏でられ始めた「WILL」は2011年3月にリリースされたアルバムの表題曲であり1曲目でもあったものであるし、それに続いた「JULIET」は2001年『NUCLRAER BANANA』に収録されていた曲だったが、そのあとに聴けた「heart beat」は昨年発表されたアルバム『パライゾ』に入っていたもので、新旧の楽曲たちがあれもこれもと繰り出されていく様からはPENICILLINというバンドの懐の深さを感じることになったと言っていい。

 特に、この第1夜の公演に関して言えば1996年発表のアルバム『VIBE∞』に収録されていた「Violet」が、エバーグリーンな普遍性を持った良曲として2023年の現代に響き渡った場面はとても感慨深く、ロックバンドとしての先鋭性のみならず聴き手の心に沁みいるような楽曲もこうして体現出来る、というその表現の豊かさにPENICILLINが31年もの時をサバイブして来た理由のひとつをみた気がしてならなかった。懐メロとして単に回顧される音楽とは全く違う、時代の流れの中で成長と変化を続けてきた現在進行形の生々しい音楽をPENICILLINはずっと放ち続けてきているわけで、この事実はつくづく尊い。2000年のアルバム『UNION JAP』に収録されていた「野生の証明」にしても、今だからこその熟したグルーヴを持ったバンドサウンドがそこには溢れていたのである。

 

「去年は新譜を出してツアーも出来て、30周年のベストを出した直後にはこうしてバンドの誕生日も祝うことが出来て、もうすぐベスト盤のツアーも出来るなんて、今年もかなり充実したアニバーサリーイヤーになっていると思います。こうして31年経ってもみなさんがこうして集まってくださるというのは、本当にありがたいことです。だって、うちのメンバーはもう全員50歳を超えてるんですよ?ハッと我に返って、みなさん「次から来るのヤだ」とか思わないでね(笑)。要するに、ここに来てくださっているみなさんは年齢とかにとらわれず「PENICILLINっていいな」という気持ちをちゃんと大事にしてくれている、凄くセンスの良い人たちなんじゃないでしょうか。(中略)これからもPENICILLINは頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!」(HAKUEI)

 御大・美輪明宏氏の名言に「年齢なんてただの数字」というものがあるが、要はあの御言葉を地で行くのがPENICILLINだと言えるのかもしれない。50歳を過ぎようとも、キレのあるドラミングとチャーミングなキャラクターでPENICILLINを支えているドラマー・O-JIRO。50歳を過ぎようとも、アグレッシヴかつ隙のないプレイと冴え渡るトークスキルで熱くフロアを沸かせるギタリスト・千聖。50歳を過ぎようとも、唯一無二のヴォーカリゼイションとグラマラスなライヴパフォーマンスで観客たちを魅了するフロントマン・HAKUEI。渋く枯れながら老成していくタイプのバンドもそれはそれで悪くはないが、PENICILLINのある意味で時間軸を超越したこの不思議な存在感は特筆すべきものであるに違いない。

 

 なお、この第1夜ではアルバム『パライゾ』のリリースから程なく発表された3曲入りパンフレットCD『カタストロフィ』からの新曲「anti catastrophe」がライヴでの初披露となったほか、そのすぐ後には1995年発表の『Missing Link』から「マゾヒスト」が演奏されたうえ、アンコールでも『カタストロフィ』からバラード「君の空へ」が演奏され、PENICILLINの誕生日を祝うハッピーバースデーのセレモニーをはさんだ後には、なんと1992年11月に発売されたファーストデモテープに初収録されていた楽曲であり、のちに1994年のファーストアルバム『Penicillin Shock』にも入れられることになった「Moon Light」も演奏されることに。ダブルアンコールでの「男のロマンZ」も含めて、時を自在に操るかのごとく各時代の曲たちを“今の自分たちのもの”としていきいきとしたみずみずしい音で届けてくれたPENICILLINの姿は、この夜もひたすらに輝いて見えたのであった。

 

 いよいよ、2月18日からは4月16日の新宿BLAZE公演まで続く全15本の全国ツアー[30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」]が始まろうとしている中での[PENICILLIN HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2023]はバンド側にとっても、彼らのことを愛するファンにとっても、善きスタートアップの場になったことだろう。20世紀末の世をその鮮烈な音と存在感でおおいに賑わせたばかりか、21世紀に入ってからはもちろんのこと、近年のコロナ禍においても常に尖ったロックバンドとしてのスタンスを音楽で表現し続けてきたPENICILLINが、ここからの新世界をさらにどう生き抜いていくことになるのか…。それがとても楽しみで仕方ない。

 

 

PHOTO:折田琢矢

TEXT:杉江由紀

 

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【全ての情報はこちら】

PENICILLIN Web

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https://www.penicillin.jp/

 

【ファンクラブ入会案内はこちら】

↓↓

https://www.penicillin.jp/fanclub/enrollment

 

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【ライブ情報】

 

PENICILLIN 30th Anniversary Tour 30 -thirty- Universe

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218() 西川口Hearts

開場17:00/開演17:30

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219() PALOOZA

開場17:00/開演17:30

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223(木祝) 京都MUSE

開場17:00/開演17:30

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225() 福岡DRUM Be-1

開場17:00/開演17:30

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226() 福岡DRUM Be-1

開場16:00/開演16:30

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305() 仙台MACANA

開場17:00/開演17:30

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311() 浜松窓枠

開場17:00/開演17:30

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312() 名古屋BOTTOM LINE

開場17:00/開演17:30

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318() 札幌cube garden

開場17:00/開演17:30

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319() 札幌cube garden

開場16:00/開演16:30

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325() 大阪umeda TRAD

開場17:00/開演17:30

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326() 神戸VARIT.

開場17:00/開演17:30

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408() 岡山YEBISU YA PRO

開場17:00/開演17:30

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409() 広島Live space Reed

開場17:00/開演17:30

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416() 新宿BLAZE

開場17:15/開演18:00

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◎オールスタンディング:8,500(税込/D) 未就学児入場不可

◎福岡・札幌 各2DAYS通し券[FC先行のみ・整番は2日間共通]15,000円(税込/D別)

[総合問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822

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TICKET

対象公演:2/18西川口Hearts3/12名古屋(8公演)◆

*一般発売(先着)受付中

対象公演:3/18札幌~4/16新宿BLAZE7公演)◆

*一般発売(先着)

225()

 

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CD情報】

 

★ペニシリン結成30年

PENICILLIN 30th Anniversary BEST発売

30 -thirty- Universe

発売:202321()

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<限定盤>

商品区分:4CD+Book

仕様:ゲイトフォールドLPサイズジャケット+4CD+ブックレット

品番:UPCY-90192

価格:¥12,100(本体価格 ¥11,000 税率10%

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<通常盤>

商品区分:3CD

仕様:3CDデジパック+ブックレット

品番:UPCY-7089/11

価格:¥6,600(本体価格 ¥6,000 税率10%

 

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<SET LIST>

 

■HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2023

2月11日(土)

 

01. WILL
02. JULIET
03. herat beat
04. VOID
05. 墓標
06. Violet
07. 野生の証明
08. anti catastrophe(新曲)
09. マゾヒスト
10. 透明人間パルサー
11. DEAD or ALIVE
12. Why ?(新曲)
13. 憂鬱と理想
14. Dead Coaster
15. スペードキング

—Encore1—
16. 君の空へ(新曲)
17. Moon Light
18. ウルトライダー

—Encore2—
19. 男のロマンZ


2023年02月14日 (火)

【ライヴレポート】<KISAKI BANDWORKS 30TH ANNIVERSARY LIVE 「BEYOND THE KINGDOM -TOKYO-」>2023年1月29日(日)新宿BLAZE◆KISAKIキャリア30周年公演──。30周年記念第一弾『BEYOND THE KINGDOM-TOKYO-』開幕。ヴィジュアル系史に新たに刻まれる歴史。

REPORT - 20:00:35

昨年1月に伝説のバンドMIRAGE結成25周年を記念して、再結成を果たしたKISAKI。
2023年、自身のキャリア30周年を迎える節目の年に、我々ヴィジュアル系ファンにとって嬉しいニュースが飛び込んできた。
それは、彼の活動30周年記念公演の開催とこの日の為に錚々たるメンバーを集めた当日限定バンド『THE LOCUS』の発表――。
これまでの彼の‘‘軌跡‘‘を辿る楽曲たちが特別なメンバーで披露された満員となった1月29日『BEYOND THE KINGDOM-TOKYO-』を見ていこう。

 

この日は、キボウ屋本舗、NEGAというかつてKISAKIが立ち上げたレーベルUNDER CODE PRODUCTIONに所属していたバンドがこの日彼の為に限定復活。
共にシーンを盛り上げていた彼らが、KISAKIの為に再び音を重ねたのもシーンのファンにとって嬉しい出来事だ。
「いらっしゃいませぇぇぇぇ!!」と威勢のいい掛け声と共に登場したキボウ屋本舗と、轟音をかき鳴らしにやってきたNEGAは華を添えるどころか、記念すべきこの日の為に祝福の大きな花火を打ち上げたように序盤から会場を大いに盛り上げていった。

そして、この日の真打となる『THE LOCUS』の登場。
和訳すると『軌跡』となるこのバンドメンバーには、KISAKIのこれまでの戦友とも言える仲間たちが集結していた。Voには真緒(Sadie/The THIRTEEN)、幸樹(ダウト)、GtにJUN(Phantasmagoria/GOTCHAROCKA)HIZAKI(Versailles/Jupiter)、Drにyusuke(HERO)、そしてBaにKISAKIという錚々たるとはまさにこのこと。豪華絢爛なメンバーで結成された。

 

壮大なSEで幕が開くと、そこにはシルエットで浮かび上がったメンバーの姿がーー。
「welcome!!!」と真緒の掛け声と共に、メンバーは前へと踊りだすとKISAKIとHIZAKIは拳を交わし、待ちに待ったTHE LOCUSの今宵限りのステージがスタート。
第1幕としてVoに真緒を迎え入れ、1発目に届けられたのは『The psalms and Lamentations』(凛)。
このバンドではKISAKIの歴代バンドの楽曲たちが時代問わず繰り広げられるのも見ものだ。かき鳴らされるギターサウンドは会場を疾走し、真緒の煽りが今日この日の為に集まったファンの感情を高めていく。
下手で麗しくも鋭い眼光で奏でるHIZAKIはKISAKIがレーベルMatinaを動かしていた時代からの仲だ。今や国内外問わず名を轟かせる彼がこのステージに華を添えるのも大変貴重な瞬間である。


「暗黒に染まりなさい――。」と始まった『Unknow zero distance』(Phantasmagoria)では、なんとステージ前方から勢いよくガスが柱として噴出。派手な演出に会場は驚きながらもボルテージを更に上げていき、KISAKIはHIZAKI、真緒、JUN、yusukeのもとへ駆け寄り、それぞれ顔を寄せ合ってはこの瞬間の共鳴を確かめあっていく。レーベルメイトであったJUNと肩を寄せ合って奏でる姿は、KISAKI自身がメンバーとのライブを純粋に楽しんでいるものであった。1度しかない30周年、そして今後の展望はあるとしていながらも、KISAKIは30周年のステージは現在この日だけとしか考えていないという。
――こんなにも贅沢な時間があっていいのだろうか。

『沈黙の羽』(KISAKI PROJECT)、『deep sky』(Syndrome)と次々と繰り広げられる歴代の曲達…。こうしてナンバーが揃うと、いかに彼がヴィジュアル系という世界で常に一線を走ってきたかということを再確認する。
「KISAKIさんの作った曲達をお前たちに刻んでいく。」と放った真緒の言葉は、これまでのKISAKIの功績を称えると共に、これからのシーンへ彼の想いを楽曲に込めて継承することを誓っていた。
第1幕ラストを彩るは『百花繚乱』(MIRAGE)。センターへ来たKISAKIの顔を覗き込むように仰ぎながら歌い、最後には彼の背中に手を添えた真緒の姿が印象的である。華やかに彩られるステージと、咲き乱れるように荒れるフロアーは心掴まれる瞬間だった。


第2幕はダウトの幸樹がVoとして登場。貴公子のような衣装に身を包んだ彼は、真っすぐと前を見つめてMIRAGEの『…Air』を歌い上げる。彼の歌声は会場を優しく包み込み、ゆっくりと照らし出されるステージは、神々しささえ感じさせた。
ここまで怒涛の如く披露されてきたステージで恍惚となった会場を、さらに惹きつけたのは『小夜時雨』(Syndrome)。身体の芯まで鳴り響くベースは、yusukeの情熱的なドラムで更に奥の方まで打ち付けていく。目や心だけでなく、身体ごとステージに惹きつけられる感覚が心地良いーー。

実は全員関西人なTHE LOCUSのメンバー。幸樹の「関西人やから喋りましょ。」という言葉にKISAKIは「長くなるぞ(笑)」と返しながらも、今回のメンバーとのかつての思い出や感謝を綴る。
KISAKI「このメンバーでステージ立つって初めてじゃない?最初から、やるのであればこのメンバーでって決めていて。」
そう語る彼の一声で、今回このメンバーが集まったと言う。各々に活動するバンドがありながらも、この様にメンバーが揃うのはやはりシーンを築き上げたKISAKIだからであろう。

「懐かしむのは後にして、今は暴れよう――。やれる奴、手ぇあげろ!!」
幸樹の煽りで始まったのは『狂想曲-Cruel Crucible-』(Phantasmagoria)。
ヒリヒリとするサウンドとスピード感に触発されて、フロアーはヘドバンで埋め尽くされて行く。そのまま会場は感情を加速させ、『Pixy false』(Phantasmagoria)ではセンターに立つKISAKIを四方八方から求める手が伸びていった。KISAKIの楽曲が会場を駆け巡り、会場全体が一体化する光景は美しく、もっと、もっとこの時間を堪能させてくれとフロアーが求めていた。

幸樹「KISAKIバンド活動30年間の歴史をここにおいて帰ります。」
そうラストに奏でられたのは『Dedicate to Graveyard』(凛)。
KISAKIはステージ上から真っすぐと前を向いていた――。
その目にはこの会場の光景以外にも、様々な光景が浮かんでいるのではないだろうか。
数々のバンド、レーベルメイト、楽曲、そしてファンーー。
語りきれぬ今日この日までの想いは、メロディーとなり全てこのステージに捧げられる。
髪を振り乱しながらの全身全霊のステージングは、まばたきの1つも惜しいくらいだ。

 

ステージが終わると会場いっぱいの拍手が。そして、鳴りやむことなく、拍手は再会(アンコール)を求める手拍子へと変わっていった。
アンコールは第1幕を務めた真緒も登場し、ツインボーカルのステージへ。
KISAKI「フロアーの気合が足りないんじゃないですか?ボーカル二人の力が弱いんじゃないですか?」
KISAKIの煽りでアンコールに披露されたのは『Foolish』(凛)、『神歌』(Phantasmagoria)。
真緒が「拳を上げろ!!!」と叫ぶと、会場の隅から隅まで拳が突き上がる。幸樹は水を吹き飛ばし、HIZAKIがドレスと髪を振り乱しながらシャウト…。KISAKIもマイクを取り上げたりと、一気に破天荒なステージへと変貌。
KISAKIはベースを外すと、ステージ上から荒れていく会場を堪能していく。
ステージでメンバーが煽り、それに呼応していくフロアー。KISAKIにはこの荒れ狂う会場がよく似合う。
KISAKIの煽りに触発された真緒と幸樹が隅々まで見逃すことなくフロアーを盛り上げると、会場は振り切ったボルテージを更に壊すように滾っていく…。
すると、ステージ袖からKISAKIに渡されたのはなんとCO2ボンベ…!!
KISAKIはホースを握ると楽しそうにフロアー、メンバーと容赦なくガスを噴出していった。至近距離でガスを受ける真緒、幸樹、JUNはKISAKIの強烈な一撃に叫びながらも嬉しそうだ。
同じくガスを受けるHIZAKIは、浴びながらも艶やかさを失わない姿は流石と言ったところ。そんな光景をフロアーの荒れ模様と共に後方から眺めるyusukeのドラムが、「まだまだ終わらせない…!」と言わんばかりに更に叩きつける――。

悪戯な笑みを浮かべながら暴れまわるKISAKIを目に、会場は更に燃え上がっていった。
そして、HIZAKIが弦から手を離したかと思えば、優雅に歩きながらフロアーにキャンディーを投げ入れていく。彼らのアンコールならではの遊び心ある演出に、「やってくれたな」という、我々の期待を裏切らせない喜びが溢れていた。
曲が終わると、KISAKIは立ち上がれなくなっていた。そして、そのままこの時間を噛みしめるように、ゆっくりと会場を見渡していく。
2023年、30周年を迎えるにあたって華々しいスタートとなったこの日、KISAKIは先にも綴ったが、今後に活動はあるとしながらもステージは未定だという。そして、東京は無いと思うと語る。KISAKI30周年企画はまだ続くが、それは追って発表するとのこと。はやる気持ちは山々だが、続報を心待ちとしていよう。

 

数々のバンドだけでなく、レーベルも立ち上げ先頭切って走ってきたKISAKI――。
30年という節目で振り返るとTHE LOCUSのメンバーのように彼と携わってきた者たちが、現在のヴィジュアルシーンを牽引していく存在となっている。
楽曲を生み出してきただけでなく、彼等のような存在を育て上げたのもKISAKIの功績であり、軌跡であると言えるだろう。
「これがヴィジュアル系だぞ!!!」と叫んだ幸樹の言葉が今日この日を物語っているように、KISAKIはまさにヴィジュアル系シーンのカリスマである。
最後に彼はこれまでの感謝と共に「これから、僕はともかく、皆(メンバー)はバンドしているんで。まだまだシーンを引っ張っていって欲しいと思います。」と述べた。
彼がいかにこのジャンルを大切に、そして愛しているか――。
その想いは計り知れぬ苦しみや葛藤があると思うが、大きな愛と強い信念が彼にはあると伝わった1日であった。

 

そして我々も、ヴィジュアル系を愛してよかったと、そして今も愛していると再確認、確信した。
改めてKISAKI活動30周年に祝福と感謝を。

 

Text : 茉奈佳
Phot : 春川 眞 / zoi

 

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KISAKI BANDWORKS 30TH ANNIVERSARY LIVE
「BEYOND THE KINGDOM -TOKYO-」
2023.1.29(日) 【東京】新宿BLAZE

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■THE LOCUS(当日限定バンド)
B:KISAKI(MIRAGE / Syndrome / Phantasmagoria / 凛)
Vo:幸樹(ダウト)&真緒(Sadie / The THIRTEEN)
G:JUN(Phantasmagoria / GOTCHAROCKA)
G:HIZAKI(Versailles / Jupiter)
Dr:yusuke(HERO)

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■SET LIST
第一部(Vo.真緒)
1.The Psalms and Lamentations(凛)
2.Unknow zero distance(Phantassmagoria)
3.沈黙の羽根(KISAKI PROJECT)
4.deep sky(Syndrome)
5.百花繚乱(MIRAGE)

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第二部(Vo.幸樹)
SE
6….Air(MIRAGE)
7.小夜時雨(Syndrome
8.狂想曲-Cruel Crucible-(Phantasmagoria)
9.Pixy false(Phantasmagoria)
10.Dedicate to Graveyard(凛)

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アンコール(ツインボーカル)
11.Foolish(凛)
12.神歌(Phantasmagoria)
エンディングSE

 


2023年02月12日 (日)

【ライヴレポート】<ゼラ全国無料ワンマンツアー『GLAM=MORE』TOUR FINAL>2023年2月6日(月)Spotify O-WEST◆大阪BIG CATでのワンマン開催も発表。「ここまでの道は、君たちと歩んだ道。」ゼラが示した“過去”と“未来”。

REPORT - 20:00:51

<ゼラ全国無料ワンマンツアー『GLAM=MORE』TOUR FINAL>が、2023年2月6日Spotify O-WESTにて開催された。

この日はゼラ3周年の日とTOUR FINALということもあり会場は多くのファンで会場が埋め尽くされていた。

 

会場BGMが煽られると、会場に一時の静寂が訪れた。

SEが鳴り始め、幕が開くとメンバーのシルエットが薄暗い照明に照らされる。

この日を待ち侘びたファンが固唾を呑んで見ていると早速、1曲目の『P4NDRA』でShowがスタート。

1曲目からゼラの世界観にファンを導き、2曲目の『ドグラ・マグラ 』で会場内をライブ終盤のような熱気で溢れさせた。

 

続く『マリオネットパレード』でも勢いを加速させ、『KIRAI』では会場が揺れる。

4曲目が終わると会場には静かなBGMが鳴り、MCへ。

Vo.氷翠の「今日という特別な日だからこそ、飾らない言葉で伝えます。最高の夜にしようぜWEST!」、この言葉で会場は更に一体感を増し、ゼラとファンで創るShowの盛り上がりが増していく。

ゼラの代表曲の一つでもある『黒よりも暗い黒』が演奏されると、会場はヘッドバンギングや拳の黒い華が咲き乱れていた。

『デザイア』、『マジュラス』と続き、更に熱気が増した会場は真冬だということを忘れさせるくらいの熱を見せつけていた。

『「絶望」』でも勢いは留まることなく、『逆乱』でメンバーも更に激しさを増していく。

しばらくの静寂の後、流れ始めたのはゼラの始動発表日にも演奏された『「エリカ」』。

「ここまでの道は、君たちと歩んだ道だ」と氷翠が伝える姿と楽曲に熱く込み上げるものがあった。

想い出や余韻に浸る暇もなく『XIDE SCOPE』、『Reaper』で激しい嵐が会場内に吹き荒れた。

氷翠が煽り、このShowの最後が伝えられる。

「君たちが求めてくれるなら、君たちがぶつけてくれるなら、俺たちがどこまでも連れてってやるよ!」

最後の曲は『未来』、ゼラがファンと創り上げていく素晴らしい未来を感じることができた。

演奏も終わり、メンバーがいなくなったステージへアンコールの印の手拍子が鳴り響く。

薄暗いステージのスクリーンにいきなり映像が流れ始めた。

そこにはゼラの今までの物語が映し出され、懐かしさを感じていると突如見たことのない映像と初めて聞く楽曲が流れ始める。

何かわからず映し出される映像とサウンドの後、New Singleのリリース発表と全国ワンマンツアー「Ace of Spades」の開催が発表される。

なんとツアーファイナルが大阪BIGCATで行われることが発表されると、会場には驚きの声と祝福の拍手が鳴り響いた。

拍手が鳴りやまぬ間にSEが流れ始め、気付けばメンバーがステージに再登場。

アンコール1曲目では、先ほど流れたNew Singleの『Barmy Army』が初披露された。

新衣装に身を包んだメンバーがステージを華麗に彩る。

 

そのままの勢いで『傀儡 』へ。

終盤と思えないほどの氷翠のハイトーンボイスが響き渡り、楽器陣も激しい演奏やステージングで会場をさらにヒートアップさせる。

アンコールラストの曲『BRAIN 』で観客も共に会場を揺らしていく。

盛大な拍手でメンバーが見送られ、この日のShowは終演を迎えた。

 

この日はステージの後ろに設置されたスクリーンに歴代のMVも流され、こだわりぬいた演出でも楽しめた一日となった。

ゼラがこれから示す未来、導いてくれる未来にはどのような景色が待っているのか期待していこうと思う。

 

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<セットリスト>

 

ゼラ全国無料ワンマンツアー『GLAM=MORE』Tour FINAL

2023.2.6 Spotify O-WEST

 

1. P4NDRA

2. ドグラ・マグラ

3. マリオネットパレード

4. KIRAI

5. 黒よりも暗い黒

6.デザイア

7.マジュラス

8. 「絶望」

9. 逆乱

10. 「エリカ」

11. XIDE SCOPE

12. Reaper

13. 「未来」

 

EN1.Barmy Army

EN2.傀儡

EN3.BRAIN

 

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<RELEASE>

 

★2023年3月29日(水)

NEW SINGLE RELEASE

『Barmy Army』

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A-type 2,000円(税別)

[CD]1.Barmy Army 2.Villainess

[DVD]1.Barmy Army(MUSIC VIDEO)

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B-type 1,500円(税別)

[CD]1.Barmy Army 2.Villainess 3.TRICKSTER

 

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<ライヴ>

 

■ゼラ全国ワンマンツアー

『Ace of Spades』

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OPEN18:00 / START18:30

※7月15日札幌公演のみOPEN19:00 / START19:30

前売り¥4,000 / 当日¥4,500(ドリンク代別)

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4月1日(土)大阪RUIDO ※氷翠バースデー公演

4月5日(水)高田馬場CLUB PHASE

4月6日(木)静岡サナッシュ

4月12日(水)京都ARCDEUX

4月21日(金)阿倍野ROCKTOWN

4月27日(木)今池3STAR

4月30日(日)浦和ナルシス

5月16日(火)阿倍野ROCKTOWN

5月23日(火)福岡graf

5月24日(水)広島セカンドクラッチ

6月12日(月)HOLIDAY NEXT NAGOYA

6月14日(水)池袋Black Hole

6月19日(月)神戸PADOMA ※ミナギバースデー公演

6月20日(火)心斎橋soma ※流バースデー公演

7月13日(木)仙台spaceZero

7月15日(土)札幌Crazy Monkey

7月16日(日)札幌Crazy Monkey

7月19日(水)渋谷近未来会館

7月31日(月)名古屋ell.FITS ALL

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TOUR FINAL

8月3日(木)大阪BIGCAT

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全公演受付URL

https://eplus.jp/zera-aceofspades/

 

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OFFICIAL SITE

https://planet-child.jp/zera/

OFFICIAL TWITTER

https://twitter.com/ze_raofficial