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2023年06月20日 (火)

【ライヴレポート】<DEZERT LIVE TOUR 2023 “きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”>2023年6月17日(土)川崎クラブチッタ

REPORT - 20:00:26

DEZERTが、<DEZERT LIVE TOUR 2023 “きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”>の初日公演を、617日に神奈川県川崎市・CLUB CITTA’で開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

 

公演前日には、新曲「君の脊髄が踊る頃に」のミュージックビデオと新しいアーティスト写真を解禁。

そのどちらにも、風船、カメレオン、猫、ひまわりなど、DEZERTのこれまでの歩みを象徴するようなモチーフが散りばめられており、本ツアーが彼らにとって極めて重要なものになることを予感させていた。

 

深緑色に照らされた不穏な空気漂うステージへ登場したメンバーは、黒一色の新衣装。

近年はカラフルでポップなイメージのビジュアルが多かった彼らが、いま改めて提示してきた黒には決意や覚悟といった重みを感じる。

ストロボのような強い光が瞬き、SORADr)が咆哮し、高まる緊張感の中でライトが真っ赤に切り替わると、新曲「君の脊髄が踊る頃に」からライヴは幕を開けた。

 

この曲は、本ツアーと、923日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催するワンマンライヴの会場限定で販売されるシングル「僕等の脊髄とブリキの夜に」の収録作品で、最新のDEZERTの姿を象徴するような激しくもメロディアスな楽曲である。

ライヴ初披露にもかかわらず、拳を振り上げ、頭を振り、最初から全力でノる観客たち。

「調子はどうだい? 川崎! 精一杯、息して帰ってくれよな!」と千秋(Vo)が煽ると、大きな歓声が返ってくる。ステージ上もフロアも気合いは十分のようだ。

 

 

勢いをそのままに、「再教育」へ。フロアに掲げられた無数の右手はリズムに合わせて揺れ、曲の盛り上がりに合わせて激しく突き上げられる。

「胃潰瘍とルソーの錯覚」ではフロアの隅から隅までほとんど全員が激しくヘッドバンギング。まるで一つの生き物のように見えるほどすさまじい一体感だ。

 

 

617日。良い一日にしましょう」。ライヴへ真摯に向き合う姿勢を示す千秋の言葉から始まったのは、「The Walker」。

昨年リリースしたこの曲は、前に進み続ける、というDEZERTとしての強い決意を表明する作品。

マイクを握り、お立ち台からステージ前方に出てきた千秋は、“立ち止まらないで歩くんだ 未来なら僕等の再会の果てでいつまでも待っているんだ”、“きっと綺麗な未来だけじゃないけど 僕は諦めないと決めた”と観客一人一人に語り掛けるように歌い上げる。

 

 

「あんたらの心を今日見せて帰ってくれよな。暴れるだけじゃ物足りないんよな。もっともっと上に行くから。もっとあんたらを求めていくから。

今日は俺の心、全部やるから。その耳かっぽじって、その目かっぴらいて、刻み付けて帰ってください。

なぁSacchan、なぁSORAくん、なぁMiyakoくん。全部心出してってくれよ」(千秋)。

 

 

 

観客はもちろん、メンバーをも焚きつける千秋。そこから披露したのは、今年1月に開催した東名阪ツアー<DEZERT LIVE TOUR 2023「てくてくツアー」>で無料配布された「「誰にも渡しちゃいけない場所を心と名づけ」」だ。

悶え苦しむ心の奥底に触れるようなこの曲は、会場の雰囲気を一気にダークに変えていく。

張り詰めた空気の中、暗闇に包まれたステージの上で千秋が黒い感情を吐き出し続ける。

SORASacchanBa)、MiyakoGt)も渦巻く負の感情を音にぶつけるように激しいプレイを繰り広げ、観客たちは身動き一つせずステージをひたすらに見つめていた。

 

 

 

そのまま「神経と重力」へとなだれ込む。ジャケットを脱いで上半身裸になったSORAが叫ぶと、Miyakoがドラム台へ華麗に駆け寄り、激しくヘッドバンギング。

Sacchanもアグレッシブなパフォーマンスを見せ、高ぶる感情を露わにする。

 

 

 

 

ヘヴィなサウンドでライヴの勢いを加速させる「「変態」」では、コロナ禍に入ってから封印していたWall of Deathを再開することに。

しかも、今回はCLUB CITTA’の柵の位置を考慮した結果、フロアを3分割して2つの道を作り、それぞれでぶつかり合うという斬新なやり方を千秋が指示する。

すると、Wall of Deathが始まった途端にフロアのど真ん中から綺麗に人が居なくなるという何とも不思議な光景が広がっていく。

数年振りに身体をぶつけ合った観客たちの中には、楽しさのあまりマスクをしていてもわかるほどに笑顔の人もいた。

 

 

「大塚ヘッドロック」が始まると、観客たちが上手から下手へと一斉にフロアを大移動し、会場は大きく揺れる。

間奏部分では千秋がSacchanからリコーダーを強奪。手持ち無沙汰になったSacchanがステージ上をウロつくというシュールな展開に笑いが生まれる場面も。

さらに暴れ曲は続く。「「秘密」」のイントロが流れると、歓喜の声があちこちから上がり、“待ってました”と言わんばかりに拳ヘドバンやモッシュの嵐が巻き起こる。

 

「一人も残さずに行くぞ。後ろ、見えてないけど見えてるからな。(前、)眼中にないけど見えてるからな。真ん中、見えてるからな。

だからさ、声でないやつも声出るやつも、まとめて……遺書を書こう!」。そんな千秋の煽り文句から始まったのは、「「遺書。」」

ステージで繰り広げられる激しいパフォーマンスに共鳴するよう、全力で暴れる観客たち。フロアには熱気が立ち込め、ボルテージは最高潮に。

サビを会場全員で歌うパートでは、最近のライヴから導入された“1オクターブ担当“の効果により、ロックバンドのライヴとは思えない美しいハーモニーが生まれる。

さらに、千秋の思いつきで急遽録画や録音がOKに。観客たちは”今日の遺書“として自分の歌声とステージの景色をスマートフォンに収めた。

(この動画は、後に「#今日の遺書」というハッシュタグと共にTwitterへ投稿されている)。

 

 

「楽しいな! 俺は楽しいぞ。でもこれからDEZERTのファンたちに色々求めてしまうと思います。ノリとかじゃなくて。

いい奴になるの疲れたから。いい奴じゃないねん、求めちゃうから。今日ここにいる全員、生きてる証を私らにちょうだい。

声でもいい、拳でもいい、汗でもいい。生きてる証をちょうだい! きっとここに集まった俺たちになにか意味があると信じて、一生懸命歌います」(千秋)

 

 

ライヴの前半でも口にしていた、貪欲に観客の心を求め続ける千秋の思いは、そのまま「ミザリィレインボウ」へと繋がっていく。

“笑えば伝うほどの 痛み背負って 愛を歌っていて”、“夜明けを待たずともさ 一つになれる そんな気がした”と全身全霊で叫ぶように歌いあげ、観客たちの心を震わせる。

途中、「君も、君も、君も!」とメンバーを指さしてから“君と僕 誰かのために 架かる虹は色んな色だ”という歌詞に繋げる場面も。

まさに一人も残さず、今この瞬間を共にしている全員の心をまとめて引っ張っていってくれた瞬間だった。

 

 

「今日来たお前らに歌いたい歌があるねん。今俺が思うこと、歌にしました。綺麗事で吐き気がするやつもいると思うけど、そのゲロも俺が飲んでやる。

DEZERTに触れてきたこと、絶対意味がある。ここにあんたらの居場所がある。俺はそう信じてる。来てくれてありがとう! またDEZERTやろうな」(千秋)

 

 

 

バンドマンからファンへ贈る愛のメッセージとして、これ以上の言葉はきっと存在しないだろう。

そんな最大級の愛を込めて届けたのは、「僕等の脊髄とブリキの夜に」の2曲目に収録されている新曲「僕等の夜について」だった。

「どうしてもライヴを見に来たファンに初めて歌いたかった」というこの曲は、

まさに千秋がこれまでMCで伝えてきたメッセージをそのまま歌詞に込めてメロディーをつけたような、不器用で繊細な直球のラブソングだ。

4人の溢れる思いが込められた音楽に胸を熱くさせた観客たちは、「オイ! オイ!」と叫びながら拳を突き上げ、フロアから精一杯のアンサーを返した。

 

 

本編ラストの「「君の子宮を触る」」から、アンコールの「半透明を食べる。」「Sister」「脳みそくん。」までは、怒涛のラッシュで観客を暴れさせる。

メンバーも観客も汗だくになりながら迎えたフィナーレには、「TODAY」が掲げられた。

“生きててよかった そう思える夜はきっとここにある”と、祈りを込めたメッセージは、このライヴという空間を特別な場所に変え、会場にいるすべての人々の心を瞬間的に救う力を持っている。

2018年にリリースして以来、何度もライヴで丁寧に届け続けてきたこの曲に、4人は今抱える思いの全てを託した。

 

なお、本公演は事前に渡されたセットリストから変更した箇所が多く、おそらくライヴ直前にリアルタイムで作り変えていったのだろう。

それでも約2時間の公演を振り返ってみれば、絶妙なバランス感で勢いと緩急のある完璧なライヴが展開されており、そのセンスと対応力に感服させられたことも記しておきたい。

 

異なるメッセージを放つ2つの新たな楽曲を携え、DEZERTのツアーは最高の形でスタートを切った。

彼らの伸ばした手は、全国各地でどれだけ多くの人の心に触れるか。

そして、ツアーの先に待つ<DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT->で、何を表現するのか。

着実に前へ進み続けるDEZERTを目に焼き付けたい。

 

 

 

 

写真◎西槇太一

文◎南明歩 

 

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DEZERT LIVE TOUR 2023

“きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”

2023617日(土)CLUB CITTA’

SETLIST

 

01 君の脊髄が踊る頃に

02 再教育

03 胃潰瘍とルソーの錯覚

04 白痴

05 The Walker

06 カメレオン

07 「誰にも渡しちゃいけない場所を心と名づけ」

08 神経と重力

09 「変態」

10 大塚ヘッドロック

11 「秘密」

12 「遺書。」

13 ミザリィレインボウ

14 僕等の夜について

15 「君の子宮を触る」

 

EN1 半透明を食べる。

EN2 Sister

EN3 脳みそくん。

EN4 TODAY

 

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≪ライヴ情報≫

 

DEZERT LIVE TOUR 2023 “きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”

71日(土)新潟NEXS

79日(日)仙台Rensa

715日(土)福岡DRUM Be-1

716日(日)福岡DRUM Be-1

722日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM

723日(日)高松MONSTER

729日(土)札幌ペニーレーン24

826日(土)名古屋DIAMOND HALL

827日(日)なんばHatch

 

【チケット料金】 ¥6,000(税込)

 スタンディング(大阪公演以外の8公演) 全自由/座席有り(827 大阪公演のみ)

※入場時ドリンク代別途必要。入場整理番号付き

 

【チケット一般発売受付中】

イープラス(全箇所)  https://eplus.jp/dezert2023/

ローソンチケット(新潟・福岡・札幌・大阪) https://l-tike.com/dezert/

チケットぴあ(新潟・福岡・札幌・大阪) https://w.pia.jp/t/dezert-t/

 

 

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≪リリース情報≫

■会場限定 NEW SINGLE 2023617日(土)発売

「僕等の脊髄とブリキの夜に」  <CDDCCA-1109 / 1,500円(税込)

CD収録曲】

 1. 君の脊髄が踊る頃に

 2. 僕等の夜について

 3. 君の脊髄が踊る頃に (instrumental)

 4. 僕等の夜について (instrumental)

 5. デザートの楽しいラヂオ~みんなの脊髄がビシバシ震える編~

 

CD販売会場】

DEZERT LIVE TOUR 2023“きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー” 全公演

DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-2023923日(土)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

 ※上記会場のみでの販売となります。他公演、店舗、通販での販売はございません。

 

【デジタル配信】

1. 君の脊髄が踊る頃に

※各配信サイトにて617日~配信開始

1曲のみの配信となります。

※配信サイトによって、配信開始時間が異なりますのであらかじめご了承ください。

 

≪君の脊髄が踊る頃に(Official Music Video)≫  https://youtu.be/lbWXkuAjMEQ  

 

DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-

2023923日(土・祝)LINE CUBE SHIBUYA

OPEN 16:30 / START 17:30

() DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

 

【チケット料金】 全席指定 ¥6,500(税込)

※営利目的の転売禁止、未就学児童入場不可

 

【ひまわり会 チケット先行受付(抽選) https://www.dezert.jp/feature/20230923_dezert

受付期間:2023617()21:00626()21:00

入金期間:2023630()13:0074()21:00

 

※お1人様2枚までお申し込みが可能です。同伴者は非会員でも申し込みいただけます。

※受付期間中にご入会が完了した会員様もお申し込みが可能です。

e+抽選受付、スマチケのみ、同行者登録有り

 

【オフィシャルHP先行受付(抽選) https://eplus.jp/dezert0923hp/

受付期間:202375()12:00711()21:00

入金期間:2023714()13:00718()21:00

e+抽選受付、12枚、スマチケのみ、同行者登録有り

 

【一般発売】2023820日(日)

 

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DEZERTオフィシャルサイトhttp://www.dezert.jp 

DEZERT YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/dezert_official 

DEZERT 公式Twitter  https://twitter.com/DEZERT_OFFICIAL 


2023年06月18日 (日)

【ライヴレポート】<HOWL ONE MAN LIVE TOUR 2023「アイラブユーの後遺症」>2023年6月15日(木)新宿Motion◆「ここがHOWLのライブだ!新しい自分になりたくてここに来たんだろ!」

REPORT - 20:00:24

灼熱の前兆のような湿気とうだる暑さが襲ってくる季節になってきた。おまけに連日の雨だ。四季折々という日本語の概念さえも曖昧になってくる昨今。過去に生まれたものを刷新する時が近づく気配を感じずにはいられない。

 

2023615日。前回の全国ツアーファイナルSpotify O-WEST公演『ロゼッタ=ストーン』から僅か一か月半余り。驚くべきハイペースで全国ツアー<アイラブユーの後遺症>の初日を迎える、HOWL

 

HOWLはヴォーカリスト真宵の少年のように純粋でありながらガラスのように繊細な詩世界を流麗なメロディに乗せることを基調とした4人組のヴィジュアル系ロックバンドだ。

 

真宵(Vo)、よっぴ(Gt)、ゆうと(Ba)yuki(Dr)4人の抜群に端正なヴィジュアルが人気を呼んでいるが、この常識外れたタイトなツアー間隔からも判るようにその実態はどこまでもライヴにアグレッシヴで、貪欲で、時に泥臭くもある。

 

そんな彼らの分岐点になるであろうツアー初日東京公演の模様を本レポートでお伝えしたい。

 

 

 

 

 

会場となる新宿Motion。西武新宿駅から徒歩1分のビル5階である。

この日はツアーの中で唯一当日券無料ということで初めてHOWLのライヴに触れるであろう層や男性客も数々見受けられる。

 

______1735分、定刻をやや過ぎたところで暗転。

するとすかさず眩い白光が視界を奪っていく。この新宿Motion、ステージ背面にLEDスクリーンを導入しておりその光が会場を華やかに明るく照らす。

 

ほどなくして、その光を遮るようにyuki、ゆうと、よっぴがステージに現れる。メンバーの名を呼ぶ声援が会場に充満したところでyukiの激しいドラムが鳴り響く。ゆうとはマイクを使い煽りながらベースを重ね、よっぴのギターはエッジィに鳴る。楽器隊3人のセッションから幕を開ける意表を突く演出に会場がどよめいたところでフロントマン真宵が姿を現し「アイラブユーの後遺症、はじめようぜ!」と叫ぶ……も、ここで真宵からのサインで不意に演奏が中断される。

 

機材トラブルだ。ステージを去るメンバー。記念すべきツアーの滑り出しとしてなんとも不穏な空気が会場に漂う。

数分のインターバルを置いて、再び暗転。

 

よっぴのチャーミングな「よし、もう1回いこうか!」でリスタート。オープニングからクライマックスの応酬のようなナンバーが並び、奇しくもトラブルをまるで手玉に取るようにフロアの熱気は加速的に上昇していく。

 

 その熱を制御するように挟まれたMCでは真宵が「えー何事もなく始まりました()」と笑いを取る一幕も。初日の緊張感など感じさせずに、想定外の状況でも自分たちのゲームプランを崩さずに遂行する様はO-WESTワンマンを経てのものだろうか。

 

 

 

 

中盤のブロックではメロウなナンバーが並んだ。

淡々と刻まれるサウンドが実に心地よいyukiのドラムに、よっぴのギターが美しく寄り添い、その中間地点を自在に動き回るゆうとのエロティックなベースラインに観客が息を飲んだのは「メルティナイト」。

2020年に発表され、『愛情表明』(2021)にも収録されている楽曲であるが、そのタイトル通りに力感を抜きながら高音を操る真宵のヴォ―カリゼイションが甘く溶けていく光景は見事で、この日のハイライトと言えるだろう。

 

以前、彼らを取材した際に「僕らって誰に似てるんですかね?」とふいに真宵が尋ねてきたことがある。「特別に他の●●っぽいっていうバンドじゃないですよね、HOWLは。」と返答したが、実のところ虚をつかれ適切な例が浮かばなかった。その際、よっぴがすかさず「誰にも似てなくていいんじゃない?」と発言したことを思い出した。

真宵以外の何物でもないそのソフトな声質とそれでいて楽曲ごとに変わる顔つき、確かに他の何かに形容しがたいものだと改めて感じさせられる。

 

モッシュする観客が身に着けるリングライトがミラーボールに反射する様がさながら妖しげなダンスフロアを想起させるレアなナンバーや、お馴染みのキラーチューン「先天性君症候群」を挟みながら本編は終盤へ。

「これが最後の曲です。全身全霊でかかってこい!!!」

終着地で披露されたのは前回のツアーの基軸となり、大化けを果たした必殺曲「アンダーテイカー」。

 

 

『アンダーテイカー』(MUSIC VIDEO)

https://www.youtube.com/watch?v=nknT-1sSjbU

 

 

生きている限りいつか必ずやってくる終わりを悟りながらそれでも痛みと向き合う真宵の詩世界を至高のメロディが彩る、ロックバンドHOWLが誇る珠玉の名曲だ。

ここまで心は外側を向き続け、オーディエンスの目をしっかり見つめてパフォームしてきた4人がここでは一転して、自らの内側から魂を抉るように音をかき鳴らす。

 

「かかってこい!」、まるで己をアジテートしているかのように吠え続ける真宵の姿に、これまで淡々としたプレイで魅せていたyukiは一心不乱に頭を振り乱し、スティックを振り下ろす。弦楽器隊のよっぴとゆうとも呼応する。

生まれ持った資質とも言える、その華々しい佇まいを器用に扱うどころか、むしろ不器用かつ無骨過ぎるパフォーマンスで観客と対峙する4人。肉を切らせて骨を断つのではなく、骨を切らせてでも骨を断つのがHOWLのライヴにおけるアグレッシヴネスの大きな特徴であり武器である。まさに無骨。

ステージとフロアが足並みを揃えて温度を上昇させたところで完全燃焼にて本編終了。

 

 

 

 

熱気もそのままに間髪おかずにかかる凄まじい声量のアンコール。

ツアーTシャツへとお色直しをすませたメンバーも登場するや否や「アンコールありがとう。声デカいな()」と言及せずにはいられず満足げな様子。

 

いつもの陽気なMCを封印し、「新曲をたくさん育てましょう!」と手短に語ったゆうと。「楽しんでニコニコ(ツアーを)廻りたい!」とよっぴは明るく、yukiは「前回のツアーで自信がつきました。自分らしくドラムができるようになりました。」と逞しい発言も。

真宵も前回のツアーで得た手応えを述べたのち、「好きという感情があるからこそ夢や恋がある。でも、好きだからこそ後悔がある。悲しかったり、心が痛むそれでも負けずに好きでいられるのが人間なんだ。このツアーで新しい感情を見つけに行こう。」とこのツアー<アイラブユーの後遺症>の意図を語りかけた。

オーディエンスの期待に応えるボリューミーなアンコールでは当然、本ツアーの最重要楽曲も披露された。

 

『ロゼッタ=ストーン』(MUSIC VIDEO)

https://www.youtube.com/watch?v=DG7V1N4foqs

 

 

HOWLが自ら産んでしまった名曲「アンダーテイカー」のあまりに高い壁に挑むこの曲。同様に抜群のメロディと、生まれながらにしてすでに成熟した青年のような佇まいが実に印象的だ。早くもオーディエンスの反応が良好なこの曲がツアーを経てどのような顔つきになるのかが楽しみで仕方ない。

およそ2時間で全編終了。

 

 

 

 

 

「生きてて偉いぞ!!」

「今日みたいな日またやろうな!」

アンコールを求める声の大きさからも伝わるように終始熱烈なフロアに対してメンバーも賛辞を惜しまない。

冒頭のトラブルを笑い話に変えてもお釣りが出るほどポジティヴな空気で<アイラブユーの後遺症>初日は無事幕を下ろした。

 

HOWLのライヴの大きな魅力である、愛すべき燃費の悪さ”…以上に一層タイトな表現に進化した精度・純度の高さが記憶に残る「変わらずに変わっていこうぜ!」の言葉通り、過去を刷新する素晴らしい所信表明の夜だった。

新曲「ロゼッタ=ストーン」では痛みや感情を言葉にしきれず解読不能と何度も繰り返される。この旅はきっとこの解読できない何かを解読するためのものになるだろう。

大阪、愛知、茨城、栃木、群馬そして特別な公演になることが予想される711日、キャリア最大キャパシティとなる東京・池袋harevutai

最終決戦の地までHOWL4人と後遺症の残る恋をしよう。

 

 

文◎山内秀一

 

 

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HOWL OFFICIAL HP

https://howl-official.com/

HOWL OFFICIAL Twitter

@HOWL_staff

 

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HOWL ONE MAN LIVE TOUR  2023「アイラブユーの後遺症」

OPEN17 : 00  /  START17 : 30

全公演共通(終演は19:30予定)

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<一般発売中>

6/19() 心斎橋CLAPPER

https://eplus.jp/sf/detail/3873690001-P0030001P021001?P1=1221

6/21() 今池CLUB 3STAR

https://eplus.jp/sf/detail/3873700001-P0030001P021001?P1=1221

6/27() 水戸SONIC

https://eplus.jp/sf/detail/3873850001-P0030001P021001?P1=1221

7/3() HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-4

https://eplus.jp/sf/detail/3873870001-P0030001P021001?P1=1221

7/4() 高崎TRUST55

https://eplus.jp/sf/detail/3887310001-P0030001P021001?P1=1221

-Tour Final- 7/11() 池袋harevutai

https://eplus.jp/sf/detail/3874810001-P0030001P021001?P1=1221

Aチケット SOLD OUT

Cチケット ¥1,000 一般発売中

Bチケット ¥2,000 物販にて販売中(オリジナルピクチャ仕様)   

 



2023年06月16日 (金)

【ライブレポート】<覚醒アリア始動主催『覚醒アリアはじめます。』>2023年6月14日(水)新宿club SCIENCE

REPORT - 00:00:12

6月14日(水)新宿club SCIENCEにて、先月情報解禁された新バンド「覚醒アリア」の始動主催公演『覚醒アリアはじめます。』が開催された。

 

 

 

総動員130人越え、覚醒アリア動員は40人を越え、最先のいいスタートとなった。

1曲目の『覚醒アリアはじめます。』ではVo.がっくんによる“オタクコール”から始まり、各メンバー紹介をしていく楽曲だ。

 

 

 

ファンがペンライトを使うのもこの曲の特徴の1つで、会場では推しカラーを光らせてメンバーに是非アピールしてほしい!

 

 

 

Ba.エレンを紹介している時のワンシーン。

 

 

超笑顔のDr.えんどぅー!!

 

 

2曲めは覚醒アリア1番の暴れ曲『ドグマ』。
ここで一気に会場のボルテージが上がる。

美し過ぎるBa.エレン。

 

 

 

3曲目『亡レハテ』が終わりMCへ。
メンバーそれぞれの紹介が行われ、バンド結成へのエピソード、出会いなども話された。

 

 

 

MCが終わりVo.がっくんの煽りから後半戦4曲目、最強最大無能女子』へと繋いでいく。

可愛らしさが光るGt.兎乃こうき。

 

 

 

5曲目は『恋華 Koibana』。扇子を使うのが特徴の1曲。

 

 

会場のノリもかなり良く、初披露とは思えない盛り上がりをみせた。
満面の笑顔をみせるGt.紅凪!

 

 

 

ラストの曲は1曲目でも披露した『覚醒アリアはじめます。』を再度披露。
笑顔と活気で溢れる締めくくりを見せた!

 

 

 

 

 

◾️PICK UPライブ

8/29(火)新宿HEIST ワンマン
9/6(水)新宿HOLIDAY Gt.兎乃こうき生誕主催

 

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◾️覚醒アリアスケジュール

 

【6月】
6/19(月)新宿HOLIDAY
6/27(火)池袋Black Hole

 

【7月】
7/7 (金)池袋EDGE
7/11(火)巣鴨獅子王
7/13(木)池袋Black Hole
7/18(火)巣鴨獅子王
7/26(水)新宿HOLIDAY

 

【8月】
8/7(月)池袋Black Hole
8/9(水)渋谷club asia
8/16(水)高田馬場club phase
8/23(水)池袋Black Hole
8/29(火)新宿HEIST ワンマン

 

【9月】
9/1(金)新宿HOLIDAY
9/6(水)新宿HOLIDAY Gt.兎乃こうき生誕主催

 

 

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★覚醒アリア OFFICIAL Twitter★

@Kakusei_Info