2023年08月22日 (火)
【ライヴレポート】<DEZERT PARTY Vol.13>2023年8月17日(木)新宿BLAZE◆異なった強い癖を持つバンドたちが集い、4時間近くにわたり繰り広げた熱演。
REPORT - 20:00:45よくぞここまで、というほどに。今宵、新宿BLAZEにて盛大に行われた[DEZERT PARTY Vol.13]の場には、それぞれに異なった強い癖を持つバンドたちだけが5つも集い、実に4時間近くにもわたる熱演を繰り広げることになったのだった。
ちなみに、この[DEZERT PARTY]自体はタイトルのとおりDEZERTによる主催イヴェントとしてこれまでも不定期開催されてきたものとなり、今回は2018年7月以来となる約5年ぶりでの実現が叶っためでたき一夜でもあったという。
そして、そんな晴れの場においてまずオープニングアクトとしての役割を果たすことになったのは、今年2月に始動したばかりの新バンド・CHAQLA.。
特にSEなどを鳴らすことなく、いきなり幕が開いた途端にメンバー5人がステージに整列して深く礼をしながら発したのは、「よろしくお願いします!!」の好感度あふれる一言。
それに対しての温かい拍手が客席から送られると、彼らは勇気づけられたかのように気合い入れの雄叫びを思い思いにあげつつ、1曲目となるミクスチャーロック色の強い「リーインカーネーション」を鬼気迫る勢いでぶつけてきたのである。
この好機を逃してなるものか、という強い気概が彼らの放つ音と一挙手一投足には良く表れていた。
「シーンで真っ直ぐに突き進んでいる先輩方と同じステージに立てていることを誇りに思います。今日はありがとうございました!
俺たちはこのバンド・CHAQLA.に誇りを持って活動しています。以後、お見知り置きください!!」(ANNIE A)
4曲目の「PLAYBACK!!」で曲の途中にイヴェント運営側から強制的に幕を閉められるまで、持ち時間を目一杯使ってアピり倒したCHAQLA.の貪欲な喰らいつきぶりは、確実にこの[DEZERT PARTY Vol.13]に対する爪痕を残したに違いない。
かと思うと、そのあとに1番手となった甘い暴力は登場SEが響きだすと同時に客席側のドアから堂々と入場し、なぜかメンバーが個包装のお菓子と満面の笑顔をあたりに振り撒きながらステージへと上がっていくことに。
「いきなりすいませんね。今日はデザートパーティですから、ちょっとデザートを配らせていただきましたよ。我々、甘い暴力と申します。よろしくー!」(咲)
「ちょっと待って、待って。デザートはデザートでも意味が違うやないの!」(文)
「うわぁー、間違えたぁー」(咲)
「もうこんなに使えないヴォーカル、初めてやわぁ~」(文)
この新喜劇を思わせるような素晴らしき茶番から始まったのは、観客側からの“使えねぇコール”が発される中でプレイされていくことになった「使えね。」。
また、これに続いた「頭がハッピーちゃん」もどちらかと言えばネタ要素の滲む面白いものとして感じられたが、一転しての凶悪なヘヴィサウンドが響いた「ミナゴロシ」では彼らのカッコ良い部分が存分に発揮されていたほか、咲の繊細なヴォーカリゼイションが映えた「噛み痕」ではセンチメンタルな甘い旋律が観衆をじわじわと魅了。
正味なところ、このバンドはやり口が相当ズルい(無論これは褒め言葉!)。
なんでも、フロントマンの咲はDEZERTの千秋を意識したツインテールでこのステージに臨んだそうであるが、そうした細かい気配りも含めて彼らは人心をつかむのがやたらと上手すぎる。
そのうえ、楽曲完成度や演奏面でも手堅いと来れば怖いものナシではないか。決して器用貧乏なスタイルに陥ることもなく、最終的には「暴動」でキッチリと場を煽りきって締めくくったあたりの手腕もお見事と言えた。
なお、ここまでがDEZERTにとっての後輩バンドたちによるステージングであったのに対し、3番手としてドラマティックな「クロアゲハ」からライヴをスタートさせたRoyzは、言うなればDEZERTとはほぼ同期と言っていい間柄のバンド。
特に、昨年10月に[DEZERT × Royz “デザートとロイズでアナタのハートに火はツキマス~?…多分ダイジョウブデスっ!” ]で2マンライヴを実現させたのを機に交流が深くなったそうで、どうやらこのタイミングでの再共演は両バンドにとって大きな意味を持っていたようだ。
「今日は[DEZERT PARTY Vol.13]ということで、彼らが主催イヴェントをやるのは5年ぶりらしいんですが、
こうして声をかけていただけたのは非常に嬉しい限りです。ありがとうございます!(中略)
今日はDEZERTと楽屋が一緒で千秋ともけっこう話をしてたんやけど、実はRoyzってあんまりトモダチいない系バンドなのよ(笑)。
でも、去年くらいからDEZERTといろいろやるようになって来ててな。正直、こんなこと面と向かっては言わへんけどメチャクチャ嬉しい。
あいつらからもらったものってホントに凄くデカいし、いまだにいろいろ刺激を受けてるし。
そんなDEZERTの主催に出させてもらった以上、僕らもミュージシャンなんで。
結局ライヴをかましていくしかないと思うんで、お礼の気持ちはしっかりここでのライヴで返していきたいと思います」(昴)
高い歌唱力で楽曲に命を吹き込む昴、テクニカルにしてエモいギターフレーズを奏でる杙凪、
得意のスラップを駆使しながらグルーヴを生み出す公大、的確でありながらも高揚感のあるドラミングが頼もしい智也。
この4人からなるRoyzは、来たる8月24日にZepp Shinjukuにて[SUMMER ONEMAN TOUR[地獄京]]のツアーファイナルを迎えるとのこと。
彼らの勇姿をワンマンでも拝みたいという方々は是非是非!
さて。ここからはやや個人的な見解に終始してしまうことになるのだが、この日イヴェントのトリ前という重要なポジションを担ったBugLugのライヴには心底驚いてしまった、というのが偽らざる当方の本音となる。
実は、彼らが活動を開始した2010年から数年は某音楽雑誌で毎月といっていいほど取材をさせてもらっていたものの、その雑誌が休刊となってしまって以降は残念ながら彼らとの縁が遠くなってしまい、なんと筆者にとってはこれが10年ぶりに観るBugLugのライヴであった。
「久しぶりにBugLugを観る人、初めて観る人もたくさんいると思うんだけど、全曲盛り上げて帰るのがBugLugのライヴです。いいですか!」(一聖)
まさに“久しぶりにBugLugを観る人”そのものだった自分からすると、いきなり野性全開のプリミティヴなリズムが躍動した「猿」といい、一聖の「全てに制裁を!」という叫び声から始まった殺伐チューン「ギロチン」にしても、とにかく全てが鮮烈で赤裸々で刺激的で、10年前のやけにキラキラしていたBugLugとの大きなギャップには半ば戸惑ってしまったほど。
当然インターネットを介した情報などから、彼らがここまでに紆余曲折を経てきたこと自体はいくらか知っていたつもりだったとはいえ、やはり生のライヴに接した時の臨場感や説得力に勝るものなどあるわけがない。
「勝手なワガママを言わせてください。どんな会場だろうと、どんなライヴだろうと、必ず“ひとつ”になりたいんです。
けっこう無理難題かもしれないけど、それはずっと俺の抱えてる使命だと思ってて、今日もそれを実現させるために歌ってます」(一聖)
この夜、一聖がMCで口にしていたこの言葉。それは9月16日に控えているBugLug主催フェス[バグサミ 2023]の場でも、必ずや体現されるものと確信する。
かくして、それぞれに異なった強い癖を持つバンドたちが、やりたい放題にやり散らかして行ったあとの焼け野原。
そこに降りたったうえで、これまたオーガナイザーだからこその貫録と彼らならではの癖をしかと提示してくれたのは、他ならぬDEZERT。
「さぁ、[DEZERT PARTY]始めますよ!」(千秋)
6月から始まって8月27日の大阪公演まで続く[DEZERT LIVE TOUR 2023 “きみの脊髄と踊りたいんだっ!!ツアー”]のちょうど只中でもあるせいか、たとえば「君の脊髄が踊る頃に」をとってみても彼らの繰り出すバンドサウンドは極めて活きが良く、アブラのノリ具合もすこぶる良い印象。とことんリハで仕上げてきましたという風情の型にハマったバンドサウンドとは全く違う、ライヴの場で叩き上げてきたからこそのダイナミックで余裕のある音を、DEZERTはこの場でいかんなく発してみせた。
元をたどれば、今年に入ってからのライヴ活動はどれも9月23日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) で行われる[DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-]を視野に入れた中で彼らが積み重ねてきたものでもあると言えそうだが、その策は完全に吉と出ていることになろう。おそらく、この様子だと渋公でも彼らは圧勝出来そう。
「今日は僕たち自身がただ純粋に「この場を楽しみたい」という、そんなセットリストにしてきましたので。
あまり深く考えず、踊っちゃってはどうでしょうか?」(千秋)
新宿BLAZEでのライヴとあって、千秋が「新宿ヘッドロック!」と曲紹介した「大塚ヘッドロック」では場内が右へ左へと揺れる、V系ライヴではおなじみの横モッシュが発生。また、曲の途中でスタンディングの客を全員フロアに一旦座らせてから飛ぶように促した「「秘密」」や、DEZERTのファン以外にも広く認知されている鉄板楽曲「「君の子宮を触る」」でも場内のテンションは常にフルゲージをマーク。
くわえて、O.A.としての功績を認められたCHAQLA.のANNIE Aが千秋に急遽召喚され、Sacchanと共に客席へと派遣された「包丁の正しい使い方~終息編~」ではウォールオブデスでカオスな空間が生まれることになったりもした。
「やっぱタイバンって楽しいんでね(笑)。また[DEZERT PARTY]はそのうちやりたいと思います。生きてて良かったなっていう夜をまた一緒に感じましょう!
そして、今日ここに出てくれたバンドのみんなありがとうございます!じゃあ、ラスト1曲はみんなでいきますか!!」(千秋)
ここで選曲されていたのは、その不穏なタイトルに反してこれまでもセッションの際によく重用されてきた「「殺意」」。
各バンドのヴォーカリストが全員マイクを持ち、楽器隊メンバーたちまでもが仲睦まじく入り乱れる光景からはむしろ殺意など微塵も感じられず、至って友好的な尊いひとときが育まれていったことは言うまでもない。結果、気付けば時間は終了予定時刻を40分以上も過ぎた22時の少し前。
よくぞここまで、というほどに強い癖を持つバンドだけが5つも集った[DEZERT PARTY]は、最高の宴として全参加者の記憶に深く刻まれたのではないかと思う。
写真◎Taka”nekoze photo”
文◎杉江由紀
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DEZERT PARTY Vol.13
2023年8月17日(木) 新宿BLAZE
SETLIST
CHAQLA.(OA)
1.リーインカーネーション
2.ミスキャスト
3.POISON
4.PLAYBACK!! ※途中まで
甘い暴力
1.使えね。
2.頭がハッピーちゃん
3.ミナゴロシ
4.噛み痕
5.首絞めマアチ
6.暴動
Royz
1.クロアゲハ
2.killing Joke
3.キュートアグレッション
4.丸の内ミゼラブル
5.ANTITHESIS
6.RAIZIN
BugLug
1.猿
2.ギロチン
3.HEISEI OUTSIDER’S
4.骨
5.Ressentiment
6.ひとりごと。
DEZERT
1.Call of Rescue
2.君の脊髄が踊る頃に
3.大塚ヘッドロック
4.「秘密」
5.「君の子宮を触る」
6.包丁の正しい使い方~終息編~
7.切断
8.「「殺意」」
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Royz OFFICIAL SITE https://royz-web.net/
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2023年08月19日 (土)
[ kei ]、独立後初ライブで新しい門出と誕生日を祝福。1年後に向けたカウントダウンもスタート!!
REPORT - 17:00:41[ kei ]が、事務所独立後初のライブ<kei.LIVE 2023「−365」>を自身の誕生日でもある8月12日(土)、東京・Veats Shibuyaにて開催した。
2023年、圭から[ kei ]へとアーティスト名の表記変更に始まり、[ kei ]として初のシングル「MIRACLE」を発売したあとは22年間所属していた事務所から独立を発表し、自身のアーティスト人生をかけ、自分の手で未来を切り開くという熱い決意のもと、これまで築き上げてきたベースを自らリセットしていった [ kei ]。その[ kei ]が、ついに新しい一歩を踏み出した記念すべき独立後初のライブとなった公演の模様をレポートする。
暗転した場内に高松浩史(Ba/THE NOVEMBERS,Petit Brabancon),植木建象(Dr)がスタンバイし、SEに生音を重ね、ライブは「ETERNAL HEART」のテンポをあげてダンサブルなアレンジを加えた「ETERNAL HEART-the night the stars sing-」で幕開け。[ kei ]はこの日から新しく生まれ変わり、ゼロからのスタートを思わせるような真っ白い衣装でステージに登場。ハンドマイクでフロアに突き出した花道まで駆け出し「3、2、1、Go!」とジャンプを即し、冒頭からフロアを積極的に盛り上げていく。その後はすぐさまギターを装着。ハートと花びらの形を映し出すライトがステージを照らすなか、軽快なバンドサウンドでアップチューンの「青空に吹かす夜、晴れ渡る日(COVER)」を畳み掛け、それを「17.」へとつないでオーエィエンスのボルテージを高めていく。ここで曲中、舞台中央のお立ち台に立った[ kei ]が全身ブラックコーデの高松を自分の元へ呼び寄せ、白と黒の鮮やかなコントラストで、スタイリッシュな見せ場を演出。冒頭から熱量が高めだった植木建象が、さらにハイエナジーなドラミングを披露していった「the salvation.」では、その勢いに触発され、[ kei ]が今まで見せたことがないようなワイルドな歌唱を披露。そうして熱気が膨らんだ場内に、次は女性の繊細さと男性のタフネスがゆっくり交差していくようなインスト曲「eve.」を広げて、オーディエンスの熱気をじょじょに沈静化させ、さらにスローなバラード「Home sick(COVER)」の歌唱で、みんなの心を穏やかに癒していった。
バンドメンバーを残し、舞台袖に消えた[ kei ]は、黒いノースリーブシャツに着替えて再びオンステージ。弾き語りで歌った「LAST SCENE」では[ kei ]の歌声が露わになり、美しくドリーミーなメロディーにのせて“この世の始まり、この世の終わり”と儚いこの世の終わりを思わせる言葉を届けていく。“夢ならば醒めないで”という祈りを打ち消すように、曲が終わった場内には不協和音が反響。バンドアンサンブルが段階を経て、どんどん狂気をまといい、地獄の底の底までオーディエンスを陥れていくダークな「vita.」。波の音とともに、光を呼び込むシンセに[ kei ]がギターフレーズを重ねて力強いエネルギーの生命体を生み出すと、それが今度は天国に向かって伸びていくようなスケール感で観客を透明感溢れる世界へと誘う「spirit in heaven.」と、ここではテイストの異なるインスト2曲を続けてアクト。トータル20分以を費やして、ギタリスト、コンポーザー、アレンジャーでもある[ kei ]が作り出すディープな世界観を、ジャムセッションのように毎回メンバーのテンションによって変化するバンドサウンドで堪能できるインストパートは、[ kei ]のライブには欠かせないセクションであり、アーティストとしての大きな強みでもある。一見長く感じられそうなこのようなインストセクションも、元々ギタリストである[ kei ]の華麗なギタープレイを思う存分堪能できること。さらには、この日であれば地獄から天国へなど、観客がイメージを拡張しながら探索できるヒントが、サウンドのなかにちりばめられているため、オーディエンスは置いてけぼりをくらうことなく、このセクションでは、より深い没入感を味わいながら[ kei ]のライブを楽しんでいる。
インストセッションが終わったあと、再び舞台袖へと消えた[ kei ]がヘッドセットをつけて戻ってくると、フロアから「誕生日おめでとう!」の声がかかる。それを受けて「ハッピーバースデー、お〜れ〜」と1人で陽気にバースデーソングを熱唱する[ kei ]。「まさか自分で歌うことになるとは」と自分にツッコミながら「(ライブ)レポとかに“[ kei ]、バースデーソング独唱”とか書かれちゃうんだよ」といって観客の笑いを誘った。
そうして「みんなのジャンプを見たいんだけど、いける?」といって、ライブは「STAY」から後半戦へ。ギターを弾きながら花道に出てきた[ kei ]は、ヘッドセットで歌いながらフロアの柵に足を乗せ、ファンが一丸となって見せるジャンプを覗き込むような仕草を見せる。「いいジャンプだったぜ! 次は悪い俺らを見せてやろうぜ」といってアンダーグラウンドな匂いをもったハードテクノ「SIN QUALIA」へと突入。植木建象のキレッキレの4分打ちのハイハットが疾走感あるグルーヴを生み出すなか、ギターソロを畳み掛けたその足で[ kei ]は花道へと勢いよく飛び出し、ハイボルテージなテンションで高速ラップをきめる。躍動感あるステージングとサウンドでフロアを躍らせたところに、「I LUCIFER」をドロップすると、ヘッドバンギングや折り畳み、腕を振り上げるアクションで観客は大盛り上がり。曲が終わると、場内は心地よい達成感と爽快感に包まれていった。
再びステージから姿を消した[ kei ]は、肌が透けてみえるビッグシルエットの黒いシアーシャツに着替えて登場。サポートメンバーを紹介したあと、「夏っぽい曲をやります」といって、新曲「PIXIE」をライブで初パフォーマンス。キラキラしたイントロに始まり、高揚感あるメロディーに誘われ、夏のビーチを跳ねるようなバウンシーなサウンドで期待感を膨らませたあと、フックはリズミカルなギターリフで盛り上がるという曲構成はEDMがベース。これをギターが心地いい歌もののオシャレなダンスチューンに落とし込んでいったところに、[ kei ]の音楽的センスがきらめく。そうして、ミラーボールの光に包まれながら、新曲の後だと、16ビートのカッティングがさらに映えて聴こえる「MIRACLE」を演奏。この「MIRACLE」と新曲「PIXIE」は「陰と陽でいったら“陽”。次は“陰”の新曲、やっていいですか?」といって、このあとさらに新曲「THE CURSE」を初アクト。こちらは「PIXIE」とは対照的なJ-POPライクな歌もので、そこにはいない“あなた”に焦がれる思いをメランコリックなメロディーにのせて歌う、夏の終わりを感じさせるナンバーになっていた。歌い終えたあとは、独立して以降、今日発表した新曲2曲を作り、このライブの準備などで「ドタバタでした」と振り返る。独立を決意した自分を快く送り出してくれた前事務所に対して「ありがたいことだなと思ってます」と改めて感謝の気持ちを伝え、そうして、現在は「今まで以上に周りにいる人々に支えられていて。マジで、1人でライブはできないから。周りあっての自分だなということを痛感しています」としみじみ話し「みんなと、大好きな先輩たち、バンドメンバー、スタッフ、心からありがとうございます」といって、その感謝の気持ちを最大限に込めて歌い、ギターをプレイして、バラード「ETERNAL HEART」を最後に届け、この日のライブを締めくくった。歌い終えた[ kei ]は「新しい門出、ここからカウントダウンが始まります。ここからの1年、カウントダウンをしていく中、ゼロからアーティストとして成長していくので、もっと素晴らしい時間を一緒に過ごしましょう」とファンに呼びかけたあと、ステージを後にした。
公演終演後はスクリーンを通して「[ kei ] LIVE SCHEDULE」を発表。そこには、2023年12月22日、東京・SHIBUYA STREAM HALL公演から2024年8月12日まで、1年間に渡るライブスケジュールが書かれていて、場内がどよめく。それぞれ公演ごとに「−232」などの数字が表記されていることから、本公演のタイトルである「-365」から1年後に開催するライブ「0」に向けて、壮大なカウントダウンが今日から始まっていることが容易に想像できた。1年後のライブがいったいどこで、どのような形で行われるのかは、いまのところはまだシークレットとなっている。
この1年後に向けた壮大なカウントダウンのスタートとともに、[ kei ]は8月12日、12:00から自身のオフィシャルサイト(https://kei-official.jp) をリニューアルオープン。また、これまで [ kei ]自身がリアルタイム生配信でファンと交流を続けてきた「SYNERGY」を、月額サブスクサービス(PREMIUM/STANDARD2コース制)として同日にオープン。さらには昨年2月、コロナ禍で中止を余儀なくされたファン旅行「旅SYNERGY 伊東編-REVENGE-」(https://sk-tours.jp/kei-synergy2023/)を11月18日〜19日に渡って開催することも次々と発表。
[ kei ]が自分のアーティストとしての可能性を本気で信じ、仕掛けてくる新たな野望、挑戦が1年後の8月12日、いったいどんなものを生み出すのか。そのプロセスを見逃すことなく、楽しんでもらいたい。
文●東條祥恵
ライブ写真●尾形隆夫
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[ kei ] kei.LIVE 2023「−365」
SETLIST
1. ETERNAL HEART -the night the stars sing-
2. 青空に吹かす夜、晴れ渡る日 ※Cover
3. 17.
4. the salvation.
5. eve.
6. Home sick ※Cover
7. LAST SCENE
8. vita.
9. spirit in heaven.
10. STAY
11. SIN QUALIA
12. I LUCIFER
13. PIXIE ※新曲
14. MIRACLE
15. THE CURSE ※新曲
16. ETERNAL HEART
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■LIVE情報
「-232」
2023年12月22日(金) SHIBUYA STREAM HALL
「-174」
2024年2月18日(日) KMA PARADISE HALL
「-148」
2024年3月17日(日) KMA PARADISE HALL
「-107」
2024年4月27日(土) KMA PARADISE HALL
「-78」
2024年5月26日(日) KMA PARADISE HALL
「0」
2024年8月12日(月/祝) Coming soon..
※詳細は決まり次第お知らせいたします。
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■【kei】official member’s site【SYNERGY】
2023年8月12日よりOPEN!
「月額サブスクサービス(PREMIUM・STANDARD 2コース制)」
[ kei ]自身によるリアルタイムの生配信「live chat」や、[ kei ]と会員の皆様とが直接交流可能な「group chat」など、皆様との繋がりをより深めていける場を提供いたします。
▼詳しくはこちら
https://kei-official.bitfan.id/contents/menu/62031
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■[ kei ]ファン旅行
「旅SYNERGY伊東編-REVENGE-」開催
日程:11月18日(土)~11月19日(日)
【お申込み受付期間】
2023年8月12日(土) 22:00 ~ 2023年9月10日(日) 23:59まで
▼詳しくはこちら
https://sk-tours.jp/kei-synergy2023/
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■ [ kei ] official SNS
site https://kei-official.jp/ *リニューアルオープン
X(旧Twitter) @kei_staff_ (https://twitter.com/kei_staff_)
Youtube https://www.youtube.com/@kei_official_
[ kei ] X(旧Twitter) @k_official_ (https://twitter.com/k_official_)
[ kei ] Instagram https://www.instagram.com/_kei_official/
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サブスク配信中
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2023年08月17日 (木)
【ライヴレポート】<PENICILLIN 「祭」2023>2023年8月6日(日)Veats Shibuya◆毎夏恒例のメンバーが和装で登場する<「祭」2023>で、PENICILLINがフロアを鮮やかに魅了!
NEWS - 18:00:00ニッポンの夏、PENICILLINの夏が今年も到来。さる7月17日には渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)にて3時間におよぶ[30th anniversary tour real final]を開催したばかりの彼らが、このたび8月6日にVeats SHIBUYAにて行ったのは毎夏恒例となっている[「祭り」2023]。
ちなみに、毎年この[「祭り」2023]ではメンバーが浴衣や着物を独自にアレンジしたオリジナル和装で登場するのがならわしになっており、今年の場合はHAKUEIが黒を基調とした花柄の振袖に赤の襦袢、千聖が紫と赤に染め抜かれた半袖タイプの浴衣にショーパンとブーツ、O-JIROが縹色と黒の矢絣模様をあしらった浴衣にトランプ柄の被布、という粋な出で立ちにて颯爽と登場。そして、まずは「スペードキング」からその歌詞どおりに〈スピード全開〉の圧巻なるステージングをスタートさせることとなった。
「PENICILLINとしては渋公のワンマン以来なんですが、前回からはようやくマスク着用が自己責任となって、声出しもOKということでね。今日もちょっとみんなの声がうるさいです(笑)。今もMCをしようと思ったら、みんな叫んでるから「うわっ、入りづらっ!」ってなりましたが、やっぱりこういうのはイイっすね。まぁ、渋公で無事に30周年のアニバーサリー関係が終わりまして、ここからはまた自分たちのペースで進んでいきたいと思ってるところですけど、ただ長くやってるだけのバンドとは絶対に思われたくないし、そう思われるくらいなら死んだ方がマシなんで、僕らはこれからもガンガン進化していきますからよろしく!そして、なにしろ今日は「祭り」ですから。思いっきり騒いでいきましょう!!」(HAKUEI)
HAKUEIによるこの宣言どおり、今宵のライヴではO-JIROのアグレッシヴなドラミングが楽曲を牽引していった「Earth born」をはじめとして、千聖がスタンドに立てたセミアコギターとエレキギターを巧みに使い分けていった「理想の舌」、あまりライヴで披露されないレア曲の「ナルシスの花」、スイングするシャッフルビートの上でHAKUEIが色気を含んだ歌声で聴衆を魅了していった「anti beauty」など、さまざまなタイプの楽曲が場の熱量を高めていくことになったのは言うまでもない。
ワルツのリズムで紡がれた「月千古輝」や、エッジーなバンドサウンドが映えた「魔法ダイヤ」、PENICILLINにとっての最新音源表題曲である「anti catastophe」、パンキッシュなニュアンスの滲んだ「天狼覚醒」も、比較的最近のライヴでは演奏されることは多くない楽曲たちであったため、今回のライヴに参戦することがかなったファンはある意味とてもラッキーだったかも。
また、アッパーなPENICILLIN流ロックンロールチューン「SamuraiBoy」から始まった本編後半では、観客たちが♪ラララ♪の大きな歌声を添えてくれた「ウルトライダー」、メタルのエッセンスが取り入れられた「REAL」と続いて、ラストは楽曲のブレイク部分においてこれまたフロアからの大歓声が強い存在感を発揮していた「イナズマ」で締めくくられたのだが、なんでも今回のセットリストには千聖の考案した秘密の仕掛けが組み込まれていたとのことで、ネタばらしはこの後のアンコールにて行われたのである。
「実は今日の本編のセットリスト、各曲の頭文字をアルファベットに変換してタテ読みをすると“SUMMER NATSU MATSURI”になるんだよね」(千聖)
一方、アンコールではHAKUEIが言うところの「自分たちの中での夏っぽい曲」が選曲されており、PENICILLINの持ち曲の中では相当に爽やかな雰囲気に彩られた「Little Love Story」と、ヴィジュアル系バンドが歌う題材としては非常に珍しいクワガタへの愛をHAKUEI流に描いた「男のロマンZ」がこの[「祭」2023]をさらに盛り上げていったうえ、ダブルアンコールでは各メンバーがオーディエンスを煽り倒した「SEX」でハレのボルテージは遂に最高のクライマックスを迎えることになったのだった。
さて。夜空に打ち上がる夏花火のように、夏のきらめきを凝縮したかのような[「祭り」2023]のひとときはこれにて手仕舞いとなったが、もちろんPENICILLINは次の一手どころか二手先までしっかりと用意してくれているのでご安心あれ。
来たる9月16日と17日にはO-JIROのバースデーライヴである[とのさまGIG]が新宿ReNYにて行われ、翌10月の7日と8日には恵比寿LIQUID ROOMで千聖の生誕祭である[ROCK×ROCK]が今年も開催決定。“ただ長くやってるだけのバンドとは絶対に思われたくない”PENICILLINの快進撃は、当然これからも激化の一途だ!
PHOTO:Lestat C&M Project
TEXT:杉江由紀
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【全ての情報はこちら】
PENICILLIN Web
↓↓
【ファンクラブ入会案内はこちら】
↓↓
https://www.penicillin.jp/fanclub/enrollment
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【SET LIST】
祭り2023
2023年8月6日(日) Veats SHIBUYA
1、スペードキング
2、憂鬱と理想
3、Mr.Freeze
4、Melody
5、Earth Born
6、理想の舌
7、ナルシスの花
8、anti beauty
9、月千古輝
10、魔法ダイヤ
11、anti catastrophe
12、天狼覚醒
13、SamuraiBoy
14、ウルトライダー
15、REAL
16、イナズマ
En1
1、Little Love Story
MC
2、男のロマンZ
En2
1、SEX
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【PENICILLIN LIVE情報】
■O-JIRO BIRTHDAY LIVE & 千聖 BIRTHDAY LIVE 開催決定
O-JIRO BIRTHDAYLIVE 「とのさまGIG 2023」
9月16日(土) 新宿ReNY
9月17日(日) 新宿ReNY
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■千聖BIRTHDAY LIVE「ROCK ROCK 19Z!(行くぜ!)」
10月7日(土) 恵比寿LIQUID ROOM
10月8日(日) 恵比寿LIQUID ROOM
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【オフィシャル先行(抽選)】
受付期間:8月10日(木)12:00~8月20日(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/penicillin2023/
制限枚数:各公演お1人様1申込4枚
【一般発売(先着)】
9月2日(土)10:00
イープラス https://eplus.jp/penicillin2023/
チケットぴあ https://t.pia.jp/
ローソンチケット https://l-tike.com/