2017年09月26日 (火)
【ライヴレポート】<未完成アリス始動ワンマン「未完成な君との初めての出会い」>2017年9月24日(日)池袋BlackHole◆「僕たちに生きている意味をくれていることを、心から感謝しています」
REPORT - 11:43:25始動のニュースが告げられると同時に、ヴィジュアルシーンの中で話題の視線を一気に集めだした未完成アリス。
夏時期には、様々なフリーペーパーの表紙を飾りショップやライブハウスの一角を彼らの姿が埋めつくしていた。
その話題性もあり、9月24日(日)に池袋BlackHoleを舞台に行った<未完成アリス始動ワンマン「未完成な君との初めての出会い」>のチケットはSOLD OUT。
場内には、扉奥までぎっしり人が詰めかけていた。メンバーの登場と共に飛び交う歓声。
同時に、一体どんなステージングを魅せてゆくのかと、無言のまま興味津々で見つめている人たちも。
キラキラどしたギターの輝きが場内に響き出した。
「今まで生きてきた中で一番最高の時間にしよう!」
琉火の声を合図に、演奏はザクザクとした音を響かせ、フロアーへ気持ち揺さぶる刺激を投影。冒頭を飾ったのは、未完成アリスのテーマ曲に相応しい彼ら自身の生きざまを示した『良音』だ。
「僕らの音を、想いを、しっかり全員に聞こえるように届けるから」
沸き上がる感情を、歌声や叫びを通してぶつけたい。そうしないことには、熱く震える気持ちをすべて解き放てない。なんて力強く凛々しい宣言歌だ。
「上手に飛べ飛べ!」
琉火の煽りを合図に、『花一匁』に合わせ右へ左へモッシュし始めた満員の観客たちは、初めて触れる楽曲にも関わらず、無邪気にはしゃいでいた。
気持ちを熱く揺さぶる“歌物熱狂一体化ナンバー”だけに、自然と身体が反応するのも納得だ。
「誰よりも高く飛べ、もっともっともっともっと」。
感情の高まった琉火の煽りはどんどん熱を帯びてゆく。
「お前たちとしか作れない最高の夜を作ろうぜ!」
荒々しく掻き鳴らすギターの音が身体を嬉しく震わせる。タオルを振りまわす琉火の動きに合わせ、同じくタオルを振る。
『無限∞メリゴ』。その名の通り、途切れることのない狂乱の風景を作り上げるバーニングなロックナンバーだ。
最初からフルスロットルで荒ぶる演奏と昂った感情をぶつけてきたメンバー。気がつくと会場の中の人たちが熱狂の渦の中へ溺れていた。
「振りの曲を用意しました」。
フリーキーなロックンロールナンバー『あなたのオモチャ』に合わせて生まれた、振りを通して一つに溶け合った風景。
途中、ゆったりとした三拍子の演奏が流れるパートも挿入。キレ味鋭く捩じれ狂った晏のギターの演奏が、いい感じで恍惚を与えてゆく。
火照った興奮のウネリの中へ堕ちてゆく、その感覚がとても心地好い。
勢いを加速するように響いた、重く激しくうねるリズム隊。
琉火の「拳を上げろ!」の言葉をきっかけに、唯依葉のフリーキーでクレイジーなギター演奏が炸裂する。
歌心を持った楽曲にも関わらず、挑発する演奏に刺激を受け、拳を高く突き上げ騒がずにいれない。
『ストーキングジェシー』の演奏中に感じたその空気が、笑顔で気持ちを狂わせてゆく。それが、とても嬉しかった。
「僕たちに生きている意味をくれてること、心から感謝しています。
みんな大人になるにつれて、ちょっと危険な香りのする恋に憧れることが一度はあると思うんだけど。
実際にダーティな恋に溺れてみると、ちょっと苦しいこともあると歌に込めました。
苦しいな、悲しいなというときは、この歌がみんなの心の拠所になってくれたらなと思います。」
『Dirty』は、ラウドでフリーキーな演奏に乗せ、痛み傷ついた恋心を告白するように歌ったバラードナンバー。熱狂するだけではない、心へグッと刹那な感情を堕としてゆく楽曲も刺激的だ。
「頭の螺子を外せ!」
一転、激しく昂る感情を楽曲に投影した激烈疾走ナンバー『捩くれモンスター』をぶつけてきた。
突き上がる拳・拳・拳。激しく振り乱す頭・頭・頭。そんな遠くないうちに、その拳やヘドバンの風景は会場中を支配してゆくのだろうか。
「一人一人がいなかったらこういう景色は絶対にあり得ません。
僕らがみんなの生きる希望であれたらと思います。」(琉火)
ライブも終盤戦へ。触れた瞬間、身体中を熱いエナジーが駆けめぐった。
「エモくいこうぜ!」の言葉通り、気持ちをエモーショナルに昂らせた『2次元ラヴァーズ』。
ポップでキャッチーでチャーミング。でも感情を熱く熱く揺さぶる楽曲のように、エモくてポップな魅力に大勢の人たちが笑顔で堕ちていた。
最後の『夢世界少女』でも未完成アリスは、会場中にヘドバンの嵐や折り畳みの波を巻き起こし、終盤には止まぬ逆ダイの様を作り上げ、初体験という言葉を忘れる興奮と楽しさを与えていった。
アンコールは、最近のライブでは珍しくなったメンバーコールナンバー『I Scream』からスタート。
琉火に合わせ一緒に振り真似をする観客たちは大きく手を上げ、各メンバーの名前を熱くコールしていた。
「僕らのとっておきの曲、もう1回届けるよ!」
今にも客席へ落ちんばかりの勢いで歌い、煽る琉火。
最後に未完成アリスは、ふたたび『良音』を突き付け、熱気を拳で掻き回す光景を場内に作り上げ、始まりの宴の幕を閉じていった。
「君の世界に信じられるものが一つもなくなっても…この声で、この歌で、君を立ち上がらせるから」。
歌を通し、そう投げかけた言葉がとても嬉しかった。
未完成アリスは、 来年に2ndシングル『 依存症パズル 』を発売。
3月2日には琉火のバースデーワンマンンマンライブを高田馬場AREAで行うことを発表。まずはこの会場をソールドアウトさせる。それを、目の前の目標に走り始めた未完成アリス。
今はまだ高い目標だ。それを現実の未来に変えていけるか。それが、これからの未完成アリスの課題。
そこを超えない限りは次へ進めないと彼らは口にしていた。
その想いに少しでも興味を持った方は、一度未完成アリスのライブへ触れていただきたい。
そこで共鳴をしたなら、一緒に夢と未来を追いかけて欲しい。
ともに完成形を求め、熱い歓声をぶつけてくれ。
TEXT:長澤智典
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-セットリスト-
『良音』
『花一匁』
『無限∞メリゴ』
『あなたのオモチャ』
『ストーキングジェシー』
MC
『Dirty』
『捩くれモンスター』
MC
『2次元ラヴァーズ』
『夢世界少女』
-ENCORE-
『I Scream』
『良音』
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未完成アリス Web
未完成アリス twitter
https://twitter.com/mikansei_alice
2017年09月23日 (土)
【ライヴレポート】Scarlet Valse単独公演<Remind of Secret Eden~新たなる大地~>◆9月22日(金)HOLIDAY SHINJUKU
REPORT - 18:47:36Scarlet Valseの誕生から数えて6年。でも今年の周年に関しては、生まれ変わったScarlet Valseがここから新たな進撃の狼煙を上げた始まりの日と捉えるべきだろう。
今年1月にRaizo/Shianと2人のメンバーを加え、Scarlet Valseは新たなスタートを切った。もちろん、過去を捨てたわけではない。むしろ現在の布陣ならより高みに行ければ、楽曲面でも大きな進化を遂げられる。そう確信を得たからこそ、彼らは今年からの活動に対して「新生Scarlet Valseとして」という言葉を用いだした。
この間、Scarlet Valseはシングル『Lunatic Mind』を制作。そこで飛躍のための確かな手応えを得たからこそ、彼らは周年となる9月22日を改めて「旅立ちの日」と位置づけた。しかもこの日、新生Scarlet Valseとして作りあげたミニアルバム『Reincarnation』の先行発売も実施。すべては、彼らがどんな風に転生したのかを、まずはScarlet Valseを熱烈に支持するファンたちへ伝えようとしてのこと。
そろそろ、9月22日にHOLIDAY SHINJUKUを舞台に行われた『Scarlet Valse単独公演「Remind of Secret Eden~新たなる大地~」』の模様を記そうか。
麗しくも荘厳な音色響かせるSE『Transmigration』が流れると同時に、この空間は一気に時空を超えた魔境の世界へ様変わった。聳え立つ王宮の宴の間には、騎士たちを絶叫で迎える人たちが多く押し寄せていた。高まる熱、その熱の先に5人の騎士たちが示したのは…。
みずからの転生を告げるよう場内に轟いた『Reincarnation』。なんて麗しく、凛々しく、気高く、何より感情をグッとわしづかみ揺さぶってゆく楽曲だ。激しさと美しさの交錯する音、我が身の転生を宣言するように雄々しく歌うKakeru。その歌声と演奏は広げた真白く大きな翼となり、触れた人たちを抱え込み熱狂の宴の中へ連れ出した。生まれ変わったその翼がはためくたび、そこへは新しい道が生まれてゆく。彼らは『Reincarnation』を通し、そう伝えてきた。
剥きだした牙を突き刺すようScarlet Valseは『Nocturne』に乗せ、猛る演奏を突き付けた。狂と喜を抱いた音に触発され暴れる観客たち。今宵の宴は、まさしく戦いという様が似合いそうだ。
激しく大きく揺れる頭・頭・頭。新生Scarlet Valseの始まりを告げた『Lunatic Mind』を合図に狂乱の様は、さらにヒートアップ。サビに描いた美しく耽美なメロディへ心は魅了されながらも、攻撃的な音の応酬に身体は理性を壊さずにいれなかった。
荘厳華美な調べの幕開け、ヒステリックなリフが脳髄を掻き乱してゆく。刹那でメロウな表情を抱いた『Schwert~subliminal pain~』。その演奏には、逃れたくない心地好い痛みが充満していた。
撮影OKナンバー『Misty Night』が始まったとたん、熱狂する観客たちと、その様をケータイで撮影する人たちとに場内の風景は二分された。その様子は、様々なSNS上に残っているだろうか、ぜひネットで検索を入れ、絶叫飛び交った熱狂の姿を確認していただきたい。
重厚な音を背負い爆走するブラストビート。その演奏の上では、麗美な調べの数々が大きく羽根を広げ舞い踊っていた。美しさも忍ばせ、気高き想いを歌いあげるKakeru。激しい交響曲をバンドの姿を通し体感している感覚を与えた『Neo Sanctuary』。畳みかけるようにぶつけた『Voyage in Chronos』では、左右に跳ねる観客たちの作る振動で床が軋みを上げていた。熱狂は止まらない、むしろ火照る身体へ、彼らは覚めない刺激を次々と注入し続けてゆく。
「我々の物語を一緒に始めようぜ」、Kakeruの声を合図に会場中を包んだ、熱狂と幻想の宴、凛々しき気高さと歓喜な演奏を胸に心泣き揺(濡)らすドラマを告げた『Story』。
「我々Scarlet Valseは不死鳥のようにどんなに汚れようと生まれ変わり続けてゆく」、最新ミニアルバムの中でもメンバー内でひと際支持の高い『Phoenix』こそ、Scarlet Valseが軸にしているシンフォニック/ラウド/刹那/メロウな魅力へ歓喜と興奮の刺激を塗して構築した楽曲。触れた人たちを恍惚へ導くその歌は、これからもScarlet Valseのライブに於いて人の心を魅了する楽曲として語り継がれるに違いない。
ここまでは、最新ミニアルバム『Reincarnation』を中心に構成。新生Scarlet Valseの魅力を止むことなく叩きつけてきた。ここからは、これまでのScarlet Valseが持ち味にしていた曲たちを、新生Scarlet Valseがどう転生させたかを味わえるブロックへ。
「親愛なる君たちへこの曲を贈ります」。汚れなき気高い旋律が場内へ広がり出した。メロウで耽美な、胸に閉まっていた愛しき想いを音に変え告白するよう心へ響かせたのが、壮麗なバラードの『Dear』。サビではKakeruに導かれ、舞台へ想いを届けるように歌う人の姿も。温かい気持ちのやり取りに強い絆を感じた人たちも多かったに違いない。
荒ぶる雷神の如き重轟音なドラムプレイを通し、聴覚を一瞬奪うほど会場中の人たちの鼓膜を震えさせたYo-heyのドラムソロ。一転、心に滴を落とすピアノの旋律の上で、仲間たちと途切れない関係を約束するようにKakeruがソロで歌った『Promise』。
宴は、ここから二つ目の熱狂の晩餐を並べ出した。SE『Dawn of the Circus』が荘厳に、勇壮に響き始めた。ふたたびメンバーたちが舞台上へ姿を現した。そして…。
理性という箍を一気にぶち壊し、観客たちが激しく頭を揺さぶる。『The Name of Valse』が連れ出したのは、狂気と狂乱が彩る宴の場。Kakeruの煽りに刺激を受け、激しく身体を折り畳む観客たち。サビに描き出した高揚のメロディに心震えながらも、胸へ突き刺した衝撃に理性を壊さずにいれなかった。
「揺らせ!!」「飛べ!!!」、感情を触発してゆくKakeruの煽り声。荘厳かつ重厚で猛々しい『娼年-Prostitution Actor-』が、もっともっと理性を失くしてしまえとけしかけてきた。狂ったように頭と拳を振り翳し野獣と化す観客たち。『揚羽蝶乃夢』が、会場にいる美しい蝶たちを本性を剥き出した蛾に変えてゆく。Scarlet Valseが舞台上から撒き散らす音の鱗粉に塗されたが最後、本性を晒し、その演奏へ立ち向かわずにいれなくなる。飾りを外し、心を裸に抱き合いたくなってゆく。
ファンキーなブラスの音色が場内へ鳴り響く。Scarlet Valseが高らかに打ち鳴らしたファンファーレは『Shadow’s Game』に姿を変え、観客たちを熱狂のダンスパーティへ導いた。身体を横揺れさせながら、時にその身をくるくる回し、誰もが妖しい宴の中へ溺れていた。終盤には逆ダイ描く光景も登場。野生の心になった美しきモンスターたちがぶつかりあう光景は、なんて壮観だったことか。
ゴシック/ダーク/刹那/美メロウな要素を激しく磨り潰した、黒い衝動抱いた歌系ナンバーの『MASK』。心に大きな翼を広げ、ふたたび輝く空(未来?)へ飛び立とうと呼びかけた『Everlasting Life』。感情の内側から沸き上がる高揚は、何時しか背中に二つの翼を授け、彼らと共に夢へ向かい羽ばたいていた。振り上げた二つの腕には、確かに風を感じる羽根が生えていた。
幻惑の宴へ導く重厚なマーチングの音。その演奏は、一気に畳みかける漆黒の轟音に塗り変わっていた。何も考える必要はない。舞台上からあふれ出る『Darkness Circus』を身体中に浴びながら、感じるままにはしゃげばいい。右へ左へ駆けながら、Scarlet Valseが魅せたスリリングな演目へ共に参加し、ヤバい刺激を思う存分味わい続ければいい。
狂気に支配された儀式はクライマックスへ。本編最後を飾った『Virginal Blood』へ、全身全霊を傾け戦いを挑む観客たち。その気迫を喰らい、さらに大きな興奮の波動に変え客席へぶつけてゆくメンバーたち。延々と続く逆ダイの応酬。そこへは野生と野生が、獣と獣が、興奮と恍惚を極限まで高め混じり合う本性の結合が生まれていた。
熱を求める人たちの気持ちを、あえて大きく包み込むように歌いかけた『GARDEN~Clair de lune~』。アンコールの声を受けScarlet Valseは、新たな物語を、冷めぬ熱狂が沈殿したこの空間へ染み込ませだした。場内に無数に咲き誇った、大きな両手を広げた花たち。「これからまたさらに君たちと一緒に」。火照った感情を熱を持った両腕でギュッと抱きしめるように響いた、美しくメロウな『La neige』。フロアー中の人たちが両隣の人と手を繋ぎ、優しい子守歌のような『La neige』に優しく身を預けていた。
突き上がる無数の拳。「その気持ちをぶつけなさい」、Kakeruの煽動とスリリングな演奏に、突き上げた拳も感情も誰も降ろしたくはなかった。いや、降ろせるわけがない。『Rose Cruel Scar』へ導かれるままに心ひれ伏したい。猛進する野獣となって逆ダイし続けたい。勇むこの感情、しっかり舞台上で受け止めてくれよな。
「今日は、ここが世界の中心です」(You)。火のついた感情を、互いにとことんまで燃え尽くそうと、ふたたびメンバーは舞台へ姿を現した。二度目のアンコールは、眩い光を全身へ降り注ぐように『Angelic Sky』からスタート。心に輝きを与える歌と演奏に触発された揚羽蝶(ファン)たちは、その翼を羽ばたかせ、無邪気な笑顔で飛び跳ね続けていた。
「限界を超えて、存在理由を証明しよう」、やはりScarlet Valseには黒い熱狂がお似合いだ。激しく轟く『Raison d’etre』へ嬉しく身を預け熱に溺れてゆく観客たち。騒ぐ人たちの興奮が生み出した軋む床の振動が、この日の熱狂の証拠だ。
「すべてを置いて、一緒に観に行こう」、最後の最後にScarlet Valseが突き付けたのが『Secret Eden』。歓喜した高揚が身体中を突き上げてゆく。激しく唸るロックな交響曲と魂に歓喜を沸き上がらせる歌に、嬉しい震えが止まらない。今宵も彼らに音楽でイカ(生か)されてしまったようだ。
「6年間Scarlet Valseをやってこれたのはみんなおかげです。いろんなことがあってね、去年はマジでScarlet Valseを終わらせようと思ったんだよね。だけどYo-heyが入って、RaizoとShianが入ってすごく勢いをもらったんです。夢半ばにして解散や引退をしてゆく仲間たちの姿をいろいろ見てきた中、彼らの想いを受け止めるたびにやるしかないじゃんとなって、それで今があります。Scarlet Valseはみんなのものだと思っています。また一つずつ階段を登って、また素敵な景色を観たいなと思います。もっともっといい景色を観たいし、観せたいです」(Kakeru)。
この日、Kakeruが衣装へ身につけた黒い片翼。もう一つの黒い翼は、この日のライブを通し間違いなくKakeruの身に、Scarlet Valseの片翼として備わった。
Scarlet Valseは、来年3月に東名阪を舞台にした次のワンマンツアーを発表した。何故、この時期に単独公演を行うのか、彼らは深い意味を持ってそれを決めた。その理由を、今度はあなた自身で想像を巡らせ探っていただきたい。
TEXT:長澤智典
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★CD情報★
Scarlet Valse Mini Album『Reincarnation』
2017年9月27日発売
新体制Scarlet Valse第二弾作品発売決定!
「生」と「死」の狭間から生まれ変わり、新たなる翼を広げ羽ばたく!
型番:SWSV-007
発売元:Starwave Records
販売元:FWD Inc.
価格:2,700円(税込)
仕様:CD
限定:完全限定500枚
CD 収録曲:
1. Transmigration
2. Reincarnation
3. Schwert~Subliminal pain~
4. Neo Sanctuary
5. Virginal Blood
6. Phoenix
7. Everlasting Life
ご購入方法:
オンラインショップでのご購入
http://dlonline.ocnk.net/
全国のCDショップでのお取り寄せ
CDショップでのお取り寄せ
全国のCDショップにて取り寄せが可能です。取り寄せをされる時にはお店のほうに「流通 FWD Inc.」「アーティスト名 Scarlet Valse」「タイトル名 Reincarnation」「型番 SWSV-007」をお伝え下さい。
INFORMATION:
CDに関する問い合わせ先 E-MAIL: info@starwaverecords.jp
★LIVE・インストア情報★
Scarlet Valse東名阪ワンマンツアー
「Remind of Secret Eden ~美しき深紅の舞踏会~」
2018年3月5日(月)心斎橋JUZA
2018年3月6日(火)栄RAD
2018年3月27日(火)渋谷clubasia
※詳細は後日発表
2017.09.24 (Sun) ブランドエックス
2017.09.24 (Sun) 池袋BlackHole
2017.09.29 (Fri) HOLIDAY SHINJUKU
2017.10.03 (Tue) 13:00~ SKULL ROSE福岡店
2017.10.03 (Tue) 福岡DRUM Be-1
2017.10.05 (Thu) 11:00~ ライカエジソン大阪店
2017.10.05 (Thu) 心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL
2017.10.06 (Fri) 12:00~ ライカエジソン名古屋店
2017.10.06 (Fri) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2017.10.11 (Wed) 13:00~ 新潟ロクスタ
2017.10.11 (Wed) 新潟CLUB RIVERST
2017.10.12 (Thu) 15:00~ littleHEARTS.仙台店
2017.10.12 (Wed) 仙台Space Zero
2017.10.16 (Mon) 池袋RUIDO K3
2017.10.24 (Tue) HOLIDAY SHINJUKU
2017.11.17 (Fri) 目黒ライブステーション
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-SET LIST-
SE(『Transmigration』)
『Reincarnation』
『Nocturne』
『Lunatic Mind』
『Schwert~subliminal pain~』
『Misty Night』
『Neo Sanctuary』
『Voyage in Chronos』
『Story』
『Phoenix』
SMC
『Dear』
Drum Solo
『Promise』(Vocal Solo)
SE(『Dawn of the Circus』)
『The Name of Valse』
『娼年-Prostitution Actor-』
『揚羽蝶乃夢』
『Shadow’s Game』
『MASK』
『Everlasting Life』
『Darkness Circus』
『Virginal Blood』
En1
『GARDEN~Clair de lune~』
『La neige』
『Rose Cruel Scar』
En2
『Angelic Sky』
『Raison d’etre』
『Secret Eden』
2017年09月23日 (土)
【ライヴレポート】Chanty 4th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』◆2017年9月16日(土)TSUTAYA O-WEST◆「もう一度、旅を始めましょう──。」
REPORT - 12:13:35Chanty 4th Anniversary oneman
『Chantyの世界へようこそ』
2017年9月16日(土)TSUTAYA O-WEST
衝撃のニュースとともに活動休止が発表されたのが今から5か月前。
たださえ不祥事や悲しいニュースの多かったこのシーンだが、まさかその中でChantyの名を見ることになるとは、思ってもみなかった。
「1人でも欠けたらChantyを辞める」そんな思いで走ってきた彼らが、4人で活動していくという苦渋の決断を下し、これからもChantyとして歩んでいくことを決めた。
復活の舞台は毎年行っているTSUTAYA O-WESTでの周年ライヴだ。
会場は彼らの帰りを待つ大勢のファンで埋め尽くされ、異様な熱気が漂っていた。
幕開けと同時に始まったSEでは、メンバーそれぞれが力強く繊細にインストゥルメンタル曲を演奏し、そのまま1曲目「ソラヨミ」へ。
「無限ループ」、「やんなっちゃう」とライヴでの定番曲が続き、Chantyの世界が始まったことを感じさせてくれるセクションだ。
「やんなっちゃう」では、「オイ!オイ!」とVo.芥が煽らずとも会場には割れんばかりの声が沸き上がり、ファンがいかにこの日を待ちわびていたかを痛感させられた。
「5か月間ご心配おかけしました。言いたいことはいっぱいあるんですが、僕たちはとりあえず曲をやりたいです皆さん。
どうでしょう?」と芥が一声かけ、ファンからの声援を受け取ると間髪入れずに「おとなりさん」へ。
キャッチ―な一面をのぞかせたかと思うと、鋭い激しさの光る「滅菌、消毒、絆創膏。」はGt.千歳の奏でる不安定なメロディが印象的な1曲。
そして不安定なまま続く「今夜未明」で訪れる静寂に、観客はもちろんのこと誰しもが息をのんだ。
その後、「ねたましい」では地の底まで落とされるような救われない感情が映し出され、続く「比較対象」はこの日会場限定シングルとしてリリースされた楽曲。
今までのChantyらしさは歌いながらも、がむしゃらにかき鳴らすようなロックサウンドで今までになく泥臭いアプローチをしていく。
「ひどいかお」「絶対存在証明証」とここまで言葉なくライヴが進んできたせいか、芥の歌う言葉の一つひとつがいつも以上にしっかりと胸に響いてくる。
そして「ミスアンバランス」でフロアと踊り狂えば、「かかってこいよ!!」と激しく煽られ始まった「衝動的少女」、芥はステージから身を乗り出しファンからの声援を全身で受け止めにいく。
続いて披露された「終わりの始まり」は、Chantyのすべてが始まった曲。先ほどのアグレッシブさとは打って変わり、しっかりと前を見据え力強く言葉を紡ぐ姿に胸が熱くなった。
そして狂気的で一途な愛を荒々しくも繊細に歌った「貴方だけを壊して飾ってみたい」を届けると、ぽつりと口を開いた芥。
「ただこの半年間見てきたものは夢でも希望でもなく現実でした。これで終わりにしましょう。」とつぶやき、始まった「不機嫌」。
リリース後すぐに活動休止となってしまったため、あまりライブでは披露できていなかった楽曲だ。
彼ららしく痛いところを突いて歌ったこの曲で、汚いものまですべて見せるように一音一音を叩き込む姿が印象的だった。
本編を一気に駆け抜け、ステージを後にしたメンバー。
すぐさま盛大なアンコールが響き渡る会場に現れたスクリーンに、「比較対象」のMVとともにChantyからの嬉しい3つのお知らせが流れた。
そして4周年の記念Tシャツに着替え再び現れたメンバー。
客席からの「おかえり!」の言葉に「ただいま。」と笑顔で返し、「もう一度、旅を始めましょう」と「奏色」を演奏。
張りつめた本編が終わり、少し緊張が解けたのかメンバーそれぞれ少しだけ柔らかな表情が見えた。
1番に口を開いたのは千歳。
「ただいまって言える場所があるって改めて嬉しいことだと思うし、本当に俺たちは幸せです。ありがとう!」と千歳らしく純粋な気持ちを述べたかと思えば、「久しぶりのライヴで拓ちゃんがめっちゃ緊張してる(笑)。」と暴露。
本編が終わりアンコールになった今でも「ずっと手が震えてる。」と言うほど緊張していた様子のBa.野中拓に、Dr.成人は、ファンからの声援に思わず涙ぐみながらも「ただいま!」と元気に答えた。
その後も、この日のお弁当は千歳が日ごろからお世話になっている先輩SoanにTwitterでおねだりした叙々苑弁当であるとか、休止中にメンバーみんなでフェスに行った話、芥の新しく買ったギターがチーズケーキみたいでダサいだとか、いつもの彼らと変わらぬ終始和やかなトークで会場を湧かせた。
カメラが入ってるということは、そのうち映像が出ます!なのでお前らのもっとはしゃいでる姿を見せてください!と、「流星群」ではMCでの和気あいあいとしたトークのおかげか、おどけて見せるような余裕も見せたメンバーに、ファンもぴょんぴょん飛び跳ねる。
そして「冤罪!冤罪!」と繰り返し声を上げる「冤罪ブルース」ではフロアももみくちゃになりながらめいいっぱい楽しむ様子が見えた。
そして「今日1番のでかい声をここまでぶつけてください!と始まった「m.o.b.」、「フライト」と、続けざまに会場中から演奏にも一切負けない声が上がり、演奏の終わるころには、新たなスタートが切られた4人の清々しい表情も見ることができた。
ファンからの声援を浴びながら、芥がゆっくりと口を開いた。
「ワンマンツアーとフルアルバムのリリースも決まりました。今日は本当にありがとうございました。
もうやるしかないなと思って。今日たまたまここに集まれた人たちにありがとうを伝えて。
楽しいイベントツアーもありますけど、僕たちとしてはまた全国奏でに行きたいなという思いがあって。
本当におっかなびっくりですけど、行ってきますのでよろしくお願いします!」
「次が最後の曲になるんだけど、今思ってる気持ちは今書いたもので伝えたいと思って。
すごい恥ずかしいことばかり言ってるなとは思ったけど。
最後の曲を届けたいなと思います。
それでは聞いてください。」
そう芥の言葉で始まった「おまじない」は、Chantyには珍しく、シンプルな言葉と音で綴られた楽曲。
4人全員が前を向き、しっかりとこの場所へ戻ってきてくれたと思わせてくれるような最後だった。
曲が終わると同時に、芥がつぶやいた「Chantyの世界へようこそ」という言葉。
いつもはライヴの幕開けに叫ぶのだが、この日は公演の最後の最後、ちゃんと戻ってきたということを1番実感させてくれた一言だった。
「これから4人になってはしまいましたけど、全てをなかったことにはできないし、全てを背負っていきたいわがままな連中なんですよ、Chantyは。
楽しかったこと、つらかったこと。
なので、これからどんな未来になるか分かりませんが、幸せな時間を届けてたいと思います。
ありがとうございます。」
最後は5周年に向けて、の意味を込めてのお決まりのカーテンコールで幕を閉じた。
空白となった5か月間を埋めるように駆け抜けたこの日のライヴ。
正直、Chantyのワンマンライヴというと奇をてらったようなセットリストに、いい意味で綺麗に纏まった展開のようなイメージが強かったが、飲み込み切れない事態に直面し、切り抜けた彼らの泥臭さだとか、人間らしい一面が多く垣間見えた気がした。
4人となった彼らが、一回りも二回りも大きくなった姿を見せてくれたこの日。
2ndフルアルバムの発売、全国ワンマンツアーと、止まってしまった時間を取り戻すように、次々と新しい展開も発表された。
Chantyを見たことがある人には絶対に今の姿を見て欲しいし、見たこともなくなんとなく触れたことがなかった人には今こそ彼らの音楽を覗いていただきたい。
今のChantyはその両者とも裏切ってくれるはずだ。
文◎糸永緒菓子