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2023年08月28日 (月)

【ライヴレポート】<ギル「Birth of G」>2023年8月21日(月)高田馬場CLUB PHASE◆祝福を浴びてスタートした、新たなる1年

REPORT - 18:00:46

 今年425日、ソロとして初めてステージに立ったギル。その際、ゲストに迎えたheidi.は、ギターのなおと10代の頃に専門学校時代に出逢った旧友、521日、2ndライヴのゲストはAngeloメンバーでもあるKOHTA611日には、かつてヴィドールとして同じステージに立っていたRameバースデー・イベントに参加と自身の歴史をなぞりながら、ソロ活動のキャリアを重ねてきた。そして遂に、821日、ギルの誕生日当日に“Birth of G”と題し1stワンマン・ライヴを開催。この半年弱という短い時間にも関わらず、確実に前進していることをステージで体現してくれた。

 

 

            *         *

 

 

 カラフルなライトが交差する中、サポート・ドラムのばる(DuelJewel)、サポート・ベースの高井淳に続き、最新アーティスト写真の衣装と同じブリティッシュなチェックのタイト・スーツをまとったギルが登場。ライヴは2nd音源DAWN OF FLAME Ⅱ」収録の勇ましいナンバー「革命」から。導入部分を弾き、ギターを高々と掲げ、ギターのネックにキス! 巧みなプレーのみならず、魅せることもおこたらない。ちょっとしたミス・タッチでペロリと舌を出して笑顔になるのも、ご愛敬だ。続く「meteor」ではグルーヴィーなイントロで、サポートの高井淳、ばると息の合ったところをみせる。手元に集中するばっかりではなく、顔の表情、口の動きでも客席にアプローチしたかと思えば、ステージを右へ左へと自由に動き回ったり。ギルの姿を見ているとセンターに立つ重責より、自分が空間を自由に操れることを楽しんでいるように見える。そしてマイクに向かって一括して始まった「Brutal Predator」(新曲)では、お客さんを煽ったり、ところどころで唄ったり。それに対してオーディエンスもリズムに合わせて右手を挙げたままジャンプしたり。ギタリスト・ギルというよりも一アーティストとして自由に表現しているのが見て取れる。

 

ようこそ! 今日という日を待ちに待ったみんな、俺もこの日を待っていたよ。こういう形でみんなの前に現れられることができて嬉しいです。今日は僕のギターと、素敵なミュージシャンたちと、この音楽で素敵な1日を作り上げていこうと思います。楽しんでね

 

 軽く挨拶した後は、オリエンタルな空気を漂わせる「バビロン」へ。独特なスケールを使ったギター・フレーズは、まるで中近東へ誘うかのよう。ちなみに本曲は、ライヴ当日から発売されている3rd音源「DAWN OF FLAME Ⅲ」の1曲目に収録されているが、ライヴの時点で我々は初めて耳にしただけに、またまた新たな世界観を出してきたなとオーディエンスも驚いたに違いない。静かなアルペジオとギルの唄で会場を包んだ「Exceed 」、こちらも最新作に収録されている。ところどころ聞き取れた歌詞から想像するに、優しげな曲調とは相反するような強い決意が唄われているようだ。耳障りのいいサウンドで、そういった内容を唄で伝える、ある種、ミスマッチな組み合わせ方はギルらしいさの1つかも。次は同じアルペジオ始まりでも、「Tiny Grace」の明るく柔らかな世界観。高井淳、ばるのサウンドにしっかり支えられながら、ギターで思う存分唄うギル。メロディーは肉声でなくてもギターの音でしっかり伝えられるんだと、証明してるかのようにも感じられる。これこそがギタリストのソロ・ライヴのといったところだろうか。目は口ほどに物を言う、という言葉があるが、ギターは口ほどに物を言う、という言葉が新たに生まれそうだ。間違いなく、ギルが伝えたい感情は、11音を通じて我々オーディエンスのしっかり伝わったことと思う。

 

今日は冒頭から知らない曲があったけど、一緒に跳んでくれて、今日は俺を祝ってくれる気持ち100%で来てくれてるんだな、見て直ぐにわかって、とてもとても愛されてるなって感じてます。どうもありがとう。次に演奏する曲も未発表曲になるんだけど、想いが詰まった曲になので楽しんでください

 

 そんなMCを挟み、「炎舞曲」(未発表曲)のかわいげな音色の同期のイントロが流れると、すぐさま手拍子を求めるギル。おとぎ話のような雰囲気かと思いきや、転調に転調を重ね、途中で4拍子から3拍子へと変わり再び4拍子へと変わりと、なんとも奇奇怪怪な構成でビックリ。けれど、曲の難解さを感じさせないのは、一環して美しい流れるようなメロディーをギルがギターで唄い上げていたからだろう。このクセ強めの感じも、彼のオリジナリティーの1つなのかもしれない。かと思えば「BREATH」では草原を駆け抜けるような疾走感溢れる爽やかなサウンドの中でメロディーを奏でたり。ストレートなアプローチのこの曲ではお客さんたちも自然と身体を揺らして楽しむ。客席が一体となるこの空間の有り様は、巷でよく言われる、ギター・インストゥルメンタルのライヴは退屈だというネガティヴなイメージを払拭するには十分すぎる。次の「JIHAD」の曲中では、ばる、高井淳がフィーチャーされるソロ回しの箇所で、それぞれがアドリヴ演奏を披露、自分の順番でギルは「ミッキーマウス・マーチ」と思われる1フレーズを奏でるなど見どころ満載。ちゃめっけたっぷりのステージは、お客さんを笑顔にさせたことはいうまでもない。

 

 

みんなと一緒に楽しめるように、いろんな仕掛けを入れてこうと思ってね(笑顔)。今日を素敵な想い出として持って帰ってもらいたいから。そして、これからのセクションでは僕の音楽人生において欠かせない曲たちを披露していこうと思います 

 

 そう前置きした後、流れてきたのはゲーム好きならすぐわかる「FFテーマ」。多くの人に愛される有名ゲームのあの曲をギル流に演奏するとこうなる、と見せ付ける。その後には、THE YELLOW MONKEYの「JAM」、LUNA SEAの「Desire」のカヴァー。一応、ギターを弾きつつも、どちらかといえばギターよりも唄に集中といったところか。また、カラオケなどで唄い慣れているのか? 気持ちよさげに、たっぷりと唄い上げていたのが印象的。そして長年、ギルを応援しているに人にとっては涙ものの「カラクリロマンス」(ヴィドール)の演奏へ突入! この予想外の展開にファンは狂喜乱舞したのはいうまでもない。さらに驚かされたのはギターも置いてヴォーカリスト専念したこと!(ギター・ソロではしっかりギターを弾いていた) まさかギタリスト・ギルがギターを持たずしてステージに立つ日がくるとは(笑)。

 

あり得ないことを突然やり出すのが俺だから(笑)。でも、みんな付いてきてくれて愛を感じます。ソロだし、誕生日だし、ワンマンだし何でもいいんだよって、みんなが思ってくれてるのを感じます。今日は俺が楽しければ何でもいいじゃん?いうのが大前提にあって。僕のやってることに瞬間的に反応してくれてるみんな、最高です!!”

 

 

 

 今夜のライヴ・コンセプトにも触れつつ、誰にでもある苦難、困難は誰にでもある。乗り越えていけるよねという想いを曲にした、と曲の説明を軽くしつつ初披露したのは「Beyond the crisis」(3rd音源DAWN OF FLAME Ⅲ」収録)。その後、「Liberty」を力強く高らかに唄い上げ、行くぞー!の掛け声と会場との掛け合いから「arise」へ。曲の合間のコール&レスポンスは今夜はちょっと長め、いわゆる通常のコール&レスポンスにはじまりライヴ・タイトルを叫ばせたり、物販タオルのハートを見せてトゥンクトゥンクと変拍子の呼びかけでレスポンスを求めたり、今夜のギルはやりたい放題! 

 

みんな、いい感じだよ! 今夜のこの空気感なら、この強引な感じにも付いてきてくれると思ったんだ。付いてきてくれた人は心から愛するよ!! 楽しいことはこれからも続くんだぜ。これから始まる俺の栄光の1年、みんなの祝福を浴びて、新たなスタートを切るから

 

 

 そう言って演奏したのは「Departure」。晴れやかな表情でメロディーをつま弾くギル、清々しい表情はみんなを笑顔にさせた。演奏後、ワンマン・ライヴの感想を語りつつ、感謝の意を述べたギル。最後にはライヴ恒例、サポート・メンバーと手を繋いでのジャンプ、会場にいるすべての人を笑顔満開にさせた。

 

 サポート陣がステージを後にした後、その日のライヴの感想を語り、テンポを下げたリアレンジの同期演奏に合わせ、ハンド・マイクで「Liberty」を情感タップリに唄い上げたギル。自身の人生で初めて唄にチャレンジした本曲の唄、このヴァージョンで、歌詞の込められたソロ・アーティストとしての覚悟が、ビンビンと響いてきた。歌い終えたギルは会場の皆々に丁寧に手を振っていく、あふれんばかりの笑みを浮かべて。

 

今日は集まってくれてどうもありがとう。やれることを出し尽くしたかなって感じで、とても満足しています。最後の最後、唄で締めるのはどうか?と思ったけどチャレンジをしていかないといけないなと思って。今日は伝説の始まりの日くらいに思ってるんだ。それくらい大きなものと受けとめて、これからも、みんなと一緒に最高の時間を過ごせるようにやっていくから。これからも楽しんで行こうぜ!

 

 そう言って、手を振りながらギルはステージを後にした。長いMCの中に、史上最高の821日を作るがテーマだったと語っていたギル。そんな特別な日にするため、主役であるギル自身が誰よりもたくさんの準備をしてきたことは、今夜のストーリー性のあるセットリスト、サプライズなカヴァー、ハンドマイクでの歌唱、サポート陣を巻き込んでの数々の見せ場などをみれば明らか。いかにも手を抜かないストーリー性を重んじる男=ギルらしい1stワンマン・ライヴだったのではないだろうか。

 

 

 

 

 ソロ活動がスタートして半年足らず、幾度かのステージを経て、ギルの表現も唄も徐々に進化している。そしてライヴ当日、はやくも3作目の音源「DAWN OF FLAME Ⅲ」をリリースするという、そのペースの速さに舌を巻くばかり。しかも、どの曲も新たな引き出しを開けて作られていることにも驚かされていたが、今夜、ライヴで披露した数々の新曲が、さらに異なるアプローチだったことは実に興味深い。まだまだギルの中には開けてない秘密の引き出しがありそうだと楽しみしかない。それプラス、ライヴ最後に発表された、誕生日の821日の数字を入れ替えた日、128日に行われる、Reverse Honeyと題する青山RizMでの2ndワンマン・ライヴも。タイトルには今夜、貰いすぎるくらいお客さんから笑顔やパワーを貰ったから、そのお返しをしたいという意味で付けたのだとか。そんな律儀な考え方も、底知れぬパワーも、チャレンジ精神もギルというアーティストの大きな魅力なのは間違いない。キャプテン・ギルが舵を取る壮大な船旅は、これからもまだまだ続く。その旅の途中で、我々crewギルのファンクラブ・メンバーの呼称)に素晴らしい景色を魅せてくれるに違いない。

 

 

TextKimico Masubuchi [333music]

PhotoKenshi Hamamoto

 

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<セットリスト>

 

01. 革命

02. meteor

03. Brutal Predator

04. バビロン

05. Exceed

06. Tiny Grace

07. 炎舞曲

08. BREATH

09. JIHAD

10. ファイナルファンタジー: メインテーマ

11. JAM

12. Desire

13. カラクリロマンス

14. Beyond the crisis

15. Liberty

16. arise

17. Departure

18. LibertyGt less ver.

 

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Birth of G」アーカイブ配信中!

チケット販売:202394日(月)23:59まで

お申し込みURLhttps://twitcasting.tv/gtgiru_official/shopcart/252415

 

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リリース情報

 

★『DAWN OF FLAME III

2023821日(月)発売

 

※821日(月)1stワンマンliveBirth of G」高田馬場CLUB PHASEにて会場先行発売

GG21-003 1,500(税込)

https://gt-giru.shop-pro.jp

 

<収録曲>

01. バビロン

02. Exceed

03. Beyond the crisis

 

 

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ライブ情報>

 

Reverse Honey

128日(金)青山RizM

 

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2023年08月25日 (金)

【ライブレポート】Royz、「歪んだラブソングツアー」と称したSUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」、ツアーファイナル開催。(2023/8/24(Thu.)Zepp Shinjuku)

REPORT - 22:45:03

Royzが、7月から13公演に渡り行ってきたSUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」のツアーファイナル公演を、824日にZepp Shinjukuにて開催した。

 

昨今のRoyzから感じられるただならぬ気迫の源は、メンバーの士気の高さにある。もちろん、これまでもそれが無かったというわけではない。しかし現在の彼らは、幾度とあったターニングポイントからの奮起を経て、Royzが在るべき理想の形へ向かって急速に進化をしていることを心底楽しんでいるようでもある。その姿をより多くの人に見て欲しいと思うのは当然で、結果、今回のワンマンツアーは全公演ペアチケット制度を導入し、ツアーへの参加特典SPECIAL LIVEを用意するなど企画が盛りだくさんだった。

 

地獄で会いましょうという、インパクトのあるサビの一節が印象的な「AMON」。各地でオープニングを飾り、今ツアーの基軸となっていたこの曲が、地獄という一見不穏な印象を抱かせる言葉を用いてでもRoyzが伝えたいメッセージの重要なカギを握っていた。実際にライブでは、昴の地鳴りのようなシャウトと共に高ぶる感情をさらけ出し、時に荘厳さを帯びる情景は、まるで禁断の儀式のようだった。「『地獄京』へ、ようこそ」と続いた「Autocracy~ワルツとナイフ~」、「PANDEMIC」へと一気に畳みかけると、「堕ちるところまで落ちようか、東京!」という言葉通り徐々に奈落へと足を踏み入れていくような重厚な空気感が漂う。容赦のない轟音にも負けない観客の声や、たちまち広がるヘッドバンギングの嵐も圧倒的で、その壮観な様子を昴は凛として見渡していた。

 

 

 

 智也が刻みだしたリズムを受けて、昴が「消し去っても消せない程の理屈を超えた時間を刻みつけます」と宣言すると、雄大な「KAMIKAZE」の迫力ある和旋律に続き、アカペラで惹きつけて、公大のスラップベースが炸裂した「クロアゲハ」でヒートアップ。「キュートアグレッション」では、ゴシックなサウンドに乗せて観客が狂気乱舞を見せた。途中壊してぇな新宿の声聞きてぇなと歌い変え、演奏がストップした途端にこだましたメンバーを呼ぶ声こそ、偏愛な世界観を表す象徴ともいえる。さらに、中指を立てながら感情赴くままに叫んだ「Satisfy?」と続けば、痛快な一体感も生まれていた。

 

 

 

 

 

青黒い海の底へ沈んでいくような水の音に包まれると、ベースの重低音がそれを切り裂くように「深海」へ。ダウナーな空気を醸し出し、その場面が空へと変わった「月光」に続いてもなお、想像し得る情景は光の届かない暗闇。この2曲に共通しているのは、暗闇からを求め続ける静かにほとばしる貪欲さだ。その闇を乗り越えた先、「共に行こう、夜明けへ」と誘った「Daybreaker」。を乗り越え、を見出した者が強さを手にする、実にリアリティなヒューマンドラマを見せるかのような見事なセクションだった。これが出来たのはきっと、この一連の経験をRoyz自らが経験したからにほかならない。

 

この先はもう、繰り出される音楽を思うがままに体感していくのみ。メンバーがニヤついてしまうほどに暴れ狂った「Killing Joke」を皮切りにクライマックスへ突入。昴が衣装のフードを被って邪悪さを演出し、けたたましい爆音の中で観客がステージめがけて詰め寄る逆ダイブを起こした「DANCE WITH DEVIL」。さらに、「地獄の向こう側へ行こう……その先へ行こう……!」と、「阿修羅」では文字通り規格外のライブ感を生み出した。そんなカオスな状況の中でも、時折演奏陣が内側へ向き合って足並みを揃える様子が伺えた。その様子は本編中に高頻度で起こっていたが、率先してそのタイミングを作っていたのは杙凪だったように思う。ギタリストとしての魅力も増すばかりの彼は、多方面において頼もしい存在となっている。

 

 

 

こうして、死に場所という言葉で表した、全身全霊を尽くせるものを熱く届けた「RAIZIN」が締めくくった。攻撃的な楽曲をメインにノンストップに攻めた本編は、最新作「AMON」を軸にしたタームで確立したRoyzの神格化した存在感を見せつけるものでもあった。

 

ここで、[Royzの今後について]と題した映像にて、最新情報が発表された。新たなリリースはないとしながらも、暴れ曲限定で行う冬ツアー『暴歌限定行脚「地獄愛」』と、暴歌というアバンギャルドなツアーにふさわしい赤い特攻服をモチーフにした新衣装を纏った新ヴィジュアルも公開。新衣装は、6月に行われたFC限定ライブ『「ろいずの日。」~翼会関東支部総会~』で着用したものをリメイクしたものだという。さらに、恒例のハロウィンライブや、2024年も年明けワンマン2days2月には昴の生誕祭も発表された。

 

 再びステージへメンバーが姿を現し、アンコールへ。「Sly」をはじめ、全7曲のうち夏祭りを思わせるこの季節にぴったりな「恋花火」や、かつてバンド活動を航海に例えてメッセージを記した「NOAH」を披露。

 

「今回のツアーは特に、自分たちがこれからどうなりたいか、何を目指していきたいかをより強く口に出してきたツアーでした。ここで終わりにするんじゃなくて、この先に連れていけるかは俺たちの腕にかかってると思ってる。でも、その自信があった。その意思に付き合ってくれて、意図をくみ取ってくれたみんな、ありがとうございました」

 

 

こう伝えた後、昴は、バンド活動を続けることは容易ではないことがわかっているからこそ、「バンドはこのRoyzで一回きり」として、こう続けた。

 

「でも、その人生(大変なバンド人生)選んでるんやったら絶対に、男として、ミュージシャンとして、絶対に日本武道館に立ってやりたいと思ってます!」

 

特別な未来への野望を叶えられるヴィジョンがある、叶えていきたいと誓って届けた「花鳥風月」では一面にRoyzスティックが灯り、その絶景を直前に言霊にして目指す大舞台でも再現しようと約束した。そんなエモーショナルな空間に似合う次なる曲は、純粋な決意と絆を、手をつないで揺れる観客と共に再確認できる「ACROSS WORLD」が相応しい。思えば、メンバーさえもステージ上でじゃれ合いながら青さを共有していたこの曲を演奏するメンバーが、いつしか頼もしく、逞しく、大きく見えるようになった。この日も、もちろん……いや、これまで以上にそう見えたかもしれない。ライヴのエンディングに、観る者の胸を熱く滾らせる彼と改めて夢を見たい、そう思った。

 

 

 

 

 「地獄京」ツアーを、昴は「歪んだラブソングツアー」と話した。その片鱗は、「RAIZIN」を演奏前に「愛するあなたたちと見たいものも、見せたいものもありすぎる」と、かみしめるように声に出していた場面にも表れていた。「地獄京」という強い字面のタイトルを用いた真意は、「AMON」の歌詞にもある通り地獄で愛しあおうに準えた、究極の愛情表現だった。今回のツアーで素直な気持ちをさらけ出してきた彼らは、胸を張ってファンにも、メンバーにもを口に出来るようになったからこそ、「地獄京」と並んでもう一つの候補でもあったという「地獄愛」を堂々と掲げて次回のツアーへ挑む。

 

自分たちの戦い方を見出して、いわば無双モードに突入しているといっても過言ではないRoyzは、リアルタイムに起こるモチベーションを大切にしながら、これからもまっすぐに進むべき道を切り開いていく。

 

 

レポート・文◎平井綾子

写真◎Tanabe Keiko

 

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(セットリスト)

1.AMON

2.Autocracy~ワルツとナイフ~

3.PANDEMIC

4.KAMIKAZE

5.クロアゲハ

6.キュートアグレッション

7.Satisfy

8.深海

9.月光

10.Daybreaker

11.Killing Joke

12.DANCE WITH DEVIL

13.阿修羅

14.RAIZIN

 

EN-1.Sly

EN-2.丸の内ミゼラブル

EN-3.恋花火

EN-4.NOAH

EN-5.AFTER LIFE

EN-6.花鳥風月

EN-7.ACROSS WORLD

 

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<ライヴ>

 

■Royz 暴歌限定行脚 「地獄愛」

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2023

1103(金・祝)【千葉】柏PALOOZA

1104()  【埼玉】HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3

1112()   【宮城】SENDAI CLUB JUNK BOX

1115()   【石川】金沢AZ

1118()   【山梨】甲府CONVICTION

1119()   【長野】NAGANO CLUB JUNK BOX

1123(木・祝)【静岡】浜松窓枠

1126()   【愛知】名古屋SPADE BOX

1128()   【京都】KYOTO MUSE

1130()   【岡山】岡山IMAGE

1202()   【兵庫】神戸VARIT.

1203()   【滋賀】滋賀USTONE

1207()   【福岡】福岡DRUM Be-1

1210()   【広島】広島SECOND CRUTCH

1212()   【香川】高松DIME

1217()   【大阪】梅田バナナホール

 

-TOUR FINAL-

1225()   【東京】神田スクエアホール

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【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023825()18:00910()23:59

https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2023107()10:00

https://eplus.jp/

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【チケット料金】

【全国】前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

【東京】前売り¥6,500 (税込)/当日¥7,000 (税込)

各会場ドリンク代別途

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【開場/開演】

FINAL/東京>17:30/18:30

<千葉・埼玉・石川・京都・岡山・福岡・香川>17:15/18:00

<宮城・山梨・長野・静岡・愛知・兵庫・滋賀・広島・大阪>16:15/17:00

 

 


 

■Royz Special Live†Halloween Party2023†

20231028()【千葉】柏PALOOZA

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【開場/開演】16:15/17:00

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【チケット販売期間】

FC先行受付期間:2023825()18:00910()23:59

https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2023107()10:00

https://eplus.jp/

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【チケット料金】

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

ドリンク代別途

【問】柏PALOOZA/04-7136-2111

 


 

■Royz ONEMAN LIVE

2024127()【東京】SHIBUYA REX

2024128()【東京】SHIBUYA REX

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【チケット販売期間】

FC先行受付期間:20231127()12:001210()23:59

https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2024113()10:00

https://eplus.jp/

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【開場/開演】16:15/17:00

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

ドリンク代別途

【問】SHIBUYA REX/03-5728-4911

 


 

Royz ONEMAN LIVE 「昴生誕祭~スバフェス2024~」

~今年は週末にしたからいっぱい祝いに来てなの巻~

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2024218日【神奈川】川崎CLUB CITTA

【チケット販売期間】

FC先行受付期間:20231127()12:001210()23:59

https://www.royz-fc.com/

チケット一般発売日:2024113()10:00

https://eplus.jp/

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【開場/開演】16:00/17:00

前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)

ドリンク代別途

【問】川崎CLUB CITTA/044-246-8888

 

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2023年08月25日 (金)

【ライヴレポート】<アンフィル×mitsu×我が為 presents フリーライヴ 「三角絞め」>2023年8月16日(水)HOLIDAY SHINJUKU◆「三角締め」で築いた“仲間”と共に抱く夢。

REPORT - 20:00:58

一点の力も欠けてはならない――

そんな「三角締め」の技の極意を、アンフィル・mitsu・我が為はそれぞれのライヴで見事に体現して見せた。自分たちのベストなアプローチを凝縮したステージは、勝負をかけるマジなセットリストで構成されており、各々が音楽を通して抱いているポリシーを爆発させていた。そんな熱いライヴをリレーしていく、対バンライヴのあるべき姿がここにはあったように思う。

 

 

7月に行われた大阪・名古屋公演を経て、今回のフリーライヴ「三角締め」のグランドフィナーレを飾った東京公演(816日 HOLIDAY SHINJUKU)。この一連の中で彼らが共通して掴んだことの1つとして、仲間の真価をアツく語っていた。

 

 

「出会うべくタイミングで出会った。ちゃんと仲間だと思えた」――ミケ(我が為)

「デカい夢を共有しているアーティスト。仲間だと言えるからこそ、負けたくない」――mitsu

「心から仲間と思える人に出会えました」――翔梧(アンフィル)

 

 

今回集結した3組の関係性が長いかと言うと、実はそうではない。きっかけは、ここ1年の内にとある共通のライヴへ参加したことだったが、それ以上に彼らを結びつけたのは、音楽に対する心意気を共有したことに他ならない。もっと自分たちのスキルを上げたい、もっと自分たちの意識を高めたい……たくさんのもっとを、音楽を通して昇華するために意気投合したことが始まりだった。

 

いざ合同企画としてフリーライヴという挑戦が始まると、ライヴはもちろん、大阪・名古屋へ向かう道中や楽屋での和気藹々とした様子が彼らのSNSからも覗けたほど、シンプルに楽しい時間を共にしたことで絆を深めていったことが伺える。しかし、今回集結したメンバー同士が仲間と認め合い、強く手を取り合う決め手となったのは、それぞれが音楽に生きる者としての忠実な姿勢を持っていたことだろう。

 

 「三角締め」の総括となる東京公演のトッパーを務めた我が為は、「自分更新曲」からスタート。DJ・吉田雅と向き合う形で、足並みを揃えるように歌い出した我が為としての原点とも言える曲に続いて、自分の力で新たな世界の創造する意気込みを内包した「new tone」へ。あくまで自分(我が)の為に生み出された楽曲だとしても、ミケの歌を求めて集まる人にとっては、時に生き方の道しるべを示してくれるメッセージともなる。

 

 

 

 

「心が動いたらノってくれれば良い」と前置きして披露した「radius」でアダルトな雰囲気に包むと、「brand new sea」ではをモチーフにした楽曲のロマンティックさが、ライヴではオレンジのペンライトが振り付けと同時に揺れるライヴ映えする表情を見せる。最新曲ラッシュの極めつけは、「自問他答NIPPON」。「ライヴは感情をぶつけ合うもの」というミケの中にあるライヴに対する理想像を、に自分をさらけ出す感情を委ねるようにして形作っていく。笑顔やファニーさの中に、自分の理想に対する妥協のない熱意を秘めている。これこそ、ミケという人間の本性とも言える。

 

「心、アツくなった!?」と語りかけながら、タオルを回して白熱した「TOBIKIRI HGH」を通し、ラストの「ユーフォリアの音が鳴り響く」でハピネスな空間へ導くと、会場の後方の人までもが小刻みに揺れ出していた。これこそ、「心が動いたら乗ってくれればいい」と中盤にも言っていたことを実現させる、我が為の音楽の力だろう。

 

「一緒に音楽してくれて、ありがとうございました!」と伝えながら、自身の1年間の活動とこの日のライヴを「まだまだ未熟なところもある」と振り返っていた。一見、ネガティブにも捉えかねない事柄も、隠したりはしない。目を背けず、それさえも我が為に起こることとして、今日以上を求めながら進んでいくことをしっかりと示していた。

 

続いて登場したのは、mitsu。この日のバックバンドはドラム・大熊けいと邦夫の他、アンフィルの倖人・未月・棗が務めるというスペシャル編成だった。その新鮮さは、1曲目の「蛍」からサウンドにも表れていた。通常時のマイルドなロック調とは一味違う、ツインギターの迫力やバンドメンバーならではのグルーヴ感にあふれ、そこに乗るmitsuの歌も繊細さよりもむしろ、大サビで声を張るなどして強いニュアンスを持って聴かせてくる。冒頭を棗がベースで繋いで突入した「MIDNIGHT LOVER」は、ギラギラとした曲の雰囲気が会場周辺の歌舞伎町の街並みにもなんとも似合っていて、mitsuがギター陣に妖艶に絡む場面も。

 

 

 

 

「この5人で出来る音楽で、皆さんの心を締め落して見せます」と意気込むと、「Live Your Life」は体感的にスピード感あるテンポで聴かせた。まさに、この「三角締め」でしか鳴らせない音に乗じてmitsuの歌声もバチバチに攻めていて、ファンキーな「Crazy Crazy」では「周りを気にするな」と自由度高く楽しませると、続いた「Into DEEP」ではスペシャルゲストにミケを迎えて披露。ソロで活動している2人が「歌おう!」と、シンプルな想いをさらけ出すように歌う姿が実に清々しい。そんな、自分の好きなことや選んだ道をまっすぐに進まんとする正解は自分だという想いを「ラストヒーロー」に乗せて届け、ラストは「自分のために作った曲をみんなのために歌います」と前置きして「For Myself」を贈った。mitsuにとって自分が好きなライヴに全身全霊を尽くすのと同様、そんな好きなことに全力を尽くす生き方をみんなもそうであればいいとファンに向けて伝えていた。そのみんなに仲間の存在も感じられたのは、アンフィルの楽器隊という仲間の手によって奏でられた音色に乗せて歌い上げるmitsuのエモーショナルな歌に、すべてがリンクしていたからでもあった。

 

大トリを飾ったアンフィルが1曲目に選んだのは、彼らのアンセムの一つでもある「unfil」だった。バンド名と同じくを意味する曲を耳にしながら、紡いだ絆はバンドとファンだけではなく、「三角締め」を共にしてきたメンバーたちのことさえも思わせる。それを僕がその手を離さないと誓うよと手を差し伸べながら大切に歌い上げたオープニングに続いて、「迷い姫」で一気にモッシュが揺れて躍動感に満ちた会場を目の前に、翔梧が未月の元で「何コレ!最高じゃん!」と満面の笑みを浮かべる場面もあった。

 

 

 

3組で大切に作り上げてきたイベント、予想以上に熱のあるイベントになった」と総括し、「移ろいやすい女心を捕まえたい男の曲」と「紋白蝶と秋の空」をコールした瞬間、歓声が上がった。こうした場面でしっかりと歌を聴かせる楽曲を差し込んでくる心意気は素晴らしく、上品なサウンドメイクと切なさを内包した歌声が非常に心地よい。一変「天上天下唯我独尊」では、仲間のバンドのファンに対しても「最初から全員で来てもらって良いですか!?」と煽り攻撃的な一面を見せたかと思えば、手拍子やモッシュに沸いた「VANILLA PARADE」でパワフルに一体感を増していく。モチベーションもエネルギー的にも容赦なくフルスロットルで、「determination」では「全員で行くぞ!」という一声が合図となって轟音とヘドバンの嵐に飲まれていった。倖人のギターソロに合わせて翔梧がかましたロングトーンも見事で、メンバー4人の相乗効果によって生み出されているアンフィルの音楽の本質をありありと見せつけるようでもあった。

 

 

 

 

 

そして、ラストは「timeless」という自分たちの周年でしか演奏しない大切な節目の楽曲をセレクト。「こいつらと一緒なら、夢が叶えられる。一緒に夢を見られる」と「三角締め」の仲間たちへの想いと、ファンに向けて「みんなの夢になる」と誓った上で、「この日にやるべきだと思った」という。特別な思いを抱かせる有意義なイベントだったことを、アンフィルなりに全力で示すというエモーショナルな選択に胸を打たれたエンディングだった。

 

最後は、「三角締め」をきっかけに未月が作曲したというオリジナルソング「TRIANGLE CHOKE」をオールメンバーで披露。途中、煽りパートで逆ダイブやウォール・オブ・デスといった、ライヴハウスにあるべき白熱した情景を蘇らせる一幕もあった。

 

 

 

 

 

このライヴを通して取り戻したかったことは、かつてライヴハウスにあった熱気でもあり、本気でぶつかり合える仲間と音楽に真摯に向き合う気持ちを分かち合うことだったのかもしれない。それが出来る仲間と出会えたからこそ、アンフィル・mitsu・我が為はこれからも音楽を通して夢を抱くことが出来るのだ。その夢は、これからの未来に大いなる可能性を秘めている。

 

 

レポート・文◎平井綾子

写真◎intetsu

 

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<SET LIST>

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[我が為]

1.自分更新曲

2.new tone

3.radius

4.brand new sea

5.自問他答NIPPON

6.TOBIKIRI HGH

7.ユーフォリアの音が鳴り響く

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mitsu

1.

2.MIDNIGHT LOVER

3.Live Your Life

4.Crazy Crazy

5.Into DEEP

6.ラストヒーロー

7.For Myself

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[アンフィル]

1.unfil

2.迷い姫

3.紋白蝶と秋の空

4.天上天下唯我独尊

5.VANILLA PARADE

6.determination

7.timeless

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ALL CAST

1.TRIANGLE CHOKE

 

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