2018年03月30日 (金)
【ライヴレポート】<Scarlet Valse>2018年3月27日(火)渋谷Club asia「「君たちがいるから、俺たちはここにいる──。」
REPORT - 13:37:12運命の鐘が鳴らされた。今宵、一つの審判が下される。3月27日(火)、Scarlet Valseは渋谷Club asiaの舞台に立っていた。この日のワンマン公演の動員や内容が、10月に行う8周年記念単独公演の運命を左右する。その結果…の前に、この日の模様をお届けしようか。
その翼を羽ためかせ、熱狂の中へ飛んでいきたい。
心の嘆きを映す音の鏡のような音色。その調べは、何時しか勇壮な高鳴りに変わっていった。メンバーが姿を表すたびに起きる、絶叫。なにより、高まる期待。。。
その期待を破裂させるように、Scarlet Valseのライブは、バンドの姿をダイレクトに投影した『Reincanation』から幕を開けた。切なさ/嘆き/昂揚/優美/勇壮/壮麗/激情/感涙…Scarlet Valseを彩る様々な要素を呑み込んだ『Reincanation』に合わせ、フロアー中の人たちが頭を激しく振り、手にしたタオルをまわし、一人一人の背中に映えた真白な翼をはためかせ、5人と一緒に、描くべき物語の舞台を目指して羽ばたきだした。彼らが導くままに、その翼を羽ためかせ、熱狂の中へ飛んでいきたい。
Youの妖艶なギターの旋律に導かれ、流れた『Nocturne』。楽曲が轟くと同時に、会場は、暴れ狂う野獣たちが支配していた。突き刺す激しい演奏に触発された人たちの誰もが、感情の留め金を外し、頭を振り乱し、狂乱の世界へ身を委ねだす。
Shianの唸るベースが、身体を疼かせる。Kakeruの煽りに触発され、絶叫した声をぶつける観客たち。流れだしたのが、『Misty Night』。なんて、高ぶる気持ちへ導くドラマティックな楽曲だ。演奏に触発され、沸き上がる感情。サヒでは、Kakeruとファンたちが共に歌を口づさんでいた。途中、演奏中のRaizoの首筋に噛みつくKakeruの姿も。間奏で見せたツインギターの旋律の、なんて美しくも華やかだったことか。「Misty Night」と歌う観客たちの歌声へ、想いを重ね熱唱するKakeru。そして…。
場内へ流れたのは、闇に支配されたサーカス小屋へと連れだす、鈍い光を放つ轟音な演奏。『Darkness Circus』に感情を重ね合わせた観客たちが、まるで狂ったピエロのように右へ左へ踊りながら駆けてゆく。間奏では、逆ダイの光景も登場。Scarlet Valseが仕掛けたサーカス小屋での演目は、暴れ狂っていたあの瞬間が、醒めない夢の中の出来事だったと語るような、体感型の熱狂を描きだす夢魔のようだった。
「ここですべてを出し切ろう。詰めて、寄せて、アゲればいい。後ろの人まで見える環境を作りたいんだ。何故なら、近いほうが君らの笑顔が見れるんだもの」(Kakeru)
キザなKakeruの言葉とは裏腹に飛び出したのが、激しく、熱く、燃え盛った魂と演奏をバーストさせた『Flames』だ。観客たちが炎となり、身体中から感情を放熱してゆく。大きく開いた両手は、燃え盛る火の揺らめきのようにも見えていた。騒ぎ狂う観客たちのイカれた姿が最高だ。何より、その興奮を導き出したScarlet Valse自体がやるじゃない。
激しい音が吠えだした。炸裂した轟音の中、胸を揺さぶり嘆く歌を届けるKakeru。サビ歌に触れたときに覚えた高ぶる気持ち。とても胸を熱く揺さぶる感動な歌だ。『Phonix』、この曲は、どんな絶望の底からだろうと勇ましい気持ちで羽ばたく力と勇気を与えてくれた。
「存在理由を示しなさい」。情熱を解き放ち野生の踊り子と化したKakeruとメンバーたちが届けたのが、『Raison d’etre』。ほとばしる熱気を振りまくように、誰もが大きく飛び跳ね、燃え盛る感情をぶつけてゆく。互いに狂騒の中へ身を落としてこそ、それが「存在価値や存在している理由だ」と語るように。
この場所が君たちと俺たちの約束の場所でありますように。
ライブは、雷鳴にも似た轟き渡るYo-heyのドラムソロへ。普段は温厚な性格とは裏腹に、彼のドラムソロは、タイトな音の中へ滾る熱を注ぎ込んでいた。
「この場所が君たちと俺たちの約束の場所でありますように」。舞台に姿を表したKakeruは、そう語ると同時に、麗おしくも切ない旋律を折り重ねるピアノの音色に乗せ、美しいバラードの『Promise』を歌いだした。巡り合えたこの奇跡を、共に喜びとして分かち合うように想いを込め歌うKakeru。その歌声に触れていたら、いつしか瞼が滲んでいた。なんて気持ちを無垢な姿に戻してゆく楽曲だ。X JAPANの『ENDLESS RAIN』が好きな人なら、絶対にハマる素敵な楽曲だ。「これからもずっと側にいてください」。Kakeruの真っ直ぐな心の言葉が、頬に美しい涙の滴を誘ってきた。
戦いの始まりのような勇壮な音が場内へ鳴り響く。ふたたび舞台へ姿を現したメンバーたちへ向け、多くの絶叫が飛び交いだす。
「暴れてくぞー!!」、Kakeruの叫びに触発され、両手を上げた観客たちへ襲いかかったのが、とても重厚な、轟く音が身体を押し潰してゆく『Lunatic mind』だ。激しく頭を振り、激情した想いをぶつける観客たち。サビで一気に歌が開放したとたん、場内には無数の手の花が咲き乱れていた。その花は、いつしか拳の波となり、場内に大きなうねりを作りあげていった。
絢爛華美な音色が流れだした、情熱歌謡浪漫な香りを抱いた『Shadow’s Game』の登場だ。フロアー中の人たちを熱狂の踊り子に変え、Scarlet Valseは情熱の宴の中へパートナーとして連れだした。間奏では逆ダイを描く様も。艶めいたこの熱狂が、たまらなく刺激的だ。
「祈りなさい」。儀式が始まるように、Scarlet Valseは荘厳で暗鬱な、ダークシンフォニアナンバーの『Virginal Bood』を叩きつけた。荒れ狂え、暴れ続けろ、共に奈落の宴の中、黒い熱狂に溺れてゆけ。興奮したKakeruはフロアーへ飛び下り、逆ダイの風景の中へ、観客たちをどんどん巻き込んでゆく。熱狂と興奮が次々と折り重なり合い、そこは何時しか絶叫に支配されていた。
これは、ライブ会場にいるからこそ味わえる喜びだ。
「君たちの心に響けばいいなと思い、ここで歌っています」。この日、訪れたファンたち全員に配ったサビ歌の歌詞を記したフライヤー。そこへ記されていたのが、「どんなに咲き乱れる 紅い薔薇の花達より その笑顔に心奪われ~何より輝いていた 一途な貴方の瞳で 僕は少し強くなれるよ」という言葉。応援してくれる仲間たちへの感謝を詰め込んだ『Dear』へ綴った歌詞の一節だ。とても優しい、何より、体温にも似た暖かい温もりを持った楽曲だ。「君たちがいるから俺たちは強くなれます。だから君たちも、俺たちを見て強くなってください。ずっと離さないから」、麗美な演奏の上で、Kakeruはそう語ってきた。サビでは、一輪の赤い薔薇を手にした大勢のファンたちが、一緒に歌を分かち合っていた。気持ちを一つに響く歌声が、心を震わせてゆく。ともに感動を分かち合っていたかった。何より、その歌声に心が奪われていた。
込み上がる感情のままに歌うKakeru。その歌声へ導かれるように、Scarlet Valseは情熱を抱いた激しさと華やかさを重ね合わせたシンフォニックハードナンバーの『Everlasting Life』を奏でだした。情熱の花を咲かせた光景が広がる場内。「大空を目指し羽ばたく夢 この身体朽ち果てても 君を連れてゆくから」。何時だってScarlet Valseは、仲間たちと共に未来を描こうと呼びかける。一人一人の心の支えがないと、彼らはScarlet Valseでいれなくなるからこそ…。
力強く、でも暖かい想いを歌声や演奏に投影し、Scarlet Valseは『La neige』を届けてきた。両隣の人たちと手を繋ぎ、演奏に合わせ、ゆっくりと身体を揺らすファンたち。同じ憧れに想いを注ぐ仲間たちが側にたくさんいるからこそ、僕らも沸き上がる楽しさを一緒に味わえる。ともに感動や昂揚、興奮を分かち合える。これは、ライブ会場にいるからこそ感じれる喜びだ。
ふたたび楽曲は熱く激しく吠えだした。『Story』が、騒ぎたい感情のスイッチを力強く押してゆく。フロアー中を白く埋めつくした、サビで舞うタオルの光景。大サビで場内中に響いたファンたちによる合唱。『Story』は、僕らをドラマの中へ連れてゆく。熱狂と興奮へ身を投じながら、心昂る感動も胸に覚えていた。
最後は、豪圧な音を畳みかける『No.6』だ。無我夢中で頭を振り尽くせ、昂る演奏に身をぶつけ、暴れ奉れ。これは、熱狂を分かち合う儀式だ。一人一人が狂い咲く花となり、会場へ、触れたとたんに火傷するくらいの熱した花を咲かせ続けていった。その花こそが、ここへ咲き誇るに相応しいと言うように。
猛り狂う宴こそ、Scarlet Valseのライブの楽しさ。
アンコールの演奏に先駆け、Scarlet Valseは幾つか新たな発表を届けてくれた。6月5日、池袋RUIDO K3にてRaizoの、6月25日には、同じく池袋RUIDO K3を舞台にShianのBIRTHDAY EVENTの開催が決定した。 7月12日には、渋谷VUENOSでKakeruのBIRTHDAY ONEMAN LIVも行われる。7月後半からはStarwave Records主催のイベントツアーへ参加することも発表。さらに9月20日には、7周年無料ワンマン公演を恵比寿Club aimで行う。しかも、その日を皮切りに、5都市6か所を舞台にした無料ワンマンツアーも決定。ファイナルは11月26日、渋谷REX。そのツアーへ向けてアルバムの制作も行われる。
その発表を受け、Scarlet Valseは激情と熱狂を描く『Rose Cruel Scar』を突きつけた。新たな発表を祝福するように熱を持って騒ぎ狂う観客たち。逆ダイ時には、Kakeruがフロアーへ飛び下り、マイクを手にしたRaizoが観客たちを熱く煽り続けていた。猛り狂う宴こそ、Scarlet Valseのライブの楽しさ。観客たちは、その空気を存分に楽しんでいた。
「ぶっ飛ばしていこうぜー!!、お前らの歌だ!!」、二回目のアンコールは、暴れ騒ぐ祭りの光景を描きだす『揚羽蝶乃夢』からスタート。楽曲やメンバーらに刺激を受け、全力で騒ぐ観客たち。サビでは、両手で蝶を作り、ユラユラとその手を揺らし続けていた。
「行こうよ!!」、今宵の最後を飾ったのが、シンフォニック&ハードな『Secret Eden』だ。ともに限界を越えながら、その先へ待ち受ける快楽を求め、会場中が一つになりはしゃぎ続けていた。
美しい熱狂と、滾る熱情を、触れた人たちの身体中へ注ぎ込むScarlet Valseのライブ。まだ未体験な人たち、次は、あなたがこの輪の中へ加わる番だ。
最期に、Kakeruの言葉を記そうか。「君たちがいるから、俺たちはここにいるんだと思う。何度もあきらめようと思ったけど、あきらめずにいて本当に良かった。絶対にいい夢見させてやるから覚悟しておけよ!!」(Kakeru)
TEXT:長澤智典
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Scarlet Valse Web
Starwave Records Web
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――セットリスト――
『Reincanation』
『Nocturne』
『Misty Night』
『Darkness Circus』
『Flames』
『Phonix』
『Raison d’etre』
Drソロ
『Promise』
SE
『Lunatic mind』
『Shadow’s Game』
『Virginal Bood』
『Dear』
『Everlasting Life』
『La neige』
『Story』
『No.6』
-encore.1-
『Rose Cruel Scar』
ENCORE.2-
『揚羽蝶乃夢』
『Secret Eden』
2018年03月19日 (月)
【ライヴレポート】<Eins:Vier Tour 2018“Searching For You”>2018年3月18日@目黒鹿鳴館
REPORT - 21:50:121999年の解散以降、何度か復活ステージを行なったこともあるEins:Vierだったが、2018年、本当の最後となるツアーをスタートさせた。それが3月17、18日に目黒鹿鳴館から始まった<Eins:Vier Tour 2018“Searching For You”>。
メンバーは約1年前、このツアーを計画。それにあたり、セルフカバーベストもレコーディングしている。インディーズ時代も含め、約10年間に生み出した楽曲の中から当時のライブでのキラーチューンを軸に選曲、再レコーディングしたのが3月14日にリリースされた『Searching Red Light』だ。
3月18日、目黒鹿鳴館2デイズの2日目にあたるライブは、そのセルフカバーベストにも収録されている「Not Saved Yet」からスタート。最後のツアーというと、やはり寂しさが付きまとうもの。しかしフロアから起こる温かい拍手には、感謝の思いが十分に込められ、それを浴びるHirofumi(Vo)、Yoshitsugu(G)、Luna(B)の3人もまた、感謝の気持ちで一音ずつ、一言ずつを丁寧に紡ぐ。客席を埋め尽くすファンはもちろん、ステージのメンバーからも自然に優しい笑顔がこぼれていった。
「Searching For You! 会いたかったです。思いっきり心、全開で楽しみましょう」ーーHirofumi
その言葉に、共に歌いながらEins:Vierを楽しむファン。新曲はないから、すでに気持ちにも身体にも浸透している曲ばかり。ファンにとって、それぞれの曲と並走するあの日あの時の思い出だって蘇ってくるだろう。
しかし懐かしさに浸ってばかりもいられない。なにしろ、Eins:Vier解散以降もミュージシャンとしてキャリアを重ねているメンバーだからこそ、説得力あるプレイが放たれ続ける。また、一度、Eins:Vierから離れて客観的な視点も働いたからこそ生まれる新たなアレンジも、自然に散りばめられている。そして、これが最後のツアーとメンバー自身が決めたから、曲それぞれに向けた愛情も並大抵のものではない。それらが絡み合いながらライブは熱気を帯びていく。
「俺ら東京で初めてライブやったのもここ鹿鳴館。それから何度もやったり、大雪でお客さんが誰もおらんかったライブもあったり、ここではいろんなことがあった。そこから何十年経って、また鹿鳴館で2デイズやるって凄いことやな。ほんま、感謝しかない。鹿鳴館、ありがとう。そしてライブは残り11本。1曲1曲、一瞬一瞬を噛み締めながら、最後、O-WESTでどんな気持ちになるのか分からないけど、見届けに来てください」ーーLuna
約2時間に及んだこのライブで、セルフカバーベスト『Seaching Red Light』に収録されている全10曲はもちろん、バンドの歴史を彩ってきたナンバーの数々を披露。ツアー各地では、この日にプレイされなかった曲も用意されているようだ。また2デイズの会場では、各日で異なるセットリストになるという。ツアーは5月12日まで続く他、バンドの盟友でもあるGargoyleと共同主催によるライブ「ZERO CRASH」(オープニング・アクト=Valentine D.C.)を4月29日(日)に下北沢GARDENで行なうことも決定している。
またライブ会場では、ライブDVD付き『Searching Red Light』の限定盤、メンバーの対談なども掲載したツアー・パンフレットなども発売中。
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<Eins:Vier Tour 2018“Serching For You”>
3月24、25日=札幌COLONY
4月1日=仙台enn2nd
4月7、8日=名古屋Club UPSET
4月14、15日=OSAKA MUSE
4月21,22日=福岡DRUM SON
5月12日=渋谷TSUTAYA O-WEST
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<Gargoyle & Eins:Vier presents 2 MAN LIVE“ZERO CRUSH”>
4月29日=下北沢GARDEN
<Eins:Vier ”Tour2018 Searching For You”>2018年3月18日@目黒鹿鳴館セットリスト
01.Not Saved Yet
02.碧い涙
03.For love that is not love
04.The solitude song
05.花の声
06.メロディー
07.街の灯
08.Passion
09.Nursery Tale
10.Words for Mary
11.Notice
12.Bravo
13.The Prayer
14.Lesson
15.in the Void Space
16.Dear Song
En01.I Feel that she will come
En02.In your dream
★Eins:Vier★
https://eins-vier.wixsite.com/eins-vier
https://twitter.com/einsvier_news
Text:長谷川 行信 Pix:柴田 恵理
2018年03月15日 (木)
*びじゅなびオリジナル*【ライヴレポート】BABOO 1周年記念無料単独公演<ワタシの価値はワタシが決める。>2018年3月13日(火)池袋CYBER
REPORT - 22:00:252017年3月始動。「現実」と「非現実」を独自の生々しい世界観で表現する4人組、「BABOO」。
彼らの1周年記念無料単独公演<ワタシの価値はワタシが決める>@池袋CYBER公演にびじゅなびが潜入!
レポートをびじゅなび目線でお届けします!
この日の公演は2部制。
昨年3月にリリースされた初音源『Welcome to the BABOO world.』からの第1章、モノクロテイストのジャケット写真が印象的だった11月発売の「黒白-kokuhaku-」からの第2章、というBABOOの“過去と今”を魅せたワンマンとなりました。
SEが流れて幕が開くと、ステージ中央の椅子に座ったBeroの歌声で柔らかく始まった「冬のひまわり」。手にはトレードマークにもなった大きなひまわりの花。ウサギのDr.Phantomもリズムを刻みます。続いてゆっくりとGt.のJOY、Ba.のNINEがステージに登場。2人とも椅子に腰かけて音を重ねていきます。少し感極まっているかのように見えたBeroは、小刻みに震えるひまわりを抱きしめて歌います──。
「BABOO第1章始めます!」
2曲目は元気よく「STARRY NIGHT」!白いシャツ、首元にリボン、黒いワイドパンツにスニーカー。虹色のエクステンションを揺らすBeroは、まるで少年のよう。フロアのファンも右へ左へと揺れて笑顔が溢れています!
「今日は楽しもうぜ!」
♪さあ始めよう目を閉じて
こんなフレーズで始まる3曲目の「あっかんべー」では、Beroがトレイにカクテルグラスと何やら小瓶を乗せ、そのグラスをJOYが飲み干す、という一幕も。なんとこの小瓶とグラスの中身は本物のジャックダニエル(お酒!)だったそうで、知らなかったJOYはちょっとびっくりしちゃった様子。でもギターが酔っぱらう事はありませんでしたのであしからず!
Beroがステージから客席へ向けてクラッカーを鳴らし、リズミカルな「GIMME GIMME GIMME」へ。ワクワクする曲が続いて、身体も自然に動いてしまいます!BABOOのライヴは本当に自由。決まり事なんて必要ないんだよ!と言わんばかりに自由にステージを飛び回るBero!
ステージが真っ赤に染まる…ドロドロとしたSE…これまでから一転、怪しげな雰囲気に包まれる池袋CYBER…。
深紅のステージに浮かび上がるメンバー4人の姿。ホラーテイストが楽しい「おばけハイテンション」!
おバケバケバケハイテンション♪とすぐに口ずさめるメロディ。
黒ずくめのBa.NINEが生き生きと体を折り畳んでいます。そのシルエットは赤黒い闇の中で、まるで魅惑的な悪魔の使いのよう…。
ファンが一斉に髪を振り乱す「CRY BABY」!跳ねて、跳ねて、回って!
拳を上げて、音に身を任せて暴れまくる!
熱気が舞い上がり、BABOOの王子・JOYのギターも絶好調!それでも優雅な動きは崩しません!
「ラスト行こうぜー!」
グルーヴ感たっぷりに始まった「神様の言う通り」では、キャッチーなメロディが爽快で心地よい♪
元気をくれる1曲です!
Phantomも楽しそう(多分!いえきっと間違いなく!)!
ステージ狭しと飛び跳ねるBeroも、本能のままに叫び、歌います!
「ありがとうございました!」
ワクワクと楽しい時間を過ごした前半戦、第1章のパフォーマンスはBeroの元気な挨拶とともにここで終了。
幕が引かれ、なんとここでPhantomのナレーションが。
「みんな、楽しんでくれてるか〜い!」
「BABOOもようやく一歳を迎えられた訳だけれども、これも応援してくれているみんなのおかげだよ!改めてほんとうにありがとうございま〜〜す!」
ほんわかとしたナレーションの後、暫くしてから幕裏のメンバーが小声でアナウンス。
「あのー…聞こえてますかー…もう少しだけ…待って下さい…Phantomが…脱水症状…」
エエーーーっ!!
「…Phantom頑張れって言って下さい…せーの!」
「Phantom頑張れ!」
「もっと気持ちこめて…」
「Phantom頑張れ!!」
映画のサウンドトラックのようなBGMがまだ流れています。
Phantomは大丈夫かな…?
“ブーーー!”と開演ブザーが鳴り響き、時計の音が。第2章のスタートです。
幕が開くとドラムセットの前に立てかけられ、スポットライトを浴びたひまわりの花。Phantomも元気そうで一安心。メンバーが登場し、重厚にスタートしたのは「黒白-kokuhaku-」より1曲目の「絲」。
衣装も前半から変わり、Beroは黒いサロペット、JOYも白いシャツから黒いシャツへ。JOYのギターが、鮮やかに、なめらかに、空間を彩るように歌っています。
自らを絞り出すように、伝える言葉を押し出すように、力強くBeroが歌うその姿に、目が離せなくなります。
苦しい事、辛い事、いろいろな感情がそこに吐き出されているかのよう。
「頭振れ…」
小声の合図でスタートしたのは、この日のプレミアムチケット購入者特典として配布された音源「最終列車」。
激しくドラマティックにハードなこの曲、ステージからどこかへ手を伸ばし、何かを必死で掴もうとするBeroの叫び。
ここまでの2曲、明らかに第1章とは異なるBABOOの姿です。
Bero「ヤッホー!」
ファン「ヤッホー!」
Bero「第1章…どうでしたか?「冬のひまわり」のあの感じ、僕めっちゃ大好きです。あれにはストーリーがあるんですよ。僕とPhantomが初めて出会ったんです。次に出会ったのがJOYです。その次にNINEと出会って。そのストーリーを「冬のひまわり」で再現しました。天才じゃないですか、僕(笑)!」
歌詞と照らし合わせるとBeroの気持ちが伝わってくる「冬のひまわり」。
皆様にも是非一度聴いて頂きたい名曲だと、びじゅなびは思っています。
「今日はみんな来てくれてありがとう。…ちょっと待っててね。…ちょっとこれ持ってて(とマイクをNINEに一方的に預けてステージから去るBero)」
…マイクを直立不動で持つNINE(笑)
NINE「おはようございます(笑)!えー、Bero君は言葉が足りないので(笑)今一度皆様に御礼を申し上げます。本日は来て頂いて本当にありがとうございます。BABOOというバンドは今日で1年、1歳になりましたが、この1年間様々な苦難とたくさんのトラブルとたくさんの喧嘩を繰り返し(笑)本当にバンドというのは(ご挨拶続く)…皆様御声援ご鞭撻の程宜しくお願い致します!」
再登場したBero「すごいね、噛まずに言えるなんて、ほんとすごい…(←感心する)」
自由なBeroと、それをサポートするNINEとJOY、そして優しく見守るウサギ・Phantomという図式が見えてきた気がします(笑)!
「OK、じゃあ曲行こうか!」
アッパーな「空歌」がスタート!
手を叩いて、左右に跳ねて、躍動感にフロアが揺れる!
リズムが響き、「もっとやろうぜ!どんだけ池袋CYBERが一つになってるか試したいんだけど、お前らの声、聞かせて下さい!関係者もさ、見に来たんだから遊んでけばいいじゃん!」
コールアンドレスポンスが徐々に大きくなっていく!
「さあ、始めよ!」
フロントのメンバー3人が一斉にステージ前へ出てきて、フラッシュライトが点滅!
MVにもなり、いまやすっかりBABOOの代表曲「Mr.Dirty Moon」!
躊躇無く頭を振るJOY、NINE、Bero、そしてオーディエンス。
みんな、とにかく全力で楽しんでいることが伝わります。
ステージ上のメンバーは盛り上げよう、とかこう魅せようとか、もちろんカッコ付けでもない、もっと本能のような、ストレートなパワーがビリビリと届いてきます。
Beroは、フロアからのレスポンスをこれでもかと欲しがって煽り、暴れ、JOYは激しいプレイで空気を突き刺していきます。
演奏が終わると、自然と沸き起こる拍手。
Bero「改めて、来てくれてありがとうございます。
1年って早いよ。早くない?365日って、多いようで凄い短いんだよね。
BABOO、思い返せば凄い色々あった。俺が辞めるってメンバーに言った時もあったし。
そうしたら…BABOOのみんながね、「ダメ」って。「なんで?」って言ったら…「好きだから」って。
ほんとはね、俺みんなに嫌われてると思ってたのよ。だって言葉足らずだし、なんか…バカだし(笑)
分かってるんだよ?だけど言葉選べないのね。感情をすぐ出しちゃうの、なんでも。ある意味情緒不安定だよね(笑)。
だけどそういう僕をちゃんと理解してくれて、それでもお前の事を愛してる、お前のこと好きだからって目を見てちゃんと言ってくれた。それがすっげえ嬉しかった。
もう1年だけど、ここでしっかりBABOOを愛します。
第一章、第二章ってやってきました。今後、もっとかっけえもん作ってていくから。
みんなしっかり見ててね。すげえかっけえから!ここからどんどん好きにさせるから。期待してて下さい!
最後、この曲で最後に締めたいとおもいます。」
「p.m.」
優しい音が流れ出し、NINEの台詞とBeroの歌声がミックスしていく。
「死ななくて良いよ 側にいて」
とてつもない愛情と儚さと想いが詰まったこの曲が、この日のワンマンを締めくくりました。
BABOOの4人の決意のようなものをステージから感じとると同時に、そのステージを見つめる、そこに居た観客達の全てが、4人を見守るかのように温かな表情をしていたのが印象的でした。
笑って、跳ねて、暴れて、切なくなって、強くなった。
そんな様々な表情を見せてくれたBABOO。
「黒白-kokuhaku-」の帯には「ワタシの価値はアナタが決めるのですか?」と書いてあります。
今回のワンマンのタイトルは<ワタシの価値はワタシが決める。>。
それが彼らが出した答えなのです。
自分達の価値は自分達で決める、BABOOでしか産み出せない音楽を4人は信じているんだ、と──。
今後はイベントライヴのスケジュールも公開されていますが、最新情報など随時告知される予定。
是非チェックしていて下さい。
BABOOの物語は、まだ始まったばかりです。
TEXT:びじゅなび
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▼『最終列車』(2018.3.13 live digest ver.)
<LIVE情報>
2018年4月4日(水) HOLIDAY SHINJUKU
2018年4月17日(火) 池袋EDGE
2018年4月26日(木) HOLIDAY SHINJUKU
2018年5月14日(月) 都内某所 ※後日発表
2018年6月4日(月) HOLIDAY SHINJUKU
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★BABOO Official HP★