2018年04月28日 (土)
【ライヴレポート】<Chanty「桜舞い散る木の下で君が待ってるワンマンツアー2>2018年4月21日 吉祥寺CLUB SEATA◆「Chantyはまだまだ続きます。一緒に行きましょう。」
REPORT - 20:09:58春ツアー終幕!そして再び聖地O-WESTへ。
Chanty 2018年4月21日 吉祥寺CLUB SEATA
「桜舞い散る木の下で君が待ってるワンマンツアー2
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4月21日、3月より始まった活動再開後初の全国ワンマンツアー「桜舞い散る木の下で君が待ってるワンマンツアー2」のファイナル公演が吉祥寺CLUB SEATAにて行われた。
会場BGMは初日の「大地讃頌」から「1年生になったら」に変更されていた。思い返せば約二年前に行われた「桜舞い散る木の下で君が待ってるワンマンツアー」も卒業シーズンから入学シーズンをまたぐツアーだった。
開演を待つファンは、入学初日の新入生さながら、心躍らせ開演の時を待っていた。
SEを背に楽器隊の3人が登場すると、大きく吸った息を吐きだすように始まったのは「貴方だけを壊して飾ってみたい」。内に秘めた静かな狂気のようなイメージを裏切るように、最後に登場した芥は、マイクスタンドからマイクをぶんどるようにして力強く歌い始め、ライヴの口火を切った。
そして「不機嫌」、「冤罪ブルース」と更に勢いづける楽曲を畳みかけ、フロアも飛び跳ねたり、頭を振り乱したり、割れんばかりの声援でコール&レスポンスしたりと、ライヴが始まったことを大いに実感させてくれると、久しぶりに披露された「落ちる球体」では、Vo.芥からのタイトルコールに会場中から驚き交じりの歓声が上がる。続く「パセリ」をノスタルジックにお茶目に披露すれば、少し懐かしい思いに浸った人も多かったのではないだろうか。
正直、満員御礼とは言い切れないフロアの密度ではあったが、後ろのファンまでもが大きく声を上げ、楽しそうにはしゃぎ回っていた様子に、数ではなく各々が全力で楽しめる空間としてとても充実していたと感じることができ、心から嬉しくなった。
「ベースソロ始まりますけどいいですか!」普段は縁の下の力持ちのようにライヴの演奏を支えるBa.野中拓。芥に盛大にソロパートを振られると、少し恥ずかしそうにしながらも軽快なベースソロから始まる「インピーダンス」。カラフルな照明も相まって、フロアをかける観客たちがめいいっぱい楽しむ姿にこちらまで笑顔を誘われる。
最新アルバムから披露した「ミツケタ
は、パッケージされた音とは遥かに色を変え疾走感が味付けされた印象。「コバラがすいたなぁ・・・」という芥の呟きと気が触れたようなシャウトから始まった「魔が差した
はここまでの空気を一変させるほどの狂気を見せ、観客もそれに必死に食らいつく。
ツアー初日にも多く披露していた「Chantyの世界へようこそ2」の楽曲たち。
初日とは比べ物にならないほど熟成した演奏に、この全国ワンマンツアーでいかに新曲たちが育ってきたかを伺い知ることができた。
続いても「m.o.b.」、「謳う心臓」を披露し、鬼気迫る展開に拍車をかけたかと思えば、Gt.千歳が緩やかに音を紡ぎ、「天翔る」へ。優しい演奏はいつものままに、この日は少しだけ力強く凛として胸に直接響いてくるような、そんな感覚になったのが嬉しかった。
そして「yureru」へと流れると、ライヴも第2ラウンドへ。
エンジンをかけ直すように「ALIVE」
を叩きつけると、芥がギターを手に取り「まだいけますかー!」と一声。「滅菌、消毒、絆創膏。」ではヘドバンにジャンプにとせわしない展開に満足そうにフロアを見下ろす芥。
その後もアグレッシブに飛び跳ねる楽曲「ミスアンバランス」、「衝動的少女」と熱の加速する展開を見せると、もはや綺麗にセットされていた登場時の髪型が思い出せないほどに乱れきった千歳。会場の熱気とその激しさを物語っていた。
幻想的に始まった「揺らめくあの日は万華鏡」では、ここまでの勢いと疾走感はそのままに、繊細なガラスの中を掛けめぐるような軽やかな演奏を届ける。続いた「君とこの部屋」もまた、雨あがりの晴れた空の下のまだ濡れている道を歩くような清々しい1曲。最後に芥が発した「夜が明けたよ」というフレーズは、これまでChantyに訪れた夜がここでやっと明けたような、晴れやかな気持ちにさせてくれた。
本編ラストを飾ったのは「最低」。どうしようもなかった気持ちを浄化してくれるように前を向かせてくれる楽曲。そんな楽曲を最後に本編は晴れ晴れしく幕を閉じた。
また、このツアーで再確認できたのがファンの熱量。割と控えめなイメージのChantyのファンだったが、ワンマン時のエネルギーは驚くほどで、止まないアンコールに自分も声を出さなければ・・・という気さえしてきた。
曲をたくさんやりたいという希望の元、口数少なく本編を終えたメンバーが盛大なアンコールに答え、再び登場。
まずは今回のワンマンツアーの思い出から終始和やかなムードでトークが進む。
実は節約のつもりで“炊飯器”を持ち込んで全国を回ったと話したこのツアー。楽屋でお米の炊ける音を聞く新鮮さや、それぞれ美味しかったご飯を語り合うなど飾らない彼ららしい緩い話題に会場からも常に笑いが起こっていた。
そんな中、ホテルの外にあるコインランドリーを“野生のコインランドリー”と表現したDr.成人の天然ぶりがフィーチャーされると、知らない物や場所を“野生”と例えた千歳。
「今回のツアーでは野生がなくなった。色んな地方に行って輪を広げてくってのは改めて大事な事だと思うし、怯えてちゃダメだなと。だからこのツアーやって良かったなとみんな思ってる」と、有意義なツアーを送ることができたことへの喜びを素直に伝えた。
千歳のアルペジオを背に、少しずつ口を開いた芥。
「アルバム出して、怒涛の流れでツアーに突入して。ツアーって結構地方回り終わって日常に帰ってきたりすると途切れる事もあったりするんだけど、今回は一切途切れずバンドのメンバーと常に一緒にいるような気持ちで今日に至ることができました。それは本当に、このツアーに参加してくれたみんなの道しるべがあったからそういう風に思えたんだなって改めて今思います。もちろん、どんな形でも想いを届けてくれたらこれからもその方向に向かって歩いて行きたいと思うので、辛かったら辛い、楽しかったら楽しい、ムカついたらムカつく、大好きな人にそういう気持ちを届けてください。そして僕らにも届けてください。
そんな芥らしい言葉から始まったアンコール1曲目は、「フライト」。このツアーで繋いできたものを素直に表現し、またこの日同じ時間を過ごすことを選んでくれたファンへの感謝をまっすぐに伝えたこの曲では、曲中互いに見合わせながらリズムを取り合うメンバーの姿が微笑ましく、とても印象的だった。
そして「答えが見つかったとしても、またぐるぐるぐるぐる繰り返す毎日が、少しでも救われますように、こうして群れましょう。」と前置きし始まった「無限ループ」。自身の卑屈さを荒々しく嘆くこの曲では、お馴染みの「俺を!しばく!」のコール&レスポンスに会場も更なる盛り上がりを見せた。
「このツアーが始まってから書こうと思ってた曲、やっと届けることができます。」と口を開いた芥。
もちろん事前に準備することもできたはずだが、どうしてもツアーを通してリアルなものをパッケージしたかったという思いから限られた時間で制作された楽曲となったことを明かした。
ここでこの日初めて披露された新曲「ゴーシュ」は、彼らのこのツアーに対しての思い、届けたい気持ちが純度高く表れた1曲と言っていいだろう。
「不思議とこのツアーで思ったのはツアーの終わりは始まりだなって。僕らのことを送り出してくれてありがとう。僕らのことを迎えてくれてありがとう。Chantyはまだまだ続きます。一緒に行きましょう。」
そう芥が言葉を紡ぎ、最後は結成当初から大切に歌い続けている「奏色」を届けた。
「Chantyワンマンツアー最終公演これにて終了!!」という芥の言葉とともにこの日の公演はフィナーレを迎えた。と、思ったのも束の間、成人がお馴染みの祭囃子のリズムを刻み始めると、呆気にとられる芥を尻目にそのまま「やんなっちゃう」へなだれ込む。この日1番の歓声を上げたフロアも、タオルを振り回したり、割れんばかりの声援で答えたりと最後までしっかりと遊びつくし、正真正銘、Chantyワンマンツアーツアーファイナルは幕を閉じた。
いつも以上にメンバー各々の音が鮮やかにストレートに伝わってきたこの日の公演。
再出発として開催された今回のワンマンツアーを経て、また一つ大きく成長したバンドの姿を見ることができた。
改まって告知をしたとき、歓声が上がらないのが不安・・・だったらしく、アンコール中にさりげなく次の展開を口にしていた芥だが、ここで改めて2018年9月16日にTSUTAYA O-WESTにて毎年おこなっているChantyの周年記念ライヴの開催を報告し、その近辺でミニアルバムのリリースがあることを発表。フロア中から大きな喜びの声が上がったことも記載しておこう。
4人で迎えた初めてのワンマンツアーを、無事ファイナル公演まで完走したChanty。
最後のお決まりのカーテンコールで整列した4人の姿が晴れやかに見えたのは、全国各地で声援を届けてくれるファンに導かれながら、これからも変わらずに歩むべき道を再認識できたからだろうか。
まだまだChantyは続きます、と力強く断言した芥。
これからも途切れることなく、多彩な展開を見せてくれることを期待して、とりあえず、今は9月半ばリリース予定と発表されたミニアルバムの完成を楽しみに待つことにしよう。
文:糸永緒菓子
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【ライブ情報】
2018年9月16日(日)
TSUTAYA O-WEST
5th anniversary oneman. ~Chantyの世界へようこそ~
2018年4月29日(土)
春の秘め事スペシャルエディション~芥生誕祭~
OPEN 17:30 / START 18:00
前売¥0/当日¥0(Drink代別)
[出演]
Chanty
[チケット]
・招待制になります。
・2018年2月28日に発売される2nd full album「Chantyの世界へようこそ2」をご購入頂き、アルバムジャケットをお持ちになって4月29日当日の16時ライブハウス前にてお客様が並ばれた順に整理番号引き換えを行います。
※引き換えの際にアルバムジャケットの提示をお願い致します。
※お並び頂いたお客様がアルバムジャケットを何枚お持ちでも整理番号引き換えはお客様1人につき1枚とさせて頂きます。
・オープン時間前になりましたら再整列して頂き入場となります。
※整理番号はランダム配布となります。
※時間前からライブハウス付近にたむろする行為はライブハウス、近隣の建物のご迷惑となりますのでお控え下さい。スタッフが注意しても移動しない場合、お並び頂いても整理番号をお渡し出来ない場合も御座います。
※整理番号には限りがあります。当日お並び頂いてもお渡し出来ない場合も御座います。
【リリース情報】
今夏ミニアルバムリリース決定!!
★Chanty★
2018年04月20日 (金)
【MERRY】2018年4月15日HOLIDAY SHINJUKU<新宿ブルース>ガラと結生がで紡いだ情緒、そしてMERRYの確かな未来━━。
REPORT - 12:15:474月15日、東京・HOLIDAY SHINJUKUにて、〈新宿ブルース〉と銘打たれたMERRYのガラ(Vo)と結生(G)によるイベントが行われた。
全編、アコースティック・ギターと歌声のみで構成されたこのショウは、新宿歌舞伎町という場所の独特のムードと相まって、情感たっぷり。
オーディエンスは終始、新たな命を吹き込まれたMERRYの名曲の数々にほろ酔い気分で浸っていた。
午後3時に幕を開けた第一部〈「新宿ブルース」~名曲スナック「ガラ」~〉では、ガラの選曲による哀愁に満ちた名曲群が観客を包み込む。
1曲目の「路地裏哀歌」で場末の退廃感を表現したかと思えば、「高層ビルの上でラストダンス」で情熱的に魅せる彼ら。
曲と曲の合間に挿入されるガラと結生の他愛のない会話にも“名曲スナック”らしい人間臭さが滲み出ていて、笑いが絶えることはない。
そんな和やかな雰囲気が場内を包んでいても、いざ次の曲が始まると、しっかりと引き締めてみせるところはさすがである。
イルカの「なごり雪」とT-BOLANの「離したくはない」のカバーを披露したブロックなどは、第一部のハイライトの一つだろう。
絶品の歌唱力を誇るガラに今後どんな名曲をカバーしてもらいたいか妄想するのも一興だ。
終盤の「そして、遠い夢のまた夢」の豊かな音色や「SIGHT GLASS」で増幅された狂気にも、アレンジセンスの高さを感じた。
どこまでも広がっていきそうな「エムオロギー」で晴れやかに締め括った〈名曲スナック「ガラ」〉は、ガラの歌心を存分に味わえるひと時となった。
午後6時に開演の第二部〈「新宿ブルース」~名曲スナック「結生」~〉は、MERRYの音楽的主導者でもある結生によって選ばれた楽曲群が咲き誇る時間帯。
適度に肩の力の抜けた「BLUESCAT」でさっそく観客を魅了すると、「犬型真性MASOCHIST」では原曲とひと味違った切なさが場内を支配する。
結生がこの第二部のために手掛けたというバックの映像も、各楽曲の情緒とうまく溶け合い、オーディエンスの目を楽しませていた。
特に印象深かったのは、客席からリクエストを募って披露した「ひらひらとんでる。」だ。
その場で即興のアレンジが施されたこの曲は、ガラと結生のプロの技に間近で触れることのできる貴重な機会となった。
こうした観客参加型のコーナーも〈新宿ブルース〉の魅力の一つと言えるだろう。
「Black flag symptom」でタンバリンを手にしたガラが観客の手拍子を扇動し、最後は「SWAN」でしっとりと美しく幕を閉じた〈名曲スナック「結生」〉。
感情豊かなメロディを次々と生み出す結生の技量に酔った宵だった。
まだまだ続きを観たい観客たちの熱い声に応えて、ステージ袖に引っ込んだガラと結生が再び姿を現す。
「しっとり終わったから、盛り上がる系でいきますか」と結生が客席に語りかけ、急遽披露されたアンコールは「不均衡キネマ」だ。
オーディエンスの力強い手拍子に合わせて、景気よく炸裂したこの曲が着地点に至ると、舞台上のガラと結生に向けて大きな拍手が送られる。
「ありがとうございました! 新宿ブルース、またやりましょう!」と叫ぶガラの表情は輝いていた。
〈新宿ブルース〉を観て改めて感じたのは、MERRYの楽曲は、思わず口ずさみたくなるような佳曲揃いだということ。
あの曲この曲に宿る新たな情緒。
歌心について考えさせられるこのイベントのシリーズ化に期待したい。
こうなると、健一(G)、テツ(B)、ネロ(Dr)を加えた5人のMERRYの雄姿が待ち遠しくなってくる。
この日、ガラがMCで述べていたMERRYの今後の動きについて整理しておきたい。
5月12日には、〈MERRY 2018 二部制LIVE『扇動歌謡祭』一部「【昭和】メリー」二部「【現代】MERRY」〉が恵比寿ザ・ガーデンホールにて催される。
一部「【昭和】メリー」では、メリー名義で発表されたオリジナルフルアルバムの楽曲の中から、当日聴きたい楽曲のリクエストを4月22日23時59分まで受付中。
このファン投票を元に、ランキング形式での【リクエストライブ】が披露される趣向となっているので、この機会に是非投票を。
二部「【現代】MERRY」では、MERRYの踏み出す新たな第一歩が観られるとのこと。
「47都道府県を廻って得た、最新型のMERRYを見せたい。これからどこへ進むのか、その一歩目を皆さんと共有したい。
SNSでの関係性よりも、ライヴでの人と人との繋がりを大切にして、届けたい」とガラは意気込んでいた。
こういった宣言を気負うことなく体現できるのが今のMERRYだと思う。
明日4月21日10:00よりチケット一般発売開始!新曲披露の可能性もあるこの公演、必見である。
すでに報じられている通り、5月23日には、ファンクラブCORE完全限定盤のCORE LIMITED LIVE DVD『47都道府県TOUR システム エムオロギー ~AGITATE FINAL「禁断」 2018.2.3 日本青年館』がリリースされる。
昨年9月発売のアルバム『エムオロギー』に伴う47都道府県ツアーのファイナル公演の模様を収めた本作は、ここ数年の活動でさらに逞しさを増した彼らの躍動を収録(※5/12(土)「扇動歌謡祭」恵比寿ザ・ガーデンホール会場にて先行販売を予定)。
この映像作品の先行上映会が、5月8日に東京・渋谷のMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催されることも決定した。
こちらはファンクラブ以外の一般入場枠も設けられるとのこと。
あの日の青年館の感動を是非ともMERRYのメンバーと共有しよう。
歌謡の本質を心得ているMERRY。
彼らが過去をどう振り返り、未来に向けて観衆を扇動するのだろうか。
期待に胸をときめかせながら、その前進を見守りたい。
TEXT BY 志村 つくね
PHOTO BY 中村 卓
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【ライブ情報】
『扇動歌謡祭』
一部「【昭和】メリー」
5月12日(土) 恵比寿ザ・ガーデンホール
[開場/開演] 16:30/17:00
[席種・チケット料金]
■COREプレミアムシート(指定席) ¥14,040(税込・D代別)
※お土産付/前方座席/当日グッズ販売優先権
■一般指定席 ¥5,500(税込・D代別)
※未就学児童入場不可
(問)NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00~18:00)
二部「【現代】MERRY」
5月12日(土) 恵比寿ザ・ガーデンホール
[開場/開演] 19:30/20:00
[席種・チケット料金]
スタンディング ¥4,800(税込・D代別)
※未就学児童入場不可
(問)NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00~18:00)
◎2018年4月21日(土)
■ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:70613)
■チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:111-775)
■イープラス http://eplus.jp/merry18/
舞台挨拶付き先行プレミアム上映会決定!
CORE LIMITED LIVE DVD『47都道府県TOURシステムエムオロギー ~AGITATE FINAL「禁断」 2018.2.3 日本青年館』舞台挨拶付き先行プレミアム上映会
2018年5月8日(火) Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
一部 18:00 OPEN / 18:30 START
二部 21:00 OPEN / 21:30 START
[チケット料金]
CORE限定前売り 3,500-(税込 / D代別)
一般販売前売り 4,500-(税込 / D代別)
[席種]
全席自由
[先行販売]
CORE先行 4/21(土)10:00~4/29(日)23:59
イープラス プレオーダー先行 4/21(土)10:00~4/29(日)23:59
[一般発売]
イープラス 5/1(火)10:00
[問い合わせ]
ネクストロード 03-5114-7444(平日14:00-18:00)
[備考]
未就学児童入場不可
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MERRY OFFICIAL WEBSITE http://merryweb.jp/
MERRY OFFICIAL Twitter https://twitter.com/merry_official
MERRY Official YouTube Channel https://www.youtube.com/user/MERRYOfficial
MERRY OFFICIAL Instagram https://instagram.com/merryofficial/
2018年04月08日 (日)
【ライブレポート】MIRAGE&Matina 20TH ANNIVERSARY YEAR<BURIAL OF EPISODE -TOKYO->2018.3.31(土) 新宿BLAZE
REPORT - 19:16:23MIRAGE結成20周年、Matinaレーベル生誕20周年、KISAKIバンド活動25周年を祝い、新宿BLAZEで盛大にイベントを開催。MIRAGE/覇叉羅/TOKYO YANKEES/THE DEAD P☆P STARSなど豪華バンドたちが集結し、熱気溢れる満員の会場でまた新たな伝説を生み出した!?
KISAKIが人生を捧げたバンドの一つであり、自身がレーベルオーナーとして大きな転機を迎えたときに誕生したのが、MIRAGEというバンドであり、20歳という若さで設立したMatinaというレーベルであった。
もともとはMIRAGEの活動を補ううえで誕生したMatinaというレーベルだったが、何時しかKISAKIを頼りに大勢の仲間たちが集まり、レーベルとしても大きく膨らんでいった歴史がある。
そのMIRAGEとMatinaが誕生してから20年の歳月が経過。その節目として。何より、自身の人生と青春を捧げたMIRAGEを復活。KISAKIは「BURIAL OF EPISODE –TOKYO」題したイベントを立ち上げ、さらに、MIRAGEとして最新音源となる『BURIAL』『LIVE ARCHIVE 1997~1999』を限定で発売することを決意した。
このイベントのために、当時よく共演していた仲間たちも参戦。さらに、Matinaレーベルに所属していたバンドたちが集まり、一夜限りのスペシャルバンド「魔帝那オールスターズ」を結成した。
3月31日(土)新宿BLAZE。出演したのは、MIRAGE/覇叉羅/TOKYO YANKEES/THE DEAD P☆P STARS/KING/Dear Loving/魔帝那オールスターズ(Vo:幸樹–ダウト– G:龍兎–少女–ロリヰタ-23区– G:MiA-MEJIBRAY- B:塩谷朋之-More- Ds:テロ-†я i ¢к-)/Sclaim(O・A)。90年代中頃からヴィジュアルシーンを世の中へ喧伝してきた生きた伝説たちが集結。その日の模様を、ここに紹介したい。
オープニングアクト.Sclaim
開場中のオープニングアクトとして登場したのが、Sclaim。続々と観客たちが入場してくる中へ姿を現した彼等は、Sclaim目当てのファンはもちろん、ライブを初めて目にする観客たちの意識を、『Eclipse in the transmigration』を通しグッと引きつけてゆく。勢いを持って駆る演奏の上で、しっかり歌を届ける。歌ものヴィジュアル系スタイルの中へ、現代風なリフビートや同期、煽り要素を加え、Secretは、初見の人たちの身体もしっかり揺らしていった。
激しい同期の音とギターサウンドがシンクロ。5月に発売するシングルの表題曲『Celestial sphere』を通し、Sclaimはスリリングでハードな香りをフロアー中へ振りまきだした。サビでは滾る熱をぶつけ、観客たちをしっかり懐へ呑み込んでいく。次第に人が増えてゆく場内。客席後方にも飛び跳ね騒ぐ人たちがいたように、少しずつだが、Sclaimはファンたちを自身の懐へ呑み込んでいた。
最後に、Sclaimは『鳳凰RAVE』をブースト。「全員飛べー!!」の言葉に合わせ、跳ねる人たちの姿も。力強く雄々しい楽曲を舞台上からぶつけるSclaim。彼らのライブを好意的に受け止めていた人たちも多かったように、今後のバンドの躍進に期待しようか。
1.Dear Loving
イベントの幕開けを飾ったのが、Dear Loving。「自分のことを少しでも好きになれますように」。Dear Lovingのライブは、愛にあふれたメッセージを詰め込んだ『LOVE ME』からスタート。一緒に口づさめる、いわゆるシンガロングなスタイルを魅力にしている彼ら。それ以上に、胸の内側から沸き上がる想いを、どれだけ真摯に、真っ直ぐ届けていけるか。「明日も笑う君でいて」、この日もDear Lovingは、胸をくすぐる歌メロと心地好く疾走する演奏を通し、心へ嬉しく熱を注ぐように歌の風を吹かせてきた。
歪んだギター音が炸裂。一気に感情と演奏のアクセルを踏みながら、Dear Lovingは『I’m here』をぶつけた。凛々しく、でも、その中には愛おしいほどの愛情が満ちている。少しネガティブな心へ、彼らの歌は友達のように寄り添い、力強く背中を押してゆく。何時だって、身近にいて励まして欲しい相棒のような存在。だから、Dear Lovingの歌が25年もの時を跨いでずっと支持を得てゆくのだろう。激しく疾走する演奏が、身体を熱く疼かせたのも嬉しかった。
「いろんなことがある中、ずっと生きてきたから、こういう再会の場が出来たと思ってる。そしてKISAKIさんにオファーされたら断れる事がない(笑)」。MASAの言葉を示すように流れたのが、Dear Lovingの代表曲『365』。これまでの歩みを振り返るように、何時だって後悔を背負いながら、それでも光見える未来に手を伸ばしたくて、彼らは音楽を通し自分らが生きる意味を、365日25年間も積み重ねてきた。一人一人に、いろんな「その人だけの道」がある。それがいばらの道なのか、輝きを放っているのか…。それがどんな道であろうと、そこにはかならず、スポットライトがあなたを照らしている。それこそが奇跡であり喜びであることを、Dear Lovingは暖かい歌に変え届けてきた。「365日の色とりどりの物語」、まさに、ここに集った出演者とファンたちに相応しい歌のエンブレムじゃないか。
「生きてこそナンボやと思ってる。だから、こういう出会いや再会があって、意味のある1日になると思ってる。俺たちは「生きる」をテーマに歌っています。かならず自分の心にフィットする歌があると思うので、それを好きになって、また再会出来たらなと思います」(MASA)、
会場中の人たちが人指し指を高く突き出した。「飛べるさ、君にだって」、最後にDear Lovingは『Fly high』を演奏。天高く突き上げた指先は、何時しか翼に変わり、彼らと一緒にまだ見ぬ未来へ向けて想いを飛ばしていた。「あなたが生きている今日は、誰かが生きたかった日々で」。彼らはつねに命の声を響かせてゆく。その歌声と演奏が、僕らに「生きろ!!!」と想いを投げかけてきた。さぁ、君らも明日へ向って飛べるから。Dear Lovingの歌は、これからもいろんな人たちに伝え続けたい心の声だ。
2.KING
現在は、ヴォーカルRyoのソロスタイルで活動中のKING。この会場へ足を運んだ人たちなら、LAID時代の彼の活動のほうが印象深いだろうか。
「新宿ベイべー、声聞かせてくれやー!!、派手にいこうぜ!!!」、Ryoの声を合図に飛び出したのが『INAZUMA THUNDER GIRL』。激しくドライブするロックンロールな演奏の上で、豪快に歌をぶつけるRyo。一緒に衝撃を感じようぜ、ロックなパーティを楽しもうぜと呼びかけるように。KINGはド頭から、フロアー中に熱いロックンロールな風を吹かせてきた。
「騒げ騒げ」、熱を止めることなくKINGは、立て続けにワイルドでタフなロックンロールナンバー『maxmum the GENELEC』をブースト。豪快な音が、「騒ぎたいだろ」と観客たちの感情を奮い立たせてゆく。豪放無頼な演奏に飛び乗り一緒に騒ぐのか、圧倒されたまま傍観してゆくのか。まだ二極に分かれていた場内だったが、どっちが正解かは言わなくてもわかるだろっ!!!。
「WOW WOW WOW」、ともにシンガロングしたくなる『流星』の登場だ。胸をくすぐるキャッチーな歌と軽快な中にも重量感を持った演奏が、一気に身体をはしゃがせた。ともに歌を口づさむ人たちも。突き上げられた沢山の拳が、何時しかフロアー中で大きく揺れていた。派手で、コージャズ、何より熱く胸をくすぐる歌にハートが嬉しく震えていた。「すべての答えはきっと」、ここにあるんだよな。
「まだまだイコうぜ」、激しさと勢いを増すように『NEVER END,CRY.』が駆けだした。楽しいパーティな空気へ胸を熱く焦がした人たちの突き上げる拳が、演奏を経るごとに増えてゆく。このパーティは止まらない。互いに裸な心になって熱狂をぶつけあおうぜと、Ryoは誘いをかけ続けていた。
「20年前はKISAKIくん率いるMIRAGEと対バンするなんて考えも及びませんでしたけど、20年経って、こうやって対バン出来た。最後まで楽しんでいこうじゃないか」。
ハード&ロックンロールな『KING WAY.』が飛び出した。最後までKINGは、激しく熱く豪快な楽曲を叩きつけ観客たちを沸かせていった。Ryoの呼びかける誘いに絶叫と拳を突き上げ、ともに、がむしゃらに騒ぎ狂いたい。突き上げたその拳に、誰もが熱い想いのメッセージを乗せ、Ryoへ、KINGへ、熱した想いを投げ返していた。「燃え尽きて、消えるまで」、その熱情が、とてもRyoらしいじゃない。
3.TOKYO YANKEES
yoshinumaの雄叫びを合図に、凄まじい轟音を響かせTOKYO YANKEESのライブがスタート。らしい幕上けじゃないか、彼らの咆哮に拳を突き上げ呼応する観客たち。『Pre emptive strike』の演奏が、身体を激しく震わせる。豪快な演奏に合わせ暴れ狂えと呼び込むように、彼らは激熱なリフビートを刻み続けていた。その様はまさに、我が道をひた走るTOKYO YANKEESに似合うユニフォーム。
勢いを加速するように、TOKYO YANKEESは『Serial killer』をブースト。ハードコアパンクなスタイルを持った楽曲が、ハンマーを激しい勢いで叩くようにせまりだす。その迫力に熱狂するか、呑み込まれるか。この日は圧倒される人たちが多かったが、そんなのお構いなしに、彼らは爆音をぶつげ、スクリーモし続けていた。
演奏は『Bastard』へ、楽曲は勢いを持続させるどころか、爆音を轟かせ暴走し続けていた。豪快で一本気なスタイルがイカすじゃない。会場中を包み込む轟音、その唸りの中へ身を浸してゆくことが快楽だ。この熱狂、もっともっとむさぼり喰らいたい!!
「MIRAGEとやるのは20年ぶりになるのかな。それ以来。KISAKIくんとはずっと付き合いはあるんだけど。今日は20年越えのバンドばっかだよね。TOKYO YANKEESも今年30周年です、よろしくどうぞ。歳も取れば動きも鈍くなるよね。うちらも汗だくで頑張ります。めちゃくちゃ暴れていってください」(yoshinuma)
飛び出したのが、長年カバー演奏し続けてきたMOTERHEADの『ACE OF SPADES』だ。今や彼らの代名詞の一つとも言える楽曲。何より、TOKYO YANKEESのスタイルにとても似合う。この日も豪快に演奏を叩きつけ、暴れる観客たちの感情へ熱い刺激を注入していった。
「WALKIN RAT RACE」の掛け合い。豪快さを引き連れ流れたのが、TOKYO YANKEESのライブで熱狂と絶叫を交わしあう『RAT RACE』だ。激烈で重量感満載なリフビートとキャッチーなのにグロウルする歌とが轟音の中で絡み合う。このカオスな音こそが、TOKYO YANKEESのライブ。その演奏は、身体を熱く熱く騒がせてゆく。
最後にTOKYO YANKEESは『HOLLYWOOD HEARTBREAKER』を叩きつけた。後半3曲は、まさに20年以上前から親しんできた流れ。あの頃からTOKYO YANKEESを体感している人たちには、最強に熱狂を呼び起こす神セトリ。轟音の渦に呑み込まれ、拳突き上げ、限界を越える勢いで暴れ倒したい。彼らの演奏は、触れた人たちの気持ちも身体も10代や20代の頃の自分に戻してくれた。変わらぬ格好良さを維持し続けているTOKYO YANKEES。我が道ぶりこそ、彼らに似合うスペードだ。
4.THE DEAD P☆P STARS
THE DEAD P☆P STARSとMIRAGEも…と言うよりは、リーダーのKENZIとKISAKIとはもう二十数年来の親友でもありアンチフェミニズムでも活動して来た。
その先の世界へ一気に突き抜けるよう、凄まじい勢いで楽曲が騒ぎだす。THE DEAD P☆P STARSは『STAR☆LOVER』を相棒に、観客たちを暴れ騒ぐ熱狂の中へ連れだした。タイトでスピーディ、激しいながらもキャッチーさを魅力にしているように、『STAR☆LOVER』は、触れた人たちの感情にはしゃぎたい熱をどんどん注ぎ込む。つかみを持った暴れナンバー、そこがTHE DEAD P☆P STARSらしい魅力じゃないか。
「今日は90年代の匂いがプンプンする同窓会のようなイベントになってますが、楽屋は昔からの仲間たちが集まって楽しくやってます。時間だけは止められないものだけどさ、心の時間は何故か止められるんだよな。みんなも、あの頃に戻って楽しんでください」(AKI)
飛び出したのが、『JUSTICE』だ。ポップでキャッチーさを全面に押し出した楽曲を魅力に、彼らは触れた人たちの心をドキドキはしゃがせてゆく。体感的な熱狂も嬉しいが、胸の内側がワクワクしてゆく楽曲も、THE DEAD P☆P STARSには欠かせない。
演奏は、『いばらの道』へ。胸をくすぐるギターの旋律の上で浪々と、高らかにAKIが想いを宣言。ドラムビートの合図と同時に、楽曲は心地好い熱狂を持って華やかに駆けだした。とてもポップでキャッチーだ。疾走する開放的な演奏に触れていると、どんな茨の道だろうと、この歌を相棒に駆け抜けてゆく気持ちになれる。胸をスカッとさせながら、THE DEAD P☆P STARSは『いばらの道』を通して光射す道を示していた。その歌に、演奏に触れていると、気持ちが嬉しく奮い立つ。その勇気と輝くパワーを、この歌が、THE DEAD P☆P STARSが教えてくれた。
「みんなが笑顔で手を振ってくれるとさ、それが一番の喜びなんです。こうしてみんな元気にライブをやっているからさ、音楽を続けてるからイベントも組めるわけで、みんなが来てくれるからまたやりたいなと思うわけで。俺たちには俺たちの良さがある。今日出てるバンドみんなの応援、これからもよろしく頼むぜ!!」(AKI)
「KISAKIがステージに戻ってきて一緒にこうやって出来て本当に感謝しています。みんな、今日だけはね、あのときのことも思い出しながら観てもらったら楽しいと思います」(KENZI)
「あの頃に戻ろうぜ」、AKIの声を合図に飛び出したのが、『W.A.R』だ。熱いエナジーを一気に解き放つように演奏へ情熱をぶつけるメンバーたち。爆走する演奏の上で、AKIが熱く煽る。舞台前方では熱いバトルが繰り広げられていた。放熱する演奏に触発され、暴れずにいれない。でも、その中に愛を覚えるのも、THE DEAD P☆P STARSのメンバーらが持つ本質的な優しさが滲み出てくるから。胸をぐっとつかむ熱狂、その姿勢をTHE DEAD P☆P STARSが見せてくれた。
5.覇叉羅
90年代のヴィジュアルシーンに激しい華を咲かせた覇叉羅の登場だ。幕が開くと同時に、そこには覇叉羅のメンバーたちの姿が居並んでいた。彼らは勇壮に、豪快に『VICTIM OF”D”』を突きつけた。激しいギターリフとブラストビートが絡み合い、観客たちの暴れたい感情のスイッチをガンガンに押してゆく。激走する演奏の上で、シャウトし、歌いあげるhideki。90年代のヴィジュアル系音楽の香りを、あの時代性が持っていたヤバい刺激を、覇叉羅が現代へ甦らせた。拳を振り上げ、ともにボイボイ叫び狂えばいい。あの頃に体感した、身体を芯から熱く震え立たせる興奮が、覇叉羅の演奏によって甦る。このヤバい空気感が、たまらない。
歪みを上げ唸るギターの音を合図に、楽曲は重厚な激しさを持って走り出す。ハードコアな要素とメロウな魅力を重ねあわせ、観客たちを熱狂の渦の中へ覇叉羅はガンガンに引き込んでゆく。『INSANITY』が注入したスリリングで、ビリビリと痺れるヤバい緊張感。あの空気を僕らは探し求めていた。デンジャラスなあの空気に触れ、意識と身体が嬉しく騒ぎ続けていた。
豪快な音を叩きつけ、『加虐性精神分裂症』が飛び出した。激しい衝撃に触発され暴れる観客たち。興奮を導く爆弾を次々投下しながら、覇叉羅は「これが俺たちの作り上げてきた、あの時代の空気だ」と言わんばかりに、観客たちをヒリヒリとしたあの頃へタイムスリップさせていた。暴れたい、騒ぎたい、いや、すでに暴れ騒いでいるのだが、それでも、もっともっとその刺激を欲していたかった。
「今日は全力でお前らをつぶしにかかるからよ、お前らも全力でつぶしにかかってこい」(hideki)。その言葉を証明するように、覇叉羅は激しく唸る『Passage』を突きつけた。挑むどころではない、喧嘩をふっかける勢いで熱く挑発し続けるメンバーたち。滾る熱した血が身体中を駆けめぐる。これは戦いだ。25分という短い中で魂と魂を、気合いと気合いをぶつけあい、ともに絶叫へ向かう嬉しい戦(いくさ)だ。感情が沸き立つ。いや、もうヤバいくらいに沸騰しているぞ!!
覇叉羅が最後に突きつけたのが、気持ちを嬉しく沸き立たせる激情昂揚歌の『Still』だ。口づさみたくなるキャッチーさを持ちながらも、触れた人たちの身体中へ暴れ狂わせるアドレナリンを注ぎ込む。誰もがその歌に触れ大きく手の花を咲かせ、興奮の中へ身を寄せていた。このゾクゾクッとした嬉しく震える興奮、出来ることならまた求めたい。もはや、今の時代の中では感じれないからこそ…。
6.魔帝那オールスターズ
Vo:幸樹–ダウト-/G:龍兎–少女–ロリヰタ-23区-/G:MiA-MEJIBRAY-/B:塩谷朋之-More-/Ds:テロ-†я i ¢к-という面々が集まり、一限りのスペシャルバンドとして誕生した魔帝那オールスターズ。冒頭を飾ったのが、Matinaの顔とも言えたMadeth gray’llの『missantroop』だ。哀切な香りと嘆きの旋律を抱き疾走する演奏の上で、幸樹が艶やかな声を魅力に妖しくせまりだした。闇の中へ身を浸し、痛みに恍惚を覚え、優しく悶え狂いたい。この悲愴さを抱いた音と歌の調べがたまらなく心地好い。痛み覚えようとも離したくない、嬉しい嘆きと衝撃だ。
飛び出したのが、この日のメンバーでもある幸樹と塩谷朋之が在籍していたMist of Rougeの『地下室』だ。激しく暴れ狂うダークでハードコアでブラストビートな演奏の上で、幸樹が嘆きも抱いた激情した声で歌いあげる。激しく攻める楽曲に触発され身体が騒ぎながら、哀切さも抱いた刹那な歌に心が酔いしれる。何より、あの頃のような刹那く華激で暗鬱な熱狂を全身で抱きしめていたかった。
「思い返すといろんな思い出が浮かび上がってくるんですけど。僕は高校生の頃にKISAKIさんと出会いMatinaに所属しまして、いろんな先輩方の姿を観て育ってきました。僕らは今も戦っているので、あの頃が懐かしかったじゃなく、とことんまで頭振れ!!」(幸樹)
胸をくすぐる美しい旋律が、疾走する演奏の上で輝きを放つ。飛び出したのが、Lubis Cadirの『season』だ。1990年代後半から2000年代前半のヴィジュアル系バンドが持っていた切なくも華激な衝動/酔いしれる美メロながらも胸をグッと切なく疼かせる感覚が、瞬時に甦ってきた。今でも、胸をグッとつかむ楽曲だ。その歌に、歌詞に、美的な展開を描く楽曲に溺れ、醒めぬ夢の中へずっと浸っていたかった。
「とことん暴れようかー、ヤレるかTOKYO」、あの頃のような煽りだ(今もか)。飛び出したのが、KISAKIがMIRAGEの後に結成したSyndromeの『do・mes・tic』だ。激しく猛り狂うギターの演奏と強烈なブラストビートが炸裂。幸樹は荒れ狂う演奏の上で、グロウル交じりに熱く、激しく挑発し続けてゆく。身体中の血が沸騰する。もっともっと暴れたい。熱狂の中で咲き狂いたい。この衝撃へ、肉体が嬉しい悲鳴を上げてゆく。終盤には、マイクを投げ捨て歌う幸樹。誰もが理性なんて服は脱ぎ捨てていた。思いきり頭を振りながら、あるべき姿に戻っていた。
最後に魔帝那オールスターズが突きつけたのが、テロが在籍、ヴィドールの『人魚』だ。光を放ち駆け上がる楽曲へ、僕らは思いを捧げずにいれなかった。激しさの中にも開放性を抱いた楽曲だからこそ、(きっと)会場中の誰もが沸き立つ熱情を(心で)捧げていた。間奏では、フロント陣4人が勢ぞろいし、演奏。一夜限りの特別なバンドだからこそ、演奏する側も、あの頃の香りを自分たちでも懐かしみ、自身の懐へ新たな刺激として注ぎ込んでいた。
在りし日の記憶を、形を変え甦らせた魔帝那オールスターズの演奏。あの頃へ戻りたい衝動に駆られていた人たちも、きっと多かったに違いない。
7.MIRAGE
Vo:AKIRA/G:YAYOI/B:KISAKI/-サポートメンバーにG:A・O・I(SHAZNA)/Ds:魔太朗という布陣のもと、MIRAGEが復活を遂げた。それは、伝説を閉じ込めた殻が割れ、新たな生命が誕生するようにも感じていた。振れてはいけない禁断の存在が目覚めたとき、そこには、新たな伝説を塗り替えるバンドが鎮座していた。
幕が開いた中、シルエット姿で映しだされたメンバーたち。MIRAGEのライブは、AKIRAの歌声からゆっくりと復活の扉を開くように『…Air』から幕開けた。楽曲が始まると同時に、熱を持った演奏が表情を描き出す。哀切さと美しさが広がる空間の中、躁蒼とした調べの上で、今にも壊れそうな想いを、嘆き、零すように歌うAKIRA。彼の想いを、躍動した演奏が後押しする。とても悲嘆なドラマが、そこには広がっていた。触れてはいれない心の傷をふたたびえぐるように、痛心地好く胸に突き刺さる『…Air』。なんて嘆く悲愴な物語の始まりだ。
一転、ヒリヒリとした、でも、確かな力を抱いたギターの旋律が鳴り渡る。緩急巧みに音の絵を描き、MIRAGEは『流星』を響かせた。魂を浄化するような開放性を抱きながらも、その旋律には嘆く影がまとわりついていた。だからこそAKIRAの壊れそうな、でも確かな力強さを持った歌声が、希望と絶望の狭間の中で揺らめく恍惚を連れてきたのかも知れない。
楽曲は一気に感情を昂らせた。激しく疾走しながら、いや、暴走した熱い感情のまま、荒々しく、でも薄闇の中を突き進むように『Wind Whisper』を連れてきた。愛しい想いを、壊れそうな感情を、嘆きと高揚の境界線の上に立ちAKIRAは歌い続けていた。彼のアンバランスな心を、激しく駆る演奏陣が力強く支えてゆく。もっともっと昂揚の中へ共に飛び出そうと言わんばかりに。その歌は、嘆く人たちを月の映える夜空へ連れだした。そこへ辿り着けば、その心が少しは晴れると願うように。
「もう20年か、20年色褪せないというか、20年経ってさらに進化したMIRAGEをこの場で見せたいなと思います」(AKIRA)
飛び出したのが、『ESCAPE』だ。魂を明日へ開放するように響く旋律を相棒に、僕らの心も演奏に合わせ心地好く揺れていた。心に溜まった澱やわだかまりを解き放つように、AKIRAはその先をまっすぐに見据え、歌いあげる。哀切ながらも胸をグッと揺さぶる旋律が、演奏が、触れた人たちを「あの場所」へと連れてゆく。間奏で見せたツインギターの調べが、なんて胸を昂らせたことか。想いをぐっと握りしめ、何より、みずからの感情の扉を解き放つように歌うAKIRA。「何時か色褪せた想いに抱かれて」。その想いが、とても愛おしい。その褪せた想いへふたたび色を加えるように、MIRAGEは今を塗り重ねていた。
AKIRAの言葉からの幕開け。哀愁と情熱を重ね合わせた旋律と、胸をグッと疼かせるメロディがたまらなく心地好い。『Feeling Melody』に触れながら、哀切さと嘆き、華麗さと儚さを持った演奏に身を預け、心地好く刺激する痛みへ、彼らと同じよう生きている感覚を覚えていた。「この夢が醒めれば、きっとまた笑える」と、MIRAGEは想いを嘆いてきた。でも、この夢は醒めないほうが笑える。そんなことも心に抱きながら、刹な演奏にずっと浸っていたかった。
「この想い届きますように」。今はこの世から離れ、違う世界で夢を喰らっている愛しい仲間たちへ向け、MIRAGEは『Rain』を届けてくれた。蒼く淡い色合いを見せるギターの調べの上で、AKIRAは込み上がる想いを空へ届けるように、嘆いた声さえ隠すことなく歌いあげてゆく。その想いを、哀愁と浪漫を携えたギターの旋律が昇華していった。その歌声と演奏には痛みと同時に、不思議と惹かれる優しさが滲んでいた。それが、彼らの言霊だと言うように。
「イケるかー!!」、観客たちを激しく煽るAKIRA。飛び出したのが『I.D 』だ。切っ先鋭いスリリングな演奏が、身体をグサグサと貫いてゆく。痛い衝動を抱いた演奏と、感情を剥き出しに歌い叫ぶ声に触発され、身体がゾクゾクッと武者震いを覚えていた。激しさをまとい疾走する演奏へ飛び乗り、共に熱狂の中へ飛び込めばいい。フロアー中から突き上がる拳に、メンバーらの煽りに触発されて起きたヘドバンの風景。時を忘れるように続く、煽りの光景。その中へ、この日出演したメンバーたちを呼び入れた。ここからは、出演者らと観客たちとの戦いだ。互いが、限界を越える勢いで煽れば、客席でも暴れ続けてゆく。舞台上では、次々とマイクをリレーしながら煽る様が描き出されていた。互いに限界を…というよりも、ファンたちがこの煽りを乗り越えられるのか。でも、この日にしか姿を現さない夢の大セッションだからこそ、満員のオーディエンスみんなも必死に熱狂へ食らい付いていた。
「全員でかかってこい!!」、AKIRAは、MIRAGEのメンバーたちは、セッションを通し作りあげた熱狂をさらに熱く燃えたぎらせようと、最後に『百花繚乱』を突きつけた。なんて胸を熱く揺さぶる楽曲だ。痛みへ恍惚を覚える感情と、嘆く美しい歌にキュッと心を疼かせる、二つの心の琴線を刺激しながら、この場へ遭遇した人たちへ、MIRAGEは解けたくない感動と興奮の魔法をかけてくれた。
果たして、この日のライブは一夜の夢だったのだろうか。また、新たな展開を描く始まりの音色(演奏)だったのか。その先の姿は、リーダーKISAKIの心のみぞ知ることだ。
「全バンドが解散して環境が変わり色んな事があって全てが嫌になって一年間以上音楽やステージから避ける様な生活だったけど、今回、メンバー、スタッフ、出演バンドの皆さんと腹を割って話しました。みんなが背中を押してくれてやる気になった。その結果本当に素敵なイベントになったなと本当に感動しています。一年以上ステージに立たず、ヴィジュアルシーンは面白くなくなってきたな~と思ってたんですけど。今日のライブは楽しかったな。まだまだいけますね。MIRAGE地元の大阪でもやりたいし、2O周年YEARの一年間限定の活動予定ですが何が起きるかわかりません。その先のことは…」(KISAKI)
夢幻のような一夜の熱狂を描き上げた、このイベント。果たして、本当に埋葬されてしまうのか。それとも…。その答えは。。。KISAKIバンド活動25周年の今、何も無い訳がないだろう。
PHOTO:zoi / 柳本史歩(FOTO LORE)
TEXT:長澤智典
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1.Sclaim
『Eclipse in the transmigration』
『Celestial sphere』
『鳳凰RAVE』
http://www.sclaim-official.com/
2.Dear Loving
『LOVE ME』
『I’m here』
『365』
『Fly high』
3.KING
『INAZUMA THUNDER GIRL』
『maxmum the GENELEC』
『流星』
『NEVER END,CRY.』
『KING WAY』
4.TOKYO YANKEES
『Pre emptive strike』
『•Serial killer』
『Bastard』
『ACE OF SPADES』
『RAT RACE』
『HOLLYWOOD HEARTBREAKER』
5.THE DEAD P☆P STARS
『STAR☆LOVER』
『JUSTICE』
『いばらの道』
『W.A.R』
6.覇叉羅
『VICTIM OF”D”』
『INSANITY』
『加虐性精神分裂症』
『Passage』
『Still』
7.魔帝那オールスターズ
(Vo:幸樹–ダウト– G:龍兎–少女–ロリヰタ-23区– G:MiA-MEJIBRAY- B:塩谷朋之-More- Ds:テロ-†я i ¢к-)
『missantroop』(Madeth gray’ll)
『地下室』(Mist of Rouge)
『season』(Lubis Cadir)
『do・mes・tic』(Syndrome)
『人魚』(ヴィドール)
8.MIRAGE
『…Air』
『流星』
『Wind Whisper』
『ESCAPE』
『Feeling Melody』
『Rain』
『I.D 』(大セッション)
『百花繚乱』
KISAKI
https://twitter.com/kisaki_official
http://kisaki-official.syncl.jp