2023年09月25日 (月)
【ライヴレポート】<Chanty 10Year Anniversary Oneman「Chantyの世界へようこそ」>2023年9月9日(土)川崎CLUB CITTA’◆この先も一歩一歩を大切に積み重ねて、繋がった無数の赤い糸をたどってたくさんの人達のもとへ──。
REPORT - 18:00:52Chantyが10周年を迎えた。
自らの意志で始めたものであっても、どんなに大切なものであっても、何かを10年間継続することは本当に難しい。
それがバンドという“複数の人間が人生を懸けて目標と向き合い続けるもの”だったなら、その難しさは更に増す。
昨年9周年ワンマンのステージ上で、「僕らChantyは来年9月、O-WESTでの周年公演を一旦お休みして、自身最大のキャパを目指して活動していきます。」と、10周年でバンド最大キャパの会場に挑戦することを宣言してから1年。あの時はフロント3人+サポートドラムという体制で、ライヴや楽曲のクオリティーは変わらず確かなものであったけれど、バンドのメンタル面にはどこか拭えぬ不安や葛藤がついてまわっているように感じられた。その中でこの宣言をした彼らの“前に進むんだ”という強い想いは、自らの道を見事に切り拓いていく。
9周年公演から僅か2ヶ月後の11月、何度かサポートにも入っていたドラム・shotaが正式加入。パワフルでチャーミングなドラマーをメンバーに迎え入れたことは、サウンド面のみならずバンドのモチベーション面にも好影響をもたらした。
加入直後からスタートした二進化十進法ツアーに始まり、新体制初の音源となるシングル『散花』のリリース、芥の喉の手術を乗り越えて挑んだ電光石火の轟音踊れや踊れいばら道ワンマンツアーからのイベントツアーへの参加、地上波音楽番組に初出演を果たしたシングル『piranha』のリリースと、驚異的なスピードで新体制のChantyを確立していった。
そして迎えた、2023年9月9日・川崎CLUB CITTA’。10年前の初ワンマンは当日の午前中に台風直撃でハラハラしたという彼ら、10周年の今回も進行の遅い台風の行方に直前までやきもきさせられたものの、家を出る頃にはすっかり天候も回復。
記念すべき日を共に過ごそうと駆けつけた多くのファンの期待が高まる中、BGMが鳴り止んだ場内にはフィードバックノイズが。
ステージを覆う緞帳が開くと、目の前に広がったのは蒼く深い水底の世界。透明な球体たちが、水中を漂う気泡のように浮遊している。
shotaのシンバルのカウントから重厚なサウンドが特別な1日の始まりを告げ、フロントに立った芥が語り出す。
「いつだって悲しみだらけのこの街で、答えをくれてどうもありがとう。やっと今日に辿り着くことができました。最高の1日にしましょう。10th Anniversary Oneman『Chantyの世界へようこそ』、始めます。」
オープニングに選ばれたのは『フライト』。勢いよくステージ際へと飛び出してきたメンバー達を、オーディエンスの無数の手と笑顔が迎え入れる。大切な1曲でこれ以上無いほどの最高のスタートを切ると、蒼い世界から一転し真っ赤な照明に照らされた『戯れ事』では4人の奏でる音の塊が波のように押し寄せて瞬く間に広い空間を呑み込んでいく。
「あっという間に終わっちゃうんだって、かかって来いよ!」1人1人を見据えながら芥が叫び、早くもコールアンドレスポンスの応酬となった『無限ループ』。白のギターが鋭利に切り込み、shotaの力強いドラムが派手に彩れば、芥と野中はドラム台の前でヘドバンの煽り合いを見せる。一斉にジャンプしタオルを回すフロアの一体感は何とも壮観で、開始早々場内の温度が急上昇していくのを感じた。
「聞こえてますか?見えてますか?on drums、shota!on guitar、白!on bass、野中拓!on vocal、芥!そして、ここに居る全ての“おまえたち”。一緒に創りたいと思います、Chantyの世界へようこそ!」
10年目のこの場所に辿り着いたお互いの存在を確認するように、メンバー1人1人と今日という日を共に創る“おまえたち”をコールすると拍手が沸き起こる。
「10周年、来られました。ありがとうございます!だからと言って、今日という日が全てではないですよ。今日はワンマンライヴですけど、僕達がこの10年間で重ねてきた数百本のライヴステージとの対バンのような気持ちで臨んでおります。過去・未来関係無く今日が一番になる1日にしたいと思いますので、力を貸してくれるか?」
“もちろん!”と言わんばかりの大歓声を受け止めると、「忘れられない証明を創ろう!」と『絶対存在証明証』を叩きつけてみせた。
「川崎CLUB CITTA’で、大切な大切なあなたたちを『ミツケタ』。」
赤と紫に染め上げられた空間で次第にエスカレートしていく想いを募らせながら、Chantyの世界は徐々に深い場所へと潜り始める。
「路地裏に追い込んで見つけたあなたをどうしたいかと申しますと、『貴方だけを壊して飾ってみたい』。」
思わずゾクッとさせられるあまりにも美しいライヴ構成が、観る者をますます深い場所へと引きずり込んでいく。想いの強さ故に屈折してしまった、どこまでも純粋な歪んだ愛情と独占欲。渾身の力を込めた歌声に心の悲鳴のようなギターの音色が絡みつく。五感の全てをステージに持って行かれて呼吸さえ忘れそうになった頃、座り込んだ芥がピンスポットの下で譫言のように言葉を紡ぎ出す。
「ここはきっと、濁った水槽。連れてってくれるのをずっと待ってる。いつも先に消えてしまうから、今度こそ先に消えたいよ。真っ白になった記憶が真っ赤な月明かりに染まったら、今宵もまた“さようなら”。」
『piranha』の曲中での語りと世界が切り裂かれるようなイントロから流れ出したのは、『謳う心臓』。深い深い水槽の底で、もがき彷徨いながら描き出されていく感情。心に迫る歌声とサウンドから生まれる張り詰めた緊張感とゆらめくような浮遊感は、Chantyにしか創り出せない世界だ。ヒリヒリと胸を抉られるような感覚すらも、次第に心地よく感じられていく。
“どうかわたしを見つけられますように”
激情的な叫びから、変拍子のリズムに乗せた澄んだギターとバイオリンの音色が重なり合って『piranha』へ。青と白の光に照らし出された美しい海中世界で、尾ひれを揺らしながら自由に泳ぎ回るピラニアの姿がステージ上のメンバーに重なって見えた気がした。
暗転から深い蒼が射し込むと『piano#4』が流れ出し、手にした本をそっと開いた芥が感情を込めて言葉を大切に重ねていく。
「またどこかに行ってしまった君を探して、朝焼けをたゆたう私は今日も一人。しけった海で迷子になって、交わした言葉の行方を探しています。
停止線を跳び越えて偶然辿り着いた今日は何よりも尊いとわかっているはずなのに、いつからか想い出と未来のことしか見えなくなってしまったのかもしれません。
だってそうでしょう?
閃光花火のように一瞬で散っていく時間が終わってしまったら、君の今は私のものではなく、私の今は君のものでもない。そんな当たり前が、どうしても受け入れがたいのです。
終わりを始めたあの日から、何よりも終わりが怖くなりました。
明日会えたら何を話そう。明日会えたら何を歌おう。
ひたすら書きなぐった、ひたすら掻き鳴らした、『Emaj7』。」
ファンに向けた想いを綴った手紙のような言葉達にはChantyの歴史においてキーとなる大切なワードやフレーズが散りばめられていて、10年間の様々なタイミングで紡がれてきたものが全て繋がって今日という日に辿り着いたのだと改めて感じて胸が熱くなる。
作曲者の白が「落ち着きの中に滲み出るエモーショナルさがある。」と語っていた『Emaj7』は、やわらかさの中にふつふつと宿る内なる熱量を感じさせるChantyらしい楽曲だ。
夕焼けのようなオレンジから陽が落ちた青の世界へと、ギターを抱えてコードを掻き鳴らしている主人公と同じ時間軸を体験するような照明の演出もとても綺麗だった。
リズミカルなサウンドにミラーボールのキラキラとした輝きが反射した『流星群』、左右に大きく振られる手はまるで流星に照らされた水面の波のよう。その光景を「良い景色です、ずっとライヴをしていたいね。」と愛おしげに眺める4人は本当に幸せそうだ。
続く『奏色』では、「誰のものでもない、僕達とあなた達だけの、今日しかない色を創りましょう。」との言葉どおり、Chantyとオーディエンスが重ねた想いが色とりどりの光となって世界を虹色に染め上げていった。
“ずっとずっと・・・そばにいてください。”
歌に乗せられた願いの余韻の中、気付けばノンストップで8曲も演奏されていたことに驚く。Chantyのライヴの魅力として欠かせない“魅せて聴かせる”部分のポテンシャルの高さを発揮した圧巻のブロックは、間違いなくこのライヴのハイライトのひとつであった。
「ありがとうございます。発表してから、あっという間に(今日が)来ちゃいましたね。昨日の夜、こんなにも実感が無い周年は無かったんじゃないかというくらい、こんなに大層な舞台なのに何だか落ち着いている私が居ました。本当に皆さんのおかげでここに立てていると改めて思います。今日来られなかった人達、来るという選択にならなかった人達も居ると思うけれど、これまで色々な人が創り上げてくれた1日の果てに今日という1日ができあがっております。最後までついてきてください。」
一面の花吹雪を連想させるタッピングが映える『散花』。
“過去形にさせる気はないよ 傷だらけでもいいから生きて”
バンドの覚悟を感じさせるそのフレーズに、ドラマティックな展開とメロディーが相まって涙腺が刺激される。
「もうちょっといきましょうか!」とタイトルコールされたのは、全ての始まりである『終わりの始まり』。
当時、「この曲を生み出すためにChantyは誕生したのかもしれない。」と芥が口にしていた楽曲は、10年の時を経ても強く輝き続ける。
期待・不安・葛藤・希望・・・あらゆる感情を詰め込んで“世界中へ響け このメロディー”とバンドの一番の願いが歌い上げられる度、“どうか、この音楽が、言葉が、想いが、もっともっとたくさんの人のもとへ届きますように”と祈るような気持ちになるのは、きっと私だけではないだろう。
「最高だよ、CITTA’!跳べ!」グルーヴィーなドラムにアグレッシブなベースの重低音が重なる『アイシー』は、初披露からまだ日が浅いにも関わらず早くもライヴでのキラーチューンとして鋭い存在感を放っていた。
野中が喉を嗄らさんばかりのシャウトで煽り、芥が「もっと見せて?跳ぶよ!」と叫ぶと、フロアの熱は上昇の一途を辿る。
「声を貸してください!その手を貸してください!耳を貸してください!目を貸してください!」
ステージに全て集中させたまま、勢い止まらず『冤罪ブルース』に突入。「全然いっちゃっていいからね。」の言葉がオーディエンスの箍を完全に外すと、フロアは一斉にジャンプしながら横モッシュ。その様子を横目に、メンバー達は代わる代わるドラム台へ集まり嬉しそうにアイコンタクトを交わす。「CITTA’、まだまだいけるか?あげていこうぜ!」疾走感溢れるギターソロをきっちり聴かせた白が叫べば、モッシュの激しさは一層増していく。
それでもメンバーは全然足りない様子で、「さぁ、勝負しましょうCLUB CITTA’!」と間髪入れずに『m.o.b.』へとなだれ込む。
shotaがダイナミックなドラミングでフロント3人の背中を押し出すと、芥・白・野中は真剣勝負だと言わんばかりにステージ際に立ちはだかる。それに負けじと、声と拳とヘドバンで応戦するフロア。双方から押し寄せた熱がぶつかりあって激しく共鳴し、大きなひとつの塊となってCLUB CITTA’を覆い尽くしていった。
「ありがとう!ほら、やっぱりあっという間。次の曲で最後ですよ。」その言葉に思わず客席から「えーっ!」と声が上がる。
「新体制になってワンマンツアーや対バンツアーをまわらせてもらって。どうしてもバンド側は最新を押し付けたがったり、『今やっていること、カッコいいんだぜ!』と言いがちなところがあるんですけど、そうじゃないんだよなと思う。何かを続けていると、未来のほうか過去のほうにしか向かなくなってしまうところがあって。“ああしたかった、ああ在りたかった”“ああ在りたい、こうなりたい”・・・じゃあ、今は何なんだよ?というところが疎かになってしまう自分が居るなと感じたんです。」
“今”は本当に一瞬でしか無くて、すぐに通り過ぎて過去へと変わってしまう。けれど、未来はその“今”の積み重ねによって生まれるものだから、それを疎かにしてしまっては望む未来を掴むことなどできない。
「過去と未来を繋ぎ合わせたこの場所で、いつでも会えたらいいなと思っています。10年、11年、12年・・・わからないけれど、まだまだ歩きたいんですけど、いいですかね?」
すぐさま送られた大きな拍手に「お付き合いよろしくお願いします。」と少し照れくさそうな笑顔を浮かべてみせた。
本編ラストを飾ったのは、Chantyとファンを繋ぐ絆のような曲である『赤い糸』。これまでの全ての出会いへの感謝と、今日この日にこの場所で出会えていることの喜びを噛みしめるように演奏する姿が胸に迫る。エンディングで繰り広げられたメンバーとオーディエンスによる「ららら」の大合唱は何ものにも代えがたいあたたかさと尊さに溢れていて、10年間で彼らが手にした一番の宝ものが何かを再確認させてくれた。
「最高です!どうもありがとう、Chantyでした!」
大きく手を掲げる芥、笑顔を見せる白とshota、深々と一礼した野中。
感慨深げにフロアを見渡し、ステージを降りた。
すぐさま上がったアンコールの声。Tシャツ姿でステージへと戻った4人は、今日のそれぞれの緊張具合について語り出す。
いつもは緊張してしまうと言う野中は、「こうしてCLUB CITTA’でライヴをしていてもまだ全く実感が無くて、今でも“いつCITTA’でライヴするんやろ?”って思ってる。実感が無かったから、緊張もしなかった。生まれて初めての感覚で不思議です、10周年にして僕の中で何かが起こっています。」と自分でも予想していなかった状態に少し戸惑っている様子。
一方の白は「今日は凄い緊張したから、『緊張してる!』って口に出して言いました。自分で緊張していることを認めて、緊張した上でライヴをやろうと思った。」と語り、アンコールまできて緊張から解放されてとても気持ちが良いと笑う。
そしてshotaが「緊張はしましたけど、始まってしまえばこっちのものだから。」とバンドの土台を支えるドラマーらしく頼もしい言葉を放つと、Chantyでは初披露となったフルサイズのドラムセットの話題へ。真っ白な要塞のようなセットはこの大舞台に最高に映え、みんなに促されて踏んだバスドラの凄まじい音圧には驚きの歓声が上がった。
その様子を微笑ましく眺めていた芥が最後にマイクを取り、「何だか、凄く嬉しい。“実感が無い”ということは、10周年にして僕らの目標である“当たり前じゃない当たり前”に一歩近づけたんじゃないかなという気がしています。その瞬間その瞬間、今日にしかできないことを創りたい。」心に刻むようにそう口にすると「大切な曲ができました。10周年に思ったことを書いた曲です。」と、会場限定でリリースされた新曲『今日という日のこと』を初披露してくれた。
幾度も壁にぶつかり別れを経験しながらも自分達を信じて諦めずに進んで手にした今日の景色は、Chantyでなければ見ることができないものだった。これまでに出会えた全ての人達への感謝と、これからも繋がった赤い糸を大切に歩んでいくという誓い。この10年の奇跡と軌跡をたどるような、Chantyらしいエモーショナルさが満載の素敵な楽曲だった。
最新曲で10周年の想いをしっかりと伝えた後「もうちょっと声を聞かせてもらえますか?」と『おとなりさん』でフロアを温め、「on drums、shota!」とコールされたshotaが魂の宿ったショートドラムソロで場内のボルテージを一気に引き上げて『透明人間』のイントロへと繋ぐ。
野中と白がマイクを掴んで煽り合えばフロアもそれに続いて声を上げ、楽器陣の振り切った演奏に触発されるように芥の歌声も一層熱を帯び、あっという間に音の渦へと呑み込まれていった。
「ありがとう。5人で始まったバンドがメンバーチェンジを経て、今こうして4人体制で活動しているわけですけど、僕らは(別の道を歩んでいる元メンバー達も含めた)7人の意志を背負ってステージに立っているつもりです。」
彼らのその姿勢は、セットリストにも表れていた。周年やワンマンに限ったことではないが、Chantyほど新旧の楽曲を織りまぜてライヴを行っているバンドはそう居ないと感じる。活動期間が長くなるほど新曲も増えるのだから、初期の楽曲の出番が段々と少なくなってしまうのもやむを得ないことかもしれない。でも、彼らは分け隔てなく全ての楽曲を愛して、バンドと共に成長させながら演奏し続けている。それはきっと、どの時代にChantyと出会ったファンにとっても嬉しいことなのではないかと思う。
「そして、その瞬間その瞬間に出会えたおまえたちと一緒の時間を創れていることを本当にありがたく思います。こんなに幸せな気持ちって、なかなか無いなって。今日に辿り着けた嬉しさと・・・もちろん、この空間へのとんでもない悔しさもある。それをぐるぐる丸めて体感できていることが、めちゃくちゃ幸せだなって思います。まだまだ4人でやりたいことを形にしていきたいので、また会える時に何かぶつけ合って、投げて投げ返しての時間を一緒に続けて、答えを探していけたら良いなと思います。どうぞよろしくお願いします!」そう言って頭を下げると、場内はあたたかい拍手に包まれた。
「次がラストの曲になります。」と紹介されたのは『最低』。楽し気にジャンプを繰り返すフロア、shotaの軽快なリズムに合わせて揃った手拍子に「良い景色!絶対にまた続きをやりましょう。」と笑顔を見せると、大歓声と拍手に見送られて一度目のアンコールを終えた。
それでもまだ祝いたりないと言わんばかりに沸き起こったアンコールに「あと2曲だけやるね。」と再び登場すると、この場所に居る全ての人に向けて今の想いを伝えてくれた。
「今日はありがとうございます。10周年、本当に凄いことだと思うんですよ。10年前、僕がサッカーをやめてどん底に落ちたくらいの時にもうChantyは始まっていた。バンドが10年続くって本当に奇跡だなと毎回思っています。僕は加入して1年経っていないですけど、こうやって素敵な景色を見れることを本当に嬉しく思います。これからもどうぞよろしくお願いします!」(shota)
「今日はお集まりいただき、ありがとうございます。Chantyを組んだ10年前はちょっと現実に冷めていた時期でもあって、『当たり前なんてない、バンドはいつか終わる。』と言っていたんです。それが、Chantyを続けていく中で“Chantyが大好き、ライヴも大好き、みんなに会えることも曲を聴いてもらえることも凄く幸せ”という気持ちになって、『みんなの“当たり前”になりたい。』と思うようになった。そして、今。さっき演奏した『今日という日のこと』の歌詞に出てくる“当たり前じゃない当たり前を描いて”という言葉が自分に刺さり過ぎて。今は“当たり前じゃない当たり前”って本当にあると思っているし、自分はそうなりたいと思っています。10周年、本当にありがとうございました!」(野中)
「今の気持ちをひとことで言うなら、さっき芥さんも言ったように今日に関して嬉しいことも悔しいこともたくさんあるけれど、全部含めてバンドを続けてきて良かったなと心の底から思っています。Chantyは10周年で、僕自身はそれよりもう少し長くバンド活動をさせてもらってきて。やっぱり“もっとああすれば良かったな”とか“無駄な時間を過ごしてしまったな”と感じるようなこともあったけれど、そういう時間もひっくるめて積み重ねてここに立てていると思ったら、それも無駄ではなかったんだなって。そう考えると、これまでバンドを続けるにあたって支えてくれたファンのみんなはもちろん、メンバーや家族、関係者や仲間、全てに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます!」(白)
「さっき大切なことを言えていなかったけれど、ここに立てているのは歴代メンバーに加えてサポートしてくれたメンバーさん達が居てくれたからこそです。そして今日の公演にもたくさんの人達が関わってくれました、本当にありがとうございました!また会いましょうね。いつだっていいんですよ。『ちょっとライヴに行くのを休もうか。』とか、『たくさん観に行きたい。』とか、いろんな気持ちがあるだろうし、どんな気持ちになってもいい、僕らはそのためにここに居るし、居れば会えるので。これからもよろしくお願いします。」(芥)
「大切な曲を。」と届けられた『君のいない世界』は、コロナ禍でライヴが次々に中止となり、これまでの“当たり前”が全て奪われてしまった中で誕生した曲。ファンの顔が見られないどころかバンドで集まることすら儘ならなかった期間に、再会を信じて立ち上がる強さと希望を感じさせてくれた救いのような曲を聴きながら、10周年が有観客・声出し可能な状態で迎えられて本当に良かったと改めて感じた。
「10th Anniversary Oneman、ラストいけますか?ひとつになりましょう。」
最後の最後に選ばれたのは、今のChantyを体現しているかのような『C』だった。
イントロからフロアが大きく揺れ、高く高く掲げた両手で打ち鳴らされる手拍子が力強くて美しい。
“かき鳴らした五線譜に 過去、今、未来 詰め込んで”
全身全霊で奏でられる電光石火の轟音は、空間を貫き縦横無尽に駆け巡る。ここに集まった全員が今この瞬間を全力で楽しみ尽くそうと放つ熱量がピークに達すると、その光景を目に焼き付けるようにフロアを見渡すメンバー達。
「Chantyでした、どうもありがとうございました!」割れんばかりの拍手と歓声がステージに向けて降り注ぐ。
「大切なことを!」と、12月にワンマンツアー『突き刺す音楽』を開催することを発表した4人はセンターに集まり、オーディエンスの手拍子に合わせて「Chanty、きたぜ、10周年!」と両手を開いた“10!”のポーズを決めると笑顔で10周年を締め括った。
「みんなの“当たり前”になりたい。」から、「当たり前じゃない当たり前を描いていきたい。」へ。
10年間の活動の中で“当たり前なことなど何も無い”と痛感するような経験もしてきたからこそ、今こうしてステージに立てていること、このメンバーで活動できていること、支えてくれる家族や仲間が居ること、何よりもライヴに足を運んでくれるファンの人達とChantyの音楽を愛してくれる人達が世界中に居ること、その全てがどれだけ尊く奇跡的なことかを彼らは心の底から理解している。
何度となく現れた高い壁や分岐点。“続ける”という選択が容易ではなかったことだってあっただろう。それでもChantyが大切だから、仲間とファンと生み出してきた音楽や空間がかけがえのないものだとわかっているから、Chantyで在り続けるために最善を尽くし走り続けてきた。誰よりもChantyを愛しているのは、Chantyであるメンバー自身。何て素敵なことなのだろうと思う。
「僕らは運が良い。」メンバーはよくそう口にするけれど、巡って来た運をしっかりと掴むことができるのは、日々のたゆまぬ努力と積み重ねがあったから。これまでの何が欠けても今日という日が訪れなかったと実感している彼らは、これからも全ての想いを背負って進み続ける。
自分達の音楽に確固たる自信を持ちながら、自然体で真っ直ぐに音楽とバンドと向き合っている今のChantyは、10年の節目を迎えて益々魅力的なバンドへと進化を続けている。
そして、まだまだ果てなき4人の旅は12月12日・club SONIC mitoを皮切りにファイナルの12月28日・新宿BLAZEまで全国7ケ所を巡るワンマンツアー『突き刺す音楽』へと繋がっていく。始動当初にコンセプトとして掲げていた言葉をタイトルに冠したこのツアー、「11年目は1周して10年+1年目の新人の気持ちで。」と語っていたことからしても、ここからまたChantyの音楽を広く世界に響かせていくという決意表明にも感じられて期待が募る。
この先も一歩一歩を大切に積み重ねて、繋がった無数の赤い糸をたどってたくさんの人達のもとへ。
過去と未来の真ん中あたりで待ち合わせを繰り返しながら、Chantyと共に“当たり前じゃない当たり前”を夢見て歩んでいきたい。
文:富岡 美都(Squeeze Spirits)
Photo: 張 尹澈
====================
<ライヴ>
ワンマンツアー開催決定!
■Chanty ONE MAN TOUR
「突き刺す音楽」
12月12日(火)club SONIC mito
12月14日(木)仙台MACANA
12月19日(火)福岡graf
12月21日(木)広島Cave Be
12月23日(土)大阪hillsパン工場
12月24日(日)名古屋HeartLand
-TUOR FINAL-
2023年12月28日(木)新宿BLAZE
※詳細は後日発表
====================
★Chanty OFFICIAL SITE★
2023年09月20日 (水)
【ライヴレポート】<MAMA. 1st FULL ALBUM RELEASE TOUR 2023 『復讐』FINAL>2023年9月15日(金)Spotify O-WEST◆ヴィジュアル系に新しい時代を作っていきます!MAMA.ファイナルWESTで高らかに宣言。2024年2月にLIQUIDROOMワンマンも決定!!
REPORT - 20:00:29MAMA.が9月15日に自身最大キャパシティとなるSpotify O-WESTで1st FULL ALBUM RELEASE TOUR 2023 『復讐』のファイナル公演を行った。本レポートではこの夜の模様をお届けしたい。
今年に入って新体制となったMAMA.は<VISUAL HYBRID MUSIC.>を掲げ、精力的に主催ライヴを繰り広げている。7月には早くも快作の呼び声が高い全リスナー必聴の1st FULL ALBUM『ANIMISM』をリリース。活動スピード同様に不気味なほどに早熟なこの作品は、激しさだけに留まらない音楽的引き出しの多彩さと、ヴォーカル命依が紡ぐ内面を抉る世界観がファンのみならず音楽関係者、バンドマンからも非常に高い評価を得ている。
リードトラックとなっているダークバラード「天命の雨」が<週間 USEN HIT SNS ランキング>にランクインしたことも記憶に新しい。
天命の雨 FULL MV
https://www.youtube.com/watch?v=Zy1n7vIyRY0
闇雲に暴れることで満たされるほど短絡的ではない5人と、そのアティチュードに賛同する者たちの答え合わせ。
MAMA.が産み落とした『ANIMISM』という子が全国ツアーを経て、どのような結末を迎えるのか…怪物覚醒の期待感に溢れた観衆がO-WESTに多く詰めかけた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
定刻をほどなく過ぎたところで暗転するとステージ後方に配置されたスクリーンには炎がうつろう蝋燭の映像が映し出される。やがて心電図のようなものに切り替わると一気に切迫感が増す。何かの終わりを告げるようなムードが高まったところでようやく『ANIMISM』の世界観への誘いを告げるSE「KAGUYA」が鳴る。
緊張感を高めながらメンバーが上手、下手と交互に登場。この日の直前からカウントダウン形式で彼らのX(旧Twiiter)にて公開されたニューヴィジュアルに観客も手拍子で応える様は一種の宗教儀式のようだ。
蓮(Dr)の打ち鳴らすドラムをきっかけに背景も『ANIMISM』のアートワークへと変貌を遂げる。序曲に据えられたのは不安定な心象を描きながら闇を這いずり回る「OMEN」。蠢く極悪なリフと退廃的な世界観のなかにも言葉遊びを巧みに用いるフックが冴える。ラップのように、あるいは呪文のように命依(Vo)のヘイト・スピリットが投げかけられる。
<死にたい?消えたい?そうなら僕が君を壊したい>
フロントメンバーは観衆に着かず離れずの距離感で淡々と音を鳴らし、会場はオープニングからクライマックスのような悲壮感に包まれた。
ダークサイドへの傾倒は続いた「BLACK DOG.」でも顕著だ。スクラッチ音や目まぐるしい展開も、一筋縄ではいかない独特かつハイブリッドなMAMA.を象徴するといえる楽曲だ。“愛してる”と繰り返す歌唱の温度が上昇したところで命依の“WESTかかってこいよ!”を合図に披露された「Psycho」で空気はガラリと変わる。ツアーでの成長を感じさせる攻撃性にここまで焦らされたオーディエンスは頭を振り応える。
アルバムの曲順通りに並んだ「不幸物」。
<え、ちょっと待って、、他にも男がいんじゃん 勘繰りすぎてBAD入ってんじゃん?>という衝撃的なリリックを歌う命依は完全に目がキマってしまい、夢遊するようにステージを右往左往する。
▲命依(Vo)
ここまでハードなサウンドながらも世に背を向ける詩世界に倣う陰鬱とした楽曲を中心に進行されたステージ。MAMA.の世界に飲みこまれた観客に火をつけるようなJiMYY(Gt)のギターソロが導入となった「めいさんの生理[現象]」では飛び降りをモチーフにするようなアニメーションを背景に荒々しいステージで一気に扇動する。かごめ(Gt)はステージにおけるそのヤンチャさをWESTでも遺憾なく発揮し、縦横無尽に動いたかと思うと歌唱中の命依に詰め寄りお立ち台を占拠する傍若無人っぷりを見せる。小気味よくステップを踏みながら客席と対峙し堅実にグルーヴを生み出すJiMYYと、メンバーを煽り散らかし荒れ狂う衛星=かごめのツインギターのシルエットの対比も実にこのバンドならではの見応えである。
▲かごめ(Gt)
▲JiMYY(Gt)
ダークなミドルチューンの応酬で鬱屈とした世界を表現し、時折その反動で暴発的な熱量を生むのが他に見ないMAMA.のオリジナリティと言えるが、再び奈落に突き落としたのは、ピアノの旋律に寄り添う演奏が胎動のように柔らかく悲しみの淵へ誘う「天命の雨」。
今しがた生み出した熱を冷気で引き裂くようなミドルバラードでは、非情な蓮のドラムに絡みつく真(Ba)のフレーズが悲しみを増幅させる。孤独に身を投げる命依が絶唱するひとつひとつの言葉にフロアは静まり返った。
▲真(Ba)
MAMA.のライヴは激しさに委ねた狂暴性もあるが、命依の詩世界と共に没入していくような楽器隊のプレイが大きな説得力となっている。
ライヴにおける大きな谷底から這いあがるのではなく、底を這いずり回る「幸福論」でも一聴するとキャッチ―なメロディのボトムを支える真を筆頭に感情過多かつ一心不乱にプレイするメンバーの姿が印象的だった。この世の不幸を一手に引き受けようとする命依に呼応するようにオーディエンスも手のひらを掲げる。
歌詞や言動の端々からも解る、他人の不幸をも請け負おうとする命依の表現方法は極めて精神的なダメージを伴うものであるが、一方で彼自身もまた痛みを負って歩み、このステージにたどり着いている。音楽には希望を与えるものや、ファンタジックに夢を提示するものもある。だが、彼らが現在地でかき鳴らす音楽は虚構ではなくあくまで“現実”である。それもあまりに傷だらけの。
▲蓮(Dr)
スクリーンが深海を想起させる映像で青々とステージを射す。
心地よいメロディと優しい歌唱が意識を朦朧とさせるのは「Nightmare.」。
遠のくような感覚のなかで命依が“どこまでも連れてってあげるから!”と確かに叫んだ。
目を背けたくなる現実から堕ちていく悪夢を自らの手で取り戻そうとせんばかりに<悪い夢はいつか覚めるの>と希望への枯渇を表現する。
MAMA.の楽曲は孤独と絶望への傾倒が占める割合が高いのは事実である。が、『ANIMISM』には、儚い光・希望へ縋る/縋ろうとする人間の願いも込められているからこそ、誰かに届けるべき意義を有している。その誰かを探して彼らは悪夢の中で藻掻き続けている。
“生きるためにここに来たんだろ!”で過熱した「命日」ではJiMYYが“阪神タイガーズ優勝おめでとう!”と時事ネタで茶目っ気を見せ、フロアを左右に分断した「GREEN HEAD MEN」では過激なウォール・オブ・デスからなだれ込むモッシュピットを生み、ツアーの成果をあらわにした。
MAMA.のライヴに来たならこれを聴かなきゃ帰れないでしょ!の「MURDER RED CHAINSAW」ではとうとう制御不可能の大爆発。蓮の加速する荒々しいビートとフロントメンバーが叫ぶパワーコーラスに、ここまで溜め込んだ毒ガスを発散するような壮絶なコール&レスポンス(オーディエンスの声量が尋常ではない!)とヘドバンの嵐が巻き起こる。
タイトルコールで驚きの悲鳴があがったのは、「ERROR-000」。かけがえのない旧体制の楽曲ではあるがここ一番で抜群の存在感を誇る。“これがMAMA.です!よろしくお願いします!”と間奏で命依が叫んだこの名曲、美しいメロディとJiMYYの泣きのギターが観客の心を抉る。
※終演後に命依はX(旧Twiiter)で“俺はこの生きづらい地球という星に、ERROR-000という名前をつけました。だからみんなの歌だ。”と投稿している。
ラストに披露されたのは「Dystopia」。鍵盤のイントロから疾走する展開とこれまた美しいメロディが秀逸であり悲哀な1曲だ。
“信じたいものを信じて生きてほしい!……その信じたいものになりたい”絞りだした万感の言葉にオーディエンスも完全燃焼で応える。
<くだらないモノは「愛」とは呼ばない>
<くだらないモノを「神」と呼ぶでしょう>
このツアーの終着地を“ディストピア”と表現したうえで、尚それでも歩む。
彼ら自身が救われてきた原体験。絶望からの救済。毒されたディストピアの中で最後に安らぎを求めるように希望へ縋る鬼気迫るプレイの壮絶な残響が鳴りやむと、一呼吸置いて静かに拍手が沸き起こった。
アンコールの声にほどなくしてステージに戻ってきたメンバー。
かごめ、真、蓮はツアーTシャツに着替え、本編の緊迫感からはいささか解き放たれているようだ。
・・・そんなこちら側の思考をブチ破るように、投下されたのは「ぼくらの病名は「人間」でした。」
お馴染みのキラーチューンはこの日1番の熱量でフロアを焼け野原に変えてみせた。
次なる火薬の投下を待ち侘びるオーディエンスを制するように命依がマイクをとった。
<こんな難しい時代にヴィジュアル系やってます>
<なんかのランキングに載ったとかどうでもいいんですよ>
<ライヴと音楽には自信あるから>
愚直な言葉の数々は命依らしく素直で想いのこもったものだったが、最後にこう付け加えた。
“死なないで、生きてくれ。今日死のうじゃなくて、明日何をしようの方がいい。明日から何をしよう…そんな世界に連れていってあげる”
「Wednesday.」
ラストに披露されたのは火薬でも毒薬でもなかった。
『ANIMISM』のクロージングに配されているナンバーだ。
確証のない希望に想いを馳せ、自ずではなく、自ずを必要とする存在に向けて放つ優しいバラード。
悪夢を解き放ち、祈り願う。暗闇に一筋射す光はあまりに眩く世界を溶かしていった。
“ヴィジュアル系に新しい時代を作っていきます!MAMA.です。ありがとうございました!”そう叫び5人は礼儀正しくステージを去った。
「復讐」と題されたはずの、この夜のラストシーンである。
以前ライヴで命依が“若手ナメんなって教えてやろうぜ!”と吠えていたことがある。
HYBRIDを提唱しながら、あくまでVISUALであることを継承する彼ら。
このヴィジュアル系というジャンルから受けてきた影響や恩恵、感謝・敬意を感じるが故の言葉であるが、MAMA.にとっての産みの“親”である偉大な先人たちの音楽や生き様を見て育ったからこそ、自己と向き合うストイックな道を彼らは選び続けている。
ヴィジュアル系に救われたヤンチャな5人の子どもたちは今、確実に新たな子どもたちを救うための音を鳴らしている。
この日は『ANIMISM』に続く音源のリリースや主催ライヴの数々…そして2024年2月10日に恵比寿リキッドルームでワンマンライヴの開催も発表された。
命依の言葉を借りるなら“こんな難しい時代”にヴィジュアル系を選んだ彼らのこれからの躍進を見逃すことなど、到底あり得ない愚行なのである。
<VISUAL HYBRID MUSIC.>を提唱する5人が産み落とす新たな怪物から目を背けることは、許されない。
文:山内秀一
====================
<セットリスト>
SE.KAGUYA
1.OMEN
2.BLACK DOG.
3.Psycho
4.不幸物
5.めいさんの生理[現象]
6.天命の雨
7.幸福論
~SE.Mariana~
8.Nightmare.
9.命日
10.GREEN HEAD MEN
11.MURDER RED CHAINSAW
12.ERROR-000
13.Dystopia
EN1.ぼくらの病名は「人間」でした。
EN2.Wednesday.
====================
<MAMA. NEW VISUAL>
2023年10月26日(木)原宿RUIDO
黒服限定単独公演『悪魔崇拝』
…………………………………………
Aチケットは“¥6,660”
Bチケット、当日券は“¥666”
(各ドリンク代別)
…………………………………………
OPEN / START 18:00 /18:30
…………………………………………
★チケット:
▪︎購入ページ
https://eplus.jp/sf/detail/3937000001-P0030001P021001
MAMA. presents 東名阪TOUR「襲撃」
・東京襲撃
2023年11月2日(木)
池袋EDGE
ACT : MAMA. / CHAQLA. / 鴉–カラス–
▪︎購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/3958680001-P0030001
・プレオーダー
【受付期間】10月2日(月)12:00~10月5日(木)23:59
・一般発売
【一般発売日】:10月16日(月)10:00~
…………………………………………
・愛知襲撃
2023年12月5日(火)
名古屋ell.size
ACT : MAMA. / NAZARE / ミスイ / i.D.A
▪︎購入ページ
https://eplus.jp/sf/detail/3960180001-P0030001
・プレオーダー
【受付期間】:11月5日(日)12:00~11月12日(日)23:59
・一般発売
【一般発売日】:11月19日(日)10:00~
…………………………………………
・大阪襲撃
2023年12月6日(水)
大阪RUIDO
ACT : MAMA. / NAZARE / ミスイ /NINTH IN PLUTO / nurié
▪︎購入ページ
https://eplus.jp/sf/detail/3959040001-P0030001
・プレオーダー
【受付期間】:11月5日(日)12:00~11月12日(日)23:59
・一般発売
【一般発売日】11月19日(日)10:00~
…………………………………………
<全公演共通>
OPEN / START 17:00 / 17:30
ADV / DAY ¥4,000 / ¥4,500
2024年1月30日(火)
MAMA.が新世代のバンドを率いて
新宿BLAZEでイベントを開催!!
「VISUAL NEW SPIRIT.」
…………………………………………
出演
MAMA. / NAZARE / CHAQLA. /ぶえ/nurié / HOWL
…………………………………………
OPEN / START 16:30 / 17:00
ADV / DAY ¥5,000 / ¥5,500
…………………………………………
★チケット:
プレイガイド:e+
販売URL:後日公開予定
・プレオーダー
【受付期間】:2023年11月24日(金)12:00~2023年12月2日(土)18:00
・一般発売
【一般発売日】2023年12月9日(土)11:00よりe+にて販売(B1~)
2024年2月10日(土)
恵比寿LIQUID ROOMにて
単独公演「神殺し」決定!!
詳細後日解禁!!
<びじゅなび主催出演>
2023年11月23日(木・祝)
池袋EDGE
…………………………………………
OPEN / START 16:00 / 16:30
VISUNAVI presents Visual Rock is not “DEAD”003
…………………………………………
出演
MAMA ./CHAQLA. / 孔雀座/色々な十字架 / nurié
…………………………………………
【一般発売中】
URL:https://eplus.jp/sf/detail/3926030001-P0030001
====================
<MAMA. OFFICIAL HP>
…………………………………………
<MAMA. Xアカウント>
@_MAMA_OFFICIAL
@MAMA_mei_Vo
@MAMA_kagime_Gt
@MAMA_jimyy_Gt
@MAMA_mana_Ba
@MAMA_ren_Dr
2023年09月18日 (月)
【ライヴレポート】<FAIRY FORE ワンマンライブ>2023年9月17日(日)町田PLAY HOUSE◆
REPORT - 21:00:51町田PLAY HOUSEと言えば、LUNA SEAが活動していたライヴハウスとしてよく知られている。その会場で生まれ、解散ライヴを行ったFAIRY FOREが、18年の歳月を経て町田PLAY HOUSEに集い、ワンマンライヴ「Do you want some more? おかわりはどぉ」を行った。4月の限定復活ライヴでは予定されていなかった“おかわり”の模様をお届けしよう。
まずオープニングアクトとして、現王園が現在ソロプロジェクトとして活動中のJagged Little Pillが登場。FAIRY FOREのヴォーカルとは別人なのか双子の兄弟なのか、本人としても設定が曖昧なまま(笑)、ウォーミングアップと称して会場を温める。11月12日にここ町田PLAY HOUSEでワンマンを控えており、音楽活動を続ける彼の現在に触れてみてほしい。
そしていよいよおなじみのSEが流れると、FAIRY FOREのライヴがスタート。YASU、YOKO、サポートギターのTACA、そして最後に現王園が姿を現した。歓声に応え、笑顔がこぼれるが、表情からは緊張もうかがえるよう。フェードアウトするSEと入れ替わるようにメルヘンチックなオルゴールの音色が流れ、オープニングを飾るのは「Merry-Go-Round」。キラキラ輝きを放つようなメロディを、甘く伸びやかに歌い上げる現王園の変わらぬ個性が懐かしい。ベースソロではYASUが神妙な面持ちで真剣にプレイし、YOKOの表情からもプレイに集中していることがうかがえた。
続いて、「CHILD OF WIZARD」が始まると、ダンサブルなリズムに心地よく体が揺さぶられる。“何度も”や“いつか”といったワードが繰り返される歌詞に、希望を見つめ続ける姿勢がにじむ。それは若さや青さから生じた言葉だったのかもしれないが、同時に今なお力を与えてくれるものでもある。YASUが初めて作曲した「VIRGIN」を続け、手拍子で同じリズムを刻めば、心地よい一体感が広がった。
最初のMCでは、PLAY HOUSEが40周年を迎えることに触れ、予定されていなかったこのライヴをすることを決心した思いを語る現王園。アニメの主題歌として子どもの頃に知ったというファンからのメッセージを紹介して、「ジェット」が始まる。歳月の流れや世代を超え、音楽が愛され続けていく証のひとつがここにあった。さらに異国情緒のある旋律に、独特の世界観を漂わせる「MR.BADMAN」を続けると、YASUはかけ声とともにこぶしを突き上げ、ファンを先導。会場の熱は徐々に高まっていく。
激しく明滅する照明の光の中、「School Days」。現王園の男らしい厳しい表情が照明に照らし出され、繰り返されるリフや気持ちよく揃ったキメに、ロックバンドらしいカッコよさが光る。そこへ「Darling」が優しく流れ出すと、パッヘルベルのカノンのモチーフとゆったりとしたリズム、優しく力強い歌声に会場全体が包み込まれ、さらに亡き人を思う切ない心情が広がった。曲の世界に入り込むファンを前に、いっぱいの光で満たされたステージからメンバーは一度去っていく。
ここで、“年をとった少年たちが息を整える”ための休憩タイム(笑)。リハーサル風景やYASUのトレーニング風景など、思わず笑いがこぼれる映像を交えつつ、今日のワンマンの目標として掲げたSOLD OUTを無事達成したことを報告。入念に準備を重ね、この日を迎えたことが伝わってきた。
そしてライヴは後半戦へ。YASUが現れた後に「CAN’T YOU CELEBRATE?」をイメージしたSEが流れ出したところへ、現王園とYOKOが結婚式へ向かうカップルのように腕を組んで登場。実は二人は出会って40年の長い付き合い。というわけで、いきなりのルビー婚(結婚40周年記念)が行われることに。現王園が列席者へ挨拶するように来場のお礼を告げ、さらに両親へもお礼を。この日は実際に、家族など近しい人が足を運んでいることもあり、よりアットホームな空間となっていた。
後半戦は、FAIRY FOREと言えばこの曲、「SWEET-ness」から。メンバーも会場もリラックスしてきたのか、楽しく和気藹々とした空気が広がる。続くMCでは、YASUのステージドリンクにカレー(!)などが仕込まれていたことが判明、「いじりすぎ」と訴える一幕もあり、ひたすら楽しく幸せな空気でいっぱいに。
「トバしていく」という言葉どおり、「LIFE」でストレスを発散するかのように皆で元気よくジャンプ! さらに軽快なビートとともに気持ちよく突っ走った「VIVID」。現王園はイキイキと表情を輝かせながら、ステージを自由に動き、後方から見守るYOKOも笑顔を浮かべ、楽しんでいる様子が伝わってきた。
ライヴもいよいよ終盤、「Idoll」が始まるとともに、待ってましたとばかりにフロアではヘドバンに揺れる頭が目に入ってくる。ここまでにはなかった熱量が一気に解き放たれたよう。そんな光景を目にした現王園は、過去にイベントで日本武道館のステージに立ち、最高の景色を見たと口にしたうえで、「一番見たかったのは今日の景色です」と断言した。
「一番自身のあるこの曲でお別れしたいと思います」と最後を飾ったのは、デビュー曲「LOVE SICK」。歳月を経ても、曲が持つエネルギーが衰えてないことを再確認する。ファンの合唱と、それに耳を傾ける現王園の表情に、バンドとファンが重ねてきた時間と離れていた歳月、それらを経た今のかけがえのなさをひしひしと感じた。「2023年9月17日、FAIRY FOREでした!」という高らかな宣言とともに、本編は終了。
アンコールで現王園がまず口にしたのは、このワンマンができた喜びと、次のライヴが決まっていないこと。「今日で一旦終わります」という言葉に寂しさを感じないと言えば嘘になるが、だからこそここまで全力でプレイし、全力で楽しみ尽くせたのかもしれないとも思う。
予定されていたアンコールは「Boys be ambitious」と「この花が咲いて枯れるまで」。歌詞を書いたとき、耳にしたときには想像もしなかった未来や未来の自分がいる。そんな人生の不可思議さを、FAIRY FOREと共に歳を重ねてきたファンの方も感じたのではないだろうか。
演奏を終え、繰り返しお礼を告げる現王園の横で、YASUから「もう一曲やりたくね? ダメ?」の一言。出し切れなかったのではなく、名残惜しくてしかたがなかったのだろう。どの曲を演奏するか、ファンからリクエストを募ったりしつつも、最後はデビュー曲「LOVE SICK」で締めくくることに。喉がギリギリの状態になってしまった現王園を支えるようにファンの声が響き、YASUもYOKOも本当にこれが最後とがむしゃらにプレイする。すべてを出し切った心地よさと一抹の寂しさが会場を満たした。
その後も、ファンがメンバーを自由に撮影したり、ファンを交えて記念撮影をしたり、最後の最後まで、この一瞬一瞬を楽しませたい、そして楽しみたいという気持ちにあふれた時間が続いた。復活ライヴをする理由や考え方はさまざまだが、バンドとファンの再会が喜ばしいことであるのは間違いなく、それだけでいいとも言えるだろう。惜しくもこの夜、町田PLAY HOUSEに足を運べなかったファンの方は、販売されるライヴDVDの詳細を待っていてほしい。
文:村山 幸
====================
【2023.9.17 FAIRY FORE ワンマンライブ】
@町田ThePlayHouse
1.Merry Go Round
2.CHILD OF WIZARD
3.VIRGIN
4.ジェット
5.Mr.BAD MAN
6.school days
7.Daling
–映像–
8.SWEET-ness
9.LIFE
10.VIVID
11.アイドル
12.SEXUAL EXCITEMENT
13.LOVE SICK
-Encore-
14.Boys be ambitious
15.この花が咲いて枯れるまで
-Special Encore-
16.LOVE SICK