2019年03月12日 (火)
【ライヴレポート】<SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~>2019年3月10日(日)横浜アリーナ◆15周年を超えて、その先の未来へ──。
REPORT - 19:00:20およそ1年間にわたって様々な企画が繰り広げられたシドの結成15周年のアニバーサリーイヤー、そのグランド・ファイナルが3月10日に横浜アリーナで開催された。
このライブが発表された時にマオが「絶対ここでやりたかった」と語ったように、2011年3月に予定されていた横浜アリーナ公演が東日本大震災を受けて中止になった、その深い感情と記憶を乗せて挑む晴れ舞台だ。
ファンの気持ちも同じだろう。
広いアリーナは満員の観客でしっかりと埋め尽くされた。
ステージ後方の超ワイドスクリーンに映る、時空を超えて飛ぶ飛空艇の幻想的なアニメーション。
2003、2011、2018と、意味深な数字を刻みながら飛空艇は飛び、着陸と同時にメンバーがステージに姿を現すドラマチックな演出から、勢いよく始まった1曲目は「NO LDK」。
力強いミドル・テンポとマオの優しい歌声で会場内の空気を柔らかくほぐすと、2曲目「ANNIVERSARY」からは一気にスピード・アップ。派手なレーザービームが飛び交う中、「V.I.P」ではいきなりマオが客席へ飛び込んだ。高ぶる気持ちを抑えきれない、熱い気持ちが伝わるオープニングだ。
「今日はシドの15年間をぎゅっと詰め込んだセットリストにしてるんで、最後まで楽しんでくれ!」(マオ)
4人お揃いの、ミリタリー風のデザインによるシックなブラウンの衣装がかっこいい。
曲はまさにベスト・オブ・シドで、「cosmetic」「KILL TIME」「罠」と続くアダルトでファンキーなロック・チューンでは、Shinjiの鋭いカッティングと明希の強烈なスラップがグルーヴをリードする。
気持ちの入った演奏に、こちらの体も自然に揺れる。
「今日は15周年の大打ち上げ。シドのこれからを感じる最高のライブにしよう」(明希)
「ラーメンにたとえると、最近は太くて長い麺も増えてます。シドも太くて長いバンド活動をしていきたいと思ってます」(Shinji)
「この場所に、シドは似合ってますか? いろんな思いを今日のステージにぶつけたいと思います」(ゆうや)
「メンバーも、いつもよりいい顔してる。お前らも、もっといい顔してるぞ」(マオ)
四者四様の表現は、つまりファンに伝える15年分の感謝の思い。
2008年のメジャーデビューシングル「モノクロのキス」と、3枚目にあたる「嘘」は、シドの原点とも言えるソリッドなバンド・サウンド、ダンサブルなビート、憂いのメロディ、ロマンチックな歌詞を兼ね備えた代表曲だ。
そのキャッチーな魅力は昔も今もまったく変わらない。過去のどの時代の曲も大切に歌い続ける、それこそがファンへの最大の感謝の証だ。
中盤には「ホソイコエ」「2℃目の彼女」「スノウ」と、冬の情景を描く3曲が揃った。
降り注ぐ雪を映す雄大なスクリーンをバックに、白いスモークに包まれるステージは幻想的なほどに美しい。
そして季節は冬から春へ、「ハナビラ」ではスクリーンいっぱいに桜の花びらが舞い落ちる中、淡々とループするビートが別れを歌う歌詞の悲しみを倍加させる。
マオが全身全霊をかけて歌い上げる、ラストの超ロングトーンがくるおしいほどにせつない。
演出と歌がぴたりと寄り添う、素晴らしい名シーンだ。
強烈なノイズとバグった画像の中に浮かび上がる、ARE YOU READY?の文字。
穏やかな曲調が続いた中盤から急転直下、終盤はヘヴィでハードなロックンロール爆弾の連続投下だ。
「dummy」ではShinjiと明希がステージを全力で駆け抜け、マオがセンター席へ突入して観客にマイクを向ける。
さらにスピードを上げて「隣人」から「プロポーズ」へ、スタンドのてっぺんまでを巻き込んだヘドバン・パフォーマンスが壮観だ。
強力なヘヴィメタル・ダンス・チューン「眩暈」ではステージで炎の柱がぶち上がり、全員参加のタテノリ・ジャンプで床がぐらぐら揺れる。
真っ赤に染まるスクリーンと燃え盛る炎の中で幕を下ろした本編16曲は、15年間の歴史を80分に凝縮した、とことんソリッドでストイックなものだった。
そしてアンコール。
イントロで悲鳴のようなどよめきが起こった「空の便箋、空への手紙」の、せつなさと呼ぶにはあまりに悲しすぎる永遠の別れを綴る歌詞と、もの悲しいワルツの調べが胸に痛い。
Shinjiの奏でるアコースティック・ギターのソロも、万感の思いを乗せた繊細でエモーショナルなものだ。
明希はTシャツ、ゆうやはノースリーブのロングコート、マオは白いボルサリーノに黒いファーコート、Shinjiはスーツに眼鏡。あまりにバラバラな衣装をネタに笑いを取る、4人の屈託ない笑顔が眩しい。
続けて「みんなに未来を見せたくて新曲持ってきました」と言って初披露した「君色の朝」は、美しいコーラスの入ったメロディアスなミドル・チューン。
包容力いっぱいの、15年目のシドを象徴する親しみやすい1曲だ。
そしてラスト・スパートは定番曲を惜しみなく、「循環」ではお馴染みの回転パフォーマンスで盛り上がり、「Dear Tokyo」「one way」と得意の高速ビート・ロックで全力疾走。
マオが「ここをライブハウスだと思ってぐちゃぐちゃにしてくれますか!」と叫ぶ。
言われる前にすでにそうしている、シド愛溢れる観客の一体感が凄まじい。
4月からメンバーズクラブツアー、6月には対バン形式のコラボレーション・ツアー、約2年振りのニューアルバム制作開始、そして秋から全国ホールツアー開催。
スクリーンに映し出される重大発表の連発に観客が沸いた。
16年目のシドはもちろん止まらない。その未来へ、光へ、目を向けよう――。
アンコール・ラスト曲「その未来へ」のリフレインを一緒に歌い続ける、この素晴らしいファンと共に築く未来は、きっと素晴らしい旅路になるはずだ。
「飛空艇のように不安定で、浮いたり沈んだりするのがシドです。それも込みで応援してください。
その代わりみんなが沈んでる時には俺たちが音楽で励ますから。任しといてよ!」(マオ)
最後に挨拶に立ったマオの、涙と笑顔でくしゃくしゃになった顔が、この日のライブの充実感を物語る。
15年間の、そして8年前の思いも乗せて臨んだシド初の横浜アリーナ公演は、シドにとって、シドを愛するファンにとって決して忘れられない1日になった。
全員の思いを乗せてその先の未来へ、シドという名の飛空艇の視界は良好だ。
文◎宮本英夫
写真◎今元秀明、緒車寿一
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<SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~>
3月10日(日) 横浜アリーナ
=SET LIST=
01 NO LDK
02 ANNIVERSARY
03 V.I.P
04 cosmetic
05 KILL TIME
06 罠
07 モノクロのキス
08 嘘
09 ホソイコエ
10 2℃目の彼女
11 スノウ
12 ハナビラ
13 dummy
14 隣人
15 プロポーズ
16 眩暈
En01 空の便箋、空への手紙
En02 君色の朝
En03 循環
En04 Dear Tokyo
En05 one way
En06 その未来へ
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<リリース情報>
★ニューアルバム制作決定!
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<LIVE情報>
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■ID-S限定ツアー 2019
4月19日(金) Zepp DiverCity TOKYO OPEN 18:00 / START 19:00
[問] キョードー東京 0570-550-799
4月26日(金) Zepp Fukuoka OPEN 18:00 / START 19:00
[問] キョードー西日本 0570-09-2424
5月2日(木・休) Zepp Nagoya OPEN 17:00 / START 18:00
[問] サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
5月9日(木) Zepp Osaka Bayside OPEN 18:00 / START 19:00
[問] キョードーインフォメーション 06-7732-8888
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【ID-S BASIC会員1次受付】
受付期間 3月14日(木) 12:00~3月18日(月) 16:00
※3月12日(火)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
【ID-S LIGHT会員受付】
受付期間 3月22日(金) 12:00~3月25日(月) 16:00
※3月19日(火)時点でID-S LIGHT会員の方が対象となります。
【ID-S BASIC会員2次受付】
受付期間 4月1日(月) 12:00~4月2日(火) 16:00
※ID-S BASIC 1次受付、ID-S LIGHT受付で未入金があった公演のみ2次受付を行います。
※2019年3月28日(金)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
※2次受付はクレジットカード決済のみとなります。
【チケット料金】 ¥7,300(税込/ドリンク代別) ※未就学児童入場不可
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■SID collaboration TOUR 2019
6月17日(月) Zepp Tokyo OPEN 17:30 / START 18:30
<Guest Artist> みやかわくん
[問] キョードー東京 0570-550-799
6月20日(木) Zepp Nagoya OPEN 17:30 / START 18:30
<Guest Artist> GRANRODEO
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月27日(木) Zepp DiverCity TOKYO OPEN 17:30 / START 18:30
<Guest Artist> BiSH
[問] キョードー東京 0570-550-799
and more
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【ID-S BASIC会員チケット優先予約】
受付期間 4月9日(火) 12:00~4月16日(火) 16:00
※2019年4月7日(日)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
【ID-S LIGHT会員チケット先行予約】
受付期間 4月17日(水) 12:00~4月22日(月) 16:00
※2019年4月15日(月)時点でID-S LIGHT会員の方が対象となります。
【SID MOBILEチケット先行予約】
受付期間 4月17日(水) 12:00~4月22日(月) 16:00
【チケット料金】¥7,300(税込/ドリンク代別) ※未就学児童入場不可
【チケット一般発売日】6月1日(土)
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■全国ホールツアー開催決定!
詳細は後日発表!
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<MAGAZINE>
■『SIDぴあ』発売中
[仕様] A4判 / 136P / オールカラー / 無線綴じ
[販路] 全国書店、ネット書店、CDショップ ほか
【コンテンツ】
◎SID 15TH INTERVIEW
◎FOUR ELEMENTS OF SID
◎CROSS TALK
◎著名人、スタッフ、国内外のファンが語る WE LOVE SID
◎スタッフ集合、座談会! 無礼講スタイルでお届け
◎SID DISC LIST
◎国内外のファン1049名に大調査!
◎100Q
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▼サブスクリプションサービス 各サイトURL
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2019年03月08日 (金)
【ライヴレポート】ARTiCLEAR<終わりの始まり>2019年3月5日(火)TSUTAYA O-WEST◆純粋なる真剣勝負、圧巻の初舞台────。
REPORT - 09:20:26あらたなる“終わりの始まり”が幕を開けた、この記念すべき夜に。彼らの響かせる深い音像や、威風堂々とした立ち居振る舞いから感じられたのは…強い決意と揺るがぬ信念であり、自らに対する矜持そのものだった気がしてならない。
昨年5月に惜しまれながらも解散したTHE BLACK SWANのフロントマン・儿と、ギター隊の樹と誠。
そこに元SCREWの敏腕ベーシスト・ルイ、あの伝説的バンド・AUTO-MODに在籍していたこともあるドラマー・多時が加わり、昨年末に始動を発表した新バンド・ARTiCLEAR(アーティクリア)が、このたび満を持するかたちでTSTUTAYA O-WESTにて行ったのは、[終わりの始まり]と題された初ライヴにして初主催イヴェントだった。
ちなみに、このTSTUTAYA O-WESTはTHE BLACK SWANが昨年まさに解散ライヴを行ったいわくつきの場所となる。
儿をはじめとする“黒鳥組”の3人は、どうしても「あの日を迎えたあの場所」に立ったうえで、ARTiCLEARとして[終わりの始まり]を体現したかったのだとか。
確かに、彼らは新バンドといえど前述の3人に限らず5人全員がそれぞれがこれまでに多くの経験をし、幾つもの紆余曲折を乗り越えてきた百戦錬磨の集まりにほかならない。
おめでたいファーストライヴに敢えて[終わりの始まり]と冠したのには、それ相当の理由と由縁があったということになろう。
そして、そんなARTiCLEARの門出を祝うべく、この場にはファーストミニアルバム『Inferiority Complex & Narcissism』をリリースしてまだそう間もない蘭図(元・Avelcainのヴォーカリストである業の率いる新バンド)、今年で結成13周年を迎えた実力派のheidi.、繊細でいて深遠なるその高い音楽性に定評のあるHOLLOWGRAM、V系にしてナゴム的なカルト寄りのスタンスを持つえんそく(なんと6月には筋肉少女隊のカバー曲を2曲も収録するミニアルバム『僕の宗教へようこそ~Welcome to my religion~』を発表する)という、これまでなにかしらのかたちでARTiCLEARの面々と縁があったのであろう4組が集結し、個々のバンドカラーを明確に打ち出した素晴らしいパフォーマンスをもって、色とりどりの花をステージ上に添えてくれたのである。
とはいえ、なんといっても今宵の主宰者はARTiCLEARだ。
まずは冒頭において、曲や詞だけでなくアートワーク全般を手掛ける儿が制作したと思しき意味深なティザー映像が上映されると、いよいよ名実ともに初演の幕が開き、1曲目となる「黎明の涙雨」が大きな歓声をあげる聴衆へと向けて迸るかのような勢いをたたえながら放たれるに至った。
樹、誠、ルイ、多時ら楽器陣が発するエナジーとアティテュードがそのまま反映されたような圧倒的サウンドと、大きなコウモリ傘を差しながら降りしきる雨の中で歌うようにその世界を紡いでゆく儿の秀逸な表現力は、とてもこれが初ライヴだとは思えないほどの完成度だったと言っていい。
また、後半で「A.O.D」が演奏された際にはブレイクにて
「俺たちがこうやってまたこのステージに立つまで…それぞれ皆にもいろいろな思いがあったと思う。(中略)ただ盛り上がるとか、そんなのはどうでもいいから。オマエらの中に溜まっている感情を、全てここに吐き出してこい!!」
と儿が咆哮するように場内へアジテーションをする一幕もあり、ARTiCLEARにとってのこの[終わりの始まり]がいかに精神的な意味で重要なものであったのか、ということがそこからも伺い知れたように感じる。
ワンマンではなくあくまでもイヴェントであった為、時間的にいえば彼らが演奏していたのは40分ほどでしかなかったが…この場で我々へと提示されたものはショーケースでもなければデモンストレーションでもない、純粋なる真剣勝負の運命的な初舞台でしかなかった。
そんな中、この夜のラストに選曲されていたのはかねてより公式サイトやYouTubeでもMVが先行公開されていた「碧落の「君」へ」(こちらのMVは儿が監督もしている)と、儿がその場から先に退場したあと供されたボーカルレスセション曲「終わりの始まり」の2曲で、全ての演奏が完遂したのちにはスクリーン上に映画のごときエンドロールが流されることにより、この圧巻の初舞台は締めくくられたのだ。
と同時に、そのエンドロール中には以下の一節があったことも追記しておきたい。
「永遠」なんて無いから
今この一瞬を「君」と生きる
「終わり」を迎えるその時まで…
この世に生まれ落ちてしまった以上、生きとし生けるものには望むと望まざるとやがて最期が訪れ、おおよそ全ての事象も不変・恒久のままであるわけがないのが真実なのかもしれない。
ただし、それ自体は避けようのない事実だったとして、そのことを本当の意味で認識し受容することが出来れば、我々は漫然と時を過ごすことがいかに贅沢なことであるかを悟ることが出来るのではなかろうか。
日本には“有終の美”という含蓄のある言葉も存在するだけに、それこそARTiCLEARは今ここから彼らが理想として描く「終わり」へ向けた、あらたな旅路へと進み出すことになったと言えるはず。
近々では3月25日には池袋EDGEにて[千歌繚乱vol.20]に出演したり、4月5日には高田馬場CLUB PHASEにて再びの主催イヴェント[ARTiCLEAR PRESENTS 儿 BIRTHDAY EVENT「The EVE」]を行うほか、6月12日にも渋谷REXてに[FWD presents 【beauty;tricker】-SS- #36]への参加が決まっているというARTiCLEAR。
彼らの生み出していく、あらたなる“終わりの始まり”の先には果たしてどのような未来が待ち受けているのか。
ここからの一瞬、一瞬をぜひとも見守っていこうではないか。
ARTiCLEARが迎えたこの矜持ある幕開けに、まずは心からの乾杯を!
Text by 杉江由紀
2019年03月07日 (木)
【ライヴレポート】<有村竜太朗 TOUR2019 「デも/demo #2」-Road Show->2019年3月6日(水)マイナビBLITZ赤坂◆有村竜太朗、ソロツアー全国18公演最終日、誕生日と共に祝福!!
REPORT - 11:23:46Plastic Treeのボーカリストとして、独特の存在感を放ってきた有村竜太朗。そんな彼が、自身の音楽性をさらに深く掘り下げるべく、ソロ活動をスタートさせたのが2016年。これまでに発表した音源は2作品(個人作品集1996-2013『デも/demo』(2016年リリース)、『個人作品集1992-2017「デも/demo#2」』(2018年リリース)。もちろん、ライブ活動も定期的に行ってきたが、今年1月5日に恵比寿リキッドルームからスタートしたライブハウスツアー“有村竜太朗 TOUR2019 「デも/demo #2」-Road Show-”は全18公演に及ぶもので、ソロとしては初のロングツアー。これまで、アコースティックとバンドサウンドの2部構成というライブが多かった彼が、今回のツアーではバンドスタイルをチョイス。映像を使用した映画のような演出と、アグレッシヴな演奏の対比が見どころとなっている。各地をまわり、バンドメンバーとのまとまりに磨きをかけてきたところで、3月6日、ツアーはマイナビBLITZ赤坂で千秋楽を迎えた。しかもこの日は有村の誕生日という絶妙なタイミングであったことも付け加えておこう。
開演時間となり、ゆっくり照明が落ちると、まずは有村がひとりで登場。アコースティックギター1本でしっとりと「恋ト幻」の弾き語りでライブがスタートする。このあと、ツアーメンバーのhiro(te’)(G)、鳥石遼太(B)、高垣良介(Dr)、野村慶一郎(Key/Mani)がステージに登場。バンドで楽曲に熱を注入していく。「くるおし花/kuruoshibana」や「猫夢/nekoyume」など、郷愁感と繊細さが融合したポップな曲や、「また、堕月さま/mata,otsukisama」「ザジ待ち/zajimachi」など、優しいメロディーで遠赤外線のようにジワジワと心にしみる曲、さらには「19罪/jukyusai」のようにシューゲーザー全開のノイジーなロックナンバーでメリハリをつけていった。
アンコールは本編で披露した「くるおし花/kuruoshibana」や「猫夢/nekoyume」などをアコースティックバージョンで聴かせ、同じ曲を異なる手法で表現。斬新なアプローチで作品を掘り下げてみせた。「猫夢/nekoyume」では、有村が曲を間違えるというハプニングもあったが、逆に緊張感がほぐれ、場内は暖かい空気に。打ち解けた雰囲気はダブルアンコールを引き起こし、有村もバンドメンバーも再びステージへ。有村はここで「まずは今日、千秋楽、お疲れさまでした!」と、ハイボールをあけ、ステージでプチ打ち上げ。観客もグラスをもっている風に腕を上げてエア乾杯。このあと、演奏に入ると思わせつつ、バンドは“Happy birthday to you”のイントロを演奏し始め、これを合図に観客がピンクの蛍光ブレスレットを腕につけて、全員で合唱を始めるといサプライズが展開! これは観客の入場時、スタッフがひそかにブレスレットとサプライズの案内を書いたメモを渡し、サプライズを計画していたもの。何かはあるだろうと予測はしていた有村も、観客を巻き込んでのサプライズは予想外だった様子。
「おおっ! ありがとうございます! ちょっと動揺しました。もう1回やってもらっていいですか?」と、2度目の“Happy birthday〜”を要求。大勢のファンにお祝いされるという想定外のプレゼントを堪能していた。ダブルアンコールでは、すっかり打ち解けたムードになり、大ラスはバンドアレンジで「恋ト幻」を熱くプレイ。ツアーファイナルを締めくくった。
終演後、今度はファンにとって嬉しい告知が——。まず、この日のパフォーマンスを収録したLIVE DVD & Blu-ray「有村竜太朗 TOUR2019 「デも/demo #2」-Road Show-」のリリースが発表になった(6月12日発売)。
さらに、8月22日には全編「Op.」(オーパス)と呼ばれるアコースティック演奏の楽曲で構成される、ライブ公演の開催決定のアナウンスが! しかも会場は古い洋館を彷彿させる東京キネマ倶楽部。有村も日頃から大好きな箱だというこの会場でのアコースティックライブは、今までとはまた違った「映画のワンシーン」のように見えるのではないだろうか。有村竜太朗が紡ぐストーリーはまだまだ先に続きそうだ。
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【リリース情報】
2019年6月12日(水)
LIVE DVD & Blu-ray
有村竜太朗 TOUR2019 「デも/demo #2」-Road Show-
■初回限定盤 (web受注限定)
【品番】:ARXB-00003〜4
【価格】:¥9,800+税
○受注期間:3/6(火)21:00〜5/6(月)23:59
○注文方法:http://www.newbook.co.jp/ryuutaro-a/
○仕様:Blu-ray、特典映像、特殊パッケージ仕様、スペシャルブックレット
※専用サイトからの申し込み、販売となります。
■通常盤(全国販売)
【品番】:IKCB-80019〜20
【価格】:¥6,400+税
※全国CDショップ等でのお取り扱い
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【ライブ情報】
2019年8月22日(木) 東京キネマ倶楽部
ACOUSTIC LIVE 「Op.」AT TOKYO KINEMA CLUB
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【有村竜太朗オフィシャルサイト】https://arimuraryutaro.com