NEWS

2019年07月05日 (金)

【ライヴレポート】<怪人二十面奏 セカンドアルバム「聲命力」発売記念主催イベント 「赤羽頽廃芸術転獄」>2019年6月26日(水)赤羽ReNY alpha◆

REPORT - 11:10:23

6月26日、赤羽ReNY alphaでイベント『赤羽頽廃芸術転獄』がおこなわれた。これは、怪人二十面奏による初の主催イベント。

彼らに負けず劣らず個性的な面々が顔を揃え、見ごたえたっぷりの充実した一夜となった。

 

トップバッターを飾ったのは、ex.NoGoDの華凛などから結成されたロマン急行。

出演バンドの中では新人バンド的な存在ではあるが、そこはキャリアを重ねたメンバーだけあって、既に確立した個性と勢いを見せつけるライヴとなった。

和泉隆宏のアカペラの歌声から「掃き溜めのメロディ」で幕を明け、一気にオーディエンスを引き込むと、積極的に煽って会場を盛り上げていく。

黒いパンツ(ズボンではなく)、素肌に派手なコートといういでたちの和泉はインパクト十分。

剥き出しの人間臭さを放ちながら、キャッチーなメロディを歌い上げた。歌を支える楽器陣の安定感も相まって、強い印象を残したのではないだろうか。

1_ロマン急行 

 

続いて、怪人二十面奏とはレーベルメイトの仲であるThe Benjaminが、手拍子の中、にぎにぎしく登場。

そのお洒落なヴィジュアルどおり、上質なポップセンスから生まれるサウンドを展開。

弾けるように明るく、ときに一緒に踊りたくなるようなダンサンブルなビートを聴かせ、オーディエンスを巻き込んでいく。

最後の「バトンタッチ」では、三人三様の個性溢れる歌声とコーラスワークで、ドラマチックな歌と切なるメッセージを届けてくれた。

メンバー3人が交互にメインヴォーカルを取るスタイルなど、その個性と魅力に対して自らが自信と信頼を寄せている、そんな安心感の感じられるステージだった。

2_TheBenjamin 

 

水滴の音、ミミズクの鳴き声。

会場を森の中へと一変させたのは、結成一周年を迎えたばかりのMIMIZUQ。

一曲目に届けられた「ずっと好きでした」の甘く切なくロマンチックな歌は、自分たちの音楽をナミダミュージックと称する所以。

一転、激しく荒々しい一面を見せつつも、楽し気な空気がステージからこぼれ出していく。

そして最後は「Grand Guignol」。

もの悲しいけれど優しい空気が、静かに会場を包み込んだ。

音楽を通して風景を見せ、感情を伝え、物語を描く、彼らならではの表現が明確で、わずか5曲ながらひとつの世界をくっきりと描き出した。

 3_MIMIZUQ

 

ロックバンドばかりが出演するイベントに、あえてアコースティック形式のライヴをおこなうという挑戦的なスタンスで挑んだのは、LIPHLICH。

シャンソンを彷彿させる「雨模様」をはじめ、高いテクニックを見事にコントロールした歌声を聴かせ、さらに芝居っけたっぷりに曲ごとに別人になり切る久我新悟の個性が際立つ。

大人っぽいシックな空気感でもって会場を圧倒し、世界を構築しつつも、余裕さえ感じさせる自然体のステージに、彼らの高い実力を目にした。

新ベーシストに竹田和彦を迎え、再び4人の完全体制となった彼らの今後がますます楽しみだ。

4_LIPHLICH 

 

逆にメンバー脱退を乗り越え、二人体制の中、積極的な活動を続けるKraが続いて登場。

「LOAD MY HEART」から、勢いでぐいぐいと引っ張っていきながらも、MCでは「しゃべろっか」とあくまで自然体の景夕が空気を和ませるのも、彼らのライヴならでは。

知り合いがいっぱいという、このイベントを彼もおおいに楽しんでいたようだ。

ハードなナンバーが中心だったこの日のステージでは、これまでになく猛々しいコーラスを響かせていた結良の姿も目を引いた。

激しく荒々しいライヴにおいても、力まかせではないコントロールの効いたパワーを見せつけたのは、9月に結成18周年を迎えるキャリア故だろう。

5_Kra 

 

イベントのトリを飾るのは、もちろん怪人二十面奏。

「ダムド」から一気にスピードを上げるように突っ走っていきながらも、マコトは傀儡のような動きを見せ、彼ならではの節回しを聴かせる。

出演者へのお礼を口にすると、この日発売されたアルバム『聲命力』への自信を胸に、「騙されたと思って、アルバムを聴いてください」と紹介した。

アルバムで新たにレコーディングした「噫無情」から、さらに収録曲を続けていく。

 

初めて見る人にもジャンプを求め、ノリノリの中にも情感を漂わせた「狼」。

続く「G.Jクローバー連続殺人事件」では、冒頭の語りから、バンド名にふさわしい世界観を一気に立ち上がらせながらも、さらに声を求め、一緒に踊り、ライヴ感やバンド感といったロックバンドならではの魅力を撒き散らす。

あと一曲だけと、最後はアルバムタイトルと同じ「生命力」。真に迫った歌を聴かせたマコトは、最後まで高い集中力で全力を出し切った。

6-1_怪人二十面奏マコト 

6-2_怪人二十面奏KEN

鳴りやまないアンコールを求める声に、再び登場したマコトとKEN。

主催とはいえ、ほかの出演者同様、アンコールは予定していなかったと笑顔で挨拶をする。

各出演者、そして足を運んだ観客みんなに拍手を送ると、満足そうな二人の笑顔を残し、イベントは終了。

主催イベントを大成功に終わらせた怪人二十面奏は、単独巡業公演二〇一九「汎幸聲命」に出発した。

7月25日TSUTAYA O-WESTで迎えるツアーファイナルでは、自信たっぷりのアルバムをさらに成長させて披露してくれることだろう。

 

 

文:村山 幸

撮影:米田 光一郎

 

 

 ====================

 

 

■怪人二十面奏

http://k20.jp/

 

怪人二十面奏 単独公演巡業二〇一九「汎幸聲命」

2019年6月30日(日)横浜Music Lab.濱書房

2019年7月7日(日)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE

2019年7月14日(日)心斎橋FANJ

2019年7月15日(月祝)奈良NEVER LAND

2019年7月25日(木)TSUTAYA O-WEST

 

■ ロマン急行

http://romankyuko.net/

 

■ The Benjamin

http://thebenjamin.jp/

 

■ MIMIZUQ

https://mimizuq.com/

 

■ LIPHLICH

http://www.liphlich.com/

 

■Kra

http://kra.tokyo/

 









2019年06月25日 (火)

【ライヴレポート】<DEZERT 全国ホールツアー“血液がない!”>2019年6月22日(土)日本橋三井ホール◆「天才は明日を歌うし、凡人は過去を歌う。だから、僕は今日を!どうしても今日を歌いたい」

REPORT - 15:06:49

憑き物でも落ちたかのような、迷いの吹っ切れたみずみずしくも力強い音を、今宵のDEZERTはその空間に頼もしく鳴り響かせてみせたのだった。

 

それにしても、たった2ヶ月の間に何が起きていたというのだろう。

確かに、去る419日に日本橋・三井ホール公演をもって全国ホールツアー“血液がない!”を始めたその当日、フロントマン・千秋は最後の「TODAY」を歌いだすにあたってこのようなことを述べてはいたのだ。

 

「今日、僕はここで一歩を踏み出します。誰になんて言われようと、僕はこの一歩が正しいと信じて、最後にこの曲を贈ります」

 

また、ツアーに出る直前の千秋に対しとあるインタヴューにて「今度のツアーが終わる頃にはどうなっていたいか」との質問を投げ掛けたところ、彼からほぼ即答で返ってきたのは以下の言葉。

「方法論を見つけてたい。漠然とした気分としてどうなっていたい、とかじゃなくてね」

 

結果として、そこから各地を廻り再び6月22日に日本橋・三井ホール公演へと還ってきたDEZERTの放つ音とライヴパフォーマンスには、明らかなる以前との違いが色濃く滲んでいたのは間違いない。

最新両A面シングル『血液がない!/Call of Rescue』の収録曲たちがより研ぎ澄まされていたのはもちろんのこと、既存曲「「遭難」」に大胆かつ小気味よいリアレンジが施されていた点も驚かされた点で、わずか2ヶ月の間に彼らがどれだけの研鑽と鍛練を重ねてきたのか、ということが今回のツアーファイナル公演では随所に表出していたのである。

 

ちなみに、前述のインタビューの際には千秋から以下のような言葉が発せられていたということも、今回のツアーを通してDEZERTが大きく変化を遂げたことと密接に繋がっている可能性が高い。

「自分の作ったものに対して、常に感じるのは負です。そして、その作品を人前でやるとそこでポジティヴになるイメージかな。

そういう変換をしたくて、ライヴをやっているところがわりとあるんですよ。ここ最近、ライヴの内容が変わってきたのもそのせいでしょうね。

曲調としてどうこう的な次元ではなく、ライヴそのものとしてみたときポジティヴなものになるようにしていこう、という努力をしてるから」

 

いやはや、有言実行とはまさにこのことかDEZERTの描き出す世界に滲む負とは、つまり理想とする願望との距離感から生まれる齟齬であることが多かった印象だけに、今回のツアーを通して理想と現実を出来るだけ近付けていくことにより、彼らはここに来てライヴバンドとしての明らかなるポジティブな姿勢を獲得するに至った、ということなのかもしれない。

 

そして、そんなDEZERTが、このツアーファイナルにおいていよいよの本領をさらに発揮しだしたのは、本編終盤でのこと。

 

「キレイゴトばかりじゃ生きていけませんけど、バンドがキレイゴト言わなきゃ始まんねーだろ!

あと2曲、前へ進む為に本気で決めようと思います。笑いたいやつは笑えばいい。

変わったなっていうやつはあざ笑えばいい。でも、本気でいきます。」

 

たとえば。燦然たる輝きをたたえたバンドサウンドと、救いを希求する歌詞を託した「「ピクトグラムさん」」の爽快さと痛快さから感じたのは、ライヴバンド・DEZERTの持つダイナミズムと潔い強(したた)かさにほかならない。

と同時に、ツアー初日と同じく本編ラストでまたも大切に歌われた「TODAY」おいては、ここであらためてDEZERTの本質と本性が露(あらわ)になったのではなかろうか。

「わかってたけど、このツアーを通して再確認したことがある。やっぱり、強がっていても僕は憶病者だ。

(中略)辛いことから逃げたって、余計苦しくなるだけだって歌詞にしてからもうすぐ1年が経とうとしておりますが

何か変わったのかなって思うと、たいして変わってねーなと思っちゃいます。そう、僕たちは根本的には多分あんまり変われない。

そして、それぞれがの人が歩き方や速度は違えどきっといろんなものを抱えて生きているんだと思うんです」

 

この1年ほど、「TODAY」を歌う前の千秋は必ず今の率直な心情というものを明確に言葉にしてから、それを歌いだすということを重ねてきた。

この夜ここから続けられた言葉にも、このツアーを経て千秋が感じてきたことが凝縮されていたのは言うまでもない。

 

「天才は明日を歌うし、凡人は過去を歌う。だから、僕は今日を!どうしても今日を歌いたいんです。

もうさ、何が正しいとか何が間違ってるとかわかんねーからさ。とりあえず、今日を踏み出す1歩をここで歌いたい。

どうせ、また戻っちまうんだからよ。進んだと思ったのは勘違いだった、ってこともあるし。

皆それぞれ抱えているものがあったとしても、今日はさ。不安な未来も、明るい未来も、目を瞑りたくなるような過去も。

楽しかった過去も、この5分間だけは全て忘れて今日だけを僕らと送りましょう。

6月22日、日本橋三井ホール。今ここにいるおまえたちの5分間を、どうか僕たちにいただけませんか?

愚かな自分を愛せるようになるために。僕たちの1日を、ここから始めましょう。「TODAY」」

 

エモさなどという軽い言葉では到底表しきれないような、あふれ出る感情たちとアーティストとしての矜持を音としてかき鳴らしてみせる、Miyakoの表情豊かなギター。

芯の太い音と、巧みな指さばきでDEZERTの音に温かみと安定感を与えるSacchanのベース。

熱い魂のこもったリズムと、説得力のあるプレイで聴く者の心さえ震えさせていくSORAのドラム。

それらと、千秋の内面を吐露していくような赤裸々で濃密なヴォーカリゼイションが渾然一体となっていくさまからは、それこそDEZERTの本気をひたすらひしひしと感じるしかなかった。

 

〈誰もがもがいてる 時に泣き疲れて 立ち止まることもいいさ 誰もが失って 時に泣き叫んで また今日から始めればいい〉

 

なお、ここからのDEZERTは次へと向かうための制作へと入っていくという。故にツアーは予定していないそうなのだが、1223日には渋谷クアトロでの年末恒例企画[くるくるまわる]を開催することが決まっているほか、近々では8月3日にROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019への出演も決定したとのこと。

 

本気と本音をいやおうなく受け手にぶつけてくるバンドだけに、昨今では男性ファンも急激に増えてきたDEZERTが、今ツアーをもって憑き物から解放されたその先で次に何を見つけていくのか。

今日の時点では、まずはそれをただ純粋に楽しみにしていたい。

 

 文◎杉江由紀

写真◎柴田恵理

 

 

====================

 

DEZERT “血液がない!”

2019622()日本橋三井ホール SETLIST

 

1 Call of Rescue

胃潰瘍とルソーの錯覚

蝶々

4 「殺意」

血液がない!

6 肋骨少女

7 「教育」

8 「遭難」

9  Stranger

10 さぁミルクを飲みましょう。

11「排泄物」

12  浴室と矛盾とハンマー

13  Insomnia

14  オレンジの詩

15  脳みそくん。

16  蛙とバットと機関銃

17 「君の子宮を触る」

18 「遺書。」

19 「ピクトグラムさん。」

20  TODAY

 

En  オーディナリー

 

====================

 

DEZERT INFROMATION

 

ONEMAN LIVE

■『BlackHole 10th Anniversary SPECIAL LIVE “真夏のハウる日”』

 824()池袋 BlackHole

【オフィシャルHP先行】

 受付期間:624()12:0075()23:00

 https://eplus.jp/sf/detail/2991000001-P0030001

【一般発売】727日(土)~

 

■『くるくるまわる-2019-

 1223() 渋谷 CLUB QUATTRO 

【オフィシャルHP先行】

 ・第一次先行 受付期間:83()12:00825()23:00

 ・第二次先行 受付期間:99()12:00923(月祝)23:00

【一般発売】1026()

 

——————————-

 

EVENT

■『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』 83()国営ひたち海浜公園

■『アルルカンpresents STAND ALONE COMPLEX』 84()TSUTAYA O-EAST

■『MUCC BIRTHDAY CIRCUIT 201940」<SATO day> ~じゃっくいんざぼっくすさとちのおたんじょうかい~』 812()豊洲PIT

 

Subscription Service

■現在、入手困難な音源を含む全楽曲をApple MusicSpotifyLINE MUSICPrime Musicなどで絶賛配信中!

 

====================

Official HP  http://www.dezert.jp  

Official YouTube https://www.youtube.com/channel/UCuDMtFChwldsecKgGQrWUeA 

Instagram  https://www.instagram.com/dezert_official/ 

Twitter  https://twitter.com/DEZERT_OFFICIAL 

Ameba blog  http://ameblo.jp/dezert-official/ 











2019年06月24日 (月)

【ライヴレポート】<MIMIZUQ:ワンマンライブ「Rain drop Tear drop」6月22日(土)東京・渋谷Mt.RAINIER HALL>結成1周年ライブで会場限定シングル発売決定!主催ツアー、ワンマンツアーの開催も発表!

REPORT - 15:49:58

MIMIZUQが6月22日東京・渋谷Mt.RAINIER HALLにて、結成1周年を記念したワンマンライブ「Rain drop Tear drop」を開催。

1年間の活動の集大成でありながら、新曲4曲を含むステージは、ここから始まる第2章の幕開けでもあった。

彼らはそのステージで、10月にMIMIZUQ主催イベントツアー「ナミダの森の木の下で」を東名阪で開催すること、その初日の10月5日(土)より会場通販限定シングル「Rain drop Tear drop」をリリースすること、12月14日(土)愛知・名古屋Heart Landを皮切りに東名阪ワンマンツアー「MIMIZUQと秘密の絵本」を開催することを発表した。

                

雨がポツリポツリ降って 空も泣いているのかな——

 

「Rain drop Tear drop」のそんな歌詞がこぼれ落ちてきそうな雨空の6月22日。

ちょうど一年前の2018年、バンド結成の発表をした同じ日に渋谷Mt.RAINIER HALLでワンマンライブを開催したMIMIZUQ。

雨音や雷鳴響くSE「ナミダQUARTET」が終わる頃、会場が暗転し1曲目の「風のハーモニー」の演奏が始まった。

やがてステージに張られていた黒幕が落とされると、初披露となる新衣装に身を包んだメンバーの姿が露わになると、大きな歓声があがった。

エンディングの印象的な4人のコーラスから次曲の「NEW HOPE」へ。MIMIZUQの魅力は挙げるとキリがないのだけれど、楽曲の良さと、メロディを描くTAMA(vo)のイノセントなヴォーカルはその最たるところ。

この「NEW HOPE」ではその良さがふんだんに発揮されていて、特に、TAMAの開放感のある歌声と、それを後押しするようにマーチする楠瀬“poco”タクヤ(D)のリズム、軽快な足取りを刻むseek(B)のベースライン、サポートギターのSINが鳴らすキラキラと輝くようなリフ、そしてタンバリンを鳴らすAYA(道化)の笑顔が一体となって飛び込んでくるサビで、思わず溢れてきたものがこぼれて落ちてしまった。

しかし物語は待ってはくれない。

森に突然嵐が来たかのように、ダークチューンの「[syrup]」が空気を一変。感情をむき出しにするようなTAMAのヴォーカルが心を引っ掻いた。

 _HI41703

_HI41447

_HI51054

メンバー全員がフロントに出てきて踊り歌う「Secret Parade」、ファンタジックな「angel song」、TAMAのヴォーカルを際立たせたクールなバンドアンサンブルが印象的だった「VIOLET SKY」、夕焼けのようなオレンジ色の光の中で聴いた「夏の夕立、水深300メートル」では、seekのアップライトベースがメロウなグルーヴを牽引していた。

そして3連ロッカバラード「Piggyback」のこの上ない温かさ。

間奏のAYAの琴線に触れるギターソロが、より一層涙を誘うのだ。

 _HI50354

今回は1周年のワンマンステージということもあり、MIMIZUQの持ちうる全曲が披露された。

そこに新曲を織り交ぜ、これから先のMIMIZUQを提示した。

「(2年目に入り)森の動物たち第2章の始まりです。第2章は“本”をテーマに森の物語を楽しんでもらおうと思っています」。

AYAの言葉が終わると、流れ始めたのは物語を朗読する少年の声。

少年は何かを探して森の中へと歩を進めたようだ。

冒険の始まりは「鎮む森に降る慈しみの雨」。楠瀬が打ち鳴らすトライバルなリズムが気持ちを逸らせる。

“降り続く雨には涙が混じっているのか”——少年の朗読は曲と曲を繋ぎ、新曲のミディアムナンバー「涙の成分」へ。

曲中、AYAがストーリーテーラーのように“痛み”“夢”“時間”“想う”などのキーワードが書かれた紙をめくっていく。

そして、夜の森を駆け抜けるような疾走感ある「Rain drop Tear drop」へ。

物語をなぞるような歌詞を歌ったTAMAは、歌い終わりに手にしていた本を音を立てて閉じた。

TAMAが放った「おしまい」の一言にハッとし、どれだけその物語に引き込まれていたかを知った。

 _HI51815

新曲「走れ!走れ!走れ!」は、TAMAとseekの歌の掛け合いもクールなパンクチューン、「東京INVADERZ」ではタオルが乱舞し、「暗闇で光る」では高らかに手拍子が鳴った。

そして「ジグザグザ」と、終盤戦はアップチューンを畳み掛け、会場のボルテージをグッと引き上げたところで、「Grand Guignol」へ。

本編を一冊の本に例えるなら、エピローグにあたるラストナンバー。

終わってしまう寂しさに、思わずメンバーの一挙手一投足を目で追いながら、一音一音を自分の心に繋いでいく。

その時間をとても大切に思う。

そんな気持ちになるエンディングは、他ではなかなか味わえない。

 _HI51903

_HI53503

_HI52123

感動冷めやらぬ中、再びステージに登場したメンバーは、先述した通り、MIMIZUQの第2章としての東名阪イベントツアーと限定シングル「Rain drop Tear drop」の発売、そして東名阪ワンマンツアーの開催を発表。

それぞれが1周年を迎えた想いを語った後、本公演4曲目の新曲「CHILD ROOM」を披露。

持ち主を大切に想うおもちゃの気持ちを、キャッチーなメロディに乗せたナンバー。

メロコア調の「PINKY PUNKY PARTY!!」では、AYAが大きなフラッグを振りながらフロアを駆け、会場はさらにヒートアップ。

そしてMIMIZUQの始まりの曲である「ずっと好きでした」を歌い上げ、ステージを締めくくった。

_HI43126 

_HI43494

「ナミダミュージック」をコンセプトにスタートした彼らの音楽は、人肌のように温かい。

その温度が涙を誘発させるのだと、この日の公演を観て思った。

それは、子供の頃に読んでいたお気に入りの絵本を開いた時の感覚に似ている。

辛いことや苦しいことがあっても、扉を開けばそこには笑顔の彼らがいて、MIMIZUQの世界を歌っている。

「おかえりなさい」と迎えてくれて、すべてを肯定してくれるような温かさが、明日に踏み出す希望のような光が、このステージにはあった。

彼らが目指す第2章の世界は、それをより色濃くしてくれそうだ。

そして、本公演の模様はニコニコ生放送で7/29(月)に放送されるとのこと。

MIMIZUQのこの温かいステージを、ぜひ体感してほしい。

 _HI43223

TEXT:大窪由香

PHOTO:コザイリサ

 

====================

 

■MIMIZUQ「ずっと好きでした」 Music Video

https://www.youtube.com/watch?v=DCZ4Yvwam4g

 

====================

 

<LIVE情報>

■MIMIZUQ 2019 ONEMAN TOUR「MIMIZUQと秘密の絵本」

 

「MIMIZUQと秘密の絵本~flower~」

2019年12月14日(土)名古屋Heart Land

OPEN 16:30/START 17:00 サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

 

「MIMIZUQと秘密の絵本~bird~」

2019年12月15日(日)心斎橋DROP

OPEN 16:30/START 17:00 キョードーインフォメーション 0570-200-888

 

「MIMIZUQと秘密の絵本~wind~」

2019年12月28日(土)青山RizM

OPEN 16:30/START 17:00 ディスクガレージ 050-5533-0888

 

「MIMIZUQと秘密の絵本~moon~」

2019年12月29日(日)青山RizM

OPEN 16:30/START 17:00 ディスクガレージ 050-5533-0888

 

チケット料金:¥5,000-(税込/ドリンク代別)

一般発売日:2019年07月27日(土)10:00~

 

チケット先行抽選受付中!

抽選エントリー期間 : 6/22(土)22:00 ~ 7/7(日)23:59まで 当落発表予定日 : 7/9(火)夜 ※メールにてご案内致します ※ 詳しくは下記へ!(PC・スマートフォン共通)

https://www.diskgarage.com/info/mimizuq201910_12/

 

——————————-

 

■MIMIZUQ主催EVENT TOUR「ナミダの森の木の下で」                                                

「ナミダの森の木の下で 第4回」

2019年10月05日(土)心斎橋VARON

OPEN 16:30/START 17:00 キョードーインフォメーション 0570-200-888

 

「ナミダの森の木の下で 第5回」

2019年10月06日(日)名古屋ell.SIZE

OPEN 16:30/START 17:00 サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

 

「ナミダの森の木の下で 第6回」

2019年10月26日(土)渋谷GARRET

OPEN 16:30/START 17:00 ディスクガレージ 050-5533-0888

 

出演者:MIMIZUQ/defspiral/LIPHLICH                                               

チケット料金:¥5,000-(税込/ドリンク代別)

一般発売日:2019年07月27日(土)10:00~

 

チケット先行抽選受付中!

抽選エントリー期間 : 6/22(土)22:00 ~ 7/7(日)23:59まで 当落発表予定日 : 7/9(火)夜 ※メールにてご案内致します ※ 詳しくは下記へ!(PC・スマートフォン共通)

https://www.diskgarage.com/info/mimizuq201910_12/

 

====================

 

■会場・通販限定シングル発売決定!!

「Rain drop Tear drop」

2019.10.05 RELEASE

¥1,200(tax in)/SWIM-0003

収録内容

[2 tracks]

1.Rain drop Tear drop

2.否メクリ人形 -Instrumental-

MIMIZUQ.shop

https://mimizuq.shop-pro.jp

 

====================

 

■6月22日(土)渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた1st Anniversary ONEMAN LIVE「Rain drop Tear drop」の模様がKSP CHANNELにて7/29(月)放送決定!!

詳細近日発表!!

https://ch.nicovideo.jp/ksp-e

 

====================

 

info

■MIMIZUQ オフィシャルサイト  https://mimizuq.com/

■徳間ジャパンコミュニケーションズ  http://www.tkma.co.jp/jpop_top/mimizuq.html