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2019年08月27日 (火)

【INORAN】2019年8月21日(水)新宿BLAZE◆ツアー<TOUR 2019 「COWBOY PUNI-SHIT」>初日公演開催!「今回のツアーは皆で青春しようぜ!」

REPORT - 12:00:34

Photo by:ヤマダマサヒロ@yamada_mphoto

 

 

 INORANが待望のニューアルバム『2019』を完成させ、全国ツアー『TOUR 2019 「COWBOY PUNI-SHIT」』をスタートさせた。

 『2019』は、彼のロックとギターに対する溢れんばかりの愛情と、情熱が込められた会心作である。

 

 本作のリリースイベントで、INORANは「今回、アルバムタイトルがなかなか決まらなかったけど、2019年というフレーズはしっくりきた。今年は、元号が令和になった時も日本の皆がポジティブに受け入れたし、秋にはラグビーのワールドカップもスタートする。関わってくれた皆の気持ちが込められているし、写真の日付じゃないけど、2019年の“今の自分”をうまく表現できたと思うと、充実した表情で手応えを語っていた。

 

8月21日(水)、新宿BLAZEからスタートした『TOUR 2019 「COWBOY PUNI-SHIT」』。ライブ当日は、それまで続く35℃を越す暑さとは異なり、夜になると気温は28℃ほど。小雨がパラつく中で、だんだんと秋が近く気配を感じたが、会場のボルテージは、開演前から既に今夏以上に熱気を帯びていた。

 

ファンクラブ『NO NAME?』限定となる本ライブは、開演時刻にアナウンスされた「Are You Ready to Rock?」の言葉通り、全編に渡りピュアなロックスピリット全開で、キャリアの“集大成”と呼ぶに相応しい、圧巻の内容だった。

 

 オープニングにプレイされたのは『2019』の「Gonna break it」。先にステージに登場したRyo Yamagata(ds)、u:zo(b)、Yukio Murata(g)による、力強いバンドのグルーヴがファンを鼓舞させる中、スペシャルゲストの来門(vo)が登場。彼は、u:zoと共にミクスチャーバンドROSに在籍し、本曲の作詞を手がけたキーパーソンである。

 

 曲の冒頭、来門が「お前ら楽しんでいけよ!」と叫ぶ。そして、ステージにINORANが登場すると、会場の声援は一際大きいものになった。

 INORANと来門は互いにアイコンタクトをしながら、マイクを持ってステージを所狭しに動き周り、呼応し合う力強いツインボーカルでオーディエンスを魅了。

 

 90年代インダストリアル・ロックを彷彿とさせる、イナたいビートが特徴の「Gonna break it」。ライブでは、来門のリズミカルなリリックによって、縦ノリなバンドのリズムに横ノリのフロウ感が加わり、独特で強烈なグルーヴが生み出されていた。

 

 開放感があり、力のみなぎったビートに観客がノリ始めたタイミングで、来門「INORANがヤバいと思うヤツは手を上げろ!」と観客達を煽り、その後プレイされた、ヘヴィなギターリフとキャッチーなサビが魅力の「COWBOY PUNI-SHIT」で、会場の熱気はさらにヒートアップ。

 

 ツアータイトルにもなった「COWBOY PUNI-SHIT」は、ギタリストのMurataが作詞を担当しているが、そのオリジナリティ溢れるリリックの世界観に、INORANはとてもインスパイアされたそうだ。

 

 彼は、インタビューの際に「『2019』は、u:zo、Murataさん、Jon Underdown、FEEDERのDean Tidey、他にも多くの素晴らしい人達が協力してくれて、どれもが最高だった。中でも、Murataさんの「COWBOY PUNI-SHIT」の歌詞にはやられたよね。Cowboyという単語に“罰する”という意味のPunishを加えるんだから。凄いワードセンスだよ」と、嬉しそうに話していた。

 

 この曲も、INORANと来門によるツインボーカルだったが、筆者はこの開始2曲のパフォーマンスに、1stアルバム『想』や、彼がかつてソロと並行活動していたFAKE?時代のスタイリッシュな音楽的要素が、色濃く宿っていると感じた。

 

 このライブを経験するまで、『2019』という作品は、8thアルバム『Teardrop』や9thアルバム『Dive youth, Sonik dive』で打ち出した、彼の重要な音楽カテゴリーのグランジやオルタナティヴ的な要素を、さらに昇華させた内容だと解釈していた。

 

 それは決して間違っていないと思うが、ライブ後の今改めて考察すると、新作『2019』の活力に満ちた現代的なロックサウンドの奥底には、INORANがソロ活動をスタートさせて、様々な試行錯誤を行っていた頃の、オルタナティヴ/ミクスチャー・ロックのテイストも同様に宿っている。そう、まるでポートレイト写真のように、彼がミュージシャンとして歩んできた“これまでの全歴史”が一切の嘘偽りなく、リアルに音に現れているのだ。

 

 その後、INORANは愛用のジャズマスターを手に取り、ライブの定番曲「2Lime s」、今も根強い人気を誇る「Hide and Seek」といった、疾走感溢れるナンバーをプレイ。演奏の中で、彼がとても満ち足りて、心底楽しそうな表情をみせていたのが印象的だった。

 

 その後のMCでは、「東京元気か? この作品の制作をスタートして、曲作りをし、レコーディングをして、レコーディングの途中に色々と考えて、やっと完成したわけだけど、この作品を作ったのは、今広がっている“この景色”が見たいからでした」と、幸せそうにファンに語りかける。

 

 そして、「昨日、明日からツアーがスタートするんだって、夜仕事を終えた時に思い出したよ。”思い出したこと”といえばさ、少年時代に音楽が好きになって、ギターに興味が出て、父親のギターを彼がいない時に弾き始めたんだ。で、もっとギターが好きになったから、お金を貯めて、初めて楽器屋に行き、最初のギターを買ったんだ。手に入れた時は本当に嬉しくて幸せだったよ。あの頃の“初心の気持ち”をやっと思い出せた。今日は本当に最高です」そして、「でもさ、最高な時って人生のいつもじゃない。もしからしたら数回かも。波みたいなものかもしれないね。でも、それでいいと思う。最高な波ばかりいつも来たら、サーファーだったら絶対に波に乗らなくなるでしょ?(笑)」「でさ、初めてギターを買い、家で無心に弾いていたあの至福の瞬間、ふと夢見たのは、今広がっている”この景色”だったってことは、ここだけの内緒な話です」と、いつもよりも饒舌に語りかけ、「そんな特別な日にこの曲を送ります」とコメントし、「Beautiful Now」を演奏する。

 

 「Beautiful Now」は、10thアルバム『BEAUTIFUL NOW』完成以降、ライブでずっと演奏されてきた、INORANとファン双方にとって、思い入れの強いナンバーである。

 

 この日の「Beautiful Now」も、初めてライブで披露された時と全く変わらない幸福感を我々にもたらしたが、その音はさらに磨き抜かれ、アップデートされていた。INORAN、Ryo、u:zo、Murataによるバンドのグルーヴは、これまで以上にディープかつ豊かだったし、そこにINORANとMurataのブライトでファジーな美しいギターの音色が加わることで、曲にさらなる強い生命力が宿っていた。

 

 個人的にハイライトだと思ったのは、その後披露された『2019』の「Don’t you worry」と「Starlight」。

 

 ロックではあるが、ダンサブルなビートがアクセントとなる「Don’t you worry」は、INORANらしい秀逸なメロディセンスがキラリと光る佳曲。その涼しげで、柔らかいムードは、開演直後からピークに達した会場の熱気を、心地良くクールダウンさせる役割を果たした。

 

 アコースティックギター弾き語りによる「Starlight」は、INORANが「『2019』の中で、そして自身のキャリアの中で重要な曲が完成した」と明言する、情緒溢れるスローナンバー。ソウルフルで味わい深いINORANのボーカルが、「Don’t you worry」で少しチルアウトした会場に、ゆったりと響き渡っていく…。

 

 その後、INORANはMCで「この作品を作ってさ、これから神戸、静岡、金沢と日本を周るけど、色々なことがあると思う。でも、1年に1回、こうしてお前らに会えるのが本当に嬉しい。もしまた、ここから先のツアーでも偶然また会って、さらに濃い時間を過ごせたら素敵だね」と語り、『2019』の力強いロックナンバー「For Now」を演奏。ライブは後半へと向かう。

 

 終盤セクションには新旧の人気曲が並ぶ。どの曲にも、自身の楽曲をリアレンジしたセルフカバー作『INTENSE/MELLOW』の完成以降、ライブ演奏をフォーカスし進化を続けてきた、今のINORANバンドらしいリアルな音像が宿り、とても興味深かった。

 

 『TOUR 2019 「COWBOY PUNI-SHIT」』のセットリストは、冒頭で彼がソロをスタートさせた頃の、色彩豊かなミクスチャー・テイストが色濃く反映され、そこから『2019』の楽曲を軸に、これまで歩んできた音楽性の変化が見事に打ち出されている。MCでINORANが語った「東京、本当に最高です。今回のツアーは皆で青春しようぜ!」というコメントも、自身のキャリア集約した“この音”を、会場のファンと分かち合いたいと願ったからだろう。

 

 最後に、INORANは「今日の景色は凄い。今はその先を夢見ているから、まだベストとは断言したくないけど(笑)、昔夢見た“あの光景”に本当に近い。『大切なことは一回だけで何度も言うな』と親に言われているから、一度だけ言います。お前ら本当に愛してるぜ!」「今日はどうもありがとう。ラストはこの曲を皆で歌って帰りましょう」と語り、『2019』の「Long Time Comin」を演奏する。

 

 彼が最終曲として今回、近年ライブのラストを飾ってきた「ALL WE ARE」ではなく、「Long Time Comin」を選んだのは、少しサプライズであった。

 

 しかし、実際のライブで「Long Time Comin」が盛り上がっていく中で、それに応えるように次第に大きくなっていったファンのシンガロングは、以前の「ALL WE ARE」にも勝るとも劣らないものだった。この実景を見た時、「Long Time Comin」が、INORANが今後ライブのラストに望む、これまで以上の感動的な景色を実現するための、十分なポテンシャルを持っていると確信した。その後、INORANは、この日一番のスマイルを我々に見せて、ゆっくりとステージを後にした…。

 

 INORANというミュージシャンの“今”が詳細に描き出された、『TOUR 2019 「COWBOY PUNI-SHIT」』。これから、彼らは8月24日(土)にファンクラブ限定となる神戸VARIT.公演から、8月25日(日)にLIVE ROXY静岡、8月31日(土)に金沢AZと数多くのライブし、彼の誕生日となる9月29日(日)に、TSUTAYA O-EASTで千秋楽公演となる『B-DAY LIVE CODE929/2019』を行う。

 

 INORANの唯一無二な音楽性が、このツアーを経てどのように変化をしていくのか、今からその先の期待は膨らむばかりだ!

 

 

Text by 細江高広

 

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<NEW RELEASE>

 

★New Album「2019」

発売日:2019年8月7日(水)

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【完全生産限定盤-PERFECT BOX-】

NKCD-6868/¥10,000+税/CD+DVD+LP

 

[CD]

1.Gonna break it

2.COWBOY PUNI-SHIT

3.You’ll see

4.Rise Again

5.Don’t you worry

6.Starlight

7.It Ain’t Easy

8.For Now

9.Don’t Know What To Say…

10.Long Time Comin

11.Made Of Fire

 

[DVD]

「Starlight」Music Video

 

[LP]

CDと同内容※KING e-SHOP限定販売

販売ページURL:http://kingeshop.jp/shop/g/gNKCD-6868/

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【通常盤】

KICS-3829/¥3,000+税/CD only

 

[CD]

完全生産限定盤と同内容

 

★ご購入はこちら:https://king-records.lnk.to/2019PR

★配信はこちら:https://king-records.lnk.to/2019_DIID

 

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<LIVE>

 

■INORAN TOUR 2019「COWBOY PUNI-SHIT」

8月31日(土)金沢AZ [OPEN/START]17:30/18:00

9月1日(日)長野CLUB JUNK BOX [OPEN/START]17:30/18:00

9月13日(金)広島SECOND CRUTCH [OPEN/START]18:30/19:00

9月14日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM [OPEN/START]17:30/18:00

9月16日(月・祝)福岡DRUM Be-1 [OPEN/START]17:30/18:00

9月20日(金)仙台darwin [OPEN/START]18:30/19:00

9月22日(日)名古屋ElectricLadyLand [OPEN/START]17:30/18:00

9月23日(月・祝)OSAKA MUSE [OPEN/START]17:30/18:00  SOLD OUT!

 

<B-DAY LIVE CODE929/2019>

9月29日(日)TSUTAYA O-EAST [OPEN/START]17:15/18:00

 

[料金] 立見¥6,300(税込)/DRINK代別

[一般発売日] 2019年7月20日(土)

※3歳以上チケット必要

 

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INORAN OFFICIAL>> http://inoran.org/

INORAN OFFICIAL FAN CLUB「NO NAME?」>> http://inoran.org/no-name/

 

LIVE Photo by:ヤマダマサヒロ@yamada_mphoto










2019年08月24日 (土)

【ライブレポート】0.1gの誤算、全力でやり遂げた!三度目のZepp Diver City◆2019年8月22日(木)<-改・鬼畜企画-Tour Final『俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる』~緑川裕宇Birthday~>

REPORT - 12:00:42

0.1gの誤算

改・鬼畜企画-Tour Final

『俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる』~緑川裕宇Birthday

2019.08.22 @Zepp Diver City

 

 

5月から始まった<改・鬼畜企画『三度目を制する者は、総てを制す』Zepp Diver Cityへの軌跡>と銘打たれたツアーが、本日ファイナルを迎えた。

 

0.1gの誤算(以下、誤算)が、ここZepp Diver Cityにて初めてライヴを行ったのは、一年前の2018818日。

本日同様、ボーカル緑川裕宇のバースデーも兼ねたワンマンだった。

 

“Zeppは俺の人生ではフライヤー配りをしにくる場所だった。

そんな場所に今俺が立ってるっていうのはやっぱり不思議。

夢を掴んだ瞬間って不思議って思っちゃうのかな()

 

これは、初のZepp Diver Cityワンマンを終えた翌日に更新された緑川裕宇のブログに綴られていた言葉だ。

更に、このブログ記事の最後には応援してくれてる奴らへメッセージとして、

 

“Zeppダイバーワンマン最高の景色だった。

しかし後ろまで埋めることはできなかった。

悔しい気持ちもある。

でもそれ以上に楽しかったし誤算史上最高動員を記録したことに間違いはない。

だからこそもう一回この会場と戦いたい。

 

と、次なるステップへ向けた意気込みも書かれていた。

 

その悔しさを糧に挑んだ二度目のライヴは、今年の3月に行われたバンド結成3周年記念ワンマン。

そこでは、これまでに挑んできた大きな会場でのライヴ、様々なライヴでの経験を経てパワーアップした姿を我々に見せ付けると共に、メンバー自身も“100点満点のライヴが出来ていると、胸を張って言える様な景色を創り上げた。

 

そして、三度目となるZepp Diver Cityでのワンマンが、今まさに始まろうとしている。

 

一度目はノリと勢い、二度目はまぐれだと言う人がいるかもしれない。

しかし、三度目は違う。

最高のライヴが出来るのは、誰もが認めざるを得ない確かな実力があるからだ。

 

いつもパワフルなステージ、奇想天外なライヴを行う誤算。

2週間前、渋谷DESEOで行われた1日4公演無料ワンマンの時もそうだ。

そのレポートでは途中までしかお伝えすることが出来なかったが、3回目のライヴのラストに「まだまだパワー有り余ってるから、覚悟しとけよ!」というメンバーの言葉通り、終演後もしばらく鳥肌がおさまらないほど熱いライヴだった。

フロア内は勿論、フロアの外でも終始大勢のファンが暴れ回っている状況で、ラスト曲!と思いきや、もう一曲、更にもう一曲と、時間を忘れて馬鹿騒ぎ出来る空間。

そんな、深く胸に突き刺さる様な衝撃、瞬間を、今日もしっかりと見届けたい。

 

今日のライヴは「男闘魂戦争 燃えよ!誤算光殺法卍」」からエネルギッシュに始まった。

フロアの各エリアは、花道を挟んで、前方が暴れなきゃいけないゾーン、下手後方が暴れないゾーン中央がフリースタイルゾーン、上手後方がマイペースゾーン、その後ろがちびっ子ゾーンとなっている。

フロア前方で激しく暴れるファンに加え、フリースタイルゾーンで早速サークルモッシュが巻き起こったり、キッズゾーンで小さな子供が元気いっぱいに身体を動かしながら楽しんだりしている。

続く「誤算節」、「【S0723【終焉】」でも、緑川裕宇がフロアを走り回るなど、初っ端から容赦ない。

そして「ラスト!」という言葉と共に「21gの感傷」へ。

ラストという言葉が引っ掛かりつつも、全力で応えるオーディエンス。

曲が終わると「ありがとうございました!」と言い、ステージを去るメンバー。

あまりに早過ぎる本編の終了に戸惑う様子も見られたが、少し経つと、自然にアンコールの声が場内に響いた。

 

いったん幕が閉まり、そこには910日リリース予定の新曲「絶望メンブレガール」のMVが映し出された。

爽やかなイケメンアイドルの格好をしたメンバーが笑顔でダンスをするシーンから始まるのだが、途中で曲が急に変化するのと同時に、ダークな衣装に身を包んだメンバーの演奏シーンへと切り替わる。

その瞬間、会場のあちこちで待ってたという気持ちからくる笑いが湧き起こった。

一曲の中で一気に変化する曲調、イメージシーンと演奏シーンのギャップと、誤算ならではの魅力が凝縮された作品だ。

映像が終わると、SEに合わせ、赤いスポットライトに照らされたステージに、新衣装を纏ったメンバーが一人ずつ登場。

新しい0.1gの誤算の幕開けとして、アンコール一発目に届けられたのは、先程映像で流れた新曲「絶望メンブレガール」だ。

MVと同じく、メンバー全員が横並びで可愛らしいダンスを披露し、そこから、本編よりも力強く荒れ狂う様に音を鳴らすメンバー。

会場も一気に熱を帯びる。

新曲の演奏が終わった後には、「これが「絶望メンブレガール」だ!沢山可愛がってくれよ!」という言葉が贈られた。

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その後も、緑川裕宇のキーボードの演奏で普段よりもムーディーな雰囲気を作り出した「196番地の女」、眞崎大輔の小気味好いベース音から始まる「VITAL」と、安定感のある演奏でファンを魅了した。

「ひねくれ者の俺だから、最初からひねくれたセットリストを組もうと思って。

雑誌の取材で、いつかワンマンで、本編2曲だけで、そこからアンコールにしたいって何度も言ってたんだけど、2曲はさすがにと思って、今日は本編4曲にした()。」

と、緑川裕宇が、本日のサプライズの経緯を語った。

また、メンバー同士で、初めてこの会場でワンマンを行った時と今の気持ちの変化、バンドの成長について語る場面では、今年の53(誤算の日)に行われた日本青年館でのワンマンライヴがターニングポイントになっていることも明かしてくれた。

 

今日は、緑川裕宇のバースデーも兼ねたライヴということで、彼のやりたい事が所々に散りばめられていた。

そんな緑川のテーマソング「絶対プリティ生命体緑川のテーマ」から演奏は再開。

ステージに登場したダンサーの間から、勢い良く花道へ飛び出す緑川裕宇。

フロアではモッシュが巻き起こった。

 

そして、今度はドラムセットがステージへ運ばれる。

ドラム神崎流空と緑川裕宇のツインドラムが実現。

二人で息を合わせて演奏したり、ドラムバトルの様に交互にドラムを叩いたりと、想像以上に濃い内容に驚かされた。

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その後は、スペシャルバージョンで存分に暴れることの出来る「必殺!からくり七変化!」、天井に突き上げられる力強い拳とヘドバンで更なる盛り上がりを見せた「アストライアの入滅」と、暴れ曲を繰り出しつつ、ラストはバラード「この声が届くまで」を披露。

「まだまだ続いていくからね。ずっとずっとついて来て下さい。」という言葉と共に、優しさと強さが歌声、音に込められていた。

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メンバーがステージを去った後、再びアンコールの声が場内に響く。

そんな中、解禁されたのは、メンバーの新アー写と今後のライヴ日程だ。

10月から始まる全国無料ワンマンツアー、12月のツアー、メンバーバースデーワンマン、来年1月から始まる4周年ワンマンツアーと、最新情報が次々と映し出された。

そして、誤算の新たな挑戦として掲げられたのは、来年328日に行われる4周年記念ワンマン。

場所は、日本最大の観客収容数を誇るライヴハウス、豊洲PITだ。

 

二度目のアンコールでは「2008年高田馬場エリア」、「フルニトラゼパム」、「混沌的極悪暴曲ヴィジュアロックパロディウス」という、スパイスの効いた危険なナンバーを畳み掛けることに加え、新旧曲を織り交ぜた彩り豊かな構成で、会場のテンションをどんどん引き上げていった。

また、53番目となる新曲「ライラックアイロニー」も披露。誤算の語呂に合わせた53という数字ということで、試行錯誤しながら作ったというエピソードと共に力強く歌い上げた。

ラストは、当初予定になかった楽曲「溺愛ヤンデレボーイ」を追加で演奏するなど、最初から最後まで全力でやり遂げた3時間半だった。

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こうして、三度目となるZepp Diver Cityワンマンでも最高の景色を創り上げた0.1gの誤算。

新たな挑戦である豊洲PITワンマンに向けて、彼等はここからまた走り続ける。

 

 

文◎藤代冬馬

写真◎堅田ひとみ(nonfix creative)

 

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SET LIST

01. 男闘魂戦争 燃えよ!誤算光殺法卍

02. 誤算節

03. S0723【終焉】

04. 21gの感傷

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05. 絶望メンブレガール

06. 敵刺す、テキサス

07. 196番地の女

08. VITAL

09. 絶対プリティ生命体緑川のテーマ

10. 君色トワイライト

11. 希少種達の運命

12. しいたけ人生論

13. 必殺!からくり七変化!

14. アストライアの入滅

15. この声が、届くまで

 

-encore2-

16. 2008年高田馬場エリア

17. フルニトラゼパム

18. 混沌的極悪暴曲ヴィジュアロックパロディウス

19. ライラックアイロニー(新曲)

20. オオカミ男と月兎

21. 獣猛者戦争~轟け!超誤算狩猟!~

22. こんな僕ら、どうですか?

23. アストライアの転生

24. 有害メンヘラドール

25. 溺愛ヤンデレボーイ

 

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<最新情報>

 

4周年記念全国無料ワンマンツアー【有害集団】『無料―いちご増殖化計画』【豊洲PiTヲ襲撃】>

1003日(木)広島SECOND CRUTCH

1004日(金)福岡DRUM SON

1007日(月)愛媛 松山サロンキティ

1008日(火)岡山イマージュ

1010日(木)神戸music zoo KOBE 太陽と虎

1016日(水)金沢VANVAN V4

1017日(木)長野LIVE HOUSE J

1018日(金)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE

1023日(水)仙台HOOK

1024日(木)郡山CLUB #9

1027日(日)幕張イオンモール新都心

1103日(日)熊本B.9 V2

1104日(月・祝)鹿児島SR HALL

1106日(水)高松GET HALL

1107日(木)京都MUSE

1113日(水)盛岡the five morioka

1114日(木)青森Quarter

1117日(日)岐阜 柳ヶ瀬ants

1118日(月)浜松Force

『【プレゼント】ゴサンタ、現る【争奪戦】』

1214日(土)福岡DRUM SON

1218日(水)札幌KRAPS HALL

1221日(土)大阪ROCK TOWN

1222日(日)名古屋HOLIDAY NEXT NAGOYA

1224日(火)新宿RUIDO K4

 

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MEMBER BIRTHDAY ONEMAN

 

水田魔梨バースデー

1230日(土)埼玉HEAVEN’S ROCK

 

眞崎大輔バースデー

0201日(土)赤羽ReNY a

 

神崎流空バースデー

0208日(土)赤羽ReNY a

 

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4周年ワンマンツアー【豊洲PiT】『七天を巡る王』【攻略祈願】>

0104日(土)梅田TRAD

0113日(水)渋谷CLUB Asia

0118日(土)名古屋E.L.L

0224日(月・祝)岡山CRAZYAMAM KINGDOM

0301日(日)札幌cube garden

0307日(土)福岡DRUM Be-1

 

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4th Anniversary ONEMAN『挑戦は終わらない、俺達が俺達であるために』>開催決定!!

2020328日(土)豊洲PIT

 

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★ニューシングル「絶望メンブレガール」

2019910日(火)発売決定!

 

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★0.1gの誤算 オフィシャルサイト★

https://gosan.g1-corp.com/








2019年08月23日 (金)

【ライヴレポート】<ダウト vs DaizyStripper coupling tour 2019『鬼桜~鬼現わる刻 桜舞う~』>2019年7月27日(土)新宿BLAZE

REPORT - 21:27:21

ダウト vs DaizyStripper coupling tour 2019『鬼桜~鬼現わる刻 桜舞う~』と題し、6月23日から繰り広げてきたツアーのファイナル。

7月27日の新宿BLAZEは暑かった!

 

このツアーのコラボ楽曲『鬼桜』MVからのカウントダウンでライヴがスタート。

ダウトが登場すると、一気に会場の温度が上昇した。

オープニングから、ライヴ終盤のような勢いのメンバーの煽りに応えるように一体化するオーディエンス。

その盛り上がりをエネルギーにして更にパワーを増していくダウトは、まさに鬼級の強さを放っていた。

幸樹が「ツアー終わるまでぶちかます気しかないので!!」と最初のMCで宣言した通り、激しさに加え、聴かせる『JUDAS』や、キャッチ―なサビが印象的な新曲『不夜城』など、様々な要素を取り入れたジャパニーズ・カルチャーのような刺激的なサウンドと歌声で全ての者を洗脳していき、存分に魅力をまき散らす。

活動開始から12年経ったが「12年を長いと思っていない。そして、ここまでやってきたことは間違いではなかったと確信した」と話す幸樹の言葉を裏付けるように、終盤は、会場に一斉に扇子が舞う『卍』、ファンの歌声で曲をつなぐ『花咲ビューティ』(ファンの歌声だけのシーンでは、夕霧もステージに乱入してその声に参加するサプライズあり)といった楽曲で、これまでファンと培った交流の深さとバンド愛が溢れる情景を披露してくれた。

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続いて、DaizyStripperの登場。

こちらも「今日に悔いを残すなよ~!!」と夕霧が叫んで勢い良く発進。

ダウトの作った高揚感を保ったままの会場を、DaizyStripper一色に一転させる。序盤の『ダンデライオン』では、ひヵるを迎え入れての特別バージョンで、DaizyStripperのメンバーと仲良く絡んでプレイするひヵるの満面の笑みが、その楽しさと喜びを物語っていた。

ノリのいい曲だけでなく、和傘を使ったパフォーマンスで景色が見えるようなスローサウンドで映えるハイトーンボイスの『雨音のワルツ』なども交えて、DaizyStripperの幅広さを見せつける楽曲で畳み掛けていく。

中盤には、ダウトの『花咲ビューティ』をDaizyStripper版でサプライズ演奏。

ダウトには内緒で進めてきたプランだったようで、予定外でステージに呼び込まれた幸樹は、着替えの最中でキョトン顔のまま舞台に姿を現し夕霧と共に歌った。

 

直後のMCで、ダウトの曲をファイナルでやろうと思いリハーサルを重ねてきたこと。

そして、楽屋に貼り出されるセットリストには、バレないように『ビューティ・ブルーム()』と書いていたこと。

幸樹には「ファイナルに新曲ぶっこむの!? すげー!!」と言われたことなど裏話を明かす。

メンバーもドキドキしていたというドッキリは大成功に終わったようだ。

NAKAYUBI』で、風弥が間違えたこと(本人も全然気づいていないくらいの出来事だったらしい)で曲をやり直し、風弥がメンバーから文句を言われるというハプニングもありながらも、『DEAR MY SIRIUS』では、夕霧が曲中にメンバーそれぞれのもとに順に寄り添って、詞のように仲間を大事にしていることを最大限に歌に乗せて届けるといったメンバー愛に満ちた曲(もちろんファン愛にも満ちた気持ちを乗せて)で、なんだかんだ言っても絆は深いのだということを証明して見せた。

ラストの『decade』では、オープニングに玲夏が完全プライベート用で携帯ムービーを録りに乱入。

夕霧との「こっちにモッシュ!!」を2ショットでおさめて急いで退散した場面もあり、和やかな雰囲気で幕を閉じた。

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 アンコールは、全員が本編とは姿を少し変えて、まずこのツアーでの思いをそれぞれに語る時間となる。

 

直人「6月23日に戻りたいと思いませんか!? そう思えるツアーになりました」

風弥「充実した、刺激的で楽しいツアーでした」

玲夏「とても有意義なツアーでした。最後に(decadeで一緒に)“こっちにモッシュを言えたことが嬉しい!!

Rei「あっという間の12年、共に過ごしてきた仲間とこういったツアーができて良かった」

ひヵる「とても楽しかった!!

まゆ「ツアーは短かった。もっとやりたかったし、またこんなツアーができたらなという気持ち」

威吹「デイジーにはキス魔が多くて、ツアー中8回キスされました()。最高に幸せです」

なお「しょっちゅうイベントなどで一緒にやってきたバンドだから、このツアーが終わるのかと思うと、解散するくらい淋しい!!

幸樹「デイジーだから、この17本をまわれた。ヴィジュアル系が下火という話も耳にするが、自分はそう思っていない。これから先もデイジーと戦って刺激し合っていきたい。このツアーでは全力でぶつかってきてくれてありがとう。絶対負けないけどね()!!

夕霧「ダウトは、ステージでも、ステージを降りてもかっこいいバンド。このツアーは刺激的だった。これを機にDaizyStripperを知ってくれた人もいると思う。化学反応を起こせるこれからの2バンドの未来を応援してほしい」

 

それを聞くと思いは同じだったことが良く分かる。

2007年の同時期に活動開始した2つのバンド。

これまでも、イベントなどで一緒のステージに立ったこともたくさんあった両者が、初めて長期の2manツアーを敢行した。

数々のバンドが解散や活動休止をしていく中、またヴィジュアル系の衰退という話も耳にしながらも、同じ12年間を頑張ってきた同志とのツアーは、心強くもあり、互いを刺激し合えるライバルなのだろう。

これまでも、そしてこれからも中途半端な気持ちではないという証明とでも言うように、このツアーの為のコラボ楽曲『鬼桜』を最後に披露。

コラボ楽曲とはいえ、そのクオリティはすごいの一言に尽きる。

MVでも確かに迫力はあったが、やはり12年のキャリアを持った2つのバンドが自身のバンドの楽曲と変わりなく力を注いだ曲を、生の10人で奏でるという現実はシビレるものであった。

両者バンドの代表的な要素や特徴を存分に取り入れた楽曲はもちろん心躍らせる仕上がりであるが、ライヴではやはり各パートごとのバトルが面白い。

どちらも相手に負けないという姿勢と気合がぶつかり合っているものの、敵対ではなく共存していて綺麗にかつ華やかに笑顔で火花を散らすといったバトルで、観ているこちら側も自然と顔がほころんで心が熱くなってくる。

 

DaizyStripperのライヴ本編時に観客に聞いて判明したことだが、実はこのファイナルの日が初めてのツアー参戦だという者が意外に多かった。

しかし、ここまでの16本のライヴがいかに充実し、切磋琢磨し、仲良く、刺激し合い、認め合って戦ってきたのか、その過程が垣間見れる貴重な17本目のファイナルのアンコールとなったことだろう。

『鬼桜』は、こういう戦友がいるからこそ生まれた作品であり、これまで感じたことのない唯一無二のツアーとなったのではないだろうか。

また、ファン同士ダウト一家”vs“トレゾアではなく、初見でもそうでなくても、同志の絆みたいなものがそこに誕生したのではないかと思える程、一体感とアットホームな雰囲気が会場を包んでいるのを体感し、今後のファン同士の交流にも明るい新しい光が差し込んだように思う。

 

終幕後も鳴り止まないアンコールの声に、DaizyStripperが再び姿を現す。

「このままじゃ終われねーよな!!」の夕霧の声と共に『BLACK DROPPer』が炸裂。

途中からダウトを呼び込むと、『鬼桜』での戦いとは違い、各パートごとにではなく、それぞれが様々なメンバーと絡み合う宴の場となった。

幸樹が直人のドラムセットに腰を下ろして、演奏中の風弥にアイコンタクトで教えてもらいながら叩くシーンあり。

ドラムセットにいないその直人は、コンパクトな和太鼓をフロントに置いて曲に参戦しながらも煽りを担当している。

ひヵるはReiのベースを借りて教わりながら弾いていたようだが、後半はReiが後ろから手だけを出して弾くという二人羽織状態に苦笑いも。

10人が、この2manツアーでしかできないことを最後の最後まで楽しむ様子を、そこにいた全ての者が温かく見守っていた。

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終演を促すメロディーが流れる中、気づけばファンとの交流をギリギリまで行っていた夕霧と威吹のみが舞台に残される。

去り際のステージ袖で夕霧が威吹に急にキスをし、客席に向けて指で9(回目)を示しアピールして消えていった。

これからもこの2つのバンドが変わりなく戦い続いていく限り、この数字はもっともっと増えていくのだろうと、DaizyStripperに潜む悪戯なキス魔の背中に「共に頑張れ!!」とエールを投げた。

 

文◎オフィシャルレポート