2019年09月20日 (金)
【ライヴレポート】DIAURA、キズ、gulu guluの3バンドが激突!MIND-V主催イベント<V霊-ブイダマ-vol.5>◆2019年9月15日(日)新宿BLAZE
REPORT - 20:14:56ニュータイプ・ビジュアル・マガジン「MIND-V」が主催するイベント「V霊-ブイダマ-vol.5」が、2019年9月15日(日)新宿BLAZEで行われた。
チケットはソールドアウト、超満員の会場のオープニングアクトはgulu gulu。
先日、「サンクレイド」に所属することが発表されたばかりの彼らは、自主で活動していた時から過激なパフォーマンスで話題だったが、この日はヴォーカル・哀が、なんと黒いビニールを頭からかぶって登場。
「クソッタレ!」と吐き捨て、「変なメリーゴーランド」を投下すると会場中が激しいヘドバンを繰り出す。
曲の途中でビニールを破り捨て顔を出すと「おい!新宿!喧嘩しに来てんだよ、こっちは!やっちまえ!」と咆哮を響かせる。
続いて「轟音とニードル」「不味い麻酔」と、確固たる世界観と剥き出しの闘争心をステージに叩きつけていく。
ラストはメンバー4人がはけた後、END SEに合わせてのドラムソロ。
予測不能の連続のステージは、バンドのこれからを期待させるに十分なものだった。
二番手はキズ。
風鳴りのようなSEにギターの音が重なると会場から自然と手拍子が沸き起こる。
その手拍子に誘われるようにメンバーが姿を現し、来夢(Vo)がアコギを手にすると“最高の”「ラブソング」からライヴがスタート。
生々しい独白のような歌詞が印象的だった「平成」、「さぁ、始めようか、BLAZE」という宣戦布告で右に左にモッシュで揺れた「十五」や「傷痕」といったキラーチューンが会場を熱くさせる。
そして、「大切な曲ができたので聴いてください」という来夢の言葉で始められたのが10月29日にリリースされる新曲「黒い雨」。
力強くストレートな言葉とメロディは今までのキズにはなかったもの。
切なさ悲しみ、憤り、そしてそれらすべてを包み込むような愛しさが会場に広がった。
後半戦は「豚」、ひさしぶりの「へのへのもへじ」で観客はさらにヒートアップ。
圧倒的な存在感を放ちステージを去っていった。
トリを飾ったのはDIAURA。
8月に自身のレーベル「N.D.G」を設立した彼らのステージは、新曲「FINALE」から幕を明けた。
赤いライトが照らす中、重いグルーヴが会場を満たしていく。
「独裁の庭へようこそ」というyo-ka(Vo)の言葉に導かれ、「シャングリラ」「FAKE [s]」ではオーディエンスがモッシュ、ヘドバン、ジャンプを繰り出しフロアが大きく波打つ。
そんな光景を見て「もっと頂戴!」と翔也(Ba)が煽り、さらに熱が高まっていく。
「gulu gulu、キズ、そしてDIAURA、それぞれを愛するお前達がここにソールドアウトになるまで駆けつけてるんだ!ということは、今この場所は世界のどこよりも狂ってる!そうだろ!?」とyo-kaが言うと、会場から大きな歓声が上がった。
荘厳さを宿した「胎動」、ダンサブルな「嘘とワルツを」etc,緩急自在にフロアを操り、ラストは「断頭台から愛を込めて」。
苦しくなるほどの深い余韻を残してこの日のイベントは幕を閉じた。
gulu guluは、11月5日に2ndシングル「首輪教育のすすめ」をリリース。2020年1月10日にgulu gulu単独営利目的ライヴ【追加公演】「PTSD治療~思春期編~」を行う。
キズは10月29日にシングル「黒い雨」をリリース。11月からは全国12ヵ所のライブハウスを廻るキズONEMAN TOUR「消滅」を開催。
DIAURAは10月2日にシングル「FINALE-Last Rebellion-をリリース。11月からはDIAURA単独公演2019-2020「REBELLIONS PARADE」がスタートする。
それぞれのバンドの新たな展開をぜひ見届けてほしい。
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gulu gulu オフィシャルサイト https://www.gulugulu-official.com/
キズ オフィシャルサイト http://ki-zu.com/
DIAURA オフィシャルサイト https://diaura.net/
MIND-V http://mindv.jp/
2019年09月18日 (水)
【ライヴレポート】<SID TOUR 2019 -承認欲求->2019年9月14日(土)千葉 / 松戸・森のホール21◆────「こんなシドのライブ、アナタは“あり”ですか?」
REPORT - 19:58:18シドの全国ホールツアー<SID TOUR 2019 –承認欲求–>が9月13日(金)千葉 / 松戸・森のホール21(ID-S限定)公演からスタートした。
このツアーは最新アルバム『承認欲求』を携えて行なうもので、シドがホールツアーを開催するのは<SID TOUR 2017「NOMAD」>以来、約2年ぶりとなる。
その期待感からか、東京近郊の公演チケットは発売後すぐにソールドアウト。
そのため、全国12カ所16公演を行なう本ツアーに加え、新たに追加公演として11月21日(木)、東京国際フォーラム ホールAにて<SID TOUR 2019 –承認欲求– FINAL>を開催することを発表したシド。
ここでは、このツアーの幕開けとなった初日公演と同会場でその翌日、9月14日(土)に行われたツアー2日目のレポートをお届けする。
結成15周年のアニバーサリーイヤーを横浜アリーナという大舞台できらびやかに締めくくったシド。
だが、俺らはこんなもんじゃ終わらないし、だからこそまだまだ新しいシドの可能性を追い求めていく。
そんなバンドの野心と未来を見据えた覚悟を感じたライブだった。
<SID TOUR 2019 –承認欲求–>、その2日目のライブを観た。そのステージ上で、シドは予想外のライブを行なっていた。
楽しいだけじゃない、暴れるだけじゃない、聴き入るだけでもない。
観終わった後にこんなにも考えさせられるツアーは、おそらくシド史上初の試み。
ファンならきっと、メンバーから「こんなシドのライブ、アナタは“あり”ですか?」と承認を求められているような気分になるだろう。
それほどまでに、シドに対して抱いていたこれまでのライブ感をぶち壊す、とてつもなく挑戦的で衝撃に満ち溢れたライブがそこでは展開されていたのだ。
まず<SID TOUR 2019 –承認欲求->において、もっとも特筆すべき点は演出、セットリストの選曲を含め、ライブ全体が徹底してアルバム『承認欲求』の世界観、テーマを貫いたものになっているというところだ。
ライブを観ている間は頭のなかに何度も様々なクエスチョンマークが浮かび上がり、疑問を抱き、答えを探し求め、ライブを鑑賞し終わった後も、その深い余韻におそわれる。
このライブをどう観たのか、さらにアルバム『承認欲求』を聴きかえしたとき、あらためて今作をどう自分は捉えたのか。
そこに、ライブを鑑賞したことでしか生まれ得ない“メッセージ”が介在していくというのが今回のツアーのあり方であり、これがシドが新しく提示してきた“考えさせるライブ”最大の特徴のように思う。
そして、このようなライブを表現するために、本ツアーはホールならではの見せ方として、紗幕や立体的なセットを使ってライブ冒頭、曲中、さらには次の曲へと転換する瞬間に至るまで、いたるところに“文字”をメインにした映像を映し出すプロジェクションマッピングの演出がほどこされている。
なので、いつものように大歓声をうけながら、ゆうや(Dr)、明希(Ba)、Shinji(Gt)に続けて、マオ(Vo)が現れるというにぎやかな登場シーンもなく、ライブはオープニング映像からいきなりオーディエンスを『承認欲求』の世界へと淡々と引き込んでいく。
そうして演奏が始まるやいなや、観客たちはステージにいるメンバーと次々と目に飛び込んでくる文字、その2つを同時進行で追いながらライブを鑑賞していくことになるのだ。
マオは最初のMCで、その新しいアクトを目を凝らしてじっと見つめるファンに「いつもとはひと味もふた味も違ったシド。最後までよろしくね」と笑顔で声をかけ、張り詰めた緊張感を解いていった。
その後も、彼らは次々とアルバム『承認欲求』収録曲をプレイしていき、最終的にはアンコールも含め、このライブを通じてアルバム収録曲すべてを披露した。
『承認欲求』は、いろんな音を重ねるよりも、引き算でよりシンプルなサウンドへと向かうシドが浮き彫りになったアルバムだった。
そのサウンド感を反映した「淡い足跡」。
こちらは、ライブでは淡々としたバンドアンサンブルに脈打つ3人の熟練した音のスケッチに、マオの心地よい歌声が重なり、17年目のシドだからこそできる奥行きのある伸びやかな音空間を描いてみせた。
それとは対照的だったのがエモーショナルなバラード「涙雨」のアクトだ。
地を揺らすようなリズムで、バンドサウンドがダイナミックな音像で解き放たれていく瞬間は迫力満点。
その上で、マオがエモーショナルな歌で切々と観客の心を鷲掴みにしていくと、会場は息を飲むようにその展開に没頭していった。また、文字の演出が加わったことで、アルバムで聴くのとライブでは楽曲の意味合い、印象が変わった曲もあった。
例えば、不思議な旋律が印象的なバラード「手」などは、演奏前に観客に語りかけるような口調で綴られたメッセージを文字で見せることで、この楽曲の温かみがより際立ち、激し目のロックチューン「Trick」は、ゆうやがクラップを求め、その後マオが「カモーン」と叫ぶと歌詞の文字がステージ上で激しく飛び交い、それに合わせて客席にはどんどん拳が広がり、音源以上にスリリングな盛り上がりを作っていった。
さらに、CDでは打ち込みを使っていた「ポジティブの魔法」、「デアイ=キセキ」もライブでは生演奏にアレンジされていて、どちらの曲も、演奏が始まったとたんに場内にピースフルな空気が広がっていったのが印象的だった。
また、これらのアルバム曲のなかにフィーチャーしていく過去曲のチョイスも秀逸で、なかでも「妄想日記」は、
今回のアルバムの世界観に見事にハマっていて、曲の脅威が倍増して聴こえてきた。
こうして、ライブはアルバムの世界観をとことん貫きながらも、もちろん「Dear Tokyo」をはじめとしたおなじみのライブ定番曲で盛り上げていくパートもちゃんとある。
そこでは、観客たちはいつものようにコール&レスポンスやシンガロングを繰り広げ、ボルテージをあげながら一丸となってスパークしていく。
また、シドならではの気取らないメンバートークも健在だ。
この日は、とくにShinjiが絶好調で「承認欲求は僕にもあります」といって、それなのに自分のスマホやiPadは顔をかざしても自分だと承認してくれず開かないことがよくあるのだと伝えると、横からマオが即座に「Shinji、それ承認じゃなくて“認証”だから。顔認証!」と突っ込む。
だが、この日のShinjiはそれに「でも、業界人は(言葉を)逆にいったりするでしょ?」と奇跡の切り返しをしてみせ、みんなを大いに笑わせていた。
その後、アンコールの最後まで新しいシドで観客を魅了していった4人。
マオは「最高に気持ちいいライブをありがとう」と集まってくれたファンに感謝の気持ちを伝えた後「「涙雨」を歌ってる最中、俺は歌の世界に入ってるんだけど、今日は歌い終わった後、すすり泣く声が聴こえてきて。
“俺はまだ人の心を動かせる歌が歌えるんだ”“まだやれるんだ”と思ったとき、俺の承認欲求が満たされました」と心の内を打ち明けた。
ファンだからこそ理解できるその想いの深さに、そっと涙を流す観客たち。
だが、その涙をさえぎるように「でも、まだまだ俺は満足してません。
ヴォーカリストとして、シドとしてもっと上を目指すんで、よかったらこれからもついてきてください」と力強い言葉を残して、この日のステージを終えた。
結成16年を迎え、『承認欲求』というアルバムと本ツアーで新たなスタートをきったシド。
この後行なう全国ツアーで、ぜひともこの新しいシドのライブを体感してみて欲しい。
このツアーをどう判断するのか、さらにアルバム『承認欲求』が問いかける本質とはいったいなんなのか。
ライブを観覧した後その答えを考え、11月21日のツアーファイナルとなる追加公演で、その答え合わせをしてみてほしい。
文◎東條祥惠
写真◎今元秀明
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<SID information>
■ホールツアー情報
▼SID TOUR 2019 –承認欲求–
9月23日(月・祝) 群馬 / ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
9月25日(水) 神奈川 / カルッツかわさき
10月5日(土) 宮城 / 東京エレクトロンホール宮城
10月12日(土) 埼玉 / 大宮ソニックシティ
10月14日(月・祝) 岡山 / 岡山市民会館
10月19日(土) 大阪 / 大阪国際会議場メインホール
10月20日(日) 大阪 / 大阪国際会議場メインホール
10月22日(火・休) 福岡 / 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
11月2日(土) 愛知 / 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
11月3日(日・祝) 愛知 / 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
11月5日(火) 東京 / 中野サンプラザホール
11月6日(水) 東京 / 中野サンプラザホール
11月9日(土) 新潟 / 新潟テルサ
11月13日(水) 北海道 / カナモトホール(札幌市民ホール)
【チケット料金】 全席指定 ¥7,500(税込) ※4才以上有料
【チケット発売中】 詳細はコチラ https://sid-web.info/event/205939
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▼SID TOUR 2019 –承認欲求– FINAL
11月21日(木) 東京国際フォーラム ホールA OPEN 17:30 / START 18:30
【ID-S BASIC3次先行予約】9月25日(水)12:00~10月1日(火)16:00
※9月23日(月・祝)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。
【プレイガイド先行】ローソンチケット https://l-tike.com/sidtour2019/
受付期間 9月4日(水)12:00~9月10日(火)23:00
【チケット料金】全席指定 ¥7,500(税込) ※4才以上有料
【チケット一般発売日】 10月13日(日)
■ニューアルバム『承認欲求』NOW ON SALE
【初回生産限定盤A(CD+DVD)】 KSCL-3180/1 ¥3,611+税
【初回生産限定盤B(CD+写真集)】 KSCL-3182/3 ¥3,611+税
【通常盤(CD)】 KSCL-3184 ¥2,870+税
詳細はコチラ https://sid-web.info/music/217996
■『承認欲求』Music Video(YouTube) https://youtu.be/zhbvYB3lrjE
■サブスクリプションサービス https://kmu.lnk.to/sid_digital
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2019年09月13日 (金)
【ライヴレポート】<PENICILLIN LIVE2019~祭り~>2019年8月31日(土)赤羽ReNY alpha◆満員の観客と荒ぶるライブの熱気で、会場は猛暑ならぬ「サウナ祭り」!!
REPORT - 23:36:28
8月31日(土)という夏も終わりを迎えた時期に、PENICILLINが終わりゆく夏を派手に締めくくる夏祭り、その名も「PENICILLIN LIVE2019~祭り~」を赤羽ReNY alphaを舞台に行った。 祭り囃子が流れる会場は、隅から隅まで観客たちが埋めつくしたように、開演前から場内はもの凄い熱気に包まれていた。たくさんの期待を胸に、彼らがこの日、どんな熱狂の祭りを描いたのか、ここへ記そうか。
華やかなEDM系の祭りビートに乗せ、メンバーが舞台へ姿を現した。ステージ上の3人とも、祭りの場に相応しい浴衣姿。ライブは、インディーズ時代からステージを彩り続けてきた「Quarter Doll」からスタート。突き刺すようような千聖の激しいギター音に煽られた観客たち。そこへ重なったHAKUEIの「祭りだー!!」の声。ザクザクとした千聖のギターの音が、O-JIROの轟くドラムの音が場内の熱気を掻き回す。ワイルドな演奏の上で、挑むようにHAKUEIが歌声をぶつけてゆく。ド頭からスリリングな演奏が観客たちの荒ぶる気持ちを熱く触発。誰もが天高く拳を突き上げ、舞台上からあふれ出る荒ぶる衝撃をしっかり受け止めていた。
妖艶な魅力を振りまきながらHAKUEIが歌いだしたのが「99番目の夜」だ。心を陶酔させる艶やかな歌声の横では、千聖が轟音を撒き散らす。それが、PENICILLINが示した今宵の宴のスタイル。陶酔と過激、二つの魅力を絶妙に絡めながら進むステージ。熱気と恍惚に、早くも気持ちがメロメロに崩れそうだ。
野太いギターリフが連れてきたのが、「秘蜜のデザート」。タイトなO-JIROのビートを背に受け、HAKUEIがしゃくりあげるように歌を突きつける。攻めゆく姿の中へ甘い陶酔を覚えさせるところも、HAKUEIの歌唱スタイルの特徴だ。なじるように、でも優しさも秘めながら歌う姿が艶かしい。突き刺す演奏が、感情を荒く揺さぶる、さぁもっともっと興奮の蜜を与えてくれ。
突き刺す演奏をさらに加速させるように、PENICILLINは「γ-大戦」を演奏。挑む姿勢のまま、切っ先鋭い歌と演奏を満員の観客たちの身体に、心臓(ハート)に刺し続ける。途中、艶かしいHAKUEIの歌声響くメロウなブロックも登場。巧みに緩急を付けながらも、高ぶった気持ちのテンションを落とすことなく、ライブはどんどん熱を膨らませ続けていた。
MCの第一声が「熱いね」という言葉。思わず場内からも「熱ーい」の声が飛び交うほど、序盤にも関わらず、早くも場内には熱気が渦巻いていた。PENICILLINにとって「祭り」というテーマは、意外にも初。「浴衣って涼しいイメージがあるでしょ。熱いね」と、話題も熱気に向いてしまう気持ちもわかる気がする。
次のブロックで飛び出したのが、感情を一気に天高く連れ出す爽やかな開放チューン「WARP」。今宵は熱気も一緒に引き連れながら、青空へ向かって羽ばたくようにどんどんテンションを上げてゆく。むしろ、このままメンバーらと共に、真夏の熱狂を取り戻す景色へワープしたい。甘い陶酔導くHAKUEIの歌声とは裏腹に、激烈な音で爽快さへ刺激を注ぎ続ける演奏陣。そのバランス感が、嬉しく身体を騒がせる。
ザクザクとした野太い千聖のギターが、身体を跳ねさせるロックンロールなリフビートを刻みだす。「UFO 対 ラオウ」の登場だ。扇子を扇ぎながら歌うHAKUEI。パーティロックな演奏へ誰もが身を任せ、心地好く身体をシェイク。誰もが童心に返り、ロックンロールな宴へ無邪気に身を任せ身体を揺らし続けていた。
激しく攻めるようにPENICILLINは「ヒットエンドラン」を演奏。今にもけしかけんばかりの勢いに乗せ、彼らは歌と演奏をぶち噛ます。巧みに文字や映像などの演出も加え、PENICILLINは視覚面でも観客たちを挑発し続けていた。途中、千聖と観客たちによる「ヒットエンドラン」の掛け合いも登場。まさにここは、夏の高校野球の試合を彷彿させる熱気と精神力とをぶつけあう戦いの場だ。
「夏の名残を楽しもうという企画なんですけど、夏真っ盛りだね」と語るHAKUEI。次の曲は、HAKUEIが涼しい気持ちを求めて選んだ楽曲。奏でたのが、「蛍火」。クールだけとエモーショナルなグルーヴを持った演奏に乗せ、HAKUEIが哀愁を胸に抱きながら切々と歌を唱えてゆく。背景には蛍火を模倣した光の映像が優しく飛び交っていた。身体は冷めぬ熱に包まれながらも、心には、晩夏の夜の風のような肌をスーッと涼しく撫でる歌を届けてくれた。
「夏といえば、この曲」として選んだのが、「男のロマン」。今回は、楽曲を祭り囃子風のリズムに変え、「男のロマン(祭りver.)」として披露。千聖とファンたちによる「ぶんぶんぶん ぶぶんぶぶん」の掛け合いを受け、楽曲は一気にぎらつく太陽をつかむように駆けだした。滾る感情を、男気満載な歌と演奏に投影。途中、巧みに祭り囃子も折り込み、より一層夏のギラギラ感を増してゆく。HAKUEIと観客たちによる掛け合いなども加えながら、PENICILLINは会場にどんどん熱を膨らませていく。
脹らんだ熱を増幅させるように、PENICILLINは「聖・MARIAN HURRICANE」を演奏。胸くすぐるキャッチーでパンチの聞いたロックナンバーが気持ちを嬉しく騒がせる。こんなハリケーンなら、いくらでも巻き込まれたい。
突きつける激しい演奏が、ふたたび気持ちを戦いの場へ連れ出した。スリリングな空気を醸しながら、HAKUEIが「赤裸の境界」を歌いたす。千聖の野太いギターサウンドとO-JIROの速射砲のようなビートの上で、艶かしくも観客たちを煽るように歌うHAKUEI。心地好い緊張感が、たまらなく刺激的だ。その熱をつかむように、フロアからも無数の手が舞台上へ伸びてゆく。その景色も壮観だ。
ライブも終盤戦へ。PENICILLINはフロア中に渦巻く熱気ごと彼方の世界へ連れ出すように、「飛ばせ!!」と開放疾走ロックチューン「スペードKING」をぶち噛ました。野獣の咆哮のように荒ぶる千聖のギターの音へ飛び乗り、HAKUEIが風を切るように煽り続ける。なんて、気持ちをぶっ飛ばしてくれる楽曲だ!!!このまま感情をぶっ千切れ!!!
熱狂に熱狂を重ねるように、熱気へ熱気を注ぐよう、PENICILLINはワイルドにブーストした「Dead Coaster」を演奏。高ぶった気持ちを、もっともっとアゲていけ。そのまま狂い咲け。まさに理性を消し去る衝撃を、PENICILLINは満員の観客たちにぶち蒔けていった。
最後にPENICILLINは「DEATH DANCE」叩きつけ、フロア中を無数の拳突き上がる風景に。黒く激しいダンスビートを相棒に、絶叫飛び交う中、身体と身体をぶつけあう祭りの様を描きあげていった。メンバーと観客たちによる「DANCE DANCE DEATH DANCE」と荒ぶる声を上げてのやりとり。互いに感情を剥き出しに宴の中で暴れ祭る。まさに、熱狂が支配する祭りの風景がそこには生きていた。
アンコールでは、O-JIROセレクションナンバーをお届け。披露したのが、祭りビートを持った「WARNING」。激しく疾走する跳ねたビートの上で、HAKUEIが煽るように歌をぶつけだす。身体を熱く騒がせる楽曲へ触発され、フロア中の人たちも身体を小刻みに揺らしていたのも印象的だ。今宵は徹底して「祭り」を意識。その姿勢が嬉しいじゃない。
続いて披露したのが、「ロマンス」だ。会場中の人たちが、メンバーと一緒に歌を口ずさみながら、気持ちに興奮のアドレナリンを注ぎ込む。フロアのあちこちで揺れる手の花は、彼らへ想いを捧げる証。何時だって「ロマンス」は心に火照った陶酔を与えてゆく。大きく花開いた無数の手の花が、その想いを示していた。
ふたたびアンコールへ。PENICILLINが最後に届けたのが、「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」。猛々しいO-JIROのドラムビートに導かれ、気持ちが騒ぎだす。身体を突き刺す千聖の弾く荒々しいキターリフが、感情を滾らせる。HAKUEIの煽りを受け、誰もが身体を揺さぶり騒ぎ続ける。さぁ、激しく身体を折り畳み、このまま熱狂の黒い渦の中へ呑み込まれてしまおうか。
熱気と熱狂を重ね、真夏を取り戻すような「祭り」を今宵のPENICILLINは見せてくれた。9月に入って以降も、PENICILLINは様々な動きを用意している。中でも、11月6日 に発売が決定したミニアルバムの完成が今からとても楽しみだ。
PHOTO: Takatsugu Kanda
TEXT:長澤智典
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PENICILLIN WEB
PENICILLIN twitter
https://twitter.com/PENICILLIN_info
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★インフォメーション★
千聖/O-JIRO BIRTHDAY LIVE決定!!
■ O-JIRO BIRTHDAY LIVE 「とのさまGIG 2019」
会場:新宿ReNY
19.9月14日(土) 17:15/18:00
19.9月15日(日) 16:15/17:00
■ 千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK~strawberry~」
会場:恵比寿LIQUIDROOM
19.10月5日(土) 17:15/18:00
19.10月6日(日) 16:15/17:00
[Ticket]
オールスタンディング¥6,500(税込/D別)
※6歳以上チケット必要
■ チケット情報
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・チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:155-783]
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=155-783
・ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード:71854]
https://l-tike.com/order/?gLcode=71854
・e+ http://eplus.jp
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<公演に関するお問い合わせ>
サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822 (平日12時~18時)
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PENICILLIN WINTER TOUR 2019 決定!!
WINTER TOUR 2019 FC LIMITED(仮)
■ 11月9日(土) 新横浜NEW SIDE BEACH!![FC ONLY]
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
WINTER TOUR 2019(仮)
■ 11月16日(土) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
■ 11月17日(日) 柏PALOOZA
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
■ 11月23日(土) 仙台HOOK
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]キョードー東北 022-217-7788
■ 12月1日(日) INSA福岡
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]GreeN Music 092-714-0230
■ 12月7日(土) 江坂MUSE
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]YUMEBANCHI 06-6341-3525
■ 12月8日(日) 名古屋SPADE BOX
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]ズームエンタープライズ 052-290-0909
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HAKUEI BIRTHDAY LIVE 「SUPER HEART CORE ’19」
■ 12月15日(日) TSUTAYA O-EAST
OPEN 17:15 / START 18:00
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
チケット
前売料金(税込) ¥7,000
当日料金(税込) ¥7,500
別途ドリンク代
※6歳以上チケット必要
チケット情報
QUARTER DOLL先行 9月13日(金)12:00~9月23日(月祝)18:00
モバイルFC先行 9月25日(水)12:00~9月29日(日)18:00
オフィシャル先行 10月3日(木)12:00~10月10日(木)18:00
制限枚数:各4枚
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★音源情報★
待望のMiniAlbum 2-type同時発売決定!!
2019年11月6日(水)
待望のMiniAlbum 2-type同時発売決定!!
詳細近日公開
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―セットリスト―
「Quarter Doll」
「99番目の夜」
「秘蜜のデザート」
「γ-大戦」
「WARP」
「UFO 対 ラオウ」
「ヒットエンドラン」
「蛍火」
「男のロマン(祭りver.)」
「聖・MARIAN HURRICANE」
「赤裸の境界」
「スペードKING」
「Dead Coaster」
「DEATH DANCE」
-ENCORE.1-
「WARNING」
「ロマンス」
-ENCORE.2-
「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」