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2023年11月11日 (土)

【ライヴレポート】<Ricky Birthday Live 2023「THE☆IWAINA☆祭夜」~生まれて翔び出てエイリア~ン♡~>10月21日・22日 渋谷REX◆

REPORT - 12:00:47

RIDER CHIPSのシンガーであり、ソロ・アーティストとしても活動しているRickyが<Ricky Birthday Live 2023THEIWAINA☆祭夜」~生まれて翔び出てエイリア~ン♡~>と銘打ったライブを、1021日・22日の2日間にわたって渋谷REXで行なった。

恒例になっているバースデー・ライブだが、Ricky20234月からワンマン・ライブは休止しているため、今年は行なわれないのではと気を揉んだファンは多かったと思う。

 

そんな中、今年もバースデー・ライブは無事開催され、さらに初日はダンサー2名とジャグラー、そしてキーボードにkiyoNicoli Light Toursex.Janne Da Arc)を招いたバンドレス・スタイル、2日目は通常のサポート・メンバーにプラスして初共演となる広末慧(g)を迎えたバンド・スタイルという2ウェイで行われることがアナウンスされた。半年ぶりの公演であると共に、スペシャルという言葉がふさわしい内容ということで渋谷REXには両日ともに多数のリスナーが集まり、華やいだバースデー・ライブとなった。

 

初日のライブは「裸☆KING」で幕を開け、「我儘EMOTION」「NIGHT&DAY」などを続けて聴かせる流れからスタート。打ち込みを主体にしたアーバンなサウンドは心地好さに溢れているし、強い存在感を発しながらエモーショナルな歌声を聴かせるRickyの姿に目を奪われる。オーディエンスもライブが始まると同時に一体感に溢れたリアクションを見せ、場内は瞬く間にRickyの世界へと化した。

 

 

 

「本日の待ち合わせ場所は渋谷REXで、皆さん無事到着。よかったです。そして、僕らも無事このステージに辿り着きました。コロナがあって、こうやってライブにたどり着くことすら奇跡に近いことがわかりました。今日はRickyソロ・ライブをたっぷりとお届けしますので、ぜひぜひ最後まで楽しんでいってくださいませませ」というRickyの挨拶を挟んだ後は、ウォームかつ明るい雰囲気の「メトロリズム」や翳りを帯びたスロー・チューンの「アオイツキ」、無機質なサウンドとRickyの情熱的なボーカルの取り合わせを活かした「iの炎」などが届けられた。

 

 

 

 

 

 スタイリッシュなテイストを保ちつつ様々な情景を描いていく構成に惹き込まれるし、1曲の中で絶妙な抑揚をつけるRickyの歌唱力の高さはさすがの一言。彼がボーカルで楽曲のダイナミクスをコントロールすることで11曲がドラマチックな味わいになり、打ち込み主体のライブでいながら平坦さを感じさせないことが印象的だった。また、Rickyは歌うことが本当に好きなんだなということが全編にわたって伝わってくるのも実によかった。

 

 ライブ後半ではサイバーな雰囲気が香る「覚醒リフレーミング」「HURRY UP!!! 」、ダンサブルな「曖昧モラトリアム」などを相次いでプレイ。気持ちを引き上げるサウンドとダンサーを核にした躍動感に満ちたステージにオーディエンスの熱気はさらに高まり、場内はクラブを思わせる華やかな盛り上がりを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

そして、「世界はいろいろある中で、こうやって1日楽しめるということは中々ないですから。今日は皆さんと一緒にこの1日を楽しみたいと思います。一緒に歌ってください」というRickyの言葉と共に、本編のラストソングとして「I’m Alive」が演奏された。煌びやかなサウンドと熱く歌い上げるRickyのボーカルのマッチングが決まって、場内は感動的な空気に包まれた。

 

 

 

 

 初日のライブはアダルトな雰囲気で、Rickyの美意識がより色濃く反映されたステージという印象だった。深みや抒情性を湛えていながら、決してしんみりとした雰囲気ではなく華があるという独自の世界観は本当に魅力的で、魅せるという言葉が似つかわしいライブをバシッ!と披露した手腕が光っていた。

 

 2日目のライブはクールなEDMチューンの「AGITATOR of Amy」で幕を開けた。初日とは異なるバンド・スタイルということで、1曲目からバーン!といくのかなと思っていたが、こういった惹きこみ系の楽曲でライブをスタートさせる辺りは心憎い。初日同様、ライブが始まると同時にオーディエンスの心がステージに強く惹き寄せられたことが如実に感じられた。

 

 

 

 

 

 「AGITATOR of Amy」を聴かせた後、ステージにバンド・メンバー達が姿を現し、爽やかな「キミリテラシー」やサンバ・テイストが心地好い「人の振り見て我がREFRECTION」、アッパーかつエモーショナルな「洗脳ビリーヴァー」などが相次いで演奏された。生バンドならではの生き生きとしたサウンドとRickyの情熱的なボーカルにオーディエンスの熱気も高まり、場内はいいムードで盛りあがる。惹き込んでから、一気にハジケるという流れが奏功して、ライブは上々の幕明けとなった。

 

 

 

 

 

 その後はRickyの「昨日はバンドレスで、これぞRickyワールドという世界観をお届けしましたが、今日はバンドです。最強の仲間を揃えています。よろしくお願いします」というMCも挟みつつウォームなバラードの「夢・見・事」や、緊迫感を放つ「生命の声明」、ダークな歌中とメロディアスなサビのコントラストを活かした「Ga.rA.Ku.tA」などが演奏された。昨日以上にメリハリの効いた構成は観応えがあえるし、気持ちを駆り立てる力に満ちている。それぞれの楽曲のエモーションを巧みに表現するRickyのボーカルとサポート陣の演奏力の高さも相まって、中だるみなどは一切ないライブになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 パワフルな「ヨウコソサヨウナラ」で幕を開けたライブ後半ではスタイリッシュな「サイレント・トーク」や、デカダンスが香る「↑UPSIDEDOWN」などを畳みかけるようにプレイ。ステージ中央に立ち、力強い歌声を聴かせるRickyとフィジカルなステージングを織り成すメンバー達の姿とアッパーなサウンドにオーディエンスも熱いリアクションを見せ、場内の熱気はどんどん高まっていった。

 

 

 

 

 その後はメロディアス&ドラマチックな「RMY WORLD 」が届けられた。情熱的に歌い上げるRickyのボーカルの聴き応えは圧倒的で、強く心に響く。昨日と同じく、心地好い余韻を残してRickyはステージから去っていった。

 

 

 

 

 2日目のライブはバンド・スタイルだったが、ただ単に勢いがあるだけではなく、打ち込みとバンド・サウンドを巧みに融合させて透明感を湛えた独自の世界を創出していることが印象的だった。どんな形態であれRickyらしさを打ち出す辺りはさすがで、彼が表現したいものが明確なことをあらためて感じることができた。

 

 2デイズ公演でそれぞれ大きく異なったアプローチを採りつつ、共に上質なライブを披露してみせたRicky。バースデー・ライブにふさわしくアンコールでバースデー・ケーキが登場するシーンなどもあったが、ライブ全体としては企画色は薄く、あくまで音楽でオーディエンスを魅了したことも心に残った。Rickyの魅力を改めて実感できたこともあり、早い時期に本格的な活動を再開することを強く願わずにいられない。

 

 

取材:村上孝之

カメラマン:Lestat CM Project

 

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10/21_SET LIST

 

SE_R.I.C.K.Yのテーマー

01_裸☆KING

02_我儘EMOTION

03_NIGHT&DAY

 ーMCー 

04_メトロリズム

05_雨のスパイラル

 ーMC

06_アオイツキ

07_iの炎

08_覚醒リフレーミング

09_HURRY UP!!!

10_SYNCHRO2CITY

11_曖昧モラトリアム

12_I’m Alive

 ーEC①ー 

13_愛の手紙

14_ヨウコソサヨウナラ

15_Hi-Techno-Boy

16_UPSIDEDOWN

 ーEC②ー

17_ALIEN from TOKYO

18_RMY WORLD

19_My name is・・・

 

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<出演者>

VoRicky

Mnp&Gt:巧

DancerKO-HEY

DancerKAZUKI

PerformarKay

Sax:津田征吾

Keykiyo(Nicori Light Tours / ex.Janne Da Arc)

 

 

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10/22_SET LIST

 

01_AGITATOR of Amy

02_キミリテラシー→

03_人の振り見て我がREFRECTION

04_洗脳ビリーヴァー

05_SING A SONG

 ーMC

06_夢・見・事

07_生命の声明

08_愛しのEMERGENCY

09_Ga.rA.Ku.tA

 ーソロセッションー

10_ヨウコソサヨウナラ

11_サイレント・トーク

12_UPSIDEDOWN

13_RMY WORLD

 ーEC①ー 

14_独りかくれんぼ

15_ソラノカケラ

16_未来☆ワールド 

17_銀河ノ果

18_ALIEN from TOKYO

 ーEC②ー

19_O.1.OOnly One Ocean

20_ラブ♥︎ドッキング

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<出演者>

VoRicky

Mnp:巧

Gt:広末慧

BaYUCHI (sukekiyo)

DrMINAMI

Key:おおくぼけい (アーバンギャルド)

 

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Official YouTube
https://youtube.com/c/HyperNeoSoloist

Ricky オフィシャルサイト
http://hyperneosoloist.com/ricky/

Ricky BLOG
https://ameblo.jp/ricky-soloist

Ricky twitter
https://twitter.com/Ricky_A_Prmkv


2023年11月03日 (金)

【ライヴレポート】<AKi 2MAN Tour 2023 「NO BORDER.」>10月28日(土)@SHIBUYA CLUB QUATTRO

NEWS - 12:00:04

ロックバンド・シドの明希(Ba)によるソロプロジェクト“AKi”が、9月より全国6箇所を回った<AKi 2MAN Tour 2023 NO BORDER.」>のファイナル公演を、1028日(土)に東京・SHIBUYA CLUB QUATTROにて開催した。

 

これまでAKiを支えてきた同士に声をかけて実現した、今回の対バンツアー。SHIN、アルルカン、TOTALFAT、武瑠と豪華ラインナップが集ったツアーのファイナルの対バンに迎えたのは、AKiが「可愛い後輩」と語るDEZERT。ジャンルの枠を越えた熱い音楽のぶつかり合いで、新しいSTORYを作り上げたツアーのファイナルの様子をレポート。

 

先攻はDEZERT。会場の照明が落ち、仄暗いステージにメンバー4人が登場。一瞬の静寂からMiyakoGt)のギターが怪しく響き、1曲目「「擬死」」でライブがスタート。立体感あるサウンドと千秋(Vo)のささやくようなヴォーカルで世界観を丁寧に構築すると、溢れる感情を吐き出すように激しく展開する歌と演奏に、固唾をのむように見守ってた観客からヘドバンが起きる。1曲目にして観客の心をガッツリ掴むと「初めて観る奴らも今まで見てきた奴らも全員で行くぞ!」と千秋が煽り、「君の脊髄が踊る頃に」へ。SORADr)のダイナミックなビートに観客がヘドバンを合わせ、SacchanBa)が重厚なサウンドでヘヴィなグルーヴを生むと、千秋の美しく憂いある歌声が響く。

 

 

 

 

「胃潰瘍とルソーの錯覚」、「異常な階段」と続き、SORAのドラムソロで始まる「Call of Rescue」は千秋の痛切な歌声やMiyakoのギターソロで聴く者の感情を揺さぶる。MCでは「気合い入ってんのか? 兄さんの前なんだよ。「アイツらすげぇな」って言わせてぇんだよ。ビビって出て来れないようにしてやりてぇんだよ、俺らに殺されちゃうって思わせたいんだよ!」と煽り、「分かったら俺のリズムに乗って来い」と激しくドラムを打ち鳴らすSORASacchanがお誕生日であることを明かし、おめでとうコールが起きたメンバー紹介を経て、始まった曲は「殺されちゃう」。

 

 

 

ミラーボールの光がきらめく中、4つ打ちのビートに乗せて<さぁ 踊れ どうせ殺されちゃう>と歌う物騒なダンスチューンに体を揺らす観客に「AKiさんのファンも温まって来てんじゃない?」と告げ、間髪入れずに「脳みそくん。」へと続くと、ライブは終盤戦へ。ラウドな演奏で始まった「「君の子宮を触る」」に大合唱とヘドバンの波が起き、「僕等の夜について」に拳と掛け声が上がり、フロアが大きな盛り上がりを見せる。

 

 

 

 

最後のMCでは、「私たちDEZERTは、来年2024年に日本武道館でやるって言った。確かに言ったんだよ。だから今日から「全員付いてこい!」って言おうと思ってる」と、武道館に向けての意気込みを語った千秋。さらに「ファイナルにDEZERTを選んでくれて、ありがとうございます。知らない先輩、知らない人に頭を垂れるのが嫌でバンドを始めたんですが、AKiさんは頭の上がらない先輩の一人です」とAKiへの感謝を告げると、「いま時間を見たらちょっと押してるんです。頭が上がらないまま戻るんで、みなさん助けてください!」と笑わせ、「ここでは綺麗なものだけ探しましょう」と、本編ラストとなる「The Walker」へ。たっぷり気持ちを込めた歌と演奏で、ポジティブなメッセージを届けた彼ら。武道館に向けて迷わず前に進む前向きな気持ちと、AKiやこのツーマンライブへのリスペクトを感じる美しく清々しいエンディングだった。

 

 

 

 

続く後攻はAKiSEと手拍子に迎えられ、ゆっくりステージに登場すると、貫禄さえ感じさせるどっしりとした演奏から、「飛ばすぜ、渋谷!」と「HEADZ UP」でライブの始まりを告げると、観客が拳と掛け声を上げて応える。「渋谷、最高か!? 突き抜けるぜ!」と始まった「STORY」は、MOTOKATSUDr)のエネルギッシュで疾走感あるドラムに会場中から掛け声が上がり、AKiがドライブ感あるベースと力強い歌声を聴かせると、加藤貴之(Gt)とYOUSAYGt)が息の合ったギターアンサンブルで魅せる。対バンツアーでライブの猛者たちと熱い音楽でぶつかり合って来た、バンドの状態は絶好調。「もう1曲行こうぜ!」と「Brave New World」を叩き込むと、フロアの熱量がどんどん上昇していく。

 

 

 

 

黄色い歓声が上がる中、「ようこそ、『NO BORDER.』ファイナル! めちゃめちゃ熱い戦いを全国でやってきました」と挨拶して始まったMCでは、DEZERTを指して「間違いなく言えるのは、今日の対バンはいままでで一番極悪なバンドだと思います」と笑わせ、「ステージに残してくれたDEZERTの力を借りて、このステージを最高潮に持って行きたいんですけど、みなさん準備は出来てますか?」と告げたAKi。「ツアーで掲げたテーマは“NO BORDER”。どんな音楽だって、音楽じゃねぇか! と。今日はその名の下、同士が集まってると思っていいですか? 待たせたぜ渋谷、最高のステージ始めようか!?」と始まった曲は「OVERRUN」。

 

OVERRUN」のグルーヴィーな曲調に観客が体を揺らすと、YOUSAYのギターイントロからAKiの色気あるヴォーカルで始まる「共犯」へ。さらに底なしのディープな世界へと誘う「ジウ」と続き、アプローチの異なる振り幅ある選曲で魅せた中盤戦。「1曲くらいダウナーな曲を」という曲紹介から、加藤の温かみあるアコギサウンドに、AKiの切ないハイトーンが響いた「SCREAM」へと続く流れは、ジャンルや音楽性にとらわれない“NO BORDER”のテーマを自ら体現していたし、初めて観る人にも、AKiのライブの魅力や深みが伝わるものだった。

 

 

 

MCではDEZERTのライブを袖で見ていたことを明かし、「暗黒の闇とそこに差し込む光を信じて未来に突き進む姿が混同してて、最高のステージでした」と感想を述べたAKi。「この対バンはマジでやって良かったと全ての会場で思ったし、いまこの瞬間を最高に楽しんで終わります」とファイナルを迎えての感想を語り、「こっからまだブチアゲて行きたいんですけど、よろしいですか?」と「狂奏夏」でフロアを予告通りブチアゲると、ライブはいよいよクライマックスへ。「FAIRY DUST」で会場に一体感を生み、「ラスト行けるか?」と始まった最後の曲は「FREAK SHOW」。各地で死闘を繰り広げ、強さとたくましさを増したAKiバンドの渾身の歌と演奏に、フロアが最高潮の盛り上がりを見せる中、この日のライブを激しく華麗に締めくくった。

 

 

 

両バンドがライブを終えた後、AKiDEZERTメンバーを呼び込んで始まったのは、ファイナルのみのスペシャル企画となるセッションコーナー。「AKiさん、覚えてないかも知れないけど、ヒドいんですよ……」と、千秋がAKiの思い出を話したトークで爆笑を生んだ後は、DEZERTYouTube企画『Focus of DEZERT』でコラボカバーしたAKiの「STORY」を初披露。DEZERTメンバーがオリジナルアレンジで演奏し、AKi&千秋がツインヴォーカルで披露する「STORY」に会場中が釘付けになる。MCではAKiSacchanに誕生日のケーキとワインを用意するサプライズがあったりと、先輩後輩の互いの愛に溢れていたセッションコーナー。AKiが「好きな曲」と語るDEZERTTrue Man」、AKiThe Inside War」を披露して、両組のファンを大いに喜ばせ、大団円でツアーを締めくくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日のライブで発表があったように、本人の誕生日である23 () に、<AKi LIVE 2024 Birthday Bash!」>を東京・Zepp ShinjukuTOKYO)で開催することが決定しているAKi。誕生日を祝うため、かねてから親交のある、葉月(lynch.)のソロプロジェクト・HAZUKILM.Cをゲストに招いて3マンライブとして開催されることも併せて発表となった。さらに、ギターにHIROTO(アリス九號.)、咲人(NIGHTMARE)、ドラムにShinyaDIR EN GREY)をAKiのバンドメンバーに迎え、一夜限りのスペシャル編成で記念すべき誕生日ライブに華を添える今回。チケットは、シド 明希のオフィシャルオンラインサロン「Resonants」と各バンドのオフィシャルファンクラブにて111日(水) 1200より優先予約が開始されている。詳細は公式サイトをチェックして欲しい。

 

 

 

写真◎上原 俊、hy

文◎フジジュン 

 

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AKi 2MAN Tour 2023 NO BORDER.

20231028日(土) SHIBUYA CLUB QUATTRO

SET LIST

 

DEZERT           

01. 「擬死」

02. 君の脊髄が踊る頃に

03. 胃潰瘍とルソーの錯覚

04. 異常な階段

05. Call of Rescue

06. 殺されちゃう

07. 脳みそくん。

08. 「君の子宮を触る」

09. 僕等の夜について

10. The Walker

 

AKi

01. HEADZ UP

02. STORY

03. Brave New World

04. OVERRUN

05. 共犯

06. ジウ

07. SCREAM

08. 狂奏夏

09. FAIRY DUST

10. FREAK SHOW

 

Session

01. STORY

02. True Man

03. The Inside War

 

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AKiライブ情報≫

 

AKi LIVE 2024 Birthday Bash!

202423日(土) Zepp ShinjukuTOKYO

Guest Artist HAZUKI / LM.C

OPEN 1500 / START 1600

 

<バンドメンバー>

Guitar HIROTO(アリス九號.

Guitar 咲人(NIGHTMARE

Drums ShinyaDIR EN GREY

 

MC

団長(NoGoD

 

【チケット料金】

スタンディング ¥7,500(税込・ドリンク代別)

4歳以上有料

 

【オフィシャルオンラインサロン「Resonants」優先予約】

受付期間 2023111日(水) 1200117日(火) 2300

入会はコチラ https://lounge.dmm.com/detail/3041/

 

ID-S BASIC優先予約】

受付期間 2023111日(水) 1200117日(火) 2300

20231030日(月)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります。

入会はコチラ https://sid-web.info/fanclub

 

詳細はコチラ https://www.dangercrue.com/AKi/live.php

 

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AKi オフィシャルサイト http://www.dangercrue.com/AKi/

明希 / AKi オフィシャルX https://twitter.com/AKiSID_official

シド 明希 オフィシャルオンラインサロン「Resonants」 https://lounge.dmm.com/detail/3041/

シド オフィシャルサイト http://sid-web.info/

シド オフィシャルX https://twitter.com/sid_staff  

シド オフィシャルWeibo https://www.weibo.com/sidofficial

 


2023年11月02日 (木)

【ライヴレポート】<JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】>2023年10月29日(日)GORILLA HALL OSAKA

REPORT - 20:00:29

20231029日(日)にGORILLA HALL OSAKAにてイベント<JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】>が行なわれた。

 

これは大阪の有名なライブハウス“バハマ”の生誕60周年を記念し、バハマのスピリットを、今に伝え、そして未来へとつなげていくために、EARTHSHAKERの石原“SHARA”愼一郎がオーガナイザーとなって開催が決まったもの。

 

ライブハウス“バハマ”とは、大阪の心斎橋にあった老舗のライブハウス。開店したのは19631029日。

オーナーである藤田淑子さんの体調不良により200611月に閉店したものの、ハードロックやヘヴィメタルバンドを中心に多くのミュージシャンが、バハマでしのぎを削り、実力を磨いてきた。その後、メジャーへ進出したバンドも数多い。

オーナーの藤田さんは通称「バハマのおねえ」として、将来性あるバンドやミュージシャンを叱咤激励。

同ライブハウスに出演するミュージシャンや関係者から信頼され、バハマに通っていたお客さんから今もなお愛されている存在でもある。

 

バハマの誕生日である1029日に開催された今回の60周年イベントには、藤田“バハマのおねえ”淑子さんの申し子とも呼べる出演バンドが集結。

もちろんチケットは瞬く間にソールドアウト。今まさに、ヘヴィメタルのファンタジーの幕が開くときが来た。

 

16時、会場の暗転と同時に青白い照明で浮かび上がるステージ。SE「虹融合」と共に表われたのはGargoyle

現在の正式メンバーはKIBAVo)だけだが、今回のイベント開催にあたり、過去に在籍したメンバーがヘルプとして参加。

その顔ぶれは、KIBAKENTAROG)、TOSHIB)、KATSUJIDr)。黄金のラインナップが5年ぶりに蘇った。

 

 

 

歓声をかき消すがごとくKENTAROが激しくリフを弾き始め、それを合図にKIBAが勢いよくステージセンターに飛び出した。

HALLELUYAH」からスタートしたGargoyleのステージは、客席前方は椅子席になっていたが、座っている者は誰一人いない。

Gargoyleの曲と音に狂喜乱舞する光景が広がる。それを前にメンバーも嬉しさ全開。

音のひとつずつ、言葉の一言ずつに自然に喜びがこもり、さらに激しくスパーク。

TOSHIはドラムライザーに足を掛け、KATSUJIとアイコンタクトしながらリズムを刻み、KENTAROは高速タッピングを笑顔で決め、KIBAは激しい舞踏も繰り広げながら歌う。

ラインナップも黄金期だが、ライブパフォーマンスや演奏の鋭さ、メンバー間の呼吸も全盛期そのまま。

「僕らは1987715日に初めてバハマでライブをやって、そこから36年、解散や活動休止もなく、ひたすらライブをやっています」━━KIBA

 

 

 

 

しかし、冒頭で触れたように、5年ぶりに蘇ったこのラインナップだ。これに関して「分かる人にはすごいごちそう」とKIBA

各メンバーも今回のイベントやバハマについて言葉を重ねる。「10代のときに観ていたイベントに、今、なぜかステージに立っているみたいな感じ」とKENTARO

「初めてバハマに行ったのは10歳ぐらい。バハマに育てられたと言っても過言ではないぐらい」とKATSUJI

「楽屋もさることながら、そちらもけっこう(年齢層が高い)な感じで()。最初のバンドで燃え尽きないでね」とはTOSHI

「これから出られるバンドのみなさんを、高校生ぐらいのときに観て、ヘヴィメタルを初めて知った。

みなさんのおかげでGargoyleをやることができて、バハマのおかげでこうやって36年も活動できています」とKIBA

そう感謝を伝えながら、「完全な毒を要求する」など、このラインナップだった時期に制作した曲を軸に会場を揺るがす。

KIBAは「やれんのか、オマエら!」と吠え、オーディエンスを激しく刺激しながらエンディングまで突き進んだ。

 

 

 

 

 

LEDの仕込まれたアクリルシェルのドラムセットが鮮やかに光る中、SEと共に登場したのはPRESENCE

 

しかし今回のイベント開催決定後の今年729日、PRESENCEのギタリストである白田“RUDEE”一秀がこの世を去ってしまった。

出演が不可能とメンバーが決めたところ、石原“SHARA”愼一郎の「俺が弾く」の言葉に助けられ、PRESENCEとしての出演が決定した。

その昔、白田“RUDEE”一秀は石原“SHARA”愼一郎のローディを務めていた時期もあり、いわば師匠=SHARA&弟子=RUDEEという関係。

師弟愛の深さが、今回のステージ実現に結びついている。ホールのロビーには白田“RUDEE”一秀の写真パネルと愛用ギターたちも飾られ、PRESENCEのステージ上にもやはり大きな写真パネルと愛用ギター。

他界してしまったものの、白田“RUDEE”一秀の魂はきっとここにいる。

 

 

 

 

すでに胸が熱くなっていたPRESENCEファンに、「大阪、行くぜ!」とSHIGERUVo)の言葉を合図に始まった「Rock Drive」。

PRESENCEが全国的に名を知られるきっかけにもなった、1985年の全国ツアーに合わせて作られたソノシートに収録された曲のひとつだ。

PRESENCEの生誕ストーリーを描き出しながら、持前の軽快でポップなロックンロールで身も心も踊らせていくPRESENCE

最初はセンチメンタルなムードになっていたであろうファンも、PRESENCEのライブが始まれば笑顔だ。

表情を輝かせるファンを前にして、SHIGERUも岡本“HIBARI”浩明(Dr)も、そして師匠の石原“SHARA”愼一郎もサポートのJUNB)も嬉しさいっぱい。

 

 

 

 

サポート・ベースのJUNは、バハマをホームグラウンドに活動していたValentine D.C.のベーシストだが、その前にはPRESENCEのローディも務めていた。

今回、都合により参加できなかった恩田“RADY”快人に代わってベースを弾いているが、手にするのは恩田から預かったRADY MODEL。ここにも熱い師弟愛が存在する。

「バハマ、おめでとうございます。お世話になりました。あそこは生音でしか勝負ができなくて、最高の修行の場所でしたね。

だからどこのライブハウス行っても、全然、ラクだった。本当に鍛えていただいて。

こんなでっかいところで、こんなにバハマを祝ってくれる人たちがいるとは、お姉さん、良かったですね」━━SHIGERU

 

そう言いながら、白田“RUDEE”一秀の写真パネルを指さしながら「白田もいることだし、この曲」と、白田の華やかなギタープレイもちりばめられたロックンロール「ROCK ME」をみんなで楽しむ。

RUDEEも観てくれていると思うよ。今日、ステージに立つことになれたんで、精神的にも状況的にも、この曲はやっぱりやっておきたい」━━SHIGERU

 

そんな言葉で広がるのはバラードの「蜃気楼」だ。ミラーボールの光の粒が綺麗な夜空を思わせる光景を描き、その中で歌うSHIGERU

歌ううちに、永遠の別れとなってしまったRUDEEのことも重なり、感情も入っていくばかり。

目をやや潤ませ、マイクを両手で握りしめ歌う姿がそこにあった。

さらに石原“SHARA”愼一郎のビブラートをきかせた泣きのギターソロが、ファンを曲の世界へと深く浸らせていく。

エンディングでは感動と感謝の大きな拍手がPRESENCEを包み込んだ。

「途中で歌えなくなっちゃった、まいったね。SHARAさん、白田のギター弾いてみませんか? 

白田はギター鳴らしてほしいと思ってるはず。RUDEE、観てるか、聴いてるか!」━━SHIGERU

 

天を指さしながら突入したのは「ROCK’N ROLL」。上半身ハダカになって叩く岡本“HIBARI”浩明、赤黒タイガーストライプ柄のストラトシェイプでRUDEEサウンドを高らかに鳴らす石原“SHARA”愼一郎、恩田のごとく頭を振りながら弾くJUN

SHIGERUがマイクを向けると、会場からはでっかい歌声。二階席ではKIBAも衣装のまま大声を張り上げている。

みんながひとつになって鳴らすPRESENCE流ロックンロールは、間違いなく届いていたはずだ。

 

 

 

 

次にバトンを渡されたのはMARINO feat.YOSUKE MIYAKE

EARTHSHAKER44MAGNUMらと共に80年代初期に“関西3大メタル・バンド”と称されたヘヴィメタル・バンドだ。

1985年に活動を休止したが、2002年に復活。2008年にはEARTHSHAKER44MAGNUMと共に、あの時代を彷彿とさせる<JAPAN HEAVY METAL FANTASY~関西なぐり込みギグ2008~>を中野サンプラザで成功させてもいる。

だが2002919日、ギタリストと大谷“RAVEN”令文が他界。以降、活動は休止している。

このイベントが一夜限りの復活だ。ギターを弾くのは大谷“RAVEN”令文の後輩であり、元Terra Rosaの三宅庸介。

 

 

 

 

フランク・マリノ&マホガニー・ラッシュの「World Anthem」をSEに登場した板倉“JUN”淳(Dr)、鎌田“Mr.KAMADA”学(B)、三宅。

最後に右腕を挙げながら吉田“LEO”隆が姿を表わすと同時に、彼らはバンドサウンドをとどろかせた。

地響きのような重厚ぶりに、会場を埋めた男たちから歓声も巻き起こる。

Midnight Believer で幕を開けたステージは、「Roll to Death」など1984年のデビュー・アルバム『TARGET』を中心に展開する。

 

 

 

その時期から約40年、長い時間の経過は、メンバーそれぞれの年齢を重ねた風貌に表われている。

だが、吉田“LEO”隆のストロングな歌いっぷりは、当時より凄みに拍車が掛かる。

今やベース仙人のようなルックスの鎌田“Mr.KAMADA”学のアグレッシヴなプレイ、ラディックの巨大なツーバスのセットを軽々と叩く板倉“JUN”淳のドラミング。

“ストラトキャスターの魔術師”と呼ばれた大谷“RAVEN”令文のプレイを重んじながらストラトを弾く三宅庸介。

MARINOのサウンドや曲は、当時、日本のバンドのスケールを超えていた。

今、目の前で鳴らされるサウンドや曲も、曇りはない。

MARINO、復活しました! ステージに立てたのも、このイベントのおかげ。EARTHSHAKERSHARA、本当にありがとう。

天国のRAVEN聴こえてるか? オマエの後輩、こんな凄いギター弾いてるぞ」━━吉田“LEO”隆

 

喜びも炸裂させながら突き進むMARINOのステージ。中盤に「Shake Down」が披露され、吉田“LEO”隆の煽情的なメロディを持つ歌に、ブリティッシュ・ヘヴィメタルの鋼鉄感がひとつになると、会場の男たちを当時のメタルキッズへと一気に若返らせる。

なにしろこの曲、1984年に大阪城野外音楽堂で開催された伝説のメタルイベント「GRAND METAL  5TH JAPAN HEAVY METAL FANTASY」でも演奏されたナンバー。

恐らくそれを体験したオーディエンスも多いのだろう。MARINOの「Shake Down」に覚醒され、当時が蘇ったのだ。

「みんなの熱い気持ち、伝わってきたぜ!」━━吉田“LEO”隆

 

ラストを締めくくるのは「MARINOを結成して1曲目に作った曲で、いつもアカペラでやっている」というナンバーだ。

そんな曲などMARINOにはないのだが、続けて吉田“LEO”隆が口にしたマジックワードは“ツ・ヨ・イ”だった。

となれば、あれしかない。当時のジャパニーズ・ヘヴィメタル・ファンなら誰もが知るMARINOの名曲である。

そのナンバー「Impact」に突入するや、辺りはヘドバンの嵐と化す。哀愁と男臭さ、そして力強さとメタリックぶり。

サビで吉田“LEO”隆が「強い!」と歌えば、もちろん全員で「インパクト!!」と叫ぶ。まさに狂喜乱舞のステージとなった。

 

 

 

 

熱くなっている会場に、次に現れたのは44MAGNUM。幕が開くと、真っ赤なライトを浴びたメンバーがすでにステージでスタンバイし、腕を上げたり、客席を指さしたりと、登場シーンからクライマックスのようなテンション。

直後、宮脇“JOE”知史(Dr)のフレーズを合図にバンドサウンドを一発決め、広瀬“JIMMY”さとし(G)のリフで始まったのは「I’m on Fire」。

やや腰を落として勢い溢れるフレーズを弾く姿、腕を振り回してコードをかき鳴らす姿など、どれもがフォトジェニックな広瀬“JIMMY”さとし。

 

 

 

 

放つオーラが凄まじいのは梅原“PAUL”達也(Vo)。愛息のSTEVIEVo)を横に連れて、親子で歌い叫ぶ。

「アタマ振れ、大阪!」とSTEVIEが煽り、親子でヒザまずきながらヘッドバンギングしながら「No standing Still」を喰らわせる。

梅原“PAUL”達也の体調もノドの調子も万全ではないのは誰もが分かっているが、パーキンソン病と闘い続け、ステージで歌い続ける姿に、自然と熱いものもこみ上げてくる。

同時に、梅原“PAUL”達也のスピリットに勇気づけられ、力も湧く。

「今日だけは、ここはバハマだ! 目いっぱい、楽しんでいこうぜ!!」━━STEVIE

「オーライ、大阪! イケんのかい!!」━━梅原“PAUL”達也

 

 

 

 

呼吸もバッチリな煽りを入れながら次々に進む44MAGNUMのステージだが、まずセットリストがヤバい。1983年のデビュー・アルバム『DANGER』、1984年のセカンドアルバム『STREET ROCK’N ROLLER』、そして1985年のサード・アルバム『ACTOR』から選りすぐるという、いわば44MAGNUMの初期に限定したもの。

オーディエンスにとって青春の全てが詰まった曲ばかりだ。フレーズのひとつずつ、歌詞の一言ずつ、全部がみんなのDNAに入り込んでいる。

腕を振り上げ、頭を振って、44MAGNUMに食らいついていくのみ。

Satisfaction」では、トリルを決める広瀬“JIMMY”さとしと歌う梅原“PAUL”達也がピッタリと寄り添うという、80年代に音楽雑誌を彩ったクールな構図が。

当時のキッズには、イベントがスタート直後から今日は大ごちそうのオンパレードでもある。

 

また現在、デビュー40周年を記念して<44MAGNUM-40th Anniversary Club Circuit GIG->を展開中の44MAGNUM。精力的なライブは常にバンドを成長させるもの。

Last Train」の中盤では、宮脇“JOE”知史のツーバスフレーズに、ゲストベーシストのSEXX GEORGEが力強いフレージングで絡みながらヘヴィな見せ場も作る。

さらに続く広瀬“JIMMY”さとしのギターソロでは、スイープなども交える。そして若き日の梅原“PAUL”達也を連想させる声質や勢いある歌いっぷりで、梅原“PAUL”達也と一緒になってオーディエンスをエキサイトさせるSTEVIE

往年の名曲をただ再現するのではなく、今の44MAGNUMによって現在進行形の楽曲へと激しく躍動させていった。

 

ラストナンバーとなったのはセカンドアルバムからの「STREET ROCK’N ROLLER

広瀬“JIMMY”さとしのアームダウンのノイズが響く中、STEVIEがタイトルコールすると、広瀬“JIMMY”さとしがリフを刻み、そこにSTEVIEと梅原“PAUL”達也が雄たけびをかぶせていく。

あとはもう勢いたっぷりに疾走し、尖ったフレーズでメンバー全員が攻め立てる。これにはオーディエンス全員、10代に戻ったかのように激化するのみ。

サビではメンバーと共に叫ぶようにコーラスを入れ、熱く一体化。

THANK YOU! WE LOVE YOU!!

梅原“PAUL”達也の感謝の言葉が、オーディエンスの心をさらに震わせた。

 

 

 

 

今回のイベントのトリを務めるのは、オーガナイザーである石原“SHARA”愼一郎(G)が率いるEARTHSHAKER

2023年にデビューから40周年を迎え、現在、最新アルバム『40』の全国ツアー中でもある彼ら。まさに脂の乗った状態である。

彼らの曲から印象的なフレーズをフィーチャーしたSEをバックに登場すると、大きな歓声と拍手がEARTHSHAKERを迎えた。

 

 

 

EARTHSHAKERが記念すべき今回のイベントに選んだ1曲目は、1983年のファースト・アルバム『EARTHSHAKER』からの「EARTHSHAKER」だった。

イントロリフと同時に、ありとあらゆるところからコブシや腕が上がり、壮観な光景が会場に広がる。

リフの一音ごとに熱さもボルテージも上がり続けるオーディエンス。西田“MARCY”昌史(Vo)が歌い始めた直後、全身と気持ちが揺さぶられることになった。

全国ツアーを前にアルコールを断つなどストイックな姿勢でライブに臨んでいる西田“MARCY”昌史。その歌声は、男の色気を含みながらも実に力強い。

西田“MARCY”昌史の歌は、オーディエンスの気持ちにこだまして、「EARTHSHAKER」の歌詞のごとく力を与えてくれる。

EARTHSHAKERの鳴らすバンドサウンドに歓喜の掛け声と歌声が起こり続ける会場と化した。

 

 

 

 

デビューから40年、結成から40数年、未だに現役バリバリなEARTHSHAKERがステージにはいる。

演奏や曲をただ披露するのではなく、甲斐“KAI”貴之(B)や工藤“KUDO”義弘(Dr)、永川“TOSHI”敏郎(Key)はもちろん、

石原“SHARA”愼一郎もプレイしながら100万ドルの笑顔もプレゼントしていく。

ファンひとりずつと表情で会話するようなやり取りや、一方通行ではないライブパフォーマンスこそ、キャリアを重ねたライブバンドらしい部分だろう。

「楽しんでいますか? バハマですよ、バハマ! 凄いとこなんだぜ。みんなが愛した80年代のジャパメタ。

バハマがなかったら、バハマに出演したみんながいなければ、あんなムーヴメントは起こっていなかったんだから。

ホント、凄いところだったと思います。SHARAがバハマのカウンターの中で焼きそば作っていたからね()」━━西田“MARCY”昌史

44MAGNUMのメンバーは、僕の焼きそばで大きくなったみたいなもん。また作ろうか?」━━石原“SHARA”愼一郎

 

そう言いながらステージ袖で観ている44MAGNUMのメンバーに視線をやって笑う二人。

「僕とKAI君は1979年に初めてバハマに出ましたね。いや~、年取るわ()。もう2023年だよ。

EARTHSHAKER44MAGNUMもデビューして40年目を迎えます。バハマで頑張っていた頃を含めたら43年か44年。ふざけんなって数字ですね()

でも、まだまだツアーは続いてます」━━西田“MARCY”昌史

 

そう言って、最新アルバム『40』からの「HEY! Mr.JOKER」を披露するEARTHSHAKER

馴染みはないだろうけど、と西田“MARCY”昌史は曲について前置きしたが、バンドも現役ならファンだって現役バリバリである。

最新曲でもノリは熱いまんま。そこから印象的なギターのイントロ・フレーズに入っていくと、その熱さに大きな歓声も加わる。

 

西田“MARCY”昌史が「イクぜ!」と叫んで、「MORE」のAメロに入ると、会場にいる誰もがシンガロング。

それがひとつになって、今度は大きな歌声が会場を揺るがし始めた。ナイフこそ握りしめてはいないだろうが、それぞれが18の日々を蘇らせていく。

オーディエンスそれぞれの人生に並走する想い出も自然に湧きあがってきたのかもしれない。

涙をにじませながら歌うファンもあちこちに。名曲にはそうさせてしまうパワーもある。

「でかい声で歌おうぜ!」━━西田“MARCY”昌史

 

ラストを締めくくるのは「RADIO MAGIC」。その開放感溢れるメロディやサウンドが、今度はみんなを見る見るうちに笑顔にさせていく。

もちろんメンバー全員、そんな表情を浴びながら、心地よくさせてくれるフレーズや歌声をどこまでも響かせ続けていく。

中盤では「さあ、君らの番だぜ!」と西田“MARCY”昌史がマイクを客席に向ければ大合唱も。

みんなの歌声と共にEARTHSHAKERのステージはエンディングに向かっていった。

 

 

 

 

鳴りやまないアンコールに答え、まずステージに再登場した西田“MARCY”昌史を除くEARTHSHAKER

「ここでゲスト。コイツともよく飲んだんよね。飲むとタチ悪くなるヤツ。僕がバハマでバイト終わって、そいつと二人乗りして僕の家に帰って飲む。青春やな~。

そんな素敵なギタリスト、JIMMY! もう一人、高校からの同級生で、僕の弁当をよく食べに来たおっさんがいます。

素っ頓狂な声を出す素晴らしいシンガーを紹介します。ニイちゃん!」━━石原“SHARA”愼一郎

 

ステージには、広瀬“JIMMY”さとしと二井原 実も登場し、始まったのはLOUDNESSの「CRAZY NIGHT」。

サビでは当然、オーディエンス全員から「M,Z,A!」の大コーラスが巻き起こり、石原“SHARA”愼一郎がエモーショナルにソロを弾いたと思えば、ゴールドトップのレスポールモデルを手にする広瀬“JIMMY”さとしは高速フレーズを弾きまくる。

二井原 実は持前のエンターテイナーぶりでオーディエンスを熱狂させ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2曲目ではメンバーが入れ替わり、出演バンドの全シンガーが勢ぞろい。演奏するのはBON JOVIの「Livin’ On A Prayer」。

なぜ、このメンツで、このイベントで、この曲なのかと思ったが、「多分、本能的に歌えるかなと思って選びました」という二井原 実の選曲である。

世代もあってか、オーディエンスも含めてほぼ全員が歌う中、KIBAは盛り上げ役に終始。

ともかくJAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023は、どこまでも熱く、そして温かい。最高の幸せに誰もが包まれた。

「バハマ、どうもありがとう。バハマがないと俺たちは今、ここにいないと思います。

そしてバハマがなかったら、今ごろは日本のロック界は全然違った風景になったと思います。

心より感謝します。バハマ、どうも、おおきに!」━━二井原

 

 

 

 

 

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JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023 【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023

20231029日(日)=GORILLA HALL OSAKA

SETLIST

 

Gargoyle

1 HALLELUYAH

2 Dragon skull

3 「影王」

4 「完全な毒を要求する」

5 「死ぬこととみつけたり」

 

PRESENCE

1 Rock Drive

2 She is an AMERICAN

3 ROCK ME

4 「蜃気楼」

5 ROCK’N ROLL

END SEANGEL RUSH~再会の唄~」

 

MARINO feat.YOSUKE MIYAKE

1 Midnight Believer

2 Roll to Death

3 Break

4 Shake Down

5 Rising

6 Impact

 

44MAGNUM

1 I’m on Fire

2 No standing Still

3 I JUST CANT TAKE ANYMORE

4 Satisfaction

5 Last Train

6 The Wild Beast

7 STREET ROCK’N ROLLER

 

EARTHSHAKER

1 EARTHSHAKER

2 「記憶の中」

3 HEY! Mr.JOKER

4 MORE

5 RADIO MAGIC

 

SESSION

1 CRAZY NIGHTS」(LOUDNESS

EARTHSHAKER with 二井原 実、JIMMY(44MAGNUM)

 

2 Livin’ On A Prayer」(BON JOVI

KIBASHIGERU、吉田“LEO”隆、梅原“PAUL”達也、STEVIE、西田“MARCY”昌史、

二井原 実、KENTARO、三宅庸介、甲斐“KAI”貴之、工藤“KUDO”義弘、永川“TOSHI”敏郎

 

 

 

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