2020年09月28日 (月)
【ライヴレポート】2020年9月16日(水)TSUTAYA O-WEST<Chanty 7th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』>◆“世界に裏切られてもきっと音は裏切らない────”
REPORT - 18:00:517周年を迎えたChantyが、TSUTAYA O-WESTにてChanty 7th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』を無観客配信ライブとして開催した。
『Chantyの世界へようこそ』の公演タイトルとともに、椅子に腰かけるVo.芥の姿が画面に浮かび上がる。
そのままバンドインすると、1曲目は「世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない」。
“世界に裏切られてもきっと音は裏切らない—————————”
世界が大きく変わったこの1年の間に味わった様々な感情が、芥の声、そしてGt.白、Ba.野中 拓、Dr.成人の一音一音に掬い上げられるような感覚、文字通り“Chantyの世界”へ手を引かれていく、そんな温かい幕開けだった。
「2020年9月16日、7th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』始めます。」の芥の言葉で「白光」へ。
さらに「不機嫌」へと早々に激しさの滲む楽曲が続き、いよいよライブが始まったんだ!という実感が増してくる。
「どんだけ今日が大切だったことか。」と芥。
配信という形であれ、7周年の記念の日にライブを届けられたことを喜ぶとともに、「絶対に、縛り付けて離さないからな」と、同じようにこの日を心待ちにしてくれたファンへの独占欲を剥き出しに「貴方だけを壊して飾ってみたい」、さらに「ミツケタ」と送り、Chantyなりの屈折した愛情表現が続く。
ゆらゆらと漂う様に始まったかと思えば、鋭く仕掛ける「ソラヨミ」。
そして芥がギターを担ぎ、成人へ一言を仰ぐと「ファントムミュージック」が始まった。
野中も文字にならない雄叫びを上げ、アグレッシブに駆け上がる。
拡声器を通したような芥の歌にキメの多い楽曲は新しさを感じるものの、サビに向かうにつれてどこか懐かしい味のする1曲。
そこからさらに攻め立てるように始まった「m.o.b.」と、この3曲では調教されるかの如く、Chantyの多様な攻撃性をありありと見せつけられた。
正直、ライブ感のある楽曲ほど、やはりその場にいるような温度は感じられないのだろうかと始まる前には思ってしまったが、会場にいたら見逃してしまいそうな、全身で歌い演奏するメンバーの一瞬一瞬がソロカットで織り込まれると、臨場感がどんどん増していき、会場の熱気や、スモークまで感じられるような気がしてくる。
一呼吸置くと、ステージ中央に座り込みぽつりぽつりと言葉を紡ぎだす芥。
「天翔る」で“今日は雨だったのかな?”と歌詞にならって空模様に想いを馳せては、雨音が鳴り響く中始まった「雨傘」で、雨の日にしか見ることのできない優しい景色を歌う。
雨宿りを終えると、続く「スライドショー」はサビで一気に開けていく爽快なギターロックサウンドが心地いい。
さらにここでまだ名もない新曲を披露。疾走感はありながらも少し捻くれたChantyらしさの滲む楽曲は、ギターソロを始めとする白の軽快な演奏も印象的だった。
現体制のライブの方が圧倒的に見ている回数は少ないはずなのに、最初から違和感なくむしろずっと前からそこにいたかのような白の音は、彼のまっすぐな人柄が見えるからだろうか、改めて一緒に歩み始めたのが彼で本当に良かったと心から思わせてくれる。
「O-WESTにこだわってきて、もう入りきらないくらい収まりきらないくらい(の動員)になっても、もしくはこの会場に1人でも、この場所で周年やるって、初めてWEST立った時に言ったような気がするんですよ。
ところがどっこい。何の神様のいたずらか、0人ですよ、今。この会場にいてくれるのは。
でも本当に、今日会場作ってくれて、このステージ作ってくれて、配信も手伝ってくれたり、照明作ってくれたり音作ってくれたり会場貸してくれたりチケット売ってくれたり、色んな人が動いて、色んな人が僕らっていうipodみたいなやつですね、僕らだけだと音聞こえないんですけど、ここにいるプロフェッショナルの人たちが、そこにねヘッドホンみたいなの繋いで君たちの前まで届けてくれてるわけですよ。すっげえことですわ。
その結果、この周年っていう僕らにとって大切な1日を、今まではなかなか足を運べなかったという人達にも届けることができました。
できれば、今年だけにしたいけど、すげえスペシャルな1日をありがとうございます。
見守ってくれててありがとうね。」
「来年に向かってっていうと気は早いかもしれないけど、次会える時間、その場所に向かって、次の曲届けます。」と「「C」」、そして「おとなりさん」へ。
無観客であることも忘れさせられるようにポップなナンバーが続くと、その場にいるかのように、またメンバーにもはしゃぐ観客の姿が見えているかのように思えてしまう瞬間が何度もあった。
「そこにいてくれてありがとう。」本編の最後を飾ったのは「フライト」。
ライブ冒頭では、この音楽に救われている人がたくさんいるんだろうな、と感じていたが、ライブが進むにつれて彼らもまた、今は画面の向こう側にいるたくさんのファンに支えられ、救われてここに立っているのだと思わずにいられなかった。
本編が終了すると、メンバーが順々に7周年の記念Tシャツに着替えに戻り、その間にはゆるゆると和やかなフリートークが展開された。
「せっかくだから自主的にアンコールを行おうと。」と芥。
アンコールの声が聞こえない今日は自らアンコールを行うスタイルだそう。
「改めて寂しいなと思って。スペシャルな周年を迎えさせてもらって、でも来年もこれっていうのは切ないから、また逢えたらいいなと思ってます。今日は、改めてどうもありがとうございました。」と一言に続いて、「求めてたね、我々。反応から何から。」とメンバーに問いかける。
バンドにとっても様々な変化があった7年という月日の中で、同じ時間を過ごすことが当たり前じゃないことはきっと誰よりも彼らが感じてきたことだろう。
そんなChantyが「改めて一緒に過ごしている時間がどんなにかけがえのなかったものなのかっていうのが伝わってきました。」と、嚙み締めるように語る姿には胸が熱くなるものがあった。
芥「言い残したことない?」
白「なんかテレビ番組の中継ライブみたいだね、と思って。」
芥「出たことあるんですか?」
白「いや、ないです(笑)。」
いつもと変わらないゆるいトークが展開される場面も、Chantyのアンコールならではだ(笑)。
「本当に、こんな4人組ですけど、これからも歩いていきたいと思います、10年行っちゃいましょう。
それでは、本当に短い時間ではありましたが、あと少しだけ届けたい曲たちがございますので、皆さん、最後まで味わっていってください。」
アンコールに持ってきたのは「終わりの始まり」。7年前、全てが始まった曲。
聴く度に、Chantyは確実に進化を遂げながらも、良いときも悪いときもその時の感情をありのままに乗せて歌う姿はずっと変わらないと再確認させてくれる。
「最後に1曲だけ送らせてください。」と、アンコールの最後に披露したのは、名前のない楽曲。
新曲で締めくくるのは珍しいなと思いつつ、こうした状況の中、またねの約束をするにはこの曲しかなかった。
“明日会えたら何を話そう” そんな約束を続けながら、8年、9年、そして10周年へとまた新たに歩み始めたChanty。
最後はいつものライブさながら、ステージに一列に並び「7周年!」の掛け声とともにジャンプし笑顔でステージを後にすると、画面にはスタッフロールが映し出され、Chantyの7周年ライブは幕を閉じた。
観客を入れライブ会場でライブをする、そんな当たり前だったことが不要不急と言われ難しくなってしまった今、この7周年記念ライブの開催もどうなることかと不安になった人も多いのではないだろうか。
私もその1人であり、また無観客での配信ライブと聞いたときも、どんなライブになるのかあまり想像できずにいた。
しかしいざ始まると、せわしないカメラワークや、良い意味で荒っぽく生っぽい音がクリアに聴こえてくるのも十二分すぎるくらいにライブ感を味わえて、気付けば手に汗握り画面に食い入ってしまうほど夢中になっていた。
また、どこにいてもChantyの音楽を感じられる“配信”だからこそ、より多くの人へと伝わって繋がっているような気がして、心底わくわくした。配信ライブもなかなかに良いものだ。
コロナ禍の今、その場にいるような変わらぬ興奮を味わえたこと、この7周年という記念すべき日を共有できたことは本当に嬉しく、この場所を与えてくれた多くのスタッフには新ためて感謝の気持ちでいっぱいになる。
また、特に次の展開が告知されていたわけでもない今日のライブで、いつも以上に“また会える”とそんな確信が強くなったのは、この先も変わらずに歩みを続けることを4人が公演を通してしっかりと提示くれたからだろう。
今年で7回目となった周年記念ライブは、相も変わらず日常に寄り添い歌ってきたChantyだからこそ出会えた最高にスペシャルな1日だった。
来年はいつもと変わらない日常の中で、声の届く場所で会えますようにと、今は名もなき新曲たちをはじめ、これから4人の見せてくれるChantyの世界に大いに期待を寄せたい。
文:糸永緒菓子
photo:INTETSU
====================
<配信>
2020年09月29日(火) 自家製白生誕祭 (有料配信ライブ)
~周年のアフタートークとアコラやるよ~
START 20:00 / ¥1,900
ツイキャスプレミアにて配信
チケットの購入はこちらまで
https://twitcasting.tv/chanty_news/shopcart/27065
====================
<ライヴ>
■しゃらりらりららワンマンツアー(延期公演)
※各都市ガイドラインに則って開催を予定
…………………………………………
2020年10月16日(金) HOLIDAY NEXT NAGOYA
5月23日振替公演
…………………………………………
2020年10月18日(日) 静岡SUNASH
5月24日振替公演
…………………………………………
2020年10月23日(金) 福岡DRUM SON
4月24日振替公演
…………………………………………
2020年12月16日(水) 広島CAVE BE
4月25日振替公演
…………………………………………
2020年12月18日(金) 大阪RUIDO
5月16日振替公演
…………………………………………
2020年12月19日(土) 四日市CLUB CHAOS ※公演概要調整中
5月17日振替公演
…………………………………………
2020年12月26日(土) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
4月28日振替公演
…………………………………………
2020年12月27日(日) 長野JUNK BOX ※公演概要調整中
4月29日振替公演
====================
<リリース>
2020年3月25日(水)
Chanty 3rd Mini Album「正体不明」
¥2,500+税 / 品番: MNPK-024
収録曲
1. piano♯6
2. 逆上のパルス
3. ファントムミュージック
4.パッチワーク
5.君と罰(正体不明 Ver.)
6.スライドショー
7.おやすみ
トレーラー
★びじゅなび ショップにて販売中!!!★
https://artistmarket.jp/artists/chanty/
★LIVE DVD 『Chanty 6th Anniversary Oneman「Chantyの世界へようこそ」 at 新宿BLAZE』
もございます!
====================
「スライドショー」 MUSIC CLIP
====================
★Chanty OFFICIAL SITE★
★Chanty OFFICIAL Twitter★
https://twitter.com/chanty_news
2020年09月25日 (金)
【ライヴレポート】<PENICILLIN O-JIRO BIRTHDAY LIVE 「とのさまGIG 2020」>9月13日(日)初の無観客生ライブ配信!◆「このケーキ、景気がいいねぇ」
REPORT - 18:00:51毎年恒例、PENICILLINのドラマーO-JIROの誕生日時期に行われる、ワンマン公演「とのさまGIG」。
今やメンバーの誕生日を祝う「生誕祭」は、どのバンドも恒例行事として行っているが、ヴィジュアル系界隈で「生誕祭」を最初に始めたのがPENICILLINであり、O-JIROの誕生日を祝う「とのさまGIG」だった。
「とのさまGIG」の連続開催も、今年で24回目。
例年、ファンたちと一緒にO-JIROの誕生日を祝ってきたが、今年はコロナ禍の影響から無観客生ライブ配信という形で9月13日(日)に行った。
嬉しかったのが、「ライブ」と「バースデーセレモニー」と題したトークコーナーの2部構成で届けてくれたこと。
トークに長けたメンバーたちでもあるように、ライブのみならず会話でも楽しませてくれた。
ここからは、当日のライブの模様をお伝えしたい。
千聖のギターが唸りを上げるのを合図に、ライブは「Too young to die!」から幕を開けた。
HAKUEIは、スタンドマイクをギュッと握り、画面の先の人たちを挑発してゆく。
モニターに足を乗せ、前のめりの姿勢で演奏する千聖。
視聴者たちを煽るメンバーたちを、O-JIROはいつものよう的確にビートを叩きながら、しっかり後押ししていた。
カメラ目線を意識したステージングを見せる千聖とO-JIRO。
HAKUEIは、舞台にどっしりと構え、雄々しい姿を示してゆく。
O-JIROのドラムが強烈なビートを叩き出すと同時に、楽曲は「REALXXX」へ。
激しいビートを繰り出すO-JIROの演奏に、気持ちが熱く煽られる。
荒ぶる演奏の上でも、悠然とした姿を見せるHAKUEI。
千聖は、挑発するように舌を出しギターを弾く場面も。
「もっと強く もっと深く 君の中で愛し合えば」と歌いながら、HAKUEIは感情のボリュームを巧みに調整、攻める姿勢と切なさを抱いた表情の両面を示していった。
続く「聖・MARIAN HURRICANE」では、心を解き放つ開放的な姿を提示。
輝きをまとった演奏や、イケイケな姿勢で声を響かせるHAKUEIの歌に触れているうちに、何時しか両手を大きく広げ、歌の風を感じながら脳裏に広がった大空を彼らと一緒に羽ばたいていた。
披露したのが「C-section」。
気持ちの内側から沸き立つ熱をジワジワと膨らませ、サビで一気に炸裂。
揺れ動く心模様を、彼らは緩急起伏の効いた演奏や感情の振幅豊かな歌声を通して見せてきた。
しなるO-JIROのビートがドラマを描く絵筆となり、楽曲に起伏を描き出していたのも、耳を惹きつけた。
タイトなO-JIROのドラム演奏、そこに千聖のギターが音を重ねるのに合わせ、楽曲は「心」へ。
O-JIROのしなやかなビートに合わせ、気持ちが次第に沸き立つ。華やかなのに温かさを覚える楽曲だ。
身近な、でも大切な人への心情をスケール大きな言葉として綴った歌詞が心にじんわり染みてゆく。
優しく気持ちと身体を満たす楽曲に触れていたら、何時しか身体も心地好く揺れていた。
1曲1曲表情を変えながら、PENICILLINは見ている人たちの脳裏にさまざまな心象風景を映し出す。
千聖のギターソロをブリッジに、楽曲は「冷たい風」へ。タイトル通り、冷たい風を身に覚える楽曲だ。
何時までも消せない愛しい人のことを慕うように歌うHAKUEIの切々とした声に触れていると、同じよう痛みを覚えずにいれなかった。
胸張り裂けんばかりの哀切な想いで歌うHAKUEIの声に、想いを寄り添え、同じ痛い気持ちに浸っていたかった。
次に披露したのが、「とのさまGIG」ではお馴染みの「吸血鬼」。
華麗に舞うように千聖のギターの旋律が踊れば、彼の演奏を、O-JIROとChiyuによるリズム隊が軽快に沸き立てる。
HAKUEIの歌声にも、気持ちを解き放つような解放感と温かさが満ちていた。
触れた人たちを絢爛豪華な社交場へと導き、ともに寄り添いステップを踏みながら、HAKUEIは観ている人たちの心の首筋へ優しく噛みついてきた。
その刺激に解放感と心地好さを覚え、何時しかとろける気持ちに。
O-JIROのドラム演奏をブリッジに、楽曲は妖艶な色を塗り重ねるよう「クーデタークラブ」へ。
妖しく挑発するように歌うHAKUEI。
艶めきながらも迫力を持った彼の歌声へ、3人の演奏陣が危険な香りを塗り重ねてゆく。
フロアに下りたHAKUEIがカメラの眼前にせまり、投げKISSをする場面も登場。
画面越しに誘い、煽るHAKUEIと千聖。
とくに、この日の千聖はカメラ目線を意識した動きを多く見せていたように、オンラインライブだからこその楽しませ方を強く心がけていた。
楽曲は「SAMURAI BOY」へ。
ふたたび荒ぶる心のスイッチを入れたメンバーたちは、熱狂を巻き起こすように攻めた姿を見せてゆく。
熱情したギターソロを奏でる千聖。
挑発するHAKUEIの歌声も胸を熱く騒がせれば、その声へ身を寄せ、抱かれたい気持ちにもしてゆく。
O-JIROの荒ぶる一打一打に触発され、身体の疼きが止まらない。
本日のセットリストはO-JIROが作ったことを、HAKUEIが紹介。
この日は、O-JIRO作曲ナンバーが中心。
続いて披露したのが、O-JIROが作曲をした中、初めてシングルになった「99番目の夜」だ。
HAKUEIの「飛べ!!」の声を合図に、楽曲が勢いを持って跳ねだした。
相手の心を射抜くように歌うHAKUEI。
涙を誘うサビのメロウな歌に触れるたび、胸がギュッと揺さぶられる。この甘酸っぱい感覚がたまらない。
「99th night」と挑発するように声を重ねる千聖。
フロント陣をけしかけるO-JIROのドラム。
めくるめく激しくも官能的な世界に心が溺れそうだ。
もっともっと暴れろと言わんばかりに、熱情した激歌ナンバー「イナズマ」を突きつけ、PENICILLINはカメラの先にいる人たちを熱く煽りだす。
身体を大きく逸らし声を張り上げるHAKUEI。
千聖のギターも感情昂るフレーズを次々繰り出していた。
素直に暴れ狂えるのも、O-JIROの攻めながらも安定したビートが支えているからだ。
大サビ前へ入る一瞬のブレイクのときに、HAKUEIがさりげなく投げKISSしていた姿も、悲鳴をあげたくなるセクシーで恰好いい姿だった。
画面の先で見ている一人一人ともっと熱く戯れ、一緒に絶頂を迎えようと、PENICILLINが最後にぶつけたのが「SEX」。
HAKUEIが、千聖が、カメラの先にいる人たちを熱く挑発する。
心を野生に戻し、絶叫にも似た声を張り上げ、煽るHAKUEI。
ふたたび彼はフロアへ降り、カメラの目の前でデンジャラスな言葉を叫んでいた。
気持ち騒ぐままに挑発し続ける刺激的なステージング。
熱く昂るその姿こそ、PENICILLINらしいじゃない。
第二部は、O-JIROの誕生日を祝おうと「バースデーセレモニー」と題したトークコーナーへ。
「HAPPY BIRTHDAY」の歌に導かれ、サポートベーシストのChiyuを含め、4人が舞台へ。
恒例のバースデーケーキのセレモニーに続き、メンバーらの気ままなトークへ。
大きなケーキを手にした千聖が、「このケーキ、景気がいいねぇ」とギャグを飛ばす。
O-JIROは、「みんなも、僕らもがっつり盛り上がれるセットリストにしたいなと思ったように、今日は弾けられて楽しかったです」と、この日の選曲の理由やライブの感想について語っていた。
最後に、PENICILLINの最新情報として、千聖の誕生日である10月4日に、彼の生誕祭「ROCK×ROCK」を生ライブ配信で行うのが決定したことを伝えてくれた。
千聖は、生誕祭当日について、「俺専用のカメラがずっとここ(目の前)にある」と発言。その言葉を聴き、すかさずO-JIROが「サーバーまでうっとりしちゃうかも」と突っ込んでいたところはさすがだ。
来月の生ライブ配信(アーカイブ放送も有り)も楽しみになってきた!!
PHOTO:コザイリサ
TEXT:長澤智典
====================
―セットリスト―
「Too young to die!」
「REALXXX」
「聖・MARIAN HURRICANE 」
「C-section」
「心」
「冷たい風」
「吸血鬼」
「クーデタークラブ」
「SAMURAI BOY」
「99番目の夜」
「イナズマ」
「SEX」
-ENCORE-
「BDセレモニー~トークコーナー」
====================
PENICILLIN O-JIRO BIRTHDAY LIVE「とのさまGIG 2020」~Tonosama GIG~ September 13, 2020
PENICILLIN ONEMAN LIVE「祭り -MATSURI-」 August 23, 2020
====================
PENICILLIN 千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK 2020」開催決定!
■PENICILLIN 千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK 2020」
【公演日】10/04(日)
【START】19:00 ライブ配信スタート予定(18:30からChat機能開始)
【アーカイブ視聴期間】10/5(月) 23:59まで
【チケット】9月27日(日) 12:00~10月5日(月)21:00
【料金】¥5,000(税込) ※スペシャル・バースデーデジタルフォトカードを全員にプレゼント
【プレイガイド】https://eplus.jp/st/penicillin1004/
【備考】
・視聴券購入者全員にライブ当日撮影した“スペシャル・バースデーデジタルフォトカード“を10月10日(土)頃よりダウンロード
※Streaming+とは?
https://eplus.jp/streamingplus-userguide/
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
サポートBass:Chiyu (https://amagasaki-rockstar.com/)
…………………………………………☆
「とのさまGIG2020」グッズ、絶賛発売中!!まもなく締め切り!
■販売期間
9/13(日) 12:00~9/27(日) 23:59まで
■発送予定
2020年11月中旬
▼DDJ公式通販サイト
====================
<関連リンク>
★PENICILLIN 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCwZb-Yju0wx1ptQi_Clhxlw
(「#お家で千聖」、絶賛更新中)
「居酒屋はくえい」
https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/live
PENICILLIN Web
PENICILLIN twitter
https://twitter.com/PENICILLIN_info
2020年09月25日 (金)
【ライヴレポート】<メリー「5 Sheep Last Tour」>2020年9月19日(土)東京・日比谷野外音楽堂◆聖地とも言える日比谷野音で「未来への扉」を開く。「“メリー”ってハッピーって意味もあるじゃん。ハッピーに健くんを送りたいと思います」(ガラ)
REPORT - 12:00:30“あの日からどれくらい時間が経つのだろう”──現メンバーで2001年に結成したメリーは今年で19年目を迎える。
“君とならずっとどこまでだって一緒に行けると思っていた” ──19年前、ガラ(vo)は長く一緒にやっていけるようにと人間性を重視してメンバーを集めた。
そんな“永遠を夢見た”けれど、2020年9月19日、東京・日比谷野外音楽堂“メリー「5 Sheep Last Tour」”公演をもって、健一(G)がメリーから脱退した。
今年2月の健一脱退発表を受け、本来なら3月から5月の3カ月間にわたり行なわれる予定だった5人体制でのラストツアー。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、例に漏れずメリーも開催の延期を余儀なくされた。
緊急事態宣言が解除された後も、エンターテインメント業界再建に向けた状況は厳しいものだった。
メリーも延期、再延期と続く中で、北は北海道、南は福岡までを巡る17本の全国ツアーの開催を決めた。
賛否両論、その風当たりはおそらく強かっただろう。でもそれは至極当然のこと。
この未曾有の事態に誰もが不安だったし、誰もが守るべきものを守りたいと思っていた。その想いは、メンバーも観客も同じだっただろうと思う。
テツ(B)がプレイングマネージャーとしてバンド活動の指揮を取り、メンバー5人で試行錯誤しながら作り上げた初めてのツアーである。
最後までツアーを完走できたのは、寄付金によって彼らを支えた人たちの功績もあることを忘れてはならない。
そして本来のファイナル公演から4カ月遅れの9月19日、デビューライブから節目節目でこのステージに立ってきた、メリーの聖地とも言える最高の舞台、日比谷野音で健一を送り出し、同時に未来への扉を開いたのだった。
この日は午後から雨が降る予報だった。
今にも涙がこぼれ落ちそうな曇天の中、開演の17時ちょうどにSEが流れ始めた。
黒い衣装に身を包んだネロ、結生、テツ、健一がステージに現れると場内から拍手が沸き起こる。
恭しく一礼をしたローディーから渡されたギターを健一が手にした頃、カラフルなモヒカン姿のガラが姿を見せた。
1曲目は健一作曲の「Happy life –reprise-」。
この「–reprise-」バージョンは、2017年5月に行なった日比谷野音でのアレンジを音源化した印象深いもの。
“世界がどうなったって 別にそれでいい 目の前の人達を幸せにしたいだけ”。今のメリーの状況や想いを、不器用ながらまっすぐに届けるメッセージソングだ。
「俺たちにとってこのツアーはすごい重要でした。
健くんとの日々を日記に書いていました。
9月19日日比谷野外音楽堂、忘れないように心に刻んでくれ!!」。
ガラの叫ぶようなMCの後、ファンへの想いを綴った「群青」、ラストの“自分の歩むべき道はどれですか?”をシャウトするように歌った「オリエンタル BL サーカス」、「迷彩ノ紳士」と続いたアップチューン。
いつもならステージの熱とフロアの熱が一体化している頃だが、歓声も思うように上げられないコロナ下ではなかなかそうもいかない。
しかしその分、バンドアンサンブルや、伸びやかなガラの歌声に自然と耳が傾く。
「sheeple Living Dead Remix」での抑揚をつけたアンサンブルや、空へと抜けていくガラのヴォーカルは心地よかった。
健一のストロークが際立つ「平日の女 –A面–」。
健一のギターとガラの歌のみになるエンディングがやけに心にしみる。
「今夜はファイナル。みんなわかってるよね。最高の最高の記憶をあなたに与えたい」と歌MCをした後、なんとか持ちこたえている空を見上げて「雨が降らないからメリーが降らせたいと思います」と「傘と雨」を歌い出した。
が、ガラが音程を取り損ねたのか、演奏をストップさせる。
「♪何事もなかったようにメリーの雨を降らせます」と再び歌い始めるハプニングもあった。
ガラのア・カペラから始まった「路地裏哀歌」、健一作曲の「高層ビルの上でラストダンス」ではガラが真っ赤な傘を持って軽やかなステップを見せる。
マーチングドラムのリズムが印象的な「【人間曲芸坐】」で赤いリップを顔に塗りたくったガラは、続く「ハーメルン」でそのリップをさらに塗り広げ、真っ赤な顔で不気味な笑みを湛えていた。
終盤は「F.J.P」「ジャパニーズモダニスト」「千代田線デモクラシー」と、現代社会に切り込むハードなナンバー三連発。
できる限りのレスポンスで懸命にステージを盛り上げようとするオーディエンスと、いつもと変わらない熱量のパフォーマンスをぶつけるメンバーとの熱の応酬を見るにつけ、彼らの絆の深さを感じずにはいられなかった。
そしてラストは「エムオロギー」。
“君とならずっと どこまでだって 一緒に行けると思っていた”。一瞬歌えなくなって、少し顔を歪めたガラ。痛みと共に新しい未来へと一歩を踏み出す彼らにふさわしいナンバーで本編を締めくくった。
アンコールは、メジャーデビュー直後の「首吊りロンド」「さよなら雨(レイン)」や、インディーズ時代の代表曲「バイオレットハレンチ」「T.O.P」と、思い入れの深い曲が並んだ。
途中のMCでガラは「ツアーをやって自分の世界観が変わった。行かないと気がつかなかったことが全国にあって、それはこれからの人生において大きな糧になると思う」と、このツアーを強行して得たことを伝えた。
そしてメンバー一人一人が今日の日を迎えた想いを語る。
「いろんなことが重なりすぎて頭の中がごっちゃごっちゃになりながらツアーを回りました。今日この地で5人でラストライブなんだなと思うと、グッと(身を引き締めて)立てています」と結生は正直な心境を、「正直言うと今日この日を迎えるまで、時間よ止まれと思っていたんですけど、今思うことは俺たち6人の未来、最高に幸あれってことです。いい景色を見せてくれてありがとう」とネロは感謝の気持ちを伝える。
テツは「俺は今、自分の気持ちを保つことが正直できません」と言葉を詰まらせる。「最後、笑って送りたいんで、日比谷の空に拍手を響かせてください」と、メンバー一人一人の名前をコールした。
そして健一は、「この日のMCを前から考えたりしてたんですけど、言葉が見つからない。本当にありきたりなんですけど、どうもありがとうございました」と率直な想いを語った。
そして最後に「この19年俺たちが毎日一緒にいて築いてきた絆は、形が変わっても絶対に消えることはない。俺らも健くんもみんなも、未来に向かって進んでいるよ。“メリー”ってハッピーって意味もあるじゃん。ハッピーに健くんを送りたいと思います」とガラ。
その後の「バイオレットハレンチ」の間奏で一度袖にはけると、墨汁を持って再び登場。口に流し込んで顔中に塗りたくる。
初期を彷彿とさせるパフォーマンスを見せて「これがメリーだ!よく焼き付けとけ!!」と絶叫した。
ラストは、健一が奏でる繊細なギターイントロが美しい「そして、遠い夢のまた夢」。
この日の前日に公開されたソロインタビューで、健一はメリーを「1番夢に近づいた居場所」だったと語っていた。
この曲を奏でながら、メンバーの胸の中は、どんな想いが去来しているのだろうか。
そんなことを考えながら、一音一音を噛み締めていた。
メンバーがステージを降りると、ツアーの写真と共に、ガラが付けていたという日記がスクリーンに映し出される。
このツアーをどんな想いで駆け抜けてきたのか、うかがい知ることができた。
そして、「みんなとメリーの未来のために」と、最後にもう一度「Happy life –reprise–」をプレイ。
途中、ガラが結生、テツを誘導して健一の元へ。4人がフロントに並んで演奏する姿をしっかりと目に焼き付ける。
やがてテツはネロのドラムへ向かい、健一と結生が向き合ってギターを爪弾く。そうそう、これもメリーのライブの中の好きなシーンの一つだった。
正直、いまだに健一がいなくなったメリーを想像することができないでいる。
晴れやかにメンバーが去ったステージをぼんやりと眺めていると、フロアで大きな拍手が沸き上がった。それは、大声を出して思いの丈を伝えられなかったファンの想いだ。
健一への餞として贈られた温かな拍手は、いつまでもいつまでも続いた。その想いはきっと、彼らの胸に届いたことだろう。
文●大窪由香
ライブ写真●尾形隆夫
====================
メリー「5 Sheep Last Tour【FINAL】そして、遠い夢のまた夢」
2020/9/19(土)日比谷野外大音楽堂
-SET LIST-
01 Happy life ‒reprise
02 群青
03 オリエンタル BL サーカス
04 迷彩ノ紳士
05 sheeple Living Dead Remix
06 平日の女 -A 面 –
07 傘と雨
08 路地裏哀歌
09 高層ビルの上でラストダンス
10 【人間曲芸坐】
11 ハーメルン
12 F.J.P
13 ジャパニーズモダニスト
14 千代田線デモクラシー
15 エムオロギー
ENCORE 1
16 首吊りロンド
17 さよなら雨 ( レイン )
18 バイオレットハレンチ
19 T.O.P
20 そして、遠い夢のまた夢
ENCORE 2
21 Happy life ‒reprise
====================
◆メリー公式リンク◆
公式サイト http://merryweb.jp
公式Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/user/MERRYOfficial
公式Twitter https://twitter.com/merry_official