2021年04月10日 (土)
【ライヴレポート】<Crack6 Break The Darkness ~Mr.CANDY RETURNS~>3月12日(金)TSUTAYA O-WEST◆ここは輝く自分にしてゆく最高の“音楽のクリニック”だ。
REPORT - 12:00:33通販限定で販売した最新シングル「Break The Darkness」を手に、Crack6が今年最初のワンマン公演「【Streaming+】Break The Darkness ~Mr.CANDY RETURNS~」を、3月12日(金)にTSUTAYA O-WESTで有観客/ライブ配信スタイルで行なった。
ここへ、当日の模様をお伝えしたい。
場内に鳴り響く「Break The Darkness(SE ver.)」に乗せ、メンバーたちがゆっくりと舞台に姿を現した。
JIRO6のドラムカウントを合図に、MSTRが重い歪みを上げたギターの音を鳴り響かせるや、「何時だってロックの衝動が最高の興奮を作り上げるんだ」と心で叫ぶように、楽曲は激しくドライブするロックンロールナンバー「Set Me Free」へ姿を変えた。
挑発どころじゃない、「この一撃にお前らも乗っかってこいよ!!」と煽るようにMSTRとメンバーたちは歌と演奏を突きつけていた。
ヤバいね、最初から彼らアクセル全開じゃないか。
早くも理性なんて言葉は、一瞬にして消えてしまったようだ。挑発どころじゃない、超絶攻撃的なロックナンバー「破壊不可能」をぶつけ、Crack6は満員の観客たちの心を螺子の壊れた人形に変えていった。
身体の制御が効かないどころか、理性を押さえつけようなんて意識がとっくに消え去った。
誰もが、思いきり拳を突き上げ、熱い手拍子をぶつけ、Crack6と一緒に自由を謳歌していた。
自分たちを縛りつける制限って何だ?破壊的なロックの衝動を前にしたら、世の中が突きつけたルールという鎖なんてすぐに切れてしまう。それをCrack6が、早くも示していた。
僕らは、このまま心の自由という新世界へ突き進むだけだ。
雄々しい姿でCrack6は「シンセカイ」を歌い奏で、抑圧された現実を激烈なロックサウンドで思いきり蹴飛ばしていった。
今宵のCrack6、最初からかなり攻めた姿で観客たちを狂わせてゆく。
ザクザクとしたMSTRのギターの音が時空を歪ませる。
時代の空気を次々と切り裂くように響くギターの音が、観客たちの気持ちをどんどん現実から遠ざける。
Crack6は、スリリングでハードエッジな「1996」を奏で、感じるままに騒ぎなよとけしかけた。
シリアスでメッセージ性の強い楽曲だからこそ、騒ぎたい想いを呼び起こしつつも、楽曲の持つ世界へどっぷり浸って心で狂えと彼らは誘いをかけていた。
止まることなく、でも、一気に観客たちを落ちた世界へ引き落とすように、Crack6はスタイリッシュでジャジーな「Cool Moon」を奏で、見ている人たちの感覚をクールなサウンドと甘い歌声をブレンドしながら酩酊させてゆく。
楽曲の表情を巧みに塗り替えながら、変幻移り変わる物語の中へ観客たちを引き込むCrack6の卓越したセンスが素敵だ。
30年近くこの世界で輝いてきた理由が、そこからも見えてきた。
「こんな時代ですから、闇を切り裂く曲を作りました」。
ここからは、最新シングルナンバーに描いた世界を具現化してゆくコーナーへ。
最初に届けたのが、触れた人たちに前向きな気持ちを与えてゆくシングルの表題曲「Break The Darkness」だ。
雄々しい歌声が響き渡る場内へ、ネガティブな時代や感情を切り裂くようにMSTRのギターの音が、Crack6の演奏が鳴り響く。
凛々しい姿と声を突きつけ、MSTRは観客たちの沸きたい気持ちを鼓舞してゆく。
共に、ここから駆けだそうと呼びかけるように、Crack6は挑発するようにスリリングな演奏を突きつけ、見ている人たちの心に、拳振り上げ立ち上がる気迫と勇気を注いでいった。
騒ぐというよりも、その場で熱く魂を燃え盛らせる楽曲のように、フロア中の人たちも拳を振り上げながらも、込み上げる熱を身体中に溜め込みながら、暴発寸前の姿を作りあげていた。
さぁ、溜め込んだ熱情をすべて爆発させろ。
Crack6は、攻めた表情で「Discord21」を突きつける。
フロア中の人たちも、振幅激しい楽曲に触発され、身体を大きく揺さぶりながら、沸き立つ気持ちを舞台上にぶつけていた。
MSTR、もっともっと気持ちを壊してくれ!
そんな観客たちの想いを具現化するように、激しい音を掻き鳴らし、楽曲は一気に駆けだした。
フロア中に高まった熱をさらに熱く沸騰させるように、Crack6はハード&パンキッシュな「Brilliant Life」を突きつけ、会場中の人たちを熱狂の踊り子に変えてゆく。
フロア中の人たちが沸き立つ想いを突き上げた拳に変え、MSTRに、Crack6のメンバーたちにぶつけだす。
何時しかこの空間には、声を出せないだけで、何時ものようにクレイジーなパーティが生まれていた。
「僕の楽しい話もチケット代に入っていたのですが、今は時間の制約もあって、今日は曲のほうで楽しんでいただこうと思います。」と言いつつ、長々と語ろうとする。そこがMSTRらしさ。
終盤は、今も進行中のプロジェクトの中から、物語のキーワードとなる「カナリア」を歌唱。胸を熱くさせる歌始まりの楽曲に触発され、一瞬で心が昂った。沸き立つ気持ちを煽るように荒々しい演奏を響かせ、Crack6は、観客たちの気持ちも身体も熱の中へ巻き込んでゆく。
振り上げた手を捧げながら、MSTRの想いを胸の内で受け止める満員の観客たち。
フロア中で揺れる手は、希望を持って羽ばたこうとする小さなカナリアの翼たちのようにも見えていた。
熱狂を生み出す演奏のギアは、ふたたびグッと一段上がりだす。
いや、ふたたびトップギアまで一気に入れた姿でCrack6は「Crazy Poker Face」を突きつけた。
荒ぶるハード&パンキッシュな楽曲の上で煽るように歌い叫ぶMSTR。
激しく掻き鳴らすギターのアクセルも何時しかベタ踏み状態だ。
「Crazy Crazy Poker Face」と何度も叫びながら、フロア中を、声を出せないだけで、ソーシャルなディスタンスを保ったうえで、何時ものように頭振り乱し騒ぎ狂う遊び場に変えていた。
自分を開放したくなり、勝手に気持ちが解き放たれ騒いでしまう。
その気持ちを抑えられないんじゃない、Crack6が理性を壊してしまうんだ。
JIRO6とTENZIXXによる跳ねたファンキーなビートが、観客たちの身体を熱く揺さぶりだす。
本編最後にCrack6は、アッパーなアゲ系パーティチューン「マリーゴールド」を演奏。
身体を揺らすラテン系のパーティ系リズムに合わせ、フロア中の人たちが手にしたタオルを振り回し、ウキウキとした表情で身体を揺らしていた。
マスク越しでも笑顔が伝わるって素敵じゃない。それくらい、マスクの中の表情筋が動いてたということだ。
気持ちを心地好く解き放つMSTRの歌に合わせ、フロア中の人たちが大きく手を揺らし少女や少年に戻ってゆく。
その姿、眩しくて最高だ。今宵も、現実を忘れ、無邪気でまっすぐな少女や少年に戻してくれてありがとう。
アンコールは、美しくもメロウな最新ナンバー「月花~TSUKIHANA~」から。MSTRのギターの旋律が優しく伸ばした音の手となり、会場中の人たちの胸にそっと寄り添いだす。
互いに心の体温を感じられる、この関係が嬉しい。
Crack6のメンバーたちが、満員の観客たちが、「月花~TSUKIHANA~」を通し、互いの心に月明かりのような温かい希望の光を注いでゆく。
音数の少ない演奏だからこそ、一つ一つの音色やMSTRの歌声を誰もがしっかりと受け止め、あやとりのように心の中で新たな想いの形として紡ぎだしていた。
最後にCrack6は、ここから新しい次の物語を綴る約束を交わすように「ZEROから始めよう」を届けてくれた。開放的な楽曲の上でテンション高い歌声を響かせるMSTR。
未来を見据え、その先にある輝きをつかむように歌声の手を伸ばす。
彼の声や熱を抱いた演奏に導かれ、会場中の人たちも大きく両手を振りながら、未来から降り注ぐ光を両手でしっかりと感じていた。
それは配信を観ている人たちも一緒だった…と思いたい。
僕らの心に、身体に、明日を笑顔で向ける熱が宿ったなら、また元気になってこの空間から外へ飛びだしていける。
ここは輝く自分にしてゆく最高の音楽のクリニックだ。
ここからは、会場に足を運んだ人たちだけのサプライズとして、Crack6はもう1曲だけ届けてくれた。
最後の最後にCrack6は、「770R」を演奏。デコボコなハイウェイを強気な姿勢で爆走するように、彼らは荒ぶる豪快な演奏を突きつけ、フロア中の人たちを熱風切る風景の中へ連れだした。ここは自由だ。
MSTRは手にしたフラッグを大きく振りながら「ローリン×3」と何度も歌いかける。
メンバーたちと観客たちが、声にならない声でコール&レスポンスしながらアガり続ける。
最後の最後までCrack6は、全力疾走で熱狂の中へ連れだす最高にロックなパーティを描きだしていった。
次回のライブは、7月18日 Shibuya Rexにてワンマンライブが決定!
どんなライブになるか楽しみだ。
PHOTO:NORI
TEXT:長澤智典
====================
★インフォメーション★
7月18日 Shibuya Rexにてワンマンライブが決定。
詳細は後日、オフィシャルサイト、各オフィシャSNSにて発表。
Crack6 Web
Crack6 twitter
https://twitter.com/Crack6_info
====================
<セットリスト>
「Break The Darkness(SE ver.)」
「Set Me Free」
「破壊不可能」
「シンセカイ」
「1996」
「Cool Moon」
「Break The Darkness」
「Discord21」
「Brilliant Life」
「カナリア」
「Crazy Poker Face」
「マリーゴールド」
-ENCORE-
「月花~TSUKIHANA~」
「ZEROから始めよう」
「770R」(有観客のみ)
2021年04月02日 (金)
【ライヴレポート】<ユナイト『10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-]』>2021年3月28日(日)LINE CUBE SHIBUYA◆紆余曲折を経てたどり着いた10周年。鳴りやまない終わらない歌。
REPORT - 14:07:37ユナイトが一年越しにLINE CUBE SHIBUYAに立つ。
それだけでも充分なシナリオになってしまうほど彼らにとって苦しい一年間だったことだろう。
しかし、ユナイトにとってこの会場は6年前に現体制になって初めてライヴを行った思い出の場所でもあり、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い泣く泣く中止した9周年公演のリベンジを10周年という節目に果たすということも加えればあまりにも出来すぎたストーリーだ。
そんな結成10周年を迎えるユナイトが3月28日に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて『10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-]』を開催した。
暗転した会場を青のレーザーライトとフロアの色とりどりのペンライトが彩り幻想的な空間を作り上げるなか、ゆっくりと幕が上がるとすでにユナイトのメンバーがスタンバイ。
莎奈(Dr)が力強いビートを刻むと、つづいてハク(B)、LiN(G)、椎名未緒(G)と順にバンドインしていき「ANOMiE ?」へとなだれ込みライヴの幕は切って落とされた。
つづいてライヴのギアを一気に上げた「レヴ」では結(Vo)が「会いたかったよ!」と感情を爆発させる。
何を隠そうこの「レヴ」はこの5人での初めての楽曲であり、6年前の渋谷公会堂公演の一曲目として初披露された曲でもある。
そして、その未来を歌ったものが昨年の9周年公演に向けてリリースされた「ANOMiE ?」なのだからこのリンクする二曲を並べた構成には序盤から胸が熱くなる。
リーダーである椎名未緒が「近年のユナイトは感謝のタームに入っていると感じている」と話していたのはまだ中止が決まっていなかった昨年の9周年公演直前の段階だが、この日は “僕らには君だけがいればいい”と歌う「ANOMiE ?」然り、続く「U -s m e h-」でも“僕は君のことが必要なんだ”という一節があった。
また、MCでも結が「今日はこの10年間のありがとうをみんなに伝えようと思う」と語るなどU’sへの感謝がこの日のセットリストにはふんだんに散りばめられていたように思う。
「次は懐かしい曲を届けたいと思います」とLiNと未緒の複雑に絡み合うギターアンサンブルが耳を引く初期の佳曲「ミドルノート」を披露すると、さらにツインギターのカッティングとハクのスラップが冴えわたる「さよならユーフォリア」、莎奈のキメとタメの効いたドラムを中心としたバンドのグルーヴが心地いい「液体の夜」「THEATER -LA-」と10周年を迎え成熟したユナイトのバンドアンサンブルの巧みさを感じることできた。
また、LINE CUBE SHIBUYAの高い天井に結の独唱が響いた「美空結び」やムード溢れる「五月已」ではどこまでも伸びていくような結の歌声に酔いしれ、前半戦の最後を壮大かつユナイトらしいかわいらしさを持つ「クオリア」でしめくくった。
しばしの換気休憩を経て後半戦は各メンバーがメンバーカラーをあしらった新衣装で登場し、「funky!!!」を生演奏でプレイし、そのままの流れでパーティーチューン「–ハロミュジック–」からスタート。
ユナイトの盛り上げ隊長であるLiNが声を張り上げた「small world order」、アグレッシブでエッジィなサウンドを聴かせてくれた「イオ」と後半戦はスタートから飛ばしていく様相だ。MCをはさんで披露された「Love_Duck_Core_Nothing」ではダークでハードの一面を見せるとフロアのボルテージは急上昇。
会場の熱をそのままに「それではLINE CUBE SHIBUYAの皆様、イタダキマス」とおなじみの口上からキラーチューン「ice」をドロップすると会場の熱は最高潮に達した。
ライヴは終盤戦、普段であれば会場全体でシンガロングするのが定番の「シトラス」もこの日はおあずけ。
しかし、「次は一緒に歌おうね」とこの先の未来の約束をしっかりと結んだ。
同様にステージ中にシャボン玉が舞った「ビリブオアノ」でも「僕たちは毎年この桜が咲く季節に周年を迎えます。これからもみんなと一緒にこの周年を迎えたいからずっと着いてきてくれたらうれしいです。ずっと一緒にいてくれるかい?」と言葉を投げかけU’sとの未来を見据えてくれた。
ユナイトが掲げる“終わらないバンド”というコンセプト。
10年間、このコンセプトがぶれることはなかったが、その道筋は決して順調なものではなかったはずだ。
事実、ユナイトが解散の危機に直面することはあったし、そんな中でも彼らがこのコンセプトを掲げ続けたのは彼ら自身バンドが終わることの悲しみを知っていることと、いつもそばにいてくれるU’sへの想いによるものであるということが伝わってくる。
さらに新型コロナウイルスによって約1年間ライヴ活動が出来なかったことでその想いはさらに強くなったのではないだろうか。
彼らはそんな大切なU’sに向けて「starting over」で“歩くことに疲れた時 そばに君にいて欲しいんだ 手を取り未来を さぁ見に行こう”と歌い、「これからもずっとこの手を繋いでいられますように」と願った。
そしてこの日のラストに用意されたのは彼らにとって始まりの曲である「Eniver」と彼らにとって最新曲である「ファンファーレ」の二曲だった。
ユナイトが10年前に見据えていた“叶えたい未来”の姿が、その10年後である2021年3月28日のLINE CUBE SHIBUYAの景色であったかどうかの答え合わせはもはや必要ないのだろう。
それは紆余曲折を経て10周年にたどり着いたユナイトがたくさんの風船と紙吹雪が舞うなかで披露した「ファンファーレ」でその意味を示してくれていた。
今 僕の目の前に君がいて 僕らが此処に立っている
たったそれだけの事が幸せなんだ
大きな夢や展望よりもっと 大事なモノを見つけたよ
多くは望まなくたって それでよかったんだ
ユナイトというバンドがあってそばにU’sがいること。当たり前のように続いてきた関係が
当たり前じゃなくなったことでお互いの存在の大きさに気付いた10年間であり、その想いと愛おしさがさらに増したこの一年間だったのだろう。
また、終演後には6月から始まる10th Anniversary oneman tour『祝ぇ。⑩』の開催と秋にリリースされる6枚目のフルアルバムの告知がなされた。
未緒の言葉を借りれば様々な困難を乗り越え、バンドとして理想的な形になりつつあるユナイトはこれからもU’sの手を取り、終わらない歌を歌い続ける。
取材・文 オザキケイト
写真◎西槇太一 / MASANORI FUJIKAWA
====================
<UNiTE. 10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-] >
2021年3月28日(日)@LINE CUBE SHIBUYA
- ANOMiE ?
- レヴ
- U -s m e h-
- ミドルノート
- さよならユーフォリア
- Cocky-discuS
- 液体の夜
- THEATER -LA-
- マーブル
- 美空結び
- 五月已
- クオリア
換気休憩 –映像上映–
- funky!!!
- –ハロミュジック–
- small world order
- イオ
- Love_Duck_Core_Nothing
- ice
- シトラス
- ビリブオアノ
- starting over
- Eniver
- ファンファーレ
====================
<LIVE情報>
■ユナイト 10th Anniversary oneman tour 「祝ぇ。⑩」
・6/16(水) 高田馬場AREA
・6/25(金) 渋谷TSUTAYA O-WEST(ハク バースデー)
・7/02(金) 名古屋E.L.L.
・7/04(日) 大阪ESAKA MUSE
・7/11(日) 広島セカンドクラッチ
・7/17(土) 仙台CLUB JUNK BOX
・8/09(月・祝) 金沢AZ
・8/15(日) 福岡DRUM Be-1
・8/16(月) 福岡DRUM Be-1
——————————————————————-
【チケット先行予約受付中】
FCチケット https://sp.unite-mobile.com
一般チケット https://ticket.deli-a.jp/
受付期間:3/28(日)20:00~4/11(日)23:59
====================
[ユナイト オフィシャルサイト]
[ユナイト オフィシャルTwitter]
https://twitter.com/official_unite
2021年04月01日 (木)
【ライヴレポート】DASEIN: 3月14日(日)渋谷REX◆JOEの生誕祭公演はDASEIN愛あふれる、ファン歓喜の神セトリだった!
REPORT - 12:00:163月14日(日)、ドラマーJOEの誕生日を祝おうと、渋谷REXを舞台にDASEINが「DASEIN presents JOE Birthday LIVE EVENT「WELCOME TO THE FACE 2021ー祝・49歳で益々シクヨロです!!!ー」を行なった。ゲストプレイヤーに、SCOTTIE(G)、村井研次郎(B:cali≠gari / ELLEGUNS)、巧(マニピュレーター)を。ゲストミュージシャンに、JOEの盟友でもあるPANTHER(G:ELLEGUNS)を招いて、開催。今回は無観客ライブ配信という形を通してとはいえ、DASEINらしい熱を放つライブを見せてくれた。当日の模様を、ここに再現したい。
ライブは、JOEのドラムプレイから物語を幕開けた。次第に音が輪郭を描きだす。JOEの演奏へ導かれるようにメンバーたちも舞台へ姿を現し、少しずつ音を重ねだす。荒ぶる表情へ変わり始めるや、舞台の上から生きたセッション演奏が飛びだした。JOE・SCOTTIE・村井研次郎が音をぶつけあう演奏は、次第に音像を具現化してゆく。JOEがジャケットを脱ぎ、シャツ姿になったのをきっかけに、楽曲は「待宵影」へ。躍動するエレクトロ音に導かれ、軽やかに舞いながらRickyが舞台に姿を現した。JOEの持ち味を冒頭から示したうえで、DASEINは結成20周年を記念し作った「待宵影ーマツヨイカゲー」を届け、ライブを幕開けた。彼らは今のDASEINの姿を。いや、誕生から20年以上経とうと本質は何も揺るがないことを、「待宵影」を通して突きつけてゆく。
一転、次に届けたのが、活動初期の楽曲「英雄ピエロ」。彼らは、20年という時の流れを一つの輪として繋げてゆく。時代は移り変わろうと、サウンドメイキングも含め、DASEINの本質は何も変わってないことを、華やかなのに攻めた姿勢を示す「英雄ピエロ」でも2人は示していた。気持ち沸き立つままに熱唱するRickyの姿も、凛々しい。
続いて「キ・ミ・ダ・ケ」を演奏。立て続けに初期ナンバーの登場に、タイムラインにも次々と歓喜の書き込みがあふれだす。まさに、長きに渡りDASEINを支持してゆく人たちが、今も彼らを支えてるという証拠だ。もちろん、懐かしさだけに浸るのではない、今の歌や演奏に、あの当時とは異なる心揺さぶる深みが増しているからこそ、時を越えた曲たちが、今も新鮮な輝きを放ってゆく。
前半部は、活動休止前の曲たちを中心に構成。 次に届けたのが、JOEが大好きな「走馬灯」。ミドルメロウな、どっぷりとしたディープな世界へ浸れる楽曲だ。想いを蘇らせるように朗々と歌うRickyの歌声が、見ている人たちの心を潤してゆく。タイムラインにも「泣ける」や( ;∀;)などの絵文字が流れていた。たとえ距離は離れていようと、いつだって彼らの音楽は身近に寄り添い、想いを伝えてゆく。それをDASEINは、「走馬灯」を通してしっかりと示してくれた。
幻惑するエレクトロ音へ導かれ、重く歪むギターの音が流れだす。JOEのドラムが重いビートを刻むのを合図に、楽曲は「バラバラ」へ。沸き立つ熱情を、Rickyは爆発寸前の溜め込んだ気持ちのまま歌っていた。テンション高くスリリングな空気が、画面越しでも伝わってくる。現場で味わっているときと同じ、奮い立つ緊張感がとても刺激的だ。
バトルしてゆくような演奏陣の激しい演奏に乗せ飛びだしたのが、「Yの黙示録」。荒れ狂いながらも緊張感を抱いた演奏の上で、雄々しい姿で歌うRicky。気持ちをすべて解き放つようにサビを歌いあげるRickyの声に、魂が奮い立つ。懐かしさも含みつつとはいえ、強い意志を持った2人の魂の叫びを、いろんな活動初期楽曲を通し、目の前に提示してきたことが嬉しかった。
ここからは、JOEのドラムソロのコーナーへ。ティンパニスティックを手に、丸みを帯びた壮大な世界観を作りあげたうえで、JOEは巧みにスィックを持ち替え、シャープな音に演奏を塗り替えてゆく。次第にダイナミックに表情を広げてゆく様が印象的だ。カメラ目線でアピールしてゆく姿を味わえるのも、配信ライブだからこその楽しさ。さらに、ゲストギターのPANTHERと、ふたたびベースの村井研次郎を迎え、シンフォニックな楽曲を背景に演奏。この3人が揃ったということは、実質ELLEGUNSが演奏を担うという形だ。
ライブの後半は、DASEIN/ELLEGUNS混成スタイルとして進行。よりハード&ヘヴィネスさを増した演奏を背景に、Rickyは雄々しい声を張り上げながらtheCYCLE(Vo+ELLEGUNS)の「Eternal Rain」を歌いだした。以前にも披露したことがあるとはいえ、Rickyをヴォーカリストに迎えた疑似theCYCLEを体験している気持ちになれたのも嬉しかった。
飛びだしたのが、「金輪際」だ。終始押せ押せな空気を作りながら、DASEINは雄々しい姿でせまりだす。熱情した想いを全力でぶつけるRicky。どんな逆境の中でも戦う強い意志を曲げることはない。昨年からの心折れそうな環境を何度も不屈の魂で乗り越えてきたDASEINに似合う、気持ちを熱く沸き立てる楽曲だ。
猛々しい演奏を背景に、Rickyは攻めるように「ケリをつけろ」を歌いだした。隠し持っていた野生の牙を剥き出しに、Rickyが、JOEが、爆走した演奏の上で魂を燃やす熱い姿を見せていた。
次に披露したのが、JOEとRickyが出会ったきっかけになった「BREAK←SHAKE→BRAIN」。2人は、あの頃を思い返しつつも、胸に込み上げる熱い想いを抱きながら「BREAK←SHAKE→BRAIN」を歌い、奏でていた。巧みに展開してゆく楽曲に揺れ動く感情を重ね合わせながら、DASEINは愛しい心模様を高らかに歌いあげていった。
重厚なデジタル音が炸裂。楽曲は、華やかさを抱きながらも、攻める表情を強めてゆく。DASEINは、「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」をぶつけ、画面越しで観ている人たちを、離れていても頭振れるだろう!身体を折り畳めるだろう!と言わんばかりに雄々しい姿で煽っていた。さぁ、熱した気持ちのままどんどんアガり続けろ。
DASEINは、本編最後に最新シングル「泡沫なる夢幻」を届け、これまでの歩みを、そしてこれからも変わらず突き進む意志を、雄々しく未来へ向かって漕ぎだす姿に変えて歌っていた。これまでの荒々しい空気さえすべて抱え込みながら、21年の歴史を持つDASEINという矛舟にみんなを乗せて大海を漕ぎ続けることを約束していった。
ふたたびギターにSCOTTIEを迎え、アンコールは荘厳でシンフォニックな「流離人」から始まった。Rickyは、左手にサイリウムを持ちながら歌唱。スケールあふれたドラマを描き出す楽曲に心を浸しながら、Rickyが歌いかける流離う想いに心を寄り添えていた。
ふたたび会場に、そして見ている人たちの置かれた環境へ優しい音楽の風を吹かせるように、DASEINは「天つ風」を届けてくれた。雄々しい姿や、ポップでメロディアスな表情も魅力だが、このブロックのようなスケール大きい曲調の上で声を朗々と響かせながら歌う楽曲も、DASEINには欠かせない。心地好く身体を揺らしながら、ずっと穏やかな音のうねりの中に浸っていたい。
ここで、ふたたびゲストギタリストのPANTHERが舞台へ姿を現した。ここからは、ツインギターのDASEINへ。JOEの猛々しいドラム演奏を合図に荘厳シンフォニック&エレクトロ&ラウドな「COGITO ERGO SUM」を演奏。卓越した演奏技術を誇るメンバーたちが、ザクザクとした音を突きつけたときの臨場感は、画面越しでもしっかりと伝わってきた。あのパワフルな音の衝撃、今度はぜひ目の前で浴びたい。
「生きようぜ!!」。最後にDASEINが届けたのが、「我ここに在り」。何時の時代でも変わらぬ想いを詰め込んだ歌を、JOEの生誕祭の最後に持ってきたところが心憎い演出だ。いや、この日のセトリをJOE自身が決めたように、この曲を最後に持ってくることで、JOE自身がいつも支えてくれるファンたちに愛しさと感謝の想いを伝えたかったということだろう。その気持ち、ありがとう!!
DASEINは、4月4日の渋谷REXを舞台に「SoconialDASEIN 2021「EVIDENCE OF EXISTENCE~二十ノ刻を超え いとおしむ君へ~」を行なう。その後も、神戸・大阪・東京(埼玉)でワンマン公演も決まっている。今年はデビュー20周年という記念の年。コロナ禍の中、どこまで形に出来るかは定かではないとはいえ、まだまだDASEINは攻め続けようとしている。その姿を、引き続き追いかけてもらいたい。
PHOTO:折田琢矢
TEXT:長澤智典
====================
<3月14日 セットリスト>
「存在」
「待宵影」
「英雄ピエロ」
「キ・ミ・ダ・ケ」
「走馬灯」
「バラバラ」
「Yの黙示録」
-Drum Solo-
「狼煙」
「Eternal Rain」
「金輪際」
「ケリをつけろ」
「BREAK←SHAKE→BRAIN」
「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」
「泡沫なる夢幻」
-ENCORE-
「流離人」
「天つ風」
「COGITO ERGO SUM」
「我ここに在り」
====================
【LIVE INFORMATION】
DASEIN
SoconialDASEIN 2021「EVIDENCE OF EXISTENCE」
二十ノ刻を超え いとおしむ君へ
2021年4月4日(日)
東京 SHIBUYA REX
指定席:¥7,800(税込/D別) ※来場者特典付き
Open 16:30 / Start 17:00
出演:Vocal:Ricky / Drums:JOE
◆配信チケット
https://twitcasting.tv/shibuya_rex/shopcart/59153
——————————-
DASEIN 20th Anniversary TOUR 2020
2021年5月8日(土) 神戸VARIT. [振替公演]
2021年5月9日(日) 大阪RUIDO [振替公演]
2021年6月19日(土) 赤羽ReNY alpha [代替公演]
2021年6月20日(日) 赤羽ReNY alpha [振替公演]
——————————-
「泡沫なる夢幻」
作詞:DASEIN
作曲:DASEIN
編曲:都啓一 (Rayflower/SOPHIA)
Gt Rec:YUKI(Rayflower/DUSTAR-3)
ジャケットデザイン;ZERO (THE MICRO HEAD 4N’S)
配信開始日:2021年1月1日(金)
<作品紹介>
2001年1月1日、デビューシングル「夢つれづれ」のリリースからちょうど20年目を迎える2021年1月1日にリリースされる記念すべき今作は、【泡沫夢幻(ほうまつむげん)】という日本語特有の文化でもある四字熟語をモチーフに、DASEINとしての20年間の軌跡を描いた作品となっている。人生とは泡沫の夢のようであるが、そんな幻の如きリアルな世界でJOEとRickyは出会い、DASEINが生まれ、ザイナー(ファンの呼称)と出会い、解散の時を超え、またこうして同じ夢を見ながら音楽を奏でていられる事への喜びと感謝が綴られた歌詞が印象的。
そんな歌詞の儚さとDASEIN王道の哀愁を帯びた歌謡メロディー、JOEのアグレッシブかつ繊細なドラム、ハートウォームゆえにどこかノスタルジックなRickyのハイトーンボイスが、デビュー当初の古き良きを感じさせながらも、今回初めてDASEINの楽曲アレンジを手掛けた都啓一氏(Rayflower/SOPHIA)のサウンドメイクにより、さらに深みを増した古き良き新しきHYPER BEAT ROCKに仕上がっている。
====================
DASEIN オフィシャルサイト
DASEIN twitter
https://twitter.com/dasein_555
JOE BLOG
https://ameblo.jp/joe-doramusuko/
Ricky オフィシャルサイト
http://hyperneosoloist.com/ricky/
Ricky BLOG
https://ameblo.jp/ricky-soloist
Ricky twitter