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2021年04月19日 (月)

【ライブレポート】Blu-BiLLioN、解散。「今日ここで歌えていて、マジで幸せです」

REPORT - 17:00:39

2010年に始動し、以降独自の道を歩んできたBlu-BiLLioN

暗いバンドや激しいバンドが多いヴィジュアル系シーンにあって、スタイリッシュかつ柔らかみのある音楽性や爽やかなバンド・イメージなどを打ち出した彼らは異端視されることも多かった。

だが、そんな状況に左右されることなく彼らは自分達のスタイルを貫き、大胆に音楽性の幅を広げ、ダンサーを交えた独自のライブのあり方を提示するなど、強い存在感を発していく。

その結果Blu-BiLLioNはヴィジュアル系フリークにとどまらず、幅広い層のリスナーから支持されるバンドになった。

 

 

 Blu-BiLLioNは独自の魅力を持ったバンドだけに、マイペースで長く活動していくだろうと思っていたが、Seikaがジストニアを患い、思うようにドラムが叩けないという苦境に陥ってしまう。

彼は闘病しつつバンド活動を続けていたが、症状が悪化したことを受けて2018年に最後の手だてとして手術を受けることを決意。

手術は成功したが、Seikaの症状が改善することはなく、彼はBlu-BiLLioNを脱退したいという意向をメンバーに伝えた。

その後、全員で話し合いを重ねた結果、2020年に彼らは解散することを決めた。

 

 

 コロナ禍の影響で1年先送りになったBlu-BiLLioNの解散ライブは春先のラスト・ツアーを経て、2021417日にTSUTAYA O-EASTで行なわれることが決定。

当日の会場には入場制限の限界となる多数のオーディエンスが集まり、さらにリアルタイム配信で多くのファンが見守る中でのライブとなった。

 

 

 オープニングSEが流れ、オーディエンス全員が手にしたペンライトの光で場内が青く染まる中、メンバー達がステージに姿を表した。

客席から熱い拍手が湧き起こり、Blu-BiLLioNのラスト・ライブはエモーショナルな「reason」で幕を開け、パワフル&キャッチーな「Believers High」「GARDEN」へと続く流れで始まった。淡いブルーカラーで統一した衣装に身を包んだメンバー6人が並び立った華やかなステージと心を駆り立てるサウンドに客席の熱気は一気に高まり、ライブは上々の滑り出しとなった。

 

 

Blu-BiLLioNラスト・ライブ【蒼】へようこそ。今日は声が出せないし、スペースも限られているけど、今までで一番のライブをするから最後まで着いてきてください!」というミケのMCを挟んだ後、セカンド・ブロックでは「S.O.S.」や「Miss Mermaid」「この手に在るもの」といったダンサブルなナンバーが続けて演奏された。

全身を使って内面の感情を表しつつ情熱的な歌声を聴かせるミケ。

引き締まった表情で、テクニックと歌心を絶妙にブレンドしたギター・ソロを奏でる宗弥。

クールな立ち居振る舞いとシュアなギター・ワークのマッチングが印象的なmag

透明感を湛えたピアノの音色で楽曲を彩りつつホットなラップも聴かせるteru

激しいステージングを展開しながらグルーヴィな重低音を響かせる珀。

手数の多い凝ったドラミングを渾身の力で叩ききるSeika

貫禄を漂わせてパフォームするメンバー達を見ていると、学生服のような衣装に身を包み、少年っぽさを放っていたデビュー当時のBlu-BiLLioN10年を経て、大人の色気を感じさせるバンドになったなと思わずにいられなかった。

 

 

 ダンス・ミュージックの応酬で場内をフィジカルに盛り上がりを見せた後、珀と宗弥が解散を迎えた心境を語ってくれた。

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「最後ですね、今日は。淋しくなる、本当に。今日までみんなが応援してきてくれた分だけ淋しくなる気持ちが沢山あるけど、でもそのお陰で、この先の俺は絶対に強く生きていけると思う。Blu-BiLLioNcolours(ファンの名称)が一緒に過ごした時間を忘れないでいてください。僕も絶対に忘れません。このすごく楽しいメンバーと一緒にやってこれたという事実と、みんなが応援してくれたという事実は本当に力になりました。ありがとうございます」(珀)

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「最後ですけど、どう捉えるかだなということを個人的には思っています。“悲しい、淋しいお別れ”と捉えるのか、“新たな旅立ち”というように捉えるかで変わってくるなと。僕らはポジティブなメッセージを伝えてきたバンドだと思っているので、今日は“旅立ち”のほうでいきたいと思います。この個性豊かなメンバー5人とBlu-BiLLioNをやってすごく思ったけど、人と関わるってすごく素敵なことですね。人を信じたり、夢をぶつけてみたり、預かってみたりとか、そういうことってすごく大事だということを実感できました。そう思わせてくれたのはメンバー6人を温かく受け止めてくれた、みんなのお陰です。ありがとう」(宗弥)

 

 ライブ中盤では翳りを帯びながら疾走する「Resonance-共鳴」やアダルト&ジャジーな「キミコレクション」、どこか異国情緒を感じさせる「群青」などを披露。こういったナンバーを聴くとBlu-BiLLioNの音楽性の幅広さをあらためて感じるし、すべての楽曲の完成度が高いのもさすがといえる。

異なる要素を巧みにハイブリッドさせて独自のエモーションを生み出す彼らの手腕は実に見事で、曲を追うごとに深みを増していく世界観に強く惹き込まれた。

 

 

 その後は、Seikaterumag、そしてミケが挨拶。

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「ジストニアという病気になって、ドラムが思うように叩けなくて。振り返ると正直ツラいことのほうが多かったかなと思ったけど、ツアーを再開して、みんなが楽しんでくれていることがわかったんです、すごく。自分はバンドやっていて良かったなって思いました。ドラムやっていて良かったなと思いました。長いバンド人生を、本当にいい思い出で締め括ることができます。みんなのお陰です。本当に、ありがとう。この最高の仲間とcoloursがいてくれたから……本当に、10年間ありがとうございました」(Seika

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10年間Blu-BiLLioNというバンドをやってきて、今こうやってこのステージに自分が立っているのは沢山のcoloursのみんなや関係者の人達と出会えたからです。Blu-BiLLioNというバンドと一緒に過ごしてきた時間というのはかけがえのないものだったし、それを誇りに思って、未来に向かってこれからも走り続けていきたいと思います。Blu-BiLLioNと一緒に過ごしてくれて、ありがとうございました」(teru

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「みんなにも夢というものがあると思いますけど、僕にも夢があって。音楽をやって飯を食いたいなとか、自分が憧れるアーティストみたいになりたいなと思って音楽を始めて。今日がその夢の終わりなんだなと思うと……すごく悲しいです。でも、後悔とかは全然ない。今日までやれて幸せだったし、自分が夢見たものに少しでも近づけたんじゃないかなと今日は自信を持って思います。今日来てくれたみんなと、この場にいなくても応援してくれたみんながいたからがんばれました。僕にとってみんなは自分の誇りであり、宝物です。本当に、ありがとうございました」(mag

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「こうやって俺らのためだけに集まってくれる人が沢山いる状況で歌えるということは何回も夢に見ていました。だから、今日ここで歌えていて、マジで幸せです。ありがとうございます。夢にくじけそうな人も、仕事にくじけそうな人もいると思うけど、そういうことも向き合える力さえあれば乗り越えられると思う。俺らの曲だったり、ライブだったりが、そういう力の元になれればいいなと思います。自分は自分のために歌うし、ここまでがんばってきた。だから、よかったらみんな俺の姿を見て、メンバーの姿を見て、また明日からがんばろうと思って人生と向きあってください。よろしくお願いします!」(ミケ)

 

 

 Seikaを皮切りに思わず涙ぐみながら話す彼らの姿に、客席からは温かみに溢れた拍手が湧き起こった。

みんな、本当はメンバーに声をかけたいだろうなと思う。

だが、声を出すことができなくても、ファンのBlu-BiLLioNに対する深い愛情をしっかりと感じることができる瞬間だった。

 

 

 ライブ後半では「ハートフラクタル」や「H&H」「To Blue」といったメロディアスかつ爽快感に溢れたナンバーが相次いで届けられた。

笑顔を浮かべながらフィジカルなパフォーマンスを展開するメンバー達と華やかな盛り上がりを見せるオーディエンス。

TSUTAYA O-EASTの場内が楽園を思わせる空間へと化す中、Blu-BiLLioNはラストソングとして「HOME」をプレイ。

心に強く響くミケの歌声と躍動感に溢れたサウンドで場内を完全にひとつにした後、「多分もうこの言葉を叫ぶことはないから忘れないように聞いてくれ! Seika! 珀! teru! 宗弥! mag! 俺達がBlu-BiLLioNだ!」というミケの言葉でライブを締め括り、メンバー達はステージから去っていった。

 

 

 Blu-BiLLioNという唯一無二の存在が終焉を迎えることになったのは本当に残念だ。

10年に及ぶ活動を通して“自分らしくあることの尊さ”を示し続けた彼らには大きな拍手を贈りたい。

今後もBlu-BiLLioNのようなバンドは表れるかもしれないが、Blu-BiLLioNと同じ方法論で彼らのクオリティーを超えることは至難の業といえるだろう。

それを強く感じさせる、素晴らしいライブだった。

 

 

 もうひとつ、今回のBlu-BiLLioNのラスト・ライブはDVD化されることが決定となった。

最後のステージでメンバーが見せた表情や、ここには書ききれなかった言葉の数々は必見といえる。

ライブの内容が非常に良かったことも含めて、ぜひ多くのリスナーにチェックしてほしいと思う。

 

 

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SET LIST

 

1. reason

2. Believer’s High

3. GARDEN

4. S.O.S.

5. Miss Mermaid

6. この手に在るもの

7. SEED

8. Love Addict

9. Ready?

10. Resonance-共鳴

11. キミコレクション

12. 群青

13. Tresor –トレゾア

14. with me

15. Aqua

16. ハートフラクタル

17. H&H

18. 響心identity

19. To Blue

20. HOME

 

 

 

村上孝之

写真青木早霞(PROGRESS-M

 

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RELEASE INFO.

 

Blu-BiLLioN

2021.07.07 Release

LAST ONEMAN LIVE 「蒼」 2021.4.17 TSUTAYA O-EAST

 

■限定メモリアル豪華盤

RSBD-058 20,000+税

DVD3枚組+CD2枚組予定

 

[DVD]

LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」ライブ映像

LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」オフショット

LAST ONEMAN TOURContrast」オフショット

Music Clip Collection

 

[CD]

LIVE CD LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」

 

[豪華ブックレット]

LAST ONEMAN TOURContrast」と追加公演「蒼」のLIVE写真やオフショット、またこれまでのアーティスト写真や未公開オフショット写真などを含む、メモリアルにふさわしい大ボリュームを予定。

 

封入特典:パスステッカー

 

■通常盤

RSBD-059 6,000+税

 

[DVD]

LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」ライブ映像

ブックレット封入

発売元:Resistar Records

※収録内容及び仕様等は変更になる可能性がございます。

 

 

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GALAXY BROAD SHOP限定メモリアル豪華盤 ご予約特典】

https://www.galaxybroadshop.com/artist/resistar_records/blu_billion/

 

LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」 ポストカード

(ソロ各1点+全景 全7/ソロにはサイン・メッセージ入り)

※サイン・メッセージは印刷されたものとなります。

 

 

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Blu-BiLLioN LAST ONEMAN TOUR 追加公演「蒼」

LIVEアーカイブ配信中】

420()23:59までアーカイブ視聴できます。

 

【配信チケット料金】¥3,000

【チケット販売期間】420()20:00まで

GALACCAhttps://www.galacaa.com/concert/171

 

 

Blu-BiLLioN オフィシャルサイト◆

http://blu-billion.jp/

 

Blu-BiLLioN Twitter

@RR_BluBiLLioN

 








2021年04月16日 (金)

【ライヴレポート】<SARIGIA Natsu生誕祭『April Summer Festival 2021~ねこふんじゃった Vol.3~』>2021年4月7日東高円寺二万電圧◆7ヶ月連続コンセプトMV:第4弾「嫉妬-envy-」も間もなく公開!

REPORT - 00:35:08

  Natsu(G)の誕生日当日となる47日に、SARIGIAは東高円寺二万電圧を舞台にNatsuの生誕祭『April Summer Festival 2021~ねこふんじゃった Vol.3~』を開催した。当日の模様を、ここにお伝えしたい。

 

 本番前にSARIGIAは、Sチケット購入者のために、ファンたちからのリクエスト曲と自分たちの楽曲を演奏する公開リハーサルを約30分ほど実施。ここではGLAYの「winter again」から、REIGNやモンストロの楽曲カバーなどを披露していた。

 

  Natsuの生誕祭として行なわれたライブは、フロア中の人たちの意識もメンバーと同じ悪魔へ塗り替えるように、「Devil Carnival」から物語を描きだした。冒頭からノイズにも似た轟音が、身体中へ一気に降り注ぐ。その衝撃に興奮というスイッチを押された観客たちは、身体を大きく揺さぶり、時に跳ねながら、身体中から沸き立つ熱をメンバーらへぶつけだす。熱と熱を交わし合う行為を通し、いつの間にかフロア中の人たちも悪魔の化身に心が染まってゆく。

 

  フロア中から突き上がる無数の拳。「Die,Die,DIE」の演奏に合わせ、大勢の人たちが身体を半身に大きく拳を振り回していた。舞台上から降り注ぐ轟音が、「感情のストッパーを破壊してしまえ」「もっともっと騒ぎ狂え」と言わんばかかりに、見ている人たちの感覚を刺激してゆく。客席後方ではライブ自体を俯瞰してゆく人たちもいたが、フロアの大半は、暴れ騒ぐ人たちの姿で支配されていた。

 

  「やろうか!!」「暴れて行こうか!!」。火照った身体から熱を発し続ける観客たちへ闘いを挑むように、アスカが「自己愛的自虐思想の歌」を歌いながらけしかける。いつの間にかNatsuや翔磨も舞台の最前まで身を乗り出し、観客たちに熱した音の矢を次々と突き刺していた。序盤から、舞台上も客席も、感情を、闘争本能を剥き出しに、沸き立つ気持ちをぶつけあっていた。 髪の毛がざんばらと乱れる光景が最高だ。

 

 たとえ声を出せない環境だろうと、熱くなる気持ちを抑える理由はない。むしろ、沸き立つ気持ちをどれだけ沸騰して互いにぶつけあえるかだ。「お前らのその頭を捧げてこい」。アスカの声を合図に飛びだしたのが、7 ヶ月連続会場限定販売SINGLE3弾曲の「色欲-lust-」だ。手拍子をしながら煽るアスカに合わせ、同じく手拍子を返す観客たち。サビでは、飛び跳ねながら、手にしたタオルを大きく振りまわす観客たちの姿も。腹の奥底までズンズンと重く響く演奏に、気持ちを掻き立てられないわけがない。会場中の人たちが大きく両手を振りかざし、ずっと跳ね続けていた。

 

 さぁ、もっと狂ってくれと言わんばかりに、SARIGIAは「S.D.S」を突きつけ、観客たちの理性をすっかり消し去ろうとしていた。舞台前のバーに足を乗せ、観客たちを煽るアスカ。声を出せないぶん思いきり頭を振り乱し、想いをぶつけ返す観客たち。途中、身体を折り畳む景色も作りながら、ダークで重厚でヒステリックな音の衝撃をSARIGIAは叩きつけていた。

 

 「拳でこい!!」。ダークでノイジックな楽曲だ。でも、胸を揺さぶる切なくもメロウな歌に、胸が強く惹かれてゆく。「Deep;er」は、身体も、気持ちも、熱く沸き立てるドラマチックな楽曲だ。緩急や激烈/メロウと2つの表情を巧みに交錯しながら、SARIGIAはフロア中にヘドバンと花咲く2つの光景を描きだしていった。

 

 MCでは、この日の主役Natsuが、誕生日当日にライブを開催出来た喜びを語っていた。昨年はコロナで当日開催が出来なかったからこそ、誕生日当日に、ファンたちと一緒にこの時間を過ごせることをNatsuは素直に喜んでいた。Natsuにとって、誕生日当日に生誕祭を行なえるのは3回目にして初。その喜びをファンたちと嬉しそうに分かち合っていた。

 

  後半は、観客たちを悪夢の世界へ導き入れようと「in NIGHTMARE」を演奏。身体をつんざく重厚な音がふたたび舞台上から襲いかかる。ホラーでサタニック、ラウドでパワフルな楽曲だ。メロディアスな歌だからこそ、フロアには騒ぐのはもちろん、歌に身を委ね大きく身体を揺らす光景が生まれていた。叩きつける激しい演奏へ全力でぶつかりあえば、胸に熱い想い込み上がる歌に合わせ、たくさんの手の花も咲いていた。

 

  ダークな楽曲へ、さらに漆黒の黒を塗り重ねるように、SARIGIAは「鴉」を突きつけた。黒く重い音の衝撃に触発され、フロア中の人たちも大きく身体を折り畳み続けていた。黒い感情へ熱した赤い情熱という色を描き加えながら、ライブは轟音を撒き散らし突き進んでゆく。

 

  翔磨の重厚なスラップベースが響きだす。最後にSARIGIAはシンフォニック&ラウドな「クルエルシンフォニー」を演奏し、フロア中の人たちが掲げた手を下ろすことなくずっとその場で跳ねさせたり、身体をどっしりと身構え思いきりヘドバンしてゆく光景に染め上げていった。アスカの煽りに合わせ騒ぐ観客たち。Natsuも舞台の最前へと躍り出ながら、ノイジックなギターの旋律を突きつけ、会場中を騒ぎ狂うダンスホールへと染め上げていった。

 

  アンコールは、7ヶ月連続会場限定販売SINGLE2弾曲として発表した「強欲-greed-」から。みやびのドラムビートに合わせ翔磨がベース音を繰り出せば、そこへNatsuのギターと同期の音が重なりだす。本編では攻撃的な楽曲を軸に据えたライブを描きだしていたからこそ、歌心を持った楽曲が余計に胸に染み渡る。アスカの動きに合わせ手の振り真似をする観客たち。それまで騒いでいた観客たちも、身体を心地好く揺らしながら歌に身を預けていた。とはいえ、間奏ではしっかり頭振り回す光景も飛びだしていたが。共に口ずさみたくなるサビ歌に触発され、アスカと同じ振りをしながら気持ちを同化してゆく観客たち。気持ちを一つに溶け合わせる表情も素敵だ。

 

  ここで、SARIGIAYouTubeで配信している動画「SARIGIA裏チャンネル」内で行われた企画の結果発表をスタート。ここでは、Natsuのために行なったバースデー企画チャレンジの中、誰が一番企画的に良かったかのファン投票による結果発表を実施。まずは、「審査員特別賞」をアスカが受賞。「投票第一位」を獲得したのも、アスカ。なんとアスカは、2冠を獲得。各メンバーがNatsuにどんなプレゼンをしたのかは、すでに配信中。動画内での結果発表も既に配信されているので、ぜひ「SARIGIA裏チャンネル」をご覧になっていただきたい。

 

  

  次に披露したのが、この日のためにNatsuが作りあげた新曲の「Raison D’etre」。Natsu自身が、己の存在を証明する想いを込めて記した歌を、アスカがNatsuの気持ちになって歌唱。意外とストレートな言葉の多い、熱い気持ちを真っ直ぐにぶつけた楽曲だ。アスカ自身も、言葉を噛みしめるように、爆走する重厚な演奏に乗せ、中二病的な心境を届けていた。とても感情的な楽曲だ。でも、それが胸を熱く沸き立てていった。

 

  最後にSARIGIAが突きつけたのが,、悪魔をコンセプトに設えた今のSARIGIAに相応しい「VENOM」た。「やるぞ!!」と何度も観客たちを煽るアスカ。これまで以上にラウドでデジタルな。でも、とてもヘヴィ&グルーヴィな楽曲だ。激しく唸りを上げ疾走する演奏の上で、雄々しい声でアスカは観客たちを煽る。もちろんフロアには、髪の毛を振り乱し、身体を折り畳み、高く拳を掲げ飛び跳ねる熱狂の様が生まれていた。共に熱と熱を分かち合おうと。いや、互いに生み出した熱を喰らう勢いで、メンバーと観客たちが剥き出しの感情と感情をぶつけあっていた。この熱気と熱狂。ぜひ、726日の赤羽ReNY alpha公演へと繋げたい。

 

 4月下旬には、「嫉妬」をテーマにした「7ヶ月連続コンセプトMV」第4弾「嫉妬-envy-」の公開が控えている。こちらも待ち遠しい。

 

 

TEXT:長澤智典

 

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★インフォメーション★

 

ライブ情報は、こちらから。

https://www.sarigia.com/live

 

傲慢-arrogance- Music VideoFULL

https://www.youtube.com/watch?v=6DW-u8N5Ytc

強欲-greed- Music VideoFULL

https://www.youtube.com/watch?v=xPUhQgthC7w

色欲-lust- Music VideoFULL

https://www.youtube.com/watch?v=iWxp69E7Sf8

 

 

SARIGIA Web

https://www.sarigia.com/

SARIGIA twitter

https://twitter.com/SRGA_Official

SARIGIA 公式YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCUOlqJdaraafZu2QEEBHQ5g/videos

SARIGIA ONLINE STORE

https://sarigiainformation.stores.jp/

 

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<セットリスト>

 

Devil Carnival

Die,Die,DIE

「自己愛的自虐思想の歌」

「色欲 – lust –

S.D.S

Deep;er

in NIGHTMARE

「鴉」

「クルエルシンフォニー」

ENCORE-

「強欲-greed-

Raison D’etre

VENOM


2021年04月14日 (水)

【ライヴレポート】<圭ワンマンライブ<THE LIBERTY -輪廻の新月->2021年4月12日(月)TSUTAYA O-EAST◆「僕はこの道を進んで行く」 。圭という一人のアーティストが誕生した瞬間を目撃した夜。

REPORT - 21:00:46

圭としての本格的なソロ活動の幕開けとなったワンマンライブ<THE LIBERTY –輪廻の新月>が4月12日、東京・TSUTAYA O-EASTにて開催された。有観客及び、GALACAAを通して生配信も行われたこの公演のレポートをお届けする。

 

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圭という一人のアーティストが誕生する瞬間、それを目撃した夜だった。

 

ファン、いやきっと本人さえも、まさか自分がこんな風にボーカリストとしてステージのセンターに立ち、ギターやピアノを弾きながらライブを行なう姿は想像していなかったのではないだろうか。

 

圭がギターを弾かないパートは、今回初めてサポートメンバーに加わった結生(Gt/メリー)が高松浩史(Ba/THE NOVEMBERS,山口大吾(Dr/People In The Box), hico(KeyboardManipulator)と息を合わせ、サポートしていく。

星空に、自身の存在意義を問いかけるように歌っていたボーカルは、次の「17.」でバックバンドが叩き出す躍動感に満ちたサウンドに合わせて、強い意思を持った歌へとスイッチ。

圭はギターを弾きながら、フロアに突き出した花道を颯爽と移動しながらハンドマイクでライブタイトルにもなった“liberty”を連呼。BAROQUEが止まって以降、考え続けた自分の存在意義。

その答えが2009年、自ら歌って作り上げたソロ作品(『silk tree.』、『for a fleeting moment.』)にあったことをこのアクトで改めて確信した彼は、曲を歌い終えた瞬間、マイクを持った左手を頭上へ堂々と突き上げてみせた。

それはまさに、圭自身がBAROQUEやギタリストといった肩書きから自らを解き放ち、ここからは歌おうがギターを弾こうがなにをやってもいいんだと、自由になった自分を受け入れた瞬間だったといえる。

その感覚を、圭は短い挨拶を届けたあとのMCで「どんな日になるのかと思ってたけど、初めてのことだらけなんですけど、懐かしい感じ」だと言葉で表現した。

フロアを見渡しても、圭が歌う姿に驚愕する人はいなかった。

それほど、歌うアクトが当たり前のように自然に観えたということだ。

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ライブは子供たちの声をサンプリングした「pitiful emotional picture.」で一人ひとりの幼き頃の記憶の扉を開いていったところから、サウンド志向の楽曲へとシフト。

sanity dance.」、「the blueroom.」という変拍子で次々と展開していくエレクトロニックな原曲を、ここではメンバーの高度な表現技術によって生演奏版ならではの新しいバンドアレンジで楽しませていった。

こうしてメロディアスな歌もの、エレクトロニックな楽曲と圭というアーティストがもつ作家性の魅力がつまった扉を順番にオープンしていったあと、次に待ち構えていたのは、圭のギタリストとしての魅力がつまった扉だった。

hicoが奏でるエレガントなピアノに導かれて扉が開き、圭が弾きだしたのはオリジナル曲ではなく、誰もが知っているあのクラシカルな美しいラブバラード「A Whole New World」(ディズニー映画『アラジン』主題歌)だった

歌うようにギターでリリカルなメロディを奏でるのは圭の音楽の原点でもある。

ギタリストになるととたんに華麗さ、艶が倍増する圭。

ファンたちは1曲まるごと通してそんな圭をたっぷり堪能しながら、彼が鳴らす伸びやかなギターの音色に誘われ、ラグジュアリーな摩天楼の夜空へのランデブーを楽しんでいった。

 

メンバー紹介をはさんで「sleep2 the moon.」からは、ファンタジックな楽曲たちを通して月に向かってランデブーが始まった。

この日の月は、夢や願いごとを叶えるには絶好のチャンスといわれている新月だった。

その新月が届けるパワフルなエネルギーを受け止めながら、曲を丁寧に届けていった圭は「綺麗な新月が見えましたね」と静かに観客に語りかけた。

そのあと、ギターを置いた圭は、ドラムの横にセットされたアップライトピアノの前に移動してスタンバイ。

歌、ギターに続いて、ここではkannivalism時代に「small world」でピアノを演奏していたこともある自分の扉をオープン。

ビートルズとディズニーランドが絵本のなかで1つになったような曲「vesperbell.」をピアノを弾きながら歌唱してみせた。

歌い終えたところで、再びギターを持ち、パンキッシュな「4letter word.」の勢いで場内の高揚感や熱気をグッと高めたところから、ライブはクライマックスへとのぼり詰めていく。

autophobia.」~「cry symphony.」と軽やかな変拍子にのせ、エモーショナルな音の洪水のなかに観客をダイブさせた直後、夜空に向かって轟音をスケール感たっぷりに放ち、真っ白い風景を鮮烈に描いていったいったシーンは、この日のハイライトだった。

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「今日はありがとうございました」とライブを締めくくった圭は、再びマイクに向かい、昨年9月にBAROQUEの無期限活休発表直後に行なったソロライブのことを回想し「あの日はいま考えると、(一歩を踏み出すことをまだ)恐れていた」と本音を吐露。

「だから、あの日の自分に今日決着をつけたいと思います」と投げかけた直後、BAROQUEの「BIRTH OF VICTORY」~「I LUCIFER」を続けてプレイした。

歌詞を噛みしめるように歌った「I LUCIFER」の“この世界に君はいない”が切実な響きとなって、ファンの心を揺さぶり、涙を誘う。

その涙を吹き飛ばすように、照明で真っ赤にそまったステージ、圭は花道に飛び出して跪き、渾身の力をこめて、自分はこの現実を受けとめてここから突き進んでいくんだというメッセージをエネルギーに満ちたギターソロに込めてパフォーマンスした姿は、本当に凛々しかった。

そうして、あの日の自分にきっちりとけじめをつけ、一歩を踏み出した圭は、清々しい表情をうかべて本編を締めくくり、ステージをあとにした。

 

ファンのクラップに呼ばれ、再び舞台に姿を表した圭は、まず「まっすぐなマイクスタンドで自分が演奏して歌ってる夢を見て。それがいまのライブをやるきっかけになった」と打ちあけ、ファンを驚かした。

そうして、今日演奏した12年前に作ったソロ曲たちは、当時インストアイベントで数曲演奏しただけで、正式なライブは1度もやっていなかったため、ほとんどが初演奏だったと解説。

「でも、まるで今日のために曲たちが待っててくれたのかと思うぐらい、その曲たちがマッチしてて。その曲たちに背中を押されて、いまここにいます」と感慨深そうな表情を浮かべて話した。

また、今年結成20周年を迎えるBAROQUEについても触れ、この20年間、解散に再結成、メンバーの失踪に脱退など、なにかあるたびに新しいバンドスタイルを模索し続け、バンドを存続させてきた圭は、一人ぼっちになったいまの状況に対して「BAROQUE、まだまだ俺に新しいことをやらせるか」といってこのバンドが引き寄せる奇妙な運命を軽く笑い飛ばしてみせたのだ。その姿はたくましく、眩しいぐらいに輝いていた。

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そうして「挑戦することは素晴らしいこと」と前置きした上で、ソロデビュー曲「the primary.」はそんなことを思いながら書いた曲で「10年以上たったいまもそう思ってます」といってアンコールはその「the primary.」で幕開け。

目の前にいるファン一人ひとりにアイコンタクトを送りながら、全てを終える瞬間まで人生を輝かせろと熱いメッセージを届けていった。

歌い終えた圭は“よし”と2回うなずき「一歩ね、一歩だけど踏み出せた気がしてます」と誇らしげに語りかけ「俺をここまで育ててくれてありがとう」とファンに向かって感謝の気持ちをストレートに伝えた。

「僕はこの道を進んで行くんで」と力強く宣言したあとは「この世に生まれて出会ったすべての人、愛してます」と付け加え、「最後に聴いて下さい」といって再びピアノの前に座り、バラード「ring clef.」をアクト。

感動的なMCからこのピアノの弾き語りでじわじわその感動を高めていこうとしていたそのとき、圭が間違えてしまい曲はストップ。

「ちくしょー。こういうところで人間出ちゃうんだよな」と悔しそうに独り言をいって再度やり直し。

それでも、慣れないラブソングを通して“初めて君に出逢った日と変わらないままに”と誓う圭の歌は頼もしく響いてきて、自信がみなぎっていた。

「たくさん失敗したり、楽しいなと思う発見もいろいろありました」とこの日の公演を振り返った圭は、最後にフロアに向かって「このまま前に進むつもりなんで。また会いましょう」と笑顔で伝えた。

その姿は、最後まで力強かった。

 ★TANABE_KEI0412_1948

歌にギター、ピアノ、作家性に富んだ楽曲たち、自分にある才能の扉をあらゆる角度から全開にして、圭がソロアーティストとしての第一歩を踏みだすことに挑んでいったこちらのライブは4月15日(木)2359までGALACAAにてアーカイブ配信中(http://www.galacaa.com/concert/186)だ。

チケットは415日(木)2000まで発売しているので、ライブを観られなかった人はぜひこの配信期間中に圭のライブを観て欲しい。

*(アーカイブ配信では権利上の都合によりカバー曲はカットされている)

 

 

LIVE PHOTOKEIKO TANABE

 

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SOLO LIVE

THE LIBERTY –輪廻の新月

2021412() TSUTAYA O-EAST

 

<サポートメンバー>

Guitar 結生(メリー)

Bass 高松浩史(THE NOVEMBERS)

Drums 山口大吾(People In The Box)

KeyboardManipulator hico

 

[SET LIST]

01. wailing wall.

02. 17.

03. the salvation.

04. pitiful emotional picture.

05. sanity dance.

06. the blueroom.

07. A Whole New World cover

08. sleep2 the moon.

09. moon dreams.

10. vesperbell.

11. 4letter word.

12. autophobia.

13. cry symphony.

14. BIRTH OF VICTORY

15. I LUCIFER

En1. the primary.

En2. ring clef.

 

 

[ライブ配信 アーカイブ]

 

SOLO LIVE

THE LIBERTY –輪廻の新月

2021412() TSUTAYA O-EAST

 

【チケット販売期間】

415() 20:00まで

http://www.galacaa.com/concert/186

※カバー曲は権利上の都合によりアーカイブからカットしております

 

【アーカイブ視聴期間】

415() 23:59まで

 

【配信チケット料金】

3,500 (税込)

 

【視聴について】

配信システム「GALACAA」にて配信します。

 

GALACAA

https://www.galacaa.com

 

 

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サブスク配信中

■圭

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