2021年07月15日 (木)
【ライヴレポート】<lynch. TOUR’21-ULTIMA->2021年7月14日(水)LINE CUBE SHIBUYA◆同公演の映像作品発売が決定!◆いよいよ「TOUR’21-ULTIMA-」も残り3公演。渋谷の地で彼らは感情を爆発させた──。
REPORT - 00:19:24名古屋出身のロックバンドlynch.が7月14日(水)、LINE CUBE SHIBUYAより「TOURʼ21-ULTIMA-」のホール公演をスタートさせた。
OPENING SEから激しくライトが点滅する近未来的なセットと観客の手拍子が合わさり会場が充分に温まったところでメンバーが堂々たる登場。
1曲目はこのツアーを語るうえで欠かせない楽曲の一つである2020年発売のアルバム『ULTIMA』よりタイトルチューン「ULTIMA」から幕を開けた。
序盤から怒涛のアッパーチューンでLINE CUBE SHIBUYAという“処刑台”を煌びやかに染め上げていく。
叩きつけるように輝く照明がVo.葉月のシャウトの魅力をより一層引き立てる。
中盤では“心の目と心の耳”に聴かせるスロー・ミドルチューンの楽曲が展開される。
葉月がlynch.の“動”とするなら“静”をつかさどるのはベースの明徳だろうか。
巧みなセットリストはlynch.最大の持ち味である“静と動”が不変であることの現れであり、誰かが欠けてもlynch.は成立しないということを改めて感じさせてくれる。
”静“の瞬間もつかの間。再び終盤に向けアッパーなサウンドで会場の盛り上がりを極限まで高めていく。
メンバーの今日一番の熱量に観客は圧倒され、自然と体が激しく動き出す。
最後は身振り手振り・手拍子・ヘッドバンギング・・・今できる最大限の表現で限界突破し、本編は終了した。
アンコールでは本日の公演である『TOUR’21 -ULTIMA- 07.14 LINE CUBE SHIBUYA』が
Blu-rayとDVDでの発売が発表されるとともに、葉月セレクトのLIVE初披露の楽曲を含む5曲、そしてダメ押しのダブルアンコール1曲を披露し惜しみない拍手とともに最高のライヴは幕を閉じた。
初めは戸惑うことも多かったニューノーマルでのライヴであったが、葉月の「心の声があれば大丈夫ってことがわかった!」という言葉からも伝わるように、想いや熱量を伝える方法は声だけでないことをこのツアーを通じて実感させられた。
今週7/17(土)の地元名古屋への凱旋、7/23(金)の大阪公演をもって「TOUR’21-ULTIMA-」はフィナーレを迎える。
彼らがこのツアーで積み上げてきた“願い”を最後まで見届けてほしい。
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<リリース情報>
★2021年11月17日(水)発売
lynch.『TOUR’21 -ULTIMA- 07.14 LINE CUBE SHIBUYA』
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【Blu-ray】品番:KIXM-464/価格:¥8,580(税抜価格¥7,800)
【DVD】品番:KIBM-881/価格:\5,280(税抜価格¥4,800)
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※商品情報詳細はキングレコード lynch.公式アーティストページまでhttps://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=41281
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<TOURʼ21 -ULTIMA-各公演スケジュール>
7月17日(土) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール16:00/17:00
7月23日(金・祝) フェニーチェ堺 大ホール16:00/17:00
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<関連URL>
■キングレコード lynch.公式アーティストページ
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=41281
■lynch.公式ウェブサイト/SNS
[OFFICIAL HP]
[OFFICIAL Twitter]
https://twitter.com/lynch_staff
[YouTube lynch. OFFICIALCHANNEL]
https://www.youtube.com/channel/UCH4a3Uy6viB3eLuOqQY7sHA
2021年07月12日 (月)
【ライヴレポート】<圭『THE SCRIPTURE -回帰の受難-』>2021年7月10日東京・日本橋三井ホール◆──自らが信じ、愛する音楽を奏でられること、それを共有できることの喜び。
REPORT - 18:00:077月10日、圭が東京・日本橋三井ホールにて『THE SCRIPTURE –回帰の受難–』と銘打たれたライヴを行なった。
時期的にはあいにく東京都での4度目の緊急事態宣言発令が確定した直後、さまざまな音楽フェスの中止が相次ぐ中での開催となったが、万全の感染防止対策がとられ、客席の間隔が充分に確保された会場には熱心なファンが集結し、それを遥かに超える数多くの人たちが配信を介してこのライヴの目撃者となった。
公演タイトルに掲げられた英単語が意味するのは、聖書や経典といったもの。
また、同夜の公演終了後、圭自身がツイッターを通じて発信した感謝のメッセージには「どんな受難があろうと演奏し続けたい、愛する曲たちを呼んだ新月の夜でした」という言葉が添えられていたが、ステージ上で演奏する圭のたたずまいは、困難に押し潰されそうになりながら苦闘しているというよりも、自らが信じ、愛する音楽を奏でられること、それを共有できることの喜びの大きさを感じさせるものだった。
盟友というべきヴォーカリスト、怜の音楽活動引退に伴いBAROQUEが無期限の活動休止の意向を示したのが2020年9月のこと。
その直後にも、そして今年の4月にも圭は個人名義でのライヴを行なっている。
こうした一連の機会は、新たな表現形態を単純に提示するものというよりも、時間経過とともに彼自身のヴィジョンや決意といったものがより明確かつ強固なものになっていくさまを示すものになっていたと思われる。
たとえばそれは、ある種の覚悟をもって臨んだことによって固まった決意が、さらなる確信を伴ったものになっていく過程だったのではないだろうか。
実際、去る5月の時点において、前回、前々回の公演を振り返りながら、圭は次のように語っている。
「自分でもあまり実感がないまま9月にBAROQUEの休止を発表して、その前から決まっていたソロ・ライヴをやって、それから4月までの間に7ヵ月あって……。
その経過の中でようやく『ああ、俺、ホントにひとりになったんだな』と実感したんです。
たとえば新しい曲を作ろうとして、いいメロディが思いついたとしても、『いい曲になりそうだな』と思った次の瞬間『だけど誰が歌うの?』ということになる。
そこでシンガーを探すことも含めていろんな方法を考えたんだけど、どれも完全にはしっくりこなくて。
ホントに毎日、自問自答を繰り返してましたね。
ただ、すべてをポジティヴに捉えるとすれば、これはある意味、もっと難しいことにチャレンジできるチケットを授かったってことなんじゃないかなと思って。
バンドのギタリスト出身のやつがひとりでやっていく。
それがすごく大変なことも、それを上手く続けられる人がなかなかいないこともよく知ってるわけですけど、そこで挑戦するかしないかは自分次第じゃないですか。
そこでチャレンジして、もしもそれをやり遂げられたなら、もっと価値のある何かが獲得できるのかもしれない。
だから、そこへの挑戦権を神様からもらえたんじゃないかと捉えることにしたんです」
受難という重い言葉が指すのは、まさにそうした「より困難なことへの挑戦」なのだろう。
去る4月のライヴの際と同様、今回の公演でも、ステージ中央から客席フロアへと長い花道がまっすぐに伸びていた。
前回の公演においてこの花道が意味していたものについて、圭は「自分の中にある花道、つまりギタリストとシンガーとの境界線みたいなものでもあった。
メッセージを発信するギタリストに憧れて歩み始めた俺が、あの花道を進んでいくことで自分の理想とする存在へと近付いていくかのような図をイメージしていた」と認めている。
同時に彼は、根拠のない自信と抑えることのできない衝動に突き動かされた16歳当時の感覚が、さまざまな経験を重ねながら音楽的にも人間的にも成熟を遂げてきた今現在の彼自身の中に蘇ってきている、とも発言している。
つまり、衝動と理性、理屈抜きの領域と理論的な裏付けを併せ持った状態で、いわば無邪気な確信犯であれるのが現在の彼ということになるのかもしれない。
その花道の上を軽快なステップで躍動する彼の姿には、まるで現実と理想の間を自由に瞬間移動できるかのような身軽さが感じられた。
ステージは、深海を思わせるような青く暗い照明の中で幕を開け、その主人公たる圭はまずブラック・スーツで登場。
トータル1時間50分ほどに及んだライヴには二度の場面転換が設けられ、その中盤にヒョウ柄のコートで花道を闊歩する彼の姿はまるでファッション・モデルのようにも見えたし、邪悪ささえも持ち合わせているかのように感じられた。
が、後半に純白の衣装をまとって現れた際には、まさしく少年期の純真さを連想させるまばゆさが感じられた。
もちろんそうした演出は、彼の音楽自体の多面性や、そこで表現される物事の二面性といったものとのリンクを形にしたものではあったはずだが、表現者としての彼の柔軟性、変幻自在とまで言うと大袈裟だろうが、パフォーマーとしての彼が秘めている未知の可能性といったものも感じずにはいられなかった。
そもそもはギタリストである彼が、ギターをほぼ弾かない曲もあった。
最後の最後に披露された“ring clef.”では、ピアノ演奏をしながらの歌唱となった。
BAROQUEの楽曲も披露されたが、BAROQUEもkannivalismも動いていなかった2009年に発表された2枚のソロ作品『silk tree.』『for a fleeting moment.』からの楽曲もライヴにおける重要な位置を占めていた。
12年前に生まれたそうした楽曲たちについて、ステージ上の圭は「この曲たちと成長していきたい」と発言していた。
この言葉は、今現在の彼が、12年前の理想をより確実に具現化できる術を持ち合わせているのを自覚できていることを意味しているのではないか、と思えた。
そして重要なのは、このライヴが「BAROQUEの圭」のライヴではなく圭自身のライヴであること、同時に、何かとの差別化を図るようにわざわざソロ・ライヴと銘打たれたものではなく、単純に「圭のライヴ」だったということではないだろうか。
信頼のおける音楽仲間たちとの演奏をすべて終えると、圭は「また来月、会いましょう」と言い、その場を去った。
再会の場は、8月12日、渋谷ストリームホール。
すでにいくつかの境界線を越えてきたはずの圭が、そこでどのような進化と成熟の形を披露してくれるのかを楽しみにしていたい。
また、今回の『THE SCRIPTURE –回帰の受難』については、7月13日(火)の23:59までアーカイヴ映像が公開(https://admin.galacaa.com/concert/221)されているので、是非今のうちにこの重要局面を目撃しておいてほしい。
文●増田勇一
ライブ写真●上溝恭香(TAMARUYA)
【アーカイブ配信中】
圭
THE SCRIPTURE
–回帰の受難–
2021年7月10日(土) 日本橋三井ホール
【Support Members】
Guitar 結生(メリー)
Bass 高松浩史(THE NOVEMBERS)
Drums 山口大吾(People In The Box)
Keyboard&Manipulator hico
【配信チケット】
¥3,500 (税込)
【視聴チケット 販売受付】
配信システム「GALACAA」
7月13日(火) 20:00まで
https://admin.galacaa.com/concert/221
【アーカイブ視聴期間】
7月13日(火)23:59まで
◆GALACAA
※チケット購入・ご視聴には事前にGALACAA会員登録(無料)が必要になります。
※初めてのチケット購入手続きには少し時間を要しますので、余裕をもって事前のご登録・チケット購入をおすすめいたします。
詳しくは https://www.galacaa.com/about
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【LIVE INFO.】
圭
2021年8月12日(木) 渋谷ストリームホール
「THE ELEGY –夜明けの明星–」
1st STAGE_TRANSPARENT UTOPIA.
2nd STAGE_WITH LOTS OF LOVE.
※詳細は後日発表いたします。
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サブスク配信中
■圭
•Amazon Music Unlimited:https://music.amazon.co.jp/artists/B085XQWR3Y
•Apple Music:https://music.apple.com/us/artist/kei/1465709836
•Spotify:https://open.spotify.com/artist/0maFrI7WiLIRflewebbNeF?si=W_ypbJb9SVujxq-HpkMU6Q
•LINE MUSIC:https://music.line.me/artist/mi0000000012988b5f
•AWA:https://mf.awa.fm/2WI5gxn
•KKBOX:https://kkbox.fm/Lr18Rt
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【BAROQUE official SNS】
site http://pigmy.jp/
Twitter @BAROQUEofficial
Facebook https://www.facebook.com/BAROQUEofficial.JP/
2021年07月05日 (月)
【ライヴレポート】LM.C<The Best Live Ever>2021年6月28日・29日 Veats Shibuya 2Days◆──この居場所は、誰にも譲れない。
REPORT - 18:00:53生ならではの刺激的な臨場感。対面することで得られるリアリティと安心感。波動となった音の粒たちが、皮膚や耳粘膜にぶつかってくることで感じる本能的快感。
LM.Cがここに至るまで、敢えて生配信ライヴや無観客ライヴは行わず、あくまでも現場主義を貫き通してきている理由は、彼らが今回のステージ上で繰り広げてみせたパフォーマンスたちの中にこそ在った。
今年10月に15周年を迎えるLM.Cが、4月に恵比寿LIQUID ROOMにて開催された[LM.C LIVE 2021 -The Best Live Ever Vol.1 “LET ME’ CRAZY!!”]に引き続くかたちでこのたび開催したのは、6月28日の[LM.C LIVE 2021 -The Best Live Ever@ Veats Shibuya Vol.2 “No Emotion”」]と、6月29日の[LM.C LIVE 2021 -The Best Live Ever@ Veats Shibuya Vol.3 “Shibuya Cantabile”]という計2本のライヴだ。
これらのライヴタイトルからもわかるとおり、この[The Best Live Ever]シリーズでは毎回メインチューンが掲げられている中、それこそここまでの約15年間の中で生み出されてきた新旧の名曲たちがその脇を固めていくという構成になっているため、コアなファンや長年のファンにとって“うってつけ”な内容になっているのはもちろんのこと、逆にファン歴が浅めな方々にとっては「毎回のライヴがまるごとベスト盤のような分かりやすい内容」になっている、とも解釈することが出来るだろう。
そのうえ、今回のライヴでは28日のオープニングを飾った「Be STRONG, Be POP.」と、29日の冒頭に置かれていた「In Future, New Sensation」で、共に俗に言う“SE”というかたちで既存音源が場内へと流され始めたかと思いきや、いずれも曲の途中から各メンバーがバンドインしていくことにより、ごく自然なかたちで“オープニングSEがいつの間にか1曲目に変貌する”という、なかなかに粋でエキサイティングな演出から始められたのである。
受け手側からすれば、ここでしょっぱなからテンションが上がってしまった!という方も、相当数いらっしゃったのではなかろうか。
なお、28日の公演では昨年2月に発表された『Brand New Songs』に収録されていた曲であり、まさにこの夜の主人公でもあった「No Emotion」がライヴでの初お目見えを果たす一幕もあったほか、久々にライヴの場で聴けた気がする「marble-s」や、彼らが前述の『Brand New Songs』をリリースする際に「5年後なり10年後にやり続けられるLM.Cとしてのスタンダードな曲」として作ったという「Campanella」などでは、じっくりじんわりと“聴かせる”曲たちで、言うなればエバーグリーンなLM.Cという一面も存分に堪能させてくれたと言っていい。
しかしながら、ヘヴィな「METALLY」から始まったラストに向けての畳みかけ場面では、文字通りな神曲「The BUDDHA」までの計4曲で、LM.Cのふたりはあたかも翌日の公演があることを忘れているかのような、渾身のエネルギッシュなステージングを展開してみせ、ここに関してだけは15周年の余裕ある貫録というよりも、いまだに尖り続けていて良い意味でオトナゲナイ彼らの姿が実に尊く、そして微笑ましくもあった。
さらに、翌29日のライヴでも前半戦ではこれまた分別のある大人が表現する、敢えてな“若気の至り感”が全編に溢れているロックチューン「ChainDreamers」や、2010年に発表された楽曲であるにも関わらず〈“何ひとつ守れない”と嘆くよりも 何度でも立ち向かえば良いさ 大切な物はいつもすぐ側にある だから何が起きても大丈夫〉という歌詞が、今この状況の中でやけに響いてきた「DAYS」といった珠玉の楽曲たちを、彼らは惜しみなく投下。
また、ライヴ中盤ではこの夜のライヴタイトルに冠されていた曲であると同時に、これまで基本的に渋谷で行われるライヴでしか演奏されたことがない「Shibuya Cantabile」を、ヴォーカリスト・mayaが高らかに伸びやかに歌いあげ、本来であれば今頃は世界中の人々が集っていたであろう渋谷の街の“在るべき姿”を、色鮮やかに描き出してみせた。
(ちなみに、この曲ではAijiが聴かせるギターソロも流麗にしてドラマティックで大変素晴らしいこともここに付記しておこう!)
それから、もうひとつ29日の公演で印象的だったのが「A Blueberry Night」が聴けたくだりで、この曲はもともと2009年にリリースされたシングル『GHOST†HEART』のカップリングであったものの、過去にリクエストライヴに向けたファン投票で1位を獲ったことがあるというガチな“隠れた名曲”で、この場でもその秀逸なほどポップなメロディラインと、切なくもスウィートな歌詞たちが、さぞかしオーディエンスの心を奪っていたと思われる。
かくして、この両日の[The Best Live Ever]を締めくくるべく29日のラストスパートゾーンに選ばれていたのは、mayaのメインヴォーカルとAijiのコーラスがツインヴォーカル的に映える「DOUBLE DRAGON」から始まった、サイケデリックダンスチューン「Chameleon Dance」を含む計4曲。
特に、mayaが発した以下のメッセージから始まった最後のこの曲が放った輝きは、10年の時を超えてより一層のまばゆさを感じさせるものになっていたような気がする。
「何が起きても変わらない。そうだろ?この場所が俺たちの“星の在処”!」(maya)
そう。「星の在処。–ホシノアリカ–」は、10年前に東日本大震災が起きた際、mayaが〈灯りの消えた街に〉散在しているであろう、惑いや不安を抱えていた“仲間”たちに向けて発信した、LM.Cにとっても彼らを愛する人々にとってもすこぶる大切な、確固たる希望を音楽に託したもの。
思えば、あの10年前当時にもさんざん世間からエンタテインメントが不遇な扱いを受けたことは未だ記憶に新しい。
そして、結局のところコロナ禍に突入して以降の現在もまた、音楽業界は半ば不可抗力的な苦境に意図せず立たされてしまっているところがある。
だからこそ、LM.Cがこの夜ここで伝えてくれた〈この居場所は 誰にも譲れない〉というメッセージが、ことさらに深く響いてきたのは何も筆者だけではあるまい。
生ならではの刺激的な臨場感。対面することで得られるリアリティと安心感。波動となった音の粒たちが、皮膚や耳粘膜にぶつかってくることで感じる本能的快感。
やはり、それらはどうやってもライヴ空間というその場所にしか存在し得ない貴重なものなのだ。
なんでも、LM.Cはこれ以降も隔月ペースで8月と10月にライヴを行う方向で動いているとのこと。
となれば、その素晴らしい機会たちを逃す手はないと断言出来る。
何が起きても変わることのないLM.Cと我々だけの譲れない居場所で、彼らと共に時にはハジけ、時には(心の中で)笑い、最終的にはいたく感動する。
そんな飛びきりの夜がそう遠くないうちにまた訪れることを、今はただ心待ちにしていたい。
文◎杉江由紀
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-SET LIST-
☆6月28日(月) -The Best Live Ever Vol.2- “No Emotion”
1.Be STRONG, Be POP.
2.Chameleon Dance
3.@FUNNY PHANTOM@
4.DOUBLE DRAGON
5.mosaïque city
6.No Emotion
7.mR.century
8.DAYS
9.Campanella
10.marble-s
11.Happy Zombies
12.GAME of LIFE
13.METALLY
14.OH MY JULIET.
15.MOGURA
16.The BUDDHA
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☆6月29日(火) -The Best Live Ever Vol.3- “Shibuya Cantabile”
1.In Future, New Sensation
2.ChainDreamers
3.レインメーカー
4.@FUNNY PHANTOM@
5.GAME of LIFE
6.mosaïque city
7.mR.century
8.DAYS
9.Shibuya Cantabile
10.A Blueberry Night
11.Happy Zombies
12.Hangover
13.DOUBLE DRAGON
14.No Emotion
15.Chameleon Dance
16.星の在処。–ホシノアリカ–
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●LM.C
ヴォーカリスト・maya(まーや)とギタリスト・Aiji(あいじ)によるヴィジュアル系ロックユニット、LM.C。
ミクスチャー、デジロック、HIP HOP風・・・と、簡単にカテゴライズできないPOPでキャッチー なサウンドを展開し、その存在感はもはやヴィジュアル系という枠にとどまらない。
2006年活動スタートと共にメジャーデビュー。
翌年2007年には台湾にて初の海外フェスに出演。
2008年に渋谷公会堂ライブを実施。2012年には日本武道館公演を成功に収める。
活動地域も日本にとどまらず世界各国に進出。特にヨーロッパ圏のJ-ROCKファンから 「最も注目されるJ-ROCK Band」と評される。
2009年と2010年、2012年には3度に渡る ワールドツアーを敢行するなどワールドワイドに高い評価を得ている。
その後もホールライブや 海外公演もコンスタントに継続し、2021年10月には デビュー15周年を迎える。
★最新デジタルシングル3作品配信中
– SCHEDULE-
▪8月8日(日) ESAKA MUSE
▪8月12(火) Veats Shibuya
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★LM.C OFFICIAL SITE★
http://www.lovely-mocochang.com/
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