V系って知ってる? びじゅなび特別インタビュー

<第3弾>千秋(DEZERT・Vo)

──DEZERTは12月14日にLIVE Blu-ray&DVD『DEZERT SPECIAL LIVE 2022 in 日比谷野外大音楽堂 “The Walkers”』を発売しますが、今年のDEZERTはその野音でのワンマンを行ったあと、夏にはこれまでに発表してきた過去アルバムについて補習するためのシリーズライヴ「study」を開催し、10月に入ってからは最新シングル『The Walker』を発売しました。また、その後には立て続けに夕闇に誘いし漆黒の天使達、deadman、そしてRoyzと3組との2マン形式ライヴも経験するなど、特にこの下半期はたくさんの経験値を多く詰むことが出来た日々だったのではありませんか。

そうね。もちろん、俺らのことだけを観に来てくれる人たちだけがいる環境でやるワンマンと、タイバンとかイベントのDEZERTを観に来たわけじゃない人もいるっていう中でやる30分なり何なりの枠の中でやるライヴでは違うところもあるけど、これまで自分自身の意識としてはワンマンだろうとタイバンだろうと、場所が北海道だろうと福岡だろうと、ステージに立つ時は何時も“初めてDEZERTを観てもらう”ことを前提に“1本のライヴを通してひとつの物語を描く”感覚でやって来てたんですよ。当然、1冊の本には序章があってオチとしての結末もあるわけです。でも、この秋に入ってからやった2マンの3本は良い意味で“完結しない”感じがあったかな。おそらく夕闇~もそうだし、deadmanにしても、Royzにしたって、どっかではまた交わることがあるだろうし、なんかそういう未来が見えたというか。ワンマンみたいな今日だけの物語として完結しました、っていうのとは違う感覚があったのは確かです。

──それから、今年のDEZERTの動きについて語るうえでは6月にtwitter上でバズった“#V系って知ってる?”の件についても欠かすことが出来ませんよね。

そうですか?あれってそこまでバズったことになるのかな?!まぁ、ちょっと予想以上の拡がり方をしてくれたなとは思ってますけど。

──ちなみに、このたび12月27日に開催されるイベントのタイトルが[V系って知ってる?]であることを思うと、もしやあの時点からここまでの道筋は描いていたことになるのですか?

全然。そんなの全くなかったです。むしろ、僕らが仕切るみたいなかたちでのイベントを武道館でやることについて僕は反対派だったんです。

──それは何故だったのです?

今年の年末のイベントよりも、自分としては来年1月のツアーの方に意識がまずは行ってたからですね。

──来年1月に行われる、最新シングル『The Walker』と連動した東名阪でのワンマンとなる[DEZERT LIVE TOUR 2023 「てくてくツアー」]のことですね。

 いや、それがですね。そもそも1月のツアー自体を本当はワンマンではなくイベント形式で大阪はなんばHatch、名古屋はDIAMOND HALL、東京はTOKYO DOME CITY HALLで何か出来ないか、ということを僕としては当初かなり模索してたんです。だから、年末の武道館に関しては個人的に言うと消極的でした。

──つまり、そこで動き出したのが今回のイベント[V系って知ってる?]でオーガナイザーをつとめているSORAくんだったと。

うちのSORAくんと社長がまずは肩を組んで「やる!」ってなったんで、そういうことであるならば「やるよ」と僕もなりました、っていうことですね。

──なるほど。では、ここで再び6月の“#V系って知ってる?”についてうかがいたいのですが、なにしろあれはDEZERTファンのみならずたくさんの人々を巻き込むかたちで拡散していきましたし、様々な世代がそれぞれに“V系に対する持論”や“V系に対する想い”を発信していく機会にもなっていたように思います。千秋くんとしては、当初からそのような状況が生まれること自体は元tweetをされる際に想定はされていたのですか。

そういう切っ掛けになったら面白いかな、とは思ってました。あと、この「V系って知ってる?」っていう問い掛けっていうのは、多分もともと「hideって誰?」っていう問い掛けから始まってると思うんですよ。

──それはイベント[V系って知ってる?]のオーガナイザーであるSORAくんが、hideさんを深くリスペクトしていることとそこは関係しているわけですね。

当時もそうだったんだろうし、今もそうだけど、hideさんってヴィジュアル系どうこうとかも飛び越えて、世代も何も関係なく、誰が見てもめちゃくちゃイケてる存在じゃないですか。要は、これって「いいものはいい!」っていうだけの話なんですよね。まぁ、ヴィジュアル系っていう言葉自体はここ20年とか25年くらい?の歴史を持ってるものなんでしょうけど、その中には自分にとっての青春も含まれてる一方で、LUNA SEAさんとか今でも第一線でカッコ良いライヴをしてるアーティストもいるっていうのも凄いと思うんですよ。だから、そういうことを今ここで少し再確認してみてもいいのかなと思っただけなんです。「そうだよね。ヴィジュアル系って好きだったよね」って。逆に言うと、自分としてはその程度の感覚しかなかったとも言えます。「ここから俺らがV系をどうにかしたい」みたいなのは、そんな特になかった。

──とはいえ、あの時には渋谷に千秋くんひとりをフィーチャーした巨大ボードが「V系って知ってる?」のコピーと共に出現しましたし、てっきりあれはそれなりの意図や覚悟を持っての動きだとばかり思っておりましたよ。そして、あのタイミングでは2017年にとあるソロインタビューでSacchanからうかがった言葉も思い出したのです。彼はあの5年前の時点で、既に「千秋くんにはこれからのヴィジュアル系を担う代表的なタレントになっていって欲しい」と明言されていたのですよ。

そこしか生き残る道がなかった、っていうだけの話だと思います。僕らの世代だと、まだ高田馬場AREAは元気にやってて、そこでやってた人気のイベントに出たり、今はもうなくなっちゃった雑誌主催のイベントがあったり、そういうところをまずは目指してある程度まではステップアップしていくことは出来たんですよ。

──ある程度までは、ですか。

そう、問題はそこから先。僕らがZepp Tokyoでやり始めた時には、そこからのツールや手段がなかったんです。そこまでは、ヴィジュアル系っていうだけで動員もそれなりに出来てたし、そのあたりは僕らが凄く恵まれてるところでもあったんですけど、もうちょっと広い視野で見るとZepp Tokyoまで進んだあとに踏み込んでいく場所としては、2010年くらいからはフェスっていうのが世の中的に盛り上がっていくようになって、フェス自体の数もどんどん増えていって、でもそれはどれも自分たちのいた場所よりも上にあったわけです。明らかに僕らは時代の流れから遅れをとってたんですよ。まぁ、MUCCとかはずっと出てたけどね。

──MUCCはV系村から初めてアチラ界隈に殴り込んでいったバンドであった、と言っていいと思います。確か、2011年にはROCK IN JAPAN FESにムックとして出演していたかと。

多分、アッチ側からしたら「時代の流れから遅れをとってたくせに、そっちのシーンがちょっと弱ってきたからってフェスに出たいとか言い出すなよ」っていうのはあったんでしょうけどね。もし自分がロック界の重鎮みたいな人だったら絶対そう思うはずやから(笑)

──90年代に栄華を極めたヴィジュアル系が2000年代に入って一時衰退し、そのあと2000年代中期から後半にかけてはまたネオ・ヴィジュアル系の名のもとに盛り上がりをみせた流れを思うと、確かにその後の2010年代に入ってからのV系シーンはいろいろな意味で渾沌としていたのかもしれません。

極端言うと、当時Zeppでやれるくらいになった2000人規模のバンドは軒並み浮遊することになったんですよ。その前までなら、大体そのタイミングでメジャーに行くとか、テレビに出るとかして、さらに動員を伸ばして武道館っていう流れがあったはずなんですけどね。2010年代に入って来るとだんだんCDも売れなくなって、メジャーと契約っていうのも難しいっていう中で、じゃあどうするんだ?という状態があれからもう10年以上続いてるのが今なんだと思うんです。つまり、Sacchanとしては「乗っかれる舟がないなら自分たちで舟を作るしかないやん」っていう諦めも3割くらいはありつつで、その「千秋くんにはヴィジュアル系を担うタレントになっていって欲しい」みたいな言葉を言うことになったんじゃないですか?だって、俺らは本来そこまでのタマじゃないですよ?

──それは謙遜しすぎだと思いますけれどね。

いやいや。案外タイバンが強いケースも多くて、相手の出方を見てから当日に急遽セトリを変えるなんていうこともよくやってましたもん。実はDEZERTって、自分たちから動くというよりは何かに“乗っかる”ことの方が得意なバンドだったんですよ。だからこそ、

自分たちで独立して2017年から2018年にかけて動いてみた時には力不足なところを実感することにもなったわけです。あの場面でもっと自分たちがしっかり出来てたらなぁ、俺たちがシーンのアイコンなんだ!っていう主張を打ち出せれば良かったんじゃないか、っていうのはあるんでしょうけどね。いかんせん、俺がそういうモードではなかったっていうのも事実ですよ。

──もっとも、2018年にDEZERTは主催イベント【This Is The “FACT”】をアルルカン、NOCTURNAL BLOODLUSTの2者を迎えて実現していたではありませんか。これについても、Sacchanは当時「僕ら発信で世代間ごとの“帯”を丈夫で太いものにしていく為のイヴェントツアーを企画していこうと思っている」と発言していたのですが、あれはまさにDEZERTがシーンを牽引すべく行動した場面だったことになりませんかね。根底にあるスピリッツとしては、今回のイベント[V系って知ってる?]にも繋がっているように思うのですよ。

うん、確かにそうだね。考え方としてはそうだと思う。

──しかしながら、翌2019年にアルバム『black hole』が出た時の某誌インタビューでのSacchanは「今はシーンとかどうでも良くなっちゃった(笑)」ともおっしゃっていたのですよね。

それ、なんでだと思います?

──当時、Sacchanは「今や【This Is The “FACT”】に出てくれたバンドの中には、そもそもライヴが出来ない状態とか、内情が良くない感じになっちゃてる人たちもいますし。もはや他のバンドに頼ることは出来ないんです」ともおっしゃっておりましたので、こちらとしては素直にそれが原因だと受け止めていたのですけれど違うのですか?

そういう状況的な難しさという以上にね。僕らに帯を作っていくだけのリーダーたる素質はない、っていうことだったんじゃないかと思ってるんですよ。というか、なりたくもないと言った方が正しいかな。要は、今回のイベントだって本当だったら僕が仕切るべきなんだと思うんですよ。だけど、僕はイヤなんです。「武道館でワンマンも出来ひんバンドが、何故イベントを武道館でやろうとすんの?」っていうクエッションが個人的にはずっとありましたからね。もっとわかりやすく言えば、今もし[LUNATIC FEST]とか[BUCK-TICK FEST]があったら俺たちは絶対に出たい!って思うわけじゃないですか。じゃあ、DEZERTがフェスをやりますと言ってどれだけのバンドが出たいって言ってくれますか?っていう話なんですよ。あと、どうしてもフェスとか武道館規模のイベントってなるといろいろ垣根を超えなきゃいけない部分も出てくるじゃないですか。そこの大変さっていうのは正直めんどくさい、っていうのもある(苦笑)

──オトナの事情やら諸々が絡んできたり、というのは当然あるでしょうしね。その点はお察しいたしますよ。

ただ、今回の場合はまずキズとアルルカンが出てくれることになってね。これはSORAくんの力量によるものなんじゃないかと。多分、俺から言ってたら出てなかったと思いますよ。特にキズは絶対そう。

──SORAくんがそこまで奮闘している姿を近くで見ていて、千秋くんも触発されるようなところはあります?

それはない。触発っていうのは、SORAくんの姿を見ていて何か新しい価値感が生まれるとかそういうことでしょ?そういうのは全然。他の仕事も一切おろそかにせずやってるっていうのは、ほんとに凄いと思いますけどね。まぁ、無事に武道館が終わったら抱きしめてあげたいっていうくらいかな(笑)

──千秋くん自身は、今の段階で今回のイベント[V系って知ってる?]に対してどのような向き合い方をしているのでしょうか。

去年、武道館でやった[JACK IN THE BOX 2021]に出た時はあんまり深いことは考えてなかったのになんか心にグッと来るものがあったんですよ。で、うっかりと「俺たちが全て背負っていきます。大丈夫です!!」なんて言っちゃったもんで(笑)。言っちゃったからには嘘つくわけにもいかないですし、その[JACK IN THE BOX]の後を継ぐっていう意味も含めて、やる以上は楽しいイベントになれば良いと思ってますよ。このイベントをやったからって、業界の何かが大きく変わるわけではないとしてもね。

──まずは、一石を投じることが大切なのではないでしょうか。

実際、裏事情としてはSORAくんが業界のセオリーみたいなものをちょっと変えたっていうのはあったりするしね。継続していけるならそうすれば良いし、その時には[V系って知ってる?]っていうタイトルじゃなくても良いだろうし。とにかく、俺らが主となって動いていく中で「うちも出たい」って言ってくれるバンドが出て来てくれたら、っていう風には思います。

──そうした主体的な動きがあるのと同時に、やや振り返りにはなりますが2019年にはDEZERTも遂にフェスの代名詞とも言えるROCK IN JAPAN FESに進出するという展開がありましたよね。あれはやはり、ひとしおの思い入れありきで臨んだものだったのでしょうか。

今だったらきっと、自分の育ってきた畑のことを背負って出るっていうことも出来たんだろうなと思うんですよ。でも、あの頃は俺がちょうど「ヴィジュアル系ってダルっ」と感じてた時で、それこそ帯にもなられへんし、メジャーでやるっていう旨味もないし、ある種の過渡期だったんです。あと他にも先輩方が出ていたのもあって、別に自分たちだけで何かを背負うんだっていう雰囲気でもなかったし。純粋に、あれは自分にとってよりたくさんの人たちと出会うための場でしたね。そして、そこの意味は大きかった。だって、俺にとっての音楽をやる理由はそこが一番大きいから。デカいところでワンマンしたいとか、武道館に立ちたいからバンドをやってる、っていうわけじゃないんです。

──それは冒頭での「自分自身の意識としてはワンマンだろうとタイバンだろうと、場所が北海道だろうと福岡だろうと、ステージに立つ時は何時も“初めてDEZERTを観てもらう”ことを前提に“1本のライヴを通してひとつの物語を描く”感覚でやって来てた」という発言と重なる部分になりそうですね。

自分のやっていることをダイレクトにその場で知ってもらう、自分の歌を生で聴いてもらう、っていうことを実現出来るのが大規模フェスならではの素晴らしいところですからね。今度の[V系って知ってる?]に関しても俺はフェスだと捉えてて、ほんとにそこで出来るだけいろんな人たちと出会いたいと思ってますよ。

──いっときは「ヴィジュアル系ってダルっ」となり、髪もすっかり下ろしたり、かと思うとオールバックになったりしていた千秋くんが、コロナ禍によるライヴキャンセルなどを経ての初ライヴとなったLINE CUBE SHIBUYAでの[DEZERT SPECIAL LIVE 2020 “The Today” ]からは、またかつてのトレードマークだったツインテール姿で戻ってきた時にはある種の感慨を覚えたのですけれども。ここであらためて、ひとつうかがわせてください。「あなたにとってのV系とは何ですか?」

青春ですね。10代で音楽に感化された青春を過ごすことになり、メイクしてピアスいっぱいあけて、その熱量のまま20歳前後で今度は青春を仕事にしだしたわけです。で、現状でのヴィジュアル系の一番の懸念点というのはまさにそこなんですよ。僕らは10代の時にヴィジュアル系に夢中になってたけど、今はリスナーに10代がいないでしょ?

──長く愛され続けているという点では素敵なのですが、アーティスト側もそうですし、ファンの側も、新陳代謝はあまりしていないところがありますので、順当に高齢化が進んでいるところがあるのは間違いないでしょう。

自分が10代だった時に好きだったアーティストは、今の自分のスタイルとはまるで違うじゃないですか。結局、ヴォーカルってそこで一番悩むんです。じゃあ、自分のスタイルはどうするのか?そこを模索するのになんせ時間がかかったっていうことですね。まぁ、今はようやく自分がどうあるべきか見つけたんじゃないかと思うし、自分の場合は“ツインテールに戻した”というのとはまたちょっと違うんですけど。

──そこをもう少し詳しくお願いします。

まずは青春を仕事にしようと思った時に自分の中で作りあげた偶像があって、その偶像のまま生きていって、25歳を超えたあたりからやっと自我が芽生えてきた感じなんですよね。「そろそろ青春だけじゃ楽しくねーよな」となり、結果「青春なんてやってられるか」とオトナになっちゃったんです。いや、オトナのフリをしたという表現の方が正しいかもしれない。

──だとすると、そのフリを解消することが出来たのはいかなる場面だったのです?

いくらオトナのフリをしてみても、自分は社会不適合者でありガキのままなんだなということに気付いた時ですね。目の前にあるリアルと、自分の中からどうやっても拭えない青春、患い続けてる青春っていうものを一致させるコンテンツとして、僕はまたツインテールというものを自分に付属させることにしたんです。もちろん、いまだに青春とオトナの狭間をずっと漂って揺れてるし、悩んでもいるんだけど、自分がそうであることには気付けたんでね。音楽の内容はまた別としても、せめて気持ちと見た目は青春でいようねって思ってるんですよ。

──なんだか思っていた以上に複雑な話になって来ました。

ステージから降りたら、そんなん知らんっていうことですから別にオッサンでもいいと思いますけどね(笑)。でも、ステージ上の自分は10代の頃の心を持ってなあかんなと。そして、10代の頃に持ってた感情をどう自分の中で成長させて今の時代に向けて発信するか、というのが大事だとこのところは意識してます。そういう意味では、さっき「このイベントで何かが大きく変わるわけではないとしても」とは言いましたけど、それが客観的にみた事実だとしたら僕自身はあくまでも「来てくれたやつら全員の世界を変えてやろう」という気持ちでステージに臨むんですよ。現実には変わらなかったとしても、変わると思ってやらないといけないんです。

──気概や理想は、時に大きな推進力を生むはずですよ。

俺の作った音楽で誰かの人生が変わったらいいな、とは思うし。僕らの音楽が辛い時にその人にとっての逃げ場みたいなものになってくれたら良いな、とも思うんですよね。あくまでも音楽っていうのはエンターテイメントだけど、僕が何時か死んでも聴いてくれる人がいる限りそこには“いる”ことが出来るんだって考えると、やっぱりこれはとてもやり甲斐のあることだなって感じます。つくづく音楽って素晴らしいし、そこに携わってなおかつ武道館で主催イベントまでやらせてもらえるなんて、非常に幸せなことですよ。

──いろいろくだは巻きつつも、最終的にはそこに着地したのですね。

そうだね(笑)。kyoさんも「武道館でやるのは特別なこと」って鼎談した時に言ってたし、ムックはわざわざカタカナ表記で出てくれるところに強い心意気を感じるし、girugameshは久しぶりだし、SORAくんが考えて命名した〈V系 Respect Super Session〉っていうのも良いじゃないですか。この記事が出る時点では詳しいメンツも発表されてるだろうけど、なかなかの人たちが勢ぞろいしててお祭り感があって、偉大な先輩たちに対するリスペクトは止めちゃいけないよなっていう気持ちになりますね。

──リスペクトはするけれども、決して模倣にはおさまらないかたちでのあらたな提示をしていくという姿勢もここでは重要なのでしょうね。

大体、昔のヴィジュアル系と今のそれでは徹底的に違うところっていうのもちゃんとありますから。僕としては、DEZERTもアルルカンもキズも凄いメッセージ性が強くなってると思うんですよ。

──90年代は妄想に近い幻想を歌ったり、耽美的な世界を打ち出したり、現実離れした劇的な表現を得意とするバンドが多かったことを思うと、DEZERTもアルルカンもキズも現在は完全に現実と対峙したスタンスですものね。

少なくとも、とってつけたようなフィクションを今の自分でやろうとは思わないです。逆に、振り切ったフィクションをやるバンドが今もしいたらそれはそれでかなり面白いだろうなとは思うけど(笑)。だから、俺らは3バンドとも「X JAPANに代わる存在になりたい」みたいなところはみんな無いはずですよ。もう10年以上続いてる変革期の中で、これからさらにカタチを変えて行くことになるヴィジュアル系の今を、それぞれに表現していく3バンドなんだと思います。

──なお、先ほど「武道館に立ちたいからバンドをやってる、っていうわけじゃない」という発言がありましたけれど、渋谷クアトロにて行われたワンマン〈くるくるまわる -2019-〉では、千秋くんが「これはまだメンバーにもスタッフにも誰にも言ってないけど、2021年には必ず満員の武道館でライヴをさせていただきます!」と宣言されていましたよね。その後にコロナでの状況変化はあったにせよ、今度の[V系って知ってる?]を経て、いずれはワンマンでも武道館を制覇したいという思いは今もありますか。

へぇー。多分それ言ったのは俺じゃないですね。一旦忘れましょか (笑)。僕らとしては何時か出来たらいいな、って今は思ってます。武道館をやることだけが目標なら、解散とか活休とか発表してからやればとりあえずカタチになる程度までは動員出来るんじゃないですか。

──でも、それでは意味がないのですね。

その先の未来がない武道館なんてやっても意味ないでしょ。しかるべき時に何時かやるんだろうな、という気持ちを持ってるくらいで今は焦ったりとかしてないです。時代の流れというのもあるし、そこは敏感に考えていかないと。

──そうした中、年末に武道館でのイベント[V系って知ってる?]が無事に成功したとすると、その次には年明けに東名阪でのワンマン[DEZERT LIVE TOUR 2023 「てくてくツアー」]が始まっていくことになります。せっかくですので、こちらについてのヴィジョンもおきかせください。

楽しく出来ればいいな、ってそのくらいですよ。節目としては夏の野音の方が意味合いとしては大きかったし、TOKYO DOME CITY HALLとかまだ行ったことないから何かを語れるほどの知識もない(笑)

──会場形状からなのか、人によってはミニ武道館と呼ぶ方もいらっしゃるようですよ。

なんかその言い方もちょっとねぇ。だったら、俺はキズのNHKホールの方が観たいな!

──DEZERTのフロントマンとして、もう少し商売っ気を出してくださいよ(笑)

さっきの言葉どおり、楽しくやれたらなっていうのは本心ですよ。日比谷野音の時とは違って、今度のツアーは良い感じでどこも肩の力も抜いてやれるやろうし。あと、2023年に関してはその先のスケジュールも多少出て来ている中で、今この場ではまだ詳しく言えないけど、来年はおそらくDEZERTとしてのストーリーと自分らの人生にさらなる肉付けをしていくプロセスの始まりになっていくんじゃないかな。そういう流れを作り出せた時に、周りが「DEZERTに乗っかればいいのか」って思ってくれるならそれも全然アリですよ。もっと邪に「DEZERTとカラんでおけば得するかも」でもいい(笑)。そのくらいの大きな動きがないとムーヴメントにはならないじゃない。

──そうなってくると、今度は予想外の何かとも闘っていかなくてはならない事態も起きたりして?!

そういう時はSORAくんが闘ってくれるから大丈夫(笑)。野音が終わった後、SORAくんは居酒屋に俺を呼び出してこう言ってくれたんですよ。「何の心配もしなくていいから、良い音楽を作ってください」って。なんか「千秋はいろんなもの背負わなくていいんだよ!」っていうこともハイボール呑みながら言ってたから、俺は「そうか。おぅ、頑張るわ」って返したんです。ってことは、まだまだこれから新しいものを何とかひねり出していかないとね。武道館での[V系って知ってる?]でも刺激を受けつつ、経験値を詰んでいくことでそれも全て糧にしていくし。これから先、長い眼で見ててください。


=イベント情報=

■V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP
2022年12月27日(火) 日本武道館

…………………………………………

OPEN 13:00 / START 14:00

…………………………………………

【出演】
DEZERT https://www.dezert.jp/
キズ  https://ki-zu.com/
アルルカン http://arlequin-web.com/
ムック https://55-69.com/
D’ERLANGER https://www.derlanger.jp/
girugamesh  https://twitter.com/real_girugamesh

…………………………………………

V系 Respect Super Session

<蜉蝣 Respect Session>  
▶Vo 千秋(DEZERT)/Gt 結生(メリー)/Gt 海(vistlip)/Ba kazu(the god and death stars/gibkiy gibkiy gibkiy)/Dr きょうのすけ(キズ)

<LUNA SEA Respect Session>
▶Vo葉月(lynch.)/Gt ミヤ(ムック)/Gt ヒロト(アリス九號.)/Ba 明希(シド)/Dr 堕門(アルルカン)

<GLAY Respect Session>
▶Vo maya(LM.C)/Gt 酒井参輝(己龍)/Gt 悠介(lynch.)/Ba YUKKE(ムック)/Dr アレン

<DIR EN GREY Respect Session>
▶Vo ガラ(メリー)/Gt reiki(キズ)/Gt 來堵(アルルカン)/Ba ユエ(キズ)/Dr SORA(DEZERT)

<BUCK-TICK Respect Session>
▶Vo 逹瑯(ムック)/Gt Shinji(シド)/Gt 柩(NIGHTMARE)/Ba 祥平(アルルカン)/Dr ゆうや(シド)

<シド Respect Session>
▶Vo 暁(アルルカン)/Gt Miyako(DEZERT)/Ba ユエ(キズ)/Dr 影丸(-真天地開闢集団-ジグザグ)

<ZI:KILL Respect Session feat,deadman>
▶Vo 眞呼(deadman/LOA-ROAR)/Gt ミヤ(ムック)/Gt aie(deadman/the god and death stars/gibkiy gibkiy gibkiy)/Ba kazu(the god and death stars/gibkiy gibkiy gibkiy)/Dr 晁直(lynch.)

<ムック Respect Session>
▶Vo 来夢(キズ)/Vo 暁(アルルカン)/Gt 奈緒(アルルカン)/Gt reiki(キズ)/Ba Sacchan(DEZERT)/Dr Яyo(girugamesh)

<hide Respect Session>
▶Vo 来夢(キズ)/Gt PATA(X JAPAN)/Gt ミヤ(ムック)/Ba 明希(シド)/Dr SORA(DEZERT)

※順不同

…………………………………………

★チケット:

【チケット一般発売日】2022年12月11日(日)
ローソンチケット
イープラス
チケットぴあ

…………………………………………

【チケット料金】 全席指定:前売6,600円(税込) / 当日7,700円(税込)
※4歳以上有料
※出演者の変更に伴うチケットの変更、払い戻しはできません。ご了承ください。

…………………………………………

【問】 SOGO TOKYO 03-3405-9999

★V系って知ってる? 特設サイト★
https://www.vkei.jp/

★V系って知ってる? オフィシャルTwitter★
https://twitter.com/vkei_jp

====================

=DEZERT情報=

<ライヴ情報>

■DEZERT LIVE TOUR 2023 「てくてくツアー」
…………………………………………
2023年1月7日(土)なんばHatch  OPEN 16:30 / START 17:30 
全自由/座席有 ※入場整理番号付  (問) キョードーインフォメーション 0570-200-888
…………………………………………
2023年1月9日(月・祝)名古屋DIAMOND HALL OPEN 16:30 / START 17:30 
全自由/スタンディング ※入場整理番号付 (問) サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
…………………………………………
2023年1月14日(土)TOKYO DOME CITY HALL OPEN 16:30 / START 17:30  
全席指定 (問) DISK GARAGE 050-5533-0888
…………………………………………
★入場者全員に音源無料配布あり(各会場別)
1月7日公演:無料配布音源(なにわver)
1月9日公演:無料配布音源(尾張ver)
1月14日公演:無料配布音源(大江戸ver)
…………………………………………
【チケット料金】 6,000円(税込) ※入場時ドリンク代別途必要
【チケット一般中】 https://linktr.ee/DEZERT_TekuTekuTour

====================

<映像商品リリース情報>

★Blu-ray / DVD
「DEZERT SPECIAL LIVE 2022 in 日比谷野外大音楽堂 “The Walkers”」
2022年12月14日 RELEASE
…………………………………………
【オフィシャルサイト限定いちご盤】(Blu-ray+CD+64Pブックレット+オリジナルグッズ)DCXL-5〜6 / 15,000円(税込、送料別)
【通常盤】(Blu-ray) DCXL-7 / 7,700円(税込)
【通常盤】(DVD) DCBL-21 / 6,600円(税込)
※通常盤のご予約はこちら
収録曲、購入者特典・イベント等詳細はこちら

———————————————

<シングルリリース情報>

★NEW SINGLE 「The Walker」 発売中
<初回限定盤(CD+DVD)> DCCL-245〜246 / 2,750円(税込)
<通常盤(CD)> DCCL-247 / 1,650円(税込)
<収録曲、特典等詳細ははこちら>
<CDの購入はこちら>
<購入者対象イベント / 店舗別購入者特典 詳細はこちら>

====================

The Walker (Official Music Video)
モンテーニュの黒い朝食 (Official Music Video)
The Walker (2022.06.18 日比谷野外大音楽堂)

====================

<オフィシャルファンクラブ情報>

DEZERTオフィシャルファンクラブ「ひまわり会」 詳細はこちら

====================

DEZERTオフィシャルサイト
DEZERT YouTubeチャンネル
DEZERT 公式Twitter
DEZERT 公式 Instagram
SORA Voicy「SORAの元気になるハナシ」