2017年09月26日 (火)
【ライヴレポート】<未完成アリス始動ワンマン「未完成な君との初めての出会い」>2017年9月24日(日)池袋BlackHole◆「僕たちに生きている意味をくれていることを、心から感謝しています」
REPORT - 11:43:25
始動のニュースが告げられると同時に、ヴィジュアルシーンの中で話題の視線を一気に集めだした未完成アリス。
夏時期には、様々なフリーペーパーの表紙を飾りショップやライブハウスの一角を彼らの姿が埋めつくしていた。
その話題性もあり、9月24日(日)に池袋BlackHoleを舞台に行った<未完成アリス始動ワンマン「未完成な君との初めての出会い」>のチケットはSOLD OUT。
場内には、扉奥までぎっしり人が詰めかけていた。メンバーの登場と共に飛び交う歓声。
同時に、一体どんなステージングを魅せてゆくのかと、無言のまま興味津々で見つめている人たちも。
キラキラどしたギターの輝きが場内に響き出した。
「今まで生きてきた中で一番最高の時間にしよう!」
琉火の声を合図に、演奏はザクザクとした音を響かせ、フロアーへ気持ち揺さぶる刺激を投影。冒頭を飾ったのは、未完成アリスのテーマ曲に相応しい彼ら自身の生きざまを示した『良音』だ。
「僕らの音を、想いを、しっかり全員に聞こえるように届けるから」
沸き上がる感情を、歌声や叫びを通してぶつけたい。そうしないことには、熱く震える気持ちをすべて解き放てない。なんて力強く凛々しい宣言歌だ。
「上手に飛べ飛べ!」
琉火の煽りを合図に、『花一匁』に合わせ右へ左へモッシュし始めた満員の観客たちは、初めて触れる楽曲にも関わらず、無邪気にはしゃいでいた。
気持ちを熱く揺さぶる“歌物熱狂一体化ナンバー”だけに、自然と身体が反応するのも納得だ。
「誰よりも高く飛べ、もっともっともっともっと」。
感情の高まった琉火の煽りはどんどん熱を帯びてゆく。
「お前たちとしか作れない最高の夜を作ろうぜ!」
荒々しく掻き鳴らすギターの音が身体を嬉しく震わせる。タオルを振りまわす琉火の動きに合わせ、同じくタオルを振る。
『無限∞メリゴ』。その名の通り、途切れることのない狂乱の風景を作り上げるバーニングなロックナンバーだ。
最初からフルスロットルで荒ぶる演奏と昂った感情をぶつけてきたメンバー。気がつくと会場の中の人たちが熱狂の渦の中へ溺れていた。
「振りの曲を用意しました」。
フリーキーなロックンロールナンバー『あなたのオモチャ』に合わせて生まれた、振りを通して一つに溶け合った風景。
途中、ゆったりとした三拍子の演奏が流れるパートも挿入。キレ味鋭く捩じれ狂った晏のギターの演奏が、いい感じで恍惚を与えてゆく。
火照った興奮のウネリの中へ堕ちてゆく、その感覚がとても心地好い。
勢いを加速するように響いた、重く激しくうねるリズム隊。
琉火の「拳を上げろ!」の言葉をきっかけに、唯依葉のフリーキーでクレイジーなギター演奏が炸裂する。
歌心を持った楽曲にも関わらず、挑発する演奏に刺激を受け、拳を高く突き上げ騒がずにいれない。
『ストーキングジェシー』の演奏中に感じたその空気が、笑顔で気持ちを狂わせてゆく。それが、とても嬉しかった。
「僕たちに生きている意味をくれてること、心から感謝しています。
みんな大人になるにつれて、ちょっと危険な香りのする恋に憧れることが一度はあると思うんだけど。
実際にダーティな恋に溺れてみると、ちょっと苦しいこともあると歌に込めました。
苦しいな、悲しいなというときは、この歌がみんなの心の拠所になってくれたらなと思います。」
『Dirty』は、ラウドでフリーキーな演奏に乗せ、痛み傷ついた恋心を告白するように歌ったバラードナンバー。熱狂するだけではない、心へグッと刹那な感情を堕としてゆく楽曲も刺激的だ。
「頭の螺子を外せ!」
一転、激しく昂る感情を楽曲に投影した激烈疾走ナンバー『捩くれモンスター』をぶつけてきた。
突き上がる拳・拳・拳。激しく振り乱す頭・頭・頭。そんな遠くないうちに、その拳やヘドバンの風景は会場中を支配してゆくのだろうか。
「一人一人がいなかったらこういう景色は絶対にあり得ません。
僕らがみんなの生きる希望であれたらと思います。」(琉火)
ライブも終盤戦へ。触れた瞬間、身体中を熱いエナジーが駆けめぐった。
「エモくいこうぜ!」の言葉通り、気持ちをエモーショナルに昂らせた『2次元ラヴァーズ』。
ポップでキャッチーでチャーミング。でも感情を熱く熱く揺さぶる楽曲のように、エモくてポップな魅力に大勢の人たちが笑顔で堕ちていた。
最後の『夢世界少女』でも未完成アリスは、会場中にヘドバンの嵐や折り畳みの波を巻き起こし、終盤には止まぬ逆ダイの様を作り上げ、初体験という言葉を忘れる興奮と楽しさを与えていった。
アンコールは、最近のライブでは珍しくなったメンバーコールナンバー『I Scream』からスタート。
琉火に合わせ一緒に振り真似をする観客たちは大きく手を上げ、各メンバーの名前を熱くコールしていた。
「僕らのとっておきの曲、もう1回届けるよ!」
今にも客席へ落ちんばかりの勢いで歌い、煽る琉火。
最後に未完成アリスは、ふたたび『良音』を突き付け、熱気を拳で掻き回す光景を場内に作り上げ、始まりの宴の幕を閉じていった。
「君の世界に信じられるものが一つもなくなっても…この声で、この歌で、君を立ち上がらせるから」。
歌を通し、そう投げかけた言葉がとても嬉しかった。
未完成アリスは、 来年に2ndシングル『 依存症パズル 』を発売。
3月2日には琉火のバースデーワンマンンマンライブを高田馬場AREAで行うことを発表。まずはこの会場をソールドアウトさせる。それを、目の前の目標に走り始めた未完成アリス。
今はまだ高い目標だ。それを現実の未来に変えていけるか。それが、これからの未完成アリスの課題。
そこを超えない限りは次へ進めないと彼らは口にしていた。
その想いに少しでも興味を持った方は、一度未完成アリスのライブへ触れていただきたい。
そこで共鳴をしたなら、一緒に夢と未来を追いかけて欲しい。
ともに完成形を求め、熱い歓声をぶつけてくれ。
TEXT:長澤智典
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-セットリスト-
『良音』
『花一匁』
『無限∞メリゴ』
『あなたのオモチャ』
『ストーキングジェシー』
MC
『Dirty』
『捩くれモンスター』
MC
『2次元ラヴァーズ』
『夢世界少女』
-ENCORE-
『I Scream』
『良音』
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未完成アリス Web
未完成アリス twitter
https://twitter.com/mikansei_alice
