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2023年05月30日 (火)


【Kameleo】6年ぶりのカメレオ密着レポート。2023年5月25日(金)名古屋E.L.L<ZEAL LiNkun TOUR 2023>◆カメレオというバンドを、純粋に、心の底からただ楽しむこと──。

NEWS - 20:00:05

 5月25日(金)、2017年に解散したヴィジュアル系ロックバンド・カメレオが、6年振りにライブを行なった。彼らがステージに立ったのは、ユナイトが主催するイベントツアー『ZEAL LiNkun TOUR 2023』の名古屋E.L.L.公演。カメレオらしい変幻自在で賑やかなパフォーマンスで、全5曲を披露した。また、イベント終了後には、2023年11月25日(土)に渋谷WWWにて、ワンマンライブ『Kameleo 2023 LAST LIVE「How are you?」』を開催することを発表。全国のカメコカメオ(カメコカメオはカメレオファンの総称)を歓喜させた。

 

 それは突然の発表だった。

 

 2017年6月17日、舞浜アンフィシアター公演で、5年半の活動に終止符を打ったカメレオが、ライブをする。ただ、そのライブは、いわゆる「復活」や「再始動」という名前が付く公演とは、いろいろと様子が異なる部分が多かった。バンドが再び動き始めるとなると、主催イベントを開いたり、ワンマンライブを行なったりすることが多いが、最初に告知されたのは、イベントライブへの出演のみ。そして何よりも気になったのは、「復活」や「再始動」という言葉を、メンバーが使っていなかったということだ。あくまでもイベント出演のみなのか、それとも、このライブ以降は定期的に活動をしていくのか。

 

 そんな中で今回のライブレポートのオファーをいただいたのだが、それと同時に、メンバーからあるリクエストがあった。それは「1日密着してほしい」というもの。筆者はカメレオの始動から解散までインタビューやライブレポートを執筆していたこともあり、「現役時代を観ていた人に、裏側も含めて密着レポートを書いてほしい」という話だった。こちらとしても、今回のイベント出演や、今後のことについて話を聞きたかったし、何よりも久々にカメレオに会えるという喜びもあり、二つ返事で一路名古屋へ。かなり長文になってしまったが、6年ぶりのカメレオに密着したレポートをお届けしたい。

 

 会場に到着すると、笑顔で迎えてくれたメンバー達。みんな元気そうで、当時の雰囲気とそこまで大きな変化はない。軽く世間話をしつつ、リーダーであるベースのKouichiに、なぜ6年振りにライブをしようと思ったのか、単刀直入に聞いてみた。返ってきた答えは「ユナイトに誘われたから」。今回のイベントを主催しているユナイトとカメレオは元レーベルメイトで、盟友と言える存在である。そんな仲間からのオファーを快諾したという、かなりシンプルな理由だった。だが、この日のイベントのエンディングトークで、そこに辿り着くまでにあったひとつのエピソードを、ドラムのTakeshiが明かしていた。

 

 それは昨年の話。もしカメレオが活動を続けていたら、2022年で10周年を迎えていたこともあり、HIKARU.(Vo.)、Takashi(Gt.)、Takeshiの3人は、久々に5人で集まれないかと画策していたのだが、そのときはKouichiとDaisukeに断られてしまい、結果、3人は2022年6月18日に「10年」と題した主催イベントを、ゲストミュージシャンを迎えて開催した過去があった。そのときは全員集合とはならなかったものの、それ以降、TakeshiがKouichiと連絡をよく取るようになったそうで、少しずつ機運が高まっている中で今回の出演オファーがあったようだ。「ユナイトさん、Kouichiを動かしてくれてありがとう!」と、Takeshiが改めて感謝を述べていたのだが、この日に至るまでに、水面下では様々な出来事があったようだ。

 

 「新人のカメレオです、よろしくお願いします」。HIKARU.がライブスタッフに挨拶をして、リハーサルがスタート。それを終えた後は、楽屋でひたすら待機という流れだったのだが、久々のリハも、楽屋で過ごしているときも、メンバー全員かなりリラックスしていた。もちろん久々のライブを楽しみにしているのは間違いないのだが、それに対しての緊張感や、過度に意気込んでいる様子は、一切なし。各々がライブに向けて準備をしながら、過去にアップしていた動画「カメちゃんねる」の身体の張りっぷりを観て爆笑していたり、この日の出演バンドと談笑していたりと、和やかに過ごしていた。

 

 そんななか、小道具の準備や確認作業のために動き回っていたドラムのTakeshiが、合間を見計らってケータリングで用意されていたお弁当を食べ始めた。特に何かを話すわけでもなく箸を進めていると、突然「幸せだな……」と一言。何が幸せなのか訊ねると、「ん? いや、ご飯が美味しいなと思って」と答え、カバンからいつも持ち歩いているマイ塩を取り出し、好みの味付けに調整しながら、再び黙々と食べ続ける。塩分取りすぎじゃない……?と心配していたところ、「でもやっぱ、なんだかんだで嬉しいんだろうな……」と、楽屋を見渡しながら、しみじみとつぶやいていた。

 

 Takeshiとバトンタッチして、ライブで使う小道具を準備しながら、「なんか不思議な感じ」と話していたのは、ギターのTakashiだ。カメレオ解散後は、ヴィジュアル系バンド・ギルドのメンバーとしても活動していた彼。「カメレオとギルド、どっちが上でどっちが下とか、そういうのは全然ないんだけど、やっぱり別な感覚はあって。何なんだろうな、この感覚は……」と、自問自答しながら作業を続ける。ただ、その表情に曇りはなく、「これひとつ作ったらお客さんの笑顔がひとつ増えると思ってやってます」と、手を止めることなく作業に没頭していた。

 

 この日のライブは、ギターのDaisukeが不参加のため、サポートギタリストとしてChihiroが招かれた。彼は、カメレオ解散後にKouichiが立ち上げたWKWK PROJECTでサポートを務めたことがあり、その縁から今回の話が来たそう。「ある日突然Kouichiさんから電話がかかってきて。4時間ぐらい話してたんですけど、要件を全然言わないんですよ(笑)」。Chihiroとしては、カメレオのことを3時間以上延々と話し続けるKouichiに対して、最初は久々にライブをするから観においでと誘われるんじゃないかと思っていたところ、今回のサポートについての話を切り出されたそうだ。元々カメレオを聴いていたこともあり、「参加できて嬉しいです」と話し、本番へ向けて楽屋でギターを触っている場面も多かったChihiroだったが、メイクし終えたメンバーを見て、「カメレオだ……!」と、嬉しそうに声をあげていた。

 

 ボーカルのHIKARU.は、「なんか最近忘れっぽいんですよね」と、気になったものをスマホのカメラで撮影している。老化なのかな。いや、そんな年齢でもないよなと思っていると、「忘れちゃうってことは、それがなかったことになっちゃうじゃないですか、自分の中で。なんか嫌だなと思って」。そんな話をしながら、楽屋の窓からこっそり外を覗き、開場を待っているオーディエンスの列を見て、「なんかこの感じ懐かしいな! ワクワクしてきた!」と、テンションが上がってきた様子。ライブへ向けて気持ちを高めていた。

 

 ライブ直前はさすがに全員バタバタしていたものの、それ以外は終始落ち着いて待ち時間を過ごしていたメンバー達。リラックスした状態でライブに臨めるのは決して悪いことではないのだが、リラックスしすぎている印象もあり、そこが少し気にはなった。はたしてそれが吉と出るか凶と出るか。5人は久々のステージに向かった。

 

 ド派手なエレクトロサウンドに乗って、5人がステージに登場。大歓声が上がる中、「カメレオだ!」とHIKARU.が絶叫し、楽器隊も力強く音を高鳴らす。「ユナイトのために盛り上げに来たぞ!」と、6年振りの彼らのライブは、「パリピポ」で幕を開けた。ダンサブルなビートでフロアを揺らし、「散らかしに来たぞ、名古屋! 誰よりもこのライブ楽しめよ!」と、「捏造ピエロ」になだれ込む。疾走するヘヴィなサウンドにヘッドバンギングが巻き起こると、フロアには大量の風船が投入される(TakashiとTakeshiがライブ前に準備していた小道具は、この風船でした)。モッシュに、逆ダイに、シンガロングにと、盛り上がり要素をあれもこれも詰め込んだキラーチューンで沸かせた後、Kouichiがオーディエンスとコミュニケーションを取りながら、「両手を上に! 手をバッテン!」と促し、「ダメ男」へ。ギラギラとしたアッパーなダンスナンバーに乗って、HIKARU.がLEDを仕込んだ扇子を振り回すと、Takashiがステージ前へ飛び出してきて、ギターソロを情熱的に弾き上げる。

 

 

 

 

 さらに「もっと飛ばしていこうか!」と間髪入れずに突入したのは「関係ナイ」。メンバー全員が楽器を置いて歌って踊る“5人ボーカル曲”だ。オーディエンスと共に踊り狂うと、瞬く間にラストナンバーの「ニート姫」に突入。「全員で折りたたんでこい!」と、フロアを狂喜乱舞させつつ、曲間では恒例だった“サイン入りポテチ”(この日は5人で撮影したデカチェキ付きだった)をフロアに投げ込む場面も飛び出した。全曲終了後はステージ撮影OKの時間を設け、さらにこちらも恒例だったTakeshiの“ハナゲコール”を巻き起こし、嵐のような勢いで6年振りのライブを駆け抜けた。

 

 

 

 

 25分という短い時間だったが、カメレオ解散以降も音楽を続けていたメンバーがほとんどなのもあり、演奏面でブランクを感じさせるところはほぼなかった。ただ、ステージ上での細かい連携において、やはり久々のライブだったことが少し垣間見える瞬間もあったのが正直な感想だ。ただ、リラックスしてライブに臨めたことは確実にプラスに働いていたと思うし、連携に関しても、11月25日の渋谷WWWワンマンまでにはおそらく解消されているだろう。そしてなによりも、メンバー全員がとにかく楽しそうに演奏している姿が印象的だった。それは、この日のライブ前にHIKARU.の話していた言葉が心に残っていたからもしれない。そしてきっと、メンバー全員が彼と同じ気持ちなのだろうと思った。

 

HIKARU.「なんか、情熱がないんですよ。昔はもっと上を目指さなきゃとか、もっと頑張らなきゃと思いながらやっていたけど、そういう責任みたいなものが全然ないから、今日は楽しくやれる気がする」。

 

 「情熱がない」と聞くと少し戸惑ってしまうところもあるが、これは「野心がない」という意味だ。何事もそうだが、物事を長く続けていくと、いつの間にか目的と手段が入れ替わってしまい、苦しい思いをすることが多々ある。それによってバンドが解散してしまうこともあると思うのだが、今のカメレオは、売れることや有名になることが目的なのではなく、カメレオというバンドを、純粋に、心の底からただ楽しもうとしているのだろう。メンバー全員が本番前にあれだけリラックスしていたのも、きっとそのマインドでライブに臨もうとしていたからだと思う。

 

 

 

 イベント終演後、メンバーに久々のライブについての感想を聞いてみた。「いや〜、もっと照明暗くてもよかったかもなぁ。ちょっと恥ずかしかった」と話したのは、HIKARU.。そこなの?と問いただすと、顔をくしゃくしゃにして笑っていた。「ステージに立つと、一瞬で時が戻る感じがあった」と答えたTakashiは、「始まる前から分かっていたけど、ここまでいろんなことがあって、今回のライブが決まった感謝の重さ。それを伝えるには25分のステージじゃ短すぎた(笑)。だからこの続きは必ず11月に!」とコメント。Chihiroは「カメレオメンバーと、カメコカメオのみなさんが時間を取り戻すための接着剤みたいになれたらいいなと思ってます」と、まっすぐな気持ちを伝えてくれた。Takeshiは「正直に言って、ライブ前に入ったリハーサルも、当日のリハも、特に何も感じなかったというか。もちろんやるぞ!っていう気持ちはあるんだけど、普通な感じだった」と正直に明かしつつ、「でも、ステージに上がったら“カメレオスイッチ”が完全に入った」と、興奮気味に話を続ける。「実際にどうかは分からないけど、今日観た子もスイッチが入った気がするんですよ。それを11月のワンマンで一緒に感じたいですね。“今更カメレオ?”って思ってる人もいるだろうし、“もうジジイなんだからおとなしくしとけよ”って言う人もいるかもしれないけど、来たらスイッチが入るかもしれないから」。

 

 そして最後に、このイベント出演をもってカメレオは復活なのか。そのことについてKouichiに聞いてみたのだが……「分かんない(笑)」と一言。散々はぐらかされた挙句、「そこはTakeshiに聞いといて?」と、リーダーのくせに大事なことを人に押し付ける始末……。結局、そこだけは最後までよく分からなかった。

 

 

 

 

 しかし、変幻自在で何をしでかすのか分からないところがカメレオの活動スタイルであり、モットーでもある。今後について断言するのは難しいが、やんわりと期待を寄せつつも、まずは11月25日、渋谷WWWでのワンマンライブだ。そこで彼らはどんな景色を作り上げてくれるのか、心から楽しみにしたい。現在、こちらのライブはオフィシャルサイト(www.kameleo.net)にて、チケット先行受付中。締切は5月31日(水)23:59までとなっているのでお早めに!

 

 

 

 

文◎山口哲生

写真◎ Fugu

 

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Kameleo official web site
https://www.kameleo.net/

 

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Kameleo 2023 LAST LIVE

「How are you?」

2023年11月25日(土)渋谷www

http://www-shibuya.jp/index.html

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OPEN 16:30 / START 17:00

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・Sチケット 前売 ¥-15,000(消費税込み)ドリンク代別

特典1・公演終了後6ショット撮影券1枚 ※携帯撮影

特典2・アーティスト写真撮影時オフショットDVD

特典3・未公開アーティスト写真ポスター(サイン入り)

 

S ticket ¥15,000 (tax included) excluding drink fee
Privilege 1: 6-shot photo ticket after the show *Taken with cell phone
Special 2: DVD of off-shot from the artist photo shoot
Special offer 3: Unreleased artist photo poster (with signature)

 

・Aチケット 前売 ¥-11,000(消費税込み)ドリンク代別  

特典1・アーティスト写真撮影時オフショットDVD

特典2・未公開アーティスト写真ポスター(サイン入り )

 

A ticket ¥-11,000 (tax included) excluding drink fee
Special 1: DVD of off-shot from the artist photo shoot
Special 2 – Unreleased artist photo poster (with autograph)

 

・Bチケット 前売 ¥-6,000(消費税込み)ドリンク代

B Ticket ¥-6,000 (advance sale) (consumption tax included) drink fee not included

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入場順:S→A→B

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★チケット:

オフィシャル先行(イープラス/抽選)

※枚数制限4枚

受付期間:5/25(木)22:00~5/31(水)23:59

入金期間:6/3(土)13:00 ~ 6/16(金) 21:00

受付URL:https://eplus.jp/kamereo/

 

一般発売日

7/1(土) 10:00~

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制作・協力:CITTA’WORKS

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問い合わせ:チッタワークス 044-276-8841(平日 12:00~18:00)

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注意事項

※3歳以上有料、3歳未満入場不可

※入場は整理番号順に行います。 S→A→B

※入場時にドリンク代が別途必要となります。

※出演者の変更・キャンセル、開場・開演時間の変更による払い戻し不可。

 

 

 

Precautions

3 years old and older are required to pay.
Admission will be made in the order of the numbered tickets. S→A→B
Drinks will be charged separately at the time of admission.
No refunds due to changes or cancellations of performers, or changes in the opening or showtime.

 

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