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2018年04月08日 (日)


【ライブレポート】0.1gの誤算、完全ソールドアウトのマイナビBLITZ赤坂で見せたヴィジュアル系シーンの時代のうねり━━「ヴィジュアル系って最高だから!俺はこのジャンルを殺したくないと思っている」

REPORT - 19:00:00

2018年3月27日マイナビBLITZ赤坂で0.1gの誤算の2周年ワンマンライヴ<【運命よそこをどけ、俺たちが通る】>が開催された。

 

桜満開の赤坂にそびえるマイナビBLITZ赤坂の内部は完全ソールドアウトしフロアは超満員、緊張と興奮が入り混じった空気感の中カウントダウンが始まる。大声援の中共にSEが流れお馴染みとなった緑川裕宇(Vo.)のMCと共にメンバーが一人づつ入場する。緑川の咆哮と共に始まった「【K】0626【渇望】」酒宴の席のコールを取り入れたパーティソングで緊張入り混じっていた会場の空気が一瞬にして「誤算の世界」へ変貌した。

 

そして、男女入り混じるコール&レスポンスからの「必殺!からくり七変化!」「オオカミ男と月兎」へとアップナンバーが続く。旗を出しなさい、の呼びかけと同時に続くインド音楽をモチーフにした「インドの有害屋さん」では一斉に旗が会場を埋め尽くし一糸乱れぬ統率で旗が舞う。続くのは和音階のイントロから始まる「天地開闢」、彼らの楽曲のバリエーションの多さには常に驚かされる。

 

一呼吸置いたMCでは

「0.1gの誤算です!イエーイ!」「今日入りして俺は思ったよ、意外と小せぇなって。前にここに見に来た時にその出ていたボーカルの人が言っててその時は何言ってんだデケェじゃねえかよ、って思ってたけどやっぱり小さいな!おい!」──緑川

 

と満員のフロアに問いかけ、フロアもそれに答える。多くの者たちが目指し、憧れても到達できない会場であるのが事実である中、バンドとしての規格の大きさを改めて思い知らされる。そしてタイトルからは想像はつかないが悲恋を描いた叙情的な楽曲「残飯パセリーナ」愛に飢えた男を描く「溺愛ヤンデレボーイ」と続く。

 

アレ持ってこい、の声で運ばれて来たのはなんとビニールボート。集まった男が支えたボートに緑川が乗り、そのままフロア中央に移動し始まったのは「【S】0723【終焉】」汚い大人たちへのアンチテーゼを体現した魂の叫びが響き渡る。続く「プラチナ」では眞崎大輔(Ba.)のメロディアスなベースラインが冴え、「グリッターレイ」ではMIX、座った状態でのウェーブ、ヘドバンと会場全体が一つになり暴れまわり、誤算ワールドの真髄を感じられた。そして楽器陣によるインスト曲「希少種たちの運命」、では眞崎のスラップ、河村友雪(Gt.)の流麗なギターソロ、それに応酬するかのように静かな佇まいからは想像つきにくい水田魔梨(Gt.)のエモーショナルなソロ、そして神崎流空(Dr.)の激しくも正確無比なドラムが冴え響く。過激なパフォーマンスが話題になりやすいバンドではあるがそのライヴ力を根底から支えるのは各メンバーの裏打ちされた演奏力であることを思い知らされる。そして各メンバーとバンドを結成した際の話を緑川が始める。本音を吐露した緑川の叫びに続く「Truth」、緑川の想いに呼応するかのごとく会場が揺れた。

 

おはようございます!の呼びかけで河村が口を開く。

 

「一年ぶりくらいに円陣組んで掛け声合わせたんですよ、そしたらむっちゃ緊張するっていう(笑)」──河村

 

「みんな円陣の時ジャンプするんだけど緊張のせいでちょっとしか飛べて無いっていうね(笑)」──眞崎

 

そして緑川の赤坂をパリピの街に変えたいと思ってるんだけど!と声を響かせ始まった「トロピカループゴサンバ」、盛り上げることに特化した曲により会場のボルテージは一気にピークに達する。続く次曲は「男闘魂戦争 卍燃えよ誤算光殺砲卍」、オリエンタルリフを彷彿とさせる中華風の楽曲だ。煽りまくる緑川とそれについていくフロアの姿を見て『「教科書通り」をぶち壊せ!』の歌詞が目前に広がる誤算のバンドとしての生き様と重なったのが非常に印象的であった。そしてフロアではまさかの男を呼び寄せてのアイドルオタクVSギャ男(V系ファンの男性の俗称)による綱引きが行われた。先述通りの自由さに、円熟したと思われたシーンの新しい可能性を見出すことができた。まさに”教科書通りでない”ライヴアクトがそこには繰り広げられていた。

 

そして緑川が中学生の頃に聴いていた洋楽、メタルと日本語を融合させたという「灼熱する轟音の旋律と毛根に捧げ鎮魂歌~レクイエム~」、鋼鉄の旋律が響き渡る。ホラー感満載の「ZOMBIEs LOVE LETTER」。世界で一番新しいライヴをしているのはここ東京赤坂BLITZ、0.1gの誤算!の声から続くのは「NEVER ENDING」、心掴まれるキャッチーなメロディに不屈の信念を謡う歌詞が響き渡る。

 

そしてラストの言葉と共に緑川が会場に語りかける。

 

「この2年間、色々な音楽をやって来た。色々なメッセージも伝えた、しかし俺はこの2年間、1日目からずっと言い続けて来たことがある。何かって?ネットだけで粋がるクズにはなるなよって!何度炎上したことか、、そんな炎上、、ここまで届かねぇよ!」──緑川

 

0.1gの誤算はその自由奔放さ、ライヴアクトの独自性から常に極端な賛美両論が浴びせられたバンドだ。そしてそれは今なお止んではいない。しかしながらそれらの意見に左右される事なく、己の道を突き進んだ結果がこのマイナビBLITZ赤坂ソールドアウトという結果である。自身の道に、裏打ちされた結果が出た以上彼らはもう止まらないであろう。

 

バーカ!死ねっ!!から始まった「【L】1126【悲劇】」、ネット上でしか虚勢を張れない者たちへの痛烈な批判を込めたメッセージが胸を刺す。他者の意見などどうでも良い、俺が一番正しい、そう妄信的に思える事こそ真のアーティストたる要件なのかもしれない、そう感じさせられた。

 

怒涛の勢いで駆け抜けた本編が終了した後、一息つく間もなくスクリーンが降りる。まず映し出されたのは会場限定シングルの発売、そしてまさかの53箇所のツアーを行うという発表。ツアー箇所が発表される度に歓声が上がる。そしてニューシングル「アストライアの入滅」のMV映像が流れる。過去に所属事務所を抜け、自主で活動していくという選択をとった彼らの反撃とも取れる挑戦的な内容だ。信じるべきか否か、そしてその選択の先にどう生きるか、そんなことを考えさせられる楽曲だ。そして刹那の静寂の後、心音が会場に重く響き渡る。その鼓動と緊張は瞬く間にフロアに伝染し、皆が固唾を飲んでスクリーンを見つめる。息苦しさすら感じる中その文字が衝撃と共に眼前に映し出された。「2018年8月18日(土)Zepp DiverCity」最早悲鳴にも似た叫びがフロアから響き渡る。そう、彼らが次のステージとして選んだのはZepp DiverCityでのワンマンライヴであった。

 

歓喜と少しの混乱が入り混じった中アンコールが始まった。SEによりメンバーが再登場した後第1曲目は「アストライアの入滅」激しさの中に荘厳な静寂さを秘めたライヴアクトによって一気に誤算の世界に引き込まれる。そして「21gの感傷」、彼らの始まりでもあるこの曲は今なお新鮮さを失わず聴衆たちを導いている。

 

爆音が止みクリーンなギターのアルペジオだけが鳴り響く中、静かに緑川が語り出す。

 

「俺は子供の頃からヴィジュアル系が好きで、当時は学校の普通の友達がヴィジュアル系を聴いていたんだよ。それから15年くらい経った。今寂しくないかこのジャンル?どうしちゃったんだよって俺は思ってる。ヴィジュアル系好きなやつじゃないとヴィジュアル系聴いてないんだよ。昔はライヴに行っても色々な人がいた。そして去年の一周年記念ワンマンライヴ、いいライヴをしたけどバンギャしかいないんだよ、それが悔しくて。それから一年、色々なジャンルのライヴに出て魂を向き合って会話して、ライヴをしてきた。そしたら今日、男もバンギャも、子供も、おばあちゃんも来てくれました!ヴィジュアル系って最高だから!俺はこのジャンルを殺したくないと思っている。そして今、こうやって混ざりあえてる、だからこそZepp DiverCityいけるって確信したんだよ!無理だって思ってんだろ?なら俺が成功させてお前らビックリさせてやるよ!今日はありがとうございました!」──緑川

 

近年ヴィジュアル系シーンはかつての勢いを失い停滞気味になっている、それは歴然たる事実である。この緑川という男、そして0.1gの誤算というバンドはそれを受け入れた上で敢えて戦っていくと語った。タブー視されていた女性アイドルとのイベント出演、メイクをすることに対して拒否反応の強い邦楽バンドフェスへの出演など、下手をすれば既存のファンをも失いかねない攻撃的な姿勢でこの一年を突き進んだ。しかし、その原動力はヴィジュアル系に対する愛であった。そしてその結果はこの日集まった人たちを見れば一目瞭然、バンギャにもアイドルオタクにも、ジャンルの壁を越えた先にメッセージが届いた証拠である。そしてその想いは「この声が届くまで」で歌として伝えられた。フロアには頬を濡らしながらその想いを受け取っている姿が多く見られた。そしてファンを守って一緒に先に進もうという気持ちを表した新曲「アストライアの転生」でアンコールの幕は閉じた。

 

しかしフロアの声は終わらない、鳴り止まないアンコールの声に応えるようにメンバーが再登場。水田と眞崎によるユーモア溢れるトークの後にダブルアンコール一曲目は「こんな僕ら、どうですか?」煽りまくる緑川に呼応するように暴れ狂うフロア、その後も「混沌的極悪暴曲-ヴィジュアルロックパロディウス-」と暴宴は紡がれていく。「ナツイロドロップ」で会場の空気感が一体になった後、

 

「こんな小さな赤坂BLITZで俺の人生が終わっていいわけねぇだろ!」「お前ら人生にくだらない区切りなんてつけんじゃねぇよ!これからも、ついてこれるよな?」──緑川

 

とラストの曲に選ばれたのは彼らの代表曲といっても過言ではない「有害メンヘラドール」誤算の真髄とも呼べる傍若無人なアクトにより約3時間にも渡る狂宴は幕を閉じた。

 

彼らとファンの熱量に圧倒された激情の3時間、そこにはヴィジュアル系のシーンを変える時代のうねりがあったように感じた。

 

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【information】

 

-53本企画Final- 底辺からの下克上!!俺がゼップに立つ時代だぞコラ卍?〜緑川裕宇Birthday〜

【日程】2018/8/18(土)
【場所】Zepp DiverCity(TOKYO)

16:00開場/17:00開演
【料金】スタンディング 5,000円(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※3歳以上有料

 

★チケット:

■抽選エントリー受付日程
3/27(火)22:00~4/22(日)23:00
https://t.co/hNpcROFIVO

 

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Zepp Diver City制圧 53の系譜 -53本企画-

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■-53本企画-【Zepp Diver】未開拓都市無料巡礼-弐-【ソールド祈願】

5/3 イオンモール幕張
5/7 月曜 長崎 DRUM Be-7
5/9水 熊本 DRUM Be-9 V2
5/10木 鹿児島SR Hall
5/12土曜 大分 DRUM Be-0
5/16水 高知 BeeStation
5/17木 松山 サロンキティ
5/24木神戸 太陽と虎
5/26土和歌山 CLUB GATE
5/29火奈良 NEVER LAND
5/30水滋賀 U STONE
6/1金岐阜 Ants
6/6水秋田 Club SWINDLE
6/7木盛岡 the five morioka
6/9土 郡山 #9

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■-53本企画-【Z】暴れたいバンギャ限定ワンマン【制圧】

5/6日曜 福岡 DRUM SON
5/20日 池袋EDGE
5/27日心斎橋 アメリカ村DROP
6/2土名古屋 ell.SIZE
6/10日 仙台HooK

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■-53本企画-【Zepp Diver】関東大進撃【ソールド祈願】

6/14木 新宿RUIDO K4
6/16土柏ThumbUp
6/17日横浜BAYSIS
6/19火西川口 Hearts
6/20水水戸SONIC
6/23土前橋 DYVER
6/24日HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2

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■-53本企画-【Zepp Diver】誤算VSツワモノ【ソールド祈願】

6/28 新宿HOLIDAY
7/14 新宿RUIDO K4
7/15 新宿RUIDO K4

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■-53本企画-【Zepp Diver】運命を越えた先の世界【ソールド祈願】

7/1日 札幌SUSUKINO810
7/2月札幌SUSUKINO810
7/5木 池袋CYBER
7/7土金沢AZ
7/8日長野J
7/10火新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
7/11水仙台MACANA
7/21土福岡DRUM Be-1
7/23月広島セカンドクラッチ
7/24火鳥取AZTiC
7/26木岡山IMAGE
7/27金高松DIME
7/29日京都MOJO
7/30月浜松FORCE
8/2木 渋谷TSUTAYA O-WEST 〜河村友雪Birthday〜
8/11土大阪MUSE
8/12日名古屋 SPADE BOX

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■-53本企画-番外編ファンミーティング

 

6/3日 赤鰤釣れました!魚釣り大会!
7/16 有害玉転がし(ボーリング大会)
8/5日 有害だらけのBBQ大会2
8/6月 K4 公開ゲネプロ

 

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8/9 TSUTAYA O-EAST
0.1gの誤算presents feat.つかさし
もんぐサミットvol.2

 

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★0.1gの誤算 official HP★
https://gosan.g1-corp.com/