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2023年07月08日 (土)


【ライヴレポート】<ν[NEU] 14th Anniversary ONEMAN「~ファン感謝祭~」>2023年7月1日(土)新宿BLAZE◆ν[NEU]、14周年感謝祭で見せたゼロからのスタート──「俺らの最高潮は今だぞ!」ワンマンツアー「ν[NEU] BEST」開催決定!

NEWS - 20:00:47

ν[NEU]は、生きている。――現在の彼らを表す相応しい言葉を探していて、真っ先に浮かんだのがこれだった。過去に一度“解散”したメンバーが再び集結して息を吹き返し、2022年に行った半年間の活動を経て、1つの決断を出した。それが、解散から10年後となる2024年12月29日を“ゴール”としてν[NEU]の活動を行っていくこと。その道のりへの本格的なスタートとなったのが、7月1日に新宿BLAZEにて行われた14th Anniversary ONEMAN「~ファン感謝祭~」である。

 

「次は、笑って<さよなら>したい。来年の12月29日に、ν[NEU]を完結させたい」と、ヒィロがライブ終盤に話したのと同じ想いと目標を持って、メンバーは現在ν[NEU]というバンドに向き合っている。このバンドの根源にいるヒィロ自身が追い求めていた“最高の終わり”を迎えるために、あの頃の再現に留まらず、一度は枝分かれしたそれぞれの道で得た人生経験を音楽にフィードバックして進化を遂げている最中だ。かつてサイバーでアッパーな強みを持っていた彼らが、メジャーデビューを境に歌の力とバンドサウンドへ目を向ける形にシフトし、時を経た今では生々しさすら感じられる人間味を帯びている。これらすべてを踏襲しているからこそ、mitsuが自信を持って「今のν[NEU]、良くない?」と言えるのであって、それに対して「かっこいい!」とν[NEU]フリーク(ファン)たちが即答するのが、なによりの証拠だと思った。

 

 

 

ライブの幕が開く前から流れ出したイントロに心踊らされた「PULSE」や「LIMIT」が体感させる、デジタルサウンドに勝るほどのmitsuの歌声の存在感とグルーヴを持ったバンドサウンドが実に心地よい。「スプラッシュ!」ではミラーボールの眩い光に負けじと弾けるメンバーとファンの笑顔が、センチメンタルにさせるこの曲の印象を一新させた。“誓い”というフレーズに合わせて小指を立てたり、“泣いてるきみ”とこの時は隣で笑っていたヒィロを指さしたり、mitsuが歌に乗せて言葉を今の情景へと結び付けていく。そういった一瞬一瞬と一音一音に歴史を感じながらも、“今だからこそ”というリアルタイムな魅力に惹かれていった。

 

 

 

「ν[NEU]の代名詞と言える曲」と紹介し、「RED EMOTION~希望~」を目の前のν[NEU]フリークたちへ伝えつつ、メンバー同士で時折アイコンタクトしながら演奏する様子はまるで、“希望”という彼ら自身の存在意義を分かち合っているようでもあった。「カレイドスコープ」や「恋模様」で躍動感を生むも、暗転から丁寧にЯeIがカウントを取ってじっくりと聴かせた「最愛と渇望の日々」。没入していくようにプレイする中で、歌い終えた時にmitsuが感極まっている様子も伺えた。そんな彼が「ν[NEU]の曲たち、届いていますか?」と笑顔で語り掛けた。

 

 

 

 

 

「不思議な人生だなと、つくづく思います。ν[NEU]を通して……もっと前からか、音楽を通してたくさんの人と出会い、たくさんの人と別れ、たくさんの経験をして今があります。みんなにもそれぞれの物語があります。そんな人たちが集まって、同じものを共有出来ているこの時間にかけがえのないものを感じます」――mitsu

 

たくさんの経験をしてきた彼らだからこそ、自分たちの過去にもしっかりと向き合うことが出来る。ν[NEU]においては、メジャーデビューをしてから変化をもたらすタイミングがあったこと。必死で、何かを追い求めながらもそれが何かわからないまま進んでいたこと。ただ、変化や理想と現実との差異はバンドだけに起こる特別な事柄ではなくて、大なり小なり人間が人生の中で遭遇することでもある。結果、“あの時”ν[NEU]は解散を決めたわけだが、それは決して負けたということではないと断言出来る。きっとメンバーは、自分に、大好きな音楽に嘘を付きたくなかったのだろう。これは誉め言葉として言うが、彼らは頑固なまでの正直者だ。「今、やっとあの時作りたかったものをちゃんと……もしかしたらより深く、皆さんにお届け出来るようになったんじゃないかなと思っています」というmitsuの言葉通り、時間は必要だったかもしれないけれど、ν[NEU]の理想を想像を上回る形で実現出来ている今に居合わせていること自体がどれほど幸せで尊いことなのかがわかる。それを実感させてくれたのが、曲が持つ壮大さに説得力という武器が加わって披露された「APOLLON」だった。

 

 

 

「(解散)当時、1曲ずつお墓に入れていくつもりで歌っていたから悲しかったけど、今はこんなに嬉しい気持ちで歌える」――mitsu

 

“伝えたいことは伝えた”と吹っ切れたような笑顔を見せて、ラストスパートはシンプルに楽しむだけ。フロアに広がる“キラリンパ”の光が〇・×のサインの度に絶景を見せた「YES≒NO」や、久しぶりの演奏に歓声が沸いた「FAKE」。さらに「cube」へとノンストップに攻めていく。未来を明るく照らすような「The 25th Century Love」や、「LAB」での楽し気な空気感を持って、“お馴染み”な「妄想接吻」「ピンクマーブル」でスパークする会場の様子に向かって「この景色、覚えとくからな!1年半後、こんなのしょぼかったって言ってやろう。俺らの最高潮は今だぞ!」とmitsuが叫んだ。そして、解散ライブ以降8年半ぶりにシンガロングが響いた「エンドロール」へと閃光のように駆け抜けた。

 

 

 

 

「終わりはくるからこそ、ν[NEU]がやれることをこの1年半で証明したいと思います。みんなが求めてくれたから生まれた奇跡です。だから、この1年半はみんなの希望に、光になるつもりです」――mitsu

 

ラストに用意されていた「everlasting light」がもたらした晴れやかな情景を目にしながら、あることが脳裏をかすめた。「PULSE」「LIMIT」からライブが始まり、「エンドロール」「everlasting light」が締めくくったライブ……そう、2014年12月29日に行われた彼らの解散ライブだ。これは憶測に過ぎないが、ν[NEU]はあの日をもう一度呼び起こすことで、自ら時間を動かそうとしていたのかもしれない。だが、一度は途絶えたエンドロールの続きを新たな形で築き上げようとしていることは事実だ。

 

 新たに、「ν[NEU] BEST」と題した歴史を振り返るワンマンツアーと、大阪で「ファン感謝祭」を行うこと。さらに、ν[NEU]とソロ活動としてのmitsuとのツーマンライブが発表された。この怒涛な展開は、自信がある今だからこそたくさんの人にν[NEU]へ触れて欲しいという思惑も感じる。2024年12月29日にゴールを迎えるまでの時間はこの日、確実に動き出した。

 

 

 

 

写真:Intetsu

レポート・文:平井綾子

 

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ν[NEU] 14th Anniversary ONEMAN「~ファン感謝祭~」

2023.07.01(Sat.) 新宿BLAZE

-セットリスト-

 

1.PULSE

2.LIMIT

3.スプラッシュ!

4.RED EMOTION~希望~

5.カレイドスコープ

6.恋模様

7.最愛と渇望の日々

8.APOLLON

9.YES≒NO

10.FAKE

11.cube

12.The 25th Century Love

13.LAB

14.妄想接吻

15.ピンクマーブル

16.エンドロール

17.everlasting light

 

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