2023年07月12日 (水)
【ライヴレポート】<Luv PARADE主催『DEVIL’S PARTY #3』>2023年7月9日(日)新宿BLAZE◆雰囲気の異なる出演バンドに彩られた悪魔の宴──。
NEWS - 21:00:03「今回は3回目ということで、今までとは違った嗜好の対バンさんでやらせていただいて。今日1日で刺激いっぱいでした」
アンコールでZERO(Ba)がそう語ったように、2023年7月9日新宿BLAZEで開催したLuv PARADE主催『DEVIL’S PARTY #3』は、今までとは雰囲気の異なる出演バンドに彩られた悪魔の宴だった。それはこのイベントが今後も幅広く継続的に続く宣言のように思えたし、同時にカバー曲を軸に活動するLuv PARADEというバンドの、新たな可能性と拡がりを十分に感じた夜でもあった。
トップバッターは先日初のワンマンツアー『H.U.G TOUR 2023 -LOVE THAT NEVER ENDS-』を大盛況に終えたばかりのH.U.G。歓声に出迎えられ、白い衣装を纏った5人がステージに現れる。ryo(Vo)が高らかに右手をあげて始まったのは、このツアーで披露された新曲「HELIOS」。エキゾチックなメロディと、すっかりバンドとして覚醒したH.U.Gのアンサンブルがフロアを制していく様は圧巻だ。艶のある声と獰猛なシャウトを巧みに使い分けるryo、前屈みの戦闘体制で分厚い重低音を作っていくKaryu(Gt)。光るスティックでバンドを統制していく横山和俊(Mani&Key&Per)も初っ端からフルスロットルで攻める。シーケンスに絡むTAKEO(Dr/PIERROT, Angelo)のリズム、グルーヴを操っていくMASASHI(Ba/Versailles)もサポートという枠を越えて、ロックバンド・H.U.Gの存在をしっかりとオーディエンスに伝えていく。
「太陽に感謝しよう」とryoの言葉で始まった「DROP」。疾走する楽器陣とryoの伸びやかなメロディが美しく交差していく。「LOVE THAT NEVER ENDS」では優しく強く、しっとりと愛を表現する。
「僕らまだ1年も経っていない新人バンドなんで、名前だけでも覚えていってください。先日とある先輩に“フグ”ですか? と言われたんですけど……」と笑いを誘いながらも、「WHO IS THE ROMEO」のどっしりとしたヘヴィグルーヴを轟かせた。間奏ではフロア全員沈み込んでから一斉にジャンプ! ラストは「HEART」の解放的なメロディが会場をいっぱいの愛で包みこみ、「H.U.G! H.U.G! H.U.G!」コールが巻き起こる中、H.U.Gはステージを終えた。
「新宿BLAZE! 他のバンドが絶対しない挨拶するぜ! こーんばんわーっ!!」
団長(Vo)の高らかな挨拶で登場したNoGoD。K(Dr)の乱れ撃つドラミング、hibiki(Ba)の傍若無尽なボトム、Shinno(Gt)がザクザクとエッジィに攻め、Iyoda Kohei(Gt)のシュレッドギターが艶やかにキマる。降り注ぐ爆音とスキルフルの演奏力で、1曲目「現役聖書」からオーディエンスを圧倒していった。「最高の布教活動、お見せしましょう!」団長の不適な笑みから「What do you say」へ。伸びやかなハイトーンが天高く突き抜けていく。
“セクシーのかたまり(H.U.G、Luv PARADE)”と“美しさのかたまり(Moi dix Mois)”の中にどうして自分たちが呼ばれたのか、そう自問自答しながら悪魔的な(?)おしゃべりで観客の心を掴んでいく団長。「NoGoD、音楽だけはちゃんとやっておりますので。目は塞いでも耳は塞がないで」と、「mind’s eyes」。ヘヴィなグルーヴと美メロを絡ませながら卓越した演奏力と貫禄に溢れた表現力で魅了する。
ドラマチックな楽曲展開とメロディックなフレーズが交錯していくキラーチューン「神風」で圧倒し、トドメは団長が「このジャンルが消えないように証明しようぜ新宿―!」と熱く声を上げて始まった高速ナンバー「Never fade away」を投下。「よぉく、覚えておけ! 俺たちがNoGoD!!」そう言い残して、怒涛のステージを終えた5人は去っていった。
青く照らされた幻想的な世界。チェンバロの音色が印象的なSEが流れる。メンバー各々が登場し、それぞれの持ち場につく。Mana(Gt)が登場し、青く光るクリスタルのギターを優雅にに掲げると悲鳴のような歓声が沸き起こった。
「より深い、暗黒の世界へ、皆でいきましょう」
最後に現れたSeth(Vo)がそう呟くと、メタリックなリフが暴れだし、フロアの頭が一斉に振り乱れる。「Material Death」で、Moi dix Moisの妖しくも美しい世界が解き放たれた。シンフォニックな響きの中で猛り狂うManaとRyux(Gt)のノイジーでヘヴィなツインギターの刻みが耳をつんざく。
「今宵は『DEVIL’S PARTY』。悪魔の宴だな。ということはすなわち、サバト。より深い暗黒の世界へあなたたちをいざなおう」
Sethの誘いで導かれる「Wichcraft」。Hayato(Dr)のタイトで軽やかなドラミングとSugiyaの(Ba)の堅実的なベースライン、Manaのピッキングハーモニクスが心地よい。クワイアが響き渡り、Sethが妖艶な旋律を淫らに重ねていく「Solitude」、ワイルドかつエレガントな「Beast side」、アッパーチューン「Dead Scape」でフロアの熱をぐんぐんあげていく。ラストは「Ange~D side holy wings~」のシンフォニックな轟音が会場を包みこみ、Moi dix Moisの荘厳な世界はフィナーレを迎えた。
トリはもちろん、Luv PARADE。漆黒に身を包んだ4人を精一杯の声援で出迎えるオーディエンス。エレクトロなSEがそのままシンセサウンドへと傾れ込み、「行こうか」紫色の長いストールを靡かせながらTAKA(Vo/defspiral)がゆっくりとクラップ。地を這う大蛇のような重低音がずっしりと襲いかかる。「Poker Face(Lady GAGA)」、「Toxic(Britney Spears)」とすっかり、Luv PARADEの楽曲といっても過言ではないほど自分たちのものへと妖しく昇華したカバーで一気に惹き混んでいく。
「『DEVIL’S PARTY』へようこそ! みなさんまだまだ騒ぎ足りないよね」
TAKAの導きで、淫靡な香りを漂わせる「BAD GUY(Billie Eilish)」。的確なTSUKASA(Dr)のビートに合わせて、ZERO(Ba)がグルーヴを重ね、Karyu(Gt)が歪みの壁を構築する。そこに大人の色香たっぷりのTAKAのボーカルが乗れば、どんな楽曲でもLuv PARADEになる、そんなバンドとしての懐を魅せつけていく。緩急自在のグルーヴが急襲する「DEVILS’ PARADE(D’ESPAIRSRAY)」、そして「My Heart Will Go On(Céline Dion)」は彼らの余裕と貫禄たっぷりの表現力で圧倒し、オーディエンスは酔いしれた。
次回のワンマンライブ告知を挟んだ「Dub-I-Dub」は、ハッピーなのにどこか悪魔的な祝祭を感じさせるところにLuv PARADEのアイデンティティを感じ、「MIRROR(D’ESPAIRSRAY)」の狂気性でフロアは興奮の坩堝と化す。「まだまだ物語は始まったばかりです」とのTAKAの紹介でラストナンバー「The Never Ending Story(Limmahi)」へ。真っ直ぐなメロディとエッジィな演奏はどこまでも、いつまでも突き抜けていくようであった。
「Sk8er Boi(Avril Lavigne)」で始まったアンコール。重心は低くもなぜか軽快に感じるビートでフロアは思いっきり縦に揺れ、熱気はそのままに「DEATH POINT(D’ESPAIRSRAY)」へ。ステージからの熱とフロアの熱はシャウトのコール・アンド・レスポンスが最高潮に達し、悪魔の宴は幕を閉じた。
D’ESPAIRSRAYの結成日となる9月9日にVeats Shibuyaでのワンマンライブも発表されたLuv PARADE。この日はいつもと異なり、D’ESPAIRSRAYの楽曲を多めに選曲するという。彼らが放つ「DEVIL’S NEW WORLD」から目が離せない。
(冬将軍)
写真:Misato Koyama (ODD JOB LTD.)
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<SET LIST>
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■H.U.G
01. HELIOS
02. SEEDS
03. DROP
04. LOVE THAT NEVER ENDS
05. WHO IS THE ROMEO
06. HEART
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■NoGoD
01. 現約聖書
02. What do you say
03. mind’s eye
04. 神風
05. Never fade away
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■Moi dix Mois
01. Material Death
02. Witchcraft
03. Solitude
04. Beast side
05. Dead Scape
06. Ange~D side holy wings~
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■Luv PARADE
01. Poker Face/Lady Gaga
02. Toxic/Britney Spears
03. BAD GUY/Billie Eilish
04. DEVILS’ PARADE/D’ESPAIRSRAY
05. My Heart Will Go On/Celine Dion
06. Dub-I-Dub/Me & My
07. MIRROR/D’ESPAIRSRAY
08. The NeverEnding Story/Limahl
En
09. sk8er boi/Avril Lavigne
10. DEATH POINT/D’ESPAIRSRAY
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本公演アーカイブにてチケット販売中!
チケット購入ページ:https://parade.zaiko.io/e/devilsparty0709
※Japanese / English対応
チケット販売:~2023年8月8日(火)20:00まで
【ライブ情報】
Luv PARADE「DEVIL’S NEW WORLD」
2023年9月9日(土)Veats Shibuya
開場16:00 開演17:00
[問]サイレン・エンタープライズ03-3447-8822
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Luv PARADE OFFICIAL SITE
Luv PARADE OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/@luvparade4143/featured