2019年04月06日 (土)
【ライヴレポート】<mitsu PRESENTS「みつどもえ」>2019年4月5日(金)TSUTAYA O-WEST◆mitsu、SHIN(ex.ViViD)、ダウト◆「あらゆる垣根を越えて、アーティスト同士が近い距離で面白いものを生み出していけたら」
REPORT - 21:00:51
今年7月20日に、ソロ活動4周年を記念して恵比寿LIQUIDROOM公演を行うmitsuが、個性豊かなソロアーティスト・バンドとの3マンライブ『みつどもえ』を開催。
好評を博した前回の開催から7ヵ月ぶりとなる今回の三番勝負。
初日の4月5日には、長年、共にヴィジュアル系シーンを牽引してきたSHIN(ex.ViViD)とダウトが登場し、熱い競演を繰り広げた。
2015年にソロ活動をスタートして以降、ヴォーカリストmitsuは、自分1人でどこまでできるのか?を試すように、より強い信念を持って音楽と向き合ってきた。
その姿は、端から見れば完璧な優等生のように映っていたかもしれない。
しかし、その内側は常に不安や焦りとの闘いで、時折弱さに飲まれそうになりながらも、なんとかここまで歩み続けてきた。
道に迷った時、彼を希望へと導いたのは、ヴォーカリストを志した時から変わらぬ歌への情熱と、彼のまっすぐな想いに寄り添う仲間達の存在――。
それはもちろん、この日会場に足を運んだ観客1人1人も然り。
そんなかけがえのない同志に自身の進化の片鱗を見せるべく、O.Aに登場したmitsuは、泰斗(Key)、柴由佳子(Vn)というお馴染みのメンバーと『エトリア』をアコースティックバージョンで届けた。
O.Aを挟み、トップバッターを務めたのは、こちらも2016年からソロ活動をスタートさせたSHIN。
ハンドクラップで観客を煽りながら弾けるようにステージに飛び出すと、エモーショナルに『paradox』をぶちまけ、フロアを揺らした。
そして、バンドが解散してもなお、音楽を続けていたからこそ実現したこの日の競演を噛みしめながら、カヴァー曲『GLAMOROUS SKY』など、全7曲を披露。
ラストは笑顔を輝かせながら『just going true side』を届けると、嵐のようにステージを去っていった。
2番手は、この日、唯一バンド形式で登場したダウト。
幕が開くと、ステージには煌びやかな衣装を身に纏ったメンバーがスタンバイし、ゴージャスな最新曲『金魚蜂』で一気に加速していった。
幸樹の豪快な煽りに応えるよう、『感電18号』では早くもお祭りモードに。
卒業ソング『SAKURAリフレイン』で会場を春色に染める場面もありつつ、後半は遊び心のある暴れ曲で、限界まで高まっていたライブ欲を思う存分に発散!
最後は力強い三々七拍子で締めくくった。
そして、満を持してmitsuがステージへ歩み出す。
1曲目を飾るのは、O.Aでも披露した『エトリア』。
夢時(Gt)、KOUICHI(Gt)、Sato(Ba)、Aki(Dr)、泰斗(Key)、柴由佳子(Vn)によるスペシャルバンドに背中を預けて、軽やかに歌い始めれば、観客の心の中には、青く澄み切った海、夜空に咲く打ち上げ花火、甘酸っぱい恋愛のワンシーンがパッと広がっていく。
と同時に、笑顔を振りまきながらも、力強く拳を突き上げるmitsuの姿はじつに頼もしい。
そのまま繋いだ『It’s So Easy』には、豪華メンバー達のソロパートもあり、観客達は、緻密に練られたエンターテインメントショーにあっという間に飲み込まれていった。
雄弁なMCで笑いを誘うと、ピアノの音がキンモクセイの甘い香りを連れて舞い込み、切なくも前向きな言葉を綴ったラブソング『キンモクセイは君と』へ。
mitsuの綴る歌詞はノスタルジックな世界観のものも多いが、ライブでは、観客との一体感を楽しみながらパワフルに歌い上げる。
それは、夏と共に儚く散りゆく恋を描いた『蛍』でも変わらず。
生バンドの演奏に合わせて観客がジャンプを繰り返すたびに、フロアは凄まじい熱気を帯びていくのだった。
中盤には、嬉しいサプライズも用意されていた。
「次の曲、初めてやる新曲となります!」と言い添え、ダンサーを呼び込むと、新曲『じゃないか』をダンスパフォーマンスを交えて披露したのだ。
事前にSNSを通して予告していたものの、目の前でキュートに踊り出すmitsuにフロアからは思わず歓声が挙がる。
自分でも「30歳にして初めてダンスに挑戦しました。10年前の俺だったら絶対やめろって止めてた(笑)」と語っていた通り、ダンスは今の彼にしか見えなかった可能性だが、これもまた、ソロアーティスト・mitsuが目指す次のステージには欠かせない挑戦。
眩しい笑顔の奥に闘争心や強い覚悟を秘めながら、全力で歌い踊ると、後半戦はアグレッシブなロックチューンで畳みかけた。
「いけるかい⁉」
熱く煽りながら突入したのは、“折り畳み”など、ヴィジュアル系特有のノリが逆に新鮮な『Crazy Crazy』。
『into DEEP』では、観客も腹の底から声を張り上げ、“楽しい”を見せつけるようにタオルを振り回す。
そう、『みつどもえ』は対バンとの競演だけでなく、mitsu・バンド・ファンの本気のぶつかり合いでもあるのだ。
油断していたら振り落とされる――。
そんな危機感さえ与える勢いで駆け抜けると、最後は、「ソロなんでいろいろ障害もあるんですけど、1個1個、自分の目で確かめて挑戦していこうと思って書いた曲です」と『ラストヒーロー』を熱唱。
鳴りやまない“アンコール”に後ろ髪を引かれながら、『みつどもえ』初日は閉幕した。
「バンドもスタッフも含め、こうやって1つのチームになってライブをやったのは今回が初めてだったんですけど、人が集まってくれるのって楽しいですね!
僕は完全に自主で活動していることもあって、あらゆる垣根を越えて、アーティスト同士が近い距離で面白いものを生み出していけたらと常々思っていたんです。
今回の『みつどもえ』は、そういう想いにゲストアーティストも賛同してくれて、バチバチにぶつかり合いながら一緒に高め合っていけているのを感じました」
終演後、興奮冷めやらぬ様子で現れたmitsuは、初日の手応えをそう語った。
なお、次回の『みつどもえ』2日目は、4月26日、TSUTAYA-O-WEST。
GOTCHAROCKAとユナイトを相手に、どんな熱いパフォーマンスを繰り広げるのか?
そして、恵比寿LIQUIDROOM公演へ向けてどんな進化を遂げるのか?
今後もmitsuから目が離せない。
文◎斉藤碧
写真◎ayak
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<ライヴ>
■mitsu PRESENTS「みつどもえ」
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4/26(金)TSUTAYA O-WEST
ACT:mitsu
Guest:GOTCHAROCKA/ユナイト(50音順)
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5/17(金)TSUTAYA O-WEST
ACT:mitsu
Guest:Develop One’s Faculties/Blu-BiLLioN(50音順)
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<Release>
★mitsu 1st EP「OVER」絶賛販売中!
【CD収録曲】
1.蜃気楼
2.鼓動
3.リバーシブル
4.じゃないか
【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCQgQJOIix1jlYHxJOiAz8Aw
★mitsu OFFICIAL SITE★
http://www.mitsu-official.com/home/
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