2023年08月16日 (水)
【ライヴレポート】<DIV「NEVER DIVIDED, JUST DIVE」>2023年8月13日(日)恵比寿リキッドルーム◆
REPORT - 18:00:242023年8月13日(日)、DIVが再結成ライヴ『NEVER DIVIDED,JUST DIVE』を、恵比寿リキッドルームにて開催。
約7年振りとなるステージで、バンドの復活を高らかに宣言した。
CHISA(Vo)、将吾(Gt)、ちょび(Ba)、satoshi(Dr)の4人によって結成されたヴィジュアル系バンド、DIV。
2012年に始動した彼らは、パワフルなバンドサウンドと緻密にデザインされたデジタルサウンドを掛け合わせたハイクオリティな楽曲を武器に、凄まじい勢いでシーンを駆け上がっていった。
しかし、2016年8月8日、突如バンドの解散を発表。明確な解散理由も発表されなかったため、様々な憶測が飛び交うことになった。
そして、2016年10月10日、日比谷野外音楽堂でのワンマンライヴをもって、惜しまれながらも4年半の活動に幕を降ろす。
解散以降もメンバー各々が音楽活動を続けていたのだが、DIVの復活は「不可能」と言われ続け、もう二度と4人が同じステージに立つことはないと、誰もが思っていた。
しかし、時は流れ、2023年3月5日。突然の再結成発表に、国内はもちろん海外からも歓喜の声があがった。
再結成ライヴのチケットは即日完売。彼らの音楽でありライヴは、今もなお、多くのリスナーの心に残り、求められ続けていた。
また、彼らはドキュメンタリー映像「Documentary of NEVER DIVIDED,JUST DIVE」を公開。
それは再結成をするにあたり、あのとき起こっていたすべてを洗いざらい話すことが、応援してくれていた人達に対しての誠意なのではないかという結論に達し、撮影されたものだった。
衝撃的な告白を交えながらも、これまで明らかにされていなかった解散に至るまでの経緯や、当時の心境を赤裸々に話し、再結成へ向けたありのままの想いを、4人は力強く語っていた。
そして迎えた8月13日。約7年振りに、DIVの4人がステージに姿を現した。
大歓声が上がるフロアに向かって、将吾とちょびは笑みを浮かべ、satoshiはまっすぐにドラムへ向かって歩いていく。
3人から少し遅れてステージに入ってきたCHISAは、超満員のフロアを見渡しながら、そこにいる一人ひとりに視線を送り、何度も小さくうなずいていた。
SE「215」が終わると同時に、時計の秒針の音が流れ始める。
カチカチと時を刻むその音が、次第にその速度を遅めていき、止まった。そこから1曲目がスタート。
4人が記念すべき日の幕開けに選んだのは、「ZERO ONE」。彼らが日比谷野音で行なった解散ライヴで、ラストナンバーとして届けた楽曲だった。
止まってしまった時計の針を再び動かすべくCHISAが歌い始めると、フロアからたくさんの拳が突き上がった。
ステージから放たれる音と、そこに乗せられた言葉達が、ただひたすらに胸に迫る。
なかでも〈終幕へ向かう世界じゃないんだよ 始まりに溢れているだろう?〉という一節は、DIVというバンドの鼓動が止まってしまったあの日とはまったく違うものとして、フロアに響き渡っていた。
そこから続けて披露された「東京、熱帯夜につき」が、感動を興奮に塗り替えていく。ベースを高く構え、しなやかなに音を奏でるちょびと、軽快なビートを色彩豊かに刻んでいたsatoshiが顔を合わせてグルーヴを高めていくと、「夏一色に染め上げようか!」というCHISAの煽りからなだれ込んだのは、「夏の行方」。
早くも登場したバンドの代表曲に、場内は笑顔で溢れかえっていた。
「今日はいっぱい曲をやる」という宣言通り、代表曲/定番曲を立て続けに繰り出していく4人。なかでも印象的だったのが、「イケナイKISS」だ。
当時よりも色彩豊かでパワフルなものに変貌を遂げていたことに驚かされたのだが、それは4人がDIV解散以降もしっかりと自身の腕を磨き続けていたことの証左だろう。
また、ウォール・オブ・デスを発生させた「DEATH GAME」では、「そっちに行っちゃおうかな」と、CHISAがオーディエンスを左右に分けたことでフロアに生まれたスペースを練り歩く場面も。
彼らの一挙手一投足から、今この瞬間を全力で楽しみながら演奏していることが伝わってくる。
そんな活き活きとしたパフォーマンスを裏付けるように、CHISAは話す。
CHISA「DIVが、私の、僕の青春だったって言ってくれる人が結構多くて。でも、俺らにとっても青春だったと思ってるんですよ。
俺らもみんなも大人っぽくなったけど、もう一回、青春を始めてみてもいいんじゃないでしょうか」
そこからも凄まじい熱量で曲を畳み掛け、瞬く間にラストナンバーの「ANSWER」へ。
大音量のオイコールが巻き起こるフロアに向けて、歌詞を口ずさみながらギターをかき鳴らしていた将吾は、ステージ前まで出てきてギターソロを轟かせていた。
ちなみに「ANSWER」は、彼らがDIVとして最初に世に生み出した楽曲である。
曲に入る前に、CHISAはこう話していた。「最初に作った曲の歌詞の中で、こう言っていました。ここに生かされてる理由が、今は解る」。
暗闇の中で光に手を伸ばすように、ここで生きていくことを証明するように、4人は力強く音を重ね合わせていた。
アンコールでは、メンバー一人ひとりがオーディエンスに感謝と今の気持ちを言葉で伝えていた。
ちょびは「2016年10月10日から時間が戻って動き始めました。またここから新しい時間を作っていきましょう」と笑顔でコメント。
珍しく緊張していたという将吾は、「SEASONS」を演奏していたときに、同曲を披露したリキッドルームでのライヴの記憶が甦ってきたそうで、「みんなもいろんなことを思い出しながら聴いているのかなって思いながら演奏していた」と話した。
satoshiは、「演奏して、みんなが笑顔でいてくれることが嬉しいなと思いながらドラムを叩いてました。
僕らはみんなを笑顔にできるバンドです。そんなバンドを7年間も奪ってしまって本当にごめんね」と、溢れる涙を隠すことなく、これまで抱えていた想いをまっすぐに伝えていた。
この日のライヴはチケットが即日完売したことを受け、生配信も行なわれていたのだが、配信はアンコールの途中で終了。
会場は撮影OKのエクストラタイムに突入した。「この“撮影OK”は、みんなの思い出だけにしたいわけじゃないです。
今日の熱狂を、ここに来られなかった人に届けてほしい。またこの曲が新しい誰かに届いて、バンドがもっとパワーアップできたらいいなと思ってます!」というCHISAの一言から、彼らが改めてこの4人で歩み続けていこうとしている強い意志を感じさせられた。
そして、「夏の行方」を再び披露。この日最大の熱狂を巻き起こした。
尚、エクストラタイムの模様は、現在「#DIVの夏日本の夏」でSNSに続々と投稿されているので、そちらで当日の会場の空気を味わっていただきたい。
また、再結成ライヴの模様はアーカイヴ配信されており、配信チケット購入者は2023年8月27日(日)23時59分まで何度でも視聴可能となっている。
歓喜に沸き続けた再結成ライヴを締め括ったDIVは、2024年7月19日(金)にZepp Shinjukuでワンマンライヴを開催することをこの日発表した。
こちらの詳細は後日アナウンスされることになっている。また、9月には『DIV presents「将吾フェス2023」』が、10月には『DIV satoshi birthday Special「マブダチ」「弟」』の2公演の開催が決定。
再結成ライヴ同様、おそらくどの公演もチケットの争奪戦は必至になるかと思われるが、「みんなには大変な思いをさせるかもしれませんが、またライヴ会場で会いましょう!」と、CHISAは再会の約束をオーディエンスと交わしていた。
誰もが予想していなかった奇跡の復活をはたしたDIV。再びその足を前に進めた4人は、ここからどんな未来を描いていくのか。
その行方をしっかりと見届けていただきたい。
TEXT◎山口哲夫
PHOTO◎S1TK、Ray Favian
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DIV 「NEVER DIVIDED, JUST DIVE」
2023年8月13日(日) 恵比寿リキッドルーム
SETLIST
1. ZERO ONE
2. 東京、熱帯夜につき
3. 夏の行方
4. LOVE IS DEAD
5. TASTE OF LIFE
6. BUTTERFLY DREAMER
7. JUSTICE
8. SEASONS
9. 漂流彼女
10. you
11. イケナイKISS
12. DEATH GAME
13. ゴールデンキネマ劇場
14. SECRET NIGHT
15. Point of view
16. ANSWER
En01. 東京ネクロポリス博物館
En02. 毒彩ギーク
En03. 夏の行方
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<配信情報>
■「NEVER DIVIDED,JUST DIVE」恵比寿リキッドルーム アーカイブ配信中
【チケット料金】 6,000円(税込)
【アーカイブ視聴期間】 2023年8月27日(日)23時59分まで(期間中は何度でも視聴可能)
【配信チケット受付URL】 https://div-official.zaiko.io/item/358262 ※配信チケット受付中
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<DIVE LIVE SCHEDULE>
■DIV presents 将吾フェス2023
2023年9月3日(日) 渋谷Milkyway <一部>OPEN 13:30 / START 14:00 <二部>OPEN 17:00 / START 17:30
2023年9月9日(土) 福岡DRUM SON OPEN 17:00 / START 17:30
2023年9月10日(日) 福岡DRUM SON OPEN 16:00 / START 16:30
【出演】 DIV
【チケット料金】 5,500円(税込・D代別)
【チケット発売中】 https://l-tike.com/acme/
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■satoshi birthday Special
2023年10月3日(火) 池袋EDGE 【Day1】 『マブダチ』 OPEN 17:30 / START 18:00
【出演】 DIV / えんそく
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2023年10月4日(水) 池袋EDGE 【Day2】 『弟』 OPEN 17:30 / START 18:00
【出演】 DIV / Chanty
【チケット料金】 前売5,000円(税込み) / 当日券 5,500円(税込 )
【チケット一次先行受付】 https://div-official.zaiko.io/
2023年8月13日(日) 19:00~2023年9月10日 (日) 23:59
【一般販売】 2023年9月24日 (日) 10:00
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■2024年7月19日(金) Zepp Shinjuku ワンマンライブ決定
詳細は後日発表
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