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2019年07月26日 (金)


【ライヴレポート】<mitsu 4周年記念ワンマン「THE NEVER ENDING STORY」>2019年7月20日(土)恵比寿LIQUIDROOM◆ライブハウスでホールライブを実現!?“挑戦”という名のストーリー第一章、大盛況で終幕!

REPORT - 19:00:11

かつてはν[NEU]のヴォーカルとして人気を博し、現在はソロアーティストとして活動中のmitsuが、2019年7月20日、恵比寿LIQUIDROOMにて<4周年記念ワンマン「THE NEVER ENDING STORY」>を開催した。

1年前にLIQUIDROOM公演を発表して以降、本番数日前にも自らチケットを手売りするなど、この日に向けて必死で準備してきたmitsu。

心の中には、今の自分でこの会場を埋められるのか?という不安も確かにあった。

それでも、バンド解散後に自分をどん底から救ってくれた人達に対する想い、高まり続ける歌への情熱、これまでの日々が間違いではなかったと信じたい気持ちが、人生を懸けた大勝負、ソロ史上最大キャパのステージへとmitsuを突き動かしていた。

 

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2015年から始まったmitsuのソロ活動は言うなれば、事務所の力を借りることなく、自分1人でどこまでやれるか?を試そうとするmitsuと、彼の想いに賛同した仲間達との“挑戦”のストーリー。

そんな4年間の集大成、4年をかけて紡いできたストーリーの第1章を最高の形で終幕しようと、ライブ当日も、mitsuチームは、開演直前まで納得いくまで何度もリハーサルを重ねていた。

その顔は真剣そのもの。凄まじい緊張感が漂う。

しかし、一通りリハーサルを終えると、スタッフも含めたチーム全員を集めて、とびきりの笑顔で「よろしくお願いします!」と叫んだmitsu。

あとは楽しむしかないと、腹をくくった瞬間だった。

 

だが、いざ開場してみると、mitsuの予想を超える数の観客が、すぐさま会場を埋め尽くした。

女性ファンはもちろんのこと、子連れやカップル、男性だけのグループ……様々な観客が開演を待ちわびる。

そして、豪華なサポートチーム<夢時(Gt)、KOUICHI(Gt&Cho)、Sato(Ba)、Aki(Dr)、泰斗(Key)、柴由佳子(Vn&Cho)>とダンサー<TAKA-KI、YO-SUKE>、ブルーグリーンのジャケットスタイルが爽やかなmitsuが満を持して登場。

 

「行くぞ、LIQUID!」

 

自分に喝を入れるような豪快なシャウトで1曲目『MIDNIGHT LOVER』に繋ぐと、艶っぽいバンドサウンドとMVさながらの軽快なダンスが、華やかなショータイムの幕開けを告げた。

マイクに噛みつくように歌いながら、力強く腕を振り上げ、観客を先導するmitsu。

その勢いは、ラテンの香り漂う『蜃気楼』でも変わらず、フロアの熱量は高まるばかり。

続く『エトリア』では、表現豊かな歌声で観客を魅了。

青く澄み切った海、夜空に咲く打ち上げ花火、甘酸っぱい恋愛のワンシーンを、1人1人の心のスクリーンに色鮮やかに映し出していった。 

 

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この4年を振り返ると、mitsuの音楽活動は決して順風満帆ではなかった。

人生を懸けて活動していたバンドが解散し、未来が見えなくなったこともあった。

目に見えて動員が落ち込み、思い悩んだこともあった。

でも、孤独の中でもがいていたmitsuを救った、コンポーザーのKOUICHI。

急遽初のソロライブが決定し、戸惑っていた時、全力で支えてくれた夢時、Sato、Aki。

アコースティックライブやダンスなど、ヴォーカリストとしての可能性を広げたいと思った時、“良い音楽、良いライブを一緒に作りましょう”と集まってくれた泰斗、柴、ダンサーズ。

裏方スタッフも含め、そうやって少しずつ広がった音楽の輪がmitsuの居場所を作り、彼らの生み出す音楽や空間を愛するファンの存在が、mitsuの生きる意味となった――。

 

だからこそ、mitsuの願いはいつだって、<お願い ずっとこのままで キミとボクと いられますように>。

そんなファンへの想いを忍ばせた甘いラブソング『スローペース』では、ライブ初参加となる女性ダンサー<saki、yUkA>も登場し、新たなチームで楽曲を彩る。一方、オリジナルメンバー達との絆を一際強く感じたのは、1stシングル曲『It’s So Easy』。

繰り返されるモッシュでフロアが大きく揺れる中、Aki→泰斗→夢時→柴→KOUICHI→Satoと、豪華メンバーが音のバトンを繋ぐ場面もあり、彼らがサポートという枠を越えた最強チームであることを示していた。

とはいえ、ずっと応援してくれている人も、この日初めて来た人も、付き添いで来た人も、なんとなく来てみた人も、LIQUIDROOMの先を見据えるmitsuにとって、誰もがかけがえのない仲間。

誰1人置いていかないようにと、どの曲も、歌詞やノリを丁寧にレクチャーしながらライブを進めていく。

また、この日会場に集まった全員で大きな一歩を踏み出すために、『リバーシブル』を初披露。まるで歌のお兄さんのような笑顔で、観客と共に大きく手を振る姿は、彼が夢の1つとして掲げる“ホールライブ”を彷彿させていた。

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歌い終わるやいなや、観客に「楽しい?」と聞く前に、思わず「楽しい!」と漏らしたmitsu。

それほどまでに全力で駆け抜けた前半を終え、「俺、歌うことすごく好きなの!」と、改めて歌への愛を再確認すると、本編中盤は、彼の歌心を詰め込んだ楽曲を立て続けに披露した。

『4周年記念ワンマン「THE NEVER ENDING STORY」』のテーマソングとも言える『鼓動』。

ドラマティックな世界観ながらも、温かなシンガロングで会場が1つになった『キンモクセイは君と』。

約6年前、自分で初めて作詞作曲した『言いたい事も言えずに』、DaizyStripperの風弥~Kazami~が作曲したという『Naked』は、泰斗&柴による情感豊かなアコースティックアレンジに乗せて、胸の内を全てさらけ出すように熱唱する。

いつも人の真ん中で堂々と笑っているイメージが強いmitsuだが、孤独を経験した彼だからこそ歌えるエモーショナルなバラードが、観客の心を優しく抉っていった。

 

しかし、開演前、「今回の裏テーマは『ライブハウスでこれをやるの!?』なんですよ」といたずらっ子のような笑みを浮かべていたmitsuの真意が分かったのは、本編後半のことだった。

バンドメンバーのみで演奏された『遥か(Instrumenral)』に浸っていると、いつの間にか、アコースティックギターを手にしたmitsuとKOUICHIがフロア後方……ドーム公演で言うところのバックステージにスタンバイしていたのだ。

 

「気持ちが先行しすぎて、スタッフさんに“LIQUIDROOMだけど、ホールみたいなライブがしたい。西武ドームみたいなライブできない?”って言ったの(笑)」

 

饒舌なMCで笑いを誘いつつ、秘かに練習していたというギターを弾きながら、並んで『蛍』を歌うmitsuとKOUICHI。

ギターはまだ“挑戦”の途中なので、ミスをしてやり直すのはご愛敬(笑)。

始動から4年が経ってもなお、初々しい姿が見られるというのも、mitsuのライブの魅力だ。

さらに、弾き語りのプレッシャーから解放されると、「気分は最高!?」「じゃないか!」のコールアンドレスポンス、バンドメンバーとのやりとりで再び会場を盛り上げ、ダンスナンバー『じゃないか』へ。

時折、下手に設置された花道(?)も使いながら、4名のダンサーとキュートに歌い踊る。

型に囚われず、素直に楽しいと思える空間を創り上げてきたmitsuの真骨頂が発揮された瞬間だった。

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本編後半は、アグレッシブなロックチューンでラストスパート!「今年一の声を出せ!」という叫びに応えるよう、パワフルな掛け声が充満した『Crazy Crazy』。

タオルや拳がリズミカルに突き上がる中、鬼気迫る表情でフロアを挑発し続けた『into DEEP』。

本編ラストは、『ラストヒーロー』を届けた。<傷付きながらでも進むのさ いつかきっと笑えるように>そう、自分に言い聞かせながら歩んできた4年間がフラッシュバックするmitsuに、無我夢中で進んできた道が間違っていなかったと、フロアに輝くたくさんの笑顔が伝えている。

そんな光景を見渡しながら、「この道で正しいのか自信がなかったんだけど、まだまだいけるって思った。

みんなのお陰で、さらに前に進む覚悟が決まった。ありがとう」と感謝を述べると、名残惜しそうにmitsuはステージを後にした。

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アンコールはサポートメンバーのMCもあり、いちだんとアットホームな雰囲気に。

そして、mitsu曰く、“4年かけて廻ったツアーのファイナルみたいな感覚”だという本公演を締め括るのは、最高の仲間と夢を追う生き様を投影した『Live Your Life』と、今にも消えそうだった孤独なmitsuを救った、始まりの曲『For Myself』。

何もないあの頃から始まった挑戦の日々を噛みしめるように、LIQUIDROOMに駆けつけてくれた人達の顔を記憶に刻むように、それでいて、もっとずっと先を見据えるように……前のめりになりながら、最後まで魂を込めて歌い上げた。

 

終演後には、「まだとれるかわからないけど」と言い添えた上で、「2年後、32歳で渋谷公会堂に立つ」と改めて宣言したmitsu。

その顔には、観客1人1人が彼にプレゼントした“自信”が輝いていた。

この先、どんな困難が待ち受けているのか?は、誰にもわからない。

それでも、mitsuという“挑戦”のストーリーは、最高の仲間を連れて次の章へと続く――。

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PHOTO:ayak(メイン写真)、小林弘輔(チーム集合写真のみ)

TEXT:斉藤碧

 

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mitsu

2019年7月20日恵比寿LIQUIDROOM
セットリスト

1.MIDNIGHT LOVER

2.蜃気楼

3.エトリア

4.スローペース

5.It’s So Easy

6.リバーシブル

7.鼓動

8.キンモクセイは君と

9.言いたい事も言えずに

10.Naked

11.遥か( Instrumental )

12.蛍

13.じゃないか

 

-MC-

 

14.Crazy Crazy

15.Into DEEP

16.ラストヒーロー

 

EN1.Live Your Life

EN2.For Myself

 

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<LIVE SCHEDULE

8/19(月) 渋谷REX
アゲハ presents 齋藤紳一郎 Birthday Party 「髭が生まれた日 Vol.2 〜帰ってきた髭ジャスティス〜」

 

8/20(火) 渋谷REX
mitsuワンマンライブ 「夏だ!浴衣だ!跳び放題2019」

8/31(土) 渋谷REX
CRAZY PUNK KID presents「トーキョーショータイム(1)」

 

9/29(日) Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
ミケ Birthday Live 1部「ミケwith〇〇」

 

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<mitsu information

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【Twitter】http://twitter.com/mitsu_official