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2023年10月03日 (火)


【ライヴレポート】<NACK5 35th Anniversary&BEAT SHUFFLE 25th Anniversary Live>2023年9月24日(日)大宮ソニックシティ大ホール◆ロック魂とエンタメ魂のふたつを兼ね備える、とびきり芸達者なV-ROCKアーティストたちが大宮ソニックシティ・大ホールに大集結!

REPORT - 18:00:28

■NACK5 35th Anniversary&BEAT SHUFFLE 25th Anniversary Live

2023.09.24(SUN)  大宮ソニックシティ大ホール

 

出演 BREAKERZ / ゴールデンボンバー / NoGoD

DJ 浅井博章

スペシャルレポーター イガグリ千葉(仙台貨物) 

 

 

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ロック魂とエンタメ魂のふたつを兼ね備える、とびきり芸達者なV-ROCKアーティストたちが大宮ソニックシティ・大ホールに大集結!

 

 このたび、9月24日に開催された[FM NACK5 35th Anniversary & BEAT SHUFFLE 25th Anniversary Live ~ビッフル・ア・ゴーゴー!~]は、そのタイトルどおりにFM NACK5の開局35周年と、名物音楽番組として長く愛されてきている『BEAT SHUFFLE(金曜19:00-20:30)』の25周年を記念する一大イヴェントで、ここにはいずれも番組と深い縁を持つNoGoD、ゴールデンボンバー、BREAKERZの計3組が出揃うことになった。

 

 ちなみに、この『BEAT SHUFFLE』ではDJ・浅井博章氏が一貫して【V-ROCK完全攻略プログラム】をコンセプトにしながら音楽情報を発信し続けてきており、毎週さまざまなアーティストの最新楽曲が続々と紹介されるだけでなく、大宮スタジオアルシェからの公開生放送というかたちで旬なアーティストたちとのトークを展開する内容も、高い人気を集めている点が大きな特徴。リスナーや各アーティストからは、いつしか“ビッフル”の愛称で親しまれるようになった四半世紀も続く老舗プログラムなのである。

 

 かくして、今宵の一番手として颯爽と舞台上に現れたのは、重く激しいサウンドとフロントマンである団長のハイトーンヴォーカル&巧みな話術が我々の心を惹きつける、ヴィジュアル系ヘヴィメタルバンドのNoGoD。最新アルバム『NoW TESTAMENT』に収録されている「Renatsu」のギターリフが場内に響きわたり、ほどなく団長が「ビッフル・ア・ゴーゴー!、始めようか!!」と叫んだのだが……あれ?声が違う?!実はこのとき、ステージセンターで声をあげていたのは団長と同じ白塗りメイクをし、なぜか団長の衣装ジャケットまでしっかりと着込んでいた浅井氏だったのだ。

 

 

 

 

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょーい!!違う、違う!!!!」(団長)

「あれ?でも今日のこれ、僕のイヴェントよ(笑)」(浅井)

 

 渾身のフェイントを浅井氏がカマしたあとに、すかさず舞台袖から本物の団長が出て来てベタなツッコミを入れるという、いわゆる出落ちコントは見事に成功。客席からは笑いと盛大な拍手が湧きあがり、浅井氏はこのあと団長にジャケットを返しつつ「今日は10年ぶりの番組イヴェントです。最後まで楽しんでいってください!!」とNoGoDにバトンを渡し、渡された側のNoGoDは「カクセイ」の演奏を始めた瞬間にシリアスなモードへとシフトチェンジしてみせ、激音で聴衆を圧倒していくさまは壮観の一言。

 

 

 

「今日、「ようこそ、俺の街へ!」と言えるヴォーカリストは俺だけだ。埼玉県さいたま市岩槻区からやって参りました、濱守康太郎ことNoGoD・団長です!」(団長)

 

 このご時世にあって個人情報ダダ漏れな自己紹介をはさんだあと、団長は「いかに埼玉県民にとって大宮ソニックシティホールのステージ立つことが嬉しいことであるか」を語ってみせ、その喜びの気持ちは観客たちに振付けレクチャーをしたうえで演奏された「If Possible」のパフォーマンスにも、ぶつけられていくことになったものと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

「今日のお客さんは最高だぜ!このイヴェントはタイバンもいいしな。でもね、やっぱりあんだけ印税が入ってくるという彼のことを俺は嫉んでしまうところがあるし。生まれも育ちも顔も良くて、奥さんも美人…そんな彼のことを嫉んでしまう夜もある(笑)。そうさ、俺ってヤツはダメ人間なのさ!」(団長)

 

 暗にというよりは、あからさまにゴールデンボンバーの鬼龍院翔と、BREAKERZのDAIGOに対する羨望感情を自虐ギャグにしながらも、真摯に〈開花させられるかどうかは自分次第 強く咲き誇れ〉と歌ってみせた「球根」に漂っていた説得力。彼らのライヴには欠かすことが出来ない、鉄板曲「神風」で彼ら5人が一丸となってみせた頼もしい力強さ。それらでNoGoDとしてのカッコ良さを存分に発揮しつつも、最後の最後には団長が「♪あなたの街にある 埼玉りそな銀行♪がNoGoDのライヴ終了をお知らせします」と、FM NACK5の時報をオマージュしたリスナーのみに伝わるネタで締めくくり、終始とても面白いのにちゃんとメタルなステージングを彼らは完遂してくれたと言っていい。

 

 

「トップバッターをつとめてくれましたNoGoDに、あらためて大きな拍手をお願いします!それから、今日はここからスペシャルレポーターとしてこの人も参加してくれることになりましたので、ご紹介しましょう。仙台貨物のイガグリ千葉さんです!!」(浅井)「どんも、どんもー。千葉さんもNACK5ファミリーだがらね。今日は来させでもらいましだ!」(イガグリ千葉)

 

 

 

 おなじみの真っ赤なツナギ姿と、仙台弁がトレードマークになっているイガグリ千葉は、本人だけではなく兄であるNIGHTMAREのYOMIともどもビッフルとは密な関係にあるそうで、今回はもともと出演予定がなかったもののスケジュールをやりくりし、なんとか出演へとこぎつけてくれたのだという。

 

「さて、そろそろ次のアーティストの準備が出来たようです。っていうか、ステージの準備といっても彼らはアンプとか使うのかな(笑)」(浅井)

 

 

本日の出演者のうち、アンプを使わないアーティストといえば。当然、希代のエアバンド・ゴールデンボンバーに決まっている。仮に初見だったとしても、絶対にサビでは誰もが盛り上がれるポップでアッパーな「Hey Yo!」では喜矢武豊、歌広場淳、樽美酒研二の順でそれぞれ派手にラップをキメてみせ、しょっぱなから彼らは会場をパーティー空間へと変えてしまうのだから恐れ入る。だが、それでもこれはまだまだ序の口。

 

「NACK5開局35周年とビッフルの25周年、おめでとうございます!ということで、やって参りました埼玉!埼玉といえば、ガリガリくんで有名な赤城乳業さんの工場があるの知ってます?ガリガリくんには美味しい食べ方があるんですよ。ガリガリくんを器に入れて炭酸を注ぐとシャーベットになってめちゃめちゃ美味いんです!あぁ、食べたくなってきちゃったなぁ。まぁ、その話は置いときまして。今日はせっかくのイヴェントですから、みなさん最後まで楽しんでいってください!!」(喜矢武豊)

 

 

 

 

「今日はNoGoDさん、BREAKERZさんとご一緒出来てほんとに嬉しいです。ありがとうございます!DAIGOさんは「また一緒にライヴやろうね」って言ってくれていたので、僕はそんなDAIGOさんのためにBREAKERZさんの「BUTTERFLY」を一生懸命練習してきました。今日は初めて披露するので、前よりも成長した姿をぜひDAIGOさんに見てもらいたいです」(樽美酒研二)

 

 

 

 

「DAIGOさんには「あの素晴らしい朝をもう一度」のMVにも出てもらいましたしね。我々はほんとにお世話になってますから、今日はふざけませんので」(鬼龍院翔)

 

 

 

「絶対ふざけませんよ!安心してください!!」(歌広場淳)

 

 

 

 

 もはやこれがフリであることは明らかで(笑)、このあとに始まった「抱きしめてシュヴァルツ」では喜矢武がガリガリくんを食べながら炭酸水をガブ飲みをしてゲップをし、それに加勢するかたちで歌広場がシャンパンファイトよろしく炭酸水をさらに頭上からブッかける、という事態が発生。かと思うと、樽美酒は「BUTTERFLY」をBGMに蝶の羽をパタパタとはためかせながらステージへ踊り出たのだが、その羽の下はTバック一丁。ただし、股間部分にはモザイクがわりに浅井氏の顔写真が貼られていた…(唖然)

 

 

 

 

 また、ヴィジュアル系シーンにおけるさまざまなフリを網羅した「毒グモ女(萌え萌え編)」ではDAIGOから頂戴したという“ウィッシュ”ポーズを折り込んだシーンがあったほか、「デスメンタル」では喜矢武が持ち芸のひとつである“ビニールプールでシャンプー”を展開したうえ、これに浅井氏が乱入して泡まみれになるという大胆な一幕も!!

 

 

 

 

 しかし、それでもまだ一向に彼らの攻めの姿勢は緩むことがなく、【V-ROCK完全攻略プログラム】であるビッフルを意識したのであろう選曲の「†ザ・V系っぽい曲†」では、まさに〈ワチゴナビートシャッフォー〉という番組名を組み込んだ歌詞も歌われることになった点も忘れてはいけないところ。ただ、どうやらこの歌詞はゴールデンボンバーがビッフルに初出演するはるか前から勝手に歌われていたものだったらしい(笑)

 

 結果として、全6曲の中にあれこれを詰め込んだ盛りだくさんな中、この夜のゴールデンボンバーはゴールデンボンバーだからこその秀逸なるショウマンシップ、というものを体現してくれたことになる。ふざけるのも大概を通り越してここまでとことんやり尽くせば、これはもう秀でたる芸そのもの。

 

「浅井さん、さっぎあれどうしちゃっだの?シャンプーでヌルヌルぬなっでだでしょ。羨ましいなぁ」(イガグリ千葉) 

「みなさんからはわからなかいもしれないですけど、僕めちゃくちゃ今シャンプーの良い匂いしてます(笑)」(浅井)

 

 番組DJが自ら身体を張ってアーティストたちと共演するという、明らかに他のロックイヴェントとは一線を画する様相をみせてきた、この[FM NACK5 35th Anniversary & BEAT SHUFFLE 25th Anniversary Live ~ビッフル・ア・ゴーゴー!~]において。トリをつとめることになったのは、なんとこの日の夕方まで『みんなのKEIBA』に出演していたというDAIGOが率いるBREAKERZだ。なんでも、生放送終了後に千葉の中山競馬場から埼玉の大宮ソニックシティまで渋滞にハマりながらも無事に急行してくれたのこと。そして、この日のライヴについては出番前に楽屋からの生中継方式の映像で本番に向けての意気込みを語るくだりが各アーティストともあったのだが、とりわけBREAKERZの場合はこの段階から既にエンタメ魂がみなぎりまくっていた。

 

 

「俺たちは、真剣にバンドをやって来て16年なんでね。もう、ふざけんのとか大っキライなんですよ。俺たちは真剣に俺たちらしいロックをブチかまします!」(DAIGO)

 

 そう言いながらも、DAIGOがこの時にかぶっていたのは樽美酒のお面。AKIHIDEはイガグリ千葉、SHINPEIも団長のお面をかぶっており、彼らがまずこの白塗り顔のトリプルアタックで観衆をひと笑いさせてくれたことは言うまでもない。

 

 

 

 

 もっとも、いざ「Everlasting Luv」からライヴが始まってしまえば華やかにしてダイナミックな演奏で聴き手を魅了してくれるのがBREAKERZで、確かにそこには笑いの要素など1ミリもあるはずがなかった。

 

「今日はね、NACK5の35周年と『BEAT SHUFFLE』の25周年ですし、中には僕らと初めましての方たちもいると思いますから。ちょっとここで、みんなに僕たちの25年前と35年前の写真を見てもらおうかな」(DAIGO)

 

 25年前の分についてはSHINPEIがサングラスなしの写真、AKIHIDEが前バンド・FAIRY FORE時代の写真、DAIGOもレアなJZEIL所属時代の写真をおしげもなく披露。さらに、35年前の分ではSHINPEIが幼少期、AKIHIDEがボーイスカウトでの制服写真、DAIGOに至っては祖父である元内閣総理大臣・竹下登氏との2ショットという、それぞれになかなかのインパクトを持った写真たちが場を湧かせることになり、このあたりはBREAKERZの手厚いサービス精神が活かされた場面だったと言えるだろう。

 

 それにくわえ、このライヴでは声出し解禁となった今のタイミングに合わせて作られたものであることがうかがえる新曲「RESTART OF LIBERTY」が供されたうえ、MCでの「実は僕たち、NoGoDやゴールデンボンバーの曲をリハでやったりしてるんですよ」というDAIGOのフリから、NoGoDの「ノーゴッド」とゴールデンボンバーの「毒グモ女」を一部分カバーするくだりまであり、これには各バンドのファンも大喜び(注・後者についてはフリまで完コピ!)。つくづく、BREAKERZは人心掌握術に長けている。

 

 

 

 

 

 

 その後、後半戦に入るところで演奏された「BAMBINO~バンビーノ~」では、かつてのDAIGOがソロアーティスト・DAIGO☆STARDUSTとして活躍していた時代のギラギラした衣装を浅井氏が着用し、ダンサーとして参加するというこのイヴェントならではの見せ場もあったが、オーディエンスが曲にあわせてタオル回すことになった「灼熱」や、DAIGOが客席まで降りて歌ったラストの「DESTROY CRASHER」で、あたかもBREAKERZのワンマンを観ているような気分になったのは何も筆者だけではないはず。

 

 

 

 むろん、こうなってくるとアンコールの声がホール内に響きわたったのは当然のことで、これに対しては当日の全出演者が再登壇してゴールデンボンバーの「女々しくて」を大セッションする、という豪華な企画が打ち出されることに。

 

 BREAKERZチームが牽引する生演奏にあわせ、キリショー、浅井氏、DAIGO、イガグリ千葉、団長の順でメインヴォーカルをとっていきつつ、全出演者が大宮ソニックシティ・大ホールの舞台上を“例の振り付け”で右往左往したり、最後は全員で定番の決めフォームを構える様子に、全観客が狂喜乱舞する光景は圧巻なことしきり。

 

「いやー、今日は浅井さんが各バンドぬいろいろイジられでだねぇ。千葉さん、ほんどぬ羨ましがっだなぁ(笑)」(イガグリ千葉)

「あらためて、今日はみなさんありがとうございました。今後も36年目のNACK5、26年目の『BEAT SHUFFLE』をよろしくお願いします!」(浅井)

 

 このたび[FM NACK5 35th Anniversary & BEAT SHUFFLE 25th Anniversary Live ~ビッフル・ア・ゴーゴー!~]に顔を揃えてくれたロック魂とエンタメ魂のふたつを兼ね備える、とびきり芸達者なV-ROCKアーティストたちの動向は、ぜひ今後も【V-ROCK完全攻略プログラム】である『BEAT SHUFFLE』にて随時チェックされたし。毎週金曜日の19時はFM79.5にtune in!!!

 

 

TEXT     杉江由紀

PHOTO 土田紘

 

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FM NACK5(埼玉 79.5MHz BEAT SHUFFLE

毎週金曜日 19:00-20:30 大宮スタジオアルシェから公開生放送

 

https://www.nack5.co.jp/

https://twitter.com/beat_shuffle