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2020年12月29日 (火)


【ライヴレポート】<MUCC「惡 -The brightness world」> 2020年12月27日(日)日本武道館◆MUCCらしい躍動感と素晴らしい臨場感。そして──「ただいま」。

REPORT - 18:00:00

「ただいま」という言葉をフロントマン・逹瑯が夢烏(注・古くからMUCCファンを総称する言葉として使われている)たちに向けて発したのは、この夜の本編ラストで琴羽しらす氏と後藤泰観氏、そしてストリングスチーム・killers orchestra を迎えての豪華なる演奏で披露された「スピカ」を歌い終えたときのことである。  

 

始動23周年を迎えての堂々たる15thアルバム『惡』を本来であれば今年5月に発売する予定だったMUCCは、春に緊急事態宣言が発出されたことにより6月になってようやくそのリリースが叶ったのだが、世の中そのものが激動と波乱に満ちることとなってしまった2020年は、結果としてMUCCというバンド自体にもまた大きな変化と変革をもたらすことになったと言えるだろう。  

 

まず、54日の結成記念日には完全リモート体制での演奏動画[Remote Super Live Fight against COVID-19~]を無料配信するところから始まり、翌621日にはぴあアリーナMMで行うはずだった[蘇生]の代替公演として無観客有料配信ライヴ[~Fight against COVID-19 #2~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』]を大胆な演出アプローチと細部にまで凝ったサウンドメイクにて敢行。

なお、1227日に日本武道館にてワンマンを行うとの告知があったのはこの時だ。  

 

そして、ここからのMUCC9月から11月にかけても計3本の無観客配信ライヴを決行しており、それらがいずれも異なるコンセプトにて実施されてきたことも実に興味深い流れであったと言える。

中でも、レコーディングスタジオを舞台とした11月の[FROM THE MOTHERSHIP]は、配信ライヴにおける音質を徹底的に追求したものとなっていて、近年サウンドエンジニアリングも手掛けているリーダー・ミヤの手腕がいかんなく発揮された内容であった。  

 

また、11月にいわゆる小箱タイプのライヴハウスで繰り広げられた[FROM THE UNDERGROUND]でのド直球な熱量たっぷりのパフォーマンスは、そのまま1227日への期待をより増すことに。

それだけに、ここから1週間と経たない122日に我々へと突如もたらされたインフォメーションは衝撃的だったと表現するほかない。  

 

公式サイトからの「2021年の春をもってドラマー・SATOちがMUCCを脱退し、ドラマーとしても引退する」というこの不意な大切なお知らせには、きっと動揺した夢烏も多かったのではないかと思う。  

 

しかしながら、いざフタを開けてみれば。MUCCがこのたび開催した3年半ぶりの日本武道館公演[惡-The brightness world]は、徹頭徹尾ひたすらにMUCCらしい躍動感と素晴らしい臨場感に溢れたものになったと断言出来る。

MUCC_s201227-2712_撮影:田中聖太郎 

アルバム『惡』の冒頭を飾る、MUCC史上最も低いローGチューニングを用いたヘヴィなサウンドが炸裂する「惡 -JUSTICE-」と「CRACK」で威勢よく幕を開け、SATOちが作詞と作曲を手掛けたタイトル通りのドライヴチューン「神風Over Drive」まで一気にたたみかけると、逹瑯はこぼれるような笑顔で「ヤっっバい!楽しいよ、これ!!落ちつけ、俺www」とまごうことなき本音を吐露。

見やれば、SATOちやYUKKEだけでなくミヤも含めた全員がやたらと破顔しているではないか。  

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ひとつには、今回のライヴ開催に向け鳴り物が導入されたことも吉と出たようで、公式グッズの鈴付きリストバンドや光るタンバリンのみならず、打楽器類の持込みが許可されていた為に会場では拍手に限らずさまざま音が入り乱れ、発声が禁忌となっている今日の状況下でも明確な盛り上がりというものを生み出すことに成功していた模様。  

MUCC_s201227-2622_撮影:田中聖太郎 

なお、今回の公演については政府ガイドラインを遵守しソーシャルディスタンシングを確保したうえでの有観客ライヴと、アーカイヴ配信も込みのネット配信、さらにはWOWOWでのTV生中継の計3ルートからアクセスすることが出来るようになっていた為、たとえ現場に来ることがNGな場合でも 夢烏たちはそれぞれに[惡-The brightness world]を堪能出来たに違いない。

(注・e+ストリーミングに至っては13日まで視聴可能なので見逃した方は是非!!)  

 

何かとクリック至上主義の昨今にあって、オールドスクールなロックンロールをMUCCならではのフリーテンポで堪能することが出来た「Friday the 13th」。

サポートキーボーティストの吉田トオル氏や、バイオリニスト・後藤泰観氏による叙情的なプレイが華を添えていただけでなく、ランタンを用いた演出の面で配信ライヴでの経験が活かされていた「積想」。

繊細な旋律とともに、武道館の中に淡雪が舞い降った「COBALT」。

9月の配信ライヴに引き続いて、アルバムのレコーディングにも参加しているlynch.の葉月がゲストヴォーカルとして登場し場を湧かせた「目眩feat.葉月」などなど。

吉田トオル(Key)_SU1_04362  

 MUCC_s201227-5196_撮影:田中聖太郎

逹瑯・葉月_SU1_08108

挙げればキリはないが、今宵のMUCCが全27曲・3時間超にわたって呈示してくれたこのライヴは、コロナ禍に突入して以来の出来るだけライヴはコンパクトにまとめよう的な風潮の逆をいく、換気などの安全性は保ちつつも出来るだけ本来的なワンマンライヴとしてのボリューム感を重視した、なんとも矜持と気概のあるものになっていたように思えてならない。  

逹瑯_s201227-0763_撮影:田中聖太郎 

つまり。その意味でも、冒頭においてふれた「スピカ」の際の「ただいま」と言う言葉には、ことさらの想いが託されていたのではないだろうか。

観客を前にしたステージという場に、紆余曲折を経ながらも還って来られたことに対する感慨。

彼らは今宵、それを幾度となく噛みしめていたものと推測する。

もちろん、その場で夢烏たちが「おかえり!」という言葉を彼らに対してかけることは出来なかったが、声は発せずとも演奏後の盛大なる拍手や打楽器音にてその気持ちは存分に伝わったはず。  

 

ゆえに、このあとのアンコールも実に充実した時間として成立することとなり、まずは昨年SATOちの誕生日を記念して会場限定販売されたシングル曲「My WORLD」や、ミヤが「みんなの笑顔でSATOちを成仏させてやろうぜ!」と煽った「名も無き夢」、再び葉月が加勢してくれた「蘭鋳」の3曲では、改装完了早々の武道館が観客たちの跳んだりハネたりによってリアルに揺れるほどのブチ上がり状態に。  

SATOち_SU1_11314

 ミヤ・YUKKE_SU1_09987

 

ミヤ・YUKKE・SATOち_SU1_11282

次いでのダブルアンコールでは、あたたかなノスタルジーの漂う「家路」、普段であれば途中で観客側がシンガロングする部分をメンバー全員が持ち回りで個々に歌ってみせた「優しい歌」、大きな意味での讃歌である力強く美しい「ハイデ」でと来て

この夜、最後の最後に演奏されたのはSATOちの脱退が決定してからミヤが作曲をし、メンバー全員で作詞をして作り上げたという新曲「明星」だった。  

 

既にYouTubeの公式チャンネルにショートバージョンのMVがアップされているほか、来年発売されるベストアルバム『明星』(発売日未定)にも収録されるとのことなので、詳しい歌詞内容についてはそれらを参考にしていただきたいが、とにかくこの曲に関しては涙なくしては聴けなかったのが本当のところ。

別に、彼らがお涙頂戴的なパフォーマンスをしていたわけでは断じてないし、この楽曲自体は前向きな意味合いのものでしかない。

ただ、それでも彼らの過ごしてきた23年間を思うと、その日々に対しての尊さと愛しさに自然と泣けて来て仕方なかった。  

 

とはいえ。我々はまだ、ここで感涙にむせんでばかりもいられないのも事実。

来年2月には彼らの地元にあるザ・ヒロサワ・シティ会館・大ホール(茨城県立県民文化センター)を終着点とするホールツアーMUCC TOUR 202X -The brightness world]が控えているわけで、SATOちが在籍するライヴバンド・MUCCの雄姿を拝める機会はまだ幾つもある。  

 

すなわち、「ただいま」と「おかえり」の気持ちを、わたしたちはまたそこでも通い合わせることが出来るだろう。

せっかくならば、そんな貴重な日々をMUCC4人とともに楽しく過ごしていこうではないか。

MUCCSATOちのこれからの大切な日々に、宵の明星の如き確かな光あれ!

 

 

 

文◎杉江由紀

写真◎田中聖太郎・渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)、Susie

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MUCC「惡 -The brightness world

20201227 日本武道館

SETLIST

 

01. -JUSTICE-

02. CRACK

03. 神風 Over Drive

04. ENDER ENDER

05. G.G.

06. 海月

07. アイリス

08. サイコ

09. Friday the 13th

10. SANDMAN

11. 積想

12. COBALT

13. アルファ

14. スーパーヒーロー

15. DEAD or ALIVE

16. 目眩 feat.葉月

17. ニルヴァーナ

18. カウントダウン

19. TONIGHT

20. スピカ

 

En.1

1. My WORLD

2. 名も無き夢

3. 蘭鋳 feat.葉月

 

En.2

1. 家路

2. 優しい歌

3. ハイデ

4. 明星 

 

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MUCC INFORMATION

 

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STREAMING

 

20201227日 日本武道館 「惡-The brightness world」 アーカイブ配信中

 

【配信サイト】

<ニコニコ生放送> https://live2.nicovideo.jp/watch/lv329393483 

 ※MAVERICK DC GROUPニコニコチャンネル有料登録会員、

 および新規有料チャンネル入会者は視聴チケットを3,500円(税込)で購入可能

<イープラス Streaming+> https://eplus.jp/mucc20201227/st/ 

LiveFrom EVENTS> https://livefrom.events/mucc 

 ※海外向けチケット購入サイトとなります

【受付期間】 202113日(日)2000まで

【チケット料金】視聴チケット 4,500(税込)

 

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LIVE

 

MUCC TOUR 202X -The brightness world

<日程>

2021228日(日) 福岡サンパレス

202137日(日)  仙台サンプラザホール

2021325日(木) 愛知県芸術劇場大ホール

2021327日(土) 大阪オリックス劇場

202143日(土)  新潟テルサ

2021415日(木) LINE CUBE SHIBUYA

2021429日(木・祝) 中野サンプラザホール

202151日(土) よこすか芸術劇場

202155日(水・祝)ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール(茨城県立県民文化センター)

202156日(木) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール(茨城県立県民文化センター)

 

【チケット料金】全席指定 9,600(税込)   ※未就学児入場不可  ※営利目的の転売禁止

【朱ゥノ吐VIP会員先行チケット受付】

  202117日(木)1200112日(火)1600

  202114日(月)2359までにVIP会員入金手続き(決済まで)を完了した方が先行受付の対象となります。

【一般発売日】2021214日(日)

 

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RELEASE

 

★ベストアルバム「明星」 リリース日等詳細は、後日発表

新曲「明星 Short ver. Rough mix)」MV https://youtu.be/yclCKodqCj8 

 

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★LIVE Blu-ray&DVD

「~Fight against COVID-19 #3~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」発売中

 

<朱ゥノ吐VIP会員限定 完全生産限定盤(Blu-ray3枚組> 品番:MSHN-087 価格:\10,000+tax +送料

<通常盤(Blu-ray)> 品番: MSHN-088 価格:\6,000+tax

<通常盤(DVD)>  品番:MSHN-089 価格:\5,000+tax

 

Fight against COVID-19 #3~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」

 トレーラー映像 https://youtu.be/163STv6O0v4 

 

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★LIVE Blu-ray&DVD「~Fight against COVID-19 #2~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」発売中

<初回限定盤(Blu-ray)>  品番:MSHN-084 価格:\8,000+tax

<通常盤(Blu-ray)> 1枚組 品番: MSHN-085 価格:\6,000+tax

<通常盤(DVD)> 1枚組 品番:MSHN-086 価格:\5,000+tax

 

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