2021年04月02日 (金)
【ライヴレポート】<ユナイト『10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-]』>2021年3月28日(日)LINE CUBE SHIBUYA◆紆余曲折を経てたどり着いた10周年。鳴りやまない終わらない歌。
REPORT - 14:07:37ユナイトが一年越しにLINE CUBE SHIBUYAに立つ。
それだけでも充分なシナリオになってしまうほど彼らにとって苦しい一年間だったことだろう。
しかし、ユナイトにとってこの会場は6年前に現体制になって初めてライヴを行った思い出の場所でもあり、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い泣く泣く中止した9周年公演のリベンジを10周年という節目に果たすということも加えればあまりにも出来すぎたストーリーだ。
そんな結成10周年を迎えるユナイトが3月28日に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて『10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-]』を開催した。
暗転した会場を青のレーザーライトとフロアの色とりどりのペンライトが彩り幻想的な空間を作り上げるなか、ゆっくりと幕が上がるとすでにユナイトのメンバーがスタンバイ。
莎奈(Dr)が力強いビートを刻むと、つづいてハク(B)、LiN(G)、椎名未緒(G)と順にバンドインしていき「ANOMiE ?」へとなだれ込みライヴの幕は切って落とされた。
つづいてライヴのギアを一気に上げた「レヴ」では結(Vo)が「会いたかったよ!」と感情を爆発させる。
何を隠そうこの「レヴ」はこの5人での初めての楽曲であり、6年前の渋谷公会堂公演の一曲目として初披露された曲でもある。
そして、その未来を歌ったものが昨年の9周年公演に向けてリリースされた「ANOMiE ?」なのだからこのリンクする二曲を並べた構成には序盤から胸が熱くなる。
リーダーである椎名未緒が「近年のユナイトは感謝のタームに入っていると感じている」と話していたのはまだ中止が決まっていなかった昨年の9周年公演直前の段階だが、この日は “僕らには君だけがいればいい”と歌う「ANOMiE ?」然り、続く「U -s m e h-」でも“僕は君のことが必要なんだ”という一節があった。
また、MCでも結が「今日はこの10年間のありがとうをみんなに伝えようと思う」と語るなどU’sへの感謝がこの日のセットリストにはふんだんに散りばめられていたように思う。
「次は懐かしい曲を届けたいと思います」とLiNと未緒の複雑に絡み合うギターアンサンブルが耳を引く初期の佳曲「ミドルノート」を披露すると、さらにツインギターのカッティングとハクのスラップが冴えわたる「さよならユーフォリア」、莎奈のキメとタメの効いたドラムを中心としたバンドのグルーヴが心地いい「液体の夜」「THEATER -LA-」と10周年を迎え成熟したユナイトのバンドアンサンブルの巧みさを感じることできた。
また、LINE CUBE SHIBUYAの高い天井に結の独唱が響いた「美空結び」やムード溢れる「五月已」ではどこまでも伸びていくような結の歌声に酔いしれ、前半戦の最後を壮大かつユナイトらしいかわいらしさを持つ「クオリア」でしめくくった。
しばしの換気休憩を経て後半戦は各メンバーがメンバーカラーをあしらった新衣装で登場し、「funky!!!」を生演奏でプレイし、そのままの流れでパーティーチューン「–ハロミュジック–」からスタート。
ユナイトの盛り上げ隊長であるLiNが声を張り上げた「small world order」、アグレッシブでエッジィなサウンドを聴かせてくれた「イオ」と後半戦はスタートから飛ばしていく様相だ。MCをはさんで披露された「Love_Duck_Core_Nothing」ではダークでハードの一面を見せるとフロアのボルテージは急上昇。
会場の熱をそのままに「それではLINE CUBE SHIBUYAの皆様、イタダキマス」とおなじみの口上からキラーチューン「ice」をドロップすると会場の熱は最高潮に達した。
ライヴは終盤戦、普段であれば会場全体でシンガロングするのが定番の「シトラス」もこの日はおあずけ。
しかし、「次は一緒に歌おうね」とこの先の未来の約束をしっかりと結んだ。
同様にステージ中にシャボン玉が舞った「ビリブオアノ」でも「僕たちは毎年この桜が咲く季節に周年を迎えます。これからもみんなと一緒にこの周年を迎えたいからずっと着いてきてくれたらうれしいです。ずっと一緒にいてくれるかい?」と言葉を投げかけU’sとの未来を見据えてくれた。
ユナイトが掲げる“終わらないバンド”というコンセプト。
10年間、このコンセプトがぶれることはなかったが、その道筋は決して順調なものではなかったはずだ。
事実、ユナイトが解散の危機に直面することはあったし、そんな中でも彼らがこのコンセプトを掲げ続けたのは彼ら自身バンドが終わることの悲しみを知っていることと、いつもそばにいてくれるU’sへの想いによるものであるということが伝わってくる。
さらに新型コロナウイルスによって約1年間ライヴ活動が出来なかったことでその想いはさらに強くなったのではないだろうか。
彼らはそんな大切なU’sに向けて「starting over」で“歩くことに疲れた時 そばに君にいて欲しいんだ 手を取り未来を さぁ見に行こう”と歌い、「これからもずっとこの手を繋いでいられますように」と願った。
そしてこの日のラストに用意されたのは彼らにとって始まりの曲である「Eniver」と彼らにとって最新曲である「ファンファーレ」の二曲だった。
ユナイトが10年前に見据えていた“叶えたい未来”の姿が、その10年後である2021年3月28日のLINE CUBE SHIBUYAの景色であったかどうかの答え合わせはもはや必要ないのだろう。
それは紆余曲折を経て10周年にたどり着いたユナイトがたくさんの風船と紙吹雪が舞うなかで披露した「ファンファーレ」でその意味を示してくれていた。
今 僕の目の前に君がいて 僕らが此処に立っている
たったそれだけの事が幸せなんだ
大きな夢や展望よりもっと 大事なモノを見つけたよ
多くは望まなくたって それでよかったんだ
ユナイトというバンドがあってそばにU’sがいること。当たり前のように続いてきた関係が
当たり前じゃなくなったことでお互いの存在の大きさに気付いた10年間であり、その想いと愛おしさがさらに増したこの一年間だったのだろう。
また、終演後には6月から始まる10th Anniversary oneman tour『祝ぇ。⑩』の開催と秋にリリースされる6枚目のフルアルバムの告知がなされた。
未緒の言葉を借りれば様々な困難を乗り越え、バンドとして理想的な形になりつつあるユナイトはこれからもU’sの手を取り、終わらない歌を歌い続ける。
取材・文 オザキケイト
写真◎西槇太一 / MASANORI FUJIKAWA
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<UNiTE. 10th anniversary oneman live [U&U’s -Fanfare-] >
2021年3月28日(日)@LINE CUBE SHIBUYA
- ANOMiE ?
- レヴ
- U -s m e h-
- ミドルノート
- さよならユーフォリア
- Cocky-discuS
- 液体の夜
- THEATER -LA-
- マーブル
- 美空結び
- 五月已
- クオリア
換気休憩 –映像上映–
- funky!!!
- –ハロミュジック–
- small world order
- イオ
- Love_Duck_Core_Nothing
- ice
- シトラス
- ビリブオアノ
- starting over
- Eniver
- ファンファーレ
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<LIVE情報>
■ユナイト 10th Anniversary oneman tour 「祝ぇ。⑩」
・6/16(水) 高田馬場AREA
・6/25(金) 渋谷TSUTAYA O-WEST(ハク バースデー)
・7/02(金) 名古屋E.L.L.
・7/04(日) 大阪ESAKA MUSE
・7/11(日) 広島セカンドクラッチ
・7/17(土) 仙台CLUB JUNK BOX
・8/09(月・祝) 金沢AZ
・8/15(日) 福岡DRUM Be-1
・8/16(月) 福岡DRUM Be-1
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受付期間:3/28(日)20:00~4/11(日)23:59
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